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15 2014年(平成26年)12月7日 (第三種郵便物認可) 特集 こばやし・けんいちろう 1940年、福島県生まれ。 東京芸術大学作曲科および 指揮科を卒業。74年第1回 ブダペスト国際指揮者コン クールで1位となり、国際 的に活躍。愛称は「炎のマ エストロ(指揮者)」「炎 のコバケン」。 【「第九」とは】正式には、 交響曲第9番ニ短調作品 125(合唱付き)。ドイツの 作曲家ベートーベンが作っ た。合唱部分は「歓喜の歌」 とも呼ばれ、日本では、1950 年代から年末に演奏される ことが恒例になった。 指揮者 「炎のコバケン」に聞く 調 使 使 新聞記事を一つ選んで要約し、その内容を自 分自身のことに照らし合わせて感想や意見など をまとめる「第2回ニュース作文コンクール」 (首都圏私塾協同組合連合会、朝日学生新聞社主 催)の最終審査会がこのほど、東京でありまし た。首都圏38塾から寄せられた計691点(小学生 の部249点、中学生の部442点)の中から最優秀賞 小中各1点、優秀賞各5点などが決まりました。 【優秀賞】 (敬称略) 『長崎、六十九回目「原爆の 日」』鈴木黎(1年、埼玉・秀和教 育学院)▽『動物の命、私たちは 何ができるか』伊藤菜実香(3年、 神奈川・さがみ学習塾)▽『保育 士』塚本理奈(2年、東京・ブル ーベアースクール)▽『AEDの 大切さ』指田佳希(3年、東京・ 武蔵野実践学園志学舎)▽『国内 にピラミッドあった』井桁圭輝 (3年、埼玉・秀和教育学院) ニュース作文コンクールの講習会で作文指導を 受ける小中学生ら=神奈川県小田原市 東さんの感想 あきらめずに努力 Sony Music Foundation 日本大震災 復興支援プロ ジェクト 小・中・高校生のための「第 九」チャリティ・コンサート 2014 日時 2014年12月20日 (土)、午後1時開場 場所 よこすか芸術劇場(神 奈川県) チケットは各種プレイガイ ドへ。 第2回 ニュース作文コンクール 中学生の最優秀賞に大木梨菜さん (2年) 使 世の中をとらえる力がつく 15 2014年(平成26年)12月7日 (第三種郵便物認可) 特集 こばやし・けんいちろう 1940年、福島県生まれ。 東京芸術大学作曲科および 指揮科を卒業。74年第1回 ブダペスト国際指揮者コン クールで1位となり、国際 的に活躍。愛称は「炎のマ エストロ(指揮者)」「炎 のコバケン」。 【「第九」とは】正式には、 交響曲第9番ニ短調作品 125(合唱付き)。ドイツの 作曲家ベートーベンが作っ た。合唱部分は「歓喜の歌」 とも呼ばれ、日本では、1950 年代から年末に演奏される ことが恒例になった。 指揮者 「炎のコバケン」に聞く 調 使 使 新聞記事を一つ選んで要約し、その内容を自 分自身のことに照らし合わせて感想や意見など をまとめる「第2回ニュース作文コンクール」 (首都圏私塾協同組合連合会、朝日学生新聞社主 催)の最終審査会がこのほど、東京でありまし た。首都圏38塾から寄せられた計691点(小学生 の部249点、中学生の部442点)の中から最優秀賞 小中各1点、優秀賞各5点などが決まりました。 【優秀賞】 (敬称略) 『長崎、六十九回目「原爆の 日」』鈴木黎(1年、埼玉・秀和教 育学院)▽『動物の命、私たちは 何ができるか』伊藤菜実香(3年、 神奈川・さがみ学習塾)▽『保育 士』塚本理奈(2年、東京・ブル ーベアースクール)▽『AEDの 大切さ』指田佳希(3年、東京・ 武蔵野実践学園志学舎)▽『国内 にピラミッドあった』井桁圭輝 (3年、埼玉・秀和教育学院) ニュース作文コンクールの講習会で作文指導を 受ける小中学生ら=神奈川県小田原市 東さんの感想 あきらめずに努力 Sony Music Foundation 日本大震災 復興支援プロ ジェクト 小・中・高校生のための「第 九」チャリティ・コンサート 2014 日時 2014年12月20日 (土)、午後1時開場 場所 よこすか芸術劇場(神 奈川県) チケットは各種プレイガイ ドへ。 第2回 ニュース作文コンクール 中学生の最優秀賞に大木梨菜さん (2年) 使 世の中をとらえる力がつく

01 01 20141128 0615 特集 2014年(平成26年)12月7日 (第三種郵便物認可) 東 咲 希 さ ん ( 中 1 ) Q 小 林 さ ん に と っ て 「 第 九 」 と

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15 2014年(平成26年)12月7日 (第三種郵便物認可)特集

東咲希さん

(中1)

東咲希さん

(中1)

小林さんにとって

「第九」とはどんな曲です

か。A

小4の時にラジオで

初めて第九を聞いた時、体

がこおりつくように感動し

て、涙がぼろぼろと出たこ

とを今でも覚えています。

その時、「作曲家になろ

う!」と思ったのです。そ

れからベートーベンのよう

な楽曲を作ろうと、毎晩、

夜中の3時に起きて、音楽

の本を読んで勉強しまし

た。だから、「第九」は、ぼく

の聖書のような存在です。

「第九」の魅力を教

えてください。

ある時は、悲しく聞

こえたり、ある時は勇気を

くれたり……と、いつもち

がうふうに語りかけてくれ

ることが魅力だと思ってい

ます。「ベートーベンはき

っとこんな気持ちで作曲し

たのだろう」といつも「謎

解き」をしています。

ベートーベンの交響曲第9番は「第

九」と呼ばれ、日本では年末にさまざ

まなオーケストラが演奏します。「第

あずま

九」の魅力を、中学生特派員の東咲希

さん(東京都・慶応義塾中等部1年)

が世界的指揮者で、情熱的な指揮から

ばやしけ

「炎のコバケン」と呼ばれる小林研一郎

さんに聞きました。

(近藤理恵)

福島県いわき市出身

ですが、被災地で行ってい

るチャリティーコンサート

への思いを教えてくださ

い。A

いわきに住んでいた

時は潮騒の音で目を覚ます

ような生活をしていまし

た。自然の美しいところで

したが、震災でその自然も

失われてしまったように感

じます。

チャリティーコンサート

では、地元の中学生や高校

生が演奏に参加してくれる

こともあります。こうした

経験を通して、子どもたち

が、先を見られるようにな

るとうれしいですね。

指揮者の仕事で、大

切なことは。

人は、何か言われる

と、それに対して強く言い

返したくなることがある。

だから、ぼくは「透明人間」

のようになります。透明人

間だったら、それを返すあ

てがないから、自然と受け

入れてくれるのです。もし、

意見がちがうことがあれ

ば、丁寧に自分の心のうち

を説明して、「ぼくはこの

作曲家はこのように作った

と思う。だから協力して頂

きたい」と伝えるようにし

ています。

仲間たちとお互いに気持

ちが溶け合って、みんなで

いいものを作り上げられた

時は、本当にうれしい瞬間

です。

音楽に関わる中高生

にメッセージをお願いしま

す。A

音楽をいつまでも好

きであってほしいですね。

実は、ぼくは音楽家に向

いているとは思ったことは

ありません。でも、いつで

も「女神」がいました。女神

は「どちらの道に進もうか

な」と思った時に、「こっち

にいらっしゃい」と導いて

くれました。あきらめずに、

ひたむきに続けていれば、

女神にであえるでしょう。

小林研一郎さん(左)と中学生特派員の東咲希さん

�東京都豊島区

こばやし・けんいちろう

1940年、福島県生まれ。

東京芸術大学作曲科および

指揮科を卒業。74年第1回

ブダペスト国際指揮者コン

クールで1位となり、国際

的に活躍。愛称は「炎のマ

エストロ(指揮者)」「炎

のコバケン」。

【「第九」とは】正式には、

交響曲第9番ニ短調作品

125(合唱付き)。ドイツの

作曲家ベートーベンが作っ

た。合唱部分は「歓喜の歌」

とも呼ばれ、日本では、1950

年代から年末に演奏される

ことが恒例になった。

七色の顔を持つ「第九」

指揮者「炎のコバケン」に聞く

の中が整理されると新しい意見

につながります」と話します。

ニュース作文コンクールは世

の中への関心を高め、文章を読

み解く力や発信する力を磨こう

と、首都圏私塾協同組合連合会

と朝日学生新聞社が共同で開催

し、今年で2回目。ニュースの

要約や感想、意見などを800

字程度にまとめます。

審査委員の一人、臼井敏男さ

ん(元朝日新聞論説副主幹、中

央大学経済学部客員講師)は「ニ

ュースを理解することにとどま

るのではなく、調べて考察を深

めたり自分自身の記憶と重ねた

りした作品は個性があり、楽し

く読めます」と指摘します。

首都圏私塾協同組合連合会理

事長の坂田義勝さんは「読み解

く力は表現する力につながりま

す。世界の出来事に関心を示し、

自分の考えをしっかり発信して

ほしい」と話しています。

安倍内閣が、集団的自衛権の

行使を容認した。政府は、憲法

を制定した当時と今とで、日本

をとりまく環境が変化したこと

など、様々な理由を挙げている。

しかし、私は新聞やテレビのニ

ュースで行使容認の理由を知っ

ても全く納得できなかった。理

由は二つある。

一つ目の理由は、国民投票を

行わなかったからだ。私はこれ

はおかしいと思う。日本の未来

を大きく変える決定なのに、な

ぜ国民の意見が十分に反映され

る国民投票を行わず、一部の政

治家だけで決めてしまうのか。

すごく疑問に思う。

それに、もし他の国に戦いに

行くことになったら、実際に戦

地におもむくのは若い人が多く

なるだろう。それなのに若い人

の少ない政治家だけで決めてし

まったら、実際に戦地に行く人

の意見がわからないのではない

か。人の命に関わる問題なのだ

から、もっと多くの人の意見を

きいてから決定しても遅くはな

いと思う。

二つ目は、憲法改正という手

段をとらなかったからだ。こん

なにも簡単に憲法の拡大解釈が

できてしまうのは、将来にわた

り危険をはらんでいる。日本は

憲法で戦争放棄を宣言してい

る。しかし、「戦争」の憲法上

の解釈を変え「これは自国防衛

だ」と言えば実質的な戦争は行

えることになる。このように、

憲法の拡大解釈はエスカレート

してしまう危険性があるのだ。

だから、私は拡大解釈ではなく

改正という手段をとった方が良

かったと思う。

この二つの理由から、私は今

回の安倍内閣の決定に疑問を抱

いている。少し決定の手段に問

題があるように感じる。今、積

極的に反対しているのは戦争を

経験した高齢の方が多い。しか

し、これは私たち若い人にすご

く関係のある問題だ。だから若

い人たちももっと政治に関心を

持ち、自分の意見を積極的に示

していくべきだと思う。その一

声が自分の将来を大きく変える

かもしれない。

新聞記事を一つ選んで要約し、その内容を自

分自身のことに照らし合わせて感想や意見など

をまとめる「第2回ニュース作文コンクール」

(首都圏私塾協同組合連合会、朝日学生新聞社主

催)の最終審査会がこのほど、東京でありまし

た。首都圏38塾から寄せられた計691点(小学生

の部249点、中学生の部442点)の中から最優秀賞

小中各1点、優秀賞各5点などが決まりました。

【最優秀賞】『手段』

大木梨菜さん

(2年、東京・武蔵野

実践学園志学舎)

【優秀賞】(敬称略)

『長崎、六十九回目「原爆の

日」』鈴木黎(1年、埼玉・秀和教

育学院)▽『動物の命、私たちは

何ができるか』伊藤菜実香(3年、

神奈川・さがみ学習塾)▽『保育

士』塚本理奈(2年、東京・ブル

ーベアースクール)▽『AEDの

大切さ』指田佳希(3年、東京・

武蔵野実践学園志学舎)▽『国内

にピラミッドあった』井桁圭輝

(3年、埼玉・秀和教育学院)

ニュース作文コンクールの講習会で作文指導を

受ける小中学生ら=神奈川県小田原市

今回、小林さんから音楽の話だけではなく、

人生の勉強にもなる話を多く聞くことが出来ま

した。

私は今、部活動でトランペットを吹いていま

す。これから大人になっても、ずっと音楽を好

きでいたいです。そして、音楽に触れる機会を

大切にしていきたいです。

今回のインタビューで、あきらめずに努力を

したら夢はかなうと感じました。このことを心

にとめて、頑張っていきたいと思います。

東さんの感想

あきらめずに努力

Sony Music Foundation東日本大震災 復興支援プロ

ジェクト

小・中・高校生のための「第

九」チャリティ・コンサート

2014

日時 2014年12月20日

(土)、午後1時開場

場所 よこすか芸術劇場(神

奈川県)

チケットは各種プレイガイ

ドへ。

「透明人間」で心を一つに

第2回 ニュース作文コンクール

中学生の最優秀賞に大木梨菜さん(2年)

中学生の部の最優秀賞は、大

木梨菜さん(2年、東京・武蔵

野実践学園志学舎)の『手段』。

安倍内閣が決めた集団的自衛権

の行使容認に反対の立場をと

り、国民投票や憲法改正などの

手続きを経たうえで若い人の意

見を聞くなど「手段」を尽くす

べきだと主張。賛否を明確にし、

理由や意見をわかりやすく書い

た点が評価されました。大木さ

んは「テレビのニュースでなん

となく感じていたことを文章に

するのは難しかったけれど、頭

世の中をとらえる力がつく

15 2014年(平成26年)12月7日 (第三種郵便物認可)特集

東咲希さん

(中1)

東咲希さん

(中1)

小林さんにとって

「第九」とはどんな曲です

か。A

小4の時にラジオで

初めて第九を聞いた時、体

がこおりつくように感動し

て、涙がぼろぼろと出たこ

とを今でも覚えています。

その時、「作曲家になろ

う!」と思ったのです。そ

れからベートーベンのよう

な楽曲を作ろうと、毎晩、

夜中の3時に起きて、音楽

の本を読んで勉強しまし

た。だから、「第九」は、ぼく

の聖書のような存在です。

「第九」の魅力を教

えてください。

ある時は、悲しく聞

こえたり、ある時は勇気を

くれたり……と、いつもち

がうふうに語りかけてくれ

ることが魅力だと思ってい

ます。「ベートーベンはき

っとこんな気持ちで作曲し

たのだろう」といつも「謎

解き」をしています。

ベートーベンの交響曲第9番は「第

九」と呼ばれ、日本では年末にさまざ

まなオーケストラが演奏します。「第

九」の魅力を、中学生特派員の東咲希

さん(東京都・慶応義塾中等部1年)

が世界的指揮者で、情熱的な指揮から

「炎のコバケン」と呼ばれる小林研一郎

さんに聞きました。

(近藤理恵)

福島県いわき市出身

ですが、被災地で行ってい

るチャリティーコンサート

への思いを教えてくださ

い。A

いわきに住んでいた

時は潮騒の音で目を覚ます

ような生活をしていまし

た。自然の美しいところで

したが、震災でその自然も

失われてしまったように感

じます。

チャリティーコンサート

では、地元の中学生や高校

生が演奏に参加してくれる

こともあります。こうした

経験を通して、子どもたち

が、先を見られるようにな

るとうれしいですね。

指揮者の仕事で、大

切なことは。

人は、何か言われる

と、それに対して強く言い

返したくなることがある。

だから、ぼくは「透明人間」

のようになります。透明人

間だったら、それを返すあ

てがないから、自然と受け

入れてくれるのです。もし、

意見がちがうことがあれ

ば、丁寧に自分の心のうち

を説明して、「ぼくはこの

作曲家はこのように作った

と思う。だから協力して頂

きたい」と伝えるようにし

ています。

仲間たちとお互いに気持

ちが溶け合って、みんなで

いいものを作り上げられた

時は、本当にうれしい瞬間

です。

音楽に関わる中高生

にメッセージをお願いしま

す。A

音楽をいつまでも好

きであってほしいですね。

実は、ぼくは音楽家に向

いているとは思ったことは

ありません。でも、いつで

も「女神」がいました。女神

は「どちらの道に進もうか

な」と思った時に、「こっち

にいらっしゃい」と導いて

くれました。あきらめずに、

ひたむきに続けていれば、

女神にであえるでしょう。

小林研一郎さん(左)と中学生特派員の東咲希さん

�東京都豊島区

こばやし・けんいちろう

1940年、福島県生まれ。

東京芸術大学作曲科および

指揮科を卒業。74年第1回

ブダペスト国際指揮者コン

クールで1位となり、国際

的に活躍。愛称は「炎のマ

エストロ(指揮者)」「炎

のコバケン」。

【「第九」とは】正式には、

交響曲第9番ニ短調作品

125(合唱付き)。ドイツの

作曲家ベートーベンが作っ

た。合唱部分は「歓喜の歌」

とも呼ばれ、日本では、1950

年代から年末に演奏される

ことが恒例になった。

七色の顔を持つ「第九」

指揮者「炎のコバケン」に聞く

の中が整理されると新しい意見

につながります」と話します。

ニュース作文コンクールは世

の中への関心を高め、文章を読

み解く力や発信する力を磨こう

と、首都圏私塾協同組合連合会

と朝日学生新聞社が共同で開催

し、今年で2回目。ニュースの

要約や感想、意見などを800

字程度にまとめます。

審査委員の一人、臼井敏男さ

ん(元朝日新聞論説副主幹、中

央大学経済学部客員講師)は「ニ

ュースを理解することにとどま

るのではなく、調べて考察を深

めたり自分自身の記憶と重ねた

りした作品は個性があり、楽し

く読めます」と指摘します。

首都圏私塾協同組合連合会理

事長の坂田義勝さんは「読み解

く力は表現する力につながりま

す。世界の出来事に関心を示し、

自分の考えをしっかり発信して

ほしい」と話しています。

安倍内閣が、集団的自衛権の

行使を容認した。政府は、憲法

を制定した当時と今とで、日本

をとりまく環境が変化したこと

など、様々な理由を挙げている。

しかし、私は新聞やテレビのニ

ュースで行使容認の理由を知っ

ても全く納得できなかった。理

由は二つある。

一つ目の理由は、国民投票を

行わなかったからだ。私はこれ

はおかしいと思う。日本の未来

を大きく変える決定なのに、な

ぜ国民の意見が十分に反映され

る国民投票を行わず、一部の政

治家だけで決めてしまうのか。

すごく疑問に思う。

それに、もし他の国に戦いに

行くことになったら、実際に戦

地におもむくのは若い人が多く

なるだろう。それなのに若い人

の少ない政治家だけで決めてし

まったら、実際に戦地に行く人

の意見がわからないのではない

か。人の命に関わる問題なのだ

から、もっと多くの人の意見を

きいてから決定しても遅くはな

いと思う。

二つ目は、憲法改正という手

段をとらなかったからだ。こん

なにも簡単に憲法の拡大解釈が

できてしまうのは、将来にわた

り危険をはらんでいる。日本は

憲法で戦争放棄を宣言してい

る。しかし、「戦争」の憲法上

の解釈を変え「これは自国防衛

だ」と言えば実質的な戦争は行

えることになる。このように、

憲法の拡大解釈はエスカレート

してしまう危険性があるのだ。

だから、私は拡大解釈ではなく

改正という手段をとった方が良

かったと思う。

この二つの理由から、私は今

回の安倍内閣の決定に疑問を抱

いている。少し決定の手段に問

題があるように感じる。今、積

極的に反対しているのは戦争を

経験した高齢の方が多い。しか

し、これは私たち若い人にすご

く関係のある問題だ。だから若

い人たちももっと政治に関心を

持ち、自分の意見を積極的に示

していくべきだと思う。その一

声が自分の将来を大きく変える

かもしれない。

新聞記事を一つ選んで要約し、その内容を自

分自身のことに照らし合わせて感想や意見など

をまとめる「第2回ニュース作文コンクール」

(首都圏私塾協同組合連合会、朝日学生新聞社主

催)の最終審査会がこのほど、東京でありまし

た。首都圏38塾から寄せられた計691点(小学生

の部249点、中学生の部442点)の中から最優秀賞

小中各1点、優秀賞各5点などが決まりました。

【最優秀賞】『手段』

大木梨菜さん

(2年、東京・武蔵野

実践学園志学舎)

【優秀賞】(敬称略)

『長崎、六十九回目「原爆の

日」』鈴木黎(1年、埼玉・秀和教

育学院)▽『動物の命、私たちは

何ができるか』伊藤菜実香(3年、

神奈川・さがみ学習塾)▽『保育

士』塚本理奈(2年、東京・ブル

ーベアースクール)▽『AEDの

大切さ』指田佳希(3年、東京・

武蔵野実践学園志学舎)▽『国内

にピラミッドあった』井桁圭輝

(3年、埼玉・秀和教育学院)

ニュース作文コンクールの講習会で作文指導を

受ける小中学生ら=神奈川県小田原市

今回、小林さんから音楽の話だけではなく、

人生の勉強にもなる話を多く聞くことが出来ま

した。

私は今、部活動でトランペットを吹いていま

す。これから大人になっても、ずっと音楽を好

きでいたいです。そして、音楽に触れる機会を

大切にしていきたいです。

今回のインタビューで、あきらめずに努力を

したら夢はかなうと感じました。このことを心

にとめて、頑張っていきたいと思います。

東さんの感想

あきらめずに努力

Sony Music Foundation東日本大震災 復興支援プロ

ジェクト

小・中・高校生のための「第

九」チャリティ・コンサート

2014

日時 2014年12月20日

(土)、午後1時開場

場所 よこすか芸術劇場(神

奈川県)

チケットは各種プレイガイ

ドへ。

「透明人間」で心を一つに

第2回 ニュース作文コンクール

中学生の最優秀賞に大木梨菜さん(2年)

中学生の部の最優秀賞は、大

木梨菜さん(2年、東京・武蔵

野実践学園志学舎)の『手段』。

安倍内閣が決めた集団的自衛権

の行使容認に反対の立場をと

り、国民投票や憲法改正などの

手続きを経たうえで若い人の意

見を聞くなど「手段」を尽くす

べきだと主張。賛否を明確にし、

理由や意見をわかりやすく書い

た点が評価されました。大木さ

んは「テレビのニュースでなん

となく感じていたことを文章に

するのは難しかったけれど、頭

世の中をとらえる力がつく

朝日小学生新聞(第三種郵便物認可) 62014年(平成26年)11月28日 金曜日

し ん し ゅ よ う か い つ く

新種の妖怪作っちゃえ!

(神奈川県・辻小絢・年長)

てら

「おたより広

しょう

場・お正月スペシャ

ル」のしめ切りが近い

ね。き

12月1日まで

に着くようにね!

てら

まだ時間があ

ると思って油断してい

かなら

ると、必ず忘れるんだ

よね~。

きよ

もう!

みん

なはてらのマネしない

ように、余裕をもって

く送ってね♪

アンド

てら&きよ

お待ち

してま~す!

(東京都・マスターマサ・2年)

(大阪府・ケロ★・5年)

あつ

ダッフィーファン集まれ

(神奈川県・ソフィ・4年)

(茨城県・みう・1年)

「ドンマイ! ずっこけハナコ先生」が、来年の元日号で300回! これ

を記念して特集をお届けするよ。ハナコ先生の似顔絵や、みんなの学校に

もいるハナコ先生の似顔絵などを送ってね。くわしくは、左のページの応

募方法を見てね

うちのせ ん せ い

「ハナコ先生」

こんにちは。初投稿の

「ショウゴ」です。ぼく

は今、「こんな妖怪がい

たらなぁ」と、そうぞう

あたら

して、新しい妖怪を作る

ことにハマッています。

え上のイラストにはかい

ていないけど、いつもオ

ロオロしている、オロオ

かんが

ロチなど、いろいろ考え

ています。イラストの感

う想もまっています。

(東京都・ショウゴ・

2年)

てら

オロオロチがど

んな妖怪なのかも見たか

ったな~。ちなみに、お

しょう

たより広場・お正月スペ

シャルでは、「妖怪ウォ

ッチ」にちなんだテーマ

もあるので、ぜひ応募し

てね。くわしくは7面を

チェック

わたし

とも

私もモモモ友に!

こんにちは。10月31日

け付にのった「ミッピー」

さん、絵がうまいですね。

しょう

ちゅう

わたしも、朝小で連載中

しょう

の小説「モモモ館の仲間

たち」をいつもよんでい

ます。わたしも「モモモ

も友」にいれてください

(兵庫県・リボン�イ

ラストも)

てら

リボンさんがか

いてくれたのは、10月31

日付のさし絵だね!

じょう

っても上手~。

おはようございます!

初投稿の「プリン」です!

わたし私はディズニーのキャ

ラクターのダッフィーが

とても好きです。もし、

ダッフィーが好きな人が

いたら、「ダッフィーフ

ァンクラブ」をつくりま

せんか?

みなさんのお

たより待ってます!

絵の感想も書いてくれ

たらうれしいです

(千葉県・プリン・6

年�イラストも)

てら

ダッフィーはも

こもこした感じがかわい

いよね~。ぼくも大好

かいとう

プリパラクイズに回答

こんにちは!

「サー

ヤ」で~す。8月8日付

にのった「めめ」さん、

わたし

私も「プリパラ友」に入

れてください。ここで、

11月14日付にのった「か

ななん♪」さんのクイズ

に答えます!

じょう

①北條そふぃは梅干し

のことを「レッドフラッ

シュ」と呼びます。②真

ちょう

中らぁらの学校の校長先

生の名前は「おおかんだ」

みょう

先生。③クマの本名はク

ラウス・ヘンリック・ポ

ンシェッター・フォン・

ボーゲル・シュトローベ

ル・キャッシュ・デ・

ラ・マネッチャ3世。

あ当たっていますか?

(神奈川県・サーヤ・

5年�イラストも)

てら

かななん♪さ

ん、クイズの答えは正解

だよね?

ちなみに、お

おかんだ先生はフルネー

ムだと「大神田グロリア」

だよ。3問目は答えを書

くのも大変だったんじゃ

ない(笑い)?

(東京都・ミッキー・4年)

◆『命の花』加藤紘太朗(4年)椿峰進学

◆『みんなが使えるようになろう「A

ED」』金田華江(6年)セルモ目黒本部教

◆『世界を敵にした「満州」知って』

平光桜(5年)石橋進学教室

◆『がくど

うそかい』角内優心(1年)セルモ西六郷

教室

◆『今、動物のために出来ること』

今井陽代里(6年)Gゼミナール

じゅくきょう

「第2回ニュース作文コンクール」(首都圏私塾協同組合連合

しゅう

きょう

会・朝日学生新聞社主催)の最終審査会がこのほど、東京・築

じゅく

地の朝日学生新聞社で開かれました。首都圏にある38の塾から

しょう

ちゅう

691作品(小学生部門249点、中学生部門442点)が寄

しゅうしょうしょうちゅう

しゅうしょう

せられ、最優秀賞小中学生各1点、優秀賞各5点などが決まり

りゅう

ました。

(五十嵐靖人、森島龍)

『助け合い』

大滝野々花さん(6年)

きょう

セルモ目黒本部教室

ひがし

東日本大震災で被災した

子どもたちを励ますため

きょう

に、ある絵画教室が支援を

続けています。阪神淡路大

震災で被害を受けた神戸市

きょう

の絵画教室「アトリエ太陽

の子」です。

被災地の子が、同じよう

に被災した子へ支援をして

いることを知って、とても

素敵なことだと思いまし

た。被災した子にしか分か

らない大変な思いを分かち

合い、励ますことができる

わたし

と思ったからです。私は、

ひがし

東日本大震災が起きた時、

日本にいませんでした。ま

た、被災したこともありま

わたし

せん。そんな私には、支援

できることは何もないのだ

あらた

かんが

ろうか、と改めて考えてみ

ました。

わたし

私は5歳の頃、父の仕事

の都合でイタリアに移り住

み、そこで、言葉が通じな

いことのつらさを味わいま

した。周りの人が何を言っ

ているのか分からず、誰が

わたし

話しても私を怒っている風

に聞こえ、毎日泣いていま

した。自分はこれからずっ

とこんな生活をしていかなふ

ければいけないのかと、不

安で押しつぶされそうでし

た。しかし、少しイタリア

の生活に慣れてくると、日

本と違う文化を知ることが

楽しくなり、イタリア語も

ぼ覚えていきました。

わたし

さいわ

私は幸いにも、「つらか

ったがそれを乗りこえた

ら、楽しいことが待ってい

る」と思える体験をするこ

とができました。が、きっ

と世の中にはまだ、つらい

体験をして苦しんでいるだ

けの人が大勢いると思いま

ちょく

す。被災地の人を直接助け

ることはできなくても、悩

んでいる人を励ますことは

できます。これからは、悩

きょく

んでいる人に積極的に声を

かけ、その人が元気に生活

していけるようにサポート

をしていきたいです。

多くの人が自分のつらか

った頃の体験をただ、忘れ

わたし

ようとします。しかし私は、

つらかった体験を無だにせ

ず、また次につなげていく

ことが大切だと思うので

わたし

す。私は今後も、困ってい

る人を支えていきたいで

す。みなさんも、つらい体験

を乗りこえて、次に待って

かがや

いる輝かしい未来を信じて

い生きていってほしいです。

さ い ゆ う しゅうしょう

最優秀賞

し ん ぶ ん や し な よ と つ た ち か ら

新聞で養う読み解き伝える力

【首都圏私塾協同組合連合会】東京・埼

玉・神奈川・群馬・茨城の首都圏を中心と

した各都県の認可団体の組合員で組織し、

1987年に発足。経済産業省の認可団体

として事業活動を展開。全国の私塾協同組

合や学習塾団体と研修を重ね、子どもたち

の健全な育成と学力向上を目的に、その実

践に向け、日々活動している。

ニュース作文コンクールは

しょう

朝日小学生新聞などから気に

なったニュースを選び、80

0字程度の作文にするもの。

じゅく

じゅくきょう

個人塾の団体「首都圏私塾協

じゅく

しょう

同組合」に加盟する38塾の小

ちゅう

中学生約650人が7~9月

に取り組みました。

しょう

しゅうしょう

小学生部門の最優秀賞は、

きょう

きょう

セルモ目黒本部教室(東京都

目黒区)の大滝野々花さんの

作品『助け合い』です。

大滝さんは、阪神淡路大震

きょう

災を経験した絵画教室の子ど

さくら

ひがし

もたちが桜の絵を通じて、東

日本大震災で被災した子ども

たちを支援し続けているとい

しょう

う朝小の今年7月11日付1面

の記事をテーマにしました。

おさな

幼い時に経験した海外生活の

苦労と震災を対比させ、つら

かがや

い体験を輝かしい未来につな

げてほしいと書きました。

かんが

記事と体験、自分の考えを

わかりやすく書いた点が高く

ひょう

評価された大滝さんは「被災

ちょく

地の人々を直接助けられなく

ても、人々を励ましていきた

い」と話しています。

審査員を務めたさいたま市

ひがし

しょう

立東宮下小学校の菊池健一先

生は「体験や行動が書かれて

いると、自分だけの作品にな

りょく

り、説得力が生まれます」と

指摘しています。

しゅうしょう

しょう

最優秀賞などの賞を4人の

しょう

生徒が受賞したセルモ目黒本

きょう

部教室では、朝日新聞のコラ

ム「天声人語」の書き写しを毎

しょう

日続けることで、小学生のう

ちから語彙を増やし、読み手

しょう

に伝わる文章が書けるよう指

う導しています。

じゅくちょう

塾長の西崎伸彦先生は「世

界で起きていることに目を向

かんが

け、自分にできることを考え

ることが大切です。家族とた

くさん話し合ってほしいです

ね」と話しています。

さ い ゆ う しゅうしょう お お た き

最優秀賞に大滝さんた い け ん し ん さ い か さ

つらい体験、震災に重ねて

さ く ぶ ん

ニュース作文コンクール

イラスト・たなかさゆり

ゆ うしゅうしょう

優秀賞け い しょうりゃく

(敬称略)

朝日小学生新聞(第三種郵便物認可) 62014年(平成26年)11月28日 金曜日

し ん し ゅ よ う か い つ く

新種の妖怪作っちゃえ!

(神奈川県・辻小絢・年長)

てら

「おたより広

場・お正月スペシャ

ル」のしめ切りが近い

ね。き

12月1日まで

に着くようにね!

てら

まだ時間があ

ると思って油断してい

ると、必ず忘れるんだ

よね~。

きよ

もう!

みん

なはてらのマネしない

ように、余裕をもって

送ってね♪

てら&きよ

お待ち

してま~す!

(東京都・マスターマサ・2年)

(大阪府・ケロ★・5年)

あつ

ダッフィーファン集まれ

(神奈川県・ソフィ・4年)

(茨城県・みう・1年)

「ドンマイ! ずっこけハナコ先生」が、来年の元日号で300回! これ

を記念して特集をお届けするよ。ハナコ先生の似顔絵や、みんなの学校に

もいるハナコ先生の似顔絵などを送ってね。くわしくは、左のページの応

募方法を見てね

うちの「ハナコ先生」

こんにちは。初投稿の

「ショウゴ」です。ぼく

は今、「こんな妖怪がい

たらなぁ」と、そうぞう

して、新しい妖怪を作る

ことにハマッています。

上のイラストにはかい

ていないけど、いつもオ

ロオロしている、オロオ

ロチなど、いろいろ考え

ています。イラストの感

想もまっています。

(東京都・ショウゴ・

2年)

てら

オロオロチがど

んな妖怪なのかも見たか

ったな~。ちなみに、お

たより広場・お正月スペ

シャルでは、「妖怪ウォ

ッチ」にちなんだテーマ

もあるので、ぜひ応募し

てね。くわしくは7面を

チェック

わたし

とも

私もモモモ友に!

こんにちは。10月31日

付にのった「ミッピー」

さん、絵がうまいですね。

わたしも、朝小で連載中

の小説「モモモ館の仲間

たち」をいつもよんでい

ます。わたしも「モモモ

友」にいれてください

(兵庫県・リボン�イ

ラストも)

てら

リボンさんがか

いてくれたのは、10月31

日付のさし絵だね!

っても上手~。

おはようございます!

初投稿の「プリン」です!

私はディズニーのキャ

ラクターのダッフィーが

とても好きです。もし、

ダッフィーが好きな人が

いたら、「ダッフィーフ

ァンクラブ」をつくりま

せんか?

みなさんのお

たより待ってます!

絵の感想も書いてくれ

たらうれしいです

(千葉県・プリン・6

年�イラストも)

てら

ダッフィーはも

こもこした感じがかわい

いよね~。ぼくも大好

かいとう

プリパラクイズに回答

こんにちは!

「サー

ヤ」で~す。8月8日付

にのった「めめ」さん、

私も「プリパラ友」に入

れてください。ここで、

11月14日付にのった「か

ななん♪」さんのクイズ

に答えます!

①北條そふぃは梅干し

のことを「レッドフラッ

シュ」と呼びます。②真

中らぁらの学校の校長先

生の名前は「おおかんだ」

先生。③クマの本名はク

ラウス・ヘンリック・ポ

ンシェッター・フォン・

ボーゲル・シュトローベ

ル・キャッシュ・デ・

ラ・マネッチャ3世。

当たっていますか?

(神奈川県・サーヤ・

5年�イラストも)

てら

かななん♪さ

ん、クイズの答えは正解

だよね?

ちなみに、お

おかんだ先生はフルネー

ムだと「大神田グロリア」

だよ。3問目は答えを書

くのも大変だったんじゃ

ない(笑い)?

(東京都・ミッキー・4年)

◆『命の花』加藤紘太朗(4年)椿峰進学

◆『みんなが使えるようになろう「A

ED」』金田華江(6年)セルモ目黒本部教

◆『世界を敵にした「満州」知って』

平光桜(5年)石橋進学教室

◆『がくど

うそかい』角内優心(1年)セルモ西六郷

教室

◆『今、動物のために出来ること』

今井陽代里(6年)Gゼミナール

「第2回ニュース作文コンクール」(首都圏私塾協同組合連合

会・朝日学生新聞社主催)の最終審査会がこのほど、東京・築

地の朝日学生新聞社で開かれました。首都圏にある38の塾から

691作品(小学生部門249点、中学生部門442点)が寄

せられ、最優秀賞小中学生各1点、優秀賞各5点などが決まり

ました。

(五十嵐靖人、森島龍)

『助け合い』

大滝野々花さん(6年)

セルモ目黒本部教室

東日本大震災で被災した

子どもたちを励ますため

に、ある絵画教室が支援を

続けています。阪神淡路大

震災で被害を受けた神戸市

の絵画教室「アトリエ太陽

の子」です。

被災地の子が、同じよう

に被災した子へ支援をして

いることを知って、とても

素敵なことだと思いまし

た。被災した子にしか分か

らない大変な思いを分かち

合い、励ますことができる

と思ったからです。私は、

東日本大震災が起きた時、

日本にいませんでした。ま

た、被災したこともありま

せん。そんな私には、支援

できることは何もないのだ

ろうか、と改めて考えてみ

ました。

私は5歳の頃、父の仕事

の都合でイタリアに移り住

み、そこで、言葉が通じな

いことのつらさを味わいま

した。周りの人が何を言っ

ているのか分からず、誰が

話しても私を怒っている風

に聞こえ、毎日泣いていま

した。自分はこれからずっ

とこんな生活をしていかな

ければいけないのかと、不

安で押しつぶされそうでし

た。しかし、少しイタリア

の生活に慣れてくると、日

本と違う文化を知ることが

楽しくなり、イタリア語も

覚えていきました。

私は幸いにも、「つらか

ったがそれを乗りこえた

ら、楽しいことが待ってい

る」と思える体験をするこ

とができました。が、きっ

と世の中にはまだ、つらい

体験をして苦しんでいるだ

けの人が大勢いると思いま

す。被災地の人を直接助け

ることはできなくても、悩

んでいる人を励ますことは

できます。これからは、悩

んでいる人に積極的に声を

かけ、その人が元気に生活

していけるようにサポート

をしていきたいです。

多くの人が自分のつらか

った頃の体験をただ、忘れ

ようとします。しかし私は、

つらかった体験を無だにせ

ず、また次につなげていく

ことが大切だと思うので

す。私は今後も、困ってい

る人を支えていきたいで

す。みなさんも、つらい体験

を乗りこえて、次に待って

いる輝かしい未来を信じて

生きていってほしいです。

最優秀賞

し ん ぶ ん や し な よ と つ た ち か ら

新聞で養う読み解き伝える力

【首都圏私塾協同組合連合会】東京・埼

玉・神奈川・群馬・茨城の首都圏を中心と

した各都県の認可団体の組合員で組織し、

1987年に発足。経済産業省の認可団体

として事業活動を展開。全国の私塾協同組

合や学習塾団体と研修を重ね、子どもたち

の健全な育成と学力向上を目的に、その実

践に向け、日々活動している。

ニュース作文コンクールは

朝日小学生新聞などから気に

なったニュースを選び、80

0字程度の作文にするもの。

個人塾の団体「首都圏私塾協

同組合」に加盟する38塾の小

中学生約650人が7~9月

に取り組みました。

小学生部門の最優秀賞は、

セルモ目黒本部教室(東京都

目黒区)の大滝野々花さんの

作品『助け合い』です。

大滝さんは、阪神淡路大震

災を経験した絵画教室の子ど

もたちが桜の絵を通じて、東

日本大震災で被災した子ども

たちを支援し続けているとい

う朝小の今年7月11日付1面

の記事をテーマにしました。

幼い時に経験した海外生活の

苦労と震災を対比させ、つら

い体験を輝かしい未来につな

げてほしいと書きました。

記事と体験、自分の考えを

わかりやすく書いた点が高く

評価された大滝さんは「被災

地の人々を直接助けられなく

ても、人々を励ましていきた

い」と話しています。

審査員を務めたさいたま市

立東宮下小学校の菊池健一先

生は「体験や行動が書かれて

いると、自分だけの作品にな

り、説得力が生まれます」と

指摘しています。

最優秀賞などの賞を4人の

生徒が受賞したセルモ目黒本

部教室では、朝日新聞のコラ

ム「天声人語」の書き写しを毎

日続けることで、小学生のう

ちから語彙を増やし、読み手

に伝わる文章が書けるよう指

導しています。

塾長の西崎伸彦先生は「世

界で起きていることに目を向

け、自分にできることを考え

ることが大切です。家族とた

くさん話し合ってほしいです

ね」と話しています。

最優秀賞に大滝さんた い け ん し ん さ い か さ

つらい体験、震災に重ねて

さ く ぶ ん

ニュース作文コンクール

イラスト・たなかさゆり

優秀賞け い しょうりゃく

(敬称略)