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調和系工学研究室
修士2年 山形 聖志
事例分析に基づく炎上対策モデルの提案とシステム化
Systemization Of Measurement Model Against Flaming Based On Case-Based Analization
SNS炎上の社会問題化
SNS上の不適切な投稿がネット住人に発見・拡散され、取り返しのつかない事態へ発展する事案が多発
・ コンビニ店員がアイス冷凍庫に横たわる写真を投稿して炎上 フランチャイズ契約解消
・ スポーツ店店員が来店したサッカー選手の同伴者を中傷 店員の個人情報が晒され店は謝罪
・ USJでの迷惑行為を写真付きで暴露し炎上 大学生が停学処分、大学は会見し謝罪
・ 看護学生が患者の臓器写真を投稿して炎上 学生は退学処分
・ ホテル従業員が宿泊したアイドル写真を投稿し炎上 ホテル側は謝罪するも、風評被害に
典型的な事例
炎上
投稿者個人:退学、解雇…
投稿者に関係する団体:風評被害、倒産…
不適切な投稿
は主に研修、投稿監視
大きな被害
既存の炎上への取り組み
学術的な調査はほとんど行われておらず、効果的な対策の確立が望まれている
炎上の性質を調査 炎上対策モデルを設計 対策をシステム化
SNSの利便性を損なわずに炎上を抑止すること
過去に発生した炎上事例のデータを収集し、分析
分析を基に炎上に対する適切な対策を設計
効果的な対策を取る事ができるシステムを設計、開発
研究目標
炎上の特性とデータ収集方法
未来に発生する炎上
過去に発生した炎上
多くのデータは変化・消失する
断片的な情報から分析しなければいけない
いつどこで起きるか分からない
ネット上を常にモニターしリアルタイムに追跡できる様にしておく必要がある
BBSアーカイブ: 2ちゃんねる, ハムスター速報
今回はデータが変化・消失しない、ニュースサイト、Webアーカイブを利用60件分の事例データを下記から収集
炎上ニュースを専門に扱うサイト: 炎上速報, 炎上.Bot, フェニックス炎上
Webアーカイブ: ウェブ魚拓, ツイッ拓, Archive.is
今回は炎上についての情報をいち早く配信しているサイトを利用する事で炎上を察知1件分の事例データを下記から収集
分析対象: Twitterでの投稿が原因となった炎上
事例60件から傾向を分析 結果の一部を紹介
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
~20
11
/12
/31
20
11
/1/1
…
20
11
/4/1…
20
11
/7/1…
20
11
/10
/1…
20
12
/1/1
…
20
12
/4/1
…
20
12
/7/1
…
20
12
/10
/1…
20
13
/1/1
…
20
13
/4/1
…
20
13
/7/1
…
20
13
/10
/1…
該当する事例数
不適切投稿の投稿日写真あり 写真無し
2012年以前・ 2012年に一旦下火に・ 写真が付与されていない割合が多い
2013年以降・ 発生件数急増・ 写真が付与されている割合が多い
・ “犯罪行為”、”職場の問題行為”が多い・ “他人への誹謗中傷”が少ない
投稿内容の分類 炎上発生件数の遷移
炎上傾向の流動性
0
2000
4000
6000
8000
3:00 7:48 12:36 17:24 22:12 3:00
RT数
リアルタイムに炎上のダイナミクス
アカウントの削除測定開始
21:37
ニュース記事に
5:30
2ちゃんねるの書き込みから確認
1:0916:252ちゃんねるで話題に
・ 炎上したら、かなりの数拡散される・ 2ちゃんねるに飛び火する前に、ある程度RTは伸びる
炎上の進行プロセス
発見 拡散 本人特定 メディア
無免許運転を暴露
2570RT
BB
S
に掲載
ブログが特定
学歴が特定
交際相手が特定
年齢が特定
ニュース記事に掲載
名前が特定
自動車学校に抗議のメール
23:25 23:49 00:04 00:20 00:21 00:27 00:28 00:44 01:04 02:52
晒しあげ
顔写真が特定
00:36
投稿を削除
・ 進行プロセスは4つの段階に分けられる・ 晒しあげは、主にBBS(2ちゃんねる)で行われる(60件中60件)・ 多くの場合、対処が間に合っていない
対処
発見フェーズ
不適切な
投稿
拡散フェーズ
本人特定フェーズ
メディアフェーズ
アカウント
の炎上
内容の不適切さを把握
投稿・アカウント情報を適切に管理
拡散状況を把握
社会的な対処
謝罪の投稿
個人情報が暴かれている事実を把握
個人情報の漏洩を把握
拡散に関わる設定状況を把握
公開範囲の把握
炎上対策モデル正常な状態
不適切な投稿
を抑止
発見
を抑止
拡散
を抑止
本人特定
を抑止
情報リテラシー
内容の適切さを把握
注意散漫な時に利用しない
発見フェーズ
不適切な
投稿
拡散フェーズ
本人特定フェーズ
メディアフェーズ
アカウント
の炎上
内容の不適切さを把握
投稿・アカウント情報を適切に管理
拡散状況を把握
社会的な対処
謝罪の投稿
個人情報が暴かれている事実を把握
個人情報の漏洩を把握
拡散に関わる設定状況を把握
公開範囲の把握
炎上対策システムの機能
正常な状態
不適切な投稿
を抑止
発見
を抑止
拡散
を抑止
本人特定
を抑止
個人情報推定に役立ちそうな情報が露呈されている事を察知し、ユーザーに提示する機能
ユーザーの個人情報が暴かれている事実を察知し、ユーザーに提
示する機能
拡散に寄与しそうな設定を提示する機能
投稿の拡散を察知し、ユーザーに通知する機能
アカウント情報や投稿が閲覧可能なアカウント(数)を、ユーザーに提示する
機能
情報リテラシー
内容の適切さを把握
注意散漫な時に利用しない
投稿文章の危険性を投稿前に把握する事ができる機能
過去の投稿の傾向を確認することができる機能
投稿文章の危険性を投稿前に把握する事ができる機能
判定結果
過去の投稿の傾向を確認することができる機能
B. Jリーグ選手のアカウントA. 炎上寸前を経験したアカウント
”放送禁止用語”を含む投稿が多い
“都市・駅名”を含む投稿が多い
ポジティブな投稿が多いネガティブな投稿
が多い
日々の利用状況を把握し、改善に活かす事ができる
システムアーキテクチャと運用実績
XML
HTTPアクセス
クライアント
Webブラウザや専用アプリから利用
HTML, XML
HTTPアクセス
DBサーバー
クローラー
XML
HTTPアクセス
SQLAP
サーバー
オブジェクト
SQLWeb
サーバー
ユーザー登録数: 369ユーザー警告数: 22959判定した投稿数: 444006誹謗中傷と判定: 946
Amazon EC2 Large64bit, vCPU 2, ECU4, mem7.5G, strage 2 x 420G
MySQL
サーバー
ツイートから問題が検出されました: (@kazu535012)のツイート「@tomo95_25 しばくぞ!!」
-ツイート分類結果: 誹謗中傷
実際に送信された警告メール運用実績
システムアーキテクチャ インターネット
2012/11/11 〜 2014/02/05
4月からiPhoneアプリで使える様になります
発見フェーズ
不適切な
投稿
拡散フェーズ
本人特定フェーズ
メディアフェーズ
アカウント
の炎上
内容の不適切さを把握
投稿・アカウント情報を適切に管理
拡散状況を把握
社会的な対処
謝罪の投稿
個人情報が暴かれている事実を把握
個人情報の漏洩を把握
拡散に関わる設定状況を把握
公開範囲の把握
炎上対策システムVer. 2 正常な状態
不適切な投稿
を抑止
発見
を抑止
拡散
を抑止
本人特定
を抑止
個人情報推定に役立ちそうな情報が露呈されている事を察知し、ユーザーに提示する機能
ユーザーの個人情報が暴かれている事実を察知し、ユーザーに提
示する機能
投稿内容をチェックし結果を提示する機能
拡散に寄与しそうな設定を提示する機能
投稿の拡散を察知し、ユーザーに通知する機能
アカウント情報や投稿が閲覧可能なアカウント(数)を、ユーザーに提示する
機能
情報リテラシー
内容の適切さを把握
注意散漫な時に利用しない
炎上傾向の流動性に対応
$user = new YMGT_Post();$post =
$user->filterByKeywordsToDesc(array(“北大"))->getPosts()->filterByKeywords(array(“盗んだ”, “パクった”))->filterByMinRetweetedCount(5)->find();
(使用例)プロフィールに”北大”が含まれるユーザーが行った投稿の中で、”盗んだ”,”パクった”を含み、5RT以上された投稿の情報を取得
SNS炎上の分析や、実装のための予備実験を効率的に行う事が可能
SELECT * FROM tweet_constants C LEFT JOIN tweet_analytics A ON C.tweet_id=A.tweet_idLEFT JOIN twitter_users U ON C.tweet_user_id=U.twitter_user_idINNER JOIN tweet_variables V ON C.tweet_id=V.tweet_id WHERE NOT EXISTS(SELECT * FROM tweet_variablesV2 WHERE V.tweet_id=V2.tweet_id AND V.observed_time<V2.observed_time) AND U.description LIKE '%北大%'AND (C.text LIKE '%盗んだ%' OR C.text LIKE '%パクった%') AND '5' < V.retweet_count;
システムVer. 2 炎上傾向の流動性に対応
まとめ
• 事例分析を実施することで、炎上の性質について調査した
• 調査を基に、炎上に対する適切な対策を設計した
• 炎上から個人を守る事に主眼をおいた“炎上対策を支援するシステム”を実現した
(株式会社調和技研と協同で運用)
実証実験中ですが最終的なサービス化に向けて頑張っています