90
“わたくしたち習志野市民は、わたくしたちおよび次の世代をになうこどもたちの ために、静かな自然をまもり育てなければなりません。”これは、昭和 45 4 月、本 市のまちづくりの基本理念として制定した『文教住宅都市憲章』の文頭であります。 本市は、この憲章の理念に則り、同年、全国市町村の先駆けとなった「習志野市公 害防止条例」を制定しました。 平成 13 3 月には、めざすべき都市の姿を「市民一人ひとりが夢と輝きをもって自 己実現できる都市(まち)習志野」とし、この目標を実現するための都市像のひとつ に「都市と自然が共生したまち」を掲げ、環境政策の充実や自然の保全・活用を推進 してまいりました。 しかし、地球規模での環境問題に対する意識の高まりや少子高齢化の一層の進行な ど、大きな社会経済情勢の変化の中で、本市もさらなる多種多様な課題への対応が求 められています。 そして、今日、わたくしたちは、地域的な問題にとどまらず、地球温暖化対策や資 源循環型社会の構築など地球規模で考え、その解決に向けて、日常生活や事業活動と いった身近なレベルから行動する、「Think GloballyAct Locally」(地球規模で考 え、足元から行動する)の理念が求められているのです。 健全で恵み豊かな環境が保全されるとともに、それらを通じて、一人ひとりが幸せ を実感できる生活を送ることができ、次の世代をになう子どもたちへ継承できる持続 可能な社会を創り出すことが、今の世代を生きている我々の使命であります。 こうした現状を踏まえ、習志野市環境基本計画は、「習志野らしさ」を考慮したう えで、環境という分野に市民・事業者・行政が一体となって取り組むべき、まちづく りの基本的な方針を明確にしたものであります。この計画をもとに、市民・事業者の 皆様と一緒により良い習志野市の環境づくりに取り組んでまいります。 最後に、本計画の策定にご尽力くださいました習志野市環境審議会の皆様をはじめ、 貴重なご意見をお寄せいただきました多くの市民の方々に対し、厚く御礼申し上げま す。 平成 19 3 習志野市長 荒 木

Think Globally Act Locally - Narashino · 2019. 8. 16. · いった身近なレベルから行動する、「Think Globally,Act Locally」(地球規模で考 え、足元から行動する)の理念が求められているのです。

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は じ め に

“わたくしたち習志野市民は、わたくしたちおよび次の世代をになうこどもたちの

ために、静かな自然をまもり育てなければなりません。”これは、昭和 45 年 4 月、本

市のまちづくりの基本理念として制定した『文教住宅都市憲章』の文頭であります。

本市は、この憲章の理念に則り、同年、全国市町村の先駆けとなった「習志野市公

害防止条例」を制定しました。

平成 13 年 3 月には、めざすべき都市の姿を「市民一人ひとりが夢と輝きをもって自

己実現できる都市(まち)習志野」とし、この目標を実現するための都市像のひとつ

に「都市と自然が共生したまち」を掲げ、環境政策の充実や自然の保全・活用を推進

してまいりました。

しかし、地球規模での環境問題に対する意識の高まりや少子高齢化の一層の進行な

ど、大きな社会経済情勢の変化の中で、本市もさらなる多種多様な課題への対応が求

められています。

そして、今日、わたくしたちは、地域的な問題にとどまらず、地球温暖化対策や資

源循環型社会の構築など地球規模で考え、その解決に向けて、日常生活や事業活動と

いった身近なレベルから行動する、「Think Globally,Act Locally」(地球規模で考

え、足元から行動する)の理念が求められているのです。

健全で恵み豊かな環境が保全されるとともに、それらを通じて、一人ひとりが幸せ

を実感できる生活を送ることができ、次の世代をになう子どもたちへ継承できる持続

可能な社会を創り出すことが、今の世代を生きている我々の使命であります。

こうした現状を踏まえ、習志野市環境基本計画は、「習志野らしさ」を考慮したう

えで、環境という分野に市民・事業者・行政が一体となって取り組むべき、まちづく

りの基本的な方針を明確にしたものであります。この計画をもとに、市民・事業者の

皆様と一緒により良い習志野市の環境づくりに取り組んでまいります。

最後に、本計画の策定にご尽力くださいました習志野市環境審議会の皆様をはじめ、

貴重なご意見をお寄せいただきました多くの市民の方々に対し、厚く御礼申し上げま

す。

平成 19 年 3 月

習志野市長 荒 木 勇

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目 次

第 1 章 計画の基本的事項 ..................................................................................................................... 1

1 計画策定の趣旨 ........................................................................................................ 2

2 計画の目的 ................................................................................................................. 2

3 計画の位置付け ........................................................................................................ 2

4 計画推進の主体と役割 ......................................................................................... 4

5 計画の対象地域と範囲 ......................................................................................... 5

6 行動の推進 ................................................................................................................. 6

7 計画の期間 ................................................................................................................. 6

第 2 章 計画の全体像 ............................................................................................................................... 7

1 習志野市文教住宅都市憲章 ............................................................................... 8

2 習志野市の環境保全の歩み ............................................................................... 9

3 環境問題の大きな動向 ......................................................................................... 9

4 望ましい環境像「都市と自然が共生したまち」................................ 12

5 環境目標と基本方針 .......................................................................................... 13

6 計画の体系 ............................................................................................................. 15

7 計画推進の仕組み ............................................................................................... 17

第 3 章 環境施策 ..................................................................................................................................... 19

環境目標 1「世界の環境保全へ貢献できる社会」 ........................................ 20

環境目標 2「ごみを減らし、資源を循環利用する社会」 ......................... 26

環境目標 3「緑や水辺と共に快適に暮らせる社会」 ................................... 34

環境目標 4「健康で安心して暮らせる社会」.................................................. 42

第 4 章 行動推進への取組 ................................................................................................................. 55

環境目標 5「人々が環境を学び、考える社会」 ............................................. 56

環境目標 6「市・市民・事業者が共に環境保全に取り組む社会」 ...... 64

用語解説 ................................................................................................................................................... 79

資料編 ................................................................................................................................................... 89

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第 1 章 計画の基本的事項

1

第 1 章

計画の基本的事項

1 計画策定の趣旨

2 計画の目的

3 計画の位置付け

4 計画推進の主体と役割

5 計画の対象地域と範囲

6 行動の推進

7 計画の期間

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第 1 章 計画の基本的事項

2

1 計画策定の趣旨

市では、習志野市文教住宅都市憲章の理念に則り、現在及び将来の市民の、健康

で文化的な生活の確保に寄与することを目的として、平成 11 年に習志野市環境基本

条例を定めました。同条例に掲げられた基本理念を実現していくため、同条例第 9

条「環境基本計画の策定」に基づいて、本計画を策定します。

【習志野市環境基本条例 第 3 条 基本理念】

1)環境の保全は、現在及び将来の市民が健全で良好な環境の恵みを受けられ、そ

の環境が将来にわたつて維持されるよう適切に行われなければならない。

2)環境の保全は、人の活動による環境への負荷をすべての者の公平な役割分担の

もとに、できる限り低減することによつて、持続的に発展することができる社

会の構築を旨とし、環境の保全上の支障を未然に防止するよう行われなければ

ならない。

3)環境の保全は、生物の多様性が確保され、人と自然が共生できる調和のとれた

快適な環境を実現していくよう行われなければならない。

4)地球環境保全は、地域の特性を活かして、国際協力の見地から積極的に推進さ

れなければならない。

2 計画の目的

本計画は、環境の保全に関する長期的な目標と施策の方向及びその他必要な事項

を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進すること

を目的とします。また、市、市民、事業者が目標を共有し、理解を深め、取組を進

めるための指針となるものです。

3 計画の位置付け

本計画は習志野市基本構想・基本計画を上位計画として、環境の面から方針を示

すものです。本計画が掲げる内容は、廃棄物、緑、都市整備、教育等の分野別の基

本計画や実施計画にまたがるものであり、それらとの連携により推進されます。

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第 1 章 計画の基本的事項

3

【計画の位置付け】

習志野市文教住宅都市憲章

習志野市基本構想・基本計画

習志野市環境基本条例 「都市と自然が共生したまち」

他の分野の基本計画・実施計画

習志野市環境基本計画 連携 ○都市マスタープラン

【主に方針を示すもの】 ○下水道基本計画

○地域防災計画

○安全で安心なまちづくり基本計画

実績・成果 方針 ○健康なまち習志野

○教育基本計画

○緑の基本計画 ○次世代育成支援対策行動計画

○一般廃棄物処理基本計画 他

○新エネルギービジョン

○(仮)公害防止計画(予定)

○(仮)地球温暖化対策地域推進計画(予定)

○(仮)環境学習推進計画(予定)

○地球温暖化防止率先行動計画

指 標 (定性的)

数 値 目 標 (定量的)

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第 1 章 計画の基本的事項

4

4 計画推進の主体と役割

環境保全には、市民、事業者、市のそれぞれが相互に協力・連携しながら、自主

的かつ積極的に行動することが不可欠です。習志野市環境基本条例に基づき、本計

画の推進の主体と役割を次のように定めます。

主体 役割

(習志野市 環境基本条例 第 4条)

環境の保全を図るため、地域の自然や社会に応じた施策を策定し、実施していくこと。

環境の保全に関する施策に市民の意見を反映させるとともに、市民の意識の高揚に努めていくこと。

事業者

(習志野市 環境基本条例 第 5条)

事業活動に伴って生じる公害を防ぐとともに、環境への負荷の低減や自然環境の保全に努めること。

自社の製品や販売物について、それらの廃棄処理が適正に行われるよう、情報の提供や対策に努めること。

自社の製品や販売物について、それらが使用され廃棄されることによる環境への負荷を低減する対策に努めること。

資材や役務について、再生資源の利用等の環境への負荷を低減する対策に努めること。

市が実施する環境の保全に関する施策に協力すること。

市民

(習志野市 環境基本条例 第 6条)

日常生活の中で、環境への負荷の低減や、公害の防止、自然環境の保全に努めること。

市が実施する環境の保全に関する施策に協力すること。

地域の環境保全活動に積極的に参加すること。

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第 1 章 計画の基本的事項

5

5 計画の対象地域と範囲

本計画の対象地域は習志野市全域とし、大気、東京湾、渡り鳥等の市域に限られ

ないものについては広域的な対応も図っていきます。また、計画の範囲を以下のよ

うに捉え、課題と取組を体系的に示すこととします。

1)地球環境関連 ①地球温暖化問題

②代替エネルギー

③渡り鳥を通した国際協力

2)循環型社会 ①3R(発生抑制・再使用・再生利用

リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

②廃棄物の排出と処理

3)自然・公園・緑地 ①干潟や海辺

②緑

③公園・緑地等

④施設の緑化

⑤農地

4)公害関連 ①大気

②水質

③土壌・地下水・地盤沈下

④騒音・振動・悪臭

⑤有害化学物質等

環境問題のイメージ図

【地球環境】

気候変動(温暖化) 地球生態系(渡り鳥)

【関東~日本】

大気・水質 循環型社会、代替エネルギー

【習志野市】

ごみ・排水・排気 消費行動

土壌・地下水・地盤沈下

騒音・振動・悪臭 谷津干潟

有害化学物質等 緑・公園・農地等

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第 1 章 計画の基本的事項

6

6 行動の推進

前項の環境の範囲全般を通して人々の意識向上や行動を促していくための、学習

と協働に関する課題と取組を体系的に示すこととします。

1)学習 ①市民の環境学習

②学校等における環境教育

③環境学習の計画的な推進

2)協働 ①市民との協働

②事業者との協働

③大学との協働

7 計画の期間

本計画の期間は、平成 19 年度から平成 32 年度とします。また、取組の成果や進

捗状況の評価を行い、社会情勢の変化と照らし合わせ、必要に応じて(又は 5 年を

目安として)中間での見直しを行います。

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第 2 章 計画の全体像

7

第 2 章

計画の全体像

1 習志野市文教住宅都市憲章

2 習志野市の環境保全の歩み

3 環境問題の大きな動向

4 望ましい環境像「都市と自然が共生したまち」

5 環境目標と基本方針

6 計画の体系

7 計画推進の仕組み

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第 2 章 計画の全体像

8

1 習志野市文教住宅都市憲章

太平洋戦争後、習志野市はその立地条件などから、首都圏近郊の住宅地として次

第に着目されるようになり、 昭和 30 年代に公団住宅などの建設が始まると、近郊

住宅都市の傾向が著しくなり、人口も急激に増加していきました。市の発展にとも

ない、市民の強い要望に応えて、教育にも行政の力点が置かれました。

初代市長の白鳥義三郎氏は「一年の計は穀を植えるにあります。十年の計は木を

植えるにあります。そして百年の計は人を育てるにあります」と、常に人々に説い

て教育の振興に努めました。

地域のこのような基本的な性格に基づき、昭和 45 年(1970)4 月、市は今後の行

政指針として「習志野市文教住宅都市憲章」を制定し、あわせて市民の理解と協力

を要請しました。

わたくしたち習志野市民は、わたくしたちおよび次の世代をになう子どもたちの

ために、静かな自然をまもり育てていかなければなりません。

それは、教育および文化の向上をささえるまちづくりの基盤となるものであり、

健康で快適な生活を営むために欠くことのできない基本的な条件だからです。

しかし、人間はすぐれた文明をつくりだすいっぽう、自然を破壊し、わたくした

ちの生命、身体をむしばみ、教育および文化の正常な発展を阻害していることも事

実です。

そこで、わたくしたち習志野市民は、ひとりびとりの理解と協力のもとに、創意

工夫し、たゆまぬ努力をつづけながら、理想とするまちづくりのために次のことを

宣言し、この憲章を定めます。

1 わたくしたち習志野市民は、青い空と、つややかな緑をまもり、はつらつとした

若さを失わないまちをつくります。

1 わたくしたち習志野市民は、暖かい生活環境をととのえ、住みよいまちをつくり

ます。

1 わたくしたち習志野市民は、教育に力をそそぎ、すぐれた文化をはぐくむ調和の

とれたまちをつくります。

習志野市文教住宅都市憲章(抄)

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第 2 章 計画の全体像

9

2 習志野市の環境保全の歩み

戦後の高度経済成長は生活を豊かにした反面、様々な公害を生み出し、昭和 42 年

に「公害対策基本法」が制定されました。

文教住宅都市憲章は習志野市の環境保全に大きく反映され、昭和 45 年には、全国

の市町村の先駆けとなった習志野市公害防止条例を制定しました。同条例は、公害

の発生を未然に防止し、市民の健康と安全を図るため「企業選定基準の設定」、「緩

衝地帯の設置」、「工場の認可制」の 3 つの柱を骨子として、その後昭和 47 年には

特定建設作業を許可制で追加するなど、平成 11 年の環境基本条例制定に合わせた大

規模改正までに 8 回の条例の改正、並びに 15 回の施行規則の改正を行っています。

さらに昭和 49 年には習志野市公害防止計画を策定するなど、以降様々な公害対策を

実施してきています。

また、都市基盤を整備する中でも、文教住宅都市憲章にのっとって、工場と住宅

の分離、自動車道の環境対策、湾岸開発での公害防止に積極的に取り組んできまし

た。

近年は生活様式や社会活動の変化に伴い、公害の内容も産業型から生活・都市型

へと変化したことにより、平成 5 年には「習志野市快適ふるさとプラン」を策定し、

身近な環境の保全と創造に取り組んできました。

その後も環境問題が質的にも量的にも変化していることに伴い、新たな時代の環

境保全を進める理念を定めた「習志野市環境基本条例」を平成 11 年に策定し、また、

平成 16 年には習志野市公害防止条例を習志野市環境保全条例に名称変更し、地下水

揚水量の規制を新たに設けるなど、環境保全への取組を行っています。

3 環境問題の大きな動向

1992 年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた「国連環境開発会議(地球サミ

ット)」は、環境保全を世界共通の課題と認めたことで、国際政治の転機となりま

した。さらに、教育が持続可能な開発に果たす役割の重要性が認識されました。日

本の環境行政は、同会議を機に、公害と自然保護から総合的な環境対応への脱皮を

図り、環境基本法と環境基本計画を定めました。

それから 10 年余りを経た今、最大の懸念は世界各地に見られる気候変動であり、

温室効果ガスの増加による地球温暖化が進んでいるとの認識が広がっています。温

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第 2 章 計画の全体像

10

室効果ガス排出目標値を定めた京都議定書が発効され、日本は 2008 年から 2012 年

までの 5 年間について、基準年(1990 年)比で 6%の削減を目指しています。

オゾン層破壊、酸性雨、水資源の荒廃、森林破壊、砂漠化、海洋汚染、野生生物

種の減少、廃棄物の越境、有害化学物質の拡散、紛争による環境破壊等の地球環境

問題もより深刻となっています。

教育については、国連持続可能な開発委員会(CSD)においてユネスコが中心と

なり、持続可能な開発のための教育のあり方についての検討が進められ、2005 年 1

月 1 日から始まる 10 年を「国連持続可能な開発のための教育の 10 年」とする宣言

がなされました。この宣言は日本からの働きかけがもとになっています。

一方、国内では、自然の荒廃、水資源の劣化、都市の住環境の悪化、大量消費・

大量廃棄の拡大、有害物質の拡散といった問題が続いています。それらの根本は、

経済活動そのものや土地利用の形にあることから、行政や企業の対策だけでは解決

できず、国民全体の生活様式と経済構造の転換が求められるようになっています。

また、地方分権・少子高齢化時代を迎え、地域間競争への積極的な対応、環境保

全に対する行政及び市民への負担の増大など、持続的発展が可能な地域社会づくり

に向けた総合的な取組の展開が急務となっています。その中で環境行政もまた、公

害対策やごみ処理だけでなく、長期的な視点に立った環境資源の利用管理のあり方

など、環境を地域の経営にどのように活用していくのかという視点に立った政策が

求められるとともに、住民や地域企業とのパートナーシップを形成し、循環型社会

の形成に向けた協働を進めていくことが必要となっています。

持続可能な開発について

英語の Sustainable Development を訳した言葉で、持続的な発展とも訳されます。

将来の世代の利益や要求を満たす能力を損なうことがない方法で、今の世代が必要

とする開発を行うことを意味しています。その前提として、「環境」と「開発」を、

互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ、環境保全を考慮した節度

ある開発が可能であり重要であるという考えがあります。

環境汚染や資源枯渇で人間社会が崩壊することを回避し、人と自然との共生によ

り社会が発展を続け、全体が良い方向へ向かうことともいえます。

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第 2 章 計画の全体像

11

年 月 内 容

5 11 環境基本法 施行

6 12 環境基本計画(国) 策定

9 6 新エネルギー利用等の促進に関する法律 施行

11 4 地球温暖化対策の推進に関する法律 施行

6 環境影響評価法 施行

12 1 ダイオキシン類対策特別措置法 施行

3 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 施行

4 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 完全施行

12 環境基本計画~環境の世紀への道しるべ(国)策定

13 1 循環型社会形成推進基本法 施行

4 資源有効利用促進法 施行

4 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(改正) 完全施行

4 特定家庭用機器再商品化法 施行

4 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律 全面施行

5 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 施行

7 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法 施行

14 3 新生物多様性国家戦略 策定

3 地球温暖化対策推進大綱(改定) 策定

5 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 完全施行

6 京都議定書 締結

10 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律 完全施行

10 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法 施行

12 バイオマスニッポン総合戦略 策定

15 1 自然再生推進法 施行

2 土壌汚染対策法 施行

3 循環型社会形成推進基本計画 策定

4 自然公園法 改正施行

4 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律 改正施行

10 環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律 施行

12 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 改正施行

16 2 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 施行

4 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 改正施行

12 景観法 施行

12 都市緑地法 施行

17 1 使用済自動車の再資源化等に関する法律 施行

1 オゾン層保護法 改正施行

2 京都議定書 発効

4 環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律 施行

4 京都議定書目標達成計画 策定

6 大気汚染防止法 改正施行

6 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 施行

10 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 改正施行

18 3 石綿による健康被害の救済に関する法律 施行

4 環境基本計画~環境から拓く 新たなゆたかさへの道(国) 策定

5 特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律 施行

近年の環境関連の法律施行等

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第 2 章 計画の全体像

12

4 望ましい環境像「都市と自然が共生したまち」

市は、市制を施行して以来の歴史を振り返りつつ、21 世紀を見通して、習志野市

文教住宅都市憲章の理念に則り、めざすべき都市の姿を「市民一人ひとりが夢と輝

きをもって自己実現できる都市(まち)習志野」としています。そしてこの大きな

目標を実現するための都市像のひとつに「都市と自然が共生したまち」を掲げてい

ます。

本計画ではこの都市像を引き継ぐ形で、望ましい環境像として掲げます。

【望ましい環境像】

都市と自然が共生したまち

習志野市には山河など雄大な自然はありませんが、広い空が見渡せる自然空間や

海、市域を貫くハミングロードや街路樹の緑、そして谷津干潟など、地域の歴史の

中で育てられてきた、かけがえのない共有財産があります。また、公害対策の先進

都市となってきた歴史も忘れてはなりません。

本計画では、次代を担う子どもたちに現在の環境を継承するとともに、緑豊かな

地域環境を創出し、都市と身近な自然との共生に努めることを基本とします。そし

て単に生活の利便性を追求するのではなく、市民一人ひとりが習志野市から地球に

対して、環境負荷の軽減を実践するまちをつくることを目指します。

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第 2 章 計画の全体像

13

5 環境目標と基本方針

計画の基本的事項に沿って、次のように環境目標を定め、その下に基本方針を掲

げます。

1)地球環境関連

様々な環境問題が一地域、一国の中に止まらず、場合によっては地球規模の問題

にまでつながっているという認識が定着しつつあります。そのような巨大な問題に

対して、一地域の住民や行政の力は大きくはありませんが、問題の根本が私たち一

人ひとりの生活や仕事、社会の仕組みにあることも事実です。この課題に対して次

の環境目標と基本方針を定めます。

環境目標 1

世界の環境保全へ貢献できる社会

基本方針

①地球温暖化への計画的な対応を図ります

②クリーンな代替エネルギーの導入を図ります

③国境を越えて谷津干潟に集まる渡り鳥を通した国際協力の推進を図ります

2)循環型社会

すでに昭和の時代から日本の各都市において、ごみ量の増大と処理の困難、不法

投棄や不適正な処理による環境破壊の問題があり、解決されずに今に至っています。

市でもごみ処理には多大な費用を使い、また最終の埋立処分は市外に拠っています。

この課題に対して次の環境目標と基本方針を定めます。

環境目標 2

ごみを減らし、資源を循環利用する社会

基本方針

①3R(リデュース:発生抑制、リユース:再使用、リサイクル:再生利用)

を推進し、ごみを減らし、資源をくり返し利用する循環型社会の形成を図

ります

②廃棄物の適正な排出と処理を図ります

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第 2 章 計画の全体像

14

3)自然・公園・緑地

私たちは都市の形成の代償に多くの自然環境を失ってきましたが、その一方で緑

や水辺とのふれあいを必要としています。習志野市の各地には今でも干潟や里山、

樹林地などが保たれていますが、市民にとっての価値が認められなければ、多大な

費用や労力を使いながらそれらを維持していくことは困難です。この課題に対して

次の環境目標と基本方針を定めます。

環境目標 3

緑や水辺と共に快適に暮らせる社会

基本方針

①干潟や海辺を守り育て、その価値を高めるための活用を図ります

②緑を守り育て、その価値を高めるための活用を図ります

③公園・緑地等の価値を高めるための活用を図ります

④まちを快適で安全にする緑化の推進を図ります

⑤農地の価値を高めるための活用を図ります

4)公害関連

習志野市に限らず現代の都市においては、人の健康や生態系に被害をもたらす環

境汚染、生活に悪影響を与える騒音・振動・悪臭や地盤災害、身近に潜む健康被害

のリスクといった問題が常にあります。この課題に対して次の環境目標と基本方針

を定めます。

環境目標 4

健康で安心して暮らせる社会

基本方針

①良好な大気の保全を図ります

②良好な水質の保全を図ります

③良好な土壌・地下水・地盤の保全を図ります

④不快な騒音・振動・悪臭の防止を図ります

⑤有害化学物質等のリスクの回避を図ります

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第 2 章 計画の全体像

15

5)学習

社会全体として環境問題への取組がなかなか進まないことについては、私たちの

関心と知識の不足が一つの要因となっています。平成 17 年度に国が行ったアンケー

トにおいても、地球温暖化を正しく理解している人は 1 割もいませんでした。この

課題に対して次の環境目標と基本方針を定めます。

環境目標 5

人々が環境を学び、考える社会

基本方針

①大人から子どもまでが環境を学ぶ、市民の環境学習の普及を図ります

②学校等の教育活動の中で行われる環境教育への支援を図ります

③環境学習への計画的な対応を図ります

6)協働

環境の課題は極めて幅が広く、様々な見方があり、またその原因も一様ではあり

ません。また、多くの場合に私たち一人ひとりが当事者であるにも関わらず、他人

事としてしまいがちです。日本ではこれまで、行政が対策の主役となってきました

が、現在の社会においては行政的な手法や立場では解決できない問題が多くなって

おり、習志野市でも市と市民と事業者との協働が強く求められる状況となっていま

す。この課題に対して次の環境目標と基本方針を定めます。

環境目標 6

市・市民・事業者が共に環境保全に取り組む社会

基本方針

①市民との協働の推進を図ります

②事業者との協働の推進を図ります

③大学との協働の推進を図ります

6 計画の体系

望ましい環境像、環境目標、基本方針に基づき、計画の体系を次の図のように定

めます。

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第 2 章 計画の全体像

16

望ましい

環境像環境目標 施策の柱 施策の方針

ー 地球温暖化防止率先行動計画環境目標1 (地球環境関連) ー 地球温暖化対策地域推進計画

ー 情報収集・研究ー 公共施設における導入ー 市民・事業者への導入支援ー 情報収集・研究ー 谷津干潟の保全ー 谷津干潟の生物の保護ー 湿地保全に関する国内外との連携

ー 家庭からのごみ排出の減量環境目標2 (循環型社会) ー 事業所からのごみ排出の減量

ー 資源の循環利用の推進ー ごみの収集と適正排出の促進ー 中間処理及び最終処分ー ごみの不法投棄への対応ー し尿・浄化槽汚泥の処理ー 災害時のごみへの対応

ー 谷津干潟の活用ー 海とのふれあいー 里山とのふれあい

環境目標3 (自然・公園・緑地) ー 樹木とのふれあいー 都市公園等の整備ー ハミングロードの再整備ー 公園・緑地の防災機能の充実ー 公共施設の緑化ー 事業所の緑化ー 居住地等の緑化ー 農地とのふれあいー 環境保全機能の維持

ー 大気汚染物質の監視ー 酸性雨の測定ー 工場等への規制ー 自動車等への対応ー クリーンエネルギーへの転換ー 広域的な連携ー 水質の監視

環境目標4 (公害関連) ー 工場等への規制ー 生活排水への対応ー 広域的な連携ー 地下水汚染の監視ー 地下水の浄化ー 土砂等の埋立てへの規制ー 地下水汲み上げへの規制ー 雨水浸透の促進ー 地下水位の観測ー 環境騒音・振動の監視ー 事業活動の騒音・振動・悪臭への規制ー 移動発生源の騒音・振動への対応ー 近隣生活公害への対応ー ダイオキシン類の調査ー アスベスト問題への対応ー その他有害化学物質等への対応

ー 人材の育成と活用ー 活動の場の形成

環境目標5 (学習) ー 学習拠点の活用ー 情報の提供・発信ー 人材・プログラムの支援ー 教育活動の場の支援ー 教材・情報の支援ー 環境学習の計画的な推進ー 全国的・国際的な情報発信・交流

ー ごみや生活排水に対する取組ー まちの美観保全・緑化の取組ー 地球温暖化防止の取組

環境目標6 (協働) ー 自然環境の保全・活用の取組ー 公園・緑地等の整備・運営・活用の取組ー 農地の保全・活用の取組ー 事業活動における環境・地域への配慮ー 人材・知識等に関する協力ー 場・資金等に関する協力ー 情報交換・交流ー 人材・知識等に関する協力ー 場等に関する協力ー 情報交換・交流

①地球温暖化への計画的な対応

②代替エネルギーの導入

③渡り鳥を通した国際協力の推進

①3R(発生抑制・再使用・再生利用) の推進

④緑化の推進

⑤農地の活用

①大気の保全

②廃棄物の適正な排出と処理

①干潟や海辺の活用

②緑の活用

③公園・緑地等の活用

②水質の保全

③土壌・地下水・地盤の保全

④騒音・振動・悪臭の抑制

⑤有害化学物質等のリスクの回避

①市民の環境学習の普及

②学校等における環境教育の支援

③環境学習への計画的な対応

①市民との協働の推進

②事業者との協働の推進

③大学との協働の推進

ごみを減らし、資源を循環利用する社会

世界の環境保全へ貢献できる社会

緑や水辺と共に快適に暮らせる社会

人々が環境を学び、考える社会

市・市民・事業者が共に環境保全に取り組む社会

健康で安心して暮らせる社会

都市と自然が共生したまち

リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

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第 2 章 計画の全体像

17

7 計画推進の仕組み

1)環境審議会

習志野市の環境審議会は、6 名の公募市民をはじめ、市民団体、地元事業者、

大学関係者、市議など多方面からなる審議の場となっており、全 22 名で構成

され、分野別の 3 つの部会をもつなど充実したものとなっています。環境保全

に関する重要な事項について審議を行うとともに、この場を中心として、市民・

事業者や大学との協働の推進を図っていきます。

2)環境基本計画推進連絡会議(仮称)

本計画に掲げる施策の効果的な推進及び総合的な調整を図るため、全庁的な

組織としての庁内会議を設置し、自然保護課を事務局として関係各課を中心に

運営していきます。

3)市民・事業者の参加による推進

本計画の推進においては、市と市民・事業者との協働が最も重要な部分とな

ります。そのため、さまざまな参加の機会を設けて、協働による推進を図って

いきます。

また、まちづくり会議や広報活動、各種の市民活動支援などを、協働による

計画推進の場として活用し、ネットワーク化を図っていきます。

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第 2 章 計画の全体像

18

3)進行管理の流れ

協働によって本計画の推進を図るとともに、施策の進捗や環境の現況などに

ついて、年次の報告書(環境白書)を通じて明らかにしていくとともに、一般

市民からも広く意見を求め、その結果を環境審議会の審議に供した上で、以降

の施策に反映していきます。

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第 3 章 環境施策

19

第 3 章

環境施策

環境目標 1「世界の環境保全へ貢献できる社会」

環境目標 2「ごみを減らし、資源を循環利用する社会」

環境目標 3「緑や水辺と共に快適に暮らせる社会」

環境目標 4「健康で安心して暮らせる社会」

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第 3 章 環境施策

20

◆環境目標 1◆ 世界の環境保全へ貢献できる社会

市も市民も事業者も、都市型生活における資源の大量消費や、温室効果ガスの増

大という課題に少なからず関わっています。また、渡り鳥の重要な生息地ともなっ

ている谷津干潟の保全は、世界の湿地が危機的状況におかれている中で地球規模の

生態系保全につながっています。こういった課題への取組を通して、世界の環境保

全へ貢献していくこととします。

【目標に近づくための目安、指標】

◎温室効果ガス排出量が計画に沿って減ること

◎谷津干潟がラムサール条約登録湿地となった環境が保たれること

◎市民みんなが世界の中での干潟の大切さについて知っていること

施策の柱 施策の方針(市の取組)

①地球温暖化への計画的な対応 ●地球温暖化防止率先行動計画

●地球温暖化対策地域推進計画

●情報収集・研究

②代替エネルギーの導入 ●公共施設における導入

●市民・事業者への導入支援

●情報収集・研究

③渡り鳥を通した国際協力の推進 ●谷津干潟の保全

●谷津干潟の生物の保護

●湿地保全に関する国内外との連携

千葉県の二酸化炭素排出量の推計 (千葉県地球温暖化防止計画(平成 12年))

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第 3 章 環境施策

21

行っている48.6%

今後やろうと思う19.9%

やろうと思わない2.7%

無回答28.9%

無回答28.9%

使おうと思わない15.7%

今後使おうと思う46.0%

使っている9.4%

無回答3.6%

やろうと思わない1.1%

今後やろうと思う14.3%

行っている81.0%

無回答10.1%

使おうと思わない2.5%

今後使おうと思う50.4%

使っている37.0%

無回答12.1%

使おうと思わない4.2%

今後使おうと思う50.4%

使っている33.4%

無回答17.3%

使おうと思わない38.4%

今後使おうと思う42.2%

使っている2.0%

使っている14.3%

今後使おうと思う39.9%

使おうと思わない25.5%

無回答20.4%

無回答2.7%

やろうと思わない0.7%

今後やろうと思う6.5%

行っている90.1%

無回答7.4%

やろうと思わない15.3%

今後やろうと思う18.4%

行っている58.8%

263

42

33

21

12

130

無回答4.2%

やろうと思わない1.4%

今後やろうと思う7.6%

行っている86.8%

無回答25.3%

やろうと思わない12.3%

今後やろうと思う16.6%

行っている45.8%

行っている5.8%

今後やろうと思う29.1%

やろうと思わない50.2%

無回答15.0%

市民の意識 自分自身の普段の行動について (成人への意識調査より) 注:四捨五入により見かけ上の合計が 100%にならない場合があります

マイカーの、環境に マイカーの利用を控える ハイブリッド車などの低公害車 やさしい運転を心がける

電気器具をつけっぱなしにしない 冷暖房を控えめにする 省エネ型の家電や給湯器

脱フロン型の冷蔵庫など 太陽熱などによる発電や給湯など ペアガラスや日除け、

高断熱住宅など

水道の水を流しっぱなしにしない 風呂の残り湯を使う 雨水を活用する

市民の意識 将来に残したいと思う習志野市の自然環境【いくつでも可】

(成人への意識調査より)

谷津干潟

ハミングロード・

マラソン道路・桜並木

谷津バラ園

海浜公園・茜浜緑地

実籾本郷公園・里山・ほたる野、 実籾本郷公園の魚・エビ・ザリガニ・昆虫等

その他(不特定の場所等を含む)

数字は件数

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第 3 章 環境施策

22

◆施策の内容

①地球温暖化への計画的な対応

● 地球温暖化防止率先行動計画

市では、市が行う事務・事業活動を、一消費者、一事業者としてとらえ、環

境にやさしい行動取組を実施するための習志野市地球温暖化防止率先行動計画

を進めていきます。目標年度は平成 20 年度で、温室効果ガス総排出量の削減

目標は平成 14 年度対比で 2.2%を定め、個別の排出量目標も掲げています。同

計画に併せて、環境にやさしい物品等の調達を課すグリーン購入や、市職員の

エコドライブ宣言等の方策も行っていきます。

<施策の展開>

・地球温暖化防止率先行動計画の推進(庁内等における冷暖房の適温設定管

理、消灯、紙の削減、エコドライブ等)

・地球温暖化対策検討会による進行管理

● 地球温暖化対策地域推進計画

京都議定書における日本の温室効果ガス削減目標を達成するため、地球温暖

化対策推進法により、地球温暖化対策地域推進計画の策定と、地球温暖化対策

地域協議会の設置が地方公共団体に求められています。

市では、地域の社会的状況等を踏まえながら、このような情勢への対応を図

っていきます。

<施策の展開>

・地球温暖化対策地域推進計画の策定と推進(家庭や事業所におけるエネル

ギー使用量の削減や廃棄物の削減など、全市的な削減目標の設定や活動取

組)

● 情報収集・研究

地球温暖化問題は、まだ科学的な知見が十分ではなく、国際政治の影響を受

けやすいこともあって、今後も観測の新たな成果や研究の進歩、国内外の情勢

の変化等が想定されます。

市では、将来の情勢に正しく対応していくため、情報収集や地域で出来る方

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第 3 章 環境施策

23

策の研究に努め、市民への情報提供を図っていきます。

<施策の展開>

・省エネルギー、新エネルギー等に関する情報提供

・地球温暖化防止に向けた啓発事業の推進

②代替エネルギーの導入

● 公共施設における導入

石油に替わるエネルギーを導入し、石油への依存を減らしていくことは、環

境保全とエネルギー確保の両面において日本の大きな課題となっています。

市では、市の事業における代替エネルギー導入を広げ、省エネルギー、新エ

ネルギー設備の導入を推進するために、公共施設での省エネ設備や太陽光・風

力などの自然エネルギー導入、都市ガス供給事業の活用、クリーンエネルギー

自動車の導入、清掃工場等の余熱・廃熱利用等を図っていきます。

<施策の展開>

・太陽光や風力などの自然エネルギーによる発電・給湯利用

・清掃工場における余熱・廃熱利用(発電、冷暖房、温水)

・清掃工場における天然ガス利用(コークスに変わり一部市営ガス利用)

・公用車における低公害車の導入

・習志野市新エネルギービジョンによる、新エネルギーの導入・普及啓発の

推進

● 市民・事業者への導入支援

石油に替わるエネルギーを導入し石油への依存を減らすという国の政策に対

応していくため、市民や事業者に対して、省エネルギー設備や代替エネルギー

の導入を支援する制度の紹介、情報提供、都市ガス供給事業の活用等を図って

いきます。

<施策の展開>

・習志野市新エネルギービジョンによる、新エネルギーの導入・普及啓発の

推進

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第 3 章 環境施策

24

● 情報収集・研究

エネルギー対策は、高度な技術に支えられており、エネルギー市場や国の政

策に左右されやすいこともあって、今後も技術の進歩や、国内外の情勢の変化

等が想定されます。

市では、将来の情勢に正しく対応していくため、情報収集や地域で出来る方

策の研究に努め、市民への情報提供を図っていきます。

<施策の展開>

・生ゴミや剪定枝を利用したバイオマス発電の研究

③渡り鳥を通した国際協力の推進

● 谷津干潟の保全

谷津干潟は東京湾を渡りのルートとする、シギやチドリ類にとって渡りの中

継地や越冬地として重要な湿地となっています。このことから平成 5 年 6 月 10

日にラムサール条約登録地認定されています。

しかし近年、水質の海水化や底質の砂質化といった環境の変遷に伴い、アオ

サの大量発生がみられ、シギやチドリ類の生息環境に影響を及ぼすといった状

況が発生しています。

市では、これまで谷津干潟の保全に向けた取組として、“市民と共に”のも

とに、市民クリーン作戦等保全活動の展開、情報交換の場の整備、谷津干潟の

日の制定をしてきました。

今後も、これまでの取組を継続しながら、現在大きな課題となっているアオ

サ問題について行政、市民、保護団体等との連携により谷津干潟の保全対策を

図っていきます。

<施策の展開>

・市民との協働による保全活動の展開(市民クリーン作戦等)

・アオサ対策の実施

・関係行政機関、保護団体等との連携による保全取組

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第 3 章 環境施策

25

● 谷津干潟の生物の保護

東京湾に残された自然干潟である谷津干潟は、シギやチドリ類等の水鳥の生

息地であると共に、カニやゴカイといった底生生物やボラ、スズキなどの幼魚

等多くの生物の生息地ともなっています。谷津干潟においては、水鳥の保護と

共にこのような生き物たちの多様性を保ちながら保全を図っていく必要があり

ます。現在水鳥に関する調査を行っていますが、今後はこれら生物に関するモ

ニタリングも行っていくこととします。

<施策の展開>

・鳥類調査の実施

・指標生物のモニタリング

● 湿地保全に関する国内外との連携

国境を越えて移動する水鳥の保護については国際協力が必要です。谷津干潟

はラムサール条約登録湿地であるとともに、東アジアからオーストラリア地

域・シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク参加湿地でもあります。国際協力

の場として、平成 11 年 2 月にオーストラリア・ブリズベン市と湿地の保全と

水鳥の保護に向けた湿地提携をしています。

また、国内のラムサール条約登録湿地を抱える自治体間における情報交換や

協力の場としてラムサール条約登録湿地関係市町村会議にも参加しています。

今後は、ネットワーク参加湿地との交流拡大を視野に入れながら、湿地の保全

と水鳥の保護に向け、国内外の自治体や関係機関との連携の強化を図っていき

ます。

<施策の展開>

・湿地交流の推進と拡大

・ラムサール条約登録湿地関係市町村会議への参加

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第 3 章 環境施策

26

0

10,000,000

20,000,000

30,000,000

40,000,000

50,000,000

60,000,000

70,000,000

80,000,000

H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 年度

kg

再資源化量 B

ごみ処理量 A

最終処分量 D

◆環境目標 2◆ ごみを減らし、資源を循環利用する社会

市や市民・事業者にも、それぞれがごみを出す側として果たすべき責任がありま

す。また、市は衛生の確保や安全なごみ処理を仕事として担っています。そこで、

市民・事業者・市がそれぞれの立場に応じて、ごみの減量や資源の循環の課題に取

り組んでいくこととします。

【目標に近づくための目安、指標】

◎ごみの処理量が減ること

◎ごみの不法投棄が減ること

◎ごみ出しがどこでも正しく行われること

◎リサイクルが推進されること

施策の柱 施策の方針(市の取組)

①3R(発生抑制・再使用・再生利用リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

の推進

●家庭からのごみ排出の減量

●事業所からのごみ排出の減量

●資源の循環利用の推進

②廃棄物の適正な排出と処理 ●ごみの収集と適正排出の促進

●中間処理及び最終処分

●ごみの不法投棄への対応

●し尿・浄化槽汚泥の処理

●災害時のごみへの対応

一般廃棄物の推移

t 80,000

70,000

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

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第 3 章 環境施策

27

行っている36.5%

今後やろうと思う43.9%

やろうと思わない7.8%

無回答11.9%

無回答7.0%

やろうと思わない14.3%

今後やろうと思う36.8%

行っている41.9%

行っている50.9%

今後やろうと思う33.6%

やろうと思わない8.8%

無回答6.7% 無回答

11.7%

やろうと思わない28.3%

今後やろうと思う27.3%

行っている32.7%

無回答0.0%

自主的な取組みを行ってい

る68.8%

知っているが自主的な取組はまだである

15.6%

少し知っている

9.4%

知らない6.3%

0

10,000,000

20,000,000

30,000,000

40,000,000

50,000,000

60,000,000

70,000,000

80,000,000

H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 年度

kg

公共系事業系

家庭系

市民の意識 自分自身の普段の行動について (成人への意識調査より) 注:四捨五入により見かけ上の合計が 100%にならない場合があります

ごみの出にくい製品を選ぶ レジ袋や包装をなるべく断る

生ごみを減らす 中古品を活用する

一般廃棄物の排出元割合

事業者の意識

法律や市の条例で、事業者の責務として、「ご

みの発生抑制や減量化」「再生品の使用の促

進」「ごみを自己責任において適正処理」な

どが定められていることについて

(事業者への意識調査より)

t 80,000

70,000

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

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第 3 章 環境施策

28

◆施策の内容◆

①3R(発生抑制・再使用・再生利用リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

)の推進

● 家庭からのごみ排出の減量

習志野市のごみは微増する傾向にあります。家庭から出される家庭系ごみが

その 70%以上(重量比)を占めており、1 人 1 日当たり排出量の横這い状況が

続いています。ごみの処理や再資源化には多くの経費や労力が必要で、また、

最終処分場の残余容量ひっ迫等ごみ問題は深刻な状況にあります。

家庭系ごみを減らしていくため、地域社会の特性や国の動向を踏まえながら、

分別の見直しや受益者負担も含めた様々な角度からごみを減らす有効な方策を

検討し、市民とともに行っていきます。

<施策の展開>

・分別に係る啓発の推進(「ごみの出し方」案内チラシの配布、広報習志野・

環境白書・ホームページによる情報提供、イベント開催時における啓発推

進等)

・習志野市をきれいにする会(※)、ごみゼロ運動の支援

・ごみの自家処理の支援

・ごみ処理の有料化

※習志野市をきれいにする会 ········ 習志野市の清掃事業の円滑な推進及び市民の清掃思想の普

及を図ることを目的として各連合町会長等で組織された会

● 事業所からのごみ排出の減量

会社や商店からの一般廃棄物、いわゆる事業系ごみは、一般廃棄物全体の約

25%(重量比)を占めており、その減量化が必要です。

市は、事業者に対して事業系ごみを減らし資源化を促進していくための計画

的取組の要請等を行っていきます。

<施策の展開>

・排出適正化指導

・多量排出事業所減量計画策定指導

・適正な排出に係る啓発の推進(パンフレット配布等)

・ごみゼロ運動実施要請

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第 3 章 環境施策

29

● 資源の循環利用の推進

国は循環型社会形成の一環として資源の循環利用に力を入れており、広く一

般に向けては 3 つの R「3R」を規範として示し、制度面では各種リサイクル法

を整備してきました。「3R」とは、ごみになるものを出さないことを意味する

リデュース(Reduce)、ものを捨てないで生かして使うことを意味するリユー

ス(Reuse)、ごみを資源として再生することを意味するリサイクル(Recycle)

といった英単語のそれぞれの頭文字をとったものです。

市ではこのような情勢に対応して、ごみ処理における資源回収、市民のリサ

イクル活動等への支援、市民の意識への働きかけ等を行っていきます。

市の事業においてもリサイクル(剪定枝、スラグ、メタル等)、再生資源の

活用、グリーン購入、中古品・再生品活用等を広げていきます。また、リサイ

クルの技術や制度、市場といった情勢の変化に対応していくため、情報収集と

方策の改善を図っていきます。

<施策の展開>

・資源物分別収集の推進

・不燃物再選別による資源回収

・有価物回収運動の推進

・大型店、スーパー等に対するリサイクル運動の働きかけ

・剪定枝チップの有効活用

・リサイクルプラザでの再生、啓発の推進(自転車及び家具の再生、廃食油

の有効活用、リサイクル情報の提供、体験教室等)

リサイクルプラザの活動

←牛乳パック紙すき体験

廃食油せっけんづくり→

←家具再生教室

自転車再生教室→

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第 3 章 環境施策

30

②廃棄物の適正な排出と処理

● ごみの収集と適正排出の促進

家庭からの一般廃棄物、いわゆる家庭系ごみの収集は、廃棄物の処理及び清

掃に関する法律に定めるところにより市が行っています。家庭系ごみの集積所

はおよそ 2,700 ヶ所あります(平成 17 年度末現在)。それらは利用者が清潔

に管理することとなっており、清掃等は住民や自治会・町会が自ら行っていま

す。集積所では、猫やカラスによる荒らし、ごみ出しのルール違反、通りがか

りのポイ捨て、市で収集できないものの不法投棄、事業系ごみの不法排出とい

った問題が生じています。

市と市民の連携によりこれらの問題に対して、啓発、情報収集等を図ってい

きます。

<施策の展開>

・分別に係る啓発の推進(「ごみの出し方」案内チラシの配布、広報習志野・

環境白書・ホームページによる情報提供、イベント開催時における啓発推

進等)

・ごみ集積所の設置等に関する指導

・環境美化推進員(※)との連携

・指定袋使用の徹底

・ごみ収集の効率化に関する検討

※環境美化推進員 ······· 環境美化活動に関する町会・自治会の窓口として、地域からの要望や市

からの連絡事項を相互に伝達する役割を担う

地域で設置されたごみ集積所の分別看板

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第 3 章 環境施策

31

● 中間処理及び最終処分

市では平成 14 年から芝園清掃工場を稼働させ、燃えるごみ及び残渣と、し

尿・下水道の脱水汚泥の焼却処理を同工場で行い、溶融飛灰の最終処分(埋立)

は民間業者へ委託しています。同工場では、ダイオキシン類排出防止対策、ご

みを処理する過程で発生する熱エネルギーの活用(施設内)、溶融生成物(ス

ラグ及びメタル)の再資源化を行っているほか、リサイクルブラザで、粗大ご

み、資源物、燃えないごみの選別等の中間処理を行っています。最終処分量は

同工場の稼働により大きく減りました。

芝園清掃工場の適切な運営とともに、資源化における技術開発や市況の影響、

効率等を考慮しながらごみ処理の改善を図っていきます。

<施策の展開>

・リサイクルプラザでの資源物の選別による最終処分量の減量化

・芝園清掃工場の効率的な運営

芝園清掃工場(左上:建物外観、左下:中央制御室、右上:プラットフォーム、右下:溶融炉)

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第 3 章 環境施策

32

リサイクルプラザ(左:建物外観、右:資源物の選別作業)

● ごみの不法投棄への対応

ごみの不法投棄は、土地の管理が十分でない空き地、周辺に民家等がない道

路沿線等に多く見られます。その内容も通常の家庭のごみから有害物質を含む

産業廃棄物まで多種多様であり、様々な環境への悪影響を生じさせています。

市では、土地の所有者・管理者に対して、不法投棄されないように土地を管

理し、投棄物を自己処理する責任があることを知らせていくとともに、地域住

民との連携によりパトロールや立て札の設置等の対策を図っていきます。

また、投棄されたごみについては、現地調査を行いながら土地の所有者・管

理者、県及び警察等と連携をとり、投棄者が判明した場合には、その投棄者の

責任において撤去を求めていきます。

<施策の展開>

・パトロールの実施

・市、市民、事業者の責務の明確化に係る啓発

不法投棄に対する警告看板

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第 3 章 環境施策

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● し尿・浄化槽汚泥の処理

習志野市のし尿収集は民間業者に委託しています。浄化槽汚泥は、許可業者

が市民からの申し込みにより収集・運搬を行っています。

市では、収集されるし尿及び浄化槽汚泥を茜浜衛生処理場において処理し、

し渣及び汚泥は脱水処理の後に、芝園清掃工場において焼却処理を行っていき

ます。また、し尿及び浄化槽汚泥の減少に対応して処理の効率化を図っていき

ます。

<施策の展開>

・し尿・浄化槽汚泥の効率的な処理

・し尿処理施設の規模見直し

● 災害時のごみへの対応

大地震などの災害時には、通常のごみ・し尿の収集・処理が不可能となるこ

とから、各家庭や避難所でできうる限り自己処理するとともに、ごみの排出の

抑制に努めることが原則とされています。

処理施設や搬入道路の機能が確保されるまでは、平常時のようなごみの収

集・運搬は不可能となります。また、大量に発生する廃棄物への対応に加えて、

下水管が被害を受け、家庭や避難所から大量のし尿が発生するため、臨時に汲

み取りを行うことが必要となります。そこで、災害時の収集体制や、処理能力

を超えるごみ等の処理対策、焼却行為の指導等に関して、マニュアルの作成、

遠隔地の自治体等との連携をとり、危機管理を図っていきます。さらに、事業

者に向けて、災害時のごみ処理に関する計画の策定や、備品等を備えて事業所

内の環境衛生を確保できるようにしておくとともに、地域住民の救済にも役立

てることを求めていきます。

<施策の展開>

・地域防災計画に基づいた行動計画の策定

・災害時における迅速かつ効率的なごみ処理体制の確立

・施設の早期稼動に向けた対応

・遠隔地の自治体等との連携

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第 3 章 環境施策

34

◆環境目標 3◆ 緑や水辺と共に快適に暮らせる社会

市も市民も事業者も、緑や水辺の価値を認識して守りながら大切に利用し、また

新たな公園や緑の確保にも努めて、緑や水辺と共に快適に暮らせる社会を形成して

いくこととします。

【目標に近づくための目安、指標】

◎谷津干潟に親しむ人が増えること

◎水辺に集う人が増えること

◎里山や樹木に親しむ人が増えること

◎自然保護地区や緑地が守られること

◎ハミングロードが、より魅力ある緑道になること

◎身近な公園が充実すること

◎公園の整備や緑化が進められること

施策の柱 施策の方針(市の取組)

①干潟や海辺の活用 ●谷津干潟の活用

●海とのふれあい

②緑の活用 ●里山とのふれあい

●樹木とのふれあい

③公園・緑地等の活用 ●都市公園等の整備

●ハミングロードの再整備

●公園・緑地の防災機能の充実

④緑化の推進 ●公共施設の緑化

●事業所の緑化

●居住地等の緑化

⑤農地の活用 ●農地とのふれあい

●環境保全機能の維持

事業者の意識 事業所敷地内の緑化について (事業者への意識調査より) 注:四捨五入により見かけ上の合計が 100%にならない場合があります

緑化協定に基づく緑化を行っている(59.4%) 緑化協定を上回る緑化を行っている(3.1%)

緑化協定によらないで緑化を行っている(12.5%) 特に行っていない(25.0%)

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第 3 章 環境施策

35

不満5.8%

少し不満18.4%

まあまあ満足54.7%

満足10.1%

無回答11.0%

不満16.1%

少し不満24.0%

まあまあ満足32.1%

満足9.6%

無回答18.2%

無回答9.2%

満足19.9%

まあまあ満足41.3%少し不満

19.9%

不満9.7%

不満6.3%

少し不満19.0%

まあまあ満足49.3%

満足19.7%

無回答5.8%

市民の意識 緑や自然、公園について(成人への意識調査より)

習志野市の自然について 水辺に親しめる環境について

すぐに行ける身近な公園について 自宅周辺の緑について

実籾自然保護地区 市民参加による公園管理(やしのみ公園)

谷津干潟観察センター淡水池 菊田遊歩道(ハミングロード)

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第 3 章 環境施策

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◆施策の内容

①干潟や海辺の活用

● 谷津干潟の活用

市は干潟の自然生態観察の場として谷津干潟公園を整備し、観察の拠点とな

る谷津干潟自然観察センターを設置しています。同公園はバラ園のある谷津公

園や東関東自動車道沿いの習志野緑地とつながって大規模な緑地環境を形成し

ており、水鳥の観察とともに市民の憩いの場として親しまれています。

今後も周辺の公園や緑地と一体化した市民の憩いの場としての保全整備を行

うとともに、案内看板や利用案内マップ等の充実を図っていきます。

<施策の展開>

・観察会等行事の充実

・散策ルートの活用

・案内看板等の充実整備

● 海とのふれあい

習志野市は東京湾奧部に位置します。昔の海岸には広大な浜と干潟が広がっ

ていましたが、埋立によりそのほとんどが消失しました。

湾岸の都市にふさわしく市民が海とふれあえる空間を取り戻すため、今ある

ハミングロード、茜浜緑地、海浜公園及び隣接の千葉市幕張地区との一体性を

考慮しながら、親水性のある水際線の復元や海浜レクリエーション空間の整備

を行っていきます。

<施策の展開>

・臨海部の埋立て事業によって消失した海浜の再生・創出

・人工海浜による親水性の高い水際線空間の整備

菊田川河口と茜浜緑地 親水護岸

谷津干潟自然観察センター

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第 3 章 環境施策

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②緑の活用

● 里山とのふれあい

習志野市は海岸沿いの平野に開かれた都市で、地形は、谷津、津田沼、鷺沼

等の旧海岸沿いの平野部とその北部の丘陵及び埋立部の 3 つに大別されていま

す。まとまった樹林地に乏しく、平成 17 年の調査による市域の緑の現況量は

26.1%となっています。平野部から丘陵部へとつながる斜面や社寺の境内、国

有施設跡地等には、里山の環境や林が点在しています。

都市にとって貴重となったそれらの自然環境を将来に継承していくため、条

例に基づく自然保護地区及び都市環境保全地区の指定を行うとともに、保全に

おける様々な課題への対応や所有者への働きかけを図っていきます。中でも、

実籾自然保護地区、斜面林の実籾都市環境保全地区等の一帯については、市内

で最も多くの動植物種が生息し、実籾本郷公園や園内に歴史のある民家が文化

財として保存されている環境が背景にあることから、市民が自然に親しむこと

のできる緑の拠点として、農家や保護団体との連携による活用を図っていきま

す。そのほかにも市内には、藤崎の谷津田など貴重な自然が残されており、今

後の公園整備の中で活用を検討していきます。緑とともに貝塚や古墳が残され

てきた環境については、文化財保護の面からも保全を図っていきます。また、

生物の多様性の保全を目指し、外来種に関しても、国・県の調査・研究や方針

を見極めながら対応を検討していくこととします。

<施策の展開>

・里山の保全(実籾自然保護地区・都市環境保全地区等の指定及び助成、実

籾自然保護地区ビオトープ構築事業)

・里山に生息する生物の保全(ホタルの生息地づくりワークショップの実施)

・里山に親しむ機会の提供(自然観察会及び夏休みこども自然観察会の開催)

・貝塚や古墳の保護

● 樹木とのふれあい

習志野市はヤブツバキクラスを主な植生とする地域の関東平野南部の沿岸地

域に位置するため、自然本来の植生(原植生)は、常緑広葉樹林であるシイ・

タブ林やシイ・カシ林等と考えられます。しかし、自然が農村や都市として開

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第 3 章 環境施策

38

発されてきたことから、常緑広葉樹とケヤキ、エノキ等の落葉広葉樹、クロマ

ツの混生、及び近年の植栽樹林が、習志野市の樹林地を形成している中で、点

在する個々の樹木も貴重な緑であり、習志野市の歴史を伝える重要な役割を担

っています。

都市にとって貴重となった樹木を将来に継承していくため、保存樹木の指定

を行うとともに、保全における様々な課題への対応や所有者への働きかけを図

っていきます。また、市民の手で既存の樹木を守り、また新しい木を育ててい

くことを目指して、調査や情報提供、支援を行っていきます。

<施策の展開>

・既存樹木の保全(都市環境保全地区、保存樹木の指定及び助成)

・樹木に親しむ機会の提供(名木百選事業の推進、自然観察会の開催)

自然観察会 名木№30 大イチョウ(市天然記念物)

③公園・緑地等の活用

● 都市公園等の整備

都市公園や緑地は、自然環境や景観の向上、公害・災害の防止・緩和、様々

なレクリエーションの場として重要な施設です。

市民の様々な利用に向けて、バランスのよい都市公園・緑地の整備を行い、

設備の使いやすさや、バリアフリー、施設の周辺を含めた防犯といった面での

質の向上や、整備・管理への市民の参加を図っていきます。

<施策の展開>

・公園の整備・拡充

・公園等の維持管理

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第 3 章 環境施策

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● ハミングロードの再整備

ハミングロードは、習志野市の最北東部からほぼ中央部を縦貫し、海浜部ま

で続く延べ 11.67km におよぶ幹線緑道です。昭和 43 年(1968 年)に、戦前、

鉄道第二連隊が演習用に使用していた軌道敷きを、国から市が借り受け、自転

車・歩行者専用道路として整備した「マラソン道路」「サイクリング道路」「鷺

沼台遊歩道」を基軸に、「鷺沼遊歩道」「菊田遊歩道」「袖ヶ浦遊歩道」「秋

津 1 号緑道」「茜浜緑道」と区間ごとに整備し、全体をハミングロードと呼称

しています。この緑道は、自然環境の活用、景観形成、あるいは市民の交流の

場として、貴重な市民共有の財産となっています。

しかし、供用されてから多くの年月が経過し、様々な問題点も指摘されるよ

うになり、これらを解決し、市民の憩いの場、交流の場としてさらに魅力的な

緑の軸を形成していく必要性が生じています。

このため、市民との協働で策定したハミングロード再生基本計画及び再生実

施プランにより、市民とともにこれらの課題の解決を図っていきます。

<施策の展開>

・ハミングロード再整備事業の推進

● 公園・緑地の防災機能の充実

公園・緑地は、災害時における避難路、延焼を防止するオープンスペース、

さらには避難場所や避難所として、救急救護、初期消火、物資供給などの応急

活動を行う際の重要な防災拠点となります。

これらの防災機能の充実を図るため、耐震性貯水槽の設置などの整備を行い、

防災施設を備えた防災拠点としての活用・充実を図っていきます。

<施策の展開>

・防災施設(耐震性貯水槽等)の充実

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第 3 章 環境施策

40

④緑化の推進

● 公共施設の緑化

公共施設が自ら緑化を行うことは、良好な生活環境を確保していくためのひ

とつの方策です。

そのため、緑量の確保だけでなく質を高める緑化手法を積極的に導入し、市

民の緑化意識の啓発に寄与するよう努めていきます。

また、地域や施設の状況、利用者や周辺住民等を考慮しながら、公共の建物

や用地の緑、街路樹等を整備していくことにより、木かげや緑の景観、ゆとり

の確保を図っていきます。

<施策の展開>

・敷地内緑化の推進

・屋上緑化、壁面緑化の推進

● 事業所の緑化

事業所内の緑地は、公害や災害の防止だけでなく、市民の安心感や安らぎに

つながる緑地の保全や創造に寄与して、良好な生活環境形成の役割を担ってい

ます。

このことから、今後も事業者に対して、緑化協定の締結を指導するとともに、

敷地内の緑化を推進するよう協力を求めていきます。また、開発事業に対して

緑化の指導を行い、良好な都市環境の形成を図っていきます。

<施策の展開>

・緑化協定制度の維持

・屋上緑化、壁面緑化の促進

● 居住地等の緑化

緑化を通じて良好な生活環境を確保するには、市民の高い緑化意識が必要と

なります。

市民に居住地の緑化を働きかけながら、緑化意識の高揚を図っていきます。

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第 3 章 環境施策

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<施策の展開>

・「誕生の木」の配布

・植木まつり、園芸講座の実施

・緑化の啓発

・緑化指導

⑤農地の活用

● 農地とのふれあい

習志野市の農地は、市街化調整区域のうち谷津、鷺沼、藤崎・鷺沼台、屋敷・

実籾本郷、実籾 3 丁目の 5 地区の農業振興地域内にある農地と、市街化区域内

の生産緑地をあわせた約 155ha で、市域面積の約 7.4%となっています(平成

18 年 4 月 1 日現在)。都市化が進む中で農地の維持が難しくなっている一方、

家庭菜園の利用などで農地とのふれあいを求める人が多くなっています。

従来の農業振興とともに、都市住民による農地の利用や維持管理といった視

点を持って、市民農園等をはじめとした農地の活用を図っていきます。

<施策の展開>

・市民農園整備事業の推進

● 環境保全機能の維持

農地は、農業の場としてだけでなく、雨水の浸透や防災、ヒートアイランド

の防止といった環境保全の面でも役立っています。

生産緑地の指定や宅地化に際しての環境保全機能の維持等、農地の環境保全

機能を活用したまちづくりを図っていきます。

<施策の展開>

・農地の保全

・都市農地環境保全事業(遊休農地での景観作物の植栽)の推進

市民農園

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第 3 章 環境施策

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◆環境目標 4◆ 健康で安心して暮らせる社会

市も事業者も市民も、それぞれが大気汚染、水質汚濁、騒音などの環境負荷の発

生に関わっていることから、人々が健康で安心して暮らせる社会を目指して、皆が

自らの立場に応じて環境負荷の防止に取り組んでいくこととします。

【目標に近づくための目安、指標】

◎環境基準が達成されること

◎環境負荷が減ること

◎下水道が整備されること

施策の柱 施策の方針(市の取組)

①大気の保全 ●大気汚染物質の監視

●酸性雨の測定

●工場等への規制

●自動車等への対応

●クリーンエネルギーへの転換

●広域的な連携

②水質の保全 ●水質の監視

●工場等への規制

●生活排水への対応

●広域的な連携

③土壌・地下水・地盤の保全 ●地下水汚染の監視

●地下水の浄化

●土砂等の埋立てへの規制

●地下水汲み揚げへの規制

●雨水浸透の促進

●地下水位の観測

④騒音・振動・悪臭の抑制 ●環境騒音・振動の監視

●事業活動の騒音・振動・悪臭への規制

●移動発生源の騒音・振動への対応

●近隣生活公害への対応

⑤有害化学物質等のリスクの回避 ●ダイオキシン類の調査

●アスベスト問題への対応

●その他有害化学物質等への対応

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第 3 章 環境施策

43

行っている

88.4%

今後やろうと思う6.7%

やろうと思わない1.3%

無回答3.6%

無回答6.1%

やろうと思わない4.9%

今後やろうと思う20.2%

行っている68.8%

無回答9.4%やろうと思わ

ない2.3%

今後やろうと思う6.3%

行っている81.9%

無回答3.8%

やろうと思わない1.1%

今後やろうと思う4.9%

行っている90.3%

28

35

31

41

220

300

99

27

96

21

18

272

224

238

107

市民の意識 生活の中で気になることについて【いくつでも可】 (成人への意識調査より)

工場から出る煙

工場や作業場で燃やす廃材の煙やにおい

工場や飲食店から出る汚水やにおい

工場や工事現場から出る音や振動

自動車やバイクの排気ガス

自動車やバイクの音や振動

飛行機や電車の音や振動

隣近所で燃やすごみの煙やにおい

家の近くを通る物売りの音

近所の飲食店から聞こえるカラオケや人の騒ぎ声

隣近所のピアノ、テレビ等の音

ごみや空き缶、吸いがらのポイ捨て

ごみ出しのルール違反

犬や猫のフンの放置

その他

市民の意識 自分自身の普段の行動について (成人への意識調査より) 注:四捨五入により見かけ上の合計が 100%にならない場合があります

ごみや油を排水に流さない 洗剤の量や種類に気をつける

殺虫剤や農薬を最小限におさえる 生活の音で近所に迷惑をかけない

数字は件数

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第 3 章 環境施策

44

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

H7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 年度

ppm 鷺沼

東習志野

谷津

環境基準

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

H7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 年度

mg/m3

鷺沼

東習志野

谷津

環境基準

大気汚染物質の経年変化

二酸化窒素(一般環境測定局におけるもの)

浮遊粒子状物質(一般環境測定局におけるもの)

道路に面する地域の騒音環境(平成 16年度)

A 地域※1 のうち、2 車線以上の道路に面する地域 単位:デシベル

時間帯区分 昼間 6時~22時 夜間 22時~6時

環境基準値 60 55

湾岸道路(道路端より 100m):秋津 5丁目 53 48

湾岸道路(道路端より 100m):香澄 5丁目 59 52

B 地域※2 のうち、2 車線以上の道路に面する地域 単位:デシベル 時間帯区分 昼間 6時~22時 夜間 22時~6時

環境基準値 65 60

国道 296号:谷津 5丁目 69 68

国道 14号:谷津 2丁目 71 70

京葉道路(道路端より 50m):袖ヶ浦 6丁目 58 57

備考)*は環境基準値超過

※1 ···· 都市計画用途地域の内、第 1・2種低層住居専用地域、第 1・2種中高層住居専用地域 ※2 ···· 都市計画用途地域の内、第 1・2種住居地域、準住居地域

鷺沼

東習志野

谷津

環境基準

環境基準

鷺沼

東習志野

谷津

mg/m3

0.08

0.07

0.06

0.05

0.04

0.03

0.25

0.20

0.15

0.10

0.05

0.00

ppm

H7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 年度

H7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 年度

* *

* *

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第 3 章 環境施策

45

◆施策の内容◆

①大気の保全

● 大気汚染物質の監視

大気汚染はゆるやかな改善傾向にあるものの、まだ光化学スモッグ等の問題

が見られます。

大気汚染の状況を把握し、また国や県の規制効果を確認するために、測定局

において大気汚染物質の常時監視を行っていきます。

<施策の展開>

・窒素酸化物等の監視

● 酸性雨の測定

酸性雨とは、大気汚染物質が上空で雨に溶けて、雨が強い酸性になる現象で

す。土壌や植物、湖沼等への影響が問題となっています。

雨水測定装置を用いて、降雨時における雨水の pH 値(5.6 以下が酸性雨)の

分析を行っていきます。

<施策の展開>

・酸性雨の観測と分析

● 工場等への規制

工場等にばい煙の発生源となりうる施設を設ける場合には、予め許可(認可)

を得るとともに、その後も規制基準を守るよう指導を行っていきます。さらに、

窒素酸化物濃度が高くなる冬期の対策として、ばい煙発生施設に係る適正な燃

焼管理や低い暖房温度の設定等の指導を行っていきます。

<施策の展開>

・条例・関係法令の規制値遵守の指導

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第 3 章 環境施策

46

● 自動車等への対応

大気汚染の最も大きな課題である自動車排ガスについて、広域的対策との連

携を基本としながら、事業者としての市の率先的な自動車公害対策を進め、市

民や市内事業所への啓発を図っていきます。

千葉県自動車排出窒素酸化物総量抑制指導要綱に基づく窒素酸化物対策に対

応するとともに、市独自による低公害車の導入や公用車の集中管理による窒素

酸化物と浮遊粉じん対策等を行っていきます。

また、千葉県環境保全条例に基づくアイドリング・ストップ推進運動に対応

し、市内公共施設の利用者の協力を要請するとともに、公用車や市役所通勤者

の自動車使用をなるべく抑えるように努めていきます。

さらに、窒素酸化物濃度が高くなる冬期の対策として、貨物運送事業所や市

民等に対して、業務用自動車の使用抑制や自家用車での通勤自粛及び最新規制

適合車の優先使用等を啓発していきます。

<施策の展開>

・アイドリングストップ看板設置指導

・ノーカーデーの実施や公共交通機関等の利用の啓発

・ごみ収集車両等への天然ガス自動車の導入

● クリーンエネルギーへの転換

クリーンエネルギーへの転換を地域でできることから進めていくため、市の

都市ガス供給事業を活用して、天然ガス自動車等の利用と普及を図っていきま

す。

習志野市環境保全条例に基づく工場等設置及び変更認可申請がなされた工

場・事業場等に対しては、硫黄分やばいじん量の発生が少ない燃料の使用又は

転換を指導していきます。

<施策の展開>

・クリーンエネルギーへの転換指導

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第 3 章 環境施策

47

● 広域的な連携

大気汚染は地形や気候により発生源からかなり離れた地域まで広がります。

また自動車に代表される移動発生源は市内を通過するものも多く、また一定地

域への流入制限も困難であり、首都圏で実施されているディーゼル車排ガス規

制のような広域的な対応が必要となります。中でも光化学スモッグの発生は全

国的な問題となっていますが、解決の目処は立っていません。

大気汚染問題の解決に向けて、国や関東圏、千葉県といった広域的な大気汚

染対策に対応していきます。

また、光化学スモッグの健康被害を防ぐため、県との連携のもとに、市民へ

の通報を迅速に行うための情報連絡体制と、被害者発生時の連絡体制の確保を

図っていきます。

<施策の展開>

・光化学スモッグ対策

・東京湾広域異臭対策

・三宅島噴煙対策

・自動車 NOx-PM 法への対応

天然ガス利用のごみ収集車両と天然ガスを供給するエコステーション(東習志野)

自動車排出ガス測定局(秋津)

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第 3 章 環境施策

48

②水質の保全

● 水質の監視

水質汚濁の監視対象となる公共用水域は、海域と、河川として二級河川の菊

田川、谷津川、高瀬川があり、都市排水路としては公共下水道の八千代 1 号幹

線および浜田川雨水幹線・屋敷 1 号雨水幹線があります。海域の 2 地点には生

活環境の保全に関する環境基準(以下「生活環境項目」)の類型指定がありま

す。河川と水路には、生活環境項目の類型指定はありません。近年の水質は、

一部で基準超過が見られ、傾向としては横這いとなっています。

工場排水と生活排水の影響を把握し、また国や県の規制効果を確認するため

に、水質汚濁の監視を行っていきます。

<施策の展開>

・公共用水域等における調査による監視

河川の水質調査

● 工場等への規制

公共用水域の浄化のため、工場等の排水の監視・規制を行うとともに、放流

水質の一層の改善の要請等を行っていきます。

<施策の展開>

・条例・関係法令の規制値遵守の指導

・条例に基づく立入り調査(排出水検査)の実施

● 生活排水への対応

習志野市の生活排水については公共下水道で処理する水洗化を目指しており、

全市域(谷津干潟地区・公有水面を除く)が公共下水道計画区域となっていま

す。平成 17 年度末現在では、市人口における下水道普及率(現在処理区域内

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第 3 章 環境施策

49

人口÷行政区域内人口)は 80.1%、水洗化率(水洗化人口÷行政区域内人口)

は 95.6%となっています。

全ての市人口について生活排水処理を行うため、公共下水道の整備を計画的

に進め、水洗式への切替を市民に要請していきます。

<施策の展開>

・公共下水道の整備推進

・家庭における生活排水対策の啓発(環境月間等における PR 等)

● 広域的な連携

河川・水路や東京湾は市域を超えて広がる水域であり、所轄や利用等で関わ

る機関も多くあることから、水質汚濁対策のための広域市町村や国、県の機関

等との連携を図っていきます。

<施策の展開>

・東京湾岸自治体環境保全会議における連携取組

・花見川水質改善検討会における連携取組

③土壌・地下水・地盤の保全

● 地下水汚染の監視

地下水は飲用の他、農業用水、工業用水に利用されるなど身近で貴重な資源

であり、人の健康の保護に関する水質環境基準が定められています。またその

汚染は、表層の地層や土壌の汚染とも関連しています。習志野市では、工業や

クリーニング等で洗浄剤・溶剤に用いるトリクロロエチレン等の有機塩素化合

物による汚染が確認されています。

地下水汚染の状況を把握し、また新たな土壌・地下水汚染を防ぐため、土壌・

地下水の監視を行っていきます。

<施策の展開>

・地下水水質調査による監視

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第 3 章 環境施策

50

● 地下水の浄化

トリクロロエチレン等の有機塩素化合物による地下水の汚染が確認された地

区において、地下水の浄化対策と、関連する事業所への対策指導を行っていき

ます。

<施策の展開>

・汚染が確認された事業所等への浄化指導

● 土砂等の埋立てへの規制

千葉県では、県外から多くの「残土」が搬入されており、それらの一部は、

産業廃棄物の不法投棄による土壌の汚染や、無秩序な埋立てによる土砂の崩落

等の問題を生じさせています。そういった問題を防止するため千葉県では条例

を定めて規制を行っています。

市では、県条例の対象とならない規模の小さい埋立事業に対して、市条例に

より規制を行っていきます。

<施策の展開>

・市条例(土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関す

る条例)による規制

● 地下水汲み揚げへの規制

地下水の採取が地下水圧の低下を生じさせると、それによって粘土層などが

圧密を起こし、地盤沈下が発生することがあります。昭和 40 年代半ばには関

東平野全体で地盤沈下が問題となりましたが、地下水採取への規制が行われた

結果、各地の沈下量は大幅に減少し地盤沈下が沈静化する傾向にあります。

地盤沈下の復元は困難で、未然に防ぐことが極めて大切であるため、必要に

応じて地下水汲み揚げの規制強化等を図っていきます。

<施策の展開>

・条例・関係法令に基づく規制

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第 3 章 環境施策

51

● 雨水浸透の促進

近年、下水道の排水能力を超える量の集中豪雨が各地で多発しており、習志

野市も例外ではありません。さらに農地の宅地化は、雨水の地下浸透を減らし、

下水路の負担を大きくするものと考えられます。

地下水位を保って地盤沈下に対する地層の安定化を図るとともに、集中豪雨

時の河川・水路の氾濫を防止するため、浸透枡の設置や透水舗装の拡大等、雨

水を地下浸透させることによる地下水の涵養促進を図っていきます。

<施策の展開>

・雨水浸透施設設置事業補助金の交付

・市道等への透水性舗装の整備促進

・雨水利用の啓発

● 地下水位の観測

地盤の沈下量は千葉県が毎年の観測を行い、習志野市では沈静化が認められ

ています。

地盤沈下は地下水位の変動や各地層の圧密現象と密接な関係があるため、地

下水位の観測を行うことも大切であることから、市では地下水位観測井戸にお

いて観測を行っていきます。

<施策の展開>

・地下水水質調査と併せた水位観測の実施

・千葉県による観測(水位及び地殻変動)

④騒音・振動・悪臭の抑制

● 環境騒音・振動の監視

市内全域における環境騒音を把握するため、全市域を 104 メッシュに分け、

昼と夜それぞれで測定する調査を、平成 12 年度までに計 6 回、5 年ごとに行っ

てきました。また、騒音・振動の環境調査を、道路に面する地域と、その他の

一般地域について、原則的に定地点で行ってきました。環境基準の超過地点は

どの調査でも確認されていますが一定ではありません。

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第 3 章 環境施策

52

その他に、一般には耳に聞こえにくい低周波音の問題も指摘されています。

環境騒音・振動の状況を把握し、被害の防止に役立てていくため、環境騒音・

振動の監視や研究を行っていきます。

<施策の展開>

・道路環境等の騒音・振動測定による監視

● 事業活動の騒音・振動・悪臭への規制

工場等の操業から発せられる騒音・振動・悪臭や、建設作業から発せられる

騒音・振動に対して、規制を行っていきます。また、発生源と周辺住民の意識

の違いが多く見られるため、両者の話し合いの支援を行っていきます。

<施策の展開>

・条例・関係法令の規制値遵守の指導

・特定建設作業の許可制の実施と指導

● 移動発生源の騒音・振動への対応

習志野市は東京都と千葉県を結ぶ広域幹線道路が横切り、また市内に産業立

地も多いことから、交通量が多く、特に主要道路周辺では道路騒音・振動が厳

しい状況にあります。

対策となる道路構造の改善や交通規制、発生源対策等を実現していくため、

国や県等の関係機関との協力を図っていきます。

<施策の展開>

・道路環境等の騒音・振動測定の実施

遮音壁と緩衝緑地(左:京葉道路、右:湾岸道路)

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第 3 章 環境施策

53

● 近隣生活公害への対応

公害苦情・相談の内容は、ごみの焼却、深夜営業騒音、臭気等が多く見られ

ます。

規制の対象となる問題については法令に従い、規制の対象とならない問題に

ついては、事実関係の確認や近隣関係による解決の支援を行い、紛争等に発展

した場合には県や警察との連携による解決を図っていきます。

また、東京湾で発生する異臭については、県を中心とした臨海自治体の連絡

体制を通じて、監視や情報収集等を行っていきます。

<施策の展開>

・深夜営業騒音調査の実施

・苦情相談対応と防止へ向けた啓発の推進

⑤有害化学物質等のリスクの回避

● ダイオキシン類の調査

習志野市ではダイオキシン類による大気・水質・土壌の汚染は見られません。

ダイオキシン類による汚染を未然に防ぐため、県と連携した環境中のダイオ

キシン類の監視、民間の焼却炉と不適格燃焼に対する指導、芝園清掃工場の適

正な運用等を行っていきます。

<施策の展開>

・大気・水質及び底質・土壌の調査の実施

・情報提供

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第 3 章 環境施策

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● アスベスト問題への対応

アスベスト(石綿)は健康に重大な被害を及ぼす物質であるにもかかわらず、

身近に使われてきたことが大きな問題となってきました。それに対して国では

様々な規制を定めています。

市では、市民の健康保護や不安解消を図るため、公共施設におけるアスベス

ト使用の実態把握及び除去対策、市民相談への対応、民間施設への対策要請、

ごみ処理における対策等を行っていきます。

<施策の展開>

・公共施設の対策の実施

・民間の解体作業に対する指導

・情報提供

● その他有害化学物質等への対応

現在の泉町にあった旧陸軍習志野学校の跡地で毒ガス弾が残されている懸念

が生じましたが、国等の調査により安全が確認されています。

また、市では水質環境ホルモンの実態把握や、PCB 廃棄物の適正な保管を行

ってきました。

新たに生じる様々な問題への対応とともに、日常の観測・調査と正確な科学

的知見からの解析、それらを進める体制面の整備等を図っていきます。

<施策の展開>

・環境ホルモン調査の実施

・PCB 廃棄物の適正保管と処理

・情報提供

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第 4 章 行動推進への取組

55

第 4 章

行動推進への取組

環境目標 5「人々が環境を学び、考える社会」

環境目標 6「市・市民・事業者が共に環境保全に取り組む社会」

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第 4 章 行動推進への取組

56

行っている18.8%

今後やってみたい57.0%

関心がない7.6%

無回答16.6% 無回答

22.4%

関心がない11.7%

今後やってみたい50.0%

行っている15.9%

◆環境目標 5◆ 人々が環境を学び、考える社会

将来を担う子どもたちはもとより、社会に責任を負っている大人についても、市

民が学習自体の主体となりながら、市や事業者が支援をして、皆が環境を学んでい

くこととします。

【目標に近づくための目安、指標】

◎学習を支援する仕組みが充実すること

◎学習の拠点や機材が活用されること

◎環境学習を進めるための計画が策定・推進されること

施策の柱 施策の方針(市の取組)

①市民の環境学習の普及 ●人材の育成と活用

●活動の場の形成

●学習拠点の活用

●情報の提供・発信

②学校等における環境教育の支援 ●人材・プログラムの支援

●教育活動の場の支援

●教材・情報の支援

③環境学習への計画的な対応 ●環境学習の計画的な推進

●全国的・国際的な情報発信・交流

市民の意識 環境の学習について (成人への意識調査より) 注:四捨五入により見かけ上の合計が 100%にならない場合があります

環境について知識や体験を広げる 子どもに環境のことを学ばせる

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第 4 章 行動推進への取組

57

402

141

167

142

155

51

83

173

16

20

29

257

423

463

190

356

392

437

308

366

215

市民の意識 多くの人に環境問題を知ってもらうため、習志野市が優先的に取組むのがよ

いと思われる方法について【3 つまで選択】 (成人への意識調査より)

広報「習志野」で定期的な環境情報の掲載

市のホームページを活用した環境情報の提供

ポスターや看板の掲示

パンフレットの発行

環境をテーマにしたイベントの開催

講演会やワークショップの開催

環境ガイドブック(本)の発行

環境情報マップ(地図)の発行

講師や案内人(ガイド)の紹介

図書館などでの環境関係資料の充実

その他

子どもの意識 日本や世界のかんきょうについて知っていること【いくつでもよい】

(小学 4年生への意識調査より)

ごみがふえて、すてる場所が足りないこと

みんなが出すよごれた水が、川や海をよごしていること

くるまのはい気ガスが空気をよごしたり、くるまの音がみんなのめいわくになっていること

使われないであれてしまう森や田んぼがふえていること

川や海のしぜんがなくなってきたこと

物や電気、ガスなどのむだ使いがかんきょうによくないこと

水道の水は、遠くの山や川のダムから、わたしたちに送られていること

エネルギーも食べ物も、ほとんどを外国から買っていること

地球が今よりも暖かくなることで、しぜんやきこうが大きくかわったりして、世界中の人々がこまるような問題がおきること

【地球おんだんか】

森や湖のしぜんをだめにするような雨や雪がふること 【さんせい雨】

数字は件数

数字は件数

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第 4 章 行動推進への取組

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◆施策の内容◆

①市民の環境学習の普及

● 人材の育成と活用

今の環境問題では一人ひとりの行動が大きな課題となっていることから、国

連や国では環境学習を重視しています。今後も、国や県、ユネスコといった公

的機関や NPO 等による学習促進と指導者育成の取組が拡大していくと考えら

れます。

市では、そういった多様な取組を市民に紹介しながら、地域性を反映した独

自の学習の機会を提供する等、地域や環境への意識をもった人材の育成及び活

用を図っていきます。また、自然環境等の調査も学習の機会としてとらえて、

市民の参加を求めていきます。

<施策の展開>

・ホタルの生息地づくりワークショップ事業の推進

・こどもエコクラブへの活動支援

・谷津干潟自然観察センターボランティア事業の推進

・谷津干潟自然観察センターにおける自然案内人入門講座の実施

・公民館等での講座の実施

・まちづくり出前講座の実施

・市民カレッジにおける講座の活用

・6 月の環境月間にちなんだ市内施設見学会の実施

・人材育成カリキュラムの作成と推進

・人材バンクや千葉県環境学習アドバイザー制度などの活用

● 活動の場の形成

環境学習を発展させていく過程では、市民が講座や体験学習に参加するだけ

でなく、学んだことや意欲を実践、活用していくことが不可欠です。環境学習

から環境保全活動への参加や指導者育成までをつないでいくことは、これまで

に例の少ない新たな展開となります。

学習の成果を日常生活や市民団体の自主的活動に求めるだけでなく、学習へ

の参加が市との協働に結びつく活動の場を作り、参加者が学習の成果を確かめ

ながら更に意欲を向上させるような流れを定着させていくことを図っていきま

す。

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第 4 章 行動推進への取組

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<施策の展開>

・谷津干潟自然観察センターの活用

・ホタルの生息地づくりワークショップ事業の推進

・環境保全活動団体への支援

・自然環境調査の共同実施

● 学習拠点の活用

市は、谷津干潟自然観察センター、芝園清掃工場・リサイクルプラザ、山梨

県富士吉田市の富士吉田青年の家といった施設を設置し、自然とのふれあいや

市民活動、合宿等に提供しています。

このような、市民の環境学習や環境保全に関する実践活動を支援・促進し、

環境学習の中心となる施設等を環境学習の拠点と位置付けて、一層の活用を図

っていきます。

<施策の展開>

・芝園清掃工場・リサイクルプラザの活用

・谷津干潟自然観察センターの活用

・市内施設見学会における活用

・公民館等での講座の実施

● 情報の提供・発信

市から市民への情報発信の手段は、広報紙、情報公開コーナー、ホームペー

ジ、庁舎及び各施設窓口、メールマガジン、広報掲示板、ケーブルテレビ、行

事・催事等があります。環境関連の媒体としては、環境白書、谷津干潟だより、

ごみの出し方、各種パンフレット、ごみゼロ運動や谷津干潟の日等を含む環境

月間(6 月)等を利用しています。

様々な情報があふれている状況の中で、市民が実感できる持続的な働きかけ、

効果の把握等を考慮しながら、環境問題や地域の自然と歴史に関する市民や事

業者の理解を深め、意識や危機感に訴えていく積極的な情報発信を図っていき

ます。

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第 4 章 行動推進への取組

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<施策の展開>

・環境白書の発行

・環境月間行事の実施

・各種自然観察会の実施

・名木百選事業の推進

・リサイクルプラザにおけるリサイクル通信、体験教室等の情報提供

・市民活動ハンドブックの発行(ボランティア団体の紹介)

・市民活動インフォメーションルームの活用(ボランティア活動の紹介)

②学校等における環境教育の支援

● 人材・プログラムの支援

学校や幼稚園、保育所における教育活動については、校園長や教員が主体と

なり、市は環境教育の支援の役割を果たしていくこととなります。また環境と

いう教科を設けるのではなく、全ての教科において環境教育を取り込んでいく

形となっています。

市からは、環境教育の実状や現場からの要望の継続的な把握に努め、それら

に応じた効果のある支援として講師派遣、人材研修の機会提供、教育プログラ

ムの提供等を行っていきます。

<施策の展開>

・体験学習プログラムの作成(年齢別等)

・教員研修会(谷津干潟等)の実施

・ビオトープづくりプログラムの作成

・自然環境調査参加プログラムの作成

● 教育活動の場の支援

市立の教育機関は、幼稚園が 14 園、こども園(幼稚園と保育所の一元化施

設)が 1 園、小学校が 16 校、中学校が 7 校、高等学校が 1 校あります。この

他に県立高等学校が 2 校あり、また私立は、幼稚園が 5 施設、中学校が 1 校、

高等学校が 1 校となっています。市立の保育所は 13 保育所あり(平成 19 年 4

月に 1 民間認可保育所開園予定)、幼稚園と保育所の一元化や幼・保・小連携

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第 4 章 行動推進への取組

61

も進められています。校外の教育施設は、富士吉田青年の家、鹿野山少年自然

の家があるほか、見学先として谷津干潟自然観察センター、芝園清掃工場・リ

サイクルプラザも活用されています。

これらの施設については、一層の活用や充実を図っていきます。また、市内

の公園や緑地、活用可能な農地等の様々な場についても、教育機関が利用でき

るよう活用の支援を図っていきます。

<施策の展開>

・市内全小学 4 年生を対象とした谷津干潟自然観察センター、芝園清掃工場、

リサイクルプラザにおける環境教育の支援

・鹿野山少年自然の家、富士吉田青年の家での自然体験学習

・各学校での地域花壇づくり等の取組

● 教材・情報の支援

習志野市には、谷津干潟の湿地生態系、実籾等の里山環境、歴史を伝える社

寺、文化財、古墳・貝塚、軍都由来のハミングロード等の様々な自然・文化資

源があり、また、谷津干潟はラムサール条約登録を通して世界とつながってい

ます。産業や社会活動等も、環境を学ぶ上での大切な要素です。

これらを教材として活用していく視点をもち、教育機関への支援として、教

材・情報の整備と提供を図っていきます。

<施策の展開>

・貸し出しできる教材(ビデオ、図書等)のデーターベースの整理

・教材・備品の貸出し

・総合学習や文化祭等の学習資料作りの情報提供

③環境学習への計画的な対応

● 環境学習の計画的な推進

日本からの働きかけをもとに、2005 年 1 月 1 日から始まる 10 年を「国連持

続可能な開発のための教育の 10 年」として、その下で各国政府、国際機関、

NGO、団体、企業等あらゆる主体間での連携を図りながら、教育・啓発活動を

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第 4 章 行動推進への取組

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推進する旨の宣言がなされました。国は「環境の保全のための意欲の増進及び

環境教育の推進に関する法律案」(通称:環境教育推進法)を施行し、地方公

共団体について、地域の特性に応じた施策の策定、実施に努めることを責務と

して、方針、計画等の策定、学校教育・社会教育・職場における環境教育支援、

拠点整備、調査研究、情報提供等を求めています。

市ではこのような情勢を受けて、指針あるいは計画策定等を通じた環境学習

推進の方向性の提示と、効果的な支援を図っていきます。

<施策の展開>

・(仮)環境学習推進計画の策定と推進

● 全国的・国際的な情報発信・交流

習志野市の歴史的な歩みとその中で育まれた自然・文化資源は、市外からも

注目される特徴をもっており、また 1970 年以来の文教住宅都市憲章が開発と

環境保全との両立を図る都市としてのシンボルとなってきました。

習志野市の自然・文化資源や環境保全の経験が他の自治体でも参考とされ、

また地球環境保全への貢献となることを目指して、学習機会の提供、情報発信、

交流等の拡充を図っていきます。

<施策の展開>

・谷津干潟自然観察センターにおける環境学習プログラムの提供

・ホームページ等の活用による積極的な情報発信

東アジアからオーストラリア地域・シギチドリ類湿地保全ネットワーク

ラムサール条約のシンボルマーク

谷津干潟で繁殖したセイタカシギの親子

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第 4 章 行動推進への取組

63

夏休み子ども自然観察会 小学校の稲作体験

谷津干潟自然観察センターの教育プログラム

秋津小学校のビオトープ 干潟体験ゾーン教員研修会

地球温暖化防止を考えるつどいでのこどもエコクラブの発表

湿地保全の国際交流 (オーストラリア・ブリズベン市 アーンショー校生徒の来訪)

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第 4 章 行動推進への取組

64

きれい39.0%

汚れている16.8%

どちらともいえない41.7%

無回答2.5%

◆環境目標 6◆ 市・市民・事業者が共に

環境保全に取り組む社会

地域の人々が自ら身近な課題に取り組むことをはじめとして、市や事業者と連携

しつつ、地域の中に協働の仕組みをつくっていくこととします。

【目標に近づくための目安、指標】

◎市民の自主的活動の実績が増えること

◎事業者との協力の実績が増えること

◎大学との協力の実績が増えること

施策の柱 施策の方針(市の取組)

①市民との協働の推進 ●ごみや生活排水に対する取組

●まちの美観保全・緑化の取組

●地球温暖化防止の取組

●自然環境の保全・活用の取組

●公園・緑地等の整備・運営・活用の取組

●農地の保全・活用の取組

②事業者との協働の推進 ●事業活動における環境・地域への配慮

●人材・知識等に関する協力

●場・資金等に関する協力

●情報交換・交流

③大学との協働の推進 ●人材・知識等に関する協力

●場等に関する協力

●情報交換・交流

市民の意識 自宅周辺の環境について (成人への意識調査より) 注:四捨五入により見かけ上の合計が 100%にならない場合があります

まちはきれい(清潔)ですか

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第 4 章 行動推進への取組

65

行っている18.6%

今後やってみたい44.0%

関心がない20.8%

無回答16.6% 無回答

23.5%

関心がない34.8%

今後やってみたい38.8%

行っている2.9% 行っている

11.7%

今後やってみたい30.0%

関心がない27.3%

無回答31.0%

157

160

64

226

53

16

78.1%

84.4%

46.9%

21.9%

18.8%

18.8%

18.8%

37.5%

18.8%

37.5%

9.4%

15.6%

37.5%

12.5%

9.4%

12.5%

6.3%

18.8%

9.4%

6.3%

15.6%

6.3%

9.4%

12.5%

15.6%

18.8%

37.5%

62.5%

56.3%

62.5%

68.8%

40.6%

65.6%

40.6%

68.8%

59.4%

34.4%

9.4%

6.3%

9.4%

6.3%

6.3%

9.4%

12.5%

9.4%

9.4%

9.4%

3.1%

6.3% 3.1%

3.1%

3.1%

現在行っている これから行う 行う予定は無い 無回答

市民の意識 環境の活動について (成人への意識調査より)

町内や地域の活動 NPO などの社会活動 職場での社会活動

市民の意識 習志野市の緑や自然、公園のために、自身ができると思うこと【2 つまで選択】

(成人への意識調査より)

自然保護活動への参加

自然観察会などへの参加

生物などの調査への参加

草刈りや清掃、草花の手入れなどのボランティア

観察施設や公園などのガイドや運営のボランティア

その他

事業者の意識 事業体として参加や協力することについて (事業者への意識調査より)

事業所周辺の清掃や美化

資源回収やリサイクルなど

緑化活動

公園や水辺などの清掃や美化

不法投棄防止などのパトロール

市民や NPO の活動との連携

資材や資金の提供

基金やイベントへの参加や協力

講師派遣や学習教材の提供など

工場や施設の見学

自然観察や調査への敷地開放など

環境対策の技術協力

貴社の環境保全に関する情報公開

数字は件数

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第 4 章 行動推進への取組

66

◆施策の内容

①市民との協働の推進

● ごみや生活排水に対する取組

ごみや生活排水の処理と、その背景にある大量消費は、長年にわたって環境

保全における大きな課題となってきました。その解決には公共事業による対策

だけではなく、排出者である市民一人ひとりの取組が不可欠です。

ごみや生活排水に対する問題意識の浸透と、生活様式や社会制度の改善を目

指して、市と市民との協働を図っていきます。

<施策の展開>

・習志野市をきれいにする会(※)の活動への支援、ごみゼロ運動の実施

・有価物回収運動の推進

・過剰包装抑制の連携取組

・グリーン購入促進の連携取組

・情報提供と啓発

※習志野市をきれいにする会 ········ 習志野市の清掃事業の円滑な推進及び市民の清掃思想の普

及を図ることを目的として各連合町会長等で組織された会

ごみゼロ運動の清掃活動

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第 4 章 行動推進への取組

67

【家庭や職場での望ましい行動】

☆ごみに出す量を減らす

☆ごみになるものを減らす(リデュース)

☆ものの再利用を心がける(リユース)

☆資源の回収に協力し、リサイクル製品の利用を心がける(リサイクル)

☆イベント時等のごみ減量や分別の推進に協力する

☆環境に配慮した製品の使用に努める

☆過剰包装を断る

☆生ごみの堆肥化と利用に努める

☆雨水利用に取り組む

☆公共下水道へ接続する

☆ごみや油、危険な薬品などを排水に流さない

☆洗剤の正しい量を守る

☆浄化槽の維持管理をする

☆農薬・肥料は正しく使い、減農薬を心がける

☆地域の活動に協力する

● まちの美観保全・緑化の取組

ごみの投棄、不適正なごみ出し、犬猫のふんの放置、空き地の雑草繁茂、落

書き、不適正な広告等は、美観や衛生等を損ねる迷惑なこととして誰もが感じ

る共通の問題です。いずれも不法な行為ですが実際の取締は困難で、地域住民

による対策と、公的な支援が重要となります。

緑のある景観づくりにおいても、緑化に対する地域住民の理解と協力が必要

です。

まちの美観の保全と、緑のある良好な景観を目指して、市と市民との協働を

図っていきます。

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第 4 章 行動推進への取組

68

<施策の展開>

・「まちをきれいにする行動計画」の実施と周知

・習志野市をきれいにする会の活動への支援、ごみゼロ運動の実施

・環境美化推進員(※)との連携

・マナーやモラル向上のための啓発の推進

・ごみ集積所利用者による集積所の維持管理

・花いっぱい事業の推進

※環境美化推進員 ······· 環境美化活動に関する町会・自治会の窓口として、地域からの要望や市

からの連絡事項を相互に伝達する役割を担う

【家庭や職場での望ましい行動】

☆地域の美化清掃活動や緑化活動に参加する

☆ポイ捨てをせず、外出時のごみは持ち帰る

☆家電、自動車などに係るリサイクル法を守り、正しく処理する

☆ごみ出しの日時や出し方を守る

☆ごみの集積所を清潔に保つ

☆土地の管理責任を果たす

☆ペットのふんを放置せず、飼い主としての責任を果たす

☆自宅に花や緑を植えて親しむ

☆緑化活動やイベントに参加し、理解と実践に努める

歩きたばこ・ポイ捨て防止の街頭キャンペーン

鷺沼地区の市民花壇の手入れ

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第 4 章 行動推進への取組

69

● 地球温暖化防止の取組

地球温暖化とは、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスが大規模な気候変動

や地球全体の温暖化を招き、災害、土地の荒廃、経済の混乱のような人類の生

存に関わる大きな影響が生じるというものです。日本は京都議定書を通じて、

温室効果ガスの排出量を「2008 年から 2012 年の 5 年間について基準年(1990

年)比で 6%削減する」ことを世界に約束しており、国民一人ひとりが省エネ

ルギーと省資源の実践を求められています。

地域からの地球温暖化防止への貢献を目指して、市の率先行動と市民への働

きかけをはじめとして、市民との協働を図っていきます。

<施策の展開>

・地球温暖化防止に関する講演会の開催

・エコワット事業の推進

・環境保全活動団体への支援

・情報提供と啓発

【家庭や職場での望ましい行動】

☆自動車に頼りすぎず、公共交通機関等を利用する

☆燃費をよくするエコドライブを心がける

☆燃費がよくクリーンな低公害車を選ぶ

☆エネルギー効率のよいエコ製品を選ぶ

☆冷暖房をはじめ、電気のこまめな節約を心がける

☆電気コンセントをこまめに抜く

☆水道のこまめな節約を心がける

☆太陽光などの利用に取り組む

☆3R(発生抑制・再使用・再生利用リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

)に努めて、物の無駄とごみを減ら

エコワット

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第 4 章 行動推進への取組

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● 自然環境の保全・活用の取組

都市の中に自然環境を確保していくためには、規制や公共事業だけではなく、

所有者や周辺住民の理解と協力が必要です。さらに、多くの市民が関心と関わ

りを持ち、積極的に活用することが、市民の財産として保全していく意義を高

めることにつながります。谷津干潟や実籾自然保護地区をはじめとした市内数

カ所では、市民の活動が行われています。

都市の貴重な自然環境を市民の財産として将来に継承していくことを目指し

て、市民との協働を図っていきます。

<施策の展開>

・谷津干潟市民クリーン作戦の実施

・谷津干潟の日の開催

・谷津干潟自然観察センターボランティア事業の推進

・自然環境調査の共同実施

・ホタルの生息地づくりワークショップ事業の推進

・生物の生息環境や自然とふれあう場合の約束ごとについての啓発の推進

・環境保全活動団体への支援

【家庭や職場での望ましい行動】

☆谷津干潟を訪れ、干潟や生き物に親しむ

☆湿地について学び、湿地交流等に参加する

☆谷津干潟の保全活動に参加する

☆海辺を訪れ、海に親しむ

☆里山を訪れ、緑や土、生き物に親しむ

☆里山や樹木の保全に協力し、保護活動等に参加する

☆地域の歴史・文化を学び、これらを取り巻く自然環境を大切にする

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第 4 章 行動推進への取組

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● 公園・緑地等の整備・運営・活用の取組

日本のまちづくりは、行政主導型から市民参加型、市民参画型へ、そして市

民と行政が共に計画し役割分担して行動する協働型へ変わろうとしています。

市でもこの協働型社会の概念をまちづくりの中核としています。まちづくりの

中でも、公園・緑地は市民にとって利用することが多い身近な施設であること

から、その整備や運営に市民が参加することが重要となっています。

使う側の視点に立った公園・緑地の整備や管理、市民の責任感や愛着の向上、

効率的な運営等を目指して、市民との協働を図っていきます。

<施策の展開>

・町会やこども会による公園管理の実施

・ハミングロード再生実施プランの推進

・住民参加型の公園づくりの推進

【家庭や職場での望ましい行動】

☆公園を汚さない

☆公園での迷惑行為をしない

☆公園・緑地の整備や管理に協力・参加する

実籾地区ホタルの生息地づくり ワークショップ

谷津干潟自然観察センターでの ボランティアの活動

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第 4 章 行動推進への取組

72

● 農地の保全・活用の取組

習志野市内は宅地化が進んでいますが、生活に与えるゆとりや、家庭菜園と

しての利用等の視点から、残された農地の保全と活用を求める市民も少なくあ

りません。都市での農業は難しい状況にあることから、所有者の理解はもとよ

り、市民農園等の農地の新たな利用や、農業者とその周りにいる消費者や住民

が協力し地産地消や農作業への参加等を行っていくことが重要となります。

都市の農地が確保され、多くの市民によって支えられることを目指して、市

民との協働を図っていきます。

<施策の展開>

・市民農園整備事業の推進

・都市農地環境保全事業(遊休農地での景観作物の植栽)の推進

・野菜直売所の PR

・学校給食での地元農産物の利用促進

【家庭や職場での望ましい行動】

☆家庭菜園に親しむ

☆野菜直売所を利用する

☆農業体験をはじめ、農業者との交流を持つ

野菜直売所マップ

稲刈り作業(実籾地区)

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第 4 章 行動推進への取組

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②事業者との協働の推進

● 事業活動における環境・地域への配慮

習志野市には多数の事業所が立地し、その種類も規模も様々となっています。

住宅と工場の混在防止はかなり実現していますが一部には隣接する部分もあり、

近頃では工場跡に商業施設が進出する例も増えています。事業活動の内容に応

じて、環境や地域へ悪影響をおよぼさない配慮が必要とされます。

工場や供給、運輸等については、公害防止や緑化について法令の遵守や協定

はもとより、危険物の管理や事故・災害の防止の徹底等についても協力を求め

ていきます。

開発・再開発においては、法令を遵守しても、景観、防災、住環境等の面で

問題や紛争が生じる場合もあることから、企画・計画の段階から、開発側の地

域社会や環境への十分な配慮を求めていきます。また、天然ガスコージェネレ

ーションやヒートポンプによるエネルギー効率の向上、中水利用、雨水貯留・

浸透等の導入も提案していきます。

商業や運輸、流通関係については、3R(発生抑制・再使用・再生利用リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

)や自

動車対策についての協力を求めていきます。

全般では、ごみ出しルールの遵守徹底や近隣環境への配慮、環境美化への貢

献等を求めていきます。

<施策の展開>

・環境保全条例による監視と規制

・ごみゼロ運動の実施要請

・過剰包装抑制への連携取組

・省エネルギーに配慮した事業活動へ向けた情報提供・啓発

・都市農地環境保全事業(遊休農地の美観保全)

・中小企業資金融資事業(融資対象は事業所緑化、ISO14001 取得、アスベス

ト除去等の費用を含む)

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第 4 章 行動推進への取組

74

【事業活動で取り組むべき行動】

公害等に係る取組として

☆大気汚染の防止を徹底する

☆水質汚濁や土壌汚染の防止を徹底する

☆悪臭の発生防止を徹底する

☆騒音・振動の防止を徹底する

☆危険物の管理や事故の防止を徹底する

☆産業廃棄物、事業系一般ごみの適正な排出を徹底する

☆事業用車両への低公害車の導入に努める

住環境に係る取組として

☆景観保全や緑化に協力する

☆オープンスペースの確保に協力する

☆開発の際、近隣の住環境や自然環境の保全に配慮し、適切な環境保全

対策を行う

水資源やエネルギーに係る取組として

☆省エネルギー、代替エネルギー導入に取り組む

☆水資源の節約や再利用に取り組む

☆雨水の地下浸透対策に協力する

3R(発生抑制・再使用・再生利用リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス ・ リ サ イ ク ル

)に係る取組として

☆簡易包装に努める

☆食品廃棄物の発生を抑制するとともに、再生利用に取り組む

☆資源回収及びリサイクルを推進し、ごみの減量化に取り組む

☆資材へのリサイクル製品の導入に努める

☆環境に配慮した商品の製造、販売、情報提供に努める

組織に係る取組として

☆地域社会への協力や貢献に努める

☆事業所内の環境担当者の配置や、従業員の環境教育を進める

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第 4 章 行動推進への取組

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● 人材・知識等に関する協力

事業者はそれぞれの産業や組織運営等について、人材と専門知識、経験を有

しています。

地域の様々な環境問題を解決していくため、事業者のもつ人材や知識が提供

されるよう、協力を求めていきます。

【事業活動における望ましい行動】

☆講演会等への講師派遣

☆環境保全活動への参加協力

● 場・資金等に関する協力

習志野市に立地する事業所の敷地はかなりの面積で、建物も多く、敷地内の

緑地も少なくありません。

緑化や緑地保全、景観形成、市民の活動や環境学習等に向けて、事業者のも

つ敷地や施設、資金等における協力を求めていきます。

<施策の展開>

・市民農園整備事業の推進

【事業活動における望ましい行動】

☆市民農園整備事業への協力

☆都市農地環境保全事業(遊休農地での景観作物の植栽)への協力

☆会議室や施設の提供

☆環境保全活動への資材・資金の提供

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第 4 章 行動推進への取組

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● 情報交換・交流

情報交換や交流により、不安・不信を和らげる、責任感を高める、理解を深

める、行動を広く知ってもらう、要望を把握する等の効果が期待できます。環

境配慮促進法や PRTR 法に代表される、事業者の情報公開への要求も高まって

います。

事業者が、市民や市と情報交換や交流を続けていくことを図っていきます。

【事業活動における望ましい行動】

☆環境保全活動や環境イベント実行委員会への参加協力

☆地域への積極的な情報発信

緑化協定による事業所敷地の緑化

事業所のごみゼロ運動

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第 4 章 行動推進への取組

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③大学との協働の推進

● 人材・知識等に関する協力

習志野市には千葉工業大学、東邦大学、日本大学生産工学部の 3 つの大学が

立地・隣接し、多くの学生が通学、生活するとともに、高度な専門知識や技術・

技能、あるいは専門家を有しています。

近年、大学はそれぞれの立地する地域への貢献策を掲げ、地域と密着した運

営を目指しています。

そこで、地域の様々な課題への取組に大学の人材や知識、ノウハウが提供さ

れるよう、協力を求めていきます。

<施策の展開>

・自然環境調査の共同実施

・学外フィールドの提供

・習志野市産学官連携プラットホーム(※)の利用拡大

・市内環境保全のための研究プログラム事業の推進

・生涯学習等の環境講座や環境イベントの協働実施

※習志野市産学官連携プラットホーム ······· 市内の潜在的な資源(大学等)を最大限に活用でき

る環境を整えるため、産学官の人的連携を機軸としたネットワークによる地域情報拠点を習志

野商工会議所に置き、市内の産業の活性化と、産業のまちづくりとしての推進を図るもの

【大学における望ましい行動】

☆市民公開講座の開催

☆学生による環境保全活動への取組

☆事業者との技術協力、技術相談

☆大学のもつ技術・知識・施設の提供

☆地域貢献型研究の推進

☆環境情報の蓄積や公開に関する技術協力

☆市の学習事業やイベントへの協力

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第 4 章 行動推進への取組

78

● 場等に関する協力

各大学の敷地や施設について、市民の活動や環境学習、緑化等に向けた協力

を求めていきます。

【大学における望ましい行動】

☆図書館等、大学施設の一般開放

☆地域貢献型研究や協働事業の拠点づくり

☆キャンパス緑化

● 情報交換・交流

大学と、市や市民、事業者の協働の取組に向けて、情報交換や交流を続けて

いくことを図っていきます。

<施策の展開>

・習志野市産学官連携プラットフォームの利用拡大

・学生に向けたインターンシップ制度の検討

【大学における望ましい行動】

☆市や市民との交流の推進

☆地域への積極的な情報発信

☆市や地域との組織的、継続的な連携

谷津干潟観察学習の場づくりの ワークショップへの参加

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用語解説

79

用語解説

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用語解説

80

【アルファベット】

ISO14001

スイスに本部を置く民間の国際標準化機構(ISO: International Organization for

Standardization)が 1996 年 9 月に発行した環境マネジメント規格です。ISO14001

(環境マネジメントシステム規格)が認証登録制度となっています。環境マネジメ

ントシステムを経営システムの中に取り入れていることを意味し、環境に配慮した

経営を自主的に行っている証明になります。語源はギリシャ語で平等・標準を意味

する isos です。環境マネジメントとは、組織の中の現場だけではなく、経営のレベ

ルから計画的に環境対策を推進していくことです。

PCB

ポリ塩化ビフェニルの略称です。熱安定性、電気絶縁性に優れ、トランス、コン

デンサー、熱媒体、ノーカーボン紙に用いられましたが、強い毒性をもち、分解し

にくく、生体に蓄積することから、現在では製造・輸入は原則的に禁止され、事業

者の保管する PCB の廃棄処理が決められています。

pH

水素イオン濃度のことです。酸性やアルカリ性を示す指標で、pH7 が中性、それ

以下は酸性、それ以上はアルカリ性を示します。自然水は、pH6.5~8.5 の範囲にあ

ります。

PRTR 法

正式名称は「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関

する法律」で、PRTR とは、Pollutant Release and Transfer Register(化学物質排

出移動量届出制度)の頭文字をとったものです。有害性のある化学物質がどのよう

な発生源からどれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所

の外に運び出されたかというデータを、国、事業者団体などの機関が把握・集計・

公表する仕組みを定めた法律です。

3R

ごみになるものを出さないことを意味するリデュース(Reduce)、ものを捨てな

いで生かして使うことを意味するリユース(Reuse)、ごみを資源として再生するこ

とを意味するリサイクル(Recycle)といった英単語のそれぞれの頭文字をとったも

のです。

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用語解説

81

【ア行】

アイドリングストップ

自動車の運転で、省エネや公害防止のため、信号待ちや荷下ろしなどで停車して

いる間にエンジンを止めることです。

アオサ

小さな穴が散在し、二層からなる一枚葉の濃緑色をした膜状の海藻で、日本の全

沿岸に広く分布します。生育条件がそろうと短期間のうちに大繁殖してアオサ場を

つくります。ここ数年谷津干潟で繁殖し、底生動物への影響が懸念されています。

アスベスト

石綿ともいわれ、天然に産する鉱物繊維のことです。耐熱性、耐薬品性、絶縁性

等の諸特性に優れているため、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等 3,000 種

を超える利用形態があると言われています。しかし、空中に飛散した石綿繊維を肺

に吸入すると、約 20~40 年の潜伏期間を経た後に肺がんや中皮腫の病気を引き起こ

すことが明らかになり、労働環境の問題から一般住民の健康問題として顕在化して

います。

インターンシップ

一般的には、学生が企業等において実習・研修的な就業体験をする制度のことで

す。

ウォームビズ

暖房の省エネのため、冬の服装を従来よりも暖かいものとすることです。

エコドライブ

燃料消費や排気ガス、騒音・振動などの環境への影響を軽減するように配慮した

自動車の運転や運用の方法です。

エコワット

コンセントにつなぐことで簡単に電力消費量がわかる、測定機器のことです。

オゾン層

地球の大気の上層に形成された、オゾン(O3)が高濃度に存在する厚さ約 20km

の層で、太陽からの有害な紫外線を吸収しています。冷蔵庫やクーラーの冷媒、ス

プレーの噴射剤、半導体の洗浄剤として広く使用されているフロン類は、分解しに

くいため、成層圏まで達してオゾン層を破壊し、地表への有害な紫外線の量が増え、

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用語解説

82

皮膚ガンの増加をもたらします。

温室効果ガス

地表から放射された熱を吸収し蓄える効果の強いガスのことで、二酸化炭素やメ

タンがよく知られています。太陽から流入する日射のほとんどは、大気を素通りし

て、地表面で吸収されます。日射を吸収して加熱された地表面は、赤外線の熱放射

をしますが、大気中にはこの赤外線を吸収する温室効果を持つガスがあり、それら

の濃度が上がると地球上の温度が上昇するといった「温室効果」が生じることとな

ります。

【カ行】

環境への負荷、環境負荷

汚染に代表されるような、環境に悪影響を与える働きのことです。

環境基準

大気汚染、水質汚濁、土壌汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ

人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準が環

境基本法第 16 条の規定に基づいて定められています。この基準は行政上の目標であ

り、公害発生源(工場等)に対する規制基準とは異なります。なお、ダイオキシン

類に係る環境基準は、ダイオキシン類対策特別措置法(平成 11 年法第 105 号)第 7

条の規定に基づき定められています。

環境配慮促進法

環境報告書などによる環境情報の開示を進めるとともに、その情報が社会全体と

して積極的に活用されるよう促すため、国による環境配慮などの状況の公表、特定

事業者による環境報告書の公表、及び民間の大企業による環境報告書などの自主的

な公表、並びに環境情報の利用の促進などについて定めた法律です。

環境ホルモン

内分泌かく乱物質のこと。動物の生体内で、本来、その生体内で営まれている正

常なホルモン作用に影響を与える物質で、微量でも生殖異常や免疫異常を引き起こ

すと考えられています。約 70 種の物質が報告されており、主なものとして、ビスフ

ェノール A、ダイオキシン類や有機スズ化合物があります。

共生

生物が他の種類を絶滅させることなく共に生存しているという共存の関係を指し

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用語解説

83

ます。環境保全を図る場合の共生は、人間の営みが自然をはじめとした環境を荒廃

させることなく、全体の調和が保たれることを意味しています。

京都議定書

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、第 1 約束期間

(2008~2012 年)の間に、先進国等に対して温室効果ガスを一定数値(日本は 6%)

以上削減することを義務付けた議定書です。2005 年 2 月に発効しました。

グリーン購入

素材から製造、利用、廃棄にいたる様々な部分で、有害性や資源消費などの環境

への負荷が減らされるように配慮を行った製品を優先的に購入することです。

クールビズ

冷房の省エネのため、夏の服装をノーネクタイなどの軽装にすることです。

景観作物

農業生産を目的とするだけでなく、地域の景観向上に寄与する作物のことで、菜

の花やコスモスなどがよく知られています。

光化学スモッグ

光化学オキシダントが原因で、春から夏にかけ日差しが強くて風の弱い日に発生

しやすく、目やノドを刺激します。光化学オキシダントとは、大気中の窒素酸化物

や炭化水素が、強い紫外線の作用により光化学反応を起こして発生する二次汚染物

質で、オゾン(O3)、PAN(パーオキシアセチルナイトレート)などの酸化性物質

の総称です。炭化水素とは、炭素と水素からなる有機化合物の総称で、メタン、エ

タン、ブロパン、ベンゼン、トルエン等があります。塗料、溶剤、ガソリンなどか

ら直接大気に放出されるほか、自動車等排出ガスにも含まれています。

公害

環境基本法第 2 条第 3 項に規定している「公害」とは、「事業活動その他の人の

活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、

振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるこ

とをいう」と定義しています。

公共用水域

水質汚濁防止法によると、河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供され

る水域及びこれに接続する公共溝渠きょ

、かんがい用水路その他公共の用に供される水

路をいいます。ただし、終末処理場を有する公共下水道は除きます。

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用語解説

84

コージェネレーション

複数の熱源と利用方法を組み合わせて、廃熱の少ない効率のよいシステムとした

ものです。

こどもエコクラブ

小中学生の環境に関する学習・活動を支援する事業のひとつで、数人~20 人程度

の仲間と活動を支える大人(サポーター)で構成され、環境学習プログラムに基づ

き、地域の中で楽しみながら環境に関する学習・活動を展開しています。環境省が

主催し、(財)日本環境協会が事務局となって運営しています。

【サ行】

里山

都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形

成されてきた地域で、集落をとりまく二次林と、それらと混在する農地、ため池、

草原等で構成される地域の概念です。一般的には、雑木林や薪炭林といわれる二次

林をイメージする場合が多くなっています。

産業廃棄物

廃棄物処理法による分類で、事業活動にともなって生じる廃棄物のうち、20 種類

と輸入された廃棄物が産業廃棄物とされるほか、爆発性・毒性・感染性などを有す

るものが特別管理産業廃棄物に特定されています。

酸性雨

大気中に排出された硫黄酸化物、窒素酸化物が雨と作用し、雨水が酸性化された

ものです。清浄な雨水は、大気中の炭酸ガスにより pH5.6 程度の弱酸性で、それ以

下の雨を酸性雨といいます。硫黄酸化物とは、石炭や石油など硫黄物を含む燃料が

燃えて生じた二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)の総称です。SO2 は亜硫酸ガ

スともいい、無色、刺激性の強い気体で、粘膜や呼吸器を刺激し、慢性気管支炎や

気管支ぜんそくの原因となります。

し渣

下水や浄化槽汚泥、し尿に混じっている紙やビニールなどのごみのことです。

自動車 NOx-PM 法

正式名称は「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域におけ

る総量の削減等に関する特別措置法」です。大都市部の自動車による大気汚染を改

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用語解説

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善することを目的とした法律で、対策地域内でトラック・バスなどとディーゼル乗

用車に関して特別の窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準を満たさない車の

登録を規制しています。

循環型社会

廃棄物などの発生を抑制し、資源やエネルギーの循環的な利用や適正な処分を図

ることにより、環境への負荷を低減するシステムを持つ社会のことです。

新エネルギー

国の「新エネルギー利用等の促進に関する基本方針」において定めれらたもので、

太陽光発電、風力発電、クリーンエネルギー自動車、廃棄物燃料製造、廃棄物発電、

廃棄物熱利用、温度差エネルギー、天然ガスコージェネレーション、燃料電池、太

陽熱利用とされています。

生物の多様性

生態系に対する評価のひとつで、ある地域や地球に本来生息する生物の、種類の

豊かさを保つことが環境保全の重要な目標とされています。

生産緑地

市街化区域内にある農地などが持つ緑地機能に着目し、計画的に保全することに

よって、良好な都市環境の形成に資することを目的として、都市計画上で位置付け

られた農地のことです。

【タ行】

ダイオキシン類

発生源は、物の燃焼過程や化学物質の合成過程など多様であり、非意図的に生成

される極めて毒性が強い化学物質。一般に、ダイオキシン類とは、75 種類の異性体

を持つポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDS)及び 135 種類の果性体を持つポ

リ塩化ジベンゾフラン(PCDES)の総称をいいます。なお、ダイオキシン類対策特

別措置法(平成 11 年法第 105 号)第 2 条に規定するダイオキシン類とは上記の 2 種

類にコプラナーPCB が加えられたものをいいます。

代替エネルギー

石油への過度の依存や、石油系燃料の弊害が問題となっていることから、ここで

は石油に代わるエネルギーを意味しています。

地区計画

都市計画法に基づき、一体的に整備・保全を図るべき地区に対して、都市施設及

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用語解説

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び建築物の整備に関する事項を総合的に定め、地区の特性にふさわしい良好な市街

地環境を形成・保全するための制度です。

地球温暖化

二酸化炭素を始めとする温室効果ガスが大規模な気候変動や地球全体の温暖化を

招き、災害、土地の荒廃、経済の混乱のような人類の生存に関わる大きな影響が生

じるというものです。

窒素酸化物

燃焼一般に伴って発生し、その多くは一酸化窒素(NO)として排出され、空気中

の酸素に触れると酸化され二:酸化窒素(NO2)に変化します。NO は、空気よりや

や重い無色の気体で、刺激性はないが、血液中のヘモグロビンと結合して酸素の補

給を阻害します。NO2 は、赤褐色、刺激性の気体で、水に溶けにくく、肺深部まで

侵入するため、肺に対する毒性が強くなっています。

中水

下水を浄化処理したトイレや散水に使う水道のことです。飲用に高度な浄化処理

をした上水道はこうした用途にはもったいないため、中水の普及が望まれています。

低公害車

電気自動車、天然ガス自動車、メタノール及びハイブリッド自動車をいいます。

低周波音

人の耳には聞こえない周波数が 20Hz(ヘルツ)以下の音で、「超低周波空気振動」

ともいいます。公害では、可聴音域を含む 50Hz 以下を対象としています。窓ガラス

を振動させたり、レベルによっては生理的影響が出ます。発生源はトンネル、高速

道路橋、工場の他に、地震・雷などの自然現象もあります。

【ハ行】

ばい煙

物の燃焼などに伴い発生する硫黄酸化物、ばいじん、そのほか窒素酸化物などの

有害物質をいいます。一般的には、ガス状の黒煙をいいます。

ばいじん

石炭や石油系の燃料の燃焼に伴い発生するススなどをいいます。

バイオマス

エネルギー資源として利用できる生物体のことです。バイオマスのエネルギー利

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用語解説

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用としては、燃焼して発電するほか、アルコール発酵、メタン発酵などによる燃料

化や、ユーカリなどの炭化水素を含む植物から石油成分を抽出する方法などがあり

ます。ゴミや下水汚泥などの廃棄物に含まれている有機分の利用も研究されており、

資源の有効活用や廃棄物処理、石油代替エネルギーとして注目されています。

ビオトープ

生物を意味する「Bio(ビオ)」と場所を意味する「Tope(トープ)」を合成した

ドイツ語で、野生生物が生息できる空間をいいます。

干潟

海の干満により、満潮のときには海に、干潮の時には陸になるところです。川や

海の波の働きにより浸食・運搬が繰り返され、長い年月をかけて砂や泥が堆積して

できたもので、干潮時に露出する平底のことです。特に河川の流れ込む湾部や、潮

の干満の差が大きいところによく発達します。谷津干潟は東京湾奥部に発達した前

浜干潟が残ったもので、有機質に富む泥質干潟です。

ヒートアイランド

都市化の進展による土地の改変や緑地の減少、エネルギー消費の増大などによっ

て、都心部において気温が上昇する現象のことです。等温線を描くと、都心部が海

に浮かぶ島の形に似ることから、ヒートアイランド(熱の島)と名付けられていま

す。

浮遊粒子状物質

英語では SPM(Suspended Particulate Matter)といいます。重油等の燃焼過程

や土砂等の飛散から発生する大気中の粒子状物質で、粒径 10μm(1cm の 1000 分

の 1)以下のものをさします。大気中に比較的長期間滞留するため、呼吸器系への影

響が大きいです。これよりも大きなものは降下ばいじんと呼びます。

ボランティア

志願者あるいは有志者が本来の言葉の意味です。義務や強制ではない自発的な行

為を指し、無償の場合も有償の場合もあります。

【マ行、ヤ行】

モニタリング

日常的、継続的に監視、観察して、記録に残すことです。

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用語解説

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谷津田

平地に突き出た丘と丘の間に、低湿地が挟まれた地形を谷津あるいは谷戸といい、

地名の由来ともなっています。そこに設けられた田を谷津田といいます。

ヤブツバキクラス

一般的にはおおむね、常緑広葉樹の樹林地のことです。専門的には、日本の植生

は、自然植生の構成種の名をとって、高山帯域(高山草原とハイマツ帯)、コケモ

モ-トウヒクラス域(亜高山針葉樹林域)、ブナクラス域(落葉広葉樹林域)、ヤ

ブツバキクラス域(常緑広葉樹林域)の各クラス域に大別されています。この「ク

ラス域」とは、広域に分布し景観を特徴づけている自然植生によって植物社会学的

に定義されたもので、主要なクラスの生育域のことを指しています。

有機塩素化合物

炭化水素において水素の一部が塩素で置き換わった化合物のうち、トリクロロエ

チレンなどの揮発性の高い物質をまとめて指し、その多くは人体に有害です。

ユネスコ

ユネスコ(UNESCO)は国際連合(国連)の専用機関で、教育・科学・文化の面

で国際協力を進めながら、世界の平和を実現していくことを目的にしています。正

式には「国際連合教育科学文化機関」といいます。

【ラ行、ワ行】

ラムサール条約

「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」をいい、イランの

ラムサールにおいて 1971 年に締結されました。湿地を水鳥の生息地としてだけでな

く、私たちの生活環境を支える重要な生態系としてとらえ、幅広く保全・再生を呼

びかけています。

緑化協定

「習志野市自然保護及び緑化の推進に関する条例」に基づいて、市と工場・事業

所との間に締結される、緑化および緑地の保護に関する協定です。

ワークショップ

まちづくり等におけるワークショップとは、様々な立場の人が参加し、技術や知

恵を持ち寄って、共同作業により解決策を考えたり、提案を行うことをいいます。