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SIG-Audio 編
IGDA日本 SIG-Audio 副世話人稲森 崇史2014/2/2
ゲーム開発の潮流とコミュニティ活動
自己紹介
SIG-Audio副世話人 稲森 崇史(いなもり たかふみ)
株式会社ヴァルハラゲームスタジオ オーディオディレクター 兼 プログラマ
代表作品:DEAD OR ALIVE、NINJA GAIDENシリーズ過去にCEDEC、SIG-Audio、GameCommunitySummitなど登壇
SIG-Audioとは
・ゲームの音に関するあらゆる事を扱う勉強会
・過去に3回の準備会と6回のセミナーを実施
SIG-Audioは何をするところ?
参加者はどんな人たち?
・ゲームオーディオ関係者が7~8割 (新人からベテランまで)
・その他は音楽系の方、学生さん、学校の先生 プログラマーやプランナー等別職種の方など
・毎回およそ60~90人ほどの参加者
・セミナー後の懇親会も30~40人規模
・Facebook内SIG-Audioグループに256人登録 ※2014.2.1現在
ゲームオーディオのトレンド
今、ゲームオーディオは最高に熱い!
・なんでもありの時代! - ありとあらゆるジャンルの音楽 - こだわりの音響効果(ハリウッド品質~宅録まで) - ゲームの状況に合わせて自在に音をコントロール
・ゲーム性やプラットフォームのトレンドとは無関係 『こんな音で楽しませたい!』という想いを 誰もが率直に表現できる時代だということ
音が熱いタイトル その1
140・音と密接に結びついたゲームプレイ
・ゲームの展開と音楽の展開のシンクロ
・相乗効果によって気持ちよさが大幅アップ!
音が熱いタイトル その2
The Last of Us・圧倒的な存在感の効果音
・プレイヤーの行動と状況に応じたボイス
・ゲームプレイ - 映像 - 音の全てが凄まじい完成度で統合
トレンドを支える技術
ゲームとの相互関係性の強化(ほぼ実用化&発展中)
・ゲームの状況や展開に音が寄り添う(ゲーム→音) - 物理やアニメーションの挙動から音を自動再生 - ジオメトリ情報からリバーブや遮蔽の制御 - AI思考とボイスのテンションのリンク
・音情報からゲーム側の展開を促す(音→ゲーム) - ノイズ発生源をAIが感知 - リアルタイムBPM解析
・相互コントロールのきっかけは至る所にある
音素材制作の効率化(実用レベルまでもう少し)
・最近は素材作るのめっちゃ大変! 例えば、爆発音なら… 昔:いくつかの爆発音を音量や音程を変えて使い回し 今:色んな種類の爆発がある!→ 規模に応じて個別に用意 同時に複数の爆発が発生!→ 要バリエーション (+発音数制御) 距離に応じた聞こえ方に!→ 音のLOD化・衝撃波 爆発地点の周辺物も散乱!→ 材質種類に応じた散乱音が必要
・事前自動生成でバリエーション作成の手間を削減
・リアルタイム生成でメモリ節約
聞き心地の追求(模索中)
・ラウドネスコントロール - ラウドネスとは人間が感じる音の大きさの単位 - テレビの放送基準とのすり合わせ
・リアルタイムミキシング - 場に適した音量バランス、重要音へのフォーカス - ラウドネスコントロールとも密接に関係 - 限られた音量解像度の中でいかに効果的に振る舞うか
ゲームオーディオ技術の発展によって
・(会社単位ではともかく)業界全体として 一度確立された手法は当たり前になる
・技術を無理やり使う必要はないが 『できること』を多く持っていると音演出に幅が出る
・勉強し続けることが大切 できるベテランほど勉強熱心で貪欲!
SIG-Audioが担うところ
より良いゲームオーディオ体験に必要なもの
・必要な要素 - よい音源(音楽、効果音、ボイス) - 効果的な演出方法(音源の使い方) - 演出を実現するゲームプログラム
・音源は飛躍的に作りやすくなった(個性的かは別の話)
・よい音源だけでは不十分!残り2つが超重要! これらを会得・使いこなすために現場経験が必要不可欠 …が、日本では経験を積む場が減少中
SIG-Audioが担うところ
・プログラムやグラフィック分野と比べて 文書化されたノウハウの量が圧倒的に少ない
・日本のゲーム業界はゲーム開発の情報共有に消極的
・ゲームオーディオ以外の分野にもヒントは多い
→ 業界の枠を超えた情報・知見を共有し 日本のゲームオーディオ開発力を高め そして次世代へとつないでいきたい!
学生のみなさまへ
学生のみなさまへ
・こうしたノウハウはただの情報であって 結局は個人の体験がモノ作りのベースになります たくさんインプットし、そしてアウトプットして下さい (…特に音を交えた体験をしておいて欲しいデス…)
・変わったものをアウトプット=センスではありません その人の『当たり前』が個性を帯びることがセンスです
・あなたたちの作るゲームがこの先のスタンダードです 期待しています!!
ご静聴ありがとうございました・IGDA日本サイト http://www.igda.jp・SIG-Audioサイト http://igdajaudio.blogspot.jp/・Facebook内SIG-Audioグループ http://www.facebook.com/groups/347775368626047/・連絡先 [email protected]