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Sensorless Field Oriented Control
(FOC)for Permanent Magnet Synchronous Motors
(PMSM)
マイクロチップのPMSM用FOCウェブ セミナーへようこそ。
このコースは、オリジナルは英語版ですが、ここでは、日本語に翻訳してお届けします。
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Agenda
Description of FOC for PMSM controlDescription of sensorless technique used for FOC algorithm
このセミナーの内容を紹介します。
まず 初に、永久磁石形同期モーター(PMSM)を対象としたフィールド オリエンティッド コントロール(FOC)について説明します。
ここでは、フィールドオリエンティッド コントロールの主なブロックについて説明
します。
次に、PMSMモーターにおいてFOC制御を可能にする位置推定法について解
説します。
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Agenda
Description of Field Oriented Control (FOC) for Permanent Magnet Synchronous Motors (PMSM)Description of Sensorless technique used for FOC algorithm
始めに、永久磁石形同期モーターについて説明します。
ここでは、PMSMモーターの内部の電気図形を使用して、どのように動作する
かを説明します。
さらに、フィールドオリエンティッド コントロールがどう働き、どのようにモーター
制御アプリケーションを高性能化するかについても説明します。
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PMSM Applications
Air Conditioner (AC) compressors
PMSMモーターは次のようなアプリケーションで使用されます。
1. まず、空調制御用コンプレッサの効率向上を目的としたPMSMモーターが
あります。コンプレッサの物理的条件によっては、モーターが油槽に入り位置センサが使用できない場合がありますので、一般的には、コンプレッサにはセンサーレスのアルゴリズムが必要です。
2. PMSM motors are also becoming popular in Direct Drive washing machine due to their torque available at very low speeds. FOC enables better dynamic response in a washing machine without increasing the overall system cost.
3. Refrigerator compressors also require better efficiency and torque performance at low speeds. These requirements are covered by PMSM motors as well.
4. Pumps and Air Conditioner compressors in the automotive applications are also transitioning to PMSM motors due to they efficiency gains, increased life time compared to DC motors, and high torque at low speeds.
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PMSM Applications
Air Conditioner (AC) compressorsDirect-drive washing machines
These are some applications where PMSM motors are used.1. In order to boost the efficiency of air conditioning compressors, PMSM
motors are used. Also, physical conditions of a compressor, where the motor is flooded in oil, position sensors are not allowed. Sensorless algorithms are required for compressors in general.
2. 2つめは、PMSMモーターを使用したダイレクトドライブの洗濯機です。普及してきた理由としては、低速度で高トルクが可能になることで、FOCがシス
テムのトータルコストを上げずに洗濯機に適したダイナミックレスポンスを可能にします。
3. Refrigerator compressors also require better efficiency and torque performance at low speeds. These requirements are covered by PMSM motors as well.
4. Pumps and Air Conditioner compressors in the automotive applications are also transitioning to PMSM motors due to they efficiency gains, increased life time compared to DC motors, and high torque at low speeds.
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PMSM Applications
Air Conditioner (AC) compressorsDirect-drive washing machinesRefrigerator compressors
These are some applications where PMSM motors are used.1. In order to boost the efficiency of air conditioning compressors, PMSM
motors are used. Also, physical conditions of a compressor, where the motor is flooded in oil, position sensors are not allowed. Sensorless algorithms are required for compressors in general.
2. PMSM motors are also becoming popular in Direct Drive washing machine due to their torque available at very low speeds. FOC enables better dynamic response in a washing machine without increasing the overall system cost.
3. 3つめは、冷蔵庫のコンプレッサで、高効率かつ低速度での高トルクが必要とされます。これらの要求にも、PMSMモーターが対応します。
4. Pumps and Air Conditioner compressors in the automotive applications are also transitioning to PMSM motors due to they efficiency gains, increased life time compared to DC motors, and high torque at low speeds.
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PMSM Applications
Air Conditioner (AC) compressorsDirect-drive washing machinesRefrigerator compressorsAutomotive AC compressors
These are some applications where PMSM motors are used.1. In order to boost the efficiency of air conditioning compressors, PMSM
motors are used. Also, physical conditions of a compressor, where the motor is flooded in oil, position sensors are not allowed. Sensorless algorithms are required for compressors in general.
2. PMSM motors are also becoming popular in Direct Drive washing machine due to their torque available at very low speeds. FOC enables better dynamic response in a washing machine without increasing the overall system cost.
3. Refrigerator compressors also require better efficiency and torque performance at low speeds. These requirements are covered by PMSM motors as well.
4. 後は、車載アプリケーションにおけるポンプや空調用コンプレッサです。DCモーターと比較して効率が良く、寿命も長く、低速度で高トルクであることから、PMSMモーターの需要が高まっています。
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Advantages of Sensorless FOC
High EfficiencyNo Position Sensor RequiredImproved Dynamic ResponseReduced Torque RippleLow Audible NoiseExtended Speed Range Operation
次に、PMSMモーターのセンサーレスFOCによる利点を説明します。
フィールド オリエンティッド コントロールの 大のメリットは高効率であることで
す。理由は、ロータとステータの磁束をモーターのトルク生成が 大になるよう配置しているからです。このアルゴリズムでは、モーターの位置と速度を電流と電圧から推定するため位置センサを必要としません。推定方法についてはこのあと説明します。
フィールド オリエンティッド コントロールは、制御信号の振幅と位相の両方をモーターにフィードバックして調整することで、ダイナミック レスポンスを改善し
ます。直駆動の洗濯機などのアプリケーションではこの点が有効です。フィールドオリエンティッド コントロールでは、ステータ磁界がロータ磁界の位置により
連続的に更新されます。連続的にロータを新しい位置へ引っ張ることで、ロータは常に新たなベクタに磁化されるので、トルクのリップルが減少します。このFOCの特性は、低速が条件のアプリケーションで有効です。
フィールド オリエンティッド コントロールで正弦波を整流すると、6ステップ制御
などを使用して、他制御方式で発生する可聴雑音も削減できます。
FOCのもうひとつ特徴は、モーターの定格速度以上の速度を実現することです。
これはロータの磁界が弱くなったところでステータの巻線に電圧を加えることで実現できます。その結果、ステータ磁界とロータ磁界によって生成された磁界ベクタを増強させることになります。速度範囲は、磁界減衰か進相制御を行うことでかなり増加します。
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PMSM Characteristics
Brushless motor with sinusoidal Back EMFSynchronous AC motorBLACPMSM
ea eb ec
ωt
Back EMF shape of PMSM
v
それでは、PMSMモーターに関して説明しましょう。
モーターとはどのようなモーターでしょうか。
PMSMモーターがあると仮定して、発電機として回転させてみましょう。他のモーターで回転さ
せたり、手動で回転すると、モーターの巻線から計測データが取得できます。
この電圧は、BLDCモーターでは台形ですが、PMSMモーターでは正弦波となります。
永久磁石形同期モーターには、次の4つの名称があります。
1. 正弦波BEMFを持つブラシレスモーター
2. 同期ACモーター
3. BLACまたはブラシレスACモーター
4. PMSM、永久磁石形同期モーター、の4つです。
同期モーターは機械的速度と電気的速度間の関係が非同期モーターとは異なります。
同期モーターでは、供給電圧が機械的モーター速度と同じ周波数となります。
非同期モーターでは、 終の機械的速度は入力周波数とは異なり、入力周波数と機械的速度の関係は、モーターに加わる機械的な負荷に依存します。
同期ACモーター(PMSM)の巻線分布は正弦波で、正弦波のBEMFを生成するAC誘導モー
ターと似ています。
これに対し、同期DCモーター(またはBLDC)は同じ巻線分布ですが、台形のBEMFを生成しま
す。
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Stator Field
Rotor Field
PMSM Operation
S
N
S
N
N
S
N
S
θ
S
N
PMSMモーターには2つの主要部品、永久磁石とステータ巻線があります。
次に、その動作について説明します。
まず、ステータ巻線が回転磁界を生成します。
永久磁石のロータは自身の磁界を持っていますので、ステータの磁界に合わせようとします。
電気によって、常にロータより前に進む回転磁界がステータに生成され、ロータの回転が維持されます。
ロータとステータの磁界の角度は、モーターによるトルク生成に重要な役割を果たします。
簡略化するため単極のモーターを示します。この場合、磁界の回転ごとにモーターシャフトも1回転することになります。
実際の大部分のモーターは多極ですので、その場合の機械的速度は入力周波数と極数から求められます。
例えば、モーターが5極とすると、モーターシャフトの1回転ごとに5回、磁界が回転します。
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BEMF (V)
Current (I)
Torque
θ
T = Fs*Rs*sinθ
S
N
N
S
θ
S
N
N
S
N
S
Without FOC
PMSM Operation
モーターが回転するには、ロータ磁界とステータ磁界に、ある角度が必要です。
2つの磁界が互いに90度でない場合は、BEMFと電流にオフセット角度が発生
します。
この位相オフセットがあると入力パワーに対するトルク生成が 大になりません。
これはトルクとVs角度(θ)のグラフで分かるように、トルク生成はsinθに比例し
ます。
制御ロジックがこの整流角度を90度に合わせられない場合、トルク生成は 大
にはなりません。
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PMSM Operation
BEMF (V)
Current (I)
With FOC
Torque
θ
T = Fs*Rs*sinθ
S
N
N
S
90°
S
N
NS
NS
もしも、ロータ磁界角度の検出ができれば、ちょうど90度の回転磁界を生成す
ることができます。
そして、整流角度を90度にすると、トルクを 大にできます。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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© 2007 Microchip Technology Incorporated. All Rights Reserved. Sensorless FOC for PMSM Slide 26
PMSM Operation
90°
0
π/2
-π/2
この図から、整流角度をロータより常に90度進めるにはどうするかがお判りい
ただけると思います。
左側の図で、フィールド オリエンティッド コントロールによって、どのようにモー
ターが回転するかを示しています。
電圧グラフは、出力電圧が正弦波になることを示しています。
右下の方では、ロータが-π(-180度)から+π(+180度)に変化することを表
しています。
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PMSM with FOCKeep load 90°ahead of rotor positionKnowledge of rotor position required at all timesBetter torque productionNo torque ripple
S
N
N
S
90°
S
N
N
S
NS
フィールド オリエンティッド コントロールを実現するには、ステータ磁界を常にロータより90度前に保つようにします。
この実現には、常にロータ位置情報が必要です。
ホールセンサをロータ位置検出に使う方法では、60度ごとにしかロータ位置情
報が得られません。
フィールド オリエンティッド コントロールには、ロータ位置を検出あるいは推定
するための異なるアルゴリズムが必要です。
フィールド オリエンティッド コントロールによって得られる効果は、モーターが生
成するトルクの改善とリップルの低減となります。
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Field Oriented Control (FOC)3-phase voltage to control the 3-phase currents vectors3-phase time variant into a 2-axis time invariantAllows controlling 3-Phase Motors with conventional techniques as in a DC motor
FOCアルゴリズムでは3相ステータ電流を制御するため、3相電圧をベクタとし
て生成します。
数学変換を使用して物理的な電流を回転ベクタに変換することによって、トルクと磁束の要素が時間的に不変になります。すると、DCモーターの場合の比例積分制御(PI制御)のように、従来の技術による制御ができるといった利点が生
まれます。
ブラシDCモーターでは、構造上、ステータ磁束とロータ磁束が互いに90度を保
つようになっていますので、モーターは 大許容トルクを生成することになります。
FOCテクニックでは、モーター電流をDCモーターのような2軸のベクタに変換し
ます。
このプロセスは、3相のモーター電流を計測することから開始されます。
実用的には、瞬時の3つの電流の和はゼロなので、3つの電流のうちの2つを計
測すれば、残りの一つも判ります。
2つの電流センサだけで済むということは、ハードウェアコストの削減にもつなが
ります。
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Vector-Coordinate Systems
a
b
c
α
β
d
q
3-Axis Stator Reference 2-Axis Stator Reference 2 -Axis Rotating Reference
まず 初の変換では、ステータを表す2次元座標システムの3軸を同じものを表
す2軸システムに変換します。
このとき、ステータ電流のフェーザー表記は、 α-βと呼ばれる軸を持つ2軸直
交システムで表すことができます。
次の段階で、ロータ磁束と一緒に回転するd-q軸と呼ばれる軸を持つ別の2軸
システムに変換されます。
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3-Phase Coordinate System
a
c
ia
ic
ibis
b
次の資料で、フィールド オリエンティッド コントロールで必要な変換が理解でき
ると思います。
まず3相システムから始めます。ここではIa、Ib、Ic がIsのベクタ要素です。
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Projected onto 2-Phase System
3相システムを2相に変換する場合、ベクタIsの要素が時間的にどう変化するか
をみます。
IαとIβの値は正弦波と同じように 大値と 小値の間で変化します。しかし、
求めたベクタはモーターの回転にしたがって変化しません。
ここでαとβの変数で制御しようとすると、PI制御ループの変更が必要になりま
す。それは、目標値と計測値が時間とともに変化するからで、従来の制御ループより複雑になってしまいます。
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© 2007 Microchip Technology Incorporated. All Rights Reserved. Sensorless FOC for PMSM Slide 32
Projected onto Rotating System
ベクタ要素の計算に整流角度を加味すると静止します。
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Vectors in the Rotating Reference Frame
ここで、ロータ側から見ると、ベクタIsの各要素は、モーター回転に合わせて変化しなくなり、その制御には従来のPI制御が適用できます。
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Vectors in the Rotating Reference Frame
d
q
isiq
id
Torque ∝∝ iqiq Flux ∝∝ idThey are time-invariant and can be treated as DC parameters, which allows them to be controlled independently.
この電流ベクタの2つの要素が、モーターのトルクと磁束生成の要因となります。
これらの要因要素を直接補正することで、トルクと磁束生成を独立に制御することが可能となります。
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FOC for PMSMs
ΣΣ
ΣΣ
ΣΣ 3 Phase
Bridge
QEIQEI
SVMPI PI
PI
-
- -
d,q
α,β
θ
iq
id
d,q
α,β
A
BEncoder
iα
iβ
ia
ib
Motor
α,β
a,b,c
Vα
Vβ
Vq
Vd
iq ref
id ref
N ref
Speed and Position
This allows optimal torque production.
ここで、全体のプロセスのブロック図を示します。ここでは、座標変換、PI繰り返し、逆変換、PWM生成が含まれています。このブロック図にはFOC制御に必要な関数も示してあります。誤差信号はId、Iqとそれぞれの目標値から求められます。 Id目標値は、ロータの励磁制御を行い
ます。
モーターが 大トルクを生成するように設定するには、磁束ベクタとロータ磁極との角度を常時一定に保つ必要があります。これは磁束目標値をゼロにすることで実現します。
磁束とトルクを表すIdとIqが、一定の負荷状態にあると、時間的に不変となることに着目してください。 そして、Iqの目標値がモーターのトルク出力を制御します。
PIコントローラの出力としてVd と Vqが生成され、これがモーターに送られる電圧ベクタとなります。さらに、新たな座標角度変換が、モーター速度、ロータの電気的時定数、Id と Iq に基づい
て行われます。
フィールド オリエンティッド コントロールのアルゴリズムは、新たな角度から次の電圧ベクタを求めますので、ロータ回転を保つトルクが生成されることになります。PIコントローラからのVd とVq 出力は、新たな角度でステータのリファレンスとしてフィードバックされます。 この計算で直交電圧Vα と Vβが求められます。
次に、Vα と Vβの値が、3相の va、 vb、 vcの値に変換されます。3相電圧値が新たなPWMデューティサイクル値の計算に使用され、電圧ベクタを生成します。変換角度のθとモーター速度は、モーターシャフトに取り付けられた光学エンコーダから得られます。このあと、フィールドオリエンティッド コントロールで使用される位置センサを使わずに、この角度を推定する方法に
ついて説明します。
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BEMF (V)
Current (I)
S
N
N
S
θ
S
N
N
S
N
S
Without FOC Torque
θ
T = Fs*Rs*sinθ
PMSM Operation
BEMF (V)
Current (I)
S
N
N
S
90°
S
N
NS
NS
With FOC
このスライドはフィールドオリエンティッド コントロールと従来速度制御とを比較
したものです。
主な違いは、モーターのロータとステータ間の整流角度にあります。
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© 2007 Microchip Technology Incorporated. All Rights Reserved. Sensorless FOC for PMSM Slide 37
Phase-Current Response
PI Speed Control
PI Speed + FOC Control
実際に結果を確認します。
まず、モーターの速度目標値にステップ変化を加えてみます。
上側のグラフは、従来のPI制御ループの場合の電流消費です。
電流消費が0.3Aまで上昇することがわかります。
これに対し、フィールド オリエンティッド コントロールを使用したPI制御が、これ
をどのように改善するかがわかります。
瞬時のレスポンス上昇はありますが、消費電流がすぐに0.2Aに戻っています。
ここで着目したいのは、いずれの場合でもPI制御係数が同じであるにもかかわらず、フィールドオリエンティッド コントロールを加えると、電流消費が 適に抑
えられることです。
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Speed Response
PI Speed Control
PI Speed + FOC Control
次に、速度目標値に同じステップ入力を加えた場合の両方の制御曲線を比較します。
動的応答に顕著な違いがあります。
PI制御プラスにフィールドオリエンティッド コントロールを加えた場合、従来のPI制御ループに比べ、動的応答が著しく改善されています。
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© 2007 Microchip Technology Incorporated. All Rights Reserved. Sensorless FOC for PMSM Slide 39
AgendaDescription of FOC for PMSM control
Description of Sensorless technique used for FOC algorithm
ここでは、位置センサを使用せずに、モーターの位置と速度を計算するテクニックについて説明します。
このアルゴリズムを使用することによって、センサーレスのフィールドオリエンティッド コントロールが可能となります。
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Sensorless FOC for PMSM
ΣΣ
ΣΣ
ΣΣ 3-Phase
Bridge
Position and Speed
Estimator
SVMPI PI
PI
-
- -
d,q
α,β
θ
iq
id
d,q
α,β
Speed
iα
iβ
ia
ib
Motor
α,β
a,b,c
Vα
Vβ
Vq
Vd
iq ref
id ref
N ref
Position Vα
Vβ
このブロック図からわかるように、フィールドオリエンティッド コントロールのブ
ロック部は同じで、モーターを制御するためにステータからロータ位置へ変換しています。
これにモーターの位置と速度の計算をする新規のブロックを追加しています。
この黄色のブロックを見ると、ポジションや速度の入力がありません。
ここでは、電流センサとソフトウェアで求めた電圧が、モーターの位置と速度の推定に使用されます。
IαとIβはモーター巻線の電流計測から得られます。
フィールド オリエンティッド コントロールでは、VαとVβを変数として計算しま
す。
以上の4つの変数が、位置と速度の推定ブロックの入力となります。
では、これらの4つの変数からどのようにポジションと速度を計算するのでしょう
か。
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Position Estimation
es
ωt
-π/2
π/2
Rotor position is calculated with BEMF information
まず 初に、PMSMモーターの特性について説明します。
グラフにモーターのBEMFとロータの位置を示します。すると、PMSMモーター
ではこれら2つの信号の位相には完全な相関があります。したがって、モーターの位置を測定するためには、BEMF電圧を検出あるいは測定する方法を見つ
けることも必要です。
相電圧を計測することでBEMFのゼロクロスを検出するアルゴリズムはいくつかありますが、フィールドオリエンティッド コントロールでは、全サイクル中、各相が駆動されるので、フィールド オリエンティッド コントロール制御にはこれら
の手法は適していません。
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Position Estimation
( )ssss evL
iLRi
dtd
−+−=1
e
Motor
R L
v
i
PMSM Electric Model
PMSM motor has the same electric model as Brushed-DC (BDC) and Brushless-DC (BLDC) motors
ssss eidtdLRiv ++=
BEMFのゼロクロスを検出する方法以外に、PMSMモーターを単純化した電気的モデルを使ってBEMF電圧を推定する方法があります。
各相をモデル化すると、モーターのBEMF、相抵抗と相インダクタンスで構成さ
れていることが分かります。
回路図の右側にある式によってPMSMモーターを表します。この式はブラシDCモーターやブラシレスDCモーターに似ています。
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Position Estimation
( ))()(1)()()1( nenvL
niLR
Tnini
ssss
ss −⋅+⋅−=−+
( ))()()(1)1( nenvLTni
LRTni ss
ssss −⋅+⋅⎟
⎠⎞
⎜⎝⎛ ⋅−=+
この式を電流で微分して解くと、相電流のデジタル表現が得られます。
Sのサブスクリプトがついた変数はすべてαとβの2つの要素のベクタで表示さ
れます。
このベクタ変数において、 Is (n+1)が 新の相電流ベクタとなります。
Is(n) が一つ前のサンプルの電流ベクタとなります。
Vs(n) は一つ前のサンプルの相電圧ベクタで、 es(n) が一つ前のサンプルのBEMFベクタです。
式中の定数において、 Tsはサンプル周期で、 20 kHz で電流をサンプルするものとすると、 Tsは50μsecとなります。
Rは相抵抗でLは相インダクタンスを表します。
モーターのデータシートには、巻線から巻線間の抵抗とインダクタンス仕様が示されているものがありますが、この場合は、2で割って式に適用する必要があ
ります。
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Current Observer
-K
+K
( )zevL
iLRi
dtd
ssss −−+−= *** 1
Vs PMSMIs
I*s
* Estimated variable
+
-
Sign (I*s – Is)
Slide-Mode
Controller
z
Hardware
位置と速度の推定は電流観測機に基づきます。この観測機は、図中の黄色のブロックで示された式で表されるモーターのデジタル化モデルとなります。ここで変数と定数は次のようになります。
• モーター相電流(Is)• 入力電圧(Vs)• BEMF(es)• 巻線抵抗(R)• 巻線インダクタンス(L)• 制御周期(Ts)• 出力補正比率電圧(z)デジタル化モデルはハードウェアのソフトウェア表現となりますが、測定電流と推定電流が一致するためには、デジタル化モーターモデルをクローズドループで補正する必要があります。ここで、2つのモーターの表現を考えてみます。1つは影で示したハードウェアで、もう1つはソフトウェアですが、両システムには同じ入力(vs)が与えられ、測定電流(Is)とモデルの推定電流(Is*)が一致するようにします。ここでは、デジタル化モデルのBEMF(es*)とモーターからのBEMF(es)は同じと仮定します。
スライドモードコントローラ、その頭文字を取ってSMCを、デジタル化モーターモデルの補正に使用します。SMCでは、モーターからの測定電流とデジタル化モーターモデルからの推定電流との差の符号が加減算されます。誤差の計算結果の符合、+1 または -1は、SMCのゲイン(K)に乗算されます。そして、SMCコントローラの出力が補正比率(Z)となります。
このゲインはデジタル化モデルの電圧項として加えられ、このプロセスを、測定電流(Is)と推定電流(Is*)の誤差がゼロになるまで制御サイクルごとに繰り返します。つまり、測定電流と推定
電流が一致するようにします。
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Back-EMF Estimation
( )zevL
iLRi
dtd
ssss −−+−= *** 1
LPF
e*s
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
β
α
eearctan
θ*
z LPFefiltered
*s
* Estimated variable
デジタル化モデルを補正したあとには、モーターモデルは入力電圧(Vs)と電流(Is*)に対して同じ変位量を持つことになります。
その場合、次の手順として、ブロック図に示すように補正比率(Z)をフィルタに通してBEMFの値(es*)を推定します。
BEMFの推定値(es*)は、制御サイクルごとに変数es*の更新値としてモデルに
フィードバックされます。
eα と eβの値、これはesのベクタ要素ですが、θの推定計算に使用されます。
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Back-EMF Estimation
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
β
α
eearctan
θ*
( ) ( )( ) speedK⋅⎟⎠
⎞⎜⎝
⎛= ∑
=
7
0i1-n-n θθω
+
+ θ*comp
ω*
LPFω*filtered
* Estimated variable
その場合、θの計算に適用されるフィルタ関数に従って、計算した角度をモーター巻線の加圧に適用する前に相補正をする必要があります。
θの補正値は、θの変化率や、モーター速度に依存します。
θ補正は、2つの手順で実行できます。
まず 初に、補正前のθに基づいてモーター速度を計算します。
モーター速度はm 回以上のθ値のサンプルを加算し、加算結果に定数を乗算
します。
非補正のθに基づいて速度計算すると、その計算速度にフィルタをかけて補正値が計算できます。
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Current Observer
Vs PMSMIs
I*s
* Estimated variable
+
- -1
+1Sign (I*s – Is)
Slide Mode Controller
z
Hardware
( )zevL
iLRi
dtd
ssss −−+−= *** 1
LPF
e*s
zLPF
efiltered*s
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
β
α
eearctan
θ*
( ) ( )( ) speedK⋅⎟⎠
⎞⎜⎝
⎛= ∑
=
7
0i1-n-n θθω
+
+θ*comp
ω*LPF
ω*filtered
ここでは、ポジションと速度の推定方法全体のブロック図を示します。
推定方法への入力は電圧ベクタVsと電流ベクタIsで、出力は推定θと推定モー
ター速度です。
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Practical Results
Encoder Rotor Position
Estimated Rotor Position
この推定方法で推定されたポジションは、エンコーダにより測定された位置とほぼ一致していることがわかります。
このロータの位置情報が得られれば、フィールドオリエンティッド コントロール
アルゴリズムが実現できます。
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ΣΣ
ΣΣ
3-Phase
BridgeSVM
PI
PI
-
-
d,q
α,β
θ
iq
id
d,q
α,β
iα
iβ
ia
ib
Motor
α,β
a,b,c
Vα
Vβ
Vq
Vd
iq ref
id ref
Motor Startupθ
t
θ
t
Initial Torque Demand
Motor Start Up
センサーレスFOCアルゴリズムは、推定したBEMFに基づいているため、BEMF値を推定できるだけの 低速度が必要です。したがって、モーター巻線は適切な推定角度で加圧する必要があります。
この実行には、モーターのスタートアップ用のサブルーチンが開発されています。
モーターが停止状態でスタート/ストップ ボタンが押されると、daPICはモーター
を回すための正弦波電圧を生成します。そしてモーターを一定の加速比率で回転させ、FOCアルゴリズムで電流IdとIqを制御します。角度θ、つまり整流角度
は、加速比率にしたがって増加します。
モータースタートアップブロックに示したように、モーターを定加速度で、相角度
を二乗比にして増加させます。θがオープンループのステートマシンにより生成されていても、フィールドオリエンティッド コントロールブロックが実行されて、ト
ルク要素電流と磁束要素電流の制御が行われます。
次に、外付けの可変抵抗で、モーターのスタートに必要とされるトルク設定を行います。
この可変抵抗は、機械的な負荷特性によって経験的に設定されます。このスタートアップサブルーチンによってモーターのスタートアップ時のトルクが一定になります。スタートアップ曲線の 後では、ソフトウェアが、位置と速度推定から得られるθに基づくクローズループのセンサーレス制御に切り替わります。
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Main Software State Machine
Reset
Initialize Variables and Peripherals
Motor Stopped
Initialize Variables for
Running Motor
Initialize PI Controller
Parameters
Enable Interrupts
Motor Running Start Up
Read Reference
Torque from VR1
Measure Winding Currents
Convert Currents to Iq
and Id
Execute PI Controllers for
Iq and Id
Increment Theta Based
on RampSet New Duty Cycles using
SVM
Motor Running
Sensorless FOC Read
Reference Speed from
VR2
Measure Winding Currents
Convert Currents to Iq
and Id
Estimate Theta using SMC
Calculate Speed
Compensate Theta Based
on Speed
Execute PI Controllers for Speed, Iq and
Id
Set New Duty Cycles using
SVM
Stop Motor
A/D Interrupt
A/D Interrupt
End of Start Up Ramp
S4 Pressed
S4 Pressed or FAULT
S4 Pressed or FAULT
Motor Stopped
Open LoopFOC
Sensorless FOC
理解しやすいように、フィールドオリエンティッド コントロールのアルゴリズムを
ソフトウェアのステートマシンで示します。まず 初にモーター巻線の加圧をオフとし、システムはユーザーがスタート/ストップボタンを押すのを待機します。ユーザーがスタート/ストップボタンを押すと、システムが初期化ステートに入り、
全変数を初期化し、割り込みを許可します。次にスタートアップサブルーチンが実行され、トルク電流要素(Iq)と磁束生成要素(Id)が制御されて、モーターが回転するよう傾斜を持った整流角度(θ)が生成されます。
スタートアップ サブルーチンが完了すると、システムはセンサーレスFOC制御
に切り替わり、速度制御が実行スレッドに加わって、スライドモード制御、あるいはSMCが、この前に説明した方法でθの推定を開始します。モーターがセンサーレスFOC制御状態のときは、目標速度が外部可変抵抗から連続的に読み込まれ、モーターを停止させるためのスタート/ストップボタンもモニタされます。
そして、システムに異常が発生した場合、モーターは停止され、モーター停止ステートに戻ります。ステート図はソフトウェアの全ての異なるステートと、異なるステートにシステムを移行させる条件を示しています。
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ResourcesFor resources and information regarding designing motor-control applications, visit Microchip’s motor-control design center at: www.microchip.com/motorMicrochip Application Notes for Motor-Control Applications:PIC18CXXX/PIC16CXXX Servomotor AN696Using the dsPIC30F for Sensorless BLDC Control AN901Using the dsPIC30F for Vector Control of an ACIM AN908Sensored BLDC Motor Control Using dsPIC30F2010 AN957An Introduction to ACIM Control Using the dsPIC30F AN984Sinusoidal Control of PMSM Motors with dsPIC30F AN1017Getting Started with the BLDC Motors and dsPIC30F GS001Measuring Speed and Position with the QEI Module GS002Driving ACIM with the dsPIC® DSC MCPWM Module GS004Using the dsPIC30F Sensorless Motor Tuning Interface GS005
後に、モーター制御に関連する技術ドキュメントの一覧を示します。
マイクロチップのウェブサイトで、dsPIC® デジタルシグナルコントローラ、または
テクニカルドキュメントのリンクにアクセスしてください。
www.microchip.com/motorから、マイクロチップのデザインセンターへもアクセ
スできます。
以上でこのウェブ セミナーはおしまいです。 デジタルシグナルコントローラのdsPICファミリに関心をお寄せいただき、まことにありがとうございました。