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大学図書館と研究生活 一研究者の立場 引原 隆士 京都大学大学院工学研究科

20020731 ku-librarians勉強会 #34 : 大学図書館にもとめられるもの

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大学図書館と研究生活

一研究者の立場

引原 隆士

京都大学大学院工学研究科

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個人的に見た図書館と研究

・学部学生時代 (1978 - 1982):

・大学院生時代 (1982 - 1987) :

・研究者駆け出しの頃 (1987 – 1993) :

・在外研究期間 (1993 – 1994) :

・私学での教育専念時代 (1994 – 1997):

・大学異動から教授退官の頃 (1997 –2000) :

・研究室の運営を開始してから (2000 – 現在 ) :

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1978 - 1982

図書館と文献の検索?

電子的資料?

個人的計算機環境の有無

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1980

アメリカの大学図書館での経験

アメリカ図書館利用教育 : 資料収集

サービス : 学習サポート

計算機データベースと大学

大学のデータ管理・・・個人データ,学生証

留学試験

コミュニケーション・・・情報の前に!

キーワード : Librarian

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アメリカの大学図書館

The University of Nevada, Reno, Nobel H. Getchell Library

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研究情報 (1980年代前半)

教授の個人的コネクションと資料の収集

研究の歴史的背景と新たな研究への導き

参考論文内容の再検討・・・最も重要な研究行為

桑原道義教授(故人):オートメーション研究所教授

「他の人がみんな前を向いて走っていたら,自分は

違う方向に走りなさい.みんながその方向に道があ

ることに気が付いたとき,あなたはすでに他の人よ

り進んでいる.」

研究の本質と情報についてのコメント

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研究の道

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1982 – 1987

計算機環境

TSS,INSPEC・・・・テキストデータベースの供用

画像的データ処理・・・データ出力のみ

図書館と資料収集

部局図書館と附属図書館

教育,サービス面でのアメリカの大学との格差!

資料の共有・・・・・輪講,セミナー

情報源と新着情報の確保

海外への研究情報の発信と受信

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1987 – 1993 (関西大学助手・講師時代)

図書館環境

総合図書館とサービス

利用者オリエンテーション

運用システム

図書検索システム

リファレンスカウンター

研究者の図書費

計算機環境

電子メイル: Bitnet からInternet へ

ワークステーション時代の始まり : LAN

電子出版 : WYSWYW

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1980年代までの研究情報収集手段

郵便による別刷依頼

文献コピー,Facsimile

ニュースレターの配布 (超電導,磁気浮上関係)

国際会議出席と研究機関の訪問

留学もしくは在外研究による直接コミュニケーション

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在外研究期間 Cornell University

Mechanical & Aerospace Engineering

Olin Library

Why Cornell ?

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Gun Hill Apartment

Engineering Library

Olin Library

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図書館と研究のサポート

Hearing Impaired

Librarian

Contents

Online Database

Keyword : Librarian

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研究活動と情報

Publishing book

Communication & information

On-site information

Seminar information

Campus information on network

(CU-info)

Internet

Unix and X-window

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インターネットの普及(1994-1997)

メイルの時代の到来

メイリングリスト,ftp によるデータベースサービス

High-Tc Update, Controlling Chaos Database, etc.

電子メイルによる情報の配布

Netscape の登場

パソコン上の Web Tool – Windows 95 IE

データベースのWWW上への移行

プロバイダーの普及

ホームページの構築・・・個人情報の発信

論文の電子投稿・・・・画像データファイルの共通仕様

PS-file による文献配布 : メイル容量の制限

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1997 –2000

電子情報の変革期

情報の発信と取得

ツールの確立: Adobe Acrobat Reader

ソフトウエアの低価格化

Internet の大容量化

メイル,Web上からの論文投稿, 査読, 編修の簡素化

大手出版社の電子ジャーナルの胎動期と差別化

論文のリレーショナルデータベース

Impact factor : Web of Science (ISI), Citation Index

e-print server

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図書館に関する私見

図書館:

研究者と図書館とは

研究業績と論文出版とは

図書館の論文誌,研究図書の集積理念とは

データの集中管理と分散利用とは

電子的資料:

研究者と電子図書館とは

発信情報の価値判断とは

オリジナリティー(剽窃問題)と電子的資料 : 著作権と特許

論文出版および電子的資料とは

大学図書館と電子的資料の今後

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研究と電子的資料:理系の場合

電子的資料のメリット 情報の迅速性

オンサイト情報収集

データベース機能

電子的資料のデメリット 情報環境格差

古典的資料の軽視

研究テーマの選定とオリジナリティ

研究のリアリティの欠如

文献情報の恒久性の確保

電子的資料と図書館の共存

国力と研究情報 : 速報と重要さ・・・作り出すもの

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2000 – 現在

部局における意識の変化

共通経費による図書の見直しと啓蒙活動

ネット上の経費決定システム

工学系キャンパス移転と新キャンパス図書館構想

桂図書館WG

独立行政法人化

研究および組織・施設の中期目標と計画

研究分野のボーダレス化

研究分野の融合 ---- 分野の創造 : 電子ジャーナルの創設

新たな研究コミュニケーション手段の確保

学会論文誌と商業雑誌 : Global Standard

研究者とLibrarian,事務職員とLibrarian

サービスとは?

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京都大学桂キャンパス

図書館の建設 平成 18 年完成

図書館への夢

図書館

「創造のゆりかご」

「創造された知の玉手箱」

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図書館と研究活動

従来の図書館における研究スタイル

文献の渉猟 文献の精査

豊富な文献環境

広い興味 広い知識

研究能力

現象に対する知見 +

成果発表+出版

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電子的資料と研究活動

未発達な電子的資料時代の研究スタイル

情報収集とトライ&エラーの傾向

トライ&エラー

情報収集

電子資料の蓄積

何時でも何処でも何度でも

新しいアイデア?

ナビゲーション能力

WWW

狭い世界での自己満足

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今の研究の傾向

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あるべき図書館と電子的資料の関係

図書館機能と電子的資料共存(同時進行)

情報収集

電子資料の蓄積

情報の裏付け 異分野の渉猟

種々の出版形態

知識の結集

一般概念の形成

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研究成果の出版補助手段=出版資料

二次配布の容易性

データベース化の簡便性

オリジナリティの喪失

思考のスピードと出版のスピードの接近

研究テーマの短命化

特許戦略:先発見制と先発願制の同一化

科学的基礎知識情報の寡占化

多様な出版形態の確保への変革

研究者にとっての電子的資料の功罪

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研究と図書館の発展

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コンパクトな情報

冗長な情報

適度に乱雑な情報

あらゆる入り口を持つ

オリジナルの

確保と研究の発展

図書館からの発信

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蔵書と図書館

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研究者 !