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2015 年 7 年 8 年 年年年年年年年年 年年年年年年年 2015/7/8 高高高高高高高高高高 1 年 12 年 高高高高高高高高高高

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2015 年 7 月 8 日

「ネットと個人情報~グループワーク」

2015/7/8 高度情報化と社会生活 1

第 12 回 高度情報化と社会生活

高度情報化と社会生活 2

今週の課題 今週の課題(締切は 7 月 15 日の講義開始時

間まで) 本日のグループワークで考えたことを、グループでまとめた意見で無く、自分の意見をコメントしてください。 グループワークに参加できなかった受講生は

資料や関連するネットの記事を見て、問題点と適切な解決方法についての自分の考えを書いて下さい。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 3

本日の講義はグループワーク 課題に基づいてグループで議論し、結

果をグループ毎に発表をしてもらいます。

タイムスケジュール1)ケースの説明  20 分 ~グループ分け  10 分2)グループ討議  30 分 13:40 ~3)各グループからの結果発表  30 分 14:10 ~

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高度情報化と社会生活 4

グループワークのルール 結論や判断を急がないこと。 結論は、出なくても良い。 人の意見の批判をしない。 質よりも量を重視、様々な見方や可能

性を共有することがワークの目的です。

議論の終点は見解の組み合わせです。 多くの意見を分類し、組み合わせてみ

ることが大事。2015/7/8

高度情報化と社会生活 5

役割分担 6 名毎のグループに別れましょう。 まず、役割を決めましょう。

1.ファシリテーター(司会・進行)2.記録担当3.発表担当

役割のない参加者は可能な限りアイデアを出してください。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 6

グループ討議の進行1)アイスブレイク~各自の自己紹介を一分以内で。所属学部、学年、氏名。所属サークルや使っているサービスなど。2)役割分担を決めます。3)グループ討議 課題の 3 点について各自の意見を述べる。記録係はメモをとる。4)意見を分類して、発表の担当者は要領良く、まとめる。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 7

課題はネットと個人情報

とくに「忘れられる権利」が必要か?その妥当性について。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 8

個人情報・プライバシー OECD による「

プライバシー・ガイドライン」( 1980)

EU によるデータ保護指令 (1995) 米国のプライバシー権利章典(2012) 日本の個人情報保護法( 2005 ) 個人情報保護法改正案( 2015 )→ それぞれ目的やフレームが異なる。→ ネットの普及で見直しや制度化の動き2015/7/8

高度情報化と社会生活 9

ネットと個人情報 ネットには様々な個人情報がある。 自分で登録したもの、友達や組織があ

げた記事。様々なニュースソースが書いた記事など。

→ 「エゴサーチ」~自分の氏名でネット検索をすること。

 検索結果の中には知られたらまずい情報が含まれていることがあります。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 10

消したい個人情報 ネットから削除をするための手順。 記事を登録した人や組織が判明した

ら、その連絡先に対して「削除要請」をすることができます。

匿名掲示板などで相手と連絡がつかない場合。あるいは連絡がついても削除要請に応じない場合も。

→ サービスの運営側に要請するケースも。2015/7/8

高度情報化と社会生活 11

プロバイダ責任制限法 運営側に削除請求をした場合。→ 正当な要求と判断された場合には削除に応じることがあります。ただし「表現の自由」との兼ね合いや方針で削除に応じない運営者もいます。法令違反(著作権法や名誉毀損)のコンテンツでも指摘があってから、遅滞なく対応をした場合には管理責任を免責される業者を守るための規定です。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 12

訴訟で訴える、削除と賠償 運営者と投稿者を民法や刑法で訴訟。 運営者が国外で裁判権が及ばないケー

スも。 投稿者が匿名で通信事業者への開示請求など手順を踏んで行わないといけないケースも。

通常半年以上かかる。費用もそれなりにかかる。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 13

賠償も微々たる金額 ネットからの削除ができても、裁判費用も十分まかえないこともあります。

以前は個人で 10万円~ 15万円程度が名誉毀損の賠償額でした、最近は一般人でも 400万円~500万円というケースもごく一部ながら出てきています。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 14

ネット検索も課題 たとえ元情報を削除できても、既に拡散されてしまって、回復が困難なケース。

検索結果から削除が出てこないようにできないか?

→Google などの検索サービスを相手に訴訟を起こす事例が出てきています。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 15

ネット検索の普及 「エゴサーチ」を行うことで、過去の

事件や写真が簡単に見つけることができるようになりました。

あと記事や転載をする「まとめサイト」の流行も背景にあります。

若い頃の写真や過去の事件が誰でも簡単に目にふれることができるように。

その結果ネットによるプライバシーの深刻な侵害が発生するようになりました。2015/7/8

高度情報化と社会生活 16

忘れられる権利の主張 一度ネットに出るとその情報は消えな

い。 背景にはネットの「まとめサービス」

と「検索サービス」の存在。 ネット以前は新聞や雑誌に取り上げれ

られても、新しい情報に埋もれて、よほどの大事件でも無い限り個人の名前が関わって出てくることはありませんでした。

→ 「人の噂も七十五日」ことわざ2015/7/8

高度情報化と社会生活 17

デジタル・タトゥ 若気の至りで、彫ってしまった刺青。 おなじように、ネット上にはうっかり

書き込んでしまった記事や写真。 友達が勝手にあげた写真などがずっと残ってしまうことがあります。

パスワードの失念、転載による拡散などが原因。

ネットは決して忘れません。

2015/7/8

「忘れられる権利」

2015/7/8 高度情報化と社会生活 18

様々なプライバシー情報が掲載される ネット検索も問題に→昔の不祥事や事件、写真がエゴサーチによっていつまでも出てくる。EU では「忘れられる権利」として裁判で確立した権利→個人の著しく不利な情報が元データや検索エンジンサービスの結果に反映されないようにできる権利として確立。いまのところ EU 内のみ。

高度情報化と社会生活 19

忘れられる権利の主張 法律でも時効や罪刑の期限がありま

す。→ 削除権も認められるべき、という主張 しかしネット上の情報はたとえ個人情

報でも「公益に資する」ものもあります。

安易な削除の主張を認めると発信者の「表現の自由」や情報を受け取る人の「知る権利」を不当に制限することにつながりかねないという主張もあります。

→ 連続累犯のおそれがあるケースとか。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 20

EU のプライバシー保護 OECD ガイドライン( 1980 ) 1995 年「 EU データ保護指令」「全ての者は自らに関する個人データを

保護する権利を有する」→2015 データ保護規則へ格上げ(現在は

案の段階)→ 「忘れられる権利」の明記→Privacy by Designへ制度化

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高度情報化と社会生活 21

EU では判例から法案へ 2016 年 5 月 EU 司法裁判所が Google

の表示結果はプライバシー侵害と認める。

判決をうけて Google は申請のあった記事を検索結果から削除をするようにした。

EU 各国は 6 月 15 日に「忘れられる権利」を保障した新しい「データ保護指令」に合意、欧州議会で協議のうえ、本年末に公布、 2018 年からの施行を目指している。2015/7/8

高度情報化と社会生活 22

米国や日本では進まない SNS やビッグデータなどネット関連産業の振興。

企業の自主規制で十分で、個人の権利の保護が行きすぎるとビジネスに支障をきたすかも?

→ 日本での個人情報保護法の改正案→ データを匿名化して活用したい。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 23

忘れられる権利の実装は困難? 制度的に「忘れられる権利」が認めら

れても、その実効的な運用は極めて難しいという懸念もあります。

今は世界中の人がスマホを持って、自由に情報が発信できる時代。

自分が気に入らない情報の拡散を恣意的にストップすることができるのか?

どのような制度やシステムが必要か?

2015/7/8

高度情報化と社会生活 24

グループワークの課題日本でも「忘れられる権利」を法制化するべきか。そのメリットとデメリット。Google が「忘れられる権利」について、申し立ての事実があったとことを通知する対応を行いました。この行為に正当性があるのか?通知を受け取った側の適切な対応は?こうした行為は Google 以外でもとれるのか?

2015/7/8

高度情報化と社会生活 25

課題 (1) 日本でも「忘れられる権利」は必要

か? →その理由は?  各自の意見を述べてください。 →「名誉毀損」や民法の「不法行為責任」の追及で十分ではない理由は?

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課題(2) 「忘れられる権利」と「知る権利」と

のバランスは?どうすればとれるのか?

→ 必要な情報が取り出せなくなるリスクがないか?→ 個人の名誉と大衆の利益としての知る権利の適切なバランスはどうとればよいのか?

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課題(3) 現行の法制度で不十分ならどうすれば

よいのか?システムとして実装できるか?

たとえば、新しい立法。→ それで海外サービスは有効か? 通信サービスの厳格な認可制度。→ これも海外で立ち上げれば? はたして日本のネット利用者のプライ

バシーは守られているといえるのか?2015/7/8

高度情報化と社会生活 28

まとめ日本で「忘れられる権利」を制度化するならどのようにすればよいのか?現行法制で不十分なら、どのような法律や制度にすればよいのか?現行制度で十分なら、こうしたトラブルに対処をするための適切な方法は?システム的に実装する工夫は可能なのか ?※自主規制、利用者による情報発信機会の提供や訓練、差し止め訴訟、プロバイダ責任制限法の活用

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高度情報化と社会生活 29

課題のまとめ(発表用) 「日本において「忘れられる権利」

は、今後どのように対応されるべきなのか?

現状維持が適当なのか、新たな法規制か、あるいは自主規制か?

あるいはシステムとして組み込むなど、他の解決方法があるのか?

2015/7/8

高度情報化と社会生活 30

グループ討議の進行1)アイスブレイク~各自の自己紹介を一分以内で。所属学部、学年、氏名。所属サークルやネットの得意技など。2)役割分担を決めます。3)グループ討議 課題の 3 点について各自の意見を述べる。記録係はメモをとる。4)意見を分類して、発表担当者は要領良く、まとめる。

2015/7/8

高度情報化と社会生活 31

タイムスケジュール 課題に基づいてグループで議論し、結

果をグループ毎に発表をしてもらいます。

1)課題の説明  20 分 ~グループ分け  10 分2)グループ討議  30 分 13:40 ~3)各グループからの結果発表 14:10 ~ 30 分

2015/7/8

高度情報化と社会生活 32

Google の責任重すぎ? 記事の検索からの削除の要請に対して

Google は削除に応じるケースと応じないケースとがある。

この違いはどうして起こるのか ? 一つの私法人である Google にこうし

た高度な情報管理権を認めることに妥当性があるのか?

Google 自身も疑問に思っている。

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高度情報化と社会生活 33

Privacy by Design

2015/7/8

Ann Cavoukian PhD『 Privacy by Design Curriculum』

高度情報化と社会生活 34

個人情報とプライバシー 住所やメールアドレス、電話番号は相

手に渡さないと連絡がとれない。 こうした個人情報は個人識別をするた

めに使われることがある。 友達の個人情報を管理する責任が発生

してしまう。 プライバシーの概念は人によって違

う。 電話帳に掲載する人、嫌がる人にも事

情。2015/7/8

高度情報化と社会生活 35

SNS のプライバシー 「友達」という事実は隠されるべきも

のなのか? それは誰のプライバシーなのか? お互いの合意で決めないといけないの

か?→Facebook では原則オープン、設定で片方が隠すことができるが、片方がオープンにしていれば意味がない?

2015/7/8

高度情報化と社会生活 36

プライバシーのバージョンアップ プライバシー Ver1.0→ 個人にコンタクトをとれる権利。つまり個人情報に関わる振る舞い。→ 個人情報を知っている=アクセス権 プライバシー Ver2.0自らの個人情報をふくめて、自分の情報の発信をコントロールできるようにする、新しいプライバシーのリテラシー

2015/7/8

高度情報化と社会生活 37

今日のまとめ 気にするべきのは「個人情報」ではな

く「プライバシー」の方ではないか? 「プライバシー」の概念は人によって違う。

「個人情報」をビジネスに活用する動きもある。頑なに古いプライバシーに拘ると世間とのギャップも出来てしまう。

自分のプライバシーをコントロールする。2015/7/8

高度情報化と社会生活 382015/7/15

次回の講義予定

7 月15日マイナンバーの登場

電子行政~電子政府の課題