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京大サマーデザイン スクール2014 京大サマーデザインスクール2014 (c)2014 西尾泰和(サイボウズ・ラボ) 西尾泰和 1

学び方とU曲線の関係

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このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクール 2014で行った「学び方のデザイン」の講義資料の一部です。 他のスライドは http://nhiro.org/kuds2014/ で見つけることができます。

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Page 1: 学び方とU曲線の関係

京大サマーデザインスクール2014

京大サマーデザインスクール2014 

 (c)2014 西尾泰和(サイボウズ・ラボ)

西尾泰和

1

Page 2: 学び方とU曲線の関係

学び方とU曲線の関係

学び方とU曲線の関係 

  

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Page 3: 学び方とU曲線の関係

わかるためには「わからないこと」

が必要

学び方とU曲線の関係わからないこと

  

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Page 4: 学び方とU曲線の関係

「わからないこと」は学校では教科書や試験問題として外から与えられた

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 5: 学び方とU曲線の関係

教科書の答えを写し取るのが勉強

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

…という考え方 

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教科書答え

自分

写し取る

答え 答え教科書 自分

5

Page 6: 学び方とU曲線の関係

正解を正しく写し取ることを目指す学び方

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 7: 学び方とU曲線の関係

写そうとしている教科書は正しいのか?

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 8: 学び方とU曲線の関係

長い時間をかけてチェックされた「枯れた分野」

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 9: 学び方とU曲線の関係

教科書に書かれた知識を獲得することが目的の

資格試験

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 10: 学び方とU曲線の関係

こういう分野では教科書が有用PDCAサイクルを小さく速く回す

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 11: 学び方とU曲線の関係

変化の激しい学習対象新しく生まれた学習対象

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 12: 学び方とU曲線の関係

自社にとってよい戦略自分にとって有益な方法

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 13: 学び方とU曲線の関係

教科書が頼りづらい

・変化が激しい分野・具体的な応用  

学び方とU曲線の関係わからないこと→与えられる

  

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Page 14: 学び方とU曲線の関係

自分で自発的に「わからないこと」「学ぶべきこと」を見つける必要がある

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 15: 学び方とU曲線の関係

盲点に気づく

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 16: 学び方とU曲線の関係

盲点に光を当てるプロセス:U曲線

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 17: 学び方とU曲線の関係

Downloading↓

Seeing↓

Sensing↓

Presensing

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

U曲線の最初の4つ 

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Page 18: 学び方とU曲線の関係

Downloading物事を「過去のパターンと同じだ」という先入観を持って見ている状態

「知ってる知ってる」「よくあるアレでしょ」「そんなことはわかってる」「退屈…」

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

VOJ: Voice of Judgement: 評価・判断の声 が邪魔をする 

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Page 19: 学び方とU曲線の関係

Downloading↓

判断を保留する「何それ知らない」

↓Seeing

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 20: 学び方とU曲線の関係

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

自分と世界の間には壁があり、自分は一方的に世界から学ぶだけ…という考え方

世界

自分

Seeing物事を自分の視点から見ている状態

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Page 21: 学び方とU曲線の関係

Seeing「自分より偉い人がいっぱいいる」「自分が発信することは何もない」「自分は誰の役にも立たない」「自分は傍観者にすぎない」

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

VOC: Voice of Cynicism: 皮肉・諦めの声 

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Page 22: 学び方とU曲線の関係

Seeing↓

自分自身もシステムの一部と気づく↓

Sensing

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 23: 学び方とU曲線の関係

Sensing

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

相互作用するシステムの一部として自分を認識する 

世界

自分

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Page 24: 学び方とU曲線の関係

Sensing

学んだことを発表しフィードバックを得る

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 25: 学び方とU曲線の関係

Sensing

プログラマは気づきやすい「コンピュータ」という他者と対話することで学ぶ慣習があるから

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 26: 学び方とU曲線の関係

Sensing

プログラミング言語も自分と同じ人間が作ったもの作った意図や目的があるはずだ

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

かつて西尾が気づいたこと→「コーディングを支える技術」執筆につながる 

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Page 27: 学び方とU曲線の関係

Sensing

この時点ではまだ自分の外にある知識を写し取っている

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 28: 学び方とU曲線の関係

教科書が頼りづらい学び

・変化が激しい分野・具体的な応用  

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

マニュアル、教科書、先行事例がない状況ではどうすればよいのか? 

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Page 29: 学び方とU曲線の関係

0から何か新しいものを作り出す

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

0

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Page 30: 学び方とU曲線の関係

Sensing

新しいものを作らねば→誰も正解だと保証してくれない

→怖い!

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

VOF: Voice of Fear: 恐怖の声 

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Page 31: 学び方とU曲線の関係

Sensing保証を求めて過去にとらわれた状態

↓保証への執着を手放す

↓Presencing

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 32: 学び方とU曲線の関係

Presencing

自分次第で現実になる未来の可能性を見ている状態

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 33: 学び方とU曲線の関係

Presencing

自分が変化の原因になりうる→モチベーションの源泉

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 34: 学び方とU曲線の関係

Presencing

過去事例から保証を得ようとせず行動した後にその結果から学ぶ

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

過去からの学び→未来からの学び 

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Page 35: 学び方とU曲線の関係

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

「U理論」はこう主張しているが 

わかった!

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Page 36: 学び方とU曲線の関係

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

西尾はSeeing以降のどの段階からも「わかった」は起こると考える 

わかった!

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Page 37: 学び方とU曲線の関係

理解の大きさ・小ささ

前頭前野損傷患者の事例

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

山鳥重 “「わかる」とはどういうことか-認識の脳科学” 

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Page 38: 学び方とU曲線の関係

“花に水をやらなきゃ”“じょうろの使い方”“雨なら傘をささなきゃ”

“傘の使い方”ぜんぶわかる

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 39: 学び方とU曲線の関係

“雨が降っているから水をやらなくていい”がわからないので

傘をさして水やりをする

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 40: 学び方とU曲線の関係

Seeingからの「わかった」も有用な学びの一歩だが

小さい「わかった」だと思う

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 41: 学び方とU曲線の関係

Presencing↓

わかった!↓

Crystalizing

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 42: 学び方とU曲線の関係

Crystalizing

以降はやってみて結果から学ぶPDCAサイクルでの学びになる

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

  

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Page 43: 学び方とU曲線の関係

問:あなたが学ぼうとしている対象には信頼できる

教科書があるか?

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

NO→次へ 

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Page 44: 学び方とU曲線の関係

問:あなたが学ぼうとしている対象はPDCAサイクルを

回すことができるか?

学び方とU曲線の関係わからないこと→見つける

NO→まずUの谷をくぐってPを作り出す必要がある 

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Page 45: 学び方とU曲線の関係

京大サマーデザインスクール2014参考文献

  

C・オットー・シャーマー(2010) “U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術” 英知出版

中土井僚(2014) “人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門”

山鳥重(2002) “「わかる」とはどういうことか-認識の脳科学”

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Page 46: 学び方とU曲線の関係

このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクール 2014で行った「学び方のデザイン」の講義資料の一部です。

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