21
-1- Ⅰ.生産者の行動 現在の技術制約のもとで、利潤を最大化するような生産量を選ぶ、と考える。 (1)生産関数 生産関数: 生産要素の投入量と生産量を対応させた関数。 限界生産物(限界生産力 : 他の生産要素の投入量を一定としたもとで、特定の生産要素を1単位追加した時の 生産量の増加分。 限界生産物逓減の法則(限界生産力逓減の法則) :生産要素の投入を増やしていくにつれて、限界生産力が低下していくこと。 規模に関する収穫 規模に関する収穫逓増:すべての生産要素の投入量を2倍3倍にしていく時 生産量がそれ以上に増大していく生産技術 規模に関する収穫不変:すべての生産要素の投入量を2倍3倍にしていく時 生産量も2倍3倍と増大していく生産技術 規模に関する収穫逓減:すべての生産要素の投入量を2倍3倍にしていく時 生産量がそれ以下に増大していく生産技術 (2)費用関数 . 各生産量と、その生産量を実現するために必要な最小費用との関係を示したもの 可変費用:生産量が変化することによって変化する費用 固定費用:生産量に関係なくかかる一定の費用 総費用(TC)=固定費用(FC)+可変費用(VC) 平均固定費用(AFC :固定費用を生産量で割ったもの 平均可変費用(AVC :可変費用を生産量で割ったもの 平均費用(AC :総費用を生産量で割ったもの 平均費用=平均固定費用+平均可変費用 の関係がある。 限界費用(MC :生産量を1単位増加させた時に総費用がどれだけ増加したかを示し

Ⅰ.生産者の行動okui/genron/note2.pdf-1-Ⅰ.生産者の行動 現在の技術制約のもとで、利潤を最大化するような生産量を選ぶ、と考える。(1)生産関数

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- 1 -

Ⅰ.生産者の行動

現在の技術制約のもとで、利潤を最大化するような生産量を選ぶ、と考える。

(1)生産関数

生産関数: 生産要素の投入量と生産量を対応させた関数。

限界生産物(限界生産力 :)

他の生産要素の投入量を一定としたもとで、特定の生産要素を1単位追加した時の

生産量の増加分。

限界生産物逓減の法則(限界生産力逓減の法則)

:生産要素の投入を増やしていくにつれて、限界生産力が低下していくこと。

規模に関する収穫

規模に関する収穫逓増:すべての生産要素の投入量を2倍3倍にしていく時

生産量がそれ以上に増大していく生産技術

規模に関する収穫不変:すべての生産要素の投入量を2倍3倍にしていく時

生産量も2倍3倍と増大していく生産技術

規模に関する収穫逓減:すべての生産要素の投入量を2倍3倍にしていく時

生産量がそれ以下に増大していく生産技術

(2)費用関数

.各生産量と、その生産量を実現するために必要な最小費用との関係を示したもの

可変費用:生産量が変化することによって変化する費用

固定費用:生産量に関係なくかかる一定の費用

総費用(TC)=固定費用(FC)+可変費用(VC)

平均固定費用(AFC :固定費用を生産量で割ったもの)

平均可変費用(AVC :可変費用を生産量で割ったもの)

平均費用(AC :総費用を生産量で割ったもの)

平均費用=平均固定費用+平均可変費用 の関係がある。

限界費用(MC :生産量を1単位増加させた時に総費用がどれだけ増加したかを示し)

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- 2 -

たもの。生産量を十分細かい単位で数えられるならば、これは総費用曲線の接線の傾きに

なる。

限界固定費用(MFC :生産量を1単位増加させた時に固定費用がどれだけ増加した)

かを示したもの。これは、常にゼロである。

限界可変費用(MVC :生産量を1単位増加させた時に可変費用がどれだけ増加した)

かを示したもの。これは、限界費用と等しくなる。

・平均費用と限界費用の関係

限界費用曲線は平均費用曲線の最低点を通る

(証明)

生産量を とする。総費用関数を TC= ( )、平均費用関数を AC= ( ) と書y f y g y

くことにする。限界費用曲線をMC= ( )とする。AC=TC であるから、z y /y

( ) ( )× と書くことができる。f y =g y y

これを で微分すると、y

( ) ( )× + ( )f' y =g' y y g y

となる。限界費用曲線は総費用曲線を微分したものであるから、 ( ) ( )。これを上式z y =f' y

に代入すると、

( ) ( )× + ( )z y =g' y y g y

平均費用関数の最低を実現する生産量 では、 ( ) が成り立っているので、y g' y =0* *

( ) ( )。z y =g y* *

すなわち、平均費用関数の最低を実現する生産量 では、MC=ACが成り立っている。y*

( )証明終わり

・平均可変費用と限界費用の関係

限界費用曲線は平均可変費用曲線の最低点を通る

(証明)

生産量を とする。可変費用関数を VC= ( )、平均可変費用関数をAVC= ( )y h y k y

と書くことにする。限界可変費用曲線をMVC= ( )とする。AVC=VC であるかl y /y

ら、

h y =k y y( ) ( )×

と書くことができる。

これを で微分すると、y

( ) ( )× + ( )h' y =k' y y k y

となる。限界可変費用曲線は可変費用曲線を微分したものであるから、 ( ) ( )。これl y =h' y

を上式に代入すると、

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- 3 -

( ) ( )× + ( )l y =k' y y k y

平均可変費用関数の最低を実現する生産量 では、 ( ) が成り立っているので、y k' y =0** **

( ) ( )。l y =k y** **

すなわち、平均可変費用関数の最低を実現する生産量 では、MVC=AVCが成り立y**

っている。限界可変費用曲線と限界費用曲線は同じであるから、限界費用曲線は平均可変

費用曲線の最低点を通ることになる。 (証明終わり)

・ 平均費用曲線と平均可変費用曲線の関係

、 、平均費用=平均固定費用+平均可変費用 の関係があるので 平均可変費用曲線は必ず

平均費用曲線の下方にある。

・ 平均費用曲線曲線の最低点と平均可変費用曲線最低点の関係

平均可変費用曲線は必ず平均費用曲線の下方にあるので、平均費用曲線の最低を実現す

る生産量 と平均可変費用の最低を実現する生産量と には、 > の関係がある。y y y y* ** * **

(単位: 万円)100

生産量 総費用 固定費用 可変費用 平均固定費用 平均可変費用 平均費用 限界費用

200 200 0 ----- ----- -----0

10

210 200 10 200.0 10.0 210.01

15

225 200 25 100.0 12.5 112.52

20

245 200 45 66.7 15.0 81.73

30

275 200 75 50.0 18.8 68.84

40

315 200 115 40.0 23.0 63.05

60

375 200 175 33.3 29.2 62.56

100

475 200 275 28.6 39.3 67.97

150

625 200 425 25.0 53.1 78.18

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生産者の行動: 利潤を最大にする生産量を選ぶ。

1.プライステーカーの仮定:企業は価格を動かすことができないという仮定

完全競争市場のもとでは、非常に多くの企業と消費者が取引に参加している。したがっ

て、一企業が生産量を増やそうが減らそうが、市場全体の需給で決まった市場価格に影響

を与えることができない。したがって完全競争市場のもとで、個々の企業は市場価格が与

えられたものとして行動する となる。プライステーカー

2.企業の利潤最大化

利潤=収入-総費用

= 市場価格×生産量-(可変費用+固定費用)

=(市場価格×生産量-可変費用)-固定費用

利潤を最大化する生産量の選択は (市場価格×生産量-可変費用)を最大化する生産量、

の選択と同じ (市場価格×生産量-可変費用)の大きさは、下図斜線部分で示されてい。

総費用

0

5

10

15

20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

平均費用(AC)限界費用(MC)

平均可変費用(AVC)

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る。 価格、限界費用

限界費用曲線

P* B

市場価格

A

0 生産量

*y

この生産量は、上図のy のように、市場価格=限界費用となる生産量である。*

3.企業の生産停止について

企業は生産量をゼロにすれば、固定費用だけの損失が生じることになる。したがって

利潤≧-固定費用であれば、企業は生産を行うのである。

利潤=(市場価格×生産量-可変費用)-固定費用 ≧ -固定費用

を書き換えると、

(市場価格×生産量-可変費用)≧0

市場価格×生産量 ≧ 可変費用

可変費用市場価格 ≧

生産量

市場価格 ≧ 平均可変費用。

すなわち、市場価格が平均可変費用以上であれば、企業は生産を行うことになる。市場価

格が平均可変費用以下になれば、生産を中止するのである。

限界費用曲線は、平均可変費用曲線の最低点を通る。したがって、

①平均可変費用曲線の最低点より右側

限界費用 ≧ 平均可変費用 が成り立っている。

価格=限界費用となる生産量が企業の利潤を最大化する。

この生産量のもとでは、価格=限界費用≧ 平均可変費用が成り立っており、企業は

生産を行う。

②平均可変費用曲線の最低点より左側

限界費用 < 平均可変費用 となっている。

価格=限界費用となる生産量が企業の利潤を最大化する。

この生産量のもとでは、価格=限界費用< 平均可変費用が成り立っており、企業は

生産を行わない。

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4.企業の供給曲線

これら二つをまとめると、市場価格 ≧ 最低平均可変費用の時、企業は生産を行い、そ

の生産量は限界費用曲線によって示される。市場価格 < 最低平均可変費用の時、企業は

生産を中止するので生産量はゼロになる。平均可変費用曲線の最低点のことを、操業停止

点と言う。操業停止点より右側の限界費用曲線が、企業の供給曲線となるのである。そし

て、平均可変費用曲線の最低点以下の価格で生産量ゼロの情報を示す直線も、供給曲線を

構成する。

平均費用の最低点のことを、損益分岐点と言う。損益分岐点を下回る価格で損失が出て

いても、操業停止点以上の価格であれば企業は生産を行う (市場価格×生産量-可変費。

用)が正であるので、生産をやめるよりも得であるからである。

生産者の行動

利潤を最大にする生産量を選ぶ。

1.プライステーカーの仮定

プライ完全競争市場のもとで、個々の企業は市場価格が与えられたものとして行動する

となる。ステーカー

2.企業の利潤最大化

利潤=収入-総費用

= 市場価格×生産量-(可変費用+固定費用)

=(市場価格×生産量-可変費用)-固定費用

利潤を最大化する生産量の選択は (市場価格×生産量-可変費用)を最大化する生産量、

の選択と同じ (市場価格×生産量-可変費用)の大きさは、下図斜線部分で示されてい。

る。

価格、限界費用

限界費用曲線

P* B

市場価格

A

0 生産量

*y

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この生産量は、上図のy のように、市場価格=限界費用となる生産量である。*

(理由)

y だけ生産している時、市場価格×生産量は長方形 y の面積となり、可変費用* OP*B *

は限界費用曲線の下の部分の生産量 からy までの面積 y となるので、市場価格O * OAB *

×生産量-可変費用は で囲まれた斜線の面積となる。AP*B

このy より少ない生産量の時を考えよう。例えば、y’の時、市場価格×生産量は長*

方形 y’の面積となり、可変費用は限界費用曲線の下の部分の生産量 からy’OP*C O

までの面積 y’となるので、市場価格×生産量-可変費用は で囲まれた斜OAD AP*CD

。 、 。線の面積となる で囲まれた面積の部分だけ y の時より利潤が小さくなっているBCD *

y より少ない生産量の時はいつでも、 で囲まれた面積に相当する部分だけ、y の* BCD *

時より利潤が減るのである。

価格、限界費用

限界費用曲線

P* C B

市場価格

D

A

0 生産量

' *y y

このy より多い生産量の時を考えよう。例えば、y の時、市場価格×生産量は長方形* ''

y の面積となり、可変費用は限界費用曲線の下の部分の生産量 から までの面OP*F '' O y''

積 となるので、市場価格×生産量-可変費用=( の面積- の面積)OAEy'' OP*Fy'' OAEy'''

AP*B OAB * *BFy'' OAB * *BFy'' BEF= の面積+ y +y の面積 - y の面積+y の面積+( ) (

の面積)= の面積- の面積となる。 で囲まれた面積の部分だけ、y の時AP*B BEF BEF *

より利潤が小さくなっている。y より大きい生産量の時はいつでも、 で囲まれた面* BEF

積に相当する部分だけ、y の時より利潤が減るのである。*

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価格、限界費用

限界費用曲線

E

P* B

市場価格

F

A

0 生産量

* y''y

こうして、企業の利潤を最大化するのは、市場価格=限界費用となる生産量を選ぶ時で

あることがわかった。様々に市場価格が変化するならば、それに応じて市場価格=限界費

用となる生産量も変わってくるが、これら生産量は市場価格を水平にのばし、それと限界

費用曲線がぶつかった点から垂直に線をのばすことによって求めることができる。様々な

市場価格が与えられた時に企業が利潤最大化をする生産量は、限界費用曲線を見ることに

よってわかるのである。下図では、市場価格が の時、企業の利潤を最大化する生産量P*

はy 。市場価格が の時、企業の利潤を最大化する生産量はy 。市場価格が の* P** ** P***

時、企業の利潤を最大化する生産量はy である。***

価格、限界費用

限界費用曲線

P**

P*市場価格

P***

A

0 生産量

y*** * y**y

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3.企業の生産停止について

企業は生産量をゼロにすれば、固定費用だけの損失が生じることになる。したがって

利潤≧-固定費用であれば、企業は生産を行うのである。

利潤=(市場価格×生産量-可変費用)-固定費用 ≧ -固定費用

を書き換えると、

(市場価格×生産量-可変費用)≧0

市場価格×生産量 ≧ 可変費用

可変費用市場価格 ≧

生産量

市場価格 ≧ 平均可変費用。

すなわち、市場価格が平均可変費用以上であれば、企業は生産を行うことになる。市場価

格が平均可変費用以下になれば、生産を中止するのである。

限界費用曲線は、平均可変費用曲線の最低点を通る。したがって、限界費用曲線が右上

がりであるならば、

①平均可変費用曲線の最低点より右側の領域

限界費用 > 平均可変費用 が成り立っている。

②平均可変費用曲線の最低点

限界費用 = 平均可変費用 が成り立っている。

③平均可変費用曲線の最低点より左側の領域

限界費用 < 平均可変費用 が成り立っている。

( )平均可変費用曲線の最低点より右側の限界費用曲線について考える。1

企業は、利潤最大化により市場価格=限界費用となる生産量を選択する。平均可変費用

曲線の最低点より右側の限界費用曲線については、利潤最大化に対応する市場価格は

市場価格=限界費用 >平均可変費用

で、平均可変費用を上回っている。市場価格が平均可変費用を上回っているので、企業は

生産を行う。平均可変費用曲線の最低点より右側領域では、市場価格=限界費用で利潤を

最大にする生産量は、可変費用を上回る収入をもたらすので、企業は生産を行う。

( )平均可変費用曲線の最低点について考える。2

この点では、限界費用=平均可変費用が成り立っている。この点を通る市場価格が与え

られると、企業の利潤を最大化するのは、この点における生産量である。この生産量のも

とでは (市場価格×生産量-可変費用)がちょうどゼロになる。企業が生産を行う、ぎ、

りぎりの生産量である。

( )平均可変費用曲線の最低点より左側の限界費用曲線について考える。3

利潤を最大にする市場価格は、市場価格=限界費用<平均可変費用

で、平均可変費用を下回っている。市場価格が平均可変費用を下回っているので、企業は

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生産を行わない。平均可変費用曲線の最低点より左側領域では、市場価格=限界費用で利

潤を最大にする生産量は、可変費用を下回る収入しかもたらさないので、企業は生産を行

わない。

4.企業の供給曲線

これらをまとめると、市場価格 ≧ 最低平均可変費用の時、企業は生産を行い、その生

産量は限界費用曲線によって示される。市場価格 < 最低平均可変費用の時、企業は生産

を中止するので生産量はゼロになる。平均可変費用曲線の最低点のことを、操業停止点と

言う。操業停止点より右側の限界費用曲線が、企業の供給曲線となるのである。そして、

平均可変費用曲線の最低点以下の価格で生産量ゼロの情報を示す直線も、供給曲線を構成

する。

平均費用の最低点のことを、損益分岐点と言う。損益分岐点を下回る価格で損失が出て

いても、操業停止点以上の価格であれば企業は生産を行う (市場価格×生産量-可変費。

用)が正であるので、生産をやめるよりも得であるからである。

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問題

ある企業の生産について考える。生産量 、総費用 、可変費用 、固定費用 、平y C VC FC

、 、 、 、 、均可変費用 平均固定費用 平均費用 限界費用 市場価格 についてAVC AFC AC MC P

VC= y 4y FC=64 C= y 4y + 64 AC= y 4y + 64/y3 2 3 2 2- - -+ 7y + 7y + 7、 、 、

AVC= y 4y AFC=64/y MC 3y 8 y + 72 2- 、 -+ 7 、 =

が成り立っている。この企業は、完全競争市場において生産・販売を行っているものとす

る。

( )市場価格が の時、この企業が利潤最大化をはかるのであれば、生産量をいくらにす1 42

るか。

( )( )の時の市場価格と生産量の組み合わせ、図に示せ。解答者が問題にある図と同様の2 1

図を解答用紙に図を描き、描いた図を用いることによって解答せよ。

( )損益分岐点を求めよ(損益分岐点における価格はいくらで、生産量はいくらか 。3 )

( )市場価格が である時の利潤は負になる。このことを示せ。4 10

( )( )のように市場価格が になった時、企業は生産を行うだろうか。理由を明確に示5 4 10

した上で答えよ。

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

生産量

MC,AC,AVC,P

MCACAVC

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解答

( ) 利潤を最大にする生産量は、以下を満たす。1

P MC 42 3y 8y + 7= =⇔ 2 -

3y 8y 3 5 = 0⇔ 2 - -

3 y + 7 y 5 = 0⇔ ( )( )-

y = 7/3, 5⇔ -

生産量はマイナスの値をとらないから、利潤を最大にする生産量は 5 である。

( )2

、 ( ( 。 、( )損益分岐点は 平均費用曲線 )と限界費用曲線 )が交わる点である よって3 AC MC

MC AC 3y 8y + 7 = y 4y + 64/y= より、2 2- - + 7

2y y 64/y 02 - -4 =

両辺に をかけてy

2y y 64 03 2- -4 =

y y 32 03 2- -2 =

y 4 y + 2y + 8 0( )( ) =- 2

y = 4より

MC AC 3 4 8 4 7 23この時の限界費用、平均費用は = = × × + =2 -

よって、損益分岐点における価格は23、生産量は4である。

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

生産量

MC,AC,AVC,P

MCACAVC

42

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( )市場価格が である時の、利潤を最大にする生産量を求めると4 10

P MC 10 3y 8y + 7= =⇔ 2 -

3y 8y 3 = 0⇔ 2 - -

3 y + 1 y 3 = 0⇔ ( )( )-

y = 1/3, 3⇔ -

生産量はマイナスの値をとらないから、利潤を最大にする生産量は 3 である。

この時の利潤を求めると、

= P y C = 10 3 3 4 3 3 = 30 76 = 46利潤 ( )× × × ×- - - - -3 2 + 7 + 64

で、利潤はマイナスである。すなわち、損失が発生している。

( )損失が発生しているが、企業は生産を行う。理由は次のとおりである。この企業は生5

産をやめると、生産量がゼロになるため利潤は、

= P y C = 10 0 0 4 0 0 = 64利潤 ( )× × × ×- - - -3 2+ 7 + 64

である。生産量が3の時の利潤は であり、これは生産量がゼロの時の利潤より大き- 46

い。よって、この企業は価格 ・生産量 で損失が出ていても、生産をやめるよりは得10 3

なので、 だけの生産を行うのである。3

Ⅱ 家計の行動.

家計は、予算制約の条件下で効用を最大にするように消費の組み合わせを決定する、と

考える。

(1)効用関数

X財の消費量q 、Y財の消費量q から得られる効用uを以下の効用関数によって表x y

す。

u=u(q ,q )x y

(2)無差別曲線

家計にとって同じ効用をもたらす財の組み合わせの点の軌跡。

(3)無差別曲線の性質

X財、Y財ともに多いほど家計の効用は高い、ということを前提にすれば、無差別曲線

は以下の性質を持つ

①右上にある無差別曲線ほど効用の順位は高くなる。

②右下がり

③交わらない

④原点に向かって凸形をしている (=限界代替率逓減)。

今、A点(q ,q )からX財を⊿q だけ増やし、Y財を(-⊿q )だけ減らしx y x y1 1

、 ( , ) 。 、て 同じ効用を実現するB点 q q に消費量を変更することを考える この時x y2 2

Y財のX財に対する限界代替率( 、MRS は次のようにMarginal rate of substituti-on) yx

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表される。

y-⊿qMRS =yx

x⊿q

すなわち、Y財のX財に対する限界代替率とは、X財を1単位増加させた時、効用を同じ

に維持するために、犠牲にしなければならないY財の量のことを言う。

これは、Y財で測ったX財の価値をあらわすものということができる。

y-⊿q⊿q → にとるのであれば、 MRS =x yx0

x⊿q

A点における無差別曲線の折線の傾きの絶対値になる。

限界代替率逓減というのは、無差別曲線の傾きの絶対値がX財が増加するとともに、小

さくなることを意味する。すなわち、Y財で測ったX財の価値がX財の増加とともに小さ

くなっていくことを意味している。

(4)予算制約式

p q +p q =zx x y y

p :X財の価格 p :Y財の価格 z:所得X y

(5)家計の選択

xpMRS =yx

yp

(6)所得変化の効果

上級財:所得の増加とともに消費量が増える財

下級財:所得の増加とともに消費量が減る財

(7)価格変化の効果

X財の価格がpからp に下がった場合(p>p 。' '' ' '')

p q +p q =z ⇔ q =-(p /p )q +(z/p )' 'x x y y y x y x y

p q +p q =z ⇔ q =-(p /p )q +(z/p )'' ''x x y y y x y x y

新しい予算制約線は、Y切片が変わらず、傾きの絶対値が小さくなる。この予算制約線

の変化によって生じる効用最大化の点の変化が、X財価格低下の効果である。

新しい予算制約線と平行で、前の予算最大化点を実現していた無差別曲線に接する線を

。 。 、 、ひく この接点をeとする そして 前の予算制約線のもとでの効用最大化の点をE点'

新しい予算制約線のもとでの効用最大化の点をE とする。''

所得効果:価格の変化による実質所得の変化がおこす需要量の変化

→E の部分に相当する。e ''

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- 1 5 -

代替効果:価格の変化による相対価格の変化がおこす需要量の変化

E→ の部分に相当する。' e

(8)需要曲線

EにおけるX財の需要量q 。E におけるX財の需要量q とする。横軸にX財の需' ' '' ''x x

要量、縦軸にX財の価格をとり (p q 、 (p q )をプロットしていく。こうし、 )' , ' '' , ''x x x x

て得られた、X財需要量とX財価格の組み合わせの奇跡が需要曲線である。

需要曲線の形状については、次の場合に分けて考えるとわかりやすい。

①上級財の場合

②下級財で代替効果が所得効果を上回る場合

③下級財で所得効果が代替効果を上回る場合 →ギッフェン財のケース

①及び②の場合は、需要曲線は右下がりとなる。価格が下がれば、需要量が増えるという

関係になるわけで、これが通常の場合と言える。しかし③の場合、需要曲線は右上がりの

。 、 。部分を持つことになる このような形状を持つ需要曲線を持つ財を ギッフェン財と言う

(9)弾力性の考え方

需要の所得弾力性:所得が1%増加した時、需要量が何パーセント増加するかを表す。

需要の価格弾力性:価格が1%増加した時、需要量が何パーセント減少するかを

表す (価格が1%減少した時、需要量が何パーセント増加するかを表す )。 。

Ⅱ 家計の行動.

家計は、予算制約の条件下で効用を最大にするように消費の組み合わせを決定する、と

考える。

(1)効用関数:財の消費の組み合わせと家計の効用の関係を表した関数。

(2)無差別曲線:家計にとって同じ効用をもたらす財の組み合わせの点の軌跡。

(3)無差別曲線の性質

①右上にある無差別曲線ほど効用の順位は高くなる。

②右下がり

③交わらない

④原点に向かって凸形をしている (=限界代替率逓減)。

(4)予算制約式:消費者が財を購入できる範囲を表す

p q +p q =z p :X財の価格 p :Y財の価格 z:所得x x y y X y

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(5)家計の選択:予算制約の範囲で、効用を最大にするように消費の組み合わせを選択

する。予算制約線と無差別曲線の接点が、効用最大化の点となる。

(6)所得変化の効果:

予算制約線が平行に移動する。この移動によって生じる効用最大化の点の変化。

上級財:所得の増加とともに消費量が増える財

下級財:所得の増加とともに消費量が減る財

(7)価格変化の効果

X財の価格がpからp に下がった場合(p>p 。' '' ' '')

p q +p q =z ⇔ q =-(p /p )q +(z/p )' 'x x y y y x y x y

p q +p q =z ⇔ q =-(p /p )q +(z/p )'' ''x x y y y x y x y

新しい予算制約線は、Y切片が変わらず、傾きの絶対値が小さくなる。この予算制約線

の変化によって生じる効用最大化の点の変化が、X財価格低下の効果である。

新しい予算制約線と平行で、前の予算最大化点を実現していた無差別曲線に接する線を

。 。 、 、ひく この接点をeとする そして 前の予算制約線のもとでの効用最大化の点をE点'

新しい予算制約線のもとでの効用最大化の点をE とする。''

所得効果:価格の変化による実質所得の変化がおこす需要量の変化

→E の部分に相当する。e ''

代替効果:価格の変化による相対価格の変化がおこす需要量の変化

E→ の部分に相当する。' e

(8)需要曲線

EにおけるX財の需要量q 。E におけるX財の需要量q とする。横軸にX財の需' ' '' ''x x

要量、縦軸にX財の価格をとり (p q 、 (p q )をプロットしていく。こうし、 )' , ' '' , ''x x x x

て得られた、X財需要量とX財価格の組み合わせの奇跡が需要曲線である。

需要曲線の形状については、次の場合に分けて考えるとわかりやすい。

①上級財の場合

②下級財で代替効果が所得効果を上回る場合

③下級財で所得効果が代替効果を上回る場合 →ギッフェン財のケース

①及び②の場合は、需要曲線は右下がりとなる。価格が下がれば、需要量が増えるという

関係になるわけで、これが通常の場合と言える。しかし③の場合、需要曲線は右上がりの

。 、 。部分を持つことになる このような形状を持つ需要曲線を持つ財を ギッフェン財と言う

(9)需要の価格弾力性

需要の価格弾力性:価格が1%増加した時、需要量が何パーセント減少するかを

表す (価格が1%減少した時、需要量が何パーセント増加。

するかを表す )。

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変化前 変化後

ガソリン価格 100円 995円.

(1リットルあたり)

ガソリン需要量 10リットル 12リットル

単なる変化率=-(12-10)/( - )=499.5 100

ガソリンの単位をミリリットルに変えると、

単なる変化率=-(12000-10000)/( - )=400099.5 100

、 。 、 、と 単位のとり方で違った値が出てきてしまう そこで 単位の取り方から独立なるよう

1パーセントの価格の変化量あたりの需要量の変化をとる。

価格は100円から995円に、05%下落した。ガソリンの需要量は. .

10リットルから12リットルに20%上昇した。価格1%あたりの需要量の変化は40

%である。よって、この場合、需要の価格弾力性は40となる。

需要の価格弾力性

ΔD/D ΔD ΔP ΔD P=- =- ÷ = -

ΔP/P D P ΔP D

D:需要量 P:価格 Δ:増分の意味を表す

(10)需要の価格弾力性と販売収入の関係

企業が価格を下げると、販売収入は増えるか?

⇒ その企業の直面している需要曲線の需要の価格弾力性に依存する

変化前 変化後

ガソリン価格 P円 P+ΔP円

(1リットルあたり) (ΔP<0)

ガソリン需要量 Dリットル D+ΔDリットル

(ΔD>0)

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価格変化後の販売収入を求めると、

(P+ΔP (D+ΔD)=PD+PΔD+ΔPD+ΔPΔD)

ΔPΔDは十分に小さい値であり、無視できるものとすると、

(P+ΔP (D+ΔD)=PX+PΔD+ΔPD)

1) ΔD/D ΔD ΔP- =1の時、- =

ΔP/P D P

-PΔD=DΔP

PΔD+DΔP=0

よって (P+ΔP (D+ΔD)=PD、 )

2) ΔD/D ΔD/D- >1の時、 >1

ΔP/P (-1) ΔP/P

であるから、 ΔD ΔP>-

D P

PΔD>-DΔP

PΔD+DΔP>0

よって (P+ΔP (D+ΔD)=PX+PΔD+ΔPD>PD、 )

3) ΔD/D ΔD/D

- <1の時、 <1

ΔP/P (-1) ΔP/P

であるから、 ΔD ΔP

<-

D P

PΔD<-DΔP

PΔD+DΔP<0

よって (P+ΔP (D+ΔD)=PX+PΔD+ΔPD<PD、 )

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(11)豊作貧乏

、 。需要の価格弾力性の低い農作物では 豊作による価格低下で販売収入が下がってしまう

価格 需要曲線

通常の供給曲線

豊作の時の供給曲線

数量0

Ⅲ.市場均衡

(1)市場全体の需要曲線

個別の需要曲線を水平に足し合わせることによって求められる。

個別の需要曲線は、ギッフェン財でない限り右下がりになっている。よって、市場全体

の需要曲線も右下がりになる。

(2)市場全体の供給曲線

個別の供給曲線を水平に足し合わせることによって求められる。

個別の供給曲線は、限界費用曲線になっているのであった。限界費用は、当初、逓減し

ていくことがあっても、早晩、逓増に向かう。限界費用が逓増になる理由は、次の通りで

ある。生産量の少ない時は、設備や工場に十分な空きがある。よって、更に生産量を増や

すために人を増員した時、それらの人々に十分な働きが期待できるので、追加的な費用は

あまりかからない。しかし生産量が増えてくると、設備や工場がフル稼働になってくる。

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すると、生産量を増やすために増員しても、それらの人々に十分な働きが期待できなくな

るため、追加的な費用がかさむことになる。

、 。 、このように限界費用曲線が逓増であるので 個別の供給曲線は右上がりとなる よって

市場全体の供給曲線も右上がりになる。

(3)市場均衡

市場全体の需要曲線と市場全体の供給曲線が交わった点が均衡点である。均衡点での価

格を均衡価格といい、均衡点での数量を均衡数量と言う。均衡は、均衡価格と均衡数量の

組み合わせで表される。

市場での取引の結果は、市場均衡になると考えられる。

① 市場価格が均衡価格より高い時は、 市場全体の需要量<市場全体の供給量

となっている →市場価格が下がる

売れ残りが生じている。生産者は、売れ残りを解消しようとして、価格を下

げる。消費者は喜んで、この価格下げを受け入れる。

② 市場価格が均衡価格より低い時は、 市場全体の需要量>市場全体の供給量

となっている →市場価格が上がる

品不足じている。消費者は、高い価格を払ってでも財を買いたい。生産者は、

喜んで、この価格上げを受け入れる。

③ 市場価格が均衡価格となり、 市場全体の需要量=市場全体の供給量となった時、

市場価格の動きが止まる。

(4)市場価格の変化

①需要曲線のシフト(消費者の所得、人口、消費者の選好、関連ある財の価格)

②供給曲線のシフト(産業の規模、技術進歩、投入物の価格)

(5)市場価格の変化と弾力性の関係

需要の価格弾力性:価格が1%増加した時、需要量が何%減少するかを表す。

供給の価格弾力性:価格が1%増加した時、供給量が何%増加するかを表す。

価格

供給曲線

需要の価格弾力性

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が大きい

需要の

価格弾力

性が小さい

数量0

需要曲線

需要の価格弾力性が小さい供給曲線

価格

供給の価格弾力性が大きい

供給曲線

数量0

(6)市場均衡と経済厚生

厚生経済学の第一定理:市場均衡はパレート最適である。

市場の失敗 → 政府の必要性