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今日の石油産業 2018 2018年9月

今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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今日の石油産業2018

2018年9月

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『今日の石油産業』は、消費者の皆様をはじめ広く関係各位に向けて、石油産業の現状や

業界の取り組みについて最新の情報をお知らせするために毎年作成しているものです。

昨年より編集方針を改め、掲載資料については直近年度末までの実績・情勢を反映させる

べく、9月に刊行することとしました。

この1年においては、エネルギー供給構造高度化法に基づく3次告示や非化石エネルギー

源利用の判断基準が示され、第5次エネルギー基本計画が策定されるなど、石油を取り巻く

政策が進展しました。

本誌ではその様な動向について読みやすさを考慮し、簡潔に説明するよう適宜改訂して

います。本文中に掲載しきれなかった図表等は、巻末にデータ集としてまとめましたので

あわせてご参照ください。

本誌が石油および石油産業に対する正しい理解の一助となれば幸いです。

2018年9月

は じ め に

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C O N T E N T S

第 1 章

第 2 章

第 3 章

第 4 章

第 5 章

国際石油情勢 ……………………………

国内石油需給動向および流通販売 ……

石油産業に係わるエネルギー政策 ……

石油業界の環境安全対策 ………………

石油業界の緊急時・大規模災害対策 …

3▶ 6

7▶ 13

14 ▶ 21

22▶ 27

28▶ 33

34 ▶ 44

45 ▶ 46

巻末データ集 ……………………………

石油関連日誌 ………………………

1はじめに …………………………………

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地下に存在するすべての石油の量は「資源量(Resources)」といい、

この資源量のうち、既発見であり、かつ経済的・技術的に回収(採取)

可能な量を「埋蔵量(Reserves)」といいます。また、「可採年数(R/P)」は

現在の技術と価格の下で採掘可能であると考えられる石油埋蔵量

(R)をその年の石油生産量(P)で割ったものをいいます。1970年代には

可採年数は約30年と試算されていた時期もありましたが、技術革新

による新規油田の発見や採掘技術の進歩、原油価格の上昇等による

採算性の向上などから、最近の可採年数はOil & Gas Journal誌で

58年、BP統計で50年と試算されています。

このように、可採年数は技術の進歩や原油価格の上下によっても

変動する試算値であり、石油が枯渇する年数という意味合いのもの

ではありません。

【探鉱技術の例】

(1)人工衛星と地上波を複合活用した測位システム……人工衛星と

地上局からの電波を組み合わせて、海上と海底の正確な位置を

測定できます。

(2)三次元(3-D)地震探査システム……高密度の地質データを処理

することにより、複雑な地下構造を立体的に把握することが可能

になります。

【採掘技術の例】

(1) 水平掘削技術……水平方向に10km以上も掘削できるため、1つ

の油井から出る石油生産量は増加します。

(2) 水圧破砕法(ハイドロ・フラクチャリング)……シェール層(頁岩

層)の岩盤に超高圧の水を注入して、人工的な割れ目(フラク

チャー)を作り、そこに大量の水と化学薬品を流し込んでガス/

オイル を 採 取 する 技 術。シェー ル

ガス・シェールオイルの採取等に用

いられています。

(関連図表P.34)

(3) 大水深海洋石油開発システム……水深

3,000メートル(1万フィート)の大水深

にある海底油田からの生産が可能と

なっており、今後は3,600メートル(1.2

万フィート)からの採掘技術を目標と

しています。

第1章 国際石油情勢

❶ 石油の埋蔵量と可採年数について ❷ 石油の探鉱・開発技術の発達

■原油確認埋蔵量と可採年数の推移

2017年

2016201020052000199519901985198019750

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

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10

20

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原油確認埋蔵量(R)

可採年数(R/P)

16,51916,459

14,696

12,926

10,28510,0759,991

7,0016,4856,587

585756

49

424545

3631

34

単位:年単位:億バレル

出所:OGJ誌

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 20172016

195 208 195 220 226 246 262 263 287287年間原油生産量(P)

単位:億バレル

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第1章 国際石油情勢

単位:百万バレル

■世界の原油確認埋蔵量と可採年数(2017年末現在)

出所:OGJ誌(2017年末号)

2017年末の世界の原油確認埋蔵量は約1兆6,519億バレル、可採年数は58年となっており、確認埋蔵量の73.7%をOPEC諸国が、また48.9%を中東諸国が占めている。

確認埋蔵量

可採年数OPEC合計確認埋蔵量:1,217,880(73.7%)可 採 年 数:103年

非OPEC合計確認埋蔵量:433,970(26.3%)

可 採 年 数:26年

世界合計確認埋蔵量

1,651,850(100%)可採年数:58年

確認埋蔵量:油層内に存在する油の総量(原始埋蔵量)のうち、技術的・経済的に生産可能なものを「可採埋蔵量」といい、通常「原始埋蔵量」の20~30%程度といわれている。可採埋蔵量のうち、最も信頼性の高いものを「確認埋蔵量」としている。

可採年数:ある年の年末の確認埋蔵量をその年の生産量で除した数値。例えば、「可採年数50年」とあっても、今後、石油探査や掘削をはじめ、回収技術の進歩により既存油田の埋蔵量が増えたり、新油田の発見などがあるため、その年数で石油が掘り尽くされるということではない。

その他

OPEC諸国

25年

ナイジェリア

68年

33,096(2.0%)

カタール

114年

25,244(1.5%)

37,453(2.3%)

リビア

174年

サウジアラビア

73年

48,363(2.9%)

266,208(16.1%)

イラン

113年

157,200(9.5%)

クウェート

イラク

103年

101,500(6.1%)

ベネズエラ

412年

アラブ首長国連邦

(UAE)

91年

97,800(5.9%)

91年

148,766(9.0%)

ロシア

20年

80,000(4.8%)

カナダ

120年

170,540(10.3%)

中国

18年

25,627(1.6%)

カザフスタン

48年

30,000(1.8%)

アメリカ

11年

35,427(2.1%)

その他

非OPEC諸国

17年

71,297(4.3%)

イギリス

ノルウェー

13年

12,634(0.8%)

ブラジル

9年

8,445(0.5%)

302,250(18.3%)

(注): 1. 分割地帯はそれぞれサウジアラビア、クウェートに含まれる 2. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

■世界の原油生産量(2017年)

OPEC計32,410(41.2%)

世界合計78,625(100%)

非OPEC計46,215(58.8%)

ロシア11,001(14.0%)

サウジアラビア9,965(12.7%)

UAE2,934(3.7%)

イラク4,474(5.7%)

クウェート2,707(3.4%)

イラン3,797(4.8%)

ベネズエラ 2,010(2.6%)ナイジェリア 1,520(1.9%)リビア 760(1.0%)カタール 608(0.8%)

その他OPEC諸国3,635(4.6%)

中国 3.877(4.9%)

イギリス/ノルウェー2,612(3.3%)

(注): 1. 分割地帯はそれぞれサウジアラビア、クウェートに含まれる 2. UAEはアラブ首長国連邦の略称 3. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

その他非OPEC諸国12,975(16.5%)

この他に、NGL(天然ガス液)が石油同様に生産されている。

出所 :OGJ誌(2017年末号)

単位 :千バレル/日

アメリカ9,230(11.7%)

カナダ3,900(5.0%)

ブラジル 2,620(3.3%)

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IEA(国際エネルギー機関)が2018年3月に発表したレポートによれ

ば、2017年の世界の石油需要は97.8百万バレル/日となりました。

2018年には主に非OECD諸国の石油需要が増加することなどから約

1.4%増加し、99.2百万バレル/日と前年の実績を上回る見込みです。

具体的には、中国が30万バレル/日、その他のアジア地域が50万

バレル/日程度増加し、非OECD全体としては140万バレル/日の増

加となる見込みです。これに対して2017年の世界の石油供給は97.4

百万バレル/日となりました。このうち非OPEC諸国の石油供給は

58.1百万バレル/日となり、2018年には北アメリカが前年よりも170万

バレル/日の増加となることなどから約3.1%増加し、59.9百万バレル

/日となることが見込まれています。

中期的には世界の石油需要は、中国やアジアを中心とする非

OECD諸国の経済成長に伴って増加すると想定され、IEAの中期見

通し(2018年)によれば、2023年の需要は2017年に対して約7%増加

して、104.7百万バレル/日に達するものと見込まれています。これに

対して供給面では、非OPEC諸国の供給は2023年には2017年の58.1

百万バレル/日から約9%増加して、63.3百万バレル/日と見込まれ

ています。

2017年度のWTI原油価格について、年度始めの4月3日は50.24ドル/

バレルでスタートしました。5月末にはOPEC総会で協調減産の延長

が決定されましたが、米国でのシェールオイルの生産増等から価格

上昇には繋がらず、6月21日には年度最安値である42.53ドル/バレル

を記録しました。

7月に入ると、夏期のドライブシーズンで米国原油在庫が減少した

ことや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した

こと等から油価は上方基調に転じました。

その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

まりも下支えとなり、11月末のOPEC総会にて協調減産をさらに延長

することが決まった後、12月から世界的な原油在庫の減少を背景に

油価はさらに上昇し、年末の12月29日には60.42ドル/バレル となり、2

年半ぶりに60ドル/バレルに達しました。

年明け以降も上昇基調は続き2018年1月26日に年度最高値となる

66.14ドル/バレルを記録し、その後年度末まで60~65ドル/バレル前

後で推移しました。

今後の国際石油市場を中長期的に展望する上で、アジアや中東を

中心とする発展途上国の需給動向が非常に重要な要素となってい

ます。IEAは、2017年版の世界エネルギー見通しの新政策シナリオに

おいて、2040年の世界の石油需要が、16年/40年の年率ベースで

0.5%増の104.9百万バレル/日となる中で、中国は同1.3%増の15.5

百万バレル/日、インドが3.3%増の9.7百万バレル/日、中東が1.4%

増の10.7百万バレル/日となるとの見通しを発表しています。2035

年には、中国が世界最大の石油消費国へ浮上する一方、2025年頃から

需要の牽引役はインドに代わることとなります。米国はシェールオイ

ル生産量の増加を受け、2020年代後半には石油の純輸出国になる

とされています。

❹ 原油価格の動向

❸ 国際石油需給 ❺ 中長期的な国際石油市場の見通し

■世界の石油需給 単位:百万バレル/日

2017 2018

需要

OECD諸国 47.4 47.4非OECD諸国 50.4 51.8

中国 12.5 12.8その他のアジア 13.3 13.8

石油需要 合計 97.8 99.2

供給

OECD諸国 24.1 25.8米州 20.2 21.9

非OECD諸国 29.3 29.3ロシア 14.4 14.4

非OPEC諸国 58.1 59.9OPEC諸国 39.2 -石油供給 合計 97.4 -

出所:IEA「Oil 2018」(2018年3月)(注): 需要にはマリンバンカー、精製用燃料、生だき用原油、非在来型およびその他の供給源から

の石油、バイオ燃料を含む

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第1章 国際石油情勢

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10

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出所:各種資料より石油連盟が作成

12 16 17 18131110090807060504030201009998979695949392919089888786858483828180797877767574731972年

14 15

単位:ドル/バレル■原油価格の推移(月平均)

ドバイスポット価格

イラン・イラク戦争勃発(9月)イラン革命(2月)

OPEC・非OPECの減産

イラクのクウェート侵攻(8月)

同時多発テロの発生

イラン停戦受諾

標準原油廃止

第二次オイルショック

第一次オイルショック

イラク戦争勃発

アラブの春

OPEC生産水準を維持

ハリケーン「カトリーナ」

サブプライムローン問題顕在化

リーマンショック

第四次中東戦争(10月)

サウジアラビア、ネットバック販売開始

アラビアンライトネットバック価格

アジアの経済危機

OPEC増産

アラビアンライトスポット価格

アラビアンライト公式販売価格

■世界の石油需要の見通し(新政策シナリオ) 百万バレル/日

国・地域          年 2000 2016 2025 2030 2035 2040 2016-2040(注1)

北米 22.9 22.3 21.8 20.5 19.0 18.0 -0.9%

 アメリカ 18.9 18.1 17.5 16.3 14.8 13.8 -1.1%

中南米 4.5 5.9 6.2 6.3 6.5 6.7 0.5%

 ブラジル 1.9 2.4 2.5 2.7 2.8 2.9 0.8%

欧州 14.9 13.0 11.3 10.3 9.4 8.7 -1.7%

 EU 13.1 11.1 9.2 8.2 7.2 6.5 -2.2%

アフリカ 2.2 3.9 4.6 5.1 5.6 6.2 2.0%

 南アフリカ 0.4 0.6 0.6 0.7 0.7 0.8 1.3%

中東 4.3 7.6 8.6 9.1 9.9 10.7 1.4%

ユーラシア 3.1 3.9 4.3 4.4 4.4 4.4 0.6%

 ロシア 2.6 3.2 3.4 3.4 3.4 3.3 0.2%

アジア太平洋 19.4 29.6 34.8 37.0 38.3 39.2 1.2%

 中国 4.7 11.5 14.5 15.4 15.5 15.5 1.3%

 インド 2.3 4.4 6.3 7.5 8.7 9.7 3.3%

 日本 5.1 3.7 3.0 2.7 2.4 2.1 -2.3%

 東南アジア 3.1 4.7 5.8 6.2 6.4 6.6 1.4%

国際船舶向け需要(注2) 5.4 7.7 8.8 9.5 10.3 11.1 1.6%

世界合計 76.7 93.9 100.3 102.2 103.4 104.9 0.5%

バイオ燃料需要(注3) 0.2 1.7 2.5 3.1 3.6 4.1 3.9%

(注): 1. 期間平均 出所:IEA「World Energy Outlook2017」(世界エネルギー見通し) 2. 国際船舶・航空用燃料を含む 3. ガソリン・軽油換算

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2016年度の最終エネルギー消費は、前年度比1.3%減の13,321PJ

(ペタジュール)となり、6年連続で減少しました。エネルギー源別に見

ると、石油は前年度比2.3%減の6,442PJ(原油換算1億6,637万㎘)と

なり、6年連続で減少した一方、電力は0.1%増の3,419PJ(原油換算

8,831万㎘)となり、4年ぶりに増加しました。

また、一次エネルギーの国内供給合計は19,836PJ、原油換算で

5億1,227万㎘と前年度比0.9%減となりました。その内、石油(LPG含

む)は7,877PJ(原油換算2億343万㎘)で、前年度比3.2%減となってい

ます。供給に占めるシェアでは、前年度と比べ石油(LPG含む)が

40.7%から39.7%、石炭が25.8%から25.4%へ減少した一方、

天然ガスが23.3%から23.8%、原子力が0.4%から0.8%へ増加しま

した。

電源構成としては、東日本大震災以降、原子力発電の稼働が停止

した分を石油等の火力発電が補ってきましたが、火力発電の中でも

天然ガスと石炭の供給量が増えたことから、2015年度には石油火力

の割合は再び1割を下回りました。

0 100 200 300 400

2010

2016

2015

2000

1990

1980

1975

1973年度

再生可能・未活用エネルギー

電力

天然ガス・都市ガス

石炭

石油

単位:原油換算百万㎘■エネルギー源別最終消費の推移

出所:経済産業省「総合エネルギー統計」(注): 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

287

286

271

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196

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0

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71 1

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88

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29

29

181

195

226

187

166

170 36

0

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000年間発電電力量

2015

2016

2030(見通し)

2010

2005

2000

1995

1990

19851980年度

単位:%、億kWh■電源別発電電力量の推移

出所:電気事業連合会、2016年度は電気事業低炭素社会協議会、見通しは「長期エネルギー需給見通し」(2015年7月)(注): 1.卸電力取引の一部など電源種別が特定できないもの 2.四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

16.9 45.6 4.5 15.4 17.4 4,850

27.2 27.3 9.80.2

21.7 13.8 5,840

27.3 28.6 9.70.2

22.2 11.9 7,376

34.0 19.4 13.70.5

22.4 10.0 8,557 0.6

0.9

1.1

34.3 10.7 18.4 26.4 9.6 9,396

30.8 10.8 25.6 23.7 8.2 9,889

28.6 7.5 25.0 29.3 8.5 10,064

8,737

20~22 3 26 27 22~24 10,650

44.031.69.01.1 4.7

45.2 7.0 7.81.7 6.1 29.0 3.2

9.6 8,850

2014 0 10.6 31.0 46.2 9.0 3.2 9,101

地熱および新エネルギー(太陽光、風力など)

水力

天然ガス

石炭

石油等

原子力

その他 注1

0.2

第2章 国内石油需給動向および流通販売

❶ エネルギー需給実績

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第2章 国内石油需給動向および流通販売

石油製品の供給は、石油製品を輸入する方法と、原油を輸入して

国内で石油製品に精製する方法(消費地精製方式)があります。わが

国の供給体制の根幹は消費地精製方式です。消費地精製方式は、

大型の原油タンカーで大量に原油を輸送することによりコストを低減

できること、国内の需要構造に合わせて石油製品の生産割合を一定の

範囲で調整できること、国内の環境基準等に適合した品質の調整が

容易であること、緊急時への対応に優位性があることなど多くのメリット

を有しています。

わが国は原油のほぼすべてを海外から輸入しており、2017年度に

国内で産出した原油は55万㎘と、精製業者の原油処理量1億8,397

万㎘の0.3%、およそ1日分に相当する量に過ぎません。

0.61.0

1.0

0.4

0.8

1.1

3.0

3.0

1.6

1.6

0 100 200 300 600400 500

2015

2016

2010

2030(見通し)

2000

1990

1980

1975

1973年度

単位:%、原油換算百万㎘■一次エネルギー供給(国内供給)の推移

出所:経済産業省「総合エネルギー統計」、見通しは「長期エネルギー需給見通し」(2015年7月)

387

371

411

507

567

516

512

586

48930%程度

1.7 16.9 4.4

25%程度 18%程度 11~10%程度 13~14%程度

73.8

69.6

61.6

52.2

46.0

17.4 2.72.1 5.6

17.63.1 6.4 4.9 5.4

16.93.7 10.5 9.6 4.2

18.53.2

37.4

37.9

37.0

22.72.9

25.72.7

25.42.7

13.5 12.6 3.3

18.2 11.2 3.3 4.3

23.3 3.6 6.3

23.8 3.3 7.0

3%程度

石炭

天然ガス

石油

LPG

原子力

再生可能・未活用エネルギー

水力

(注): 1. 経済産業省は、製造部門の重油補正に係わる見直しを1990年に遡及して修正を行ったため、1990年以降のデータは前年までの資料から変更されている 2. 国内供給は、総供給から輸出供給と在庫変動を控除したもの 3. 四捨五入の関係により100%にならない場合がある

0 100 200 300 400 500 600

2010

2016

2015

2000

1990

1980

1975

1973年度

0.61.5 1.0

1.5

0.4

0.7

0.9

1.1

416

396

429

522

610

600

549

544

石油(LPGを含む)

石炭

天然ガス

原子力

水力

再生可能・未活用エネルギー

単位:%、原油換算百万㎘■一次エネルギー供給(総供給)の推移

出所:経済産業省「総合エネルギー統計」

(注): 1. 経済産業省は、製造部門の重油補正に係わる見直しを1990年に遡及して修正を行ったため、1990年以降のデータは前年までの資料から変更されている 2. 四捨五入の関係により100%にならない場合がある

77.4

73.4

66.1

56.9

50.8

43.5

44.1

43.1

15.5 4.1

16.4 2.5 5.3

16.9 6.1 4.7 5.2

16.7 10.2 9.3 4.1 2.9

18.1 12.9 12.1 3.2 2.9

21.6 17.2 10.6 3.1 4.1

24.3 21.9 3.4 5.9

24.1 22.4 3.1 6.6

❷ わが国の石油供給体制

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2017年度の原油輸入量は、1億8,509万㎘、前年度比3.1%減になり

ました。地域別に見ると、中東地域が87.3%を占めています。原油の

輸入元を国別に見ると、輸入量の多い順に、サウジアラビア(全輸

入量の39.4%)、アラブ首長国連邦(同24.8%)、カタール(同7.6%)と

なっており、上位2ヵ国で全輸入量のおよそ6割を占めています。

2017年度の燃料油生産量(重油消費量除く)は、1億7,128万㎘、

前年度比3.6%減となりました。石油製品は、原油からガソリン、灯油、

軽油、重油など複数の製品が一定の割合(得率)で同時に生産される

(連産品)という特性があります。従って原油から特定の製品だけを

生産することは困難です。一方で、需要においてはガソリン、灯油、軽油

などのいわゆる「白油」の割合が増加しています。これに対応する方法

として、原油の種類によって得率が異なるため最適な原油を選択

したり、重油等を分解・改質して白油にする二次装置を用いています。

これらの結果、最終的な得率は、軽質留分は約40%、中間4品が約

45%、重質留分約10%となっています。なお、製品の生産以外にも、

輸出入や在庫調整などによっても需要に対応しています。

❸ 原油の輸入 ❹ 石油製品の生産

■原油輸入量

1億8,509万S

〈中東 87.3%〉

サウジアラビア39.4%

アラブ首長国連邦24.8%

カタール7.6

クウェート 7.3%

イラン 5.2%

オセアニア 0.3%アフリカ 0.4%北米 0.9%東・中央アジア 1.1%

バーレーン 0.1%

イラク 1.9%

オマーン 1.0%

東南アジア 2.2%中南米 2.5%

ヨーロッパ 5.3%

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

■燃料油の生産量 単位:百万㎘

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

300

200

100

150

250

50

0 1970 1980 1990 2000 2010 2017年度

燃料油計

247(1973年度)→

→152(1987年度)

171(2017年度)→

ガソリンナフサジェット燃料油灯油軽油A重油B・C重油

0 10 20 30 60 9080705040 100

単位:%■燃料油の得率

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

(注): 1.本項の得率は、各油種の生産量÷原油処理量によって求めた名目得率であり、半製品在庫の変動を加味した実質得率ではない2.1951年度以降のC重油の生産量からは重油消費計(精製用自家消費燃料、A・B重油含む)を差し引いている3.1962年度以降の原油処理、製品生産には精製業者以外も含まれる

2016 93.3

2010 92.528.0 9.6 9.46.7 20.6 7.8 10.4

2000 91.523.5 7.5 11.74.4 17.4 11.9 15.3

1990 90.820.9 5.8 11.52.3 16.3 12.9 21.1

1980 91.215.1 9.2 10.42.0 9.4 9.1 36.0

1975 92.112.3 11.4 9.21.4 6.9 7.6 43.4

1973 91.710.7 12.1 8.91.5 7.0 7.2 44.3

1970年度 91.911.0 11.7 9.11.4 6.5 5.3 47.0

28.2 10.5 8.4 8.3 21.6 6.8 9.6

2017 93.828.9 9.8 8.0 8.5 22.6 6.8

2015 93.829.0 10.1 8.3 8.3 22.0 6.7 9.3

軽質留分 中間4品 重質留分

9.3

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第2章 国内石油需給動向および流通販売

2017年度の石油需要は燃料油合計で1億7,475万㎘、前年度比

1.2%減になりました。下期の気温が前年より低かったことなどから

灯油は前年度比2.4%増、通年で物流需要があった軽油は前年度比

1.5%と増加しましたが、ガソリンは前年度比1.3%減、ジェット燃料油は

前年度比5.2%減、A重油は前年度比4.0%減となり、特にB・C重油は

大きく減少し、前年度比15.1%減となるなど、前年度の需要を下回る

結果となりました。

製品輸入は、消費地精製方式を採用するわが国において補完的な

石油の供給手段ですが、ナフサについては例外で、国内需要の約6割

を輸入製品で賄っています。これは、石油化学会社が独自に石油化

学原料であるナフサを輸入しているためです。

製品輸出について、2017年度の輸出数量で見ると、多い順にジェット

燃料油、軽油、B・C重油となりました。(関連図表P.38)ジェット燃料油

は国内需要の2倍程度を輸出しています。これは国内で国際線の航

空機に供給するジェット燃料油も輸出とみなされるためで、これらの

輸出分がジェット燃料油輸出の約7割を占めています。同様に、外航

船舶に日本で生産したB・C重油を供給した場合も輸出とみなされ、こ

れらの輸出分がB・C重油輸出の半分以上を占めています。また、軽油

は近年オーストラリアへの輸出が増えており、2017年度は5割以上が

同国向けとなりました。なお、内需が減少傾向で推移する中、海外マー

ケットの動向次第でガソリン等も輸出しています。

■国内生産に対する製品輸出の比率年度 ガソリン ジェット燃料油 軽油 C重油2010 3.8% 63.7% 25.7% 30.3%2011 2.3% 67.9% 19.4% 26.8%2012 2.2% 68.1% 16.5% 25.7%2013 3.2% 67.9% 23.9% 27.0%2014 5.8% 65.2% 20.6% 28.7%2015 7.2% 67.8% 22.6% 35.8%2016 5.8% 68.8% 21.4% 40.4%2017 7.1% 67.3% 21.7% 41.6%

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

■国内需要に対する製品輸入の比率年度 ナフサ C重油2010 58.3% 17.4%2011 56.9% 31.1%2012 58.5% 33.0%2013 56.7% 31.1%2014 61.0% 26.1%2015 62.1% 24.4%2016 57.3% 19.3%2017 63.0% 22.1%

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

❺ 石油製品の需要

❻ 石油製品の輸出入

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000

単位:千㎘■わが国の石油製品別(燃料油)需要の推移

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」(注):四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

燃料油計234,138

212,639

209,219

218,012

243,218

ナフサ 灯油 軽油 B・C重油A重油ジェット燃料油 1,673

2,059

2,967

3,739

4,611

ガソリン

36,240 21,930 16,759 111,00719,30627,223

32,031 21,663 15,997 92,90318,99228,995

26,297 23,566 21,564 79,19921,08334,543

31,423 26,701 37,680 46,62327,06644,783

47,686 29,924 41,745 31,36429,51658,372

245,4054,849

43,988 30,017 45,452 40,67528,79651,628

236,1095,129

49,388 28,265 37,116 27,00927,78061,421

196,0195,153

46,699 20,349 32,891 17,34315,42558,159

180,9313,056

24,613 25,307 25,808 45,13320,31536,698

2000

2005

2010

176,9315,278

44,797 16,257 33,326 12,77811,98752,5082016

174,7475,002

51,833 45,100 16,642 33,820 11,504 10,8462017

180,4765,464

46,234 15,946 33,594 14,24111,87153,1272015

1990

1995

1980

1985

1975

1973年度

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製油所で生産された石油製品は、製油所から直接または中継基地

である油槽所を経由して販売拠点であるSS(サービスステーション)や

需要家に輸送されます。この際の輸送手段は、届け先の立地、取扱量、

輸送距離などに応じて、内航タンカー・鉄道(タンク車)・タンクローリー

などが利用されています。

内航タンカーによる輸送は、船舶により臨海地区間の海上輸送を

行うもので、製油所から油槽所への転送、または製油所・油槽所から

需要家への直接販売の際に利用されており、大量かつ長距離輸送に

優れています。輸送量は1隻当たり1,000~7,000㎘程度となります。

鉄道による輸送は、タンク車と呼ばれる専用貨車で編成された列車

により臨海地区の製油所から内陸地域の油槽所へ転送する際に利用

されており、内陸地域に対して一度に大量の石油製品を輸送すること

が可能です。輸送量としてはタンク車1台当たり60㎘程度、1列車で

1,200㎘程度となります。

タンクローリーによる輸送は、自動車により陸上輸送を行うもので、

製油所・油槽所からSSや需要家への末端輸送の際に利用されてい

ます。1台当たりの輸送量は約20㎘となっており、内航タンカー、タンク

車に比して少量ですが、機動性、柔軟性に優れているという自動車

輸送ならではの特性を有しています。

その他の輸送手段として、東京湾内の千葉港と成田空港間では約

47kmに及ぶパイプラインが設置されており、成田空港に対する航空

燃料の供給が行われています。

石油を消費者の元へ届けるため、こうした多様な輸送手段を活用

していますが危険物輸送という特性等から、内航タンカー船員やタン

クローリー乗務員の人手不足が深刻化しており、今後の担い手の確

保が課題となっています。

● 原油を貯蔵するためのタンク 貯油能力 : 37,149千㎘ (2016年3月末現在)

● 石油製品を生産するための設備 製油所数 : 22ヵ所 精製能力 : 56万㎘/日 (352万バレル/日) (2018年6月末現在)

● 石油製品(燃料油)を配送するためのタンクと輸送手段  油槽所/貯油能力 : 12,619千㎘ タンク基数: 3,181基(2016年3月末現在) 内航タンカー : 544隻(2018年3月末) タンク車 : 1,410両(2018年3月末) タンクローリー : 6,598台(2016年3月末) 輸 送

● 石油製品(半製品を含む)を 貯蔵するためのタンク 貯油能力 : 32,391千㎘ (2016年3月末現在)

精 製

原油貯蔵・備蓄

製品貯蔵・備蓄

■石油のサプライチェーン(流通・物流経路) ● 原油輸入のためのタンカー 延運航隻数:658隻(2017年度) *隻数は平均船型を基に算出した推計値

輸 入

販 売 ● SS(サービスステーション) 30,747ヵ所(含・可搬式) (2018年3月末現在)

❼ 石油の物流

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第2章 国内石油需給動向および流通販売

■ニーズの変化とセルフSSの増加

国内のガソリン販売量は、人口減少や自動車の燃費向上等の構造

的要因により、減少の傾向にあります。さらに、今後は電気自動車(EV)

やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などの次

世代自動車の増加も見込まれています。

また、規制緩和により1998年4月にドライバーの給油作業を一定

の有資格者が監視する有人セルフ方式のSSが導入されて以来、フル

サービスSSに比べて効率的な運営が可能であることから、その数は

増加し、2017年度末には9,928ヵ所、SS全体に占める普及率は約

32%になっています。最近では、元売・特約店・販売店が独自にセル

フ化に意欲的に取り組んでいる一方で、販売量の減少等により、セル

フSSであっても閉鎖されるものも現れ始めています。

こうした環境変化に対処するため、精製・元売会社、販売業界が一

体となって、SSにおける付加価値販売の強化と経営の効率化を推進

することが喫緊の課題となっています。石油各社では、SSにおける新

たな付加サービスの創出策として、コンビニエンスストア等他業種の

併設店舗の設置やカーリースの取り扱い

等、顧客利便性の向上に向けた施策に取

り組んでいます。また、効率的かつ安定的

なSS運営に向けて、石油連盟では、SSに関

する規制緩和について設備の進歩や海外

の規制状況等を踏まえた関係機関との意

見交換も継続的に実施しています。

一方、SSの安全対策として、ドライバー

が自ら給油を行うセルフSSの増加に伴い、

給油中のガソリンの吹きこぼれや誤給油

が増加しているため、石油連盟などでは正

しい給油方法についてポスター等で周知

し、注意喚起を行っています。その他にも、

石油各社では、給油時の監視強化や、静電

気対策として給油ノズルの導電性の確保、

漏洩事故対策としてスプラッシュガードの

設置等、セルフSSにおける安全性の向上に

積極的に取り組んでいます。

■SSを巡る環境問題への対応

環境問題への取り組みとして、土壌・地下水汚染問題の重要性を

踏まえ、石油連盟では油漏れの未然防止・早期発見を目的に「SS土壌

環境セーフティーブック」を作成しています。さらに、土壌と接する

地下埋設配管において、腐食等のリスクが低い合成樹脂配管等の

使用を促進する観点から、消防庁等の関係団体との協力により、樹脂

配管用耐火板接続ボックスを用いる際の施工方法について、2010年

3月に石連標準仕様を作成しました。

40,000

50,000

60,000ヵ所

0

30,000

20,000

10,000

■給油所およびセルフ給油所の推移

出所:経済産業省、石油情報センター

給油所数

セルフ給油所

56,444

59,61560,421

53,704

51,294

48,672

42,090

45,792

2008 2016 2017 年度末

31,467 30,747

9,856 9,928

38,777

2010

85 4222,523

4,104

7,774

33,510

9,530

36,349

2012 2014

8,862

6,162

8,449

2006200420022000199819961994

❽ SSを巡る経営環境の変化

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10年6月、地下タンクからの油漏れ事故への対策として、危険物の

規制に関する規則の一部が改正され、11年2月よりSS等に埋設され

ている鋼製一重殻タンクは埋設年数や設計性能等に応じた漏えい

対策が義務付けられました。石油業界では今後も土壌汚染防止対策を

進めていきます。

■SS過疎地問題

このような状況の中、特に石油製品の需要減少による競争激化と

地下タンク漏えい対策に係る重い負担などから、SS数はピークを迎え

た94年度末の60,421ヵ所から17年度末には30,747ヵ所へと減少が

続いており、「SS過疎地問題」が懸念されています。生活圏内のSSが

少なくなることで、特に寒冷地で生活必需品となっている灯油や、

農林業用車両の燃料の供給が難しくなっている地域が増加しており、

社会問題としてマスコミにも取り上げられるようになりました。

17年度末には、市町村内のSS数が3ヵ所以下の「SS過疎地」は312

市町村となり、昨年度末から10市町村増加しました。

このような状況は、消費者の利便性を損なうだけでなく、災害時に

営業を停止せざるを得ないSSが発生した場合、地域住民への燃料

供給が極めて不安定化するなど、深刻な事態を招くことが懸念され

ます。

20

0

40

60

80

100

120

140

90年1月 7月

91年1月 7月

92年1月 7月

93年1月 7月

94年1月 7月

95年1月 7月

96年1月 7月

97年1月 7月

98年1月 7月

99年1月 7月

00年1月 7月

01年1月 7月

02年1月 7月

03年1月 7月

04年1月 7月

05年1月 7月

06年1月 7月

07年1月 7月

08年1月 7月

09年1月 7月

10年1月 7月

11年1月 7月

12年1月 7月

13年1月 7月

14年1月 7月

15年1月 7月

16年1月 7月

17年1月 7月

18年1月 7月

■わが国の原油CIF価格とガソリン小売価格(消費税・ガソリン税・石油石炭税抜き)の推移

出所:財務省、石油情報センター

単位:円/R

ガソリン小売価格(税抜き)全国平均

原油CIF価格

←96.3末 特石法廃止 ←01.12末 石油業法廃止

このため、15年3月、石油連盟および石油各社は、政府・関係機関と

ともに「SS過疎地対策協議会」を設置しました。SS運営や設備に関す

る課題の抽出および解決方策の検討を通じたSS事業者への協力の

みならず、供給不安の解消に向けて努力する自治体への情報発信、

規制緩和の検討、相談窓口の設置、対策実施のコーディネート等を

行い、自治体や行政のリーダーシップの下、地域住民の方々のニーズを

正確に把握した上で、この問題に取り組んでいます。

■SS過疎市町村数の推移年度末 SS 0ヵ所 SS 1ヵ所 SS 2ヵ所 SS 3ヵ所 合計

(市町村)

2012年 7 60 81 109 257

2013年 8 63 81 113 265

2014年 10 66 96 111 283

2015年 11 71 100 106 288

2016年 12 75 101 114 302

2017年 10 79 103 120 312

出所:資源エネルギー庁

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14

わが国の石油産業に対する規制は、1962年7月に制定された「石油

業法」を基本法として、安定供給を最優先に進められてきました。

その後制定された「石油備蓄法」、「揮発油販売業法(揮販法)」、「特定

石油製品輸入暫定措置法(特石法)」により、石油の輸入・生産・販売に

わたる広範な規制が行われてきました。

しかし、わが国経済社会の国際化に合わせて石油関連の規制改革

も段階的に進み、96年3月の特石法廃止(石油製品の輸入自由化)、

01年12月末の石油業法廃止(需給調整規制の廃止)により、備蓄面や

品質面における規制を除けば、石油産業は完全に自由化されました。

2002年6月に制定された「エネルギー政策基本法」では、安定供給の

確保(Energy security)、環境への適合(Environment)、市場原理の

活用(Economic, Efficiency)の3つの基本方針(3E)が示されるとともに、

エネルギー政策の基本的な方向性を示す「エネルギー基本計画」の

策定が定められており、同計画は少なくとも3年ごとに内容の検討を

行うこととされています。

18年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画は、東日本

大震災後に策定された第4次計画の骨子を維持した上で、17年8月に

経済産業省に設置された研究会「エネルギー情勢懇談会」における

2050年に向けた議論を踏まえて策定されました。

このため、新基本計画は、①第4次計画を受けて取りまとめられた

長期エネルギー需給見通し(2015年7月)における2030年のエネル

ギーミックスの確実な実現へ向けて取り組みの更なる強化と、②

2050年のエネルギー転換・脱炭素化に向けて野心的な目標を掲げ、

複線的なシナリオの設計、という構成となっています。

①30年に向けては、a)3E+S(Safety)原則の下、一次エネルギー構造に

おける各エネルギー源の方向性は、再生可能エネルギーの主力電源

化への布石を打ち、原子力発電の可能な限りの低減、火力発電の高

効率化、b)石油については、「今後とも活用していく重要なエネル

ギー源」であり、災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」と位置

付け、供給網維持のため石油産業の経営基盤強化に向けた取り組

みが必要である、c)石油産業の事業基盤の再構築のため、コンビ

ナート連携やデジタル技術の導入拡大による生産性向上とともに、石

化など他事業分野や海外事業への進出拡大への取り組みが重要で

あるとされました。

緊急時石油二法国民生活安定緊急措置法/石油需給適正化法石油危機の経験を踏まえて制定

1973年12月

石油備蓄法 石油の安定供給確保の観点から制定1976年4月

揮発油販売業法(揮販法)ガソリンなどの安定供給と品質管理の徹底などを目的として制定

1977年5月

特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)ガソリン・灯油・軽油を一定秩序のもとで輸入を促進する観点から制定

1986年1月

二次精製設備許可の弾力化1987年7月

ガソリンの生産枠(PQ)指導の廃止1989年3月

灯油の在庫指導の廃止1989年10月

SS建設指導と転籍ルールの廃止1990年3月

一次精製設備許可の弾力化1991年9月

重油関税割当制度(TQ)の廃止1993年3月

原油処理指導の廃止1992年3月

特石法の廃止 石油製品の輸入自由化1996年3月

揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)揮発油販売業法の改正①強制規格、SQマークの導入 ②指定地区制度の廃止など

1996年4月

石油備蓄法改正1996年4月

石油製品輸出承認制度見直し包括承認制の導入・輸出の自由化

1997年7月

SSの供給元証明制度の廃止1997年12月

有人給油方式のセルフSS解禁1998年4月

石油業法の廃止  需給調整規制の廃止2001年12月

石油の備蓄の確保等に関する法律(新石油備蓄法)2002年1月

品確法の一部改正特定加工業者の「登録制」「品質確認義務」

2009年2月

エネルギー供給構造高度化法(高度化法)2009年8月

地下貯蔵タンクの漏洩対策の義務付け2010年6月

高度化法に基づく原油等の有効な利用に関する石油精製業者の判断基準2010年7月

高度化法に基づく非化石エネルギー源利用の判断基準2017年度までの揮発油に混和するバイオエタノールの利用目標量設定

2010年11月

石油備蓄法改正2012年11月

■石油関連規制と規制改革の推移

石油業法原油輸入の自由化に対応、石油産業の基本法として制定

1962年7月

第一段階の規制改革

第二段階の規制改革

高度化法に基づく非化石エネルギー源利用の判断基準2022年度までの揮発油に混和するバイオエタノールの利用目標量設定2018年4月

高度化法に基づく原油等の有効な利用に関する石油精製業者の判断基準減圧蒸留残渣油処理率を2021年度に7.5%程度まで引き上げ(3次告示)

2017年10月

高度化法に基づく原油等の有効な利用に関する石油精製業者の判断基準残油処理装置の装備率を2016年度までに50%程度まで引き上げ(2次告示)

2014年7月

重油分解装置の装備率を2013年度までに13%程度まで引き上げ(1次告示)

第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

❶ 石油関連規制の推移

❷ エネルギー基本計画

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15

2009年7月、石油依存度の低減のみを目的とした従来の石油代替

エネルギー法を見直し、エネルギー供給事業者(電気、ガス、石油事業

者)に対して、非化石エネルギー源の利用を拡大するとともに、化石

エネルギー原料の有効利用を促進することを目的とした新法(エネ

ルギー供給構造高度化法)が成立しました。石油精製業者に対しては、

わが国の重質油分解装置の装備率(10年度当時は10%程度)を13年

度までに13%程度まで引き上げることを目標として、各社の装備率に

応じて改善率を達成することを義務付ける「原油等の有効な利用に

関する石油精製業者の判断基準」が10年7月に告示されました(高度化

法1次告示)。石油精製各社は重質油分解装置の装備率向上のため、

①常圧蒸留装置の削減、②重質油分解装置の新設・増強の組み合わ

せで対応し、重質油分解装置の平均装備率は、13年度末時点で13%

程度まで向上しました。

また、14年7月には、目標指標である装備率の定義を従来の重質

油分解装置に、重油直接脱硫装置、流動接触分解装置、溶剤脱れき

装置を加えた残油処理装置装備率(14年度当時は45%程度)とし、

この装備率を16年度までに50%程度まで引き上げることを目標とした

高度化法2次告示が示されました。石油精製各社は装備率に応じて

改善率を達成することが義務付けられ、目標達成の手段として製油

所間の連携や事業再編による設備能力の融通も認められることと

なりました。また、石油精製各社は目標達成のための具体的計画に

おいて、設備最適化の基盤となる事業再編の方針も併せて示し、そ

の取組状況を定期的に報告することとされました。石油精製各社に

よる取り組みの結果、16年度末時点での残油処理装置の平均装備

率は50.5%となりました。

さらに、17年5月の総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会に

おいて「重質油分解装置の有効活用(稼働率向上、製油所間連携、能

力増強等)を促し、より一層の重質油分解能力の活用を実現する」

という基本的考え方が示され、17年10月に高度化法3次告示が

示されました。目標指標として、特定残油処理装置への減圧蒸留残渣

油の通油量を減圧蒸留残渣処理率とし、この処理率を21年度に7.5%

程度まで引き上げることを目標としています。石油精製各社は、減圧蒸

留 残 渣 処 理 率 の 実 績 に 応じた 増 加 率を達 成 することが 義 務

付けられ、目標達成の手段として製油所間の連携も認められています。

②50年に向けては、a)「より高度な3E+S」を評価軸として、最新の

技術動向と情勢から各選択肢の重点度合いを柔軟に修正・決定する

ために科学的レビューメカニズムを用いてエネルギー転換を目指す、

b)エネルギー転換・脱炭素化が実現するまでの過渡期において、内外

で化石エネルギー源は一次エネルギーとしてなお主力、とされました。

❸ エネルギー供給構造の高度化に向けて

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)

→判断基準に照らし取り組みの状況が著しく不十分な場合、経済産業大臣は当該事業者に対し、勧告・命令の措置を講ずることができ、事業者は命令に違反した場合、罰則(100万円以下の罰金)を受ける。

基本方針 ・・・経済産業大臣が策定

判断基準特定のエネルギー供給事業者に対し、①非化石エネルギーの利用、②化石燃料の有効利用を義務付け

・・・経済産業大臣が策定

非化石エネルギーの利用 化石燃料の有効利用

【対象】電気事業者、ガス事業者、石油事業者 【対象】ガス事業者、石油事業者

判断基準に基づく計画の作成・届出・実施

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第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

メジャーの世界的な再編の流れや、特石法廃止後の国内石油業

界の競争激化などを背景に、わが国石油産業においても、石油精製・

元売会社の再編に向けた動きが活発化し、1999年4月の日本石油と

三菱石油の合併を契機にして、過去にない規模とスピードで再編が

進みました。

2002年6月にはエクソンモービルグループ4社がエクソンモービル

有限会社へ合併・統合されたほか、08年に入ると、原油価格高騰と

エネルギー全体の競争激化を背景に、新日本石油が同年10月に九州

石油と合併し、さらに10年7月にはそれまで上流から精製、物流、燃料

電池、技術開発までの広範囲な部門で業務提携していたジャパン

エナジーと経営統合しJX日鉱日石エネルギーが発足するなど、更なる

合理化・効率化に向けた集約化・経営努力が行われました。

また、12年6月、エクソンモービルジャパングループは日本国内に

おける資本関係を変更し、新たに日本資本による東燃ゼネラル石油を

中心とする、東燃ゼネラルグループが始動しました。

15年には、更なる製品供給や物流の効率化による競争力の強化を

目指して、出光興産と昭和シェル石油、JX日鉱日石エネルギー※と東燃

ゼネラル石油がそれぞれ経営統合に向け基本合意に至ったことが

発表されました。17年には、2月にコスモ石油とキグナス石油が資本

業務提携契約を締結し、4月にはJXエネルギーと東燃ゼネラル石油の

統合会社であるJXTGエネルギーが発足するなど、業界再編の動きが

続いています。

※発表後、2016年1月にJXエネルギーに社名変更

❹ 石油産業再編の動き

1次告示の概要(2010〜2013年度) 2次告示の概要(2014〜2016年度) 3次告示の概要(2017〜2021年度)

目的内需減少に伴う供給過剰、内需の白油化シフト、原油の重軽格差拡大等を踏まえ、国内製油所の重質油分解能力の向上を図る。

国内過剰供給構造を回避し、製油所間の連携等による設備最適化等の事業再編を進める必要性を踏まえ、国内製油所の残油処理能力の向上を図る。

IMO規制強化や電力用燃料の需要減少が見込まれる中、重質油を分解することの重要性が高まる可能性を踏まえ、国内製油所の残油処理能力の向上を図る。

内容「重質油分解装置」の装備率向上を義務付け。各社は、装備率向上に向け、①常圧蒸留装置の能力削減、②「重質油分解装置」の新設・増強の組み合わせで対応。

「残油処理装置」の装備率の向上を義務付け。各社は装備率の向上に向け、①常圧蒸留装置の廃棄または公称能力削減、②「残油処理装置」の新設・増強の組み合わせで対応。

減圧蒸留残渣油処理率の向上を義務付け。各社は特定残油処理装置への減圧蒸留残渣油の通油量の増加で対応。

結果国内の精製能力は過去10年間の最大である約489万バレル/日から約2割削減。国内製油所における重質油分解装置の平均装備率は10%程度から13%程度まで向上。

各社の対応の結果、国内の対象製油所の残油処理装置の平均装備率は45%程度から50.5%まで向上。

評価 各社による製油所の「選択と集中」・設備最適化が促され、各社の生産性向上や収益力向上に一定の成果。

国内製油所全体の残油処理装置の装備率向上について一定の成果。他方、各社による対応が公称能力の削減に集中したため、一部の製油所における柔軟な稼働を制限することになる懸念もあり。

■エネルギー供給構造高度化法告示の概要について

<装備率の定義> <減圧蒸留残渣油処理率の定義><装備率の定義>

<装備率に対する改善率目標>

計画提出時装備率 目標改善率

10%未満 45%以上

10%以上13%未満 30%以上

13%以上 15%以上

<減圧蒸留残渣油処理率の増加率目標>

2014〜2016年度の平均の処理率

2021年度における減圧蒸留残渣油通油量の増加率

7.5%未満 5.0%以上

7.5%以上14.7%未満 3.5%以上

14.7%以上 2.0%以上

<装備率に対する改善率目標>

計画提出時装備率 目標改善率

45%未満 13%以上

45%以上55%未満 11%以上

55%以上 9%以上

●重質油分解装置: ・ 残油流動接触分解装置(RFCC)・ 残油熱分解装置(コーカー等)・ 残油水素化分解装置(H-OIL)

●常圧蒸留装置能力の削減は廃棄による対応のみ。

●特定残油処理装置: ・ 残油流動接触分解装置(RFCC)・ 残油熱分解装置(コーカー等)・ 残油水素化分解装置(H-OIL)・ 流動接触分解装置(FCC)・ 重油直接脱硫装置(直脱)

●連携等による対応も可能。

●残油処理装置:・ 残油流動接触分解装置(RFCC)・ 残油熱分解装置(コーカー等)・ 残油水素化分解装置(H-OIL)・ 流動接触分解装置(FCC)・ 重油直接脱硫装置(直脱)・ 溶剤脱れき装置(SDA)

●常圧蒸留装置の能力削減は廃棄および公称能力削減により対応。

●連携等による能力融通も可能。

重質油分解装置の装備率

=重質油分解装置の能力

常圧蒸留装置の能力減圧蒸留残渣油

処理率=

特定残油処理装置への減圧蒸留残渣油の1日あたりの通油量

1日あたりの原油処理量

残油処理装置の装備率

=残油処理装置の能力

常圧蒸留装置の能力

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これを受けて設置された「石油産業競争力研究会」の報告書(18年

7月)では、国内の石油需要減少の更なる加速、需要拡大が見込まれ

るアジアでの競争激化やEV等の普及など海外の環境変化が見込ま

れることから、これまで主に国内市場を意識してきた石油精製業は、国

際水準にギアチェンジすることが必要であるとして、①国内の石油精

製業の基盤維持、②柔軟で強靭な供給能力の確保、具体的にはa)エ

キスポート・パリティの実現といった製油所・コンビナートの国際競

争力強化、b)石化や新事業領域への拡大といった事業ポートフォリ

オの転換、c)石油のバリューチェーンの多角化にも資する海外事業

展開が方向性として示されました。

石油の重要性に鑑み、エネルギー基本計画等においても石油産業

の経営基盤強化の重要性が指摘されています。(エネルギー基本計画

の項を参照)

石油精製・流通分野の生産性向上の施策や環境整備のあり方を

検討する目的で設置された「石油精製・流通研究会」の最終報告書

(2017年4月)に基づき、資源・燃料分科会取りまとめ(2017年6月)において、

①国内製油所の国際競争力強化、②国内石油精製業者による海外

展開の促進について取り組みを進めていく必要があるとされました。

❺ 石油産業の経営基盤の強化に向けて

出光興産

日本石油新日本石油

三菱石油

大協石油

丸善石油

九州石油

日本鉱業(精製)

共同石油

昭和石油昭和シェル石油

シェル石油

太陽石油

2002年7月社名変更

1985年1月合併

2008年10月合併

2010年4月統合

東燃ゼネラルグループエッソ石油

モービル石油

東燃(精製)

ゼネラル石油

三井石油

エクソンモービルグループ

2014年2月資本譲渡

※4

JX日鉱日石エネルギー

2010年7月設立 ※7

※8

※5

太陽石油

キグナス石油 キグナス石油

昭和シェル石油

コスモ石油

出光興産

※6

※1

※3

※1

2017年5月資本提携

2017年4月統合

2016年12月資本提携

日石三菱1999年4月合併

ジャパンエナジー1992年12月合併

東燃ゼネラル石油2000年7月合併

エクソンモービル2002年6月合併

コスモ石油1986年4月合併 ※2

JXTGエネルギー

■日本の石油元売会社の再編動向(2018年7月現在)

石油元売会社:製油所を所有するか、石油精製会社と密接な資本関係がある等で製品売買契約を結び石油製品を仕入、自ら需要家に売るか特約店に卸売する会社(公式な定義はない)※1 元売ではなく精製専業会社※2 1984年4月に2社の精製部門を分社化・統合した旧・コスモ石油を設立※3 1992年12月合併時の社名は日鉱共石、その後93年12月にジャパンエナジーに社名変更※4 2012年6月1日に東燃ゼネラル石油を中心とした新体制に移行(エクソンモービルはEMGマーケティングに社名変更)※5 2014年2月4日に三井石油は東燃ゼネラル石油の子会社となりMOCマーケティングに社名変更 ※6 2015年10月1日、ホールディングス制に移行※7 2016年1月1日、JXエネルギーへ社名変更※8 2019年4月統合予定※9 上図で示した他に、各社間において精製・物流の提携を行っている

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18

第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

電気、ガス事業においても、段階的な規制緩和を通じ、市場メカニズ

ムの導入による供給効率化が進められてきました。特に近年では、総合

エネルギー市場の創出を目指した「エネルギーシステムの一体改革」に

より、電力・ガス市場の開放に向けた大きな進展が見られています。

電気事業については、東日本大震災による原子力発電所の事故や

電力需給のひっ迫等を契機として、電力システム改革に向けた検討

が開始され、13年4月、「電力システムに関する改革方針」が閣議決定

されました。

その後、改革方針に沿う形で段階的に電気事業法が改正され、15年

4月には「電力広域的運営推進機関(広域機関)」の設置、16年4月に

は電力小売全面自由化がなされたほか、20年4月には送配電部門の

法的分離を行うこととされています。小売全面自由化後においては、

石油会社を含む多くの企業がそれぞれの強みを生かす形で電力小売

市場に参入し、さまざまな料金メニューやサービスを提供しています。

ガス事業についても、電力システム改革の議論を受けてガス市場の

総合的な改革を進める必要性が高まり、13年11月に設置された「ガス

システム改革小委員会」において具体的な検討が開始され、15年1月

に報告書が取りまとめられました。

15年6月には、報告書の内容を踏まえたガス事業法改正案が成立

し、17年を目途にガス小売全面自由化、22年4月1日に都市ガス大手

3社の導管部門について法的分離を行うこととされました。その後、

ガス小売全面自由化の時期については17年4月1日からとされたことを

受け、現在では電力・ガスの両市場ともに小売全面自由化がなされて

います。

❻ 関連エネルギー政策の動向

■エネルギーシステム改革の工程

2013年4月2日閣議決定

2015年4月1日【第1段階】

(2015年通常国会にて成立)

2016年4月1日【第2段階】

2020年4月1日【第3段階】

2017年4月1日

2015年9月1日

2022年4月1日

2015 2016 2017 2020 2022

2013年11月13日

第1弾改正

電力システムに関する改革方針

電力システム改革

ガスシステム改革

新規制組織

第1弾

改正法案成立

2015年6月17日

電力システム改革第3弾・

ガスシステム改革等改正法案成立

第2弾改正

第3弾改正

電力広域的運営推進機関設立

①需要計画・系統計画のとりまとめ②【平常時】区域(エリア)をまたぐ広域的な需給および系統の運用③【災害時等の需給逼迫時】電源の焚き増しや電力融通指示による需給調整④新規電源の接続受付、系統情報の公開 等

送配電部門の法的分離

小売全面自由化

電力取引監視等委員会の設立

電力・ガス取引監視等委員会へ改組(ガスについても業務開始)

様々な料金メニューの選択や、電力会社の選択を可能に

電力・ガス市場の厳正な監視

小売全面自由化

導管部門の法的分離(大手3社)

ガス会社の選択を可能に

料金規制の撤廃 競争状態が不十分な事業者においては料金規制を残す

料金規制の経過措置期間(国が競争状況をレビュー)

料金規制の撤廃(経過措置終了)

(法的分離と同時期かそれ以降のタイミング)

改革実施の工程

法改正の工程

(注) 電力システム改革第3弾およびガスシステム改革に係る法案において「検証規定」が設けられ、電力・ガスシステム改革の各段階において、法施行の状況やエネルギー基本計画の実施状況、需給状況等について検証を行い、その検証結果を踏まえ、競争条件や資金調達等の観点から必要な措置を講じることとされた

【ガスシステム改革】① 小売全面自由化② ライセンス制の導入③ LNG基地の第三者利用④ ガス導管網の整備促進⑤ 保安の確保⑥ 大手3社の導管部門の法的分離・行為規制の制定

【電力システム改革第3弾】① 送配電部門の法的分離 ② 法的分離に必要な各種ルール(行為規制)の制定

【熱供給システム改革】参入規制の合理化等(許可制から登録制へ)

【新たな規制組織の設置】電力・ガス取引監視等委員会の設立

【電力システム改革第2弾】① 小売全面自由化 ② 一般電気事業制度の見直しに伴う各種関連制度整備(2014年通常国会にて成立)

第2段階、第3段階に

ついても方針を規定

    )

検証 ①(注)

(第2段階施行前)

検証②

(第3段階施行前)

検証③

(第3段階施行後5年以内)

検証①

(法的分離の施行前)

検証②

(法的分離の施行後)

2014年6月11日

第2弾

改正法案

成立

【電力システム改革第1弾】① 広域的運営推進機関の設立② プログラム規定 等 (2013年臨時国会にて成立)

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石油には多段階にわたって様々な税金が課税されています。まず、

石油製品の原料である原油、および石油製品が輸入された段階で、

関税(現行は輸入石油製品のみ課税)と石油石炭税が課せられ、さら

に製品となり消費者にわたるまでに、それぞれの製品ごとにガソリン税

(揮発油税および地方揮発油税)、軽油引取税、航空機燃料税、石油

ガス税(自動車用のみ課税)という個別間接税が課されています。

これらの石油諸税約4兆3,200億円は、国税と地方税を合わせた

租税収入の約4.2%を占めます。この石油諸税に、消費税約1兆3,700

億円(石油諸税を含めた石油製品の売上高8%)を加えると、石油に

かかる税金は、約5兆6,900億円になります。

たとえばガソリン1ℓ当たりの小売価格152円(2018年7月末現在)

では、中味価格以外に、石油諸税(石油石炭税+ガソリン税)、消費税

(TAX on TAXを含む)がかかっているため、小売価格の45%が税金で

ある計算になります。

1949年、戦後の一般的な財源需要に対応するため、戦前にあった

揮発油税が復活しました。54年には揮発油税を道路特定財源とする

こととなり、翌年に創設された地方道路税(揮発油が課税対象)と

併せて全額を道路整備に充てることとされました。また、56年には、

揮発油と軽油の税負担均衡を目的に、地方税・道路特定財源として

軽油引取税が導入されました。その後、道路財源確保の要請等から、

74年に揮発油税・地方道路税を上乗せする暫定税率が適用され、76年

には軽油引取税に対しても適用されました。その後も、道路整備に

必要な財源の確保のためとして暫定税率は引き上げられ、石油諸税の

税率は、本則税率を大きく上回る水準に達しました。

89年、消費税の導入に際して、消費者の税負担が増えないよう既

存の個別間接税との調整措置(消費税に吸収し廃止、消費税分を軽

減し並課等)が講じられました。しかし、石油諸税は、道路特定財源と

して使途が決まっていることを理由に、廃止や軽減は行われず、石油

諸税を含む販売価格に単純に消費税を上乗せすることとされました

❼ 石油に係る様々な税金 ❽ 石油諸税の成り立ちと税率の推移

原油と製品輸入の段階 製品の段階 消費の段階

■石油諸税の多重・多段階課税(平成30年度予算)

LPガス

ガソリン

ナフサ

灯油

重油

その他

軽油

ジェット燃料油

消費税 8%

原油

輸入石油製品

消費者

石油石炭税(注2)

2,800円/㎘

石油ガス税9,800円/㎘ 160億円

ガソリン税(注4)53,800円/㎘ 2兆5,793億円

軽油引取税32,100円/㎘ 9,492億円

航空機燃料税(注4)18,000円/㎘ 669億円

7,090億円関 税(注3)

21億円

石油諸税計 約4兆3,200億円

合計 約5兆6,900億円

消費税 約1兆3,700億円

(注):

出所:財務省主計局資料、総務省自治税務局資料他

(注1)

(注1)

うちTAX on TAX分約2,600億円

税 率 税 収

1. 軽油引取税と航空機燃料税にはTAX on TAX(併課)はない。消費税収は石油連盟試算値2. 石油石炭税は原油、輸入石油製品のほか、石炭、ガス状炭化水素(国産天然ガス、輸入LNG、輸入LPG等)が課税対象(掲載は原油および輸入石油製品の税率)。税収には、石炭およびガス状炭化水素への課税分と、地球温暖化対策のための課税の特例による引上げ分が含まれる

3. 平成18年4月より原油関税(170円/㎘)は撤廃され、石油製品関税のみとなった。関税収入額は、28年度輸入実績に基づく石油連盟試算値4. ガソリン税には、沖縄県に対する税率の軽減措置がある。航空機燃料税には、沖縄路線および特定離島路線に対する税率の軽減措置がある5. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

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第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

■租税収入に占める石油諸税の割合(平成30年度予算)■1ℓ当たりのガソリンに課せられている 石油諸税および消費税 (2018年7月30日現在)

石油石炭税 2.8円

ガソリン税 53.8円

中味価格 84.2円

中味価格への消費税 6.8円(消費税 11.3円)Tax on Tax 4.5円

(消費税込み小売価格1ℓ当たり152.1円の場合)

出所:財務省主税局資料、総務省自治税務局資料

152.1円/ℓ

140.8円/ℓ

出所:石油情報センター

(注): 1. 石油製品関税収入は28年度輸入実績に基づく石油連盟試算値 2. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある 3. 所得税には復興特別所得税を含む。法人税には地方法人税と地方法人特別税を含む

租税総収入(国税+地方税)102兆3,454億円

車体課税2.6%

所得税19.0%

法人税14.5%

消費税等21.8%

住民税15.1%

固定資産税8.8%

その他14.0%

ガソリン税軽油引取税石油製品関税石油石炭税石油ガス税航空機燃料税

自動車税軽自動車税

自動車重量税自動車取得税

石油諸税計 4.2%

■石油諸税と消費税の現状(平成30年度試算)■消費税導入時の 既存間接税の調整状況

(注): 1. その他の税は石油ガス税、石油製品関税 2. 税抜き売上高は石油連盟試算値 3. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

通 行 税電 気 税ガ ス 税木材引取税

物 品 税トランプ類税砂糖消費税入 場 税

吸収・廃止

単純併課・据置

石油関係諸税

消費税分を調整併課

酒 税たばこ消費税

料理飲食等消費税 娯楽施設利用税

石油の売上にかかる消費税額 約1兆3,700億円

うち石油本体にかかる消費税額

約1兆1,100億円うちTAX on TAX分

約2,600億円

税抜き売上高約13兆8,800億円

ガソリン税約2兆5,793億円

石油石炭税約7,090億円

その他の税約181億円

約3兆3,000億円

石油の売上高 約17兆1,800億円(消費税除く)

現行消費税率 8%

軽油引取税(地方税)約9,492億円

航空機燃料税約669億円

石油諸税 約4兆3,200億円

Page 22: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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(単純併課・据置)。09年、道路特定財源制度が廃止(一般財源化)さ

れますが、消費税と石油諸税(地方道路税は地方揮発油税に改称)

に関する具体的な調整措置は講じられていません。

また10年4月、暫定税率は廃止されましたが、財源不足を理由に、

道路財源確保のために引き上げられた暫定税率水準が引き続き維

持されています。

石油石炭税については、1978年に石油備蓄や原油開発の推進の

財源のため、石油税として創設されました。2003年、燃料間の税負担

均衡のため石炭を課税対象に追加(石油石炭税に改称)するととも

に、各燃料の新税率が定められました。また、12年10月より地球温暖

化対策のための課税の特例を設け、CO2排出量に応じ税率を上乗せ

されることになり、経過措置として16年4月までの間に3段階にわたり

税率の引き上げが行われました。

(関連図表P.40)

■石油危機以降の石油製品に対する個別間接税率の推移

単位:円/㎘

50,000

40,000

30,000

(1976.7.1)43,100

(2008.4.1)(注5)28,700

(2008.4.1)(注5)15,000

(1974.4.1)34,500

(1979.6.1)53,800

(2008.5.1)53,800

   (2010.4.1)(注6)53,800

(1979.4.1)26,000

(1993.12.1)32,100

(2008.5.1)32,100

28,700

20,000

10,000

0

15,000

(1976.4.1)19,500

(1970.1.1)9,800

(1979.6.1)24,300

10,400 (1974.4.1)13,000

(3.5%)(1984.9.1)

(1988.8.1)(注1) 2,040

(2003.4.1)(注3)1,020

(4.7%)

第1次石油危機

第2次石油危機

湾岸危機

1973 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 16 17 1815

(1991.4.1)(1992.3.31)

ガソリン税(揮発油税・地方揮発油税(注4)の総称)

航空機燃料税

軽油引取税

石油税 石油石炭税

石油ガス税

石油臨時特別税(注2)

   (2010.4.1)(注6)32,100

(2012.10.1)2,290

(2014.4.1)2,540

   (2011.4.1)(注7)18,000

(2016.4.1)2,800

(注): 1. 石油税は1988年8月1日以降従価税から従量税へ変更2. 石油臨時特別税は1991年4月1日から1992年3月31日までの湾岸戦争に係わる1年間の臨時的措置 3. 2003年度より石油税は石油石炭税に改められ、石炭が新たに課税対象となった4. 地方揮発油税は地方道路税の一般財源化に伴い2009年4月より改称5. ガソリン税(1974年4月1日~2010年3月31日)、軽油引取税(1976年4月1日~2010年3月31日)の税率は暫定税率であり、暫定税率の一時的な期限切れにより、2008年4月の1ヵ月間、本則税率が適用された

6. 2010年度よりガソリン税、軽油引取税の暫定税率は廃止となったが、税率水準については従来の水準が維持された7. 航空機燃料税は租税特別措置法に基づき、26,000円/㎘から18,000円/㎘に引き下げられている(2020年3月31日まで)

(1978.6.1)

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製油所の設備は、設計段階から使用材料などの安全性チェックを

行った上で、万全の施工管理に努めています。設備の配置について

は、法令により定められている一般居住地までの保安距離や事業所

境界線までの距離、および設備間の距離を遵守することにより安全

を確保しています。また、個々のプラントやタンクは耐震設計基準を

満足する構造となっています。

プラントやタンクは、開放検査、運転停止検査、運転中検査、日常

点検等を実施し、危険源の早期発見および設備の安全対策に努め

ています。また、異常があった際に早期に発見し初期消火などにより

被害を最小限にするため、緊急停止システムの導入や油・ガス漏洩

検知器のきめ細かな設置を行っています。さらに、火災や油流出などの

事故が発生した際に的確かつ迅速な対処ができるよう、常時訓練

された防災要員等により構成される自衛防災組織や共同防災組織が

整備され、これらの組織には、大型化学消防車、大型高所放水車、泡

原液搬送車、オイルフェンス、油回収機、油回収船などが配備されて

いるとともに、大型タンク火災への備えとして、全国12地区の広域共同

防災組織には、大容量泡放射システムが配備されています。

一方、労働者の作業中の安全対策については、各事業所で危険予

知活動などを行いヒューマンエラー防止に努めているほか、製油所で

発生した労働災害事例の情報共有を行い、再発防止のための安全

教育等に活用しています。

また、将来に発生が予想される首都直下地震・南海トラフ巨大地震

に備え、石油各社は石油製品の生産・出荷拠点となる製油所における

主要設備の耐震性の評価を行い、必要に応じてハード・ソフトの両面

から大規模地震への対策を進めています。

石油連盟は、2013年8月に「産業保安に関する自主行動計画」を

策定し、以降毎年フォローアップを行った上で、計画を見直しています。

自主行動計画は、基本的な考えとして、業界の具体的な目標を「重大

事故ゼロ」と設定し、リスクの大きさに応じて有限な資源を有効な安全

対策に投入するリスクベースド・アプローチに基づく施策を実行して

いくこととしています。

石油連盟として行う具体的な取り組みとしては、事故事例の水平

展開活動や各社の産業保安活動に関するベストプラクティスの共有

などがあります。事故事例水平展開活動は、各社で発生した事故事例の

原因や教訓などの共有、報告のあった事故事例の中から特に重要と

判断される事例について詳細を説明する事故情報説明会の開催、

事故情報活用状況のフォローアップなどを行っており、類似事故事例

の再発防止を図っています。また、各社において実施しているリスク

アセスメントへの取り組みや安全文化醸成活動などを発表し合う安全

管理活動連絡会を定期的に開催し、各社の産業保安活動の取組改善

に役立つよう、ベストプラクティスの共有を行っています。

各社が行う具体的な取り組みとしては、経営者の産業保安に対する

コミットメントのもと、産業保安に関する目標・方針を設定した上で、

具体的な対策として、腐食対策等の設備管理、ヒューマンエラー防止

活動、リスクアセスメント、手順書・マニュアル類の整備・見直し、

シミュレーター等を活用した従業員の教育訓練、地域住民との意見

交換や合同防災訓練等によるリスクコミュニケーション活動などを

実施し、定期的に目標の達成状況や施策の実施状況について評価を

行っています。

毎年行う自主行動計画フォローアップでは、事故の発生状況や、

自主行動計画の各項目について取り組んだ活動内容を報告しており、

産業保安活動の確実な実施に資するものとなっています。

第4章 石油業界の環境安全対策

❶ 製油所における安全対策の取り組み

❷ 産業保安に関する自主行動計画の推進

大型高所放水車(前)

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わが国の石油産業はクリーンな製油所を目指し、大気、水質、騒音、

廃棄物、緑化対策などに努力しています。

その代表的な例として、1996年9月に発効した国際標準化機構

(ISO)の環境管理システム「ISO14001」(同年10月、日本工業規格(JIS)

として制定)および同等の認証を取得することにより、製油所、油槽所

における環境管理体制の充実を図ってきました。

■揮発性有機化合物(VOC)対策

VOCは、蒸発して大気中に放出されると、浮遊粒子状物質(SPM)や

光化学オキシダント(Ox)の原因となるといわれており、VOCは製油

所では主に貯蔵タンクや出荷設備から発生します。

このため、製油所や油槽所の原油タンクやガソリンタンクなどは

VOCの蒸発を抑制するため、密閉構造のフローティングルーフ式

あるいはインナーフローティングルーフ式となっています。また、タンク

車、タンクローリー等の製品出荷時に発生するVOCは、ベーパー回収

装置により回収されています。

石油連盟では、2010年度までに2000年度比30%削減を目標とし

た自主行動計画を策定し、VOC排出抑制に取り組んできました。2010

年度に排出量は2000年度比31%の削減となり目標を達成しました

が、その後も取り組みのフォローアップを継続しており、2016年度の

排出量は2000年度比40%の削減となりました。

■ガソリン、軽油の品質改善

大気汚染問題に対し、石油産業は燃料品質側からの対策も推進

してきました。

高オクタン価基材として使われていた有毒な添加剤である四アル

キル鉛は、レギュラーガソリンについては1975年2月から、プレミアム

ガソリンについては1986年12月から世界に先駆けて使用を中止しま

した。また、1990年代以降は自動車排ガス対策としてガソリン・軽油

の硫黄分の低減を進め、2005年1月からは法規制に先駆けて業界が

自主的に燃料のサルファーフリー化(硫黄分10ppm以下)を実現しま

した。(関連図表P.42)

この他にも、ガソリン中のベンゼン含有量を2000年1月から1%以下

に低減し、有害化学物質の低減に努めています。

また、光化学スモッグの原因となる大気中のVOCを低減させるた

め、2001年からガソリンの蒸気圧低減に自主的に取り組み、2005年

以降は夏期のガソリン蒸気圧を65kPa以下としています。

■灯油の低硫黄化(品確法、JIS規格化)

暖房用の灯油は、室内で燃焼させても健康に支障がないように

硫黄分は0.008%(80ppm)以下となっています。

■揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)

1996年3月末に特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)が廃止

され、石油製品の輸入が自由化されました。このため、すでに世界的に

高水準であったわが国のガソリン、灯油、軽油の品質を輸入品におい

ても維持するために、従来の「揮発油販売業法」は「揮発油等の品質

の確保等に関する法律」(品確法)に改正されて、環境・安全面からの

品質基準(強制規格)が法的規制として定められ、石油精製業者や

販売業者にそれらの維持義務が課されました。

また、強制規格以外に性能面の項目も加えて標準的な品質を満た

していることを示す品質表示制度として、SQマークが導入されました。

当初、強制規格は、ガソリンについて8項目、軽油について3項目、

灯油について3項目でしたが、石油製品の輸入自由化以降、さまざまな

輸入業者が新規参入する中で、当初想定されていなかった問題や

新しい環境対応燃料の出現などから、規制項目は追加されていきま

した。それらの事例として、高濃度アルコール含有燃料(全体の50%

以上をアルコール分が占める)の輸入品によるエンジン発火等の事故の

対策として2003年8月、酸素分(1.3%以下)、エタノール(3%以下)の

2項目をガソリンの強制規格に追加し、一般のガソリン自動車用として

高濃度アルコール含有燃料を販売することが禁止されました。さら

に近年、地球の温暖化対策への取り組みとして行われているバイオ

ディーゼル燃料の利用環境整備の一環として2007年3月末に軽油の

強制規格に脂肪酸メチルエステル(FAME)、トリグリセリド他4項目が

❸ 精製部門の環境対策への取り組み

❹ 燃料品質改善への取り組み

■VOC排出量の推移

出所:石油連盟「VOC排出抑制自主行動計画」

目  標: 2010年度の排出量を2000年度比で30%削減(達成済み)対  象: 原油、ナフサ、ガソリンの貯蔵、出荷に係わるVOC排出量主な対策: 製油所ローリー出荷設備へのベーパー回収装置の設置 固定屋根式タンクの内部浮屋根式タンクへの改造

単位:万t /年

目標:30%削減 実績:31%削減(目標達成)     (2000年度比)

00

6.14

05

5.49

10

4.26

11

4.19

12

3.92

13

3.93

14

3.72

15

3.73

2016年度

3.69

0

1

2

3

4

5

6

7

Page 25: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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第4章 石油業界の環境安全対策

「石油業界の低炭素社会実行計画」を策定し、新たな目標として

「2010年度以降の省エネ対策により、2020年度において2010年度比

で原油換算53万㎘分のエネルギー削減量(省エネ対策量)を製油所

において達成する」ことを掲げ、更なる省エネルギーの推進に取り

組むこととしました。

さらに、2020年度以降の取り組みについても経団連の呼びかけに

応え、「石油業界の低炭素社会実行計画(フェーズⅡ)」を策定し、現行の

取り組みの継続性を考慮した更なる先の目標として「2010年度以降

の省エネ対策により、2030年度において2010年度比で原油換算100

万㎘分のエネルギー削減量(省エネ対策量)を製油所において達成

する」を掲げています。

■製油所における省エネ対策

製油所では広い範囲で省エネルギー対策を実施しており、製油所に

おける省エネルギーはこれら多数の個別対策の積み上げとして成り

立っています。

その対策内容は、熱の有効利用に関するもの(例:熱交換器の設置、

熱相互利用、廃熱回収等)、高度制御・高効率機器の導入に関する

もの(例:ヒートポンプ、コージェネ、高効率発電設備等の設置、コン

ピュータ制御の推進等)、動力系の効率改善に関するもの(動力の

モーター化等)、プロセスの大規模な改良・高度化に関するもの(例:

水素回収の推進、複数装置インテグレーション、ボイラの集約化、

スチーム使用量の抜本的削減等)等、多岐にわたっています。

追加されたことなども挙げられます。また2009年2月には、エタノー

ル、ETBE等を揮発油(ガソリン)等へ混和する事業者の登録制度・品

質確認制度も創設されました。

■石油業界の地球環境保全自主行動計画

石油連盟では、経団連の呼びかけに応え、1997年2月に「石油業界

の地球環境保全自主行動計画」を策定し、2012年度まで「製油所

エネルギー消費原単位」を改善する数値目標達成に取り組んできま

した。

製油所の省エネルギーの指標である「製油所エネルギー消費原

単位」の目標値は、当初1990年度比10%改善であったものを、2007年

10月には、それまでの取り組みの進捗状況等を踏まえ、13%改善へ

上方修正を行いました。その後各社の努力により熱回収の高度化、

設備の効率化・最適化等が年々推進・改善されたことから、2012年度

には1990年度比で15%改善され、その結果2008年度~2012年度平

均でも1990年度比15%改善となり、結果として新しい目標も達成する

ことができました。

■石油業界の低炭素社会実行計画

自主行動計画の後継として経団連より公表された「低炭素社会

実行計画」の基本方針を受け、石油連盟では、新たに2010年3月に

❺ 地球温暖化問題への取り組み

■品確法強制規格(2018年4月現在)

ガソリン 軽 油

現行の規格 規格値

セタン指数 45以上

硫黄分 0.001質量%以下

蒸留性状90%留出温度360℃以下

トリグリセリド 0.01質量%以下

脂肪酸メチルエステル(FAME)※2 0.1質量%以下

灯 油 重 油

現行の規格 規格値

硫黄分 0.008質量%以下

引火点 40℃以上

色セーボルト色+25以上

現行の規格 規格値

硫黄分 3.5質量%以下

無機酸 検出されない

※ 1 E10 対応自動車として道路運送車両法の登録または車両番号の指定を受けている自動車用のガソリンについては、酸素分は「3.7質量%以下」、エタノールは「10 体積%以下」として認められている。

※2 上記は現在日本で一般的なFAMEを混合しない軽油の場合。FAMEの混合は品確法強制規格として0.1質量%超5.0質量%以下として認められており、その 場合、メタノール(0.01質量%以下)、酸価(0.13mgKOH/g以下)、ぎ酸・酢酸・プロピオン酸(合計 0.003質量%以下)、酸化安定性(規定の試験法で酸化安定度65分以上または酸価の増加0.12mgKOH/g以下)の規定がある。

現行の規格 規格値

鉛 検出されない

硫黄分 0.001質量%以下

MTBE 7体積%以下

ベンゼン 1体積%以下

灯油混入 4体積%以下

メタノール 検出されない

実在ガム5mg/100mℓ以下

色 オレンジ色

酸素分※1 1.3質量%以下

エタノール※1 3体積%以下

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【概要】2030年度に向けた石油業界の低炭素社会実行計画(フェーズⅡ) (2018年3月31日)

2030年度に向けた具体的な取り組み

革新的技術開発

基 本 方 針石油業界は、地球環境の保全や循環型社会の形成、わが国経済社会の持続的発展に積極的に貢献することを基本理念として、石油の高度利用かつ有効利用に取り組むことで、低炭素社会の形成を目指すとともに、エネルギー政策の「3E」(安定供給の確保、環境への適合、経済性)の同時達成を追求していく。

石油製品の製造段階(製油所)

■重質油の詳細組成構造解析と反応シミュレーションモデル等を組み合わせた「ペトロリオミクス技術」開発■二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)

国際貢献

■世界最高水準のエネルギー効率を達成したわが国石油業界の知識や経験を、途上国への人的支援や技術交流で活用

■既存最先端技術の導入や近隣工場との連携推進等により、世界最高水準のエネルギー効率の維持・向上を目指す■2010年度以降の省エネ対策により、2030年度において追加的対策がない場合、すなわちBAUから原油換算100万S分のエネルギー削減量の達成に取り組む※1,2,3,4※1 原油換算100万Sは約270万tCO2に相当※2 目標達成には政府の支援措置が必要な対策を含む※3 内需の減少等による製油所数の減少や生産プロセスの大幅な変更など業界の現況が大

きく変化した場合、目標の再検討を視野に入れる。2015年以降、約5年毎に目標水準の評価を行う

※4 個々の省エネ対策箇所について、稼働実績を反映したBAU(追加的対策がない場合)からのエネルギー削減量を把握し、これを業界全体で積み上げ、目標達成を判断する

【2030年度に向けた省エネ対策の内訳(見通し)】    ※単位:原油換算① 熱の有効利用(高効率熱交換器の導入等)・・・・・・・・・・・・・・・・50万S② 高度制御・高効率機器の導入(運転条件の最適化等)・・・・・・・12万S③ 動力系の効率改善(高効率モーターへの置き換え等)・・・・・・・20万S④ プロセスの大規模な改良・高度化(ホットチャージ化等)・・・・・・18万S

石油製品の輸送・供給段階①物流の更なる効率化(油槽所の共同利用、製品の相互融通推進、タンクローリー大型化等)②給油所の照明LED化、太陽光発電設置 等

石油製品の消費段階①高効率石油機器の普及拡大 停電時も利用可能な高効率給湯器(自立防災型エコフィール)等の普及拡大に取り組む②燃費性能に優れた潤滑油の普及(ガソリン自動車)③石油利用燃料電池の開発普及 水素供給源として既存の石油供給ネットワークを活用した普及を目指す(LPGなどにより水素を供給)④持続可能性や安定供給を踏まえたバイオ燃料の利用 2030年度に向けたバイオ燃料の利用に関しては、持続可能性などを巡る国際的な動向、次世代バイオ燃料の技術開発の動向、および今後の政府の方針を踏まえ、改めて検討する (2017年度に向けては、原油換算50万S(エネルギー供給構造高度化法の目標量)を達成するよう、政府と協力してETBE方式で取り組みを進めていく)

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

万㎘

2019 2020 2030年度

201820172016201520142013201220112010

エネルギー削減量(省エネ対策量)

■製油所における省エネルギー対策

2016年度52.6万㎘

2020年度目標53万㎘

2030年度目標100万㎘ エ

タノール消費に占めるシェア(非燃料用含む)

■主要国のバイオエタノール自給率

(注): 日本は2015年度、それ以外は2015年のデータに基づく

出所: 「バイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策のあり方に関する調査(バイオエタノール関連)報告書(2017年3月)」

100%

80%

60%

40%

20%

0%米国ブラジル 日本

0%

100%

0%

100%

EU

20%

80% 98%

2%

国産輸入

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26

第4章 石油業界の環境安全対策

農作物や木材等を原料とするバイオマス燃料は、燃焼時に発生す

るCO2の排出量が計上されないカーボンニュートラル効果の点から、

地球温暖化対策に効果があるエネルギーとされています。わが国に

おいては、京都議定書目標達成計画(2005年4月)の中で、輸送用燃

料において50万㎘(原油換算)のバイオマス由来燃料の導入目標値が

定められました。

石油業界は、資源エネルギー庁の要請に基づき、06年1月、この計画

の実現に協力するため、「10年度において原油換算21万㎘(バイオエ

タノール約36万㎘)のバイオエタノールをバイオETBEとしてガソリンに

配合する」ことを目指すことを決定しました。07年1月に石油連盟加盟

各社でバイオETBE等の共同調達を行うための組合(JBSL:バイオマス

燃料供給有限責任事業組合)を設立し、07~08年度におけるバイオ

ガソリン(バイオETBE配合)の試験販売を経て、本格導入の前年である

09年度には20万㎘のバイオETBEの導入を開始しました。

また、10年11月に示されたエネルギー供給構造高度化法の「非化石

エネルギー源利用の判断基準」においては、17年度に原油換算50万㎘

(バイオエタノール約82万㎘)のバイオエタノールをガソリンに直接、

もしくはバイオETBEとして混和して自動車用燃料として利用することが

定められ、各年度における導入目標量が段階的に設定されました。

石油業界ではバイオETBE方式でこの目標を着実に達成したところ

です。

18年度以降の判断基準を策定するにあたっての基本的な考え方を

取りまとめるため、17年12月に「我が国のバイオ燃料の導入に向け

た技術検討委員会」が設置されました。同委員会において、課題と

なっている全量輸入・割高な原料コスト・食料競合への配慮等を踏ま

え、次期告示期間は、3Eの観点からコスト効率的・環境効率的なバイ

オエタノール(国産・次世代)の本格導入のための体制構築を最優先

の政策課題とする、「移行期」と位置付ける考え方が示され、18年4月

に示された判断基準では、22年度までの5年間、原油換算50万㎘/

年の目標は維持されることとなりました。

❻ バイオ燃料の導入

石油業界のバイオ燃料の取り組み(バイオETBEの導入)

2017年度 普及拡大

2009年度 導入拡大

2010年度 本格導入開始

原油換算50万㎘バイオETBE194万㎘[  ]

2018~2022年度

原油換算50万㎘/年バイオETBE194万㎘/年[   ]

原油換算21万㎘バイオETBE84万㎘[  ]2007年度 SS:50ヵ所

2008年度 SS:100ヵ所

2007年4月~2009年3月 試験販売

流通実証事業(注)バイオガソリンの販売

バイオETBEの導入 [  ]バイオETBE

20万㎘

出所:経済産業省、第2回我が国のバイオ燃料の導入に向けた技術検討委員会(2018年1月26日)配布資料を元に作成

バイオ燃料の導入に向けた今後の道筋(イメージ)

21万

50万

(㎘)

エタノール導入量(原油換算)

試験販売

20182007 2011 2020

第一世代エタノール

次世代エタノール

国内の技術開発動向等を踏まえ、2023年度以降の導入目標量等を設定。

2023 (年度)

次世代エタノールの本格普及期?

2009

政府要請に基づく取り組み

Page 28: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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欧米諸国などにおいてバイオ燃料の利用・開発における食料競合

や森林破壊等の環境問題、ライフサイクル全体での温室効果ガスの

削減効果など、バイオ燃料の持続可能な利用・開発に向けた議論、

基準の策定が進められたことを背景として、日本においても、08年

10月に設置された「バイオ燃料持続可能性研究会」において、調査・

検討が開始されました。その後、わが国としての具体的な基準策定と

運用実施に向けて、09年7月に設置された「バイオ燃料導入に係る

持続可能性基準等に関する検討会」において検討され、10年3月の

中間取りまとめにおいて、①ガソリンのGHG(温室効果ガス)排出量

に比較し、バイオ燃料に求めるLCA※でのGHG削減効果を50%以上

とすること、②持続可能性基準を満たすバイオ燃料が、現時点でブラ

ジルからの輸入や一部国産の燃料に限定され、エネルギーセキュリ

ティの観点からも、高い自給率を目指すことが必要であること、③食

糧との競合について、関係省庁が連携し、原因分析と対処法を検討

していくことが必要であること等が示されました。10年7月の高度化

法判断基準におけるバイオ燃料の持続可能性基準も、同中間報告で

示された方向性を踏襲するものとなりました。

前述の「我が国のバイオ燃料の導入に向けた技術検討委員会」で

は、10年7月の高度化法判断基準以降の状況変化を踏まえて議論を

行い、これを受けて18年4月の判断基準においては、①諸外国の動向

やバイオマスの有効利用の観点等から、バイオ燃料のGHG削減率の

基準を「ガソリン比55%以上」に引き上げ、②CH4、N2Oの排出量算

入等を行って、ガソリン・ブラジル産サトウキビ由来エタノールの

GHG排出量の規定値を更新、③調達先の多角化に資することから、

米国産トウモロコシ由来エタノールのGHG排出量の既定値を新たに

設定等の内容が示されました。

※Life Cycle Assessment:ライフサイクル全体(生産・使用・廃棄)の環境影響(必要とするエネルギー・素材資源量や発生する環境負荷(二酸化炭素、SOx、NOxなど))を評価する手法

❼ バイオ燃料の持続可能性基準について

ガソリン

g-CO2/MJ

草地からの転換

既存農地

森林からの転換

既存農地

草地からの転換

森林からの転換

51%

105%

ガソリン比49%減

ガソリン比5%増

231%

ガソリン比131%増

0 50 100 150 200 250 300

エタノール

サトウキビ由来

ブラジル産

エタノール

トウモロコシ由来

米国産

40% ガソリン比60%減

ガソリン比236%増

40% ガソリン比60%減

336%

土地利用変化エタノール輸送エタノール製造 エタノール原料輸送原料栽培

ガソリン

燃焼製品製造

原油生産原油輸送

■LCAでのバイオエタノールの温室効果ガス削減効果

ガソリン比55%削減

ガソリンよりもCO2排出が少ない← →ガソリンよりもCO2排出が多い

出所:経済産業省、第2回我が国のバイオ燃料の導入に向けた技術検討委員会(2018年1月26日)配布資料

Page 29: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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1963年12月、産業構造審議会総合エネルギー部会は、前年のOECD

勧告(石油需要60日分の備蓄を保有すべきこと)を受けて、「一定の

量の石油備蓄を行っておくことは、一時的な供給不足に対して需給の

不均衡を是正し、供給先の転換を行うまでのつなぎ対策としてエネ

ルギー供給の安全保障の要請に合致する」として、石油備蓄の必要

性を提言しました。

67年には、第三次中東動乱が勃発、すでに一次エネルギーの65%

を石油に依存していたわが国では危機意識が急速に高まり、72年度

から実質的にわが国の石油備蓄制度がスタートすることになりました。

73年、第一次石油危機が発生しましたが、日本も含めて世界的に

大きな混乱を引き起こしました。このため、国内では74年10月に「90日

民間石油備蓄増強計画」が発表され備蓄増強体制の確立が図られ

ました。同年11月には、当時の西側18ヵ国はOECDの下部機関として

IEA(国際エネルギー機関)を設置しました。75年、石油備蓄法の公布

により、国が石油備蓄目標を定め、石油精製、販売、輸入業者等に基

準備蓄量以上の備蓄義務を課し、わが国の石油の供給が不足する

場合において石油の安定的な供給を確保するために特に必要と

認めるときには、期間を定めて基準備蓄量を減少すること等が法制

化されました。また、備蓄増強の促進に伴う莫大な資金コストを助成

するため、更なる低利融資(利子補給幅の拡大)、石油貯蔵施設への

開銀融資比率の引上げ、共同備蓄会社への石油開発公団(現

JOGMEC)からの出資制度の創設などが行われました。その後、79年の

第二次石油危機への対応を経て、81年度初に90日備蓄体制(民間

備蓄義務量90日分)が確立されました。

また、78年には、石油公団(現JOGMEC)による国家備蓄が開始され、

89年2月に3,000万㎘、98年2月には5,000万㎘の備蓄目標が達成され

ました。また、この間に国家備蓄基地が全国に10ヵ所建設されました。

こうした国家備蓄の充実によって、89年度以降、民間備蓄は毎年度

4日分ずつ軽減されることとなり、93年度からは70日備蓄体制(民間

備蓄義務量70日分)となりました。15年度からは国家備蓄の備蓄水準

について数量ベースから日数ベースへと考え方が改められ、産油国

共同備蓄の2分の1と合計して純輸入量の90日分程度の量を確保する

こととされました。

石油業界の規制緩和の流れは石油備蓄法にも影響を及ぼしました。

第5章 石油業界の緊急時・大規模災害対策

❶ わが国の石油備蓄制度

■わが国の民間備蓄・国家備蓄の現状(2018年3月現在)

民間備蓄 国家備蓄 産油国共同備蓄

備蓄日数 79日分 131日分 6日分

備蓄量(製品換算) 2,825万㎘ 4,683万㎘ 208万㎘

備蓄目標 内需量の70日分産油国共同備蓄の2分の1と合わせて

純輸入量の90日分-

保有形態 生産・流通過程で保有 封印方式(製品は生産・流通過程で保有) 産油国国営石油会社の商用在庫として保有

保有場所 製油所・油槽所等の民間タンク原油:①国家石油備蓄基地、②民間タンク(借上げ)製品:製油所・油槽所等の民間タンク

国内民間タンク(産油国国営石油会社が借上げ)

保有構成 原油:約50% 製品:約50% 原油:約97.1% 製品:約2.9% 原油:100%

管理主体 精製業者、輸入業者等ただし、共同備蓄会社による代行が可能

①国家備蓄会社(約2/3)(全国で8社・10基地)②民間企業(約1/3)(管理委託)

産油国国営石油会社(サウジアラムコ、ADNOC)が国内民間タンクへ管理委託

備蓄石油放出(取り崩し)の特徴

①大部分が製油所や油槽所といった生産・流通 過程に保有されており、速やかに供給できる。

②原油の調達動向や石油製品の需要に応じて、 弾力的に対応できる。

①国の判断で放出し、その分供給が確実に増すので、大きなアナウンスメント効果が期待できる。

②原油の大部分は、石油備蓄基地からタンカーにより製油所へ輸送する必要がある。製品は製油所・油槽所等の民間タンクで備蓄しており、速やかに供給できる。

①国内の民間タンクを産油国国営石油会社に政府支援の下で貸与し当該社が東アジア向け中継・ 備蓄基地として利用しつつ、わが国への原油供給不足時は当該タンクの在庫をわが国向けに優先供給する。

②タンクがある民間石油基地からタンカーにより製油所へ輸送する必要がある。

放出(取り崩し)事例

①第二次石油危機(79年3月〜80年8月)②湾岸危機(91年1月〜3月)③ハリケーン「カトリーナ」被害(05年9月〜06年1月)④東日本大震災対応(11年3月〜5月)⑤リビア情勢対応(11年6月〜12月)

なし なし

財政支援措置 石油購入資金、タンク建設などを支援 国が負担(石油石炭税) タンク賃借料などを支援(石油石炭税)

コスト負担 製品コストの一部を構成(最終需要家への転嫁が期待)

財源となる石油石炭税は、製品コストの一部を構成(最終需要家への転嫁が期待)

財源となる石油石炭税は、製品コストの一部を構成(最終需要家への転嫁が期待)

Page 30: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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2011年3月11日に発災した東日本大震災において、電気や都市

ガスの供給が止まる中、石油は、病院の非常用発電機、避難所の暖房

(灯油ストーブ)、緊急車両等の燃料として、利便性・貯蔵性・運搬性に

優れた、災害に強い自立型・分散型エネルギーとして大きな役割を

果たしました。

その一方で、出荷基地(製油所・油槽所)やSS(サービスステーショ

ン)も被災し、発災直後には東北・関東に立地する9製油所のうち6ヵ

所が稼働を停止したほか(約140万バレル/日、全国の精製能力の

約3割相当)、東北太平洋岸の油槽所のほとんどが出荷不能に陥りま

した。そのため、石油製品の在庫は十分あったにもかかわらず、港湾

や道路の損壊といった社会インフラの麻痺と相まって、ロジスティクス

上の障害により、一部地域では一時的に供給が十分に図れない事態

も発生しました。

被災地から政府へ寄せられた様々な緊急支援物資の要請は約

5,000件にのぼり、うち3割となる約1,400件が石油燃料でした。石油

連盟では、首相官邸や経済産業省からのこれらの緊急要請の窓口を

設置し、24時間体制で対応しました。

被災地域で規模が大きい塩釜(宮城県)の油槽所では、県や国土

交通省等の尽力により、震災6日後の3月17日には在庫の出荷を、10日

後の21日には内航タンカーの受入を再開しました。復旧が早かった

2社の施設を元売5社で共同利用する等、当時まだ法令や協定など

に基いた制度的な枠組が無い中で、会社の枠を超えた様々な協力

体制を構築しました。

96年の特石法(特定石油製品輸入暫定措置法)の廃止により、石油製

品の輸入が実質的に自由化されたことから、石油備蓄法についても

新たな輸入者に対応した改正が行われました。02年1月には、石油業

法が廃止され、石油備蓄法は、石油備蓄義務の履行の確保と同時に、

緊急時対応の基盤強化を図るため、①石油精製業・石油販売業等の

届出制、石油輸入業の登録制の整備、②経済産業大臣による国家備

蓄放出命令の整備、③生産予定数量の増加の勧告などについて改正

され、名称も、「石油の備蓄の確保等に関する法律」に改められました。

06年、総合資源エネルギー調査会石油政策小委員会において、より

機動的な石油備蓄制度の構築が必要との観点から機動性の高い国

家製品備蓄の導入が提言され、09年から灯油の備蓄が始められました。

07年、同調査会の次世代燃料・石油に関する小委員会は、石油の消

費量が増大しているアジア周辺諸国との備蓄国際協力の積極的な推

進や、わが国の備蓄石油を海外に直接放出することも視野に入れた

緊急時における国際石油市場の安定化について検討しました。こうし

た背景から、同年、日本・ニュージーランド両政府間で備蓄融通協定

が締結され、ニュージーランド政府が実施する「備蓄石油を緊急時に

買い取る権利」の入札にわが国の民間企業も応札可能となり、落札す

る事例も出てきました。また、産油国が所有する原油を国内に貯蔵し、

平常時には産油国が商業的に活用し、緊急時にはわが国が優先的な

供給を受けられる、政府と産油国の共同プロジェクト(産油国共同備

蓄)も取り組まれており、09年にはアブダビ国営石油会社、10年には

サウジアラビア国営石油会社の原油の貯蔵が開始され、エネルギー

セキュリティの強化と、産油国との戦略的な関係の構築が期待されて

います。

❷ 東日本大震災の経験と教訓

■わが国の石油備蓄量・備蓄日数の推移(各年度末)

出所:資源エネルギー庁

単位:万㎘

(注): 1. 備蓄量は製品換算、備蓄日数は石油備蓄法方式 2. 合計の備蓄日数については、四捨五入のため積上げ日数と合わない場合がある

東日本大震災

2011.3.14  ~  3.21  ~  5.20

リビア情勢 2011.6.24~2011.12.31

ハリケーン・カトリーナ2005.9.7~2006.1.470日→67日(3日分)

第2次石油危機1979.3~1980.8申請ベース

備蓄放出事例

(民間備蓄義務量

の引き下げ)

湾岸戦争1991.1.17~1991.3.682日→78日(4日分)

70日  67日(3日分)  45日(25日分)申請ベース

→→

70日→67日(3日分)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000産油国共同備蓄民間備蓄国家備蓄

90日

90日5,954

7日 7日 10日 35日 54日 76日 78日 82日 84日

88日6,048

81日

95日6,593

88日

100日6,984

90日

127日7,098

92日

142日8,278

88日

150日8,953

74日

156日9,332

79日

163日9,393

80日

164日9,141

79日

163日9,080

193日8,075

163日8,930

78日

85日

166日9,023

77日

89日

169日8,960

78日 74日 79日

85日

156日8,806

72日

114日

185日8,590 207日

7,997

83日 81日

4日

102日 126日

78日

4日

208日7,782

197日8,343

84日

113日

184日8,670

81日

99日 102日

199日8,301

84日

115日

177日8,614

77日

95日

174日8,902

79日

90日

168日9,043

78日

92日91日

166日8,743

74日

88日 122日

2015 2016

199日8,147

80日

2日

117日

2014

193日8,406

83日

110日

2013201220112010200920082007200620052004200320022001200019991998199719961995199019851980197919781977年度131日

79日

6日

215日7,716

2017

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第5章 石油業界の緊急時・大規模災害対策

震災の教訓を踏まえ、災害時を含めた最終消費者までの安定供給の

実現に向けた、サプライチェーン(供給網)の維持・強化が、石油業界に

とって大きな課題となり、これまでに設備と体制の両面において緊急

時対応力の強化を進めてきました。

設備面では、出荷基地における耐震補強工事、電気設備の防水

対策、非常用電源の配備等が挙げられます。現在国内に22ヵ所ある

製油所では、既存法令の基準を超える耐震・液状化基準の充足を進

めてきました。また、ドラム缶による出荷は、平時にはロットが小さく

効率的ではないため、従来から縮小されていました。しかし、震災時に

はタンクローリーによる荷卸ができない場合の緊急支援物資として、

ドラム缶での小口配送の要請が多かったことから、ドラム缶充填設

備の維持・増強も行われました。SSにおいては停電時でも給油がで

きるように非常用電源の設置、手動ポンプの配備、あるいは非常用

物資の備蓄、避難場所の提供準備等、災害対応化の取り組みを実施

しています。

体制面では、震災時に石油各社と被災地域の出荷基地との間で、

情報収集に時間を要したことを踏まえ、衛星電話の配備など通信・

連絡手段の確保・強化を行い、緊急時に石油連盟に石油各社の情報

を集約する体制を構築しました。また、石油連盟では2013年12月に

系列としての石油供給に係る事業継続計画(BCP)のガイドラインを

作成し、会員各社はこれに準拠した形で個別に策定しています。

❸ 東日本大震災後の対策

東日本大震災において、元売各社は自治体・政府経由で寄せられ

た病院等の重要施設に対する石油製品の緊急的な供給要請に対応

しましたが、要請元から提供された油種やタンク注入口仕様など設

備等の情報に誤りや不備があり、一部の配送に支障が生じました。

そのため石油連盟では、今後の災害時に被災地から寄せられる

緊急的な供給要請に迅速かつ円滑に対応するための事前準備とし

て、都道府県等が指定する重要施設を対象とした石油供給に必要な

情報を予め共有する取り組みを2012年から実施しています。

18年3月までに、46道府県※のほか、18政府機関、7指定公共機関

と同趣旨に係る覚書を締結しています。

❹ 地方自治体との情報共有

2011年3月の東日本大震災の際、石油業界は生産から流通のすべ

ての段階において業界を挙げて、安定供給に努めました。この経験

から、石油業界は、災害時の安定供給について、石油製品の不足による

混乱を抑制し機動的で柔軟な石油備蓄制度とすべく、通常の物流・

商流が失われた際の石油供給の最後の砦として、国家製品備蓄を積み

増すこと、国家製品備蓄は機動性確保・品質維持のため、製油所等の

操業在庫として保管(混合蔵置方式)すべきこと、さらに、物流確保の

ために、備蓄管理者と輸送会社の事前協力体制を構築し、迅速性・

❺ 石油備蓄法の改正による災害対応

※東京都とは08年に「大規模災害時における石油燃料の安定供給に関する協定」を締結し、同取り組みを実施

2011年3月12日午前1時30分頃 仙台市若林区七郷中学校【提供:河北新報社】震災時の被災地を行くミニローリー 2011年5月 陸前高田

塩釜油槽所の機能回復・共同利用 3月21日よりタンカー受入・輸送力の飛躍的拡大

■被災地から政府への緊急要請件数

1,456件29%

燃料(石油)

一般物資3,590件71%

出所:総合資源エネルギー調査会第13回基本問題委員会

Page 32: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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2016年4月16日に発生した熊本地震は、石油備蓄法に基づく「災害

時石油供給連携計画」が初めて発動した災害となりました。

同計画に基づき、石油連盟では発災当日正午から(以降21日まで

毎日正午に)共同オペレーションルーム会合を開催して、石油精製・

確実性を高めるため、避難所・病院等の重要施設等へ直接供給でき

る体制を導入すべきこと等を提言しました。12年11月、「石油の備蓄の

確保等に関する法律」が改正され、海外からの石油の供給不足時だけ

ではなく、災害により国内の特定地域への石油供給が不足する時にも

国家備蓄石油を放出できるようになりました。一方、国家製品備蓄の

対象油種は、前述の灯油に、ガソリン、軽油、A重油を加えた4油種とな

りました。また、同法に基づき、国内において大規模な災害が発生し、

特定の地域への石油の供給が不足する事態になった場合に備え、

石油精製・元売各社は相互に連携して石油の安定的な供給の確保

を図る「災害時石油供給連携計画」を全国10地域毎に共同で策定し、

経済産業大臣に届出ています。同計画では、業界対応の司令塔役を

担う共同オペレーションルームを立ち上げ、①各社の出荷基地・物流

・系列SSなどに係る情報収集・共有、②政府経由で寄せられる石油

製品の緊急的な供給要請への対応、③出荷基地が被災等により利用

不可となった場合の他社出荷基地の共同利用などの災害時対応を

定めています。

大規模災害が発生した際には、経済産業大臣が石油精製・元売

各社に対し、同計画による措置の実施を勧告することとなっています。

石油連盟では、同計画に定める訓練を毎年実施しており、これら災

害時対応の習熟度を高めるとともに、訓練で得られた様々な課題に

ついて対応策を検討・構築することにより災害時対応全体としての

実効性も高めてきました。また15年以降の訓練では、訓練参加者に

対して予め災害に係るシナリオを明らかにしない実践的な訓練を

導入するなど、業界としての意思決定力の向上にも努めています。

さらに16年以降、津波防災の日/世界津波の日(11月5日)に際して、

同計画を中心とする石油業界の大規模災害時の対応体制について、

訓練の内容や熊本地震での実際の対応も含め、関係業界、関係機関

等のより深い理解を得ることを目的にしたシンポジウムを開催して

います。

❻ 熊本地震における対応

青森一部のみ出荷

秋田一部のみ出荷

東京近郊 油槽所一部のみ出荷

新潟出荷可能

酒田出荷可能(制限あり)

八戸出荷停止・不可能

盛岡出荷停止

小名浜出荷不可能

日立出荷不可能

釜石出荷不可能

郡山出荷停止

気仙沼出荷不可能

塩釜出荷停止

仙台稼働停止

鹿島稼働停止

京葉(千葉)一部製油所稼働停止

京浜(神奈川)一部製油所稼働停止

東日本の殆どの拠点が通常出荷不可能

油槽所

稼働:3ヵ所/停止:6ヵ所

出荷可能:6ヵ所停止(制約あり):23ヵ所      (東京近郊除く)

製油所

地震直後 3月12日精製能力

312万バレル/日

秋田自動車道

磐越自動車道

上越自動車道

山形自動車道

東北自動車道

青森出荷可能

秋田出荷可能

東京近郊 油槽所出荷再開

新潟出荷可能

酒田出荷可能

八戸1油槽所…出荷再開(3/21)(出荷制約あり・海上受入不可)

盛岡出荷再開

小名浜出荷不可能

日立出荷不可能

釜石出荷不可能

郡山出荷再開

(在庫出荷)

気仙沼出荷不可能

塩釜2油槽所…出荷再開(3/17・20)その他2油槽所は再開に向け作業中

(大型船入港不可)

仙台稼働停止

鹿島稼働停止

京葉(千葉)一部を除き稼働再開(3/17)

京浜(神奈川)稼働再開(3/17・21)

太平洋側の拠点が一部再開、東京近郊は一部を除き出荷可能

油槽所

稼働:6ヵ所/停止:3ヵ所

出荷可能:18ヵ所停止(制約あり):11ヵ所      (東京近郊除く)

製油所

3月21日精製能力

400万バレル/日

秋田自動車道

磐越自動車道

上越自動車道

山形自動車道

東北自動車道

■東北・関東地方の製油所・油槽所の稼働状況

東日本大震災への対応

○ 稼働中の製油所の生産体制の強化(能力増強・稼働率アップなど)○ ガソリン等の緊急輸入・製品輸出の停止(国内供給増加)○ 西日本や北海道から被災地への石油製品の転送(内航タンカー・タンク車・タンクローリー)○ 被災地における全社協力体制の実施(油槽所の共同利用など)○ 西日本からタンクローリーを被災地へ投入(約300台の臨時投入)○ 被災地のSS営業情報提供等、被災地における消費者の不安心理解消に向けた広報活動

3/21震災後タンカー初入港(塩釜)

3/20被災地向けドラム缶出荷(千葉)

Page 33: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

32

第5章 石油業界の緊急時・大規模災害対策

輸送を踏まえ、長大トンネル等の災害時の通行規制緩和について、石

油連盟は政府に対して要請してきました。その結果、2016年8月に国土

交通省は、災害時に限り、誘導車を配置してタンクローリーが隊列走

行する、いわゆる「エスコート通行」を前提に当該規制を緩和する方

向性を示しました。

これを受け、各長大トンネル等の道路管理者、国土交通省、経済産

業省、石油連盟の関係4者にて基本的通行方法に係る方針をすり合

わせ、さらに各都道府県公安委員会との協議の結果、2018年7月末

現在で、11ヵ所について規制緩和されています。

石油連盟は、全国石油商業組合連合会(全石連)、各県の石油商業

組合と連携し、災害対応整備を進めている地方自治体に対して、防災

拠点となる公共施設への防災に役立つ石油機器の導入と石油備蓄

を提案するとともに、石油業界が進めている安定供給維持のための

体制整備等について説明し、自治体関係者の理解促進に努めていま

す。2011年度から活動を開始し、2017年度までの7年間で延べ1,100

以上の自治体を訪問しました。自治体訪問にあわせ、全石連が主催

する「満タン&灯油プラス1缶運動」の周知活動も実施しています。

元売各社の出荷基地、物流等に係る情報を共有するとともに、政府の

対応方針も踏まえながら石油業界としての対応方針について検討・

意思決定を行いました。

具体的には、発災当日に各社の出荷基地や物流に大きな被害が

ないことを確認するとともに、被災地への石油供給を確保するため、

周辺地域からのタンクローリーによる継続的な応援供給や出荷基地

の稼動時間延長など出荷体制を強化することとしました。また、被災地

および周辺地域の系列SSの営業状況についても情報共有を行い、

制限営業または営業休止となっていたSSの早期回復を目指すことと

しました。

さらに、阿蘇地域で発生した広域停電への対策として九州電力が

実施した高圧発電機車による配電線への応急送電に際しては、発電

用燃料である軽油の緊急的な供給要請に対応しました。

熊本地震ではこうした迅速かつ適切な対応により、早い段階から

被災地への石油供給を確保することができました。

長大・水底・水際トンネルでは、危険物である石油を積載したタン

クローリーの通行が制限されています。しかし、東日本大震災におい

てタンクローリーによる被災地への遠距離輸送を実施した際の長時間

❼ 長大トンネル等の通行規制緩和

❽ 地方自治体への提案活動

■災害時石油供給連携計画について

災害により、特定の地域への石油の供給が不足する事態が発生

特定石油精製業者等(石油元売)

経済産業大臣が特定石油精製業者等(石油元売)に対し、「災害時石油供給連携計画」の実施を勧告

被災地(自治体)

官邸(緊急災害対策本部)

資源エネルギー庁

要請

燃料調整シート送付

燃料調整シート送付

供給依頼

石油製品の供給

・ 石油連盟事務局が事務局業務を担当・ 「連携計画」に係る地域の石油物流に係る課題全般の検討

・ 石油元売の被災状況・在庫量等を情報収集

共同オペレーションルーム

情報収集室

・ エネ庁から送付された「燃料調整シート」に基づき、個々の要請に対応する石油元売を割り振り

緊急要請対応室

・ 基地の共同利用を行う場合に①利用するタンク等の数量や、②出荷・受入設備の利用スケジュール等の割り振りを調整

共同基地利用WG※

(※必要に応じ、経産省の指示に基づき、設置)

Page 34: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

33

約1/2であることはあまり知られていません。これは電気が発電所

から各家庭に届くまでの間に排熱や送電によるロスが約63%も発生

しているからです。CO2排出量が多いと思われている灯油は、実は環

境にやさしいエネルギーです。

また、同じ熱量(1kW)で比較した灯油価格は、電力料金(従量電灯

B)の約1/3、都市ガス料金の約2/3と、とても経済的で家計にも

やさしいエネルギーです。

(関連図表P.42)

■灯油は災害対応に優れた分散型エネルギー

灯油は、タンクに貯蔵することのできる分散型エネルギーなので、

災害時に電力、都市ガス等のライフラインが寸断された場合でも、

使うことのできる災害対応能力に優れたエネルギーです。

東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の成人男女1,000人を

対象として、2011年5月に実施したアンケート調査でも全体の52%の

方が震災直後から使うことができたと回答しています。

避難所では、避難住民の暖房機器や明り取りとして灯油ストーブが

活躍しました。また、病院施設でも石油の自家発電設備が被災した

方々の命を守るのに役立ちました。

石油連盟では、東日本大震災以降の情勢の変化を踏まえ、災害対

応能力に優れた石油機器の開発に努めると共に、こうした石油機器

の防災拠点等での利用促進を地方自治体等に働きかけるなど、灯油・

石油機器の普及促進活動を展開しています。

■消費者から選ばれる石油エネルギー

灯油は、その手軽さから消費者にとって、最も馴染みの深い暖房・

給湯用エネルギーとして親しまれてきましたが、将来的にも消費者に

選択されるエネルギーであり続けるために、より環境にやさしく、

経済性の高い石油機器の開発と普及に努めています。

■「エコフィール」の開発と普及促進

燃焼時の排熱を再利用することで、熱効率を高め、灯油を節約し、

CO2の排出量も削減できる高効率石油給湯器「エコフィール」を機器

メーカーの団体である(一社)日本ガス石油機器工業会と連携し、普及

促進に努めています。

■自立防災型エコフィールの開発と普及促進

東日本大震災では広範囲に停電が発生し、電子制御している電気・

ガス・石油のすべての給湯器が使用不能となりました。こうした経験

を踏まえ、2012年4月に停電時でも作動する自立防災型エコフィール

が開発されました。自立防災型エコフィールは、停電時でも標準的な

4人家族が約3日間使用する給湯量を賄うことができる防災機能を

備えた高効率給湯器です。

■環境にも家計にも優しい灯油

私たちの身近なエネルギーには、灯油の他にガス、電気などがあり

ますが、灯油のCO2排出量は、同じ熱量(1kW)で比較した場合、電力の

❾ 防災に有効な石油機器の開発と普及促進

■自立防災型エコフィール

通常時

バックアップ電源ユニット

商用電源通信線電源

内 蔵バッテリー

台所リモコン 浴室リモコン

停電時・ピークシフト運転時

バックアップ電源ユニット

商用電源停電

台所リモコン 浴室リモコン

通信線バッテリーからの電源

内 蔵バッテリー

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

その他都市ガス電気LPガス灯油

52.3

36.9

23.5

9.417.2

■震災直後に使用できたエネルギー

(n=1000)調査対象者全体

灯油は調査対象者全体の52%の方が震災直後から使うことができた。

〔灯油〕52%灯油は災害時に最も使用できたエネルギーである!

Page 35: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

34

巻末データ集

単位:原油換算百万t、%■主要消費国の一次エネルギー消費構成比(2017年)

出所:BP「世界エネルギー統計」(2017年版)

水力 6.8 再生可能エネルギー 3.6

石炭 27.6

天然ガス23.4

石油 34.2

原子力 4.4

456.4百万t

アメリカ

2,234.9百万t

中国

3,132.2百万t

ロシアドイツフランス33.516.237.9

237.9百万t

イギリス

191.3百万t

39.935.4 4.7 3.8

4.74.0

8.30.7

11.0

日本

石油 41.3

石炭 26.4天然ガス 22.1

原子力1.4

水力 3.9

再生可能エネルギー 4.9

35.821.323.113.4

335.1百万t

21.9

19.4

6.6

1.8

8.3

3.4

60.4

石油 40.9

原子力 8.6

水力 3.0再生可能エネルギー 4.2

石炭 14.9

天然ガス 28.4

13.2

52.3

6.65.9

698.3百万t

5.1

1.3

0.0

世界計13,511.2百万t

頁岩に水圧でヒビを入れ、中の石油・ガスを取り出す

けつがん

頁岩(シェール)層石油・ガスが作られる典型的な根源岩

けつがん

硬い岩盤

石油・ガスは長い年月をかけて移動し、硬い岩盤の下にたまる

石油・ガス

■シェールオイル・シェールガス掘削の仕組み

石油・ガス2000

4000

メートル

くっ さく

井戸を掘り、自噴するガスを集める

石油貯留岩

石油根源岩水平掘削技術・水圧破砕技術

在来型石油・ガス シェールオイル・シェールガス

■OPEC加盟国の概要

国 名     

項 目政治体制

人口(2017年) 面積

国民1人当たり総生産

(2017年)

原油生産量(2017年)

2017年1月〜生産水準※1

原油輸出量(2017年)

万人 千km2 米ドル 万バレル/日 % 万バレル/日 千バレル/日アルジェリア 共和制 4,172 2,382 4,173 106 3.3 104 633アンゴラ 共和制 2,836 1,248 4,380 163 5.0 167 1,577エクアドル 共和制 1,678 284 5,989 53 1.6 52 385赤道ギニア 共和制 127 28 8,460 13 0.4 13 128ガボン 共和制 193 268 7,894 21 0.6 19 188イラン イスラム共和制 8,116 1,648 5,508 387 11.9 380 2,125イラク 共和制 3,896 438 4,908 447 13.7 435 3,802クウェート 首長制 449 18 26,775 270 8.3 271 2,010リビア 共和制 647 1,760 6,769 82 2.5 ― 792ナイジェリア 共和制 1,977 924 1,881 154 4.7 ― 1,811カタール 首長制 269 12 62,196 60 1.8 62 466サウジアラビア 君主制 3,255 2,150 21,007 996 30.6 1,006 6,968アラブ首長国連邦 7首長国の連邦制 999 84 37,794 297 9.1 287 2,379ベネズエラ 共和制 3,144 916 8,098 203 6.2 197 1,596OPEC計 (14カ国) 49,550 12,158 6,220 3,251 100.0 2,993 24,861

出所:OPEC Annual Statistical Bulletin(2018年)、「2017年1月〜生産水準」はIEA※1 2016年11月30日の第171回OPEC総会における減産合意で決定された生産目標。ただし、リビアとナイジェリアは減産を免除。

Page 36: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

35

■石油製品の用途別国内需要(2016年度) 単位:千㎘

用途      製品 ガソリン ナフサ ジェット 灯油 軽油 重油 燃料油計 原油 LPガス 潤滑油 合計

自 動 車 52,431 31,972 84,403 1,791 539 86,733

航 空 機 3 5,278 5,281 5,281

運 輸・船 舶 707 3,407 4,114 78 4,192

農 林・水 産 1,598 253 2,705 4,556 4,556

鉱 工 業 74 3,248 21 7,003 10,346 5,509 797 16,652

都 市 ガ ス 0 1,809 1,809

電 力 198 7,266 7,464 2,111 535 10,110

家 庭・業 務 11,411 4,384 15,795 11,409 27,204

化 学 用 原 料 44,797 175 44,972 128 4,676 49,776

合 計 52,508 44,797 5,278 16,257 33,326 24,765 176,931 2,239 25,729 1,414 206,313(注):1. 記入用途例は、産業活動および国民生活のうち「身近なもの」の一例 出所:石油連盟 2. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

単位:千バレル/日 単位:%

■原油処理能力と設計能力稼働率の推移

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」、石油連盟

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

2007 2008 2009 2010 2011 2015201420132012200620052000199519901985198019751973

60

50

90

100

70

80

設計能力稼働率(%)5,274

79.2

4,856

82.7

4,895

78.9

4,846

74.5

4,627

77.7

4,559

74.2

3,917

82.8

2016 2017年度

3,8043,519

90.186.23,947

82.4

4,391

78.5

4,478

75.9

4,796

82.9

4,767

87.2

5,221

79.4

4,552

77.3

4,973

62.3

5,940

66.0

5,940

70.7

5,410

85.2年度平均処理能力

22年度

21201918171615141312111009080706050403020120009998979695949392911990

■石油製品内需の推移と見通し

出所: ・ 2017年度までは実績 「資源・エネルギー統計」・ 2018~22年度は需要想定検討会 「石油製品需要見通し」 (2018年4月経済産業省)※B・C重油のうち、電力用C重油は見通しが示されておらず2017年度実績見込みを据え置きと仮定

千㎘

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

▲35%▲29%

見通し

246百万㎘(1999年度)

175百万㎘(2017年度)

160百万㎘(2022年度)

ガソリン

ナフサ

灯油

軽油

ジェット燃料油

A重油

B・C重油

▲8%

ガソリン

ナフサ

灯油

ジェット燃料油

軽油

A重油

B・C重油

Page 37: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

36

巻末データ集

0

50

100

150

200

250

300

60

70

80

90

100

08 09 10 13 15141211070605040302012000999897969594939291908988878685848382818079787776751973年度

16 17

■わが国の原油輸入量とOPEC依存度・中東依存度の推移 単位:折線グラフは%、棒グラフは百万㎘

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

(百万㎘)

(%)

第一次

石油危機

第二次

石油危機

湾岸危機

イラク戦争

77.5

78.2 71.4

68.8

71.5 78.6

87.184.0

289

263249

197

238

266255

214

89.286.2

71.6

78.079.9

87.6 86.6

87.3

185195

87.6

82.5

83.789.1

249

90.0

原油輸入量

OPEC依存度

中東依存度

92.9

■わが国の国別原油輸入比率の推移 単位:%

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

OPEC 86.2 非OPEC 13.8

249,199千㎘

238,480千㎘

254,604千㎘

アラブ首長国連邦14.7

サウジアラビア33.0

カタール 3.5インドネシア15.0

オマーン3.5

その他5.7

クウェート 3.5中国3.8

イラン2.3

イラク5.5

分割地帯6.1

その他3.3

メキシコ 0.8

アラブ首長国連邦21.4

サウジアラビア19.5

イラン10.7

カタール6.0

インドネシア12.6

オマーン6.4

オマーン8.9

メキシコ3.7

中国6.5

その他5.4

OPEC 78.0

OPEC 87.5

非OPEC 22.0

OPEC 71.6 非OPEC 28.4

非OPEC 12.5

OPEC 90.0 非OPEC 10.0

その他0.5

イラク 2.0

ベトナム 1.1

クウェート 1.9

その他 0.2 オーストラリア 1.4

マレーシア 3.8

マレーシア 2.1ベトナム 1.9その他 0.6

アラブ首長国連邦25.6

サウジアラビア21.6

イラン11.5

クウェート7.4

中国2.2

オマーン4.5

その他3.3

その他 0.8

イラク1.4

インドネシア 4.8カタール9.6

分割地帯 5.4

197,261千㎘アラブ首長国連邦22.2

サウジアラビア13.5

クウェート 1.7カタール6.3

メキシコ4.9

その他 0.3中国6.5

イラン6.9

インドネシア11.4

その他4.4

イラク 3.2

OPEC 89.2 非OPEC 10.8

262,785千㎘アラブ首長国連邦10.3

サウジアラビア27.2

イラン22.3

インドネシア11.2

イラク2.3

オマーン2.9

その他 1.1分割地帯 4.9中国3.6

クウェート8.3

その他2.7

ブルネイ 3.3OPEC 92.9 非OPEC 7.1

288,609千㎘アラブ首長国連邦10.8

サウジアラビア19.9

イラン31.0

インドネシア14.7

オマーン1.9

その他 0.8

ブルネイ3.5

ナイジェリア 1.9

クウェート8.2

分割地帯5.3

その他 1.1中国 0.6

イラク 0.3

分割地帯 3.5

265,526千㎘アラブ首長国連邦26.7

サウジアラビア19.2

イラン8.7

クウェート5.0

カタール6.3

インドネシア7.9

分割地帯5.4

オマーン6.1

中国5.0

その他4.9

OPEC 79.9 非OPEC 20.1

(注): 四捨五入の関係により100%にならない場合がある

分割地帯 5.4

249,010千㎘ベトナム 0.8イラク 0.7

オーストラリア 0.9

スーダン 2.6

分割地帯 2.0アラブ首長国連邦

24.5サウジアラビア29.2

イラン13.0

クウェート7.2

インドネシア3.1

オマーン2.6

その他3.1

カタール9.4

OPEC 84.0 非OPEC 16.0214,357千㎘

ロシア7.1

アラブ首長国連邦20.9

サウジアラビア29.2

イラン9.8

クウェート7.0

インドネシア 2.4オマーン 2.7

その他3.8

イラク 3.3 その他 0.4分割地帯1.9

カタール11.62010

2000

1990

1980

2005

1995

1985

1975

1973年度

オマーン 1.4メキシコ 2.7

2016

2017

OPEC 87.6 非OPEC 12.4191,047千㎘

インドネシア1.1 カザフスタン 1.1メキシコ 1.3

185,091千㎘

ロシア5.8

アラブ首長国連邦23.7

サウジアラビア37.4

OPEC 87.6 非OPEC 12.4

サウジアラビア39.4

アラブ首長国連邦24.8

カタール7.6

クウェート7.3

イラン5.2

ロシア5.3

その他3.7

クウェート6.6

イラン7.0

その他2.6

イラク 2.4

イラク 1.9その他 1.4

その他 1.8カタール8.7

メキシコ 1.5インドネシア 1.7

2015OPEC 83.7 非OPEC 16.3

194,515千㎘ロシア8.1

アラブ首長国連邦25.3

サウジアラビア33.8

イラン5.0

クウェート7.8

その他5.0

イラク 1.6 その他 1.9カタール8.4

Page 38: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

37

韓国 3.4

米軍 0.7台湾 1.6

フィリピン 2.4

その他 2.3ニュージーランド 1.0

グアム 1.5米軍 2.3

単位:%

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

韓国94.8

■わが国の主要石油製品の国別輸入・輸出構成比(2017年度)

(注): 四捨五入の関係により100%にならない場合がある ボンド=外航船舶向け供給分

輸 入1,224千㎘

輸 入1,928千㎘

輸 入511千㎘

輸 入2,477千㎘

輸 出3,759千㎘

輸 出517千㎘

輸 出9,023千㎘

輸 出8,338千㎘

輸 出7千㎘

輸 入28,392千㎘

シンガポール39.7

韓国95.7

韓国98.7

韓国100.0

カタール16.6

中国100.0

インド12.3

UAE18.3

オーストラリア54.7

アメリカ3.5

香港9.5

マレーシア 30.1

シンガポール39.5

ロシア9.8

韓国10.4

シンガポール 6.2

韓国13.7

ボンド55.0

シンガポール13.4

韓国 7.9

香港 5.0

中国14.1

ガソリン 灯 油 軽 油 重 油ナフサ

中国 1.9アメリカ 0.0

マレーシア 0.1 ガボン 0.3パプアニューギニア2.6

マレーシア 4.4オーストラリア 0.2

メキシコ4.8

フィリピン 5.4

米軍 0.0グアム 2.5

タイ 2.6

中国 4.2

アメリカ 5.5

輸   入

輸   出

韓国 26.8

マレーシア8.5

サウジアラビア8.5

シンガポール 3.3

クウェート8.3

ロシア 8.0

その他13.7

バーレーン 3.9中国 4.2

チリ 5.4

タイ 1.4アルジェリア 2.5

オーストラリア 5.7

オーストラリア 1.2

■わが国の石油輸入金額の推移

出所:「財務省貿易統計」、資源エネルギー庁「石油輸入調査」

年度項目 19734.75

8,329

278.57

1.35

33.67

197512.05

22,654

298.91

1.36

33.89

198034.62

47,508

218.23

1.43

34.41

198527.30

38,282

222.90

1.25

35.06

199023.34

20,296

138.23

1.20

35.51

23.34

20,296

138.23

1.20

35.51

199518.27

11,057

96.23

1.33

35.10

200028.37

19,617

109.95

1.49

35.09

200555.81

39,735

113.19

1.44

35.66

200890.52

58,542

102.82

1.49

35.54

201084.16

45,373

85.72

1.46

35.94

2013110.01

69,224

100.04

1.39

36.45

201548.75

37,026

120.74

1.47

35.99

201647.53

32,523

108.79

1.54

36.00

201757.04

39,825

111.00

1.53

35.71

201490.37

61,279

107.81

1.43

36.00

2012113.89

59,357

82.86

1.41

36.00

ドル/バレル円/㎘

原油CIF価格

為替レート平均硫黄分A P I 度

(円/ドル)(wt%)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

0

10

20

30

40

50

60

70

80

総輸入金額に占める石油輸入金額の割合(%:右軸)

石油輸入金額(10億円:左軸)

1973

22.51

1975

38.12

1980

43.34

1985

32.63

1990

19.39

1995

11.67

2000

15.30

2005

20.58

2008

23.13

2010

19.68

2012

22.46

2015 2016 2017年度

12.75

2014

18.16

2013

22.05

2,784

6,631

13,642

9,491

6,624

3,846

6,495

12,456

16,632

12,290

16,193

9,589

11.60

7,833

12.46

9,568

15,217

18,656

Page 39: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

38

巻末データ集

0 5,000 10,000 15,000 20,000 35,000 40,00025,000 30,000

単位:千㎘■わが国の石油製品別輸入量の推移

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」(注):四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

2002年度

2004年度

2006年度

2008年度

2010年度

2012年度

2014年度

2016年度

2017年度

37,7631,60230,2602,8381,198

78

ガソリンナフサジェット燃料油灯油軽油A重油B・C重油

37,525

35,273

29,315

33,100

39,512

35,089

874 912

2,90529,5451,2922,443

444313 584

2,26128,8555603,169

10379 247

65123,1054974,644

2125 293

1,09827,2481,0533,023

43192 444

2,88425,2761,2139,374

9488 583

1,50826,8211,3704,635

10191 562

30,869

34,887

84325,684

28,3922,394 1,928 1,224

1,1872,466

22830 431

35583 511

0 5,000 10,000 15,000 20,000 35,00025,000 30,000

単位:千㎘■わが国の石油製品別輸出量の推移

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」(注):四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

2002年度

2004年度

2006年度

2008年度

2010年度

2012年度

2014年度

2016年度

2017年度

13,827

15,637

23,319

34,153

30,285

24,735

28,807

ガソリンナフサジェット燃料油灯油軽油A重油B・C重油

6,0151,3745,678

284128 247 102

5,8881,5257,770

112161 155 26

7,9554,9509,409

317165 499 23

10,08013,0509,269

710561 444 38

8,936 2,19811,0467,172

736 198 0

9,047 1,1486,4107,141

787 144 58

10,031 3,1128,4435,775

722 711 14

32,50110,947 3,1008,8237,966 1,042

573

31,523517

51

7

7,094 1,244 9,023 9,879 3,759

Page 40: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

39

300,000

280,000

260,000

240,000

220,000

200,000

180,000

160,000

140,000

120,000

100,000

-1,000-2,000-3,000-4,000-5,000-6,000-7,000

1,0002,0003,0004,0005,0006,0007,000

2016 2017年度

201520142013201220112010200920082007200620052004200320022000 20011999199819971996199519941993199219911990

単位:億円■石油産業の売上高・経常利益の推移(石油精製・元売全社)

出所:石油連盟

0

売上高

経常利益

164,495

156,524154,195

141,183

140,440138,856

156,868147,796

177,821

289,995

288,178

258,705

262,716

200,258

182,849

198,670

281,371

254,550

227,539

203,234

261,636

261,345

213,520

194,159187,863

174,737

155,067132,586

5,251

7,255

▲1,718

▲6,417

2,443

2,481

6,803

5,214

404

▲2,992

4,017

3,745

5,3554,613

1,6582,1402,210 2,4611,363

▲180

6211,1431,876

3,1703,7013,429

3,425

2,883

出所:石油は石油連盟、他産業は日経財務データ

株主資本比率

売上高経常利益率単位:%

単位:%

■石油産業と他産業との経営指標比較(2017 年度)

0

20

40

60

80

100

都市ガス 製造業 石油

都市ガス 製造業 石油012345

8910

76 5.7

9.8

3.7

49.1 53.6

23.3

0

400

350

500

450

550

0

5,000

10,000

15,000

20,000

05,00010,00015,00020,00025,00030,00035,00040,000

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,00065,000

■石油産業の設備などの合理化

販売施設(SS) 人員(従業員)単位:ヵ所 単位:人

生産設備(製油所の精製能力)単位:万バレル/日

輸送手段(タンクローリー)単位:台

2018年3月末

約352

1999年3月末

約541

1995年3月末

17,811

2016年3月末

6,598

2018年3月末

30,747

1995年3月末

60,421

1995年3月末

36,363

2018 年3月末

18,737

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40

巻末データ集

■世帯あたりのガソリン支出比較

格差 72,502円

格差 59,405円

負担額下位5都市(県庁所在地)

(出所)総務省統計局 家計調査(平成29年)

順位

1

1世帯あたりの金額都道府県

負担額上位5都市(県庁所在地)

2

3

4

5

順位

1

1世帯あたりの金額都道府県 市

70,923円全国 小都市B・町村平均*

2

3

4

5

山形県

石川県

富山県

岐阜県

群馬県

山形市

金沢市

富山市

岐阜市

前橋市

84,020円

77,075円

72,131円

70,992円

68,456円

11,518円

12,743円

18,181円

18,429円

20,157円

東京都

大阪府

神奈川県

京都府

兵庫県

23区

大阪市

川崎市

京都市

神戸市

*全国の町村および人口5万人未満の市

0

10

20

30

40

50

60

70

80

軽油ガソリンピアノ乗用車清酒ビール(350ml)

たばこ

■生活用品の小売価格に占める税負担率の比較

(注): 1. 小売価格は「小売物価統計調査(東京)」2018年7月価格にて算出 2. ガソリン・軽油は「石油製品価格調査」2018年7月価格にて算出

出所:石油連盟

単位:%

64.4

46.8

32.0

11.07.4

44.6

32.3

■石油石炭税の本則税率と地球温暖化対策税

( )は本則税率からの引上げ幅※1.石油石炭税法第9条による2.措法第90条の3の2、同附則43条による3.輸入LPG・国産天然ガス・輸入LNG

原油および石油製品

本則税率 ※1

H24.10.1~

H26.4.1~

H28.4.1~

ガス状炭化水素※3

円/㎘ 円/ton 円/ton

2,040 1,080 700

2,290(+250)

1,340(+260)

920(+220)

2,540(+500)

1,600(+520)

1,140(+440)

2,800(+760)

1,860(+780)

1,370(+670)

地球温暖化対策のための

税率の特例※2

石炭

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41

直接脱硫装置

単位:千バレル/日 ( )内は装置基数■重油脱硫装置能力の推移(各年度末現在)出所:石油連盟

間接脱硫装置

415(12)

2017年度末

20152014201320122011201020052000199519901985198019751973

1,361(36)

1,357(36)

1,357(36)

1,449(39)

1,449(39)

1,460(40)

1,447(40)

1,509(43)

1,358(40)1,267

(40)

1,387(41)

1,441(44)

1,200(37)

862(29)

520(13)

520(13)

520(13)

550(14)

550(14)

550(14)

548(14)

616(16)500

(14)

459(12)

459(12)

289(7)

194(5)

841(23)

2016

1,361(36)

520(13)

847(23)

841(23)

837(23)

837(23)

899(25)

899(25)

910(26)

899(26)

893(27)

858(26)

852(28)

928(29)

982(32)

911(30)

668(24)

1,367(36)

520(13)

■製油所の精製工程(概略)

原油タンカー

受入出荷設備

石油精製

灯油脱硫装置

軽油脱硫装置

重質軽油

減圧軽油

減圧軽油ピッチ

アスファルト

プロピレン

常圧残油

減圧残油

異性化装置

原油タンク

原油原油

重質ナフサ

軽質ナフサ

輸入ナフサ

分解ナフサ、分解軽油等熱分解装置

(コーカー)

分解ナフサ、分解軽油等

C 重 油ピ ッ チ

コークス

減圧蒸留装置

(バキューム)

プロピレン

A 重 油

軽 油

灯 油

プロパンブ タ ン

ガソリン

接触分解装置(FCC)

残油水素化分解装置(H-OIL)

石油化学工程へ

第1次告示対象設備(重質油分解装置)

石油化学工程へ

芳香族製造装置

ナフサ脱硫装置

接触改質装置

残油接触分解装置(RFCC)

第2次告示対象設備(残油処理装置)

第3次告示対象設備(特定残油処理装置)

溶剤脱れき装置(SDA)

常圧蒸留装置(トッパー)

アルキレーション装置

重油脱硫装置(直接脱硫装置)

減圧軽油脱硫装置(間接脱硫装置)

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42

巻末データ集

100.0

95.0

90.0

85.0

80.0

■エネルギー消費指数の国際比較(2012年度実績)

米国調査会社(Solomon Associates社)の調査結果※同社独自の指標で、エネルギー原単位と類似した性質を持つ。※常圧蒸留装置能力36万バレル/日以下の製油所で比較。※EUは加盟27ヵ国(2012年調査当時)。※東アジアは日本・中国・インドを除く東アジア・東南アジア各国。

高効率↓

日本 EU 東アジア 米国・カナダ

90.3 90.6

96.398.2

0.0 1.0 2.0 3.0 5.04.0

電気(従量電灯)

電気(昼間)

電気(夜間)

都市ガス

LPガス

灯油

23時~7時

7時~23時

0.0 0.1 0.2 0.3 0.5 0.60.4

電気(調整後)

電気(調整前)

都市ガス

LPガス

灯油

■エネルギー別コスト比較<1kWh当りのエネルギーコスト(税込み)> ■エネルギー別二酸化炭素排出係数<kg-CO2/kWh>

出所:石油情報センター、都市ガス会社全国平均、電力会社全国平均(2018年7月時点) 出所:環境省、経済産業省(温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル)、電気事業低炭素社会協議会 2016年度実績

1.00

2.08

1.40

1.39

3.39

2.77

<灯油を1とした場合>

0.244

0.213

0.180

0.518

0.516

0

100

10

50

2009年2008200720062005200420032002200120000

10

50

300

400

500

2009年200820072006200520042003200220012000

■わが国の 軽油 中に含まれる硫黄分の推移

わが国の規制

単位:ppm 単位:ppm

石油業界の自主的取り組み

50ppm

10ppm

50ppm50ppm

500ppm 100ppm

10ppm

わが国の規制

石油業界の自主的取り組み

3年前倒し

21ヵ月前倒し

2年前倒し

2005年1月~(全国供給開始)2005年1月~(全国供給開始)

■わが国の ガソリン 中に含まれる硫黄分の推移

■電気の廃熱・送電ロス

発電所

一次エネルギー

利用していない廃熱や送電ロス

37%

63%

総合エネルギー効率

省エネルギー法1次エネルギー換算係数より

Page 44: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

43

第一次石油危機 第二次石油危機 湾岸戦争ハリケーン

「カトリーナ」被害リビア情勢対応

時 期 1973年10月〜1974年8月 1978年10月〜1982年4月 1990年8月〜1991年2月 2005年8月〜2006年1月 2011年6月〜12月

危機の経緯第四次中東戦争を契機にアラブ石油輸出諸国の

原油供給削減

イラン革命の進展によりイラン原油供給中断と湾岸に

おけるタンカー輸送の途絶

イラクによるクウェート侵攻。イラクに経済制裁。湾岸戦争へ発展

大型ハリケーン「カトリーナ」による米国メキシコ湾岸エリアの石油関連施設への被害

リビア情勢等による世界的な石油供給の混乱

一次エネルギー供給に占める石油の割合

77.4%(73年度) 71.5%(79年度) 58.3%(90年度) 46.8%(05年度)※

※熱量換算による比較42.8%(11年度)※

※熱量換算による比較

原油価格上昇幅〔危機直前とピーク時の比較

(ドル/バレル)〕

アラビアンライト公示価格3.9倍

アラビアンライト・スポット(当用買い)3.3倍

ドバイ・スポット2.2倍

ドバイ・スポット1.1倍

ドバイ・スポット1.0倍

原油輸入価格期中最高値

(CIF、円/ℓ)21.5円(74年8月) 55.2円(81年8月) 27.6円(90年11月) 42.7円(05年10月) 58.4円(11年6月)

ガソリン小売価格期中最高値(円/ℓ)

114円(75年5月)(注1)

177円(82年12月)(注1)

142円(90年11月)(注2)

131円(05年10月)(注2)

151円(11年8月)(注2)

備蓄水準67日分(73年10月末)

民間備蓄:67日分国家備蓄:ゼロ

92日分(78年12月末)民間備蓄:85日分国家備蓄:7日分

142日分(90年12月末)民間備蓄:88日分国家備蓄:54日分

170日分(05年9月末)民間備蓄:80日分国家備蓄:90日分

202日分(11年8月末)民間備蓄:88日分国家備蓄:115日分

原油輸入量 2億8,861万㎘(73年度) 2億7,714万㎘(79年度) 2億3,848万㎘(90年度) 2億4,181万㎘(04年度) 2億917万㎘(11年度)

わが国総輸入額に占める石油輸入金額の

シェア(%)

23%(73年度) 43%(80年度) 19%(90年度) 20.6%(05年度) 21.8%(11年度)

原油の中東依存度 77.5%(73年度) 75.9%(79年度) 71.5%(90年度) 89.1%(05年度) 85.1%(11年度)

為替レート(円/ドル)

298円(74年8月) 246円(82年4月) 128円(90年11月) 113円(05年10月) 81円(11年6月)

当時の状況と政府の対応

・トイレットペーパーなどの買いだめ・行政指導に基づく元売仕切・

小売価格設定(74年3月〜8月)・石油業法に基づく標準額の設定(75年12月〜76年5月)・大口電力の使用規制、マイカー

使用の自粛・緊急時石油二法の施行(73年12月)・石油備蓄法の施行(76年4月)

・民間備蓄義務量の一部引き下げ(79年4月〜80年8月)・行政指導に基づく元売仕切価格

の設定(79年3月〜82年4月)・官庁の暖房温度19度、冷房温

度28度設定など省エネ対策を実施

・省エネルックが話題に・省エネ法施行(79年6月)・代エネ法施行(80年5月)

・原油の高値買いの自粛要請・製品輸入を抑え、国内生産主体

の供給体制へ移行・行政指導に基づく元売仕切価格

の設定/「月決め方式」(90年9月〜91年4月)・民間備蓄義務量の引き下げ(4日分)・官庁、民間の冷房温度28度

設定、マイカーの経済運転など省エネ対策を施行

・ガソリン輸入の自粛要請・民間備蓄義務量の引き下げ(3日分)・米国向け緊急輸出

・民間備蓄義務量の引き下げ(3日分)

■過去の緊急時への対応

(注): 1. 総理府統計局/小売物価統計調査(東京都区部)2. 石油情報センター(全国/税込み)

73年10月

3.0

74年1月

11.6→

78年9月

12.8

80年11月

42.8→

90年7月

17.1

90年9月

37.0→

05年7月

52.83

05年9月

56.54→

11年5月

108.7

11年11月

109.0→

Page 45: 今日の石油産業“とや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高

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巻末データ集

出光興産・北海道製油所 150,000

JXTGエネルギー・水島製油所 320,200JXTGエネルギー・仙台製油所 145,000

コスモ石油・千葉製油所 177,000JXTGエネルギー・千葉製油所 129,000出光興産・千葉事業所 190,000富士石油・袖ケ浦製油所 143,000

鹿島石油・鹿島製油所 197,100

JXTGエネルギー・川崎製油所 235,000東亜石油・京浜製油所 70,000JXTGエネルギー・根岸製油所 270,000

出光興産・愛知製油所 160,000コスモ石油・四日市製油所 86,000

昭和四日市石油・四日市製油所 255,000

コスモ石油・堺製油所 100,000JXTGエネルギー・堺製油所 135,000大阪国際石油精製・大阪製油所 115,000JXTGエネルギー・和歌山製油所 127,500

太陽石油・四国事業所 138,000

西部石油・山口製油所 120,000

JXTGエネルギー・大分製油所136,000

単位:バレル/日

出所:石油連盟※鹿島石油・鹿島製油所の数字には、コンデンセートスプリッターの処理能力を含む

常圧蒸留装置能力合計351万8,800バレル/日(製油所数:22ヵ所)

JXTGエネルギー・麻里布製油所120,000

■製油所の所在地と原油処理能力(2018年6月末現在)

資本金総額 3,062億円(2017年度末)年間売上高 19兆8,670億円(2017年度)従業員数 約18,700人(2017年度末)

石油の輸入依存度 99.7%(2017年度)

原油・石油製品(燃料油)輸入量 2億1,998万㎘(2017年度)

原油・石油製品輸入金額わが国総輸入金額に占める石油の割合(12.46%)

862億ドル(2017年度)(9兆5,682億円)

出所:石油連盟(対象企業:石油精製・元売13社)

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

出所:財務省「貿易統計」

■石油産業の規模

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石油関連日誌(2017年4月~2018年6月)

石油業界関連 国内政治・経済 海外関連1▷JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が統合し、

JXTGホールディングス、JXTGエネルギー発足1▷3▷

7▷

都市ガス小売事業の自由化開始経済産業省、石油市場動向調査WG(第4回)開催、平成29〜33年度石油製品需要見通しを策定石油精製・流通研究会、最終報告書取りまとめ 7▷米国、シリア空爆実行

5月

9▷

19▷

出光興産と昭和シェル石油、共同事業の強化・推進に係る趣意書を締結

JXTGエネルギーと出光興産、自動車会社やガス会社らと計11社にて、燃料電池自動車(FCV)向け水素ステーションの本格整備に向けた協業の検討に関する覚書締結

15▷

25▷

経済産業省、総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会(第21回)開催、高度化法3次告示案の全容を提示

経済産業省、SS過疎地対策協議会(第4回)開催

19▷

19▷

25▷

イラン大統領選挙実施、翌20日に現職のハッサン・ロウハニ師の再選が決定トランプ米国大統領、サウジアラビア等5ヵ国を訪問する初外遊(〜27日)

第172回OPEC定例総会および第2回OPEC・非OPEC産油国閣僚会合、赤道ギニア共和国のOPEC加盟、2017年1月から実施している協調減産を2018年3月まで9ヵ月延長すること等を決定

6月

15▷

19▷

20▷

29▷

全国石油商業組合連合会・全国石油業共済協同組合連合会、通常総会開催(於:志摩市)

石油連盟、JIG国内委員会(JIG JAPAN)定時総会開催

出光興産、愛知製油所において陸上自衛隊第十師団、中部経済産業局と、南海トラフ沖地震を想定した燃料補給・輸送支援訓練に参加

石油連盟、産業保安に関する自主行動計画の2016年度フォローアップおよび改訂版を公表

14▷

21▷

資源エネルギー庁と中小企業庁、各府省庁に対し地域の石油組合との災害時における燃料供給協定締結と、官公需における中小石油販売業者への配慮を促す文書を発出

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第22回)開催(30日に報告書を公表)

1▷

5▷

21▷

トランプ米国大統領、パリ協定からの離脱を表明

サウジアラビア、アラブ首長国連邦、エジプト、バーレーンの4ヵ国、テロ組織支援を理由にカタールとの外交関係断絶を発表

サルマン・サウジアラビア国王、実子であるムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(国防大臣)を皇太子(副首相兼国防大臣)に昇格させる勅令を発表

7月

3▷出光興産、公募による4,800万株の新株式発行を取締役会にて決議したことを発表 21▷総務省消防庁、第1回水素スタンドの多様化に対応

した給油取扱所等に係る安全対策のあり方に関する検討会開催

9▷第22回世界石油会議イスタンブール大会開催(〜13日)

8月 25▷石油連盟、全国石油商業組合連合会が9月1日から

実施する「満タン&灯油プラス1缶運動」に、(公社)日本トラック協会、日本ガソリン計量機工業会とともに協賛することを発表

3▷3▷

9▷

23▷

30▷

第3次安倍改造内閣発足、世耕経済産業大臣留任国土交通省・経済産業省・環境省、燃料油環境規制対応連絡調整会議(第2回)開催

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第21回)開催

群馬県、SS過疎地対策フォーラム開催

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第1回)開催

17▷

23▷

サウジアラビア政府、ハッジ(イスラム教のメッカ巡礼)については断交中のカタールの巡礼者も無条件で受け入れることを発表

カタール政府、断交により召還していた駐イラン大使をイランに戻す決定をしたことを発表

9月

12▷

20▷

石油連盟、「2017年度災害時石油供給連携計画訓練」実施(〜14日)

石油連盟、出光興産・太陽石油とともに、内閣府が主催する首都直下地震を想定した霞が関の中央省庁施設による緊急供給要請訓練に参加(〜21日)

28▷

29▷

第194回臨時国会にて衆議院解散

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第2回)開催

22▷

25▷

OPECとロシア等非OPEC加盟国の閣僚会合開催

クルド人自治区政府(KRG)、イラクからの独立について住民投票実施(独立賛成92%)

10月

5▷

31▷

出光興産、ベトナム・ハノイ市内に、出光Q8ペトロリアム(クウェート国際石油との折半出資会社)を通じて同国において外国企業初となるSSの営業開始

石油連盟、津波防災の日に関する総合訓練の一環として、石油化学工業協会、日本化学工業協会との共催で「津波防災に関する講演会」を開催

22▷

27▷

第48回衆議院選挙(475議席中、自民党が284議席、連立与党で313議席を獲得)

経済産業省、エネルギー供給構造高度化法に基づく3次告示を公布・施行

5▷

8▷

サルマン・サウジアラビア国王、ロシアを初訪問し、プーチン大統領と会談(於:モスクワ)

世耕経済産業大臣、アブダビ国営石油会社とJOGMECとの3者間で、エネルギー分野での関係強化に関する覚書に調印(於:UAEアブダビ首長国)

11月

7▷

16▷

石油連盟、津波防災の日に関する総合訓練の一環として「今後の災害時石油供給対策の方向性について」をテーマとしたシンポジウム開催

石油連盟、全国石油商業組合連合会・全国石油政治連盟とともに、石油増税反対総決起大会開催

1▷1▷

13▷

28▷

第4次安倍改造内閣発足、全閣僚留任東京都、水素エネルギーの普及啓発活動「Tokyoスイソ推進チーム」始動、JXTGエネルギーや出光興産等、111の企業・団体・自治体が参加

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第3回)開催

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第22回)開催

4▷

5▷

6▷

30▷

サウジアラビア政府、ムハンマド皇太子をトップとする反汚職委員会を設置し、11人の王子を含む数十人を拘束

トランプ米国大統領来日、翌6日に日米首脳会談開催

第23回国連気候変動枠組条約締結国会議(COP23)開催(於:ドイツ・ボン、〜18日)

第173回OPEC定例総会開催、2018年12月まで減産を延長することを合意(ロシア等非OPEC産油国も同期間OPECとの協調減産を継続することを表明)

12月

12▷

20▷

石油連盟、第6回油流出に関する国際ワークショップ開催

JXTGエネルギー川崎製油所、「高圧ガス保安法における新認定事業者制度」において、第1号となる特定認定事業者(スーパー認定事業者)に認定されたことを発表

8▷

22▷

26▷

27▷

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第4回)開催

政府、平成29年度補正予算、30年度予算案、および税制改正大綱を閣議決定経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第23回)開催我が国のバイオ燃料の導入に向けた技術検討委員会(第1回)開催

13▷

19▷

イスラム協力機構、米国トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムと認定するとした6日の発表を受け、臨時首脳会議を開催(於:イスタンブール)

フランス、2040年までに国内の原油・天然ガスの探査・生産を終了させる法案を可決

20174月

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石油業界関連 国内政治・経済 海外関連

1月

6▷

9▷

15▷

石油連盟、第19回「地球・夢・未来-石油の作文コンクール」表彰式開催

JXTGエネルギー、2018年度中に東京ガス(株)の供給区域内で家庭向けガス小売事業に参入することを発表

JXTGエネルギー、全SSのブランドの統一に関するスケジュール等について発表

11▷

11▷

16▷

22▷

26▷

31▷

経済産業省、住民拠点SS向けの災害対応ガイドライン策定経済産業省、総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第23回)開催日米原子力協力協定、自動延長が決定

第196回通常国会召集(〜7月22日)

我が国のバイオ燃料の導入に向けた技術検討委員会(第2回)開催

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第5回)開催

1▷

14▷

15▷

サウジアラビアとUAE、付加価値税導入

世耕経済産業大臣、「日・サウジ・ビジョン2030」に基づく協力促進等のため、サウジアラビア訪問

世耕経済産業大臣、国際協力銀行とアブダビ国営石油会社との協調融資契約調印式等に出席するため、UAE訪問

2月

15▷

25▷

東京電力フュエル&パワー(株)、JOGMECが募集する「国家石油備蓄基地操業に係る業務委託契約(平成30〜34年度)」に一般競争入札し、4地点(苫小牧東部、福井、秋田、志布志)を落札したことを発表

国際石油開発帝石(株)、UAEアブダビ首長国最高石 油 評 議 会 および アブダビ 国 営 石 油 会 社

(ADNOC)との間で、同国沖合に位置する下部ザクム油田において10%の権益比率で40年間の利権を取得する契約と、サター油田・ウムアダルク油田の権益期限を25年間延長する契約を締結

2▷

7▷

19▷

20▷20▷

22▷

27▷

国土交通省・経済産業省・環境省、燃料油環境規制対応連絡調整会議(第3回)開催

福井県、大雪被害により、福井市、あわら市、坂井市に6日付で災害救助法を適用したことを発表(その後15日までに計9市町村に拡大)

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第6回)開催

経済産業省、石油産業競争力研究会(第1回)開催経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第24回)開催

経済産業省、次世代燃料供給インフラ研究会(第1回)開催

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第7回)開催

9▷

14▷

平昌冬季五輪開幕(〜25日)

イラク復興支援閣僚級会合開催(於:クウェート)

3月

5▷

19▷

JXTGエネルギーや出光興産等11社、燃料電池自動車向け水素ステーションの本格整備を目的とした

「日本水素ステーションネットワーク合同会社」(JHyM)を2/20に設立したことを発表

石油連盟、長崎県と災害時の重要施設に係る情報共有に関する覚書締結(これをもって全都道府県と締結)

16▷

26▷

28▷

30▷

経済産業省、次世代燃料供給インフラ研究会(第2回)開催

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第25回)開催

平成30年度予算案、税制改正法案が成立

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第8回)開催

8▷

13▷

31▷

米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加11ヵ国、当初案を修正した「包括的および先進的環太平洋連携協定(CPTPP)」に署名(於:チリ・サンティアゴ)

サウジアラビア政府、平和目的に限定して原子力利用を進める原子力エネルギー計画を閣議決定

ティラーソン米国務長官、辞任

4月

4▷

11▷

JXTGエネルギー、ベトナム国営石油会社ペトロリメックスとの間で麻里布製油所における協業検討に関する覚書を締結

出光興産、平成30年度知財功労賞「特許庁長官表彰」を受賞

5▷

10▷

12▷13▷

17▷

27▷

経済産業省、石油市場動向調査WG(第5回)開催、2018〜2022年度石油製品需要見通しを策定

経済産業省、エネルギー情勢懇談会(第9回)開催、2050年に向けたエネルギー戦略に関する提言取りまとめ

経済産業省、石油産業競争力研究会(第2回)開催経済産業省、次世代燃料供給インフラ研究会(第3回)開催

経済産業省、エネルギー供給構造高度化法の省令を改正し、バイオエタノールの利用を促進するための基本方針の一部改正および2018年度以降5年間のバイオエタノール利用に関する判断基準の告示を公布

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第26回)開催

9▷

14▷

17▷

29▷

国際海事機関(IMO)、第72回海洋保護委員会開催(於:ロンドン、〜13日)。2050年までに国際海事分野におけるGHG排出量を世界全体で半減する目標を盛り込んだGHG削減戦略を採択

米英仏3ヵ国、シリアに軍事攻撃

日米首脳会談開催(於:フロリダ、〜18日)

安倍首相、中東4ヵ国訪問(於:UAE、ヨルダン、パレスチナ、イスラエル、〜5月3日)

5月

9▷

25▷

(一財)石油エネルギー技術センター(JPEC)、平成30年度JPECフォーラム開催

石油連盟、第21代会長に、月岡隆出光興産会長が就任

10▷

16▷

16▷

31▷

経済産業省、次世代燃料供給インフラ研究会(第4回)開催

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第27回)開催経済産業省、石油産業競争力研究会(第3回)開催

経済産業省、石油産業競争力研究会(第4回)開催

8▷

12▷

14▷

20▷

米国、イラン核合意から離脱

イラク国民議会選挙実施、シーア派反米有力指導者ムクタダ・サドル師の政党連合が第1勢力へ躍進

米国、在イスラエル大使館をエルサレムへ移転

ベネズエラ大統領選挙、現職のマドゥロ大統領再選

6月

12▷

14▷

22▷

25▷

出光興産、(公社)発明協会による平成30年度全国発明表彰最高位「恩賜発明賞」を受賞

全国石油商業組合連合会・全国石油業共済協同組合連合会、通常総会開催(於:福岡市)

石油連盟、JIG国内委員会(JIG JAPAN)定時総会を開催

石油連盟、産業保安に関する自主行動計画の2017年度フォローアップおよび改訂版を公表

5▷

8▷

12▷

13▷

15▷

18▷

経済産業省、次世代燃料供給インフラ研究会(第5回)開催

政府、平成29年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2018)を閣議決定

経済産業省、石油産業競争力研究会(第5回)開催

経済産業省、総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第24回)開催

政府、骨太の方針、未来投資戦略2018等の政策方針を閣議決定

大阪府北部地震(M6.1)発生

8▷

22▷

23▷

26▷

主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)開催(於:カナダ・シャルルボア、〜9日)

第174回OPEC定例総会開催、2017年1月に開始した減産合意を維持し、5月時点で152%となっている減産遵守率を7月から100%へ引き下げていくことで合意

第4回OPECおよび非OPEC閣僚会合開催、5月時点で147%となっている減産遵守率を同期間100%に協力して調整していくことで合意

米国政府、イランに対する経済制裁の一環で、11月4日までに同国産原油の輸入をゼロにするよう各国に要請することを表明

2018

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