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インターネットとの関わり方を 考えるためのハンドブック 第一版 プロジェクト「こどもとスマホ」 目次 1. はじめに ………………………………………………………………………………… 1 1.1 本冊子の目的 ………………………………………………………………………………… 1 1.2 本冊子の構成 ………………………………………………………………………………… 1 2. はじめに考えること …………………………………………………………………… 2 2.1 家庭、学校、自治体による違い …………………………………………………………… 2 2.2 社会の特性 …………………………………………………………………………………… 3 2.3 インターネットの特性 ……………………………………………………………………… 4 2.4 子供の特性 …………………………………………………………………………………… 6 3. インターネットに関する問題 ………………………………………………………… 7 3.1 情報とサービスの利用 ……………………………………………………………………… 8 3.2 コミュニケーションの問題 ………………………………………………………………… 10 3.3 ネット依存 …………………………………………………………………………………… 12 3.4 ネットからの出会い ………………………………………………………………………… 13 3.5 個人情報の書き込み ………………………………………………………………………… 14 3.6 他者の権利を尊重する ……………………………………………………………………… 15 3.7 違法・反モラル行為 ………………………………………………………………………… 16 4. 大人も子供も気をつける ……………………………………………………………… 18 5. 用語集 …………………………………………………………………………………… 20

インターネットとの関わり方を考えるハンドブック 第一版

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インターネットとの関わり方を考えるためのハンドブック

第一版

プロジェクト「こどもとスマホ」

目次

1. はじめに ………………………………………………………………………………… 11.1 本冊子の目的 ………………………………………………………………………………… 1

1.2 本冊子の構成 ………………………………………………………………………………… 1

2. はじめに考えること …………………………………………………………………… 22.1 家庭、学校、自治体による違い …………………………………………………………… 2

2.2 社会の特性 …………………………………………………………………………………… 3

2.3 インターネットの特性 ……………………………………………………………………… 4

2.4 子供の特性 …………………………………………………………………………………… 6

3. インターネットに関する問題 ………………………………………………………… 73.1 情報とサービスの利用 ……………………………………………………………………… 8

3.2 コミュニケーションの問題 ………………………………………………………………… 10

3.3 ネット依存 …………………………………………………………………………………… 12

3.4 ネットからの出会い ………………………………………………………………………… 13

3.5 個人情報の書き込み ………………………………………………………………………… 14

3.6 他者の権利を尊重する ……………………………………………………………………… 15

3.7 違法・反モラル行為 ………………………………………………………………………… 16

4. 大人も子供も気をつける ……………………………………………………………… 18

5. 用語集 …………………………………………………………………………………… 20

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1. はじめにインターネット 1は便利な道具ですが、使い方によっては「問題」が生じることがあります。この冊子では、そのような「問題」を示し、「インターネットと、どう付き合ったらよいか?」を考える上での、考え方の例を示します。各家庭にて、子供と一緒にインターネットの問題を考える際の、あるいはインターネット利

用のルールを決める際の、問題理解の一助になればと存じます。

1.1 本冊子の目的

本冊子は、以下を目的に作成しています。

• インターネットとの関わりの中で、起こりうる問題を知る。• その問題が起こるそもそもの要因や背景を知る。• 問題が起こらないようにするための、考え方の一例を知る。

1.2 本冊子の構成

本冊子は以下の章から構成されています。

2. はじめに考えることそれぞれの問題について見る前に、インターネットと、それに関わる社会の特性について考えます。

3. インターネットに関する問題実際の、インターネットに関する問題について考えます。各事例をもとに、それぞれの問題が起こるそもそもの原因や、問題に巻き込まれないための考え方の一例を示します。

4. 大人も子供も気をつける子供だけでなく大人も巻き込まれうる、インターネットのトラブル事例と、その対策を示します。

5. 用語集この冊子の中で用いている、インターネット用語や、インターネットに関する俗語について、簡単に解説しています。

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2. はじめに考えることそれぞれの「問題」を見る前に、まずインターネットとの付き合い方を考える上で、その前

提として、意識しておいた方がよいインターネットの特性と、それに関わる社会の特性から考えます。インターネットが家庭でも使われるようになったのは 1995 年です。それから 20 年、携帯電

話やゲーム機もインターネットに接続されるようになり、爆発的に普及しました。今でもインターネットを利用した新しいサービスが開発され続けています。インターネットや、それを利用したサービスは、新しい技術・サービスのため、この章に示

すような特徴があります。

2.1 家庭、学校、自治体による違い

事例 考え方

家庭、学校、自治体による違い

家庭

• インターネット接続機器の所有や使い方のルールは、家庭により異なる。

学校

• 携帯やスマホを学校に持って行ってよいかどうか、また、持って行ってよい機種は、学校によって異なる。

自治体

• 「夜九時以降中学生以下のインターネット禁止」のような独自のルールを設けている自治体もある。

• それぞれの場所で考え方やルールが異なる。

• 問題に対する対策は、各家庭、学校、自治体で異なる。

• 結局のところ、最後の防波堤は家庭。子供は困ったことがあったらすぐに保護者に相談すること。

それぞれの場所で考え方が異なるので、問題に対応する「正しい答え」を決めることはできません。そこで本冊子では「考え方の一例」を示します。そして結局のところ、最後の防波堤は家庭になります。子供は、困ったことがあったらすぐに保護者に相談するようにしましょう。

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2.2 社会の特性

事例 考え方

新しい言葉、新しい概念

• 以下の様な、新しい言葉で、新しい概念が表されている。

インターネットに関連する用語「World Wide Web2」(ワールド・ワイド・ウェブ、あるいは単に「ウェブ」、「WWW」)「ホームページ 3」、「サイト 4」「アップロード、ダウンロード 5」「アプリケーション 6」(あるいは単に「アプリ」)

インターネットに関連する俗語「炎上 7」、「バカッター 8」

• 子供は、新しい言葉や概念を簡単に覚える。

• 大人にとっては、新しい言葉や新しい概念が、インターネットとそれによる問題の理解を難しくしている。

問題への対応は後追い

• ニンテンドー DS9にて、「中1生が同級生の裸の写真をアップロードする」という問題があり、「画像のシェアサービスが停止」される。

• LINE10にて、「出会い系サイト 11」のような使われ方により、子供が犯罪の被害に合う事例が問題視された後に「18歳未満の LINE ID 12検索が停止」される。

• 2008 年に「青少年ネット規制法」が成立し、携帯電話事業者に対して、青少年へのフィルタリング 13 サービスの提供が義務化された。しかしその後普及したスマホのWi-Fi14接続には効果がない。

• 企業の対応や法令の整備は後追い。

• 企業や行政の動きに先んじて、問題に対応する必要がある。

インターネットに関する言葉は、「5. 用語集」の章にまとめて解説しています。もしわからない言葉がありましたらそちらをご参照下さい。将来、同じような道具が発明されるにも関わらず、企業対応や、文言の改正など法令の対応

が後追いになることが考えられます。そこで本冊子では、将来起こりうる同様の問題にも対応できるよう、問題が起こるそもそもの要因や背景から考えていきます。

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2.3 インターネットの特性

事例 考え方

誰でも情報発信が可能

• 誰でもホームページやブログ 15を作成し、情報発信ができる。

• 掲示板 16や SNS17にメッセージやコメントを書き込む事ができる。

• インターネット上では、作者が無名だとしても「価値がある」と思われればシェアされ、多くの人の目に触れる。

• しかし誰でも情報発信ができることから、その情報の中には、価値の無い情報、有害な情報も多数ある。

様々な機器が接続可能

• インターネットに接続出来る機器 18

・PC ・タブレット・携帯電話 ・スマートフォン(=スマホ)・ゲーム機 ・携帯ゲーム機・携帯音楽プレーヤー・テレビ

(将来、インターネット接続可能な機器はさらに増えることが予想される。)

• スマホ、携帯、及び携帯ゲーム機は、トイレでも寝床の中でも利用可能。

• ウェブ上にある、情報の閲覧とサービスの利用は、すべての機器で可能。

• 利用できるアプリには差があるが、意図しない機器でアプリが利用できることもある。(LINE は、タブレットや携帯音楽プレーヤーでも利用可能。)

意識しなくても接続

• ブラウザ 19を起動すれば、すぐにインターネットつながる。

• スマホや PCのアプリの多くが、裏側でインターネットに接続して情報を送受信している。

• アプリの中には、自分が意図しない個人情報(場所など)をインターネットに送信するものもある。

• アプリを介しても、インターネット接続している。

• アプリやサービスの提供企業に、「どのような情報を預けているか?」を気にかける。

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事例 考え方

「匿名性」があると思われている

• インターネット上の掲示板や SNS などでは、実名を設定する必要がないものほとんど。

• 「自分が誰だかわからない」と思いこんで、以下の様な行為を行ってしまう。

- 他人の誹謗中傷を書き込む。

- 自分の違法行為、反モラル行為を書き込む。

• インターネット上のサービス、およびプロバイダ 20

では、接続記録がなされている。

• 警察の捜査の際には、それらの接続記録が参照され、個人が特定される。接続記録の開示請求訴訟も可能。

• SNS に分散して書き込んだ情報を総合し、個人が特定された例も多数ある。

• 「自分が誰だかわからないこと(匿名性)」をあてにして、勝手な振る舞い、迷惑な振る舞いをしない。

ネットの情報は永久に残る全世界発信

• インターネット上の掲示板や SNS などで以下を行う。

- 実名等の個人情報を書き込む。あるいは意図せず書き込まれる。

- 個人的な写真をアップロードする。あるいは意図せずアップロードされる。

• それらの書き込みや写真が、

- 意図していない人に見られる。

- 様々なサイトに転載される。

• それぞれのサイトに対して削除要請しても追いつかない。あるいは海外のコンピュータに転載され、削除要請すら困難になる。

• インターネット上に書き込んだり、アップロードしたりした情報は、基本的には、永久に残り、誰にでも見られる、と意識する。

• 見ることが出来る人を限定していたとしても、見ることの出来る人は、他のところに転載することもできる。

るいは海外のコンピュータに転載され、削ら困難になる。

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2.4 子供の特性

(この節は、保護者に向けています。)

事例 考え方

慣れ、覚えが早い

• 教えていないのに、小学校低学年の子供が携帯でメールが打てるようになっていた。

• 4 歳位でも iPad やスマホを使いこなしている。

• 子供は、機器の操作も、言葉や概念もすぐに覚える。

• しかし大人はそれらを覚えるのは困難。

• 中には「親はわからないから」とナメる子供もいる。

欲求に対して努力を惜しまない

• ある学校にて、ゲーム等のアプリが勝手にインストール 21できない「制スマホ」を定め学校に持込可とした。しかしインストール制限の回避方法が子供に発見され、その方法が生徒間に伝わった。結局は授業や生活に支障をきたすということで「制スマホ」は廃止になった。

• 小学生がパスワードの要らないWi-Fi を見つけ、そこに友達とニンテンドー DS を持って集まる、という現象が見られた。

• 子供は、欲求に対しては努力を惜しまない。

• 新しいものに対しては、大人の想定しない使い方を「発明」する。

• その「発明」が問題行為である場合や、問題への対策に対する「抜け道」の場合もある。

• それらの「発明」は、友だちとの間で共有される。

大人は新しいことを覚えることが大変ですが、子供を守るためです。子供と一緒にがんばって新しいことを吸収しましょう。

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3. インターネットに関する問題この章では、インターネットに関する問題を分類ごとに示します。問題の分類ごとに、以下の様なまとめ方をしています。

そもそも 考え方

• 問題のそもそもの原因や背景を示します。

• 問題に対応するための、基本的な考え方を示します。

事例 解説 考え方

• 問題の具体的な事例を示します。

• さらに小さく分類している問題もあります。

• 問題の説明をしています。

• 事例の結果どのようなことになるか、という結果を示していることもあります。

• 問題に対応するための、具体的な考え方の例を示します。

• ここを参考に、ご家庭ごと子供に適切な方針を考えます。

データ

• 平成 25 年度の内閣府の調査結果から、ページ中の問題に関連する項目を示します。尚、カッコ内は平成 24 年度の数値です。

• 引用元:内閣府「平成 25 年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(速報)」第 II 部「調査の結果」、第一章「青少年調査の結果」、第 1節「携帯電話の利用状況」、(9)「インターネット上の経験」

• http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h25/net-jittai/html/index.html

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3.1 情報とサービスの利用

そもそも 考え方

• インターネット(=ネット)上には、自分のためになる情報・役に立つ情報(=有益な情報)だけでなく、悪い影響を与える情報(=有害な情報)もある。

• 一見正しそうな情報にも、偏った見方で書かれているもの、伝言ゲームで内容が変わっているもの、誤解しやすいものがある。

• ネット上には自分に悪い影響を与える情報もある。

• ネット上の情報を、「自分にとって必要なもの」と「必要でないもの」とに分けられることが重要。

事例 解説 考え方

有害情報

• ネット上には、性的表現、暴力、残酷な表現やホラー、麻薬や犯罪に関する情報などがある。

• 映画の年齢制限のように、ネット上の情報を見ることを年齢で制限できない。

• 有害情報の発信元が海外のコンピュータの場合、日本からは規制ができない。

• パソコンやスマートフォンに「フィルタリング機能」を導入する。

• 「フィルタリング機能」の設定をするときには親子で話し合う。

情報の利用

• ウィキペディア 22を参照してレポートを書く。

• ネットの情報をそのまま信じて、自分のブログの中である団体を批判し、裁判の一歩手前になった事例もある。

• ウィキペディアの利用が禁止されていないとしても、課題を出した先生には、ウィキペディアの情報を使ったことは分かる。

• 情報の発信者 ( 発信元 ) が誰なのか、インターネットのサイトが信頼できるかどうか、確かめる必要がある。

• 調べ物をするときは、ネット上の情報だけに頼るのではなく、図書館等も活用する。

• ネット上の情報を元にして調べ物をする場合は、少なくとも3つの記事を読み、情報の正しさを確認する。

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事例 解説 考え方

課金サービス

• 子供が iTunes Store23の決済パスワードを知って、それを使って勝手にアプリをダウンロードした。

• 子供が勝手に親のクレジットカードを使って買い物をしてしまった事例は複数。

• 小学生の場合はパスワード感覚なのかもしれない。

• 小さい事案が起きたときに、家庭や学校での良い教育の機会とする。

データ

• 親に話しにくいサイトを見たことがある:2.7%(1.6%)

• プライバシーを侵害したり、差別的な内容が掲載されているサイトにアクセスすることがある:0.2%(0.3%)

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3.2 コミュニケーションの問題

そもそも 考え方

• 文字によるコミュニケーションには、イントネーションや表情がないので、正確に伝わらない。

• 正反対の意味に受け取られる言い回し(例:「いいです。」「結構です。」)もある。

• それなのに「話し言葉」によるコミュニケーションと同じ感覚で、「文字によるコミュニケーション」をとっている。

• 文字によるコミュニケーションは、「話し言葉」によるコミュニケーションとは異なる、そして難しい、ということを理解する。

• 発信した文章やメッセージを、他人が読んだときにどう思うか考える。

• 「他人と自分とは考え方が異なる」ということを理解して配慮する。

事例 解説 考え方

友達とのコミュニケーションのすれ違い

• LINE にて、もらったプレゼントの写真の後に「かわいくない」と発信。翌日仲間はずれに。

• 「かわいくない?↑(かわいいよね。)」という意味のつもりが、「かわいくない↓」(否定)ととらえられる。

送信するとき

• 送信ボタンを押す前に誤解が生じないか読み直すこと。特にしゃべり言葉を書いた場合には注意!

受信したとき

• 読んで不快に感じた時は、まず冷静に。

• 読み返してわからない場合は、翌日対面で聞けば良い。

• 翌朝にケンカや仲間はずれをするのは早すぎる。

• LINE にて、「××ちゃん、おかしい」と発信。翌日ケンカに。

• 「可笑しい(愛嬌がある人)」という意味のつもりが、「変・奇妙な人」ととらえられる。

• ブログに何気なく書かれた言葉を、いじめと感じて不登校になった事例も。

時間泥棒

• 何のイベントでもないのに「クラスで一番かっこいい人、かわいい人は?」のようなアンケートを回す。

• 読んだり返信に 5 分かかるメッセージが100 人に回ると、述べ 8 時間が消費される。

• 一斉送信やチェーンメールは、回った人の分だけの時間を消費することを意識する。

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事例 解説 考え方

誹謗中傷する

知っている人に悪口

• 学校裏サイト 24や LINEにて、悪口を書き込む事例多数。

知らない人に悪口

• ある掲示板には、他人への敵意をむき出しにした書き込みや、相手を傷つけようとする書き込みが多数ある。

• 悪意のある書き込みが、自殺や殺傷事件にまで至ってしまった事例が複数ある。

• 悪意のある書き込みが、侮辱罪や名誉毀損罪にあたることも。

• 他人の悪口を書き込むと、自分自身も「その程度の人間」と思われてしまうことを理解すること。

• 「匿名だからかまわない」と思わないこと。警察の捜査やインターネットプロバイダへの情報開示要求で書き込みをした人は特定できる。

LINEのようなアプリの問題

• 「(食事中や夜間にも返信しないと)いじめられる」と子供に言われると、親は何も言えない。

• 既読スルー(読んだのに返信しないこと)をすると、仲間はずれやケンカになる。

• 「トークにすぐに返信しないと生きていけない」と高校生。

• LINE の相手に配慮しているつもりで返信していても、一緒に食事をしている人たちには失礼。

• 歩きながらスマホをいじり、ホームから転落したり、交通事故にあったりした事例もある。

• LINE に縛られる状態が続き、「ネット依存」になる場合がある。

• 食事中、歩行中、人との会話中にスマホをいじるのは、失礼にあたったり、モラルに反したりする。

• 夜間、緊急でないのにメッセージを送信することも、モラルに反する。

• トークをする友だちとは、以下のことを考えておく。また、家庭でもルールを考えておく。

- すぐに返信が必要か?

- 夜間のトークは必要か?

- トークの打ち切るサインは?

データ

• インターネット上の人間関係で悩んだことがある:1.8%(0.9%)

• 悪口やいやがらせのメールを送られたり、書き込みをされたことがある:3.8%(3.4%)

• 悪口やいやがらせのメールを送ったり、書き込みしたことがある:0.8%(0.1%)

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3.3 ネット依存

そもそも 考え方

• そもそも、人は興味のあることを自分で制限することは、なかなかできない。

• ゲームやサービスの作り手は、そもそも依存になるように作っている。

• LINE 等のコミュニケーションについては、「友達といつもつながっていないと不安になってしまう」という心理がある。

• 制限したほうが良いことは、まず自分で制限するよう心掛けてみる。

• (例)

- パソコンやスマホ、携帯電話の 1日の使用時間

- 夜 9 時以降は使用しない

- それでも子供が自分で制限できないのであれば、親が制限する。

事例 解説 考え方

ゲーム・動画

• 子 供 が 親のスマホでYouTube25を視聴し過ぎてしまったため、通信量を制限されてしまった。

• 韓国や中国ではネットゲーム(オンライン・ゲーム ) で寝食を忘れ、死亡した事例もある。

• ネットゲームで夜更かししてしまい、学校に遅刻してしまう。

• ネット依存の症状。

- 生活が不規則になり、睡眠不足になる。

- 携帯やスマホが手元にないと不安になる。パニックになることもある。

- 頭痛、めまい、肩こり、吐き気などの症状がでる。

• 仙台市教育委員会は、学力が低下するという調査結果を元に「携帯やスマホの使用時間は、1 日 1時間を目安に」と呼びかけている。

• 家庭の中で、パソコンやスマホ、携帯電話等の使用時間や使用場所についてのルールを決める。

• PC、スマホ、携帯音楽プレーヤーではペアレンタルコントロール 26機能を導入し、以下の機能を使う。

- 使用時間のレポート機能

- 使用時間制限機能

• 使用時間や使用場所のルールを決めるときや、ペアレンタルコントロールの機能を導入するときは、親子で話し合って決める。

コミュニケーション

• 起きてから寝るまで常にLINE をチェックしている。

• LINE でトークしていて、夜 3 時を過ぎることがある、と高校生。

データ

• インターネットにのめりこんで勉強に集中できなかったり、睡眠不足になったりしたことがある:15.4%(10.8%)

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3.4 ネットからの出会い

そもそも 考え方

• ネット上のコミュニケーション(SNS、LINE 等)で意気投合した人と「会ってみたい」との欲求がある。

• そのような人と会う場合の危険性について学んだり理解したりする機会がない。

• ネット上の自己紹介では、簡単にウソがつける。写真も本人のものとは限らない。

• SNS や LINE 等知り合った人と会うことで、危険な目にあった事例があることを知る。

事例 解説 考え方

• 出会い系サイト、SNS、LINE 等で知り合った人に会い、犯罪(誘拐、性犯罪)の被害に合う事案は多数。

• ネット上で知り合って、同学年の女の子だと思って会いに行くと、そこに大人の男がいて「娘のところに連れて行ってあげる」と言われた事案も。

• LINE ID の 交 換 は、掲示板やメッセージ交換アプリを使ってなされている。

• それらの掲示板やメッセージ交換アプリは、「出会い系」や「LINE ID の 交 換をする」ということを説明してはない。しかしそのような使い方をする人が集まっている。

• 小学生などの場合は、基本的に会っては行けない。会う必要がある場合は、親が同伴する。

• 少しでも「怪しい」と思った時は、必ず身近な大人に相談すること。

• 「出会い系」のような使われ方をしているアプリ、サイトは使わないこと。

データ

• SNSサイトやゲームサイト、メッセージやチャット等で知り合った人と会ったことがある:2.1%(2.0%)

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3.5 個人情報の書き込み

そもそも 考え方

• 何が個人情報かわかっていない。 • 個人が特定されうる情報すべてが個人情報。

• 具体的には、名前、住所、学校に結びつくもの。

事例 解説 考え方

個人情報の書き込み

• プロフ 27に個人情報を書いている。

• 写真投稿サイトに親が子供の写真を掲載したところ、その子供が特定されてしまい、いじめの標的に。

• SNS や掲示板で、小学生のふりをして「個人情報」を聞き出し、個人を特定しようとした事例があった。地区名や行事の日程等のちょっとした情報でも、聞き出してまとめていくと、個人が特定できる。

• ネット上で集中的に非難された(=炎上した)事例で、書き込まれたことがまとめられて、個人が特定された事案は多数。

• ちょっとした関わり、あるいはネット上の情報だけでも、一方的に好意を持ったり、逆に敵意を持ったりする人もいる。

• そ の よ う な 人 が、ネットから個人情報を得て、悪用しようとすることは十分考えられる。

• 写真にも位置情報(=どこにいるかが分かる情報)が含まれている場合がある。また、写真に写っている背景から、その人がいる場所が特定されたケースも多々ある。

• 自分に関しても、他人に関しても、基本的に「個人情報をネットに書き込んではいけない」ということを認識する。

• 電話番号、メールアドレス 28、LINE ID などの連絡手段も同様である。

• 個人についてのちょっとした情報でも、まとめることによって個人が特定できてしまうので注意する。

• 写真や GPS29 などの位置情報についても注意する。

データ

• SNSサイトなどに自分や他人の情報(名前や写真、メールアドレスなど)を書き込んだことがある:4.4%(3.4%)

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3.6 他者の権利を尊重する

そもそも 考え方

• 「著作権」や「肖像権(パブリシティー権)」、「プライバシー」というものについて理解していない。

• 「著作権」「肖像権」「プライバシー」を理解する。

• 他者の権利を尊重する。

事例 解説 考え方

肖像権・プライバシー

• 見かけたタレントの、プライベートの写真を撮影し、SNS にアップロードする。あるいはプライベートな行動を発信する。

• 電車内やコンビニ店内で一般の人の写真を撮影しSNS にアップロードする。

• これらは反モラル行為なので集中的に非難されうる。(= 炎上)

• そして投稿者の個人情報が、ネット上に暴露されることにも繋がる。

• 基本的に、同意を得ずに他人の写真を撮ってはいけない。

• 他の人について、個人情報だけでなく、プライベートな情報も発信しない。

著作権侵害

• 中学生が、「少年ジャンプ」や「少年サンデー」のマンガを YouTube にアップロードし、逮捕される。

• 自分のブログ等に、ネット上にある写真を勝手に使ってしまい、集中的に非難を受ける(=炎上する)。

• 大人のタレントまでもそのようなことをしてしまった事例がある。

• 「著作者の権利」について学び、普段から「著作者の権利」を意識し、尊重しなくてはいけない。

• 対象となるもの(=著作物)は、文章、画像、動画、楽曲、演奏や上演など。

• 以下の場合は他の人の著作物でもコピーできる。

- 私的利用(自分と家族のみ利用)。

- 授業で利用(教室内)。

- ルールに基づく「引用」。

• これ以外の場合は、著作権者の「利用許諾」を確認すること。これが分からない場合は、コピーして配らない、発信しない。

• 違法アップロードされたもの(著作権者の許可なくアップロードされたもの)は、ダウンロードだけでも違法。

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3.7 違法・反モラル行為

そもそも 考え方

• 「違法行為」、「反モラル行為」を理解していない。

• 「違法行為、反モラル行為にあたる発信をしたらどうなるか?」ということを想像できない。

• そもそも「違法行為」や「反モラル行為」はしてはいけない。

• 「違法行為」「反モラル行為」を理解する。

• 「批判を引き起こすような発信をするとどうなるか?」を知る。

事例 解説 考え方

なりすまし・名誉毀損

• 他の生徒の実名を使って、卑猥な書き込みをした。その結果、名誉毀損で逮捕された。

• 児童が「小学生専用」と宣伝しているサイトに担任教師の実名を入れて投稿。裁判の一歩手前までいってしまった。

• 刑事事件としては、侮辱罪や、名誉棄損罪にあたる。

• 民事事件としては、名誉毀損で損害賠償請求がなされうる。

• 「いたずら」のつもりでも、被害に合う人がいれば、それは「犯罪」である。

その他の犯罪

いじめのネット投稿

• 小学生、中学生男子が、いじめの写真を撮影してネットに投稿する。

• 中学生が強要罪で逮捕された事例がある。

• 同意のない他人の写真は撮ってはいけない。

不正アクセス

• 小学生が、中学生のアメーバ ID、パスワードを聞き出し不正アクセス。補導される。

• 「不正アクセス防止法違反」にあたる。

ウソの犯罪予告

• 大学生が自分の通う大学の爆破予告をツイッターに書き込み逮捕される。

• 「威力業務妨害罪」にあたる。

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事例 解説 考え方

違法・反モラル行為の自慢

• Twitter30 や YouTube に「違法行為」や「反モラル行為」の写真・動画をアップロード。

- 不衛生な食器、食品の扱い

- 線路への立ち入り

- いじめ、暴力、破壊

- 動物虐待

- 飲酒、喫煙、交通違反

- 他人の写真の晒し行為

• アップロードしたことがネット上で集中的に非難される(=炎上する)。

• その人の名前や学校等の個人情報がネット上に書き込まれ、広められていく。

• 違法行為・反モラル行為をアップロードした人が特定されると、その人に停学、退学、内定取消などの処分がなされる。

• 損害賠償請求がなされることもある。

• ネット上に個人情報が残り、自身や家族にとって精神的苦痛が続く。

• Twitter 等 の イ ン タ ーネットへの発信は、「全世界発信であり、永久に消せない」ということを理解する。

• ネット上に書き込まれたり広められたりした個人情報も、ネット上に永久に残ることも理解する。

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4. 大人も子供も気をつける本章では、子供のみならず、大人もよく巻き込まれる一般的なトラブルに関して、事例と対

策を示します。

事例 対策

迷惑メール

• いらない広告メール(出会い系、儲かる、など。)

• 知らない人からのメール。URL31リンクをクリックさせようとする。

• 架空請求。利用してないサービスの料金請求や、訴訟をちらつかせる。

• メールフィルタ 32を設定する。

• 怪しいメールには返信しないで削除する。

• 「身に覚えがない」という返信もしてはいけない。

• 怪しいメールの URL リンクはクリックしない。

怪しいサービス

怪しいサイト

• あるサービスに登録したら、意図しない出会い系サービスにも登録されていた。

• 懸賞が当たるサイトにメールアドレスを入力したら、迷惑メールが大量に届くようになった。

• 信頼できるサイト以外には、個人情報、メールアドレス等を書き込まない。

• 登録前にサービス名を検索して評判をしらべる。

意図しない

ダウンロード

• PC にて、フリーソフト 33をダウンロードしようとしたら、怪しいソフトがダウンロードされた。

• 有名なオープンソース・ソフトウェア 34のサイトでも、ダウンロードのページにある「Download」のボタンはほとんどが偽物。

• フリーソフトのダウンロードは、信頼できるサイト以外からは行わない。

• Windows35の場合は、ダウンロードされるファイルの拡張子を確認する。exe36ファイルがダウンロードされる場合は注意!

意図しない

インストール

• PC にて、ファイルをインストールしている時に、うっかり「次へ」をクリックしていたら必要ないアプリまでインストールされた。

• 有名なフリーソフトでも、インストーラー 37で注意していないと意図しないアプリがインストールされてしまうことがある。

• インストーラーの実行中は表示される情報を読んでから適当なボタンをクリックする。

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事例 対策

怪しいスマホの

アプリ

• スマホにて、怪しいアプリをインストールしてしまう。

• 漢字入力アプリで、入力結果が提供企業に送信されていた事例もある。(企業はアプリの「欠陥」と発表。)

• インストール前にアプリの名前を検索して評判を調べる。

• インストール時に表示される、利用するスマホの機能を確認する。そのアプリは本当にネット接続や、位置情報が必要?

ウィルス

マルウェア

• PC がコンピュータ・ウィルス 38に感染する。

• その結果、PC のファイルが突然消えたり、起動しなくなったりする。

• アンチウィルスソフト 39を導入する

• アンチウィルスソフトは、定期的に更新する。

• Windows の場合は、拡張子を表示し、怪しい拡張子のファイルはクリックしない。(「exe」は注意。)

Winy

・Share40

• Winy や Share にてウィルスに感染し、コンピュータ上のファイル(営業秘密に当たるものや、プライベートの画像など)が勝手にシェアされる。

• Winy、Share といったアプリは違法なファイルの共有にも利用されている。

• Winy、Share などのファイル交換アプリはインストールしない。

乗っ取り

• LINE 等の SNS で、他人に自分のユーザーを利用され、不本意なメッセージを発信される。(アカウントの乗っ取り。)

• 推測されにくいパスワードを設定する。

• パスワードは決して他人には教えない。

• 時折、パスワードを変更する。

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5. 用語集

1. インターネット世界中のコンピュータ、あるいはコンピュータを内蔵する機器を接続し、通信を可能にした

コンピュータ・ネットワークが「インターネット」です。ネットワーク上のそれぞれのコンピュータは、目に見えるケーブルや、目に見えない無線によって繋がれています。しかし一般には、後に述べるWorld Wide Web の意味で「インターネット」あるいは単に「ネッ

ト」という言葉が使われています。

2. World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)ホームページは、ハイパーリンク(クリックすると、他のページにジャンプする機能)によっ

て複雑に繋がっています。この繋がりを線として絵に書くと、まるで蜘蛛の巣(web)のようにみえることから、インターネット上のホームページやサイトの広がりを「World Wide Web」(ワールド・ワイド・ウェブ:世界中に広がった蜘蛛の巣、の意味)といいます。あるいは単に、「ウェブ」、「WWW」と言ったりします。

3. ホームページインターネット(ウェブ)上にある、文字や画像で構成されたページが「ホームページ」です。

4. サイト企業や学校などが、自身の情報を発信している複数のホームページのまとまりが「サイト」(イ

ンターネット・サイト)です。ウェブ上で提供されているサービスも「サイト」と呼ばれています。

5. アップロード、ダウンロード手元の機器から、ネットワーク上のコンピュータに画像などのファイル(情報の集まり)を

送信することを「アップロード」といいます。逆にネットワーク上のコンピュータから手元の機器に、アプリ、画像、動画などのファイルを受信することを「ダウンロード」といいます。

6. アプリケーション、アプリ例えばウェブ・ブラウザ、メールソフト、ゲーム、ワープロなどのコンピュータやスマホの

各機能が「アプリケーション」です。「ソフトウェア」(あるいは単に「ソフト」)もほぼ同様の意味です。

7. 炎上ブログ、SNS などサービスの書き込みに対して、多くの人から非難のコメントがなされるこ

とがあります。非難の意味を込めて、他の掲示板や SNS に転載されることもあります。このような現象が「炎上」と言われています。さらには、元の書き込みをした人の、名前や学校などの個人情報が特定され、所属する学校に多くの人から非難の電話がなされることもあります。

8. バカッターTwitter(後述)に違法行為や反モラル行為を書き込むことが、「バカッター」と言われています。

その後「炎上」します。

9. ニンテンドー DS任天堂が発売している携帯型ゲーム機です。ニンテンドー 3DS は、DS の後継機です。

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10. LINE(ライン)メッセージ交換、インターネット電話、およびゲームを提供するサービス、またはそのアプ

リケーションの名前です。2011 年のサービス開始以降、青少年を始めとする、その利用者数は拡大しています。LINE 上でのメッセージの交換は「トーク」と言われています。

11. 出会い系サイト不特定の男女の「出会い」を目的とした掲示板のことです。出会い系サイトでの「出会い」から、

青少年が犯罪の被害に合う事案が問題になり、2003 年に「出会い系サイト規制法」が成立しました。

12. LINE ID(ライン・アイ・ディー)LINE はもともと「電話番号を知っている人(普通に知っている人)とのコミュニケーション」

がコンセプトのアプリでした。しかしこの「LINE ID」とよばれる利用者が設定した文字列を掲示板等で交換することで、簡単に知らない人とも簡単に「つながる」ことが可能です。

13. フィルタリングウェブ・ブラウザにて、有害なホームページが見られないようにする機能のことを「フィル

タリング」といいます。

14. Wi-Fi(ワイファイ)無線にてコンピュータ・ネットワークを構成できる、無線 LAN の規格の名前です。インター

ネットに無線で接続できる場所を「Wi-Fi スポット」、無料接続サービスを「無料Wi-Fi」のように言ったりします。

15. ブログ個人が、ウェブ上に簡単に記事を書けるサービス、及び、そのようなサービスを利用して作

成したサイトを「ブログ」(Weblog、blog)といいます。日記を書くように使われていることもあります。

16. 掲示板個人個人がコメント、メッセージを書き込めるホームページが「掲示板」です。

17. SNS(Social Networking Service:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)交流を目的に、個人個人が書き込みでき、またそれに対してコメントを返すことができるサー

ビスが「SNS」です。掲示板から発展しました。SNSとしては、mixi、Facebook、Twitterなどのサービスが有名です。LINE も SNS と考えられます。

18. インターネットに接続出来る機器インターネットに接続が出来る機器は多々ありますが、これらの機器は共通して「コンピュー

タ」です。ここでは「PC(パソコン)」、「タブレット」、「スマホ(スマートフォン)」、携帯音楽プレーヤーについて簡単に述べます。「パーソナル・コンピュータ」を省略して「パソコン」「PC」と言っています。表示ディスプレイと一体型にしたノート・パソコンの、さらにキーボードをなくしてボード型になったものが「タブレット」です。タブレットを小さくして携帯電話ができる部品を搭載したものが「スマートフォン」、略して「スマホ」になります。スマホから携帯電話ができる部品をなくし、専用の

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アプリケーションを搭載したのが、iPod touch や Walkman Z のような、高機能携帯音楽プレーヤーです。もちろんゲーム機、携帯型ゲーム機もインターネットに接続可能なコンピュータです。

19. ウェブ・ブラウザホームページを見ることが出来るアプリケーションが「ウェブ・ブラウザ」です。単に「ブ

ラウザ」とも言います。

20. プロバイダインターネットへの接続を提供する会社を「インターネット・サービス・プロバイダ」、ある

いは単に「プロバイダ」と言います。

21. インストールアプリケーションをコンピュータやスマホに設定し、利用できるようにする作業を「インス

トール」といいます。

22. Wikipedia(ウィキペディア)無料の百科事典サイトです。編集をしたい人なら誰でも編集に参加できる、多くの人が協同

で編集する百科事典です。

23. iTunes Store(アイ・チューンズ・ストア)iPhone、iPad、iPod 等アップル社の製品に、PC から音楽、動画データやアプリを転送する

アプリが iTunes です。この iTunes と連動して音楽、動画データやアプリを購入できるサービスが「iTunes Store」です。インターネット接続可能なアップル社の機器では、PC がなくとも直接「iTunes Store」から購入することが出来ます。

24. 学校裏サイト無料の掲示板作成サービスを利用して子供が作成した、学校の友だち同士で利用する「公式

でないサイト」のことが「学校裏サイト」と呼ばれています。

25. YouTube(ユーチューブ)動画投稿サイトです。PC やスマホから動画をアップロードし、世界中の人に発信することが

できます。

26. ペアレンタルコントロール子供が有害な情報に接しないように、親が適切に情報をコントロールしてあげることを「ペ

アレンタルコントロール」と言います。狭い意味では、PC やスマホのフィルタリング機能、利用時間制限機能、利用アプリ制限機能などの、親が設定してあげる機能を指します。

27. プロフ自己紹介を書く、プロフィール・サイトのことです。携帯電話などで、名刺交換の感覚で青

少年に使われました。

28. メールアドレスインターネット・メールの「宛先」です。「@」や「.」で区切られたアルファベットや数字

の列です。

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29. GPS(ジー・ピー・エス)人工衛星からの電波を元に、地上での位置が特定できるシステムの略称です。携帯電話やス

マホには GPS による位置計測機能が内蔵されており、地図と連動したナビゲーションアプリなどがあり便利です。しかし撮影した写真に位置情報を記録したり、SNS に位置情報が自動で書き込まれたりして、個人が特定される原因にもなります。

30. Twitter(ツイッター)140 文字の短い文章を書き込めるサービスです。連動するサービスで写真のアップロードも

可能です。不特定多数の人に対して発信することをコンセプトに作成されています。

31. URL(ユー・アール・エル)ホームページには「http://」あるいは「https://」から始まる住所のようなものが割り振られ

ています。これを URL といいます。ハイパーリンクには、見えないところに URL が書かれています。

32. メールフィルタ迷惑メールを自動的に削除する機能のことです。携帯電話では事業者がメールフィルタの

サービスを提供しています。

33. フリーソフトインターネット上で、無償で提供されているソフトウェア、アプリケーションのことです。

34. オープンソース・ソフトウェアソフトウェアのプログラムが公開されおり、誰でも改良して利用ができるソフトウェアです。

35. Windows(ウインドウズ)マイクロソフト社が提供している、PC、タブレット(あるいはスマホ)の基本的な機能を提

供するソフトウェアの名称です。

36. .exe(エグゼ)Windows では、ファイル名の末尾に「拡張子」と呼ばれる部分があり、ファイルの種類を表

しています。しかし設定していない状態では、この拡張子は表示されていません。拡張子が「.exe」であるファイルは、「実行可能なファイル」つまりアプリケーションです。マルウェアも拡張子が「.exe」であることが多いのですが、他のファイルのアイコンに偽装されていることがあり、気付かずにダブルクリックすると実行されてしまいます。(その前に警告が表示されます。)

37. インストーラーアプリケーションをインストールするソフトウェアが「インストーラー」です。PC では、「イ

ンストーラー」によってウィンドウが開き、そこに表示された質問に答えながらボタンを押していくことでアプリのインストールができます。

38. マルウェア、コンピュータ・ウィルスコンピュータのファイルを勝手に削除したり、勝手に情報をインターネットに送信したり、

コンピュータを起動しなくさせたりするような、悪意のあるソフトウェア(アプリケーション)を「マルウェア」といいます。マルウェアの中でも、他のコンピュータに感染するものが「コンピュータ・ウィルス」です。

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ネットワークを介して、他のコンピュータにも勝手にインストールされる様子を「感染」と表現しています。一般には、感染しないマルウェアも「ウィルス」と言われています。

39. アンチウィルスソフトマルウェア、コンピュータ・ウィルスなどの悪意のあるソフトウェアが、コンピュータにイ

ンストールされないように警告したり、インストールされてしまった悪意のあるソフトウェアを削除したりするアプリケーションです。

40. Winy、Share(ウイニー、シェア)ファイル交換アプリです。これらのソフトは独自にネットワークを形成し、ファイルを共有

します。ダウンロードのみをしているつもりでも、内部ではアップロードも行われています。

インターネットとの関わり方を考えるためのハンドブック

2015年 5月31日  第一版

編集  こどもとスマホ

イラスト 有我すずな

URL   http://www.sogen-yugen.org/kodomo-sumaho/

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     ©2015 こどもとスマホ

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