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Project Araと新しいものづくりのエコシステム

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マルレク特別編+日本Androidの会+BLEガジェット勉強会 合同勉強会 6/11

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Project Ara と新しいものづくりのエコシステム

@maruyama097

丸山不二夫

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Project Ara -- スマートフォンのモジュール化

Next Billions の実現には、スマートフォンの低価格化が不可欠である。 Google は、2015 年の 1 月には、 50 ドルのスマートフォンを発売すると宣言している。スマートフォンのモジュール化は、その為にも大きな意味を持つ

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全人類の為のデザイン

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60 億人の為の、安価なプラットフォーム

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「ものづくり」のツールの共有 – 開発ツールの無償提供

重要な事は、 Google が、 Project Ara の中心的な柱として、モジュール開発の為のツール Metamorphosys をオープンソースの形で無償提供しようとしている事である。それは、ソフトウェアの世界での Eclipse が果たした役割を、「ものづくり」の世界で果たすことになるだろう。

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回路をどう設計するか?

Ara のモジュールに収まる?

電波の干渉は起きないか?

ソフトはうまく動くか?

動作のスピードは?

発熱しないか?

                           .

Metamorphosys モジュール開発ツールに

出来ること

Ara モジュールの設計・開発・テスト・製造( 3D プリンターのデータ作成)まで、全てこなす万能ツールがオープンソースで提供される。

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それぞれのドメイン( CAD, スキーマふるまい等)毎にバラバラのモデル

切り離された、高価な開発ツール

一つのコンポーネントしか選べない

設計・解析・製造毎に、バラバラのワークフロー

モデルは、特定のフォーマット・ツール・専門性に結びついている

複数のドメインの切り口を持った、単一の” META” モデル

オープンソースで統合された    無料のツール

“Design Space” によって設計者は動的に、コンポーネントのビルト前のライブラリーを考慮できる

設計・解析・製造のトレード・オフは、一つのツールで可能

成長するオープンなライブラリー

これまでのデザインツールと Metamorphosys の違い

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Project Ara のエコシステムの基礎モジュール開発ツールの共有 誰もが「ものづくり」のツールを持つことが

出来る:オープンソースでの無償提供。 誰もが容易に使える:これらのツールは、

ハードウェア設計の専門家でなくても、 Araのモジュールをデザインする事を助ける事が出来る。

誰もが簡単にデータを交換・共有出来る:グローバルでオープンな「ものづくり」コミュニティとデータのネットワーク・マーケットの拡大。

誰もが簡単に「ものづくり」出来る:データを 3D プリンターにいれれば、その場で、ものが出来る。部品の輸送コストは大幅に削減出来る。

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3D プリンターによるモジュールの製造

Google は、 3D プリンターの最大手 3D Systems と共同で、 2015 年までに、次のようなAra モジュールを製造する 3D プリンターを作ろうとしている。

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再利用可能な Ara コンポーネントをデザイン・アプリとドライバーの開発・ハードウェア・モジュールの開発

Ara システムの設定と統合・個人向けの設定・変更可能      

ユーザーの期待に応えながら、安全性と操作性の基準を保証する

Ara プラットフォームで定義されたデザインの制約を満たしながら、デザインツール Metamorphosysが提供するデザイン手法を利用

モジュール開発ツール、 3D プリンターを使った開発サイクル

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3D プリンター技術の現状と変化

プロトタイプから量産まで

プラスチックから金属まで

高速化: 10倍の大きさを 500倍で

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航空宇宙産業での 3D プリンタの利用

エアバス 350

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エアバス のブラケット

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航空宇宙産業: 3D プリンターでパーツの量産を行うメリット

航空機は自動車より生産ロットははるかに小さいが部品数は膨大である。 3D プリンターの利用によって、部品の耐久化・軽量化が可能となり、大幅なコスト削減(材料費、金型製造費、製造に要するエネルギー費、人件費、時間)が可能となる。加えて「万が一」の為の部品の在庫も無くせる。

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ほとんど全ての航空宇宙産業が、 3D プリンターを積極的に導入している 航空機用パーツの 3D プリントで 2 億円のコ

スト削減を目指す BAE システムズ http://i-maker.jp/bae-systems-1313.html

3D プリントされた無人航空機  Area-I社の 737 モデル http://i-maker.jp/area-i-1159.html

3D プリンターで航空機エンジンを作り始めたロールス・ロイス http://i-maker.jp/rolls-royce-3d-print-722.html

GE の 3D プリンター投資計画!ジェットエンジンの燃料ノズルを作る計画とは http://i-maker.jp/3d-print-ge-jet-engine-632.html

http://i-maker.jp/3d-print-airbus-1913.html

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ほとんど全ての航空宇宙産業が、 3D プリンターを積極的に導入している ガスタービンパーツ製造で 3D プリント技術

を導入するシーメンス http://i-maker.jp/siemens-1269.html

エアバス製造に 3D プリントの導入で材料消費量を 75%、 CO 2排出量を 40%まで削減! http://i-maker.jp/3d-print-costcut-428.html

3Dヴァーチャルと 3D プリントを導入したロッキード・マーチン宇宙開発 http://i-maker.jp/3dvirtual-print-280.html

http://i-maker.jp/3d-print-airbus-1913.html

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オークリッジ国立研究所:「 10倍の大きさのものを 500倍のスピードで」 アメリカのオークリッジ国立研究所は、「マ

ンハッタン計画」以来のアメリカ政府直轄の研究機関。

現在より、 10倍の大きさのものを 500倍のスピードで出力出来る、巨大パーツの製造が可能な超高速 3D プリンターの開発も行っている。

同研究所の User Facilities は外部に開放されていて、営利目的でも非営利目的でも利用できる。年間 3,000 人以上が、このFacilities を利用しているという。

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オークリッジ国立研究所の3D プリンター研究の「目的」 「研究所の 3D プリンター研究の目的は、プ

ロトタイピングから生産への移行と、分散化した「民主化」された製造業を可能とすることである。そこでは、 3D プリンターが全ての人の収入の源となる。」 Lonnie Love の発言 , group leader for automation, robotics and manufacturing

近い将来には、全国 28,000 の高校に、 3Dプリンターを置くという。“ORNL Seeds 3-D Printers To Drive New Revolution”

「オークリッジ国立研究所は、 3D プリンターが新しい革命をドライブするように種をまく」 http://bit.ly/1oyTaxZ

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Local Motors の取り組み

「ものづくり」の新しいスタイルとしては、自動車製造でのアメリカの Local Motors の試みが興味深い。

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ローカル・モーターズ、電気自動車のシャーシを公開、 3D プリンター製

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ローカル・モーターズ、電気自動車のシャーシを公開、 3D プリンター製 先のオークリッジ国立研究所の User

Facilities の 3D プリンターでつくられた、 四つの部品をボルトと接着剤で組み立てる。素材は車体を軽量化するために炭素繊維が注入された ABS樹脂。

電気自動車のつくり方は、今の自動車生産とは、大きく変わる可能性がある。

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Local Motor は、どう動いているか

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世界には、お金を沢山持っている人、賢い人、才能にあふれている人がいる

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それでも、一人で、オリジナルな車を作ることは、難しい。

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でも、いまでは、それができる。

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ものづくりを助けあう、 Co-Creative チームに加わり、

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開発

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組み立て

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修正・改造して新しい車が出来あがる。

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もうすこし、詳しく見てみよう

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まず、コミュニティに参加して、

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次に、新しい車のコンセプトをデザイン、

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ハードのデザイナーなら、コンペティションに参加

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デザインは、レビューでチェックされ、

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なにを開発すべきかは、投票で決定される。

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全てのデザインは、 Creative Commons ライセンスで守られる

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もっとも支持されたコンセプトが決まると

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Co-Creation が始まる

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こういうのとか、

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こういうのとか、

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こういうの

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デザインが決まったら、

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エンジンを作る人、車体を作る人、インテリアを作る人 .... で作業を分担

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製造は、 Micro Factory で行われる

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Micro Factory は地域に展開される

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マイクロ・ファクトリーのメリット

マイクロ・ファクトリー

地域の雇用

快適なサービスの提供

持続可能性

資源を浪費しない

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ものづくりは、地域で!

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Co-Creative と

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Open Source

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それで、簡単!

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新しい車を作ることが出来る!

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General Electric の取り組み

注目すべきなのは、世界最大の製造業会社である General Electric社の取り組みである。 GE の取り組みは、驚くほど柔軟で大胆である。以下、それを紹介しよう。基本的には、「ものづくりの世界は、変わった」という認識と未来へのビジョンがこうした取り組みを支えている。

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GE がインドで 2 億ドルの 3D プリント工場を設立:ジェット・エンジン部品 このインド最初の工場はインドのマハーラー

シュトラ州の西部に位置し、ジェットエンジンやガスタービンに使用されるさまざまなパーツの生産が行われる。 3D プリンターで量産されるパーツ類はプラスチック部品と金属部品の両方だ。

GE は既に自社製造の 10%は 3D プリンターを使用して製造しているが、 3D プリンターによる生産比率を 50%まで拡大する方向で動いている。

http://i-maker.jp/ge-3d-print-indea-3360.html

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GE と GrabCAD 、クラウドを使ったパーツ開発プロジェクト GrabCAD は 3D プリントできる CAD データ

の無料ダウンロードサービスを提供する会社。登録者は、 130 万人以上。

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パーツ開発プロジェクト56 カ国 700以上のデザインが応募 優勝したのは、インドネシアの若い技術者 M

Arie Kurniawan さん。

Page 57: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

GE とローカル・モーターズの未来の製造業プラットフォーム「 FirstBuild 」

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GE とローカル・モーターズの未来の製造業プラットフォーム「 FirstBuild 」 クラウドと 3D プリント技術を融合した次世代製造プラットフォーム。

クラウドで全世界のアイデアを製品開発に活かす

アイデア出しから製品開発、そして完全な少量生産から販売まで行う。

既存の流通と価格戦略を破壊する取組

http://i-maker.jp/first-build-2479.html

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GE会長・ CEOJeff Immelt

Page 60: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ものづくりは、競争上の優位の主要な源である。企業がアウトソーシングの能力を得てから数十年がたつが、我々が現在目にしているのは、多くの企業がものづくりの強さを再構築している姿だ。企業は、これまで投資の判断を、純粋に労働力のコストだけで行ってきた。しかし、革命的なパフォーマンスを可能とする新素材があり、精密加工技術や強力なコンピューティングの能力は、もののつくり方を変えつつある。 GE は、こうしたものづくりの多くの内実を " インソース " して行くだろう。我々は、付加製造技術のような処理技術に投資をしていく。

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ものづくりは、産業企業にとってもそれが重要な国家にとっても、競争上の優位の基礎である。ものづくりの概念は既に変わっている。労働力のコストだけが問題になる時代は終わりつつある。人々は、望むものを、望む時につくる事が出来る。起業家達は、以前にはまったくありえなかったものづくりのスペースにすんでいる。ものづくりは、デジタル化され、分散化され、民主化される。GE は、これらの全てではないにせよ、その大部分をリードしている。我々は、高速コンピューティング、新しいプロセス、付加製造技術に、 GE グローバル研究センターで、大きな投資を行いつつある。

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Project Ara への期待-- 生産の変化はどこで起きるか

第一次産業革命での綿製品、第二次産業革命での自動車のように、生産の大きな変革は、もっともコモディティした商品の生産の場で起きる。「モノづくりの」の新しい革命的変化が、スマートフォンの生産の場で起きると考えて不思議はない。

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http://socserv.mcmaster.ca/econ/ugcm/3ll3/ure/PhilosophyManufactures.pdf

第一次産業革命:綿製品  

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第二次産業革命

T型フォードの生産ライン

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第三次産業革命

Page 66: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

“Recommendations for implementing the strategic   initiative INDUSTRIE

4.0”  2013 年4月

http://www.plattform-i40.de/sites/default/files/Report_Industrie%204.0_engl_1.pdf

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第一次産業革命: 機械 18 世紀末の蒸気機関の導入

第二次産業革命: 電気 20 世紀に始まる電気を動力とする大規模工場生

産 第三次産業革命:  IT

1970 年代に始まり今日まで続いている、電子技術・ IT を利用した生産の自動化

第四次産業革命:  Cyber-Physical ネットワークのサイバー空間と物理的な生産の世

界が結びつく

”INDUSTRIE 4.0” のビジョンCyber-Physicalへ

Page 68: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Foxconn iPhone組み立て工場

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Page 70: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Project Ara が切り開くもの Project Ara は、新しいプロジェクトなの

だが、こうした様々な時代の潮流の延長上に位置するものでもある。

21 世紀の「モノづくり」への変化の先頭を、 Project Ara が走る事を期待したい。

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マルレク 7 月予告 「 Cyber-Physical Systems と自律分散システム」 来月 7 月 23日開催のマルレク

は、 Project Araや” Industrie 4.0” の共通の理論的枠組みになっている” Cyber-Physical Systems” というコンセプトを取り上げます。是非、ご参加ください。

日時:  7 月 23日(水) 19:00~ 場所: 渋谷 GMO ユアーズ 登壇者:

丸山不二夫 

Page 72: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

参考資料:各国の取り組みマルレク資料「 IoT を考える」から抜粋

ドイツ: 新たな「産業革命」 -- “INDUSTRIE 4.0” というビジョン

アメリカ: “Made in America”への回帰

中国 : 世界一の製造大国 日本:

Page 73: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ドイツ: 新たな「産業革命」 -- “INDUSTRIE 4.0” というビジョン

「経済のネットワーク化」に関係して、ドイツの “ INDUSTRIE 4.0” というビジョンを紹介しようと思う。 IT 技術と製造技術の統合が、新たな産業革命をもたらすというはっきりとした歴史認識と、技術の未来の展望が明確な形で示されている。

Page 74: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

“Recommendations for implementing the strategic   initiative INDUSTRIE

4.0”  2013 年4月

http://www.plattform-i40.de/sites/default/files/Report_Industrie%204.0_engl_1.pdf

Page 75: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Recommendations for implementing the strategic initiative INDUSTRIE 4.0

http://www.plattform-i40.de/sites/default/files/Report_Industrie%204.0_engl_1.pdf

Page 76: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

”INDUSTRIE 4.0” のビジョンCyber-Physicalへ 第一次産業革命: 機械

18 世紀末の蒸気機関の導入 第二次産業革命: 電気

20 世紀に始まる電気を動力とする大規模工場生産

第三次産業革命:  IT 1970 年代に始まり今日まで続いている、電子技

術・ IT を利用した生産の自動化

第四次産業革命:  Cyber-Physical ネットワークのサイバー空間と物理的な生産の世

界が結びつく

Page 77: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Cyber-Physical システム:製造環境とInternet of Things and Services

Things と Services のインターネットの製造環境への導入が、第四次産業革命への道を開く。

将来、ビジネスは、 Cyber-Physical システムの形で、機械と倉庫と製造機能を一つに合体させるグローバルなネットワークを確立するだろう。

Cyber-Physical システムは、スマートマシンとストレージと、自律的に情報を交換しそれぞれが独立に動作を起動しコントロールする能力を持った生産施設から構成される。

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Cyber-Physical System (CPS)

この Cyber-Physical システムは、製造工程、生産工学、物質資源の利用、サプライ・チェイン、そして、ライフサイクルの管理に含まれている産業の全過程に対して、根本的な改良を容易にする。

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スマート自動車 スマート流通  

スマートビルディングスマートグリッド

スマートプロダクト

Smart Factory

CPS

Smart Factory : CPS の中核

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CPSプラットフォーム

ヒトのインターネット

モノのインターネット サービスのインターネット

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Smart Product

スマートな生産物は、それぞれが一つ一つユニークに同定可能で、どんなときでも自分の場所を特定出来、自分自身で、自分の履歴情報と自身の最終状態を達成する為のいくつかの代替経路を知っている。

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Cyber-Physical System と二重のネットワーク・システム Cyber-Physical システムに組み込まれた製

造システムは、工場と企業のビジネス・プロセスに垂直方向にネットワークで接続され、水平方向には、注文がなされた時からロジスティックに送り出されるまさにその時まで、リアルタイムに管理可能な多様なバリュー・ネットワークに接続される。

それに加えて、水平・垂直双方のネットワークは、ともに、バリュー・チェイン全体を横断した、 end-to-end のエンジニアリングを可能にし、また、それを要求する。

Page 83: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

垂直方向のネットワーク:工場内の統合されたネットワーク化された製造システム

Page 84: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

水平方向のネットワーク:多数の企業を結んだバリュー・ネットワーク

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水平方向のネットワーク:多数の企業を結んだバリュー・ネットワークそれはグローバルなものかもしれない

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一人の個人の要求でも満たすことの出来る柔軟な生産システム Industrie 4.0 は、巨大なポテンシャルを

持っている。 Smart Factory は、個人の消費者の要求を満たす事を可能にし、それは、たとえ一個だけの商品でも、利益を確保しながら製造出来る事を意味する。

Industrie 4.0 では、ダイナミックなビジネスとエンジニアリングのプロセスが、最後の数分の間にでも生産を変更することを可能とし、 供給者の為には、供給の中断や失敗に柔軟に対応する能力を与える可能とする。

Page 87: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

end-to-end: 製品の開発・設計から、消費者個人への製品の提供まで Cyber-Physical システム /Smart Factory

によって 、製品の開発・設計から、消費者個人への製品の提供まで、製造過程の end-to-end の透明性が与えられ、最適な意思決定が容易になる。

Industrie 4.0 は、価値創造の新しいやり方と新しいビジネス・モデルを結果として生み出す。特に、それはスタートアップと小さなビジネスに対して、下流のサービスを開発し提供する機会を提供するだろう。

Page 88: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

end-to-end:製品の開発・設計から、消費者個人へのサービスの提供まで

製品のデザインと開発  

生産計画

生産エンジニアリング

生産サービス

Page 89: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Industrie 4.0 と社会的課題 それに加えて、 Industrie 4.0 は、資源・エ

ネルギーの効率性、都市での生産と人口動態の変化といった今日の世界が直面している挑戦的な課題のいくつかに取り組み、それを解決するだろう。

Industrie 4.0 は、バリュー・ネットワーク全体をまたいで、継続的な資源の生産性と効率性の獲得を行き渡らせることを可能にする。それは、人口動態の変化や社会的要因を考慮に入れるようなやり方で、仕事が組織される事を可能とする。

Page 90: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Smart Assistant Service

スマート・アシスタンス・システムは、労働者が決まりきった仕事を行わなければならない事から解放し、創造的で価値付加的な活動にフォーカスする事を可能にする。

差し迫っている熟練労働者の不足という観点からいえば、それは、年配の労働者が労働生活を延長しより長い期間生産的である事を可能にする。

柔軟な労働の組織化は、労働者が仕事とプライベートな生活を結びつけ、専門的な開発をもっと効率的に行う事を可能とし、仕事と生活のよりよいバランスを促進する。

Page 91: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

生産ライン上では、厳密に連続的な自動車生産

切り離され、完全に柔軟で高度に統合された生産システム

もしも自動車がSmart Product

になれば?

現在の自動車の生産ラインでは、同一車種が、ラインを連続的に流れている。もしも、自動車が SmartProduct になり、固有の ID を持つ(製造部品も)ようになれば、一台一台異なった自動車を作り出す事が可能になる。

Page 92: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

自動車組立ラインの電源を、土日には

落とす

現在の自動車の生産ラインでは、生産が行われていない土日でも、ラインの電源は落とされていないという。人間は、ラインにあわせてシフトを組んでいる。ラインを土日に止める事は、可能である

Page 93: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ドイツの認識 製造機械のセクターでのグローバルな競争は、

ますます熾烈なものになっている。ドイツは、製造業にモノとサービスのインターネットを展開する傾向を認識している唯一の国ではない。さらに、ドイツの産業に脅威となっているのはアジアの競争者だけではない。アメリカも、また、「先進的製造業」を推進するプログラムを通じて、脱工業化への戦闘の対策を講じている。

Page 94: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ドイツの二つの戦略 産業的生産から Industrie 4.0へのシフトを

もたらす為に、ドイツは二つの戦略を採用する必要がある。

ドイツの製造装置産業は、たえず情報・コミュニケーション技術を伝統的な先端技術戦略と統合して、スマート製造技術をリードする供給者となるように、グローバル市場でのその優位を維持しなければならない。

同時に、 CPS 技術と製品をリードする市場を作り出し、そこで役目を果たす必要がある。

Page 95: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Cyber-Physical System の二つの戦略で実装すべき事 バリュー・ネットワークを通じた水平統合。 バリュー・チェイン全体を横断する、エンジ

ニアリングの end-to-end のディジタル統合。 垂直統合とネットワーク化された製造システ

ム。

Page 96: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Industrie 4.0 に向かう旅は、研究と開発に巨大な量の努力をドイツに要求するだろう。

二つの戦略を実現する為には、製造システムの水平・垂直統合とエンジニアリングのend-to-end の統合の研究が研究が必要となる。

加えて、 Industrie 4.0 システムと、さらには、 CPS 技術の連続的発展の帰結としての労働現場における新しい社会的なインフラに対して注意が払われねばならない。

Page 97: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

重要な領域 標準化と参照アーキテクチャー 複雑なシステムの管理 産業にとっての包括的なブロードバンドのイ

ンフラ 安全とセキュリティー 労働の組織とデザイン 訓練と連続的な専門的開発 規制の枠組み リソースの効率性

Page 98: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

アメリカの取り組み

アメリカは、オバマ大統領のもと、” Made in America” の復活を旗印に、アメリカ製造業の近代化に大きな力をさいている。

Page 99: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Advanced Manufacturing Partnership 設立の呼びかけをするオバマ大統領

2011 年 6 月

Page 100: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2011 年  AMP立ち上げ 2011 年 6 月、オバマ大統領

は、” Advanced Manufacturing Partnership (AMP)” を立ち上げる。

AMP Steering Commitee の構成工学系トップの大学 (MIT, UC Berkeley, Stanford, CMU, Michigan, GIT) の学長アメリカのトップ企業 (Caterpillar, Corning, Dow Chemical, Ford, Honeywell, Intel, Johnson & Johnson, Northrop Grumman, Procter & Gamble, United Technologies) の CEO

Page 101: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

オバマ演説「アメリカで発明しアメリカで製造する」 “ 本日、私は、我々の全て -- 私的企業・大学・政府機関 -– に、アメリカ製造業のルネッサンスをスパークさせ、我が国の製造業が世界のいかなる国とも競争するために必要な最先端のツールを開発するのを助ける為に、一緒になるよう呼びかける。 ... これらの重要な投資によって、我々は、合衆国が「ここで発明し、ここで製造する」国にとどまり、アメリカの労働者に、高品質・高賃金の仕事を作り出すことを保証する事が出来る”http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/06/24/

president-obama-launches-advanced-manufacturing-partnership

Page 102: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2012 年  NNMII の設立 2012 年 7 月、 AMP は 16 の勧告をレポート

する。その中には、” National Network of Manufacturing Innovation Institutes (NNMII)” の設立が含まれていた。

NNMII は、官民連携組織で、アメリカの企業の国際的競争力を高め、アメリカの製造施設への投資を増加させる為に、「優れた製造技術の地域のハブ」になる事が期待された。

Page 103: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

オバマ演説“Made in America”

“ 我々は、地域を助ける為に、その地域を、世界の先端技術の仕事のセンターに変える事を助ける為に、進んで一緒にパートナーを組もうとする企業と大学を求めている。というのも、我々は、製造業の次の革命が、「 Made in America 」になる事を望んでいるからだ。 "

-- President Obama, May 9, 2013

http://manufacturing.gov/nnmi_overview.html

Page 104: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2013 年度予算では、 advanced manufacturing に対する研究開発予算は、19%増えて 22 億ドル (2,200 億円 ) に。

この予算で、 National Institute of Standards and Technology (NIST) は、国内の製造業に研究施設とノウハウを提供する施策に 1 億ドル (100 億円 ) を支出。

NIST は、また Advanced Manufacturing Portal を運営している。これは、 AMI の勧告に基づいたもの。

Page 105: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
Page 106: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

政府の Jobs and Innovation Accelerator Challenge initiative も、advanced manufacturing の分野に、 2000万ドルを投資するという。

アメリカでは既に 2006 年から、 National Science Foundation (NSF) が、 Cyber-Physical System を重要な研究分野として位置づけていたが、製造業での利用については、おおきな進展はなかった。

Page 107: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Networking and Information Technology Research and Development (NITRD) は、 「人間とコンピュータの相互作用」「情報管理」を含む、異なる IT の領域で共同研究を進める為に、 18 の研究機関を一つにまとめるプログラムである。

2011 年、 NITRD は、 30 億ドル( 3,000 億円)の予算を獲得した。

Page 108: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

中国の取り組み

中国は、 2008 年以来、世界最大の機械産業大国である。第 12 期 5カ年計画( 2011 年 - 2015 年)に、中国は「戦略的産業分野」に、 168兆円の予算を投入している。

Page 109: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

機械エンジニアリング産業の売り上げ各国比較

EU 全体

中国

アメリカ

ドイツ

ロシア

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中国第 12 期 5カ年計画

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第 12 期 5カ年計画 中国は、急速に機械工業産業を拡大している。第 12 期 5カ年計画( 2011 年 -2015 年)で中国は、 7 つの「戦略的産業」分野で外国への技術依存を低減しグローバルな技術のリーダーシップを追求する事を打ち出した。その中に、ハイエンドの製造装置、新世代の情報技術が含まれている。

中国指導部は、この目的達成の為に 2015 までに、 168兆円 (1.2 teillion euros) を投下する。また研究開発投資を、 2015 年までに現在の GDP の 1.5% から 2% に拡大するという。

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機械装置の分野では、“インテリジェント工作機械” , “ インテリジェント制御システム” , “ 高機能数値制御マシン”を重点とし、 IT の分野では “ Internet of Things” とその応用(「産業の制御と自動化」を含む)を重点とした。

“Internet of Things” の優先順位は、 2010年から、北京の指導部によって大きくあげられた。中国は 2010 年から、毎年、 Internet of Things Conference を開催している。

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2010 年、「 IoTセンター」がオープンした。この研究センターには、 1 億 1700 万ドル(117 億円 ) の基金が与えられた。

中国は、江蘇省無錫市に「 IoT イノベーション・ゾーン」を設置し、 300 の企業と 7 万人の従業員を抱えている。

中国指導部は、 2015 年までに IoT の分野に、8億ドルを投下する事を計画している。

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日本の取り組み

経産省 「 2013 年版ものづくり白書」経産省 「産業競争力の強化に関する実行計画」総務省 「平成 25 年版 情報通信白書」

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第1章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望

( 1 )現状認識:日本経済を支えてきた製造業の揺らぎ( 2 )課題と方向性:

1. 企業の競争力を最大限引き出す「立地環境の整備」が必要

2. 企業に内在する競争力の源泉である「技術・設備の維持・強化」が必要

3. 企業が自らの競争力を発揮する「ビジネスモデルの変革」が必要

4. 非効率な経営資源を有効活用し競争力を高める「新陳代謝の促進」が必要

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第2章 全員参加型社会に向けたものづくり人材の育成

(1)女性技能者(製造業の女性比率は3割程度。全産業と比較して1割程度低い。)(2)高年齢技能者(製造業の就業者数が 10 年で約 200 万人減少する中、 60歳以上は 20 万人以上増加。)(3)非正規雇用の技能者(製造業における非正規雇用の労働者は全体の約2割)(4)今後の方向性(5)全員参加型社会に向けたものづくり人材の育成を支援・促進する現行の施策

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第3章 ものづくりの基盤を支える教育・研究開発

(1)ものづくり人材育成における大学(工学系)、高等専門学校、専門高校、専修学校の取組(2)ものづくり人材を育む教育・文化の基盤の充実(3)産業力強化のための研究開発の推進  ①ものづくりに関する基盤技術の研究開発  ②産学官連携を活用した研究開発の推進

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ものづくりに関する基盤技術の研究開発 燃料電池等の飛躍的な性能向上と低コスト化

を目指す計測分析技術・機器の開発を推進。 大型放射光施設( SPring-8 )、X線自由電子

レーザー施設( SACLA) 、大強度陽子加速器施設( J-PARC )の共用を促進し、光・量子科学技術を用いたものづくりに関する研究開発を支援。

世界最高水準の計算性能を有するスーパーコンピュータ

ナノスケール新物質創製・組織制御研究など、社会的ニーズに応える材料研究開発を実施。

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「産業競争力の強化に関する実行計画」 重点施策 民間投資・産業の新陳代謝の促進、中小企業

等の革新 「全員参加型社会」に向けた雇用・人材制度改革

イノベーションの推進、 IT の活用、立地競争力の強化

戦略市場における競争力強化、国際展開の促進

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戦略市場における競争力強化、国際展開の促進フロンティア開拓のための「技術立国」、世界最高水準のIT社会を実現。産業基盤強化や都市の競争力を高め、企業が活動しやすい国を創る 総合科学技術会議の司令塔機能強化 国家戦略特区について平成 26 年3月目途の区域指定、規制の特例措置を盛り込んだ特区計画の認定

コンパクトシティ等の推進、持続可能な地域公共交通ネットワークの実現、中心市街地の活性化

ビッグデータ時代におけるパーソナルデータの利活用促進

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総務省「平成 25 年版 情報通信白書」

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h25.html

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第 1章 「スマート ICT 」の進展による新たな価値の創造 日本の元気・成長の実現には、モバイル・ク

ラウド・ビッグデータ・ソーシャル・ 4K/8K など ICT の最新トレンド(「スマート ICT 」)の利活用が不可欠。

我が国のスマートフォン、ソーシャルメディア及びクラウドの利用は、他の先進国に比べて遅れており、その加速が必要。

ICT サービス市場及び通信機器市場では北米・アジア太平洋が成長の見通し。

放送コンテンツ輸出は番組販売から国際共同製作、チャンネル確保など展開手法が多様化。

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ビッグデータ流通量は 7 年間で 5.5 倍と高い伸びを示す。また、労働生産性の伸び率との間にプラスの相関関係が存在。

ビッグデータを活用することにより、業務効率化・付加価値向上など高い効果を発現。

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第 2章 ICT の活用による社会的課題の解決 電子政府・電子自治体の利用状況について国際比較を行った結果、日本では大きな格差。また、電子自治体の多くは情報提供型にとどまる。

番号制度やオープンデータに対する地方自治体の関心は高く、メリットを具体化させることにより、利用促進の動きも加速するものと考えられる。

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地方自治体は安全・安心分野や医療・介護分野を中心に、 ICT を活用した街づくりへの期待感が向上。他方、イメージや効果が明確でないとの指摘も存在。

今後、”生活資源”の安定的・効率的な確保にあたっても、 ICT の活用が期待される。

ICT は、超高齢社会にパラダイムシフトをもたらす原動力として期待。

ICT を活用している自治体では、地域の活性化だけでなく医療費削減等の効果も発現。

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第一部第 3節 ビッグデータの活用が促す成長の可能性  基本的には、 2013 年 3 月に、野村総合研究所が作成した「 ICT分野の革新が我が国経済社会システムに及ぼすインパクトに係る調査研究報告書」がベースになっている。http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h25_04_houkoku.pdf

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欧米におけるビッグデータの利活用調査 米国

Big Data Research and Development Initiative 国立科学財団( NSF )、国立衛生研究所( NIH )、国防総省( DoD )、エネルギー省( DOE )、国防高等研究計画局( DARPA )及び地質調査所( USGS )の 6機関

Deltek社が行った「ビッグデータ関連事業」調査

EU が支援するビッグデータ関連プロジェクト BIG ( Big Data Public Private Forum ) Planet Data EIT ICT Labs

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流通業における効果の 5 類型 プライベートブランド( PB ) 商品開発

自販機データの分析と時刻毎の商品投入 商品調達・在庫管理

スーパーの商品利益率を毎日計算 販促の精度向上

購買履歴の分析・割引券の発行 カタログ製作コスト最適化

購入履歴+ SNS の書き込みの分析 相互送客による売上向上

共通ポイントカードから自社データ抽出

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製造業における効果の 2 類型 メンテナンス体制の効率化

機械の稼働状況を遠隔監視し、故障の前兆現象を把握する予防保守

稼働状況と故障状況を分析することで、製品開発や生産工程の見直し

付加価値サービスの提供 稼働状況を遠隔監視し、上記と同様に予防保守を

実現しているほか、周囲の環境条件などを分析して、最適な運転を提案し、顧客の節電を促すサービスを行っている

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製造業における潜在的な経済効果 メンテナンス体制の効率化

リモート監視によるメンテナンス人件費の効率化 4兆 7,380 億円

算出根拠 対象産業(はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具)の出荷額の総額に15.5%をかけたもの

省エネルギー提案 業務用エアコンのリモート監視による節電 

519.7 億円

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