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T he Text for s tudents prepar ingfor the L icensed Tax Accountant examina t ion
Text年内完結・完全合格テキスト
財務諸表論
1
引当金Ⅰ(一般債権)
第12章
1507092_財務諸表論_2016年度_年内完結・完全合格テキストNo1
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受取手形及び売掛金の債権は、売上代金を後日受け取ることにした場合の権利である。
しかし、受取手形及び売掛金の債権はすべて回収されるとは限らず、相手先の倒産等に
よって回収不能となる場合がある。これを貸倒れという。
当期において発生した受取手形や売掛金などの債権が当期において貸倒れとなった場合、
この貸倒れによる損失は、当期の費用としなければならない。この場合には貸倒損失で処
理する。
(売 掛 金) 100 (貸倒損失) 10
(売 上) 100 (売 掛 金) 10
貸倒損失1
1 貸倒れ
2 貸倒損失の会計処理
×掛 売 上(収益)
×貸 倒(費用)
当 期
P/L
売 上 高 100貸 倒 損 失 10
対応が図れている
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当期に発生した債権が当期に貸倒れたことによる損失は、「貸倒損失」として表示する。
対 象 債 権 表 示 箇 所 表 示 科 目
営 業 債 権 販売費及び一般管理費貸 倒 損 失
営 業 外 債 権 営 業 外 費 用
設 例
当期中において、当期に発生した貸付金30千円及び当期に発生した売掛金40千
円の貸倒れが生じた。
(貸 倒 損 失) 30千円 (貸 付 金) 30千円
(貸 倒 損 失) 40千円 (売 掛 金) 40千円
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
販売費及び一般管理費 貸 倒 損 失 40
営 業 外 費 用 貸 倒 損 失 30
3 表 示
金 銭 債 権
<営 業 債 権>
受取手形、売掛金
<営業外債権>貸付金、未収金
営業外受取手形など
販売費及び一般管理費
営業外費用
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当期において発生した受取手形や売掛金などの債権が次期以降に回収される場合、債務
者の財政状態及び経営成績によっては、次期以降においてそのすべてが回収されるとは限
らず、その一部が回収不能、つまり貸倒れとなる可能性がある。この貸倒れによる損失は、
適正な期間損益計算を行うため、貸倒れの生じた期の費用とするのではなく、当期の収益
との対応を図り、当期の費用として見積計上しなければならない。この場合の貸方項目が
貸倒引当金である。
⑴ 貸倒れの生じた期の費用とした場合
(売 掛 金) 100 (貸倒損失) 10
(売 上) 100 (売 掛 金) 10
⑵ 貸倒引当金を設定した場合
(売 掛 金) 100 (貸倒引当金繰 入) 10 (貸倒引当金) 10
(売 上) 100 (貸倒引当金) 10 (売 掛 金) 10
貸倒引当金2
1 貸倒引当金の意義
×掛 売 上(収益)
貸 倒(費用)
決 算当 期
×
翌 期
P/L P/L
売 上 高 100 貸 倒 損 失 10
対応が図れない
×掛 売 上(収益)
貸倒の見積り(費用) 貸 倒
決 算当 期
×
翌 期
P/L
売 上 高 100貸倒引当金繰 入 10
対応が図れる
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⑴ 一般債権の定義
貸倒見積高の算定にあたっては、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、債権を
一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等の 3つに区分しなければならない。なお、貸
倒引当金の繰入れ又は取崩しは、貸倒引当金の対象となった債権の区分ごとに行わなけ
ればならない。
ここでは、一般債権に対する貸倒見積高の算定を学習する。なお、一般債権とは、経
営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権である。
⑵ 貸倒引当金の算定
一般債権については、貸倒実績率法により貸倒引当金を算定する。
貸倒実績率法とは、一般債権について、債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率
等の合理的な基準により貸倒見積高を算定する方法をいう。
貸倒引当金=設定対象となる債権の残高×貸倒実績率
⑶ 貸倒引当金繰入の算定
当期の決算における貸倒引当金の設定額と前期設定の貸倒引当金の残額との差額は、
「貸倒引当金繰入」として算定する。
貸倒引当金繰入=当期の貸倒引当金-前期の貸倒引当金の残額
⑷ 損益計算書の表示
貸倒引当金繰入について、貸倒損失と同様、営業債権に対するものは販売費及び一般
管理費に表示し、営業外債権に対するものは営業外費用に表示する。
対 象 債 権 表 示 箇 所 表 示 科 目
営 業 債 権 販売費及び一般管理費貸 倒 引 当 金 繰 入
営 業 外 債 権 営 業 外 費 用
注意点
営業外債権に対する貸倒引当金繰入については、金融商品会計に関する実務指針では、
営業外費用に表示することとしているが、財務諸表論の試験問題解答上は答案用紙のス
ペースなどを考慮し一括して販売費及び一般管理費に表示することもある。
2 一般債権に対する貸倒引当金の算定
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設例 1 (基本的な取扱い)
<資料 1> 決算整理前残高試算表(一部)
残高試算表X2年 3 月31日(単位:千円)
受 取 手 形 300≤000
売 掛 金 600≤000
貸倒引当金 10≤000
<資料 2> 貸倒引当金に関する事項
受取手形及び売掛金の期末残高に対して貸倒引当金を設定する。一般債権に
対しては、過去の貸倒実績率に基づき受取手形及び売掛金の期末残高の 2%を
引当計上する。(会計期間:X1年 4 月 1 日〜X2年 3 月31日)
(貸倒引当金繰入) 8≤000千円 (貸 倒 引 当 金) 8≤000千円
(3受取手形00≤000千円+6
売掛金00≤000千円)× 2%=18≤000千円
18≤000千円-1T/B貸引0≤000千円=8≤000千円
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
販売費及び一般管理費 貸 倒 引 当 金 繰 入 8≤000
注意点
受取手形及び売掛金をまとめて「営業債権」や「売上債権」という場合がある。
(例) 営業債権の期末残高の○%を引当計上する。
300≤000千円× 2%
債権額
一般債権
受取手形
600≤000千円売掛金
18≤000千円
当期の貸倒引当金
10≤000千円
前期の貸倒引当金の残額
8≤000千円貸倒引当金繰入
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なお、引当金の計上基準は、会計方針として注記しなければならない。設例を基に注
記を記載すると以下のとおりである。
<重要な会計方針に係る事項に関する注記>
引当金の計上基準
貸倒引当金…受取手形及び売掛金の貸倒損失に備えるため、一般債権について
は貸倒実績率により、回収不能見込額を計上している。
研 究
【繰入額と戻入額の相殺表示】
貸倒引当金繰入の表示については、次のように考える。
前期設定の貸倒引当金の残額については、これを取り崩す。ただし、当該取崩
額(戻入額)はこれを当期繰入額と相殺して表示しなければならない。
上記設例 1の場合には次の処理を行い、戻入額10≤000千円と繰入額18≤000千円
との差額である8≤000千円を損益計算書において貸倒引当金繰入として表示する。
(貸 倒 引 当 金) 10≤000千円 (貸倒引当金戻入) 10≤000千円
(貸倒引当金繰入) 18≤000千円 (貸 倒 引 当 金) 18≤000千円
従って、財務諸表論の試験問題では、「損益計算書においては繰入額と戻入額
とを相殺した差額で表示する。」などの指示があることがある。
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設例 2 (営業債権及び営業外債権ごとの設定)
次の資料に基づき、貸倒引当金の設定を行う。(会計期間:X2年 4 月 1 日〜X3
年 3 月31日)
<資料 1> 決算整理前残高試算表(一部)
残高試算表X3年 3 月31日(単位:千円)
受 取 手 形 7≤000
売 掛 金 9≤000
貸 付 金 4≤000
貸倒引当金 60
<資料 2> 貸倒引当金に関する事項
貸倒実績率に基づき、受取手形、売掛金及び貸付金の期末残高に対して引当
計上する。貸倒実績率は、営業債権(受取手形及び売掛金) 2%、営業外債権
(貸付金) 1%である。
なお、残高試算表の貸倒引当金は前期に設定した貸倒引当金の残高であり、
その内訳は営業債権分40千円、営業外債権分20千円である。
・営業債権( 2%)
(貸倒引当金繰入) 280千円 (貸 倒 引 当 金) 280千円
(7受取手形≤000千円+9
売掛金≤000千円)× 2%=320千円
320千円-4T/B貸引0千円=280千円
7≤000千円× 2%
債権額
営業債権
受取手形
9≤000千円売掛金
320千円
当期の貸倒引当金
40千円
前期の貸倒引当金の残額
280千円貸倒引当金繰入
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・営業外債権( 1%)
(貸倒引当金繰入) 20千円 (貸 倒 引 当 金) 20千円
4貸付金
≤000千円× 1%=40千円
40千円-2T/B貸引0千円=20千円
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
販売費及び一般管理費 貸 倒 引 当 金 繰 入 280
営 業 外 費 用 貸 倒 引 当 金 繰 入 20
注意点
貸倒実績率が営業債権及び営業外債権ごとに算定される場合には、貸倒引当金の繰入
れ及び取崩しの処理は営業債権及び営業外債権ごとに行う。
4≤000千円 × 1%
債権額
営業外債権
貸付金
40千円
当期の貸倒引当金
20千円
前期の貸倒引当金の残額
20千円貸倒引当金繰入
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研 究
【貸倒実績率の算定区分】
金融商品会計基準では、一般債権について、債権全体又は同種・同類の債権ご
とに貸倒実績率を算定し、繰入れ及び取崩しの処理についても債権全体又は同種
・同類の債権ごとに行うものとしている。
算定区分 内 容 出 題 例
債権全体 債権全体で算定受取手形、売掛金
及び貸付金に○%
同 種受取手形、売掛金、貸付金及び未収金等の別にお
ける同一の債権ごとに算定
受取手形に○%
売掛金に○%
貸付金に○%
同 類
営業債権(受取手形及び売掛金)と営業外債権
(営業債権以外の貸付金、未収金及び営業外受取
手形等の債権)等の別における同一の債権ごとに
算定
営業債権に○%
営業外債権に○%
なお、債権全体で貸倒引当金を算定した場合における貸倒引当金繰入について
は、対象債権の割合に応じて営業債権に係るものは販売費及び一般管理費に、営
業外債権に係るものは営業外費用に表示する。
① 債権全体の繰入額を算定
設定対象となる債権全体の額×貸倒実績率=貸倒引当金の当期設定額
貸倒引当金の当期設定額-貸倒引当金の残額=繰入額
② ①の繰入額を対象債権の割合に応じて按分
・販売費及び一般管理費に表示する繰入額
①の繰入額× 営業債権設定対象となる債権全体の額
・営業外費用に表示する繰入額
①の繰入額× 営業外債権設定対象となる債権全体の額
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貸倒引当金については、原則として⑴科目別控除方式、例外として⑵一括控除方式⑶科
目別注記方式⑷一括注記方式の 4通りの表示方法が認められる。
設 例
〈資料 1〉
残高試算表 (単位:千円)
受 取 手 形 2≤000
売 掛 金 3≤000
長期貸付金 4≤000
〈資料 2〉
受取手形、売掛金及び貸付金に対して 2%の貸倒引当金を設定する。
⑴ 科目別控除方式(原則)
科目別控除方式とは、個々の金銭債権の債権金額から、それぞれの貸倒引当金を間接
的に控除する形式で表示する方法である。
(単位:千円)
Ⅰ 流 動 資 産 Ⅱ 固 定 資 産
受 取 手 形 2≤000 3 投資その他の資産
貸倒引当金 △40 1≤960 長期貸付金 4≤000
売 掛 金 3≤000 貸倒引当金 △80 3≤920
貸倒引当金 △60 2≤940
⑵ 一括控除方式(例外)
一括控除方式とは、流動資産又は投資その他の資産の区分の末尾に貸倒引当金を一括
して表示し、間接的に控除する形式で表示する方法である。
(単位:千円)
Ⅰ 流 動 資 産 Ⅱ 固 定 資 産
受 取 手 形 2≤000 3 投資その他の資産
売 掛 金 3≤000 長期貸付金 4≤000
………… …………
貸倒引当金 △ 100 貸倒引当金 △ 80
3 貸借対照表の表示
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⑶ 科目別注記方式(例外)
科目別注記方式とは、個々の金銭債権は債権金額から貸倒引当金を控除した残額のみ
を貸借対照表に表示して、貸倒引当金を科目ごとに注記する方法である。
(単位:千円)
Ⅰ 流 動 資 産 Ⅱ 固 定 資 産
受 取 手 形 1≤960 3 投資その他の資産
売 掛 金 2≤940 長期貸付金 3≤920
<貸借対照表に関する注記>
1 ≥ 受取手形の貸倒引当金は40千円、売掛金の貸倒引当金は60千円及び長期貸付
金の貸倒引当金は80千円である。
⑷ 一括注記方式(例外)
一括注記方式とは、個々の金銭債権は債権金額から貸倒引当金を控除した残額のみを
貸借対照表に表示して、貸倒引当金を各区分ごとに一括して注記する方法である。
流動資産 → 短期金銭債権の貸倒引当金 ×××千円
投資その他の資産 → 長期金銭債権の貸倒引当金 ×××千円
(単位:千円)
Ⅰ 流 動 資 産 Ⅱ 固 定 資 産
受 取 手 形 1≤960 3 投資その他の資産
売 掛 金 2≤940 長期貸付金 3≤920
<貸借対照表に関する注記>
1 ≥ 短期金銭債権の貸倒引当金は100千円、長期金銭債権の貸倒引当金は80千円
である。
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当期中における状況の変化により前期以前における貸倒見積額が過大であった場合に
は、当期の財務諸表上当該過大額を営業外収益に貸倒引当金戻入等として表示することに
なる。
設 例
<資料 1> 決算整理前残高試算表(一部)
X2年 3 月31日(単位:千円)
受 取 手 形 250≤000
売 掛 金 150≤000
貸倒引当金 8≤500
<資料 2> 貸倒引当金に関する事項
受取手形及び売掛金の期末残高に対して貸倒引当金を設定している。一般債
権に対しては、過去の貸倒実績率に基づき受取手形及び売掛金の期末残高の
2%を引当計上する。
(貸 倒 引 当 金) 500千円 (貸倒引当金戻入) 500千円※
※ 8≤500千円-(250≤000千円+150≤000千円)× 2%=500千円
〈貸借対照表〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
流 動 資 産 貸 倒 引 当 金 △8≤000
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
営 業 外 収 益 貸 倒 引 当 金 戻 入 500
注意点
当該過大額については、販売費及び一般管理費等から控除して表示することも考えら
れるが、その場合には問題等の指示に従うこと。
前期以前における貸倒見積額が過大であった場合3
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前期以前に発生した債権が貸倒れた場合、回収不能となった債権の金額を減額するとと
もに、貸倒引当金を充当する。
(貸 倒 引 当 金) ××× (売 掛 金) ×××
設例 1
前期において発生した売掛金30千円が期中に貸倒れた。なお、貸倒引当金の残
高は100千円であった。
(貸 倒 引 当 金) 30千円 (売 掛 金) 30千円
設例 2
<資料 1> 決算整理前残高試算表(一部)
残高試算表 (単位:千円)
貸倒引当金 1≤800
<資料 2> 貸倒引当金に関する事項
当期中において貸倒が次のとおり生じたが、未処理である。
・前期に発生した売掛金 500千円
・当期に発生した受取手形 300千円
受取手形及び売掛金の期末残高に対して貸倒引当金2≤400千円を設定する。
(会計期間:X1年 4 月 1 日〜X2年 3 月31日)
・前期に発生した売掛金の貸倒処理
(貸 倒 引 当 金) 500千円 (売 掛 金) 500千円
・当期に発生した受取手形の貸倒処理
(貸 倒 損 失) 300千円 (受 取 手 形) 300千円
・貸倒引当金の決算整理
(貸倒引当金繰入) 1≤100千円 (貸 倒 引 当 金) 1≤100千円
2≤400千円-(1T/B貸引≤800千円-5
取り崩し00千円)=1≤100千円
貸倒引当金の取り崩し4
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〈貸借対照表〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
流 動 資 産 貸 倒 引 当 金 △2≤400千円
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
販売費及び一般管理費 貸 倒 引 当 金 繰 入 1≤100千円
販売費及び一般管理費 貸 倒 損 失 300千円
注意点
前期以前に発生した債権の貸倒処理が未処理だった場合、貸倒引当金繰入の算定は、
残高試算表の貸倒引当金残高ではなく、未処理の貸倒処理を考慮した修正後の残高を前
期の貸倒引当金の残額とする。
当期の貸倒引当金
2≤400千円
貸倒引当金繰入
1≤100千円
T/B貸倒引当金
1≤800千円貸引取崩
1≤300千円
500千円
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前期以前に貸倒処理した債権(償却債権)が当期に回収された場合、営業外収益に「償
却債権取立益」として表示する。
設 例
当期中において、前期に貸倒処理を行った売掛金50千円が回収された。
(現 金 預 金) 50千円 (償却債権取立益) 50千円
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
営 業 外 収 益 償 却 債 権 取 立 益 50
注意点
前期における貸倒時に、次の貸倒処理が行われている。
(貸 倒 損 失 又 は貸 倒 引 当 金) 50千円 (売 掛 金) 50千円
償却債権の回収5
前 期×貸倒
前々期に貸倒引当金を設定
(貸倒引当金)××(売 掛 金)××
前々期に貸倒引当金が未設定
(貸 倒 損 失)××(売 掛 金)××
(現 金 預 金)××(償却債権取立益)××
当 期×回収
営業外収益に表示
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<貸倒引当金のまとめ>
表示箇所 表 示 科 目
貸倒引当金の 設 定
営 業 債 権 販売費及び一般管理費
貸倒引当金繰入営 業 外 債 権 営業外費用※
貸 倒 れ
当期発生金銭債権
営 業 債 権 販売費及び一般管理費
貸 倒 損 失営 業 外 債 権 営業外費用※
過年度発生金銭債権 貸倒引当金で充当処理
前期設定貸倒引当金の過大額 営業外収益 貸倒引当金戻入
償 却 債 権 の 回 収 額 営業外収益 償却債権取立益
※ 一般債権については、便宜的に営業外債権に対するものも含め一括して販売
費及び一般管理費に表示することもある。
ま と め
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MEMO
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引当金Ⅱ(貸倒懸念債権、破産更生債権等)
第13章
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破産更生債権等とは、経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権
をいう。
注意点
1 ≥ 経営破綻に陥っている(法的、形式的な経営破綻の事実が発生している)債務者に
対する債権としては、次の事由が生じている債務者に対する債権が該当する。
破産、清算、会社更生、民事再生、手形交換所における取引停止処分等
2 ≥ 「実質的に経営破綻に陥っている債務者」とは、法的、形式的な経営破綻の事実は
発生していないものの、深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない状態にある
と認められる債務者である。
破産更生債権等は、投資その他の資産に「破産更生債権等」として表示する。
破産更生債権等1
1 破産更生債権等の定義
2 債権の表示
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破産更生債権等については、一般債権とは区別して貸倒引当金が設定される。この場合、
財務内容評価法によって貸倒見積高を算定することとされている。
⑴ 財務内容評価法による貸倒引当金の算定
破産更生債権等に対する貸倒引当金の設定における財務内容評価法とは、債権額から
担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする方
法である。
貸倒引当金=債権額-担保の処分見込額-保証による回収見込額
⑵ 貸倒引当金繰入の表示
破産更生債権等に係る貸倒引当金繰入は、原則として、特別損失に表示する。
3 貸倒引当金の設定
担保等
貸倒引当金回収不能
回収可能
債権額
破産更生債権等
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設 例
C社は経営破綻に陥り民事再生法の申請をしており、C社に対する債権は以下
のとおりである。
・受取手形 10≤000千円
・売掛金 15≤000千円
・貸付金 4≤000千円
C社に対する債権は一年以内に回収される見込みはない。
債権額から担保の処分見込額を控除した残額を貸倒引当金として計上するもの
とする。なお、C社から受け入れている担保の処分見込額は15≤000千円である。
① 科目の振替え
(破産更生債権等) 29≤000千円 (受 取 手 形) 10≤000千円
(売 掛 金) 15≤000千円
(貸 付 金) 4≤000千円
② 貸倒引当金の算定
(貸倒引当金繰入) 14≤000千円※ (貸 倒 引 当 金) 14≤000千円
※ (1債権額
0≤000千円+15≤000千円+4≤000千円)- 1担保の処分見込額5≤000千円 =14≤000千円
〈貸借対照表〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
投 資 そ の 他 の 資 産 破 産 更 生 債 権 等 29≤000
投 資 そ の 他 の 資 産 貸 倒 引 当 金 △14≤000
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
特 別 損 失 貸 倒 引 当 金 繰 入 14≤000
注意点
破産更生債権等に係る貸倒引当金の表示は、一般債権と同様に、原則として⑴科目別
控除方式、例外として⑵一括控除方式⑶科目別注記方式⑷一括注記方式の 4通りの表示
方法が認められる。
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なお、引当金の計上基準は、会計方針として注記しなければならない。設例を基に注
記を記載すると以下のとおりである。
<重要な会計方針に係る事項に関する注記>
引当金の計上基準
貸倒引当金…受取手形及び売掛金の貸倒損失に備えるため、一般債権について
は貸倒実績率により、破産更生債権等については個別に回収可能性
を検討し、回収不能見込額を計上している。
注意点
破産更生債権等の特定の債権については「個別に回収可能性を検討し」回収不能見込
額を算定している旨を記載すればよい(「債権総額から担保の処分見込額を控除し〜」
のように詳述しなくてよい。)。
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貸倒懸念債権とは、経営破綻の状況には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生
じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権をいう。
注意点
1 ≥ 「債務の弁済に重大な問題が生じている」とは、現に債務の弁済がおおむね一年以
上延滞している場合のほか、弁済期間の延長又は弁済の一時棚上げ及び元金又は利息
の一部を免除するなど債務者に対し弁済条件の大幅な緩和を行っている場合が含まれ
る。
2 ≥ 「債務の弁済に重大な問題が生じる可能性が高い」とは、業況が低調ないし不安定、
又は債務超過の状態に陥っており、過去の経営成績又は経営改善計画の実現可能性を
考慮しても債務の一部を条件どおりに弁済できない可能性の高いことをいう。
貸倒懸念債権に該当する債権は、原則として一般債権と同様に取り扱い、科目の振替は
不要である。
貸倒懸念債権2
1 貸倒懸念債権の定義
2 債権の表示
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貸倒懸念債権については、一般債権とは区別して貸倒引当金が設定される。この場合、
債権の状況に応じて、財務内容評価法又はキャッシュ・フロー見積法のいずれかの方法に
より貸倒見積高を算定することとされている。
ここでは財務内容評価法による貸倒見積高の算定を学習する。
⑴ 財務内容評価法による貸倒引当金の算定
貸倒懸念債権に対する貸倒引当金の設定における財務内容評価法とは、債権額から担
保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状
態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法である。
貸倒引当金=(債権額-担保の処分見込額-保証による回収見込額)×回収不能率
⑵ 貸倒引当金繰入の表示
貸倒懸念債権に係る貸倒引当金繰入の表示は、原則として一般債権と同様に取り扱う。
3 貸倒引当金の設定
担保等
×回収不能率
回収可能
債権額
貸倒懸念債権
貸倒引当金回収不能
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設 例
得意先A社は経営破綻の状況には至っていないが債務の弁済に重大な問題が生
じる可能性が高いと判断される。A社に対する債権は以下のとおりである。
・売掛金 10≤000千円
債権額から営業保証金を控除した残額の30%相当額を貸倒引当金として計上す
るものとする。なお、A社からは担保として営業保証金4≤000千円を受け入れて
いる。
(貸倒引当金繰入) 1≤800千円 (貸 倒 引 当 金) 1≤800千円
(1債権額0≤000千円-4
営業保証金≤000千円)×30%=1≤800千円
〈貸借対照表〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
流 動 資 産 売 掛 金 10≤000
流 動 資 産 貸 倒 引 当 金 △1≤800
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
販売費及び一般管理費 貸 倒 引 当 金 繰 入 1≤800
注意点
貸倒懸念債権に係る貸倒引当金の表示は、一般債権と同様に、原則として⑴科目別控
除方式、例外として⑵一括控除方式、⑶科目別注記方式、⑷一括注記方式の 4通りの表
示方法が認められる。
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なお、引当金の計上基準は、会計方針として注記しなければならない。設例を基に注
記を記載すると以下のとおりである。
<重要な会計方針に係る事項に関する注記>
引当金の計上基準
貸倒引当金…受取手形及び売掛金の貸倒損失に備えるため、一般債権について
は貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については
個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。
注意点
貸倒懸念債権も破産更生債権等と同様、「個別に回収可能性を検討し」回収不能見込
額を算定している旨を記載すればよい(「債権総額から担保の処分見込額を控除し〜」
のように詳述しなくてよい。)。
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<債権の区分>
一 般 債 権 経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権
貸倒懸念債権経営破綻の状況には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が
生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権
破産更生債権等 経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権
<貸倒懸念債権の表示>
原則として一般債権と同様に取り扱い、科目の振替は不要
<破産更生債権等の表示>
投資その他の資産 「破産更生債権等」
<貸倒引当金>
債権の区分 貸倒見積高の計算方法
一 般 債 権 一般債権の総額×貸倒実績率
貸倒懸念債権(債権額-担保の処分見込額-保証による回収見込額)×回収不
能率
破産更生債権等 債権額-担保の処分見込額-保証による回収見込額
<貸倒引当金繰入の表示箇所>
債権の区分 貸倒引当金繰入の表示箇所
一 般 債 権 営業債権に係るもの…販売費及び一般管理費
営業外債権に係るもの…営業外費用貸倒懸念債権
破産更生債権等 原則として、特別損失
ま と め
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引当金Ⅲ(キャッシュ・フロー見積法)
第14章
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貸倒懸念債権に対する貸倒見積高の算定におけるキャッシュ・フロー見積法とは、債権
の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができ
る債権について、貸倒引当金を算定する方法である。
なお、キャッシュ・フロー見積法は、約定利子率の引き下げや元本の返済繰り延べ等契
約条件を緩和した場合に適用される。
キャッシュ・フロー見積法は、元本の回収及び利息の受取りが見込まれるときから当期
末までの期間にわたり、「当初の約定利子率で割り引いた金額の総額(現在価値の総額)」
と「債権の帳簿価額」との差額を貸倒引当金とする。
貸倒見積高=債権の帳簿価額-現在価値の総額
キャッシュ・フロー見積法1
1 概 要
2 会計処理
貸倒引当金 =差額
※ 当初の約定利子率
将来C/Fの現在価値の総額
現在 1年後 2年後 3年後
債権金額
条件緩和後の利息
÷利率※
÷利率※
÷利率※
条件緩和後の利息
条件緩和後の利息
元本
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研 究
【キャッシュ・フロー見積法の考え方】
貸付金は、元本と利息を将来に受け取る契約である。貸付金の価値は、将来受
け取る元本と利息の将来キャッシュ・フローの総額を、契約当初の利子率で割り
引いた現在価値であり、債権金額とも等しいのである。
前提
元本:10≤000千円
期間: 5年(当期末まで 2年経過)
約定利子率: 4%
相手先の財政状態の悪化によって、利息の減免を行った場合、元本の返済は
条件通り行われるとしても、将来キャッシュ・フローの総額は減少し、貸付金
の価値も減少すると考えられる。そのため、条件緩和後の将来キャッシュ・フ
ローの現在価値を算定し、債権金額との差額を貸倒引当金として計上する必要
がある。
9≤245千円
370千円
385千円
将来C/Fの現在価値の総額
10≤000千円
現在
債権金額10≤000千円
1年後 2年後 3年後
受取利息400千円
÷(1≥04)
÷(1≥04)2
÷(1≥04)3
受取利息400千円
受取利息400千円
元本10≤000千円
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前提
約定利子率: 4%から 2%に引き下げた。
将来キャッシュ・フローの現在価値を計算する上で、当初の約定利子率を用
いるのは、当初の契約における運用を前提として相手先の信用状態の悪化のみ
を反映させようとする考え方に基づいている。
9≤068千円
185千円
192千円
将来C/Fの現在価値の総額
9≤445千円
現在
債権金額10≤000千円
1年後 2年後 3年後
受取利息200千円
÷(1≥04)
÷(1≥04)2
÷(1≥04)3
受取利息200千円
受取利息200千円
元本10≤000千円
貸倒引当金 =差額 555
※ 当初の約定利子率
※
※
※
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MEMO
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設 例
当社は当期首にB社に対し以下の条件で資金の貸付けを行った。
⑴ 当初契約条件
債 権 金 額 1≤000≤000千円 約定利子率 年 4%
利 払 日 毎年 3月31日後払 返 済 期 日 X5年 3 月31日
⑵ 条件緩和後
B社の財政状態が悪化したことから、X3年 3 月31日以後の利息の支払いにつ
いて当初の約定利子率 4%を 2%に引き下げることにした。
⑶ 元金の返済
元金の返済については条件どおり行われる予定である。
計算の過程で生じた千円未満の端数は、百円の位で四捨五入する。
(会計期間X1年 4 月 1 日〜X2年 3 月31日)
(貸倒引当金繰入) 55≤502千円※ (貸 倒 引 当 金) 55≤502千円
※ 1貸付金の帳簿価額≤000≤000千円-9
現在価値の総額44≤498千円=55≤502千円
貸倒引当金55≤502千円
19≤231千円
18≤491千円
906≤776千円
X2≥ 3 ≥31
債権金額1≤000≤000千円
利息20≤000千円
÷(1≥04)2
÷(1≥04)3
÷(1≥04)
利息20≤000千円
X3≥ 3 ≥31 X4≥ 3 ≥31
利息20≤000千円
元本1≤000≤000千円
X5≥ 3 ≥31
現在価値の総額
944≤498千円
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〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
営 業 外 費 用 ※ 貸 倒 引 当 金 繰 入 55≤502
※ 特別損失に表示することも考えられる。
〈貸借対照表〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
投 資 そ の 他 の 資 産 長 期 貸 付 金 1≤000≤000
投 資 そ の 他 の 資 産 貸 倒 引 当 金 △55≤502
注意点
1 ≥ 将来キャッシュ・フローの算定……条件緩和後の金額
割引く際に用いる割引率……………当初の約定利子率
2 ≥ 財務諸表論の試験上、端数処理については各年度の現在価値計算ごとに行うものと
考えられる。
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研究 1
キャッシュ・フロー見積法の 2年目以降の処理は、下記のとおりである。
設 例
X3年 3 月31日における処理を示しなさい。なお、元金及び利息の支払いについては上記設例 1の条件と同様であったものとする。
<翌期以降>現在価値の増加分は、時間の経過に伴う利息の発生額と考えられるため、原則として、受取利息に含めて処理するとともに同額の貸倒引当金を取崩す。X3年 3 月31日の処理(原則)
(現 金 預 金)20≤000千円※ 2 (受 取 利 息)37≤780千円※ 1
(貸 倒 引 当 金)17≤780千円※ 1 944≤498千円× 4%=37≤780千円※ 2 1≤000≤000千円× 2%=20≤000千円
〈損益計算書〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
営 業 外 収 益 受 取 利 息 37≤780
〈貸借対照表〉 (単位:千円)
表 示 箇 所 表 示 科 目 金 額
投 資 そ の 他 の 資 産 長 期 貸 付 金 1≤000≤000
投 資 そ の 他 の 資 産 貸 倒 引 当 金 △37≤722
貸倒引当金
55≤502千円
債 権 の現在価値の 総 額
944≤498千円
× 4 %
X2≥ 3 ≥31
貸倒引当金37≤722千円
債 権 の現在価値の 総 額
962≤278千円
X3≥ 3 ≥31
約定利息20≤000千円
現在価値の増加17≤780千円受取利息
37≤780千円
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研究 2
【貸倒引当金の減額分の算定方法】
貸倒引当金の減額分の算定方法については、債権の元本及び利息の受取りが見
込まれるときからX2年度末までの期間に当初の約定利子率で割り引いた金額の総
額と債権の帳簿価額との差額で貸倒引当金を算定し、X1年度末における貸倒引当
金との差額により減額分を算定する方法も考えられる。
X3≥ 3 ≥31 X4≥ 3 ≥31
利 息20≤000千円
X5≥ 3 ≥31
19≤231千円
943≤047千円
÷(1≥04)
÷(1≥04) 2
現在価値の総額962≤278千円
貸引 37≤722千円
債権金額 1≤000≤000千円
利 息20≤000千円
元 本1≤000≤000千円
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<キャッシュ・フロー見積法>
貸倒見積高=債権の帳簿価額-現在価値の総額
ま と め
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