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九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 海水魚の浸透圧調節に関する一実験 : 稀釈海水中に おけるマダイの浸透圧調節 板沢, 靖男 九州大学農学部 早川, 悟 日本水産株式会社 Itazawa, Yasuo Department of Water and Forests, Faculty of Agriculture, Kyushu University Hayakawa, Satoru Nippon Suisan Kaisha, Ltd. https://doi.org/10.15017/23078 出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 26 (1/4), pp.197-202, 1972-03. 九州大學農學部 バージョン:published 権利関係:

海水魚の浸透圧調節に関する一実験 : 稀釈海水中に …¹大農学芸誌(Sci.Bull.Fac.Agr.,KyushuUniv.) 第26巻 第1-4号197-202(1972) 海水魚の浸透圧調節

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九州大学学術情報リポジトリKyushu University Institutional Repository

海水魚の浸透圧調節に関する一実験 : 稀釈海水中におけるマダイの浸透圧調節

板沢, 靖男九州大学農学部

早川, 悟日本水産株式会社

Itazawa, YasuoDepartment of Water and Forests, Faculty of Agriculture, Kyushu University

Hayakawa, SatoruNippon Suisan Kaisha, Ltd.

https://doi.org/10.15017/23078

出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 26 (1/4), pp.197-202, 1972-03. 九州大學農學部バージョン:published権利関係:

九 大 農 学 芸 誌(Sci.Bull.Fac.Agr.,KyushuUniv.)

第26巻 第1-4号197-202(1972)

海 水 魚 の 浸 透 圧 調 節 に 関 す る 一 実 験

稀釈海水中におけるマダイの浸透圧調節

板 沢 靖 男 ・早 川 悟*

An experiment on the osmotic regulation of a marine fish

Osmotic regulation of a sea bream, Pagrus major, in diluted sea water

Yasuo Itazawa and Satoru Hayakawa

海水魚の浸透圧 調節 は,坂 本(1960),川 本 ・石川

(1967),HanaokaandChu(inpress)などの 指摘

す るように魚群の 回遊あるいはダム放 水や大量降水 の

影響な どと関連 して水産上重要 な問題であ り,ま た生

理学的に も生態学的に も興味深い問題であ る.

魚の浸透圧調節については従来 多くの研究が あ り,

最近ではConte(1969),Hickman,Trump(1969),

内田(1970)な どに総説 されてい る.そ れ らの研究で

最 も多いのは,海 水 と淡水の両水域にわたつ て生活す

る遡河性 あるいは降海性の魚,お よび汽水域 に生活す

る魚に関す るもので ある.純 然た る淡水魚を海水 に移

した場合 については,柳島(1957),柳 島 ・森(1957),

Ogawa(1961),大 黒(1965,1969),川 本 ・石田

(1967)な どの研究が ある。

しか し純然た る海水魚について,外 部環境浸透圧の

変化に対す る内部環境浸透圧の反応 を実験的 に研究 し

た例 は極めて少ない.僅 かに,川 本 ・石川(1967)の

ウミタナゴ,Yamashita(1970a)の カサゴ,お よび

Yamashita(1970b)の ブ リに関す る貴重な研究があ

るが,そ れ らも浸透圧調節の機構 についてはほとんど

触れて いない.

著者らは典型的な海水魚で あ り水産 上も重要種であ

るマダ イを材料 に選び,そ れが外部環境 浸透圧のどの

程度の低下にまで堪え るか,外 部環境浸透圧の低下に

対 して内部環境浸透圧がどのよ うに反応す るか,そ れ

には浸透圧 調節 に重要な関与 をす る腎臓組織の対応が

どの ように寄 与す るか,を 見 るために 本実験を行なっ

た.

謝辞:材 料の マダ イについて援助 を頂いた九大農学

*現 在は日本水産株式会社勤務.

部水産実験所の米 助教授 ほか各位 に感謝す る,

材 料 と 方 法

実験材料の マダイPagrusmOjorTemmincket

Schlegelと しては,福 岡県糸島郡岐志で飼養 された

2才 魚(体 重70~200g)お よび同県宗像郡津屋崎 の

水産実験所で飼養 された当才魚(体 重30~50g)を 用

いた.2才 魚 と当才魚は別 々に扱い,一 連の実験 には

同年令魚の中で も大 きさの揃つた個体 を選んで用 いた

が,木 質的な差異 を認めなかつたので,以 下特 に区別

せず に記述 を進め る,魚 は恒温 飼育室 に移 してか ら5

日間以上大型楯環水槽 で予備飼育 した後,健 全な個体

を選んで実験に供 した.予 備飼育期 問およびやや長期

にわた る実験IIに おいては,魚 粉3:澱 粉1:水5

の練 り餌 を1日 に体 重の1~3%ず つ与え,短 期間の

実験Iで は給餌 しなかった.

実験1は,60cm×30cm,深 さ40cmの ガ ラス水

槽5個 に,そ れぞれ601ず つ の,100,80,60,40,

あるいは20%海 水を入れ,供 試魚 を100%海 水槽か ら

順次低濃度の稀釈海水漕 に,途 中濃度 に2日 間ずつ保

ちなが ら移 した。そして所望濃度 に至つてか ら3日 間

保つた後,環 境水 と血清の浸透圧 を測定 した.

実験IIは,実 験Iと 同様の手順で40%海 水 まで移

した後,3日,6日,9日,12日,14日,あ るいは30

日間飼育 し,そ れぞれ飼育期間終了 と同時に採血 して

血清浸透圧 を測定 し,採 血直後 に殺 して腎臓の組織学

的検査 を行なつた.

採血 は15ppmQuinaldine液 で麻酔 した魚のCu-

vier氏 管か ら,凝 固防止剤 を用 いずに行なつた.採 取

した血液は5℃ で3時 間静置 した後,2,500rpmで15

分間遠心分 離し,得 られた血清 につ いて長谷川(1969)

の 方法に準拠 してBeckmann温 度計で氷点降下度 を

測定 した.浸 透圧は氷点降下 度に比例 し,前 者 は後者

か ら容易に求 められ るが,こ こでは実測 した氷点降 下

度で表現す る.

腎臓の うち前部(Fig.1のanteriorpart)に は排

水機能に関与す る基本的構造であ る腎小体が認め られ

なかったので,中 部(Fig.1のmiddlepart)お よ

び後 部(Fig.1のposteriorpart)に ついて検査 し

た.検 査方法 として は,採 血値 後 に 腎臓 を摘出 し,

Bouin固 定,Paraffn包 理,DelafieldのHema-

toxylinとEosinに よる二重染色の常法によつて検鏡

標本 を作成 し,排 水機能の示標 として腎小体の大 きさ

と密度 を測定 した.大 きさは,無 作意に選んだ10個

の腎小体についてBowman氏 嚢内径 の長径(μ)と

短径(μ)を 測定 し,そ の積(μ2)の 平均値 と標準偏

差 を以て示 した.密 度 は,無 作意 に選んだ5視 野につ

いて腎小体数を算定 し,1視 野(O.82mm2)あ た り

の数 の平均値 と標準偏差で示した.

結 果

稀釈海水中における血清浸透圧の変化

実験I

血清浸透圧 は,80%海 水 区で は100%海 水区 と等 し

く,そ れ以下の濃度区では環境浸透圧の低下 に伴つて

下降した(Fig.2).し かしその 傾斜は環境浸透圧の

それ よ りは るか に緩やかで,20%海 水区で は両者の関

係が逆転 して血清浸透圧の方が 高くなつた.

Fig. 2. The response of the osmotic pressure of the serum to the diluted sea water in the short term experiment.

Fig. 1. The ventral view of the kidney of

the porgy.

a. p.: anterior part of the kidney, m. P. : middle part, p. p. : posterior part.

体重は低濃度区に移 るに従い漸減 した(Fig.3).

しか しその傾斜は100%区 のそれに比べ緩やかで あつ

た.そ して20%海 水区 に至 ると急 に体重 が増 大し

て,実 験開始時 よ り8~10%大 きくなつた.この 時 は

外見的に も体 の膨張が認められて,明 らか に不健全で

あつた.

実験II

40%海 水に移 してか ら30日間 の 実験期 間,供 試魚

は外見上 特別な異常 を示 さず,給 餌 量は少量に限定 し

ていたが,食 欲な どにおいて対照区 と特 に差を認めな

かつた.

血清浸透圧 は,100%海 水 区の値 に比べ て,40%海

水中に移 して3日 後 には著 しく低下 したが,6日後 に

はほぼ等 しい レベルに回復 し,12日 後にはむしろかな

り 上廻 る値を示 し,30日後 にはやや低下 したが100%

区に比べればなお苦干 高い値を保つ ていた(Fig.4

Fig. 3. An example of weight change in normal and diluted environment in the experiment of starved condition.

The steps of the ladder in the right frame show 100, 80, 60, 40 and 20

% sea water.

Fig. 4. The response of the osmotic pressure

of the serum to 40 % sea water in the long term experiment.

The figures in the abscissa show the dura- tion of living in 40 % sea water. Open circles, solid ones and open ones with a

dot mean different series of the experi- ment.

環境浸透圧低下に対す る腎臓組織 の対応

腎小体 の大 きさ

腎臓中部で は40%海 水 に移 して12日 後まで著 しい

増大傾向を示 し,12日 後 に最大に達 した.そ の時 の大

きさは100%海 水区の もの に比べ て平均2.9倍,大 き

な もので は4倍 以上に達 した.そ の後縮小の傾 向を示

したが,30日 後に もなお100%区 の1.9倍 の値を保つ

ていた(Fig.5).

腎臓後部で もほぼ 同様で,14日 後に 最 大に達 し,

10O%海 水区の ものに比べて 平均2.7倍,大 きな もの

Fig. 5. Enlargement of the renal corpuscles

of the middle part of the kidney in 40 % sea water.

The size of the renal corpuscles is express-ed by the product (it') of the longest diameter

(A) and the shortest one (g) of the corpus-cles. Larger circles show the grand mean.

では4倍 以上に達 した.そ して30日 後 には若干縮 小し

たが,な お100%区 の1.5倍 の値 を保って いた(Fig.

6).

腎小体の密度

腎臓中部で は,測 定値 の変差が大 きくて傾向が 明瞭

でないが,最 大時の14日 後で も100%海 水中 にお け

る値の1.3倍 で,実 質的な変化はほ とん ど認め られな

い(Fig.7).

Fig. 6. Enlargement of the renal corpuscles of the posterior part of the kidney in 40% sea water.

Explanations are the same as those for Fig. 5.

Fig. 8. Density of the renal corpuscles of the posterior part of the kidney in 40 % sea water.

Explanations are the same as those for Fig. 7.

Fig. 7. Density of the renal corpuscles of the middle part of the kidney, in 40 % sea

water.

The density of the renal corpuscles is ex-

pressed by the number of the corpucsles in 0. 82 mm2. Other explanations are the

same as those for Fig. 5.

腎臓後部では,12日 後まで ほぼ一定のレベルにあつ

たのが,14日 後には100%海 水 中における値の1.9倍

に増加 し,30日 後 には若干減少 したがなお1.6倍 の値

を保つていた(Fig.8).

40%稀 釈海水 中におけ る腎小体の大 きさの増大を写

真によつて示す.な お,こ の写真では密度の増加 もう

かが われ る(Fig.9).

考 察

実験Iで は,60%以 下の稀釈海水に移されたマダイ

の血清浸透圧は100%区 の もの に比べ て著 しく低 かっ

た(Fig.2).こ れは,3日 問では環境浸透圧の低下

Fig. 9. Enlargement of the renal corpuscles in 40% sea water.

Three pictures show the renal corpuscles

at the same magnification, after 0 (A), 12 (B) and 30 (C) days of living in 40% sea water. Arrow points the renal cor-

puscle.

に対 して充分 な 調整 を行 ない 得 ないこ とを示 してい

る.稀 釈海水中で は絶食中の体重減少が100%区 のそ

れ よ り緩やかであつた(Fig.3)が,こ れは水分の出

入 のバ ランスが変化 したため と考 えられ,20%区 にお

け る体0)膨 張 と体重の著 しい増 加(Fig.3)は,内 外

浸透圧の逆転(Fig.2)に 伴 う浸透的な水の浸入によ

るも0)と思われ る.

実験Iで 見 られたこのよ うな不健全な状態に反 し,

実験IIで は40%海 水中に最長30日間に わたつて,外

見上特別な異常 も示 さず に生活 した.こ の事実は,実

験Iの 結果か ら見るとやや奇異 に思われ るが,{liL清浸

透圧の経 日的変化(Fig.4)か ら容易 に納得 され る.

すなわち,外 部環境浸透圧の急激な低下 に対 して,一

時的には調整が間に合わず内部環境浸透圧 も著しく下

降す るが,や が て調整が充分に行なわれて内部環境浸

透圧が 回復す るので,支 障な く生活 出来 るよ うになつ

た ものと考え られ る.

稀 釈海水中で内部環境浸透圧を低 下きせず に維持す

るためには,水 の排出量 を増 大す るか,塩 類の摂取 を

増す か,水 に対す る生体膜の透過性 を低 めるかの3途

が考 え られ るが,第2の 場合は体液 量を正常に保 ち難

いので,第1あ るいは第3の 途が重 要と思われ る.魚

において も水の排 出は主 として腎臓か ら行なわれ,腎

臓 における水排 出の最 も基本的な構造 は腎小体 にみ ら

れ る.稀 釈海水中に移 されたマダ イの腎小体は明 らか

に大型化 し(Fig.5,6,9)そ の密 度 も僅かなが ら増

すよ うに見 える(Fig.8).こ の事実 は腎臓の排水機

能の増大を示す もの と考えられ,こ れ によつて一時 的

に低下 した内部環境浸透圧が回復 し,か な り長時間に

たわつて正常 に生活出来 るようになつた もの と解釈 さ

れ る.

淡水魚 を海水に移す と糸球体の萎縮 あるいは消失 を

起こす ことは,キ ンギ ョ(Ogawa,1961)や グ ッピ

ー(大 黒,1965,1969)に おいて知 られてい るが,本

実験において稀釈海水 に移 されたマダ イの腎小体が大

型化 し,僅 かなが ら密度 も増 したよ うに見え るのは,

丁度この裏返 しに当たる.た だ し本実験 において見 ら

れた 腎小体密度の増加 は,約2週間 という短期間 内に

現れた(Fig.8)こ とを考え ると,な お検討を要す る

もの と考 えられ る.ま た排 水機能の指標 としては糸球

体の人 きさが よ り適 当であ り,こ の点か らもさらに検

討を 要す る.

腎小体 の人 きさは,稀 釈海水に 移 して12日 あるい

は14日後 に 最大 に 達 し,30日後 には若干縮 小した

(Fig.5,6)が,こ の傾向は血清 浸透圧が一時的低下

の後 に上昇 して,12日 後 には正常 レベルよ りむ しろ高

くな り,30日 後 には若干 低 下した(Fig.4)の と,ほ

ぼ平行 している.こ の事 実は外部環境 浸透圧の低下に

対 して,腎 小体の調整が一 時的 に過度にな り,そ れが

再調整 され ることを示唆 してお り,生 体のfeedback

機構 の一つ として興味が持たれ る.

要 約

マダイを20%ず つ低濃度の稀釈海水を経 て40%海

水に移す と,血清 浸透圧は一時 的に低下す るが,や が

てほぼ正常な レベルに回復 し,か な り長期 間にわたつ

て概ね正常に生活す る.こ の浸透圧調節には,腎 小休

の大 きさの増大 による排 水機能の強化が大 きく寄与 し

ている もの と考 え られ る.な お腎臓後部で は腎小体密

度の増加 も僅かなが ら観察 され た.

文 献

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Summary

A typical marine teleost, a sea bream Pagrus major, survived without visible symptoms of disease in 40% sea water, throughout the period of the experiment of a month after a short period of acclimation in 80% and 60% sea water. The osmotic

pressure of the serum markedly dropped for a few days in the beginning of the period in 40% sea water, and then recovered and maintained almost the normal level (Fig. 4).

Increased excretion of water by enlarged renal corpuscles (Figs. 5, 6 and 9) is con-sidered to greately contribute to the regulation of the osmotic pressure of the internal environment and survival in the diluted sea water. The density of the renal corpuscles also seems to increase in the diluted environment.