■回生電力貯蔵装置(キャパポスト)構成
※部拡大図 IGBT回路
回生エネルギーの有効利用で省エネ、環境負荷の低減を実現 公共輸送機関としての鉄道の担う役割は、地球環境保全意識の高まりと共に、近年その重要性は益々高まってきています。
その期待にこたえるべく、各鉄道事業者にとって、鉄道システムの効率化と経済性向上、更なる CO2 排出量削減は大きな
課題であると考えます。当社は、大容量のエネルギー貯蔵媒体として、今注目を浴びている「電気二重層キャパシタ」を
適用した回生電力貯蔵装置「キャパポスト」を製品化しました。都市輸送の直流き電システムにおいては、力行時に必要とするエネルギーの約40%は、制動エネルギーとなります。この制動エネルギーを電気二重層キャパシタに貯蔵し、き電の状況に応じて電気車の力行エネルギーを補助することにより、省エネルギーの最適な、き電システムを構築できます。
回生電力の有効利用で省エネを実現①回生電力を吸収し、力行時に放出、省エネルギーを実現し、地球温暖化ガスである二酸化炭素排出量削減に貢献します。②回生電力の有効利用により、変動の大きい電鉄負荷のピークカットに威力を発揮します。③制動時のエネルギーを吸収し、回生失効を防止します。④従来回生車の導入が難しかった線区への回生車導入を可能にします。
電気二重層キャパシタを採用
明電の豊富なノウハウでサポートします。
①電気二重層キャパシタは、充放電に化学反応を用いないため、繰り返し充放電、急速充放電に強く、原理的には寿命がありません。②電気二重層キャパシタは重金属類を一切使わない環境に優しいグリーン製品です。
③電気二重層キャパシタは、き電線に直結したエネルギー貯蔵設備ですから、高圧受電設備は必要ありません。
①き電システムを知り尽くした技術陣が、電鉄シミュレーションと実測データに基づいた、最適システムの構築をサポートします。②設備計画から現地工事、試験まで、行き届いたサービスを提供します。③パッケージ収納による一体輸送設備の場合、現地据え付け試験のみの短期間工事で、運用に入ることができます。
回生車を導入していない線区では、力行エネルギーの約 40%が制動エネルギーとして、摩擦熱や抵抗熱になり大気へ放出され失われています。
適切な位置へキャパポストを設置することで、回生ブレーキをかけた時、近くに力行車両がいなくても、回生失効が殆ど無くなります。キャパポストに蓄えたエネルギーは、起動する時の電車へ供給し、エネルギーのリサイクルを行います。
キャパポスト使用の場合従来設備の場合
1 2
P O
N
監視部
制御部
き電遮断器盤 フィルタ盤 昇降圧チョッパ盤 制御盤 電気二重層キャパシタ盤
き電線
レール
P
O
N※
き電距離10km 5本/ h片線当たり 直流600Vき電系統 3変電所 両端にキャパポスト設置(500kW 10秒)回生車導入(キャパポスト適用)回生車導入(無対策)
年間における電気料金の低減並びに、省エネルギーによる二酸化炭素排出削減量(電気料金は15円/ kWhと仮定、また、一般電気事業者の二酸化炭素排出係数 0.357kg-CO2 / kWhを適用)
336
415
92
13
725
552
現状車両での状況(回生車なし)
508
492
16
646
548
403(508-336)kWh×18h×365日×0.357kg-CO2 / kWh=403t
356
412
71
15
543
比較項目
1時間当たり総供給電力量 (kWh)
1 時間当たり車両消費電力量 (kWh)
1 時間当たり車両回生電力量 (kWh)
1 時間当たりき電ロス (kWh)
パンタ点最高電圧(V)
パンタ点最低電圧(V)
年間電力量料金(万円)同上低減額(万円)
5010
35101500
786(回生失効が起きている)
33001710
CO2 削減量(t)
キャパポストの仕組み 導入によるメリット
■抵抗消費方式(従来方式)
■キャパポスト方式
折角の回生エネルギーが、熱になって失われてしまう
CO2 排出量削減と電気料金削減の一挙両得
キャパポストでエネルギーのリサイクル・
省エネ効果抜群
地球環境に優しいグリーン製品・
グリーンシステムの実現
HSCB
HSCB
駅舎
駅舎
ブレーキ回生車
ブレーキ回生車
スタート力行車
電力会社
整流器
電力会社
②力行電力
②①回生電力
回生電力
整流器
熱放散
抵抗 回生スイッチ
キャパポスト
① ②
年間電力量約1700万円※低減
二酸化炭素削減年間400t
回生車導入に伴うこの制動エネルギーの有効利用は、地球温暖化対策としての二酸化炭素の排出量削減に寄与し、環境負荷の低減に大きく貢献します。2003年全国平均の1kWh当たり二酸化炭素係数は、0.357kg-CO2/kWhであり、下記条件でのシミュレーション結果では、1時間当たり172kWhの電力が
有効利用され、年間電力量料金に換算して1700万円※程度の低減が可能になるほか、二酸化炭素排出量が年間 403t 削減されることになります。更にブレーキ関係のメンテナンス費用の削減と併せて、効率的な経営に大きく貢献することが期待できます。
回生失効防止対策
回生車両が導入されている線区では、車両間融通により回生電力が有効に利用されますが、回生電力を吸収する力行車両が近くにいない場合や、回生車両が導入されていない場合は、力行時に取り込んだエネルギーの約40%が、機械ブレーキによる摩擦熱や電気ブレーキによる抵抗器熱として消費されてしまいます。単線運転の線区が中心であったり輸送密度が比較的低い鉄道事業者においては、回生失効の問題があることから、回生車両
の導入には余りメリットがなく、導入に踏み切れない鉄道事業者が多いと思います。「キャパポスト」はこの回生時の制動エネルギーを、電気二重層キャパシタに貯蔵して、力行時に放電することで、エネルギーの有効利用を図り電気料金の削減、き電電圧の安定化及び変電所デマンドのピークカットに貢献します。
※ 回生車導入支援検討のケーススタディ
3 4
適 用
構 造
電 気
電圧制御※
直流き電設備
冷却方式
容量
最大電圧
充電動作
放電動作
1500V、750V、600V
強制風冷
1000kW、2000kW
1800V、900V、720V
シミュレーションにより最適値を決定
形 状
定 格 電 圧
最 高 電 圧
公称静電容量
円筒形φ63.5
2.5V
2.7V
3600F
セ ル 構 成
使用電圧範囲
504直列12並列
500~1360V
※設定値は任意に変更可能
シミュレーションによる最適システムのご提案 装置仕様当社はこれまで国内海外を問わず、数多くのお客様に鉄道向けき電システムを納入してきました。当社は単にき電設備の納入に留まらず、当社独自の電鉄シミュレーション技術により、最適な設備容量やロケーションの提案、使用電力量の想定など、システム構築に対してサポートしてきました。
今回ご提案する直流電鉄用回生電力貯蔵装置「キャパポスト」も、電鉄シミュレーションにより、最適なコストパフォーマンスの実現をお手伝いします。設備容量、エネルギー効率の最適化を図る設置位置、装置の効率化を図るための制御電圧設定など、総合的なエネルギー収支を考慮した最適なき電システムをご提案します。
高圧の受電設備がいらないことから、設備の配置スペースさえあれば、駅のホーム脇にでも簡単に設置が可能です。
外形寸法図
き電システム構成例
各部の電流・電圧シミュレーション結果 (定格DC600V、キャパポスト動作電圧DC600V)
■時間き電線電圧特性(SS送り出し電圧)
■時間キャパシタ電流特性(き電側)
■電車電流(き電側)
装置仕様
■チョッパ仕様 ■キャパシタ単セル仕様
■キャパシタ設備仕様(30MWs)
○○駅 ○○駅 ○○駅 ○○駅
回生電力を吸収する車両がいない時、キャパポストが吸収する。
電車が発車する時、変電所からの電力とキャパポストに貯蔵した電力を併用利用して始動する。
力行車と回生車でエネルギーの授受が行われる。
キャパポストの設置で、電力の平準化や電力量の削減効果がある。
力行 力行 回生回生
5 6
-800
-400
0
400
800
回生
力行
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 時間(秒)
電流(A)
-400
-200
0
200
400
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 時間(秒)
電流(A)
回生(充電)
力行(放電)
0
200
400
600
800
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 時間(秒)
電圧(V)
■単線接続図■外形寸法図(mm)
フィルタコンデンサ
フィルタリアクトル
電気二重層キャパシタ
定格電圧DC600V/750V/1500V
昇降圧チョッパ
MGSW
抵抗器(保全用)
1PDS
P
N
1PDS
HSCB
(フィルタ盤)
(HSCB盤)
(チョッパ盤)
(抵抗器盤)(キャパシタ盤)
W 6700
H 2350
D 2000
HSCB盤
制御盤
出力盤
フィルタ盤
チョッパ盤1
チョッパ盤2
W 8200
H 3050
D 1950
W 5500
H 2350
D 2000
HSCB盤
制御盤
出力盤
フィルタ盤
チョッパ盤
チョッパ 2000kW
チョッパ 1000kW
30MWs キャパシタ盤(屋外)
■ 仕様は機能・性能向上などのため変更することがありますのでご了承ください。
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