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NECTJ Annual Conference 2014: Brooklyn Gakuen

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マルティレベルに対応したカリキュラムと指導

―PreK クラス K 君、 C 君の一年と          K 1クラスでの『みず』『のりものくらべ』のテーマを通して

ブルックリン日本語学園大橋亜由美・ガルシア奈津子

ブルックリン日本語学園マルティレベル児童

開園時の入園児童 マルティレベルの現状

言語環境 生活言語(家庭・学校)英語 

授業の中でのマルティレベル対応の工夫 

家庭言語にどのように日本語を加えていくか―学園での取り組み

K1 クラス― マルティレベルにも対応した カリキュラム と指導上の工夫

子ども達全員参加の授業

日本語の技能の差をどのように指導するか

家庭でも日本語を使っての交流を起こす

カリキュラムの概要(7回/3時間クラス)

様々な実験を通して水に興味を持たせ、自然に深い学びへと発展させる

知識を共有し言葉に繋げる

「みず」 

① 水の性質 

② 水の三態 

③ 水の循環

「みず」のテーマ

「みず」の導入教材に入る前の導入によって、活動に対する期待感を持たせる

♪ 雪やこんこ 折り紙シアター

フルーツジュースに

大変身マジック

水の三態*固体水を冷やす実験氷結点色のついた氷実験遊び:氷鬼*気体水を温める実験水蒸気沸点*液体溶解力実験

水の循環水のたびジャンプ

水の性質*水の変身(雪、水玉レンズ、表面張力)雪の結晶作り雪と氷の観察水玉レンズ実験表面張力実験墨流し(表面張力)*水の音雨の音実験クラシック音楽:ドビュッシー「雨の庭」ショパン「雨だれ」

実験手耳

体感 体で表現唱える

目体

みず

話す→書く、聞く 話す: KWL 水について知っている事、知りたい事、気がついた事を話す。

聞く:研究室での約束、説明を聞く。

やっ

たあ

はか

せに

なれ

た!

研究

室に

はい

るぞ

。静

かに

。静

かに

  氷と雪の観察    水玉レンズ実験

 表面張力実験    墨流し実験 溶解力実験

実験を通して理解

水を温める実験

水を沸かす 温度(沸点)  水を凍らす 温度(氷結点)

色のついた氷実験

雨の音実験

読む 書く

実験用紙を読み、結果を書く。

レベル 1       レベル2     レベル3

*水の分子

*水のたびジャンプ

体を使って体験

多くの読み教材に触れる/レベル別認識(文字、語彙、文認識)

「みず」に関する読教材*水の変身「ゆきのかたち」 ひさかたチャイルド「ゆきのひ」 偕成社「ゆきがいっぱいふりました」 福音館「おおさむこさむ」 福音館

*液体「みずたまレンズ」 福音館

*固体「こおり」 福音館

*みずの音「あまがさ」 福音館

*水のたび「みずのたび」 福音館「ピチャン、ボチャン、ザブーン!水ってふしぎ」 評論社「しずくのぼうけん」 福音館

「のりものくらべ」のテーマカリキュラムの概要(9回/3時間クラス)

*仕事とつくり 乗用車とバス、トラック、クレーン車、はしご車運転免許申請仮免許試験(筆記と実技)

*交通標識最終免許試験

*町づくり

*仕事やくふういろいろなふねひこうき:ライト兄弟

*のりもの自慢大会(陸、空、海)

読む―理解する―活動する

じどうしゃくらべ光村図書1下

乗用車とバス、トラック、クレーン車、はしご車

バス遊びクレーン車作り自動車くらべジャンプ

♪ はたらく車

教材:くるまはいくつ 福音館ちいさいしょうぼうじどうしゃ 福音館のろまなローラー 福音館しょうぼうじどうしゃじぶた 福音館

いろいろなふね東京書籍1下

船作り船を浮かばせる実験

♪ ふねがゆく

教材: チムとゆうかんなせんちょうさん 福音館せいそうせんのくるりんまる 福音館

ぼくひこうきにのったんだ「あかね書房」

紙飛行機ライト兄弟

♪そらとぶなかま

陸 のりものくらべ

読む 書く

語彙確認 バス/乗用車ワークシート

レベル1         レベル2        レベル3

 

理解→活動

乗車を体験しながら語彙理解  クレーン車作り→ バスごっこ        →クレーン車遊び           体験を通して文章を理解

町作り→最終免許試験 実生活に適応させる

船づくり           消防艇と消防車の違い

→船を浮かべる実験      →模型遊び

紙飛行機作り               のりものくらべ

→ 紙飛行機実験            →じゃんけんのりもの

クリティカルシンキング

→ 柔軟な思考を育てる

子どもが自ら日本語を楽しむようになるには

PreK クラスでの実践−二人の児童のケースを通して

殆ど日本語の発話のなかった K君の場合

・入園時のアセスメントから

・授業への参加の様子、指導上の問題点

・保護者との連携

K君の場合

【入園時のアセスメントから】

話す:英語のみ

聞く:いくつかの語彙は理解

読む・書く:文字の理解なし

絵は筆圧が弱くなぐり書き

態度:活動に興味を持ち、わからなくても積極的に参加

K君の場合

【授業への参加の様子/指導上の問題点】

・活動への参加意欲があるが日本語理解困難。→全体活動できない 日本語の語彙が少なく、指示が理解できない。

日本語がわからないと、教室内にある現地校の掲示物(特に数字)に興味が移ってしまい、名前を呼んでも耳に入らない。

・宿題発表、積極的に思った事を言う。           (しかし、発言は英語)復唱は上手にできるが、意味を理解した発話になっていない。

・外遊び等、体を動かす活動を好む。

・筆圧・握る力が弱い。

K君の日本語を育てるための対策

【保護者との連携】

*授業で興味を持った活動を報告  K君に授業でやったことを尋ねるなど日本語での交流と、家庭での取り組みを段階的に指導

第 1段階

①・日本語の聞き取り

  毎晩、日本語の本を読み聞かせする

 ・手指の力をつける

  粘土遊びや、料理(ハンバーグの種をこねる等)を通して 

 ・書く事を容易にする→色が出やすいカラーペンにしてみる          ⇩

粘土でお料理

K君の場合第二段階

②・読み聞かせ継続

 ・遊びを通して手指の力がつく

  柔らかいクレヨンで描く事が容易に

  ハサミを使ってお料理ごっこ           

第三段階

③・理解を深める絵本の読み聞かせ 読後に質問(質問事項のメモ書きを添付)

 ・文字認識に繋げる絵本の中の平仮名の文字を認識させる

自分の名前のひらがなを見つけさせる→自分でわかると言う自信

サンドイッチ作り

日本語の発達の進んだ C君の場合

・入園時のアセスメントから

・授業への参加の様子、指導上の問題点

C君の場合

【入園時のアセスメントから】

話す:質問に1〜2語で答えられる

聞く:読み聞かせを聞ける

読む:名前、いくつかの平仮名が読める

書く:筆圧強い

C君の場合

【授業への参加の様子/指導上の問題点】

・「です。」「ます。」を付けて宿題発表ができる。

・読み聞かせ後、内容を再話できる。

・殆どの平仮名が読め、名前(カタカナ表記)が書ける。

・日本語理解には問題ないが行動面に問題。

・集中力が短い、立ち歩く、落ち着きがない。耳では聞いているが、じっと座っていられない。

・宿題発表での態度・話を聞く態勢 照れから面白い事を言おうとしたり、声が小さくなり発表できなくなってしまったりする。

C君の場合

【教師からの働きかけ・改善点】

・「座って聞く」時間を「参加しながら聞く」時間に。

・文字を読ませる。

・学び合う。

・上手な子を褒める。自分を客観的に見る。

・個人目標。頑張ってシールを集める。

K君、 C君に対する実践例

・参加型

・手指の力を養う

・あひるのあくび

1学期

→  活動に参加したい

→  文字を書く事につながる

→   k :語彙を知る   c :読む/音が同じ言葉探し

絵筆

粘土遊びトング

毛筆

カラーペン

アイシングペン チョーク 鉛筆

K君、 C君に対する実践例

→  一人ひとりの目標を立て、どのレベルの子でも達成感を味わい、次も頑張る

・学び合う

・発表

・『みてみてきいて』

・個人目標

2 学期

→   k :教えてもらう、自分から学ぶ姿勢   c :教える、集中して聞く

→   k :短くても日本語   c :名前、内容、終わりの順、聞いて質問

→  自分の好きな事  友達からの質問

K君、 C君に対する実践例

・名前を書く

・掲示物

・マイ絵本

3学期

→   k :自分の名前を読める、書ける   c :自分の名前を読める、書ける    友達の名前を読める

→   k :写真や絵を見て日本語で話す    自分の名前も平仮名、「お」を読む   c :自ら文字を読み、内容理解    友達を助けて読む

→   k :文章を覚えて読んだ気持ちになる   「読めた」「また読みたい」   c :自分で絵本を読む   「(文字が)読める」「もっと読みたい」

マルティレベルへのこれからの取り組み

*アセス、コンティニュウムを通した診断

*一人一人の発達に応じた  指導と家庭との連携

ご清聴ありがとうございました。

ブルックリン日本語学園 Email: [email protected]

Homepage: bjafa.org/nihongogakuen/