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USB2.0 テクニカルマニュアル TDK EMC Technology 実践編 TDK株式会社 マグネティクスビジネスグループ 水谷 光晴 USB2.020004月の公開以降、PCと周辺機器を結ぶ標準イン タフェースとして普及していきました。 規格作成はCompaq、HP、Intel、Lucent、Microsoft、NEC、 Philipsの7社で行なわれました。 それまでのUSB1.1はデータ転送スピードが1.5Mbps(Low speed)と12 Mbps(Full speed)の 2 種類ですが、USB2.0 では480Mbps(High speed)が追加されました。 USB2.0は差動信号ライン2本とVcc、GNDの4本より構成され ています。480Mbpsでは繰り返しパルス周波数が240MHzとなり、 チップビーズなどのEMC対策部品は信号波形に影響を与え適切で はありません。信号への影響が少ないコモンモードフィルタ(CMF) が最適です。TDKではIntel、NEC様の協力を得て動作確認試験を 行ない、最適なEMC部品を選定しました。 480Mbpsの高速転送スピードであるため動作上のトラブルが発 生しないように厳しい規格が定められています。とくに注意が必要 なのはEye-pattern規格とSYNC Fieldの波形応答です。 2-1.Eye-pattern 差動信号がきれいな波形で転送されているかを確認する方法で す。 機器間のTestポイント(TP1 ~ TP4)で規格が異なります。実 際はケーブル長でも波形は異なり、例として短いケーブル(0.5m) の場合と長いケーブル(5m)の場合の実測データを紹介します。 接続は下図の通りです。HUBからデータを転送しDeviceの Testポイントで波形観測しました。 1 はじめに 2 USB2.0の波形応答規格 各種インタフェースのデータ転送スピード比較(Mbps) IEEE1394 100 200 400 USB1.1 1.5 12 USB2.0 1.5 12 480 (Low speed) (Full speed) (High speed) TP4 TP3 TP2 TP1 NEC μ PD720110 Traces Transceiver NEC μ PD720110 Transceiver B Connector A Connector USB Cable Device HUB Traces データ転送 Test *2009年にはUSB3.0がリリースされる予定で5GbpsのSuperSpeed が追加される。

USB20 テクニカルマニュアル - TDK Product Center · はありません。信号への影響が少ないコモンモードフィルタ(CMF) が最適です。TDKではIntel、NEC

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USB2.0 テクニカルマニュアル

TDK EMC Technology 実践編

TDK株式会社 マグネティクスビジネスグループ 水谷 光晴

81

 USB2.0は2000年4月の公開以降、PCと周辺機器を結ぶ標準イン

タフェースとして普及していきました。

 規格作成はCompaq、HP、Intel、Lucent、Microsoft、NEC、

Philipsの7社で行なわれました。

 それまでのUSB1.1はデータ転送スピードが1.5Mbps(Low

speed)と12Mbps(Full speed)の 2種類ですが、USB2.0

では480Mbps(High speed)が追加されました。

 USB2.0は差動信号ライン2本とVcc、GNDの4本より構成され

ています。480Mbpsでは繰り返しパルス周波数が240MHzとなり、

チップビーズなどのEMC対策部品は信号波形に影響を与え適切で

はありません。信号への影響が少ないコモンモードフィルタ(CMF)

が最適です。TDKではIntel、NEC様の協力を得て動作確認試験を

行ない、最適なEMC部品を選定しました。

 480Mbpsの高速転送スピードであるため動作上のトラブルが発

生しないように厳しい規格が定められています。とくに注意が必要

なのはEye-pattern規格とSYNC Fieldの波形応答です。

2-1.Eye-pattern 差動信号がきれいな波形で転送されているかを確認する方法で

す。

 機器間のTestポイント(TP1~ TP4)で規格が異なります。実

際はケーブル長でも波形は異なり、例として短いケーブル(0.5m)

の場合と長いケーブル(5m)の場合の実測データを紹介します。

 接続は下図の通りです。HUBからデータを転送しDeviceの

Testポイントで波形観測しました。

1 はじめに 2 USB2.0の波形応答規格

各種インタフェースのデータ転送スピード比較(Mbps)IEEE1394

100200400

USB1.11.512

USB2.01.512480

(Low speed)(Full speed)(High speed)

TP4 TP3 TP2 TP1

NECμPD720110

Traces

Transceiver

NECμPD720110

Transceiver BConnector

AConnector

USB Cable

Device HUB

Traces

データ転送

Test

* 2009年にはUSB3.0がリリースされる予定で5GbpsのSuperSpeed

が追加される。

83

 480Mbpsの高速転送スピードになると信号波形にできるだけ影

響を与えず、ノイズ成分のみを効果的に阻止する部品の選定が重要

になります。

 さらに実際にUSB2.0で動作試験を行ない、エラーが発生しない

ことを十分に確認しなければなりません。

 波形チェックや動作試験は実際のフィールドでの使用状態を想

定し、信号を送るHOST側と信号を受けるDEVICE側両方に同じ

EMC部品を実装して行なう必要があります。

 この資料に添付している各種データはすべて両方に同じEMC部

品を使用した場合のものです。

 上のデータにおいて、2.はチップビーズのインピーダンスにより

240MHzの差動信号が減衰しています。3.はコモンモードフィルタ

の特性インピーダンスがUSB2.0規格90Ωと大きく異なるため、差

動信号が歪んでいます。どちらも波形が赤いエリアに入り込んでお

り評価NGです。

 4.は特性インピーダンスも適切で評価OKです。

3 最適なEMC部品の選定

3-1.各種EMC部品を使用した場合のEye-patternの比較(ケーブル長は0.5m)1.初期値 2.チップビーズMMZ1608Y121B使用時

  100MHzのインピーダンスは120Ω

3.コモンモードフィルタZJYS51R5-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは600Ω

4.コモンモードフィルタACM2012-900-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは90Ω

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1.初期値 2.チップビーズMMZ1608Y121B使用時  100MHzのインピーダンスは120Ω

3.コモンモードフィルタZJYS51R5-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは600Ω

4.コモンモードフィルタACM2012-900-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは90Ω

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2-2.SYNC Fieldの波形応答 USB2.0は400mVp-pの差動信号でデータ転送されています。

 データ転送が終わり、次のデータ転送が始まる前にインターバル

信号として32bitの信号が転送されます。この32bitのインターバル

をSYNC Fieldと言います。

 EMC対策としてコモンモードフィルタを使用すると、コモンモ

ードフィルタのライン間結合のため、SYNC Fieldの始めの信号が

マイナス側に振られます。コモンモードフィルタを選択する場合

の最も注意すべき点です。安全に動作するためにはSYNC Fieldの

1bit目から150mV以上の電圧が望まれます。

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TP2規格 TP3規格

0.5mケーブル使用時 5mケーブル使用時

観測波形 赤いエリアに波形が入り込まなければ規格を満足しています。0.5mではより厳しいTP2の規格でも満足しています。

SYNC Fieldの説明 HS SYNC field(32bits)

SE0 K J J J J J DataK K K K K K

Receiver squelcheddifferential envelopebelow 100mV

Differential envelopeexceeds 150mVreception enabled withinfour symbol times

Clock recovery circuitmust lock in time todetect end of SYNC

End of SYNCdetected, receiverbegins datarecovery

SYNC Fieldの波形応答初期の波形 コモンモードフィルタを使用した時の波形応答

△Vは150mV以上のこと

D V

SYNC Fieldの説明 HS SYNC field(32bits)

SE0 K J J J J J DataK K K K K K

Receiver squelcheddifferential envelopebelow 100mV

Differential envelopeexceeds 150mVreception enabled withinfour symbol times

Clock recovery circuitmust lock in time todetect end of SYNC

End of SYNCdetected, receiverbegins datarecovery

SYNC Fieldの波形応答初期の波形 コモンモードフィルタを使用した時の波形応答

△Vは150mV以上のこと

D V

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 480Mbpsの高速転送スピードになると信号波形にできるだけ影

響を与えず、ノイズ成分のみを効果的に阻止する部品の選定が重要

になります。

 さらに実際にUSB2.0で動作試験を行ない、エラーが発生しない

ことを十分に確認しなければなりません。

 波形チェックや動作試験は実際のフィールドでの使用状態を想

定し、信号を送るHOST側と信号を受けるDEVICE側両方に同じ

EMC部品を実装して行なう必要があります。

 この資料に添付している各種データはすべて両方に同じEMC部

品を使用した場合のものです。

 上のデータにおいて、2.はチップビーズのインピーダンスにより

240MHzの差動信号が減衰しています。3.はコモンモードフィルタ

の特性インピーダンスがUSB2.0規格90Ωと大きく異なるため、差

動信号が歪んでいます。どちらも波形が赤いエリアに入り込んでお

り評価NGです。

 4.は特性インピーダンスも適切で評価OKです。

3 最適なEMC部品の選定

3-1.各種EMC部品を使用した場合のEye-patternの比較(ケーブル長は0.5m)1.初期値 2.チップビーズMMZ1608Y121B使用時

  100MHzのインピーダンスは120Ω

3.コモンモードフィルタZJYS51R5-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは600Ω

4.コモンモードフィルタACM2012-900-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは90Ω

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1.初期値 2.チップビーズMMZ1608Y121B使用時  100MHzのインピーダンスは120Ω

3.コモンモードフィルタZJYS51R5-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは600Ω

4.コモンモードフィルタACM2012-900-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは90Ω

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2-2.SYNC Fieldの波形応答 USB2.0は400mVp-pの差動信号でデータ転送されています。

 データ転送が終わり、次のデータ転送が始まる前にインターバル

信号として32bitの信号が転送されます。この32bitのインターバル

をSYNC Fieldと言います。

 EMC対策としてコモンモードフィルタを使用すると、コモンモ

ードフィルタのライン間結合のため、SYNC Fieldの始めの信号が

マイナス側に振られます。コモンモードフィルタを選択する場合

の最も注意すべき点です。安全に動作するためにはSYNC Fieldの

1bit目から150mV以上の電圧が望まれます。

0.6

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TP2規格 TP3規格

0.5mケーブル使用時 5mケーブル使用時

観測波形 赤いエリアに波形が入り込まなければ規格を満足しています。0.5mではより厳しいTP2の規格でも満足しています。

SYNC Fieldの説明 HS SYNC field(32bits)

SE0 K J J J J J DataK K K K K K

Receiver squelcheddifferential envelopebelow 100mV

Differential envelopeexceeds 150mVreception enabled withinfour symbol times

Clock recovery circuitmust lock in time todetect end of SYNC

End of SYNCdetected, receiverbegins datarecovery

SYNC Fieldの波形応答初期の波形 コモンモードフィルタを使用した時の波形応答

△Vは150mV以上のこと

D V

SYNC Fieldの説明 HS SYNC field(32bits)

SE0 K J J J J J DataK K K K K K

Receiver squelcheddifferential envelopebelow 100mV

Differential envelopeexceeds 150mVreception enabled withinfour symbol times

Clock recovery circuitmust lock in time todetect end of SYNC

End of SYNCdetected, receiverbegins datarecovery

SYNC Fieldの波形応答初期の波形 コモンモードフィルタを使用した時の波形応答

△Vは150mV以上のこと

D V

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 USB2.0はHigh speed 480Mbpsの転送スピードであるため、

いくらノイズ阻止効果が高くても動作上不安定となるような部品は

使用できません。

 このような観点からEye-patternとSYNC Field波形応答を評価

し推奨部品を選定しました。

 推奨部品は次のとおりです。

2ラインコモンモードフィルタ:

  PC / TV向け ACM2012-900-2P、TCM1210F-900-2P

  携帯機器向け TCM1005F-900-2P、TCM0605-900-2P

 2ラインコモンモードフィルタを使用する場合はVccラインと

GNDラインにチップビーズを使用するとより効果的です。

DCライン用チップビーズ:

  MPZ1608S101A、MPZ1608S221A

 最終的な輻射ノイズ対策においてFCCやVCCI規格を満足してい

ない場合は、USBケーブルに分割タイプのフェライトコアを使用

すると手軽に対策でき、大きな効果が得られます。

4 推奨EMC部品

- VDD / GND Line -Power Beads MPZ1608S101A(100Ω, 3A) MPZ1608S221A(220Ω, 2A)

- Cable -

PC / TV向け ACM2012-9002P       TCM1210F-900-2P

携帯機器向け TCM1005F-900-2P       TCM0605-900-2P

Clamp FilterZCAT seriesZCAT1325-0530A

USB Cable

D+

VDD

F.G.

USB IC

推奨部品一覧

D-

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 上のデータにおいて3.の波形はSYNC Fieldの電圧が低く評価

NGです。2.はコモンインピーダンスを低く押さえたためSYNC

Fieldのスタートから電圧が高く評価OKです。

3-2.各種EMC部品を使用した場合のSYNC Field波形応答の比較(ケーブル長は5m)

評価時の接続

評価結果

Host PCUSB cable : 0.5m

USB cable : 5m

HUB1 HUB2

NEC USB2.0Controller IC :

μPD720100

NEC USB2.0HUBController IC :

μPD720100

NEC USB2.0HUBController IC :

μPD720110

CMF CMF

Test

1.初期値 2.コモンモードフィルタACM2012-900-2P使用時  100MHzのインピーダンスは90Ω

3.コモンモードフィルタACM3225-102-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは1000Ω

4.コモンモードフィルタZCYS51R5-M3PA7T使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは200Ω  ZCYSは3ラインCMFで信号ラインとGNDラインに使用

300mV

SEφ SYNC field

150mV

192mV

232mV

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 USB2.0はHigh speed 480Mbpsの転送スピードであるため、

いくらノイズ阻止効果が高くても動作上不安定となるような部品は

使用できません。

 このような観点からEye-patternとSYNC Field波形応答を評価

し推奨部品を選定しました。

 推奨部品は次のとおりです。

2ラインコモンモードフィルタ:

  PC / TV向け ACM2012-900-2P、TCM1210F-900-2P

  携帯機器向け TCM1005F-900-2P、TCM0605-900-2P

 2ラインコモンモードフィルタを使用する場合はVccラインと

GNDラインにチップビーズを使用するとより効果的です。

DCライン用チップビーズ:

  MPZ1608S101A、MPZ1608S221A

 最終的な輻射ノイズ対策においてFCCやVCCI規格を満足してい

ない場合は、USBケーブルに分割タイプのフェライトコアを使用

すると手軽に対策でき、大きな効果が得られます。

4 推奨EMC部品

- VDD / GND Line -Power Beads MPZ1608S101A(100Ω, 3A) MPZ1608S221A(220Ω, 2A)

- Cable -

PC / TV向け ACM2012-9002P       TCM1210F-900-2P

携帯機器向け TCM1005F-900-2P       TCM0605-900-2P

Clamp FilterZCAT seriesZCAT1325-0530A

USB Cable

D+

VDD

F.G.

USB IC

推奨部品一覧

D-

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 上のデータにおいて3.の波形はSYNC Fieldの電圧が低く評価

NGです。2.はコモンインピーダンスを低く押さえたためSYNC

Fieldのスタートから電圧が高く評価OKです。

3-2.各種EMC部品を使用した場合のSYNC Field波形応答の比較(ケーブル長は5m)

評価時の接続

評価結果

Host PCUSB cable : 0.5m

USB cable : 5m

HUB1 HUB2

NEC USB2.0Controller IC :

μPD720100

NEC USB2.0HUBController IC :

μPD720100

NEC USB2.0HUBController IC :

μPD720110

CMF CMF

Test

1.初期値 2.コモンモードフィルタACM2012-900-2P使用時  100MHzのインピーダンスは90Ω

3.コモンモードフィルタACM3225-102-2P使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは1000Ω

4.コモンモードフィルタZCYS51R5-M3PA7T使用時  100MHzのコモンモードインピーダンスは200Ω  ZCYSは3ラインCMFで信号ラインとGNDラインに使用

300mV

SEφ SYNC field

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推奨コモンモードフィルタのSYNC Field波形応答データ

1.初期値(コモンモードフィルタなし) 2.ACM2012-900-2P

3.ACM3225-800-2P

5.ZCYS51R5-M3PA7T(3ラインマルチCMF)

4.ACM3225-161-2P

1st bit's amplitude : 300mV 1st bit's amplitude : 192mV

1st bit's amplitude : 172mV1st bit's amplitude : 206mV

1st bit's amplitude : 232mV

ケーブル長は0.5m

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推奨コモンモードフィルタのEye-patternデータ

1.初期値(コモンモードフィルタなし) 2.ACM2012-900-2P

3.ACM3225-800-2P

5.ZCYS51R5-M3PA7T(3ラインマルチCMF)

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0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4Time(nsec)

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

ケーブル長は0.5m

87

推奨コモンモードフィルタのSYNC Field波形応答データ

1.初期値(コモンモードフィルタなし) 2.ACM2012-900-2P

3.ACM3225-800-2P

5.ZCYS51R5-M3PA7T(3ラインマルチCMF)

4.ACM3225-161-2P

1st bit's amplitude : 300mV 1st bit's amplitude : 192mV

1st bit's amplitude : 172mV1st bit's amplitude : 206mV

1st bit's amplitude : 232mV

ケーブル長は0.5m

86

推奨コモンモードフィルタのEye-patternデータ

1.初期値(コモンモードフィルタなし) 2.ACM2012-900-2P

3.ACM3225-800-2P

5.ZCYS51R5-M3PA7T(3ラインマルチCMF)

4.ACM3225-161-2P

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.60 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4

Time(nsec)0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4

Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4Time(nsec)

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

ケーブル長は0.5m

89

5-2.差動信号に重畳しているコモンモードノイズの低減効果

 差動信号にコモンモードノイズが重畳しているとSkewも悪くな

り輻射ノイズが発生します。

 コモンモードフィルタは差動信号に影響を与えることなく効果的

にコモンモードノイズを低減してくれます。

 シミュレーションでこの効果を求めました。差動信号に1GHzの

コモンモードノイズが重畳している場合を想定し、コモンモードフ

ィルタの効果を算出しました。

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

D+ and D-(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

D+ and D-(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

< D+, D- > < Skew(D+ +D- ) >

< D+, D- > < Skew(D+ +D- ) >

Skewに含まれていたコモンモードノイズが低減している

コモンモードフィルタACM2012-900-2Pを使用した場合

理想的な差動信号に1GHzのコモンモードノイズを重畳させた場合

1GHz common-mode noise(Potential Differences)

Attenuated by CMF

88

 推奨コモンモードフィルタを使用した場合、EMC対策部品とし

てどのような効果が得られるかを紹介します。

5-1.差動信号の波形整形効果

 理想的な差動信号は波形にひずみや位相遅れがなくSkewも一定

電圧となります。

 Skewとは+の信号(D+)と-の信号(D-)の和(D+ + D-)

のことです。

 実際の差動信号においては多少のひずみを含んでおりSkewも一

定電圧とはなりません。

 これが輻射ノイズ発生の原因となります。

 コモンモードフィルタを使用すると波形整形が行なわれより理想

的な波形に近付けることができます。Skewの電圧変動も少なくな

り結果として輻射ノイズ低減につながります。

Time(nsec)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

D+ and D-(V)

Time(nsec)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

D+ and D-(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

D+ and D-(V)

Time(nsec)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Common-mode voltage(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

< D+, D- >

< D+, D- >

< D+, D- >

< Skew(D+ + D- ) >

< Skew(D+ + D- ) >

< Skew(D+ +D- ) >

Skewの電圧変動が少なくなっている

理想的な差動信号

実際の差動信号

コモンモードフィルタACM2012-900-2Pを使用した場合

5 コモンモードフィルタによるEMC対策効果例

89

5-2.差動信号に重畳しているコモンモードノイズの低減効果

 差動信号にコモンモードノイズが重畳しているとSkewも悪くな

り輻射ノイズが発生します。

 コモンモードフィルタは差動信号に影響を与えることなく効果的

にコモンモードノイズを低減してくれます。

 シミュレーションでこの効果を求めました。差動信号に1GHzの

コモンモードノイズが重畳している場合を想定し、コモンモードフ

ィルタの効果を算出しました。

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

D+ and D-(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

D+ and D-(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

< D+, D- > < Skew(D+ +D- ) >

< D+, D- > < Skew(D+ +D- ) >

Skewに含まれていたコモンモードノイズが低減している

コモンモードフィルタACM2012-900-2Pを使用した場合

理想的な差動信号に1GHzのコモンモードノイズを重畳させた場合

1GHz common-mode noise(Potential Differences)

Attenuated by CMF

88

 推奨コモンモードフィルタを使用した場合、EMC対策部品とし

てどのような効果が得られるかを紹介します。

5-1.差動信号の波形整形効果

 理想的な差動信号は波形にひずみや位相遅れがなくSkewも一定

電圧となります。

 Skewとは+の信号(D+)と-の信号(D-)の和(D+ + D-)

のことです。

 実際の差動信号においては多少のひずみを含んでおりSkewも一

定電圧とはなりません。

 これが輻射ノイズ発生の原因となります。

 コモンモードフィルタを使用すると波形整形が行なわれより理想

的な波形に近付けることができます。Skewの電圧変動も少なくな

り結果として輻射ノイズ低減につながります。

Time(nsec)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

D+ and D-(V)

Time(nsec)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

D+ and D-(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

D+ and D-(V)

Time(nsec)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Time(nsec)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Common-mode voltage(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

-0.1

0Common-mode voltage(V)

< D+, D- >

< D+, D- >

< D+, D- >

< Skew(D+ + D- ) >

< Skew(D+ + D- ) >

< Skew(D+ +D- ) >

Skewの電圧変動が少なくなっている

理想的な差動信号

実際の差動信号

コモンモードフィルタACM2012-900-2Pを使用した場合

5 コモンモードフィルタによるEMC対策効果例

91

 USB2.0では伝送系の特性インピーダンスとしてTDRが規格化さ

れています。

 ICの評価ボードでACM2012-900-2Pと低特性インピーダンスコモ

ンモードフィルタを使用した場合のTDRの違いを例として紹介し

ます。

測定結果:

 低特性インピーダンスコモンモードフィルタを使用した場合は、

TDR規格を満足できない。

7特性インピーダンスの差によるTDRの違い(TDR : Time Domain Reflectometry)

Digitizing Oscilloscope HP54750

TDR Module HP54754

Differential modeCharacteristics Impedance

SMA 1m Cable

SMA 3.5mmConnector

Series AConnectors

VDD line : open

GND line : open

USB Cable(series B)Series B Connector

CMF

Test Board

USB2.0 HUBController IC

250

200

150

100

50

00 0.5 1 1.5 2 2.5 3

Time(ns)

Impedance(Ω)

through

低インピーダンスCMF

ACM2012-900-2P

SMA ConnectorUSB Connector

USBCable

MSL CMF MSL

規格ハズレ

Upper limit(110 W)

90 W

Lower limit(70 W)

90

 

 USB2.0では信号線の特性インピーダンスは90±20Ωと規定され

ています。

 規格から大きく外れた特性インピーダンスのコモンモードフィル

タを使用するとEye-patternが大きく乱れます。

6コモンモードフィルタの特性インピーダンスとEye-patternへの影響

1 10 100 1000 10000

1000

100

10

1

Frequency(MHz)

Impedance(Ω)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

X10-9

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4X10-9

適切なCMFを使用した場合

不適切なCMFを使用した場合

ACM2012-900-2P : 90Ω

Non-recommendable CMF

特性インピーダンスが90ΩのACM2012-900-2Pと60Ωのコモンモードフィルタでの比較

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

CMFなしの場合 ACM2012-900-2Pを使用した場合特性インピーダンスが60ΩのCMFを使用した場合

Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4

Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4

Time(nsec)

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

Eye-patternに乱れが発生している

特性インピーダンス比較データACM2012-900-2Pと低インピーダンスCMF

91

 USB2.0では伝送系の特性インピーダンスとしてTDRが規格化さ

れています。

 ICの評価ボードでACM2012-900-2Pと低特性インピーダンスコモ

ンモードフィルタを使用した場合のTDRの違いを例として紹介し

ます。

測定結果:

 低特性インピーダンスコモンモードフィルタを使用した場合は、

TDR規格を満足できない。

7特性インピーダンスの差によるTDRの違い(TDR : Time Domain Reflectometry)

Digitizing Oscilloscope HP54750

TDR Module HP54754

Differential modeCharacteristics Impedance

SMA 1m Cable

SMA 3.5mmConnector

Series AConnectors

VDD line : open

GND line : open

USB Cable(series B)Series B Connector

CMF

Test Board

USB2.0 HUBController IC

250

200

150

100

50

00 0.5 1 1.5 2 2.5 3

Time(ns)

Impedance(Ω)

through

低インピーダンスCMF

ACM2012-900-2P

SMA ConnectorUSB Connector

USBCable

MSL CMF MSL

規格ハズレ

Upper limit(110 W)

90 W

Lower limit(70 W)

90

 

 USB2.0では信号線の特性インピーダンスは90±20Ωと規定され

ています。

 規格から大きく外れた特性インピーダンスのコモンモードフィル

タを使用するとEye-patternが大きく乱れます。

6コモンモードフィルタの特性インピーダンスとEye-patternへの影響

1 10 100 1000 10000

1000

100

10

1

Frequency(MHz)

Impedance(Ω)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

X10-9

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4X10-9

適切なCMFを使用した場合

不適切なCMFを使用した場合

ACM2012-900-2P : 90Ω

Non-recommendable CMF

特性インピーダンスが90ΩのACM2012-900-2Pと60Ωのコモンモードフィルタでの比較

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

CMFなしの場合 ACM2012-900-2Pを使用した場合特性インピーダンスが60ΩのCMFを使用した場合

Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4

Time(nsec)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4

Time(nsec)

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

-0.1

-0.2

-0.3

-0.4

-0.5

-0.6

D+ and D-(V)

Eye-patternに乱れが発生している

特性インピーダンス比較データACM2012-900-2Pと低インピーダンスCMF