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村上正治記念ちばマスターズオーケストラ広報紙 2019 Spring (23号) 「ARMONIA」はイタリア語。 英語に訳せば「HARMONY」です。 発行責任者:佐久間英機  編集:CMO広報委員会 ARMONIA 年頭所感「心新たに共に喜びを」 飯村 毅(ちばマスターズオーケストラ団長) 新たな元号が生まれる新年、しかし今年も初頭のアルモーニアには「謹賀新年」の言葉と共に、「今年も元気 に音楽を楽しみましょう!」のご挨拶をしたいと思います。 従来から、私たちCMO は「響き合う心と音楽」「音楽を楽しむ喜びを一人 でも多くの人に」を体現する活動を 活発に展開してきました。そして、これまでの着実な活動で団員も少しずつ増え、その活動ぶりはマスメディアに も取り上げられるようになりました。社会の動向とリンクする部分もありますが、長い間「音楽する心」を大切に しながら、地道にしかも意欲的に取り組んできた諸先輩方の歴史が社会に認知されてきた結果だと確信します。 昨年の総会では「ベートーベン作曲第九交響曲実行プロジェクト」立ち上げが承認され、動き始めましたが、実 現のためにはクリアしなければならないハードルは沢山あり、プロジェクトチームの活動も現在は小休止と言った ところです。しかし、いずれは団員の皆さんのやる気を、知恵と熱意でまとめあげて表現できる日、「歓喜の歌」 を歌いあげる日もそれほど遠いことではないと確信しています。 さあ、 今年も元気に音楽を愛する仲間と共に「素敵な音楽」と「音楽を楽しむ姿」を届けていきましょう! Concert Report 未だ夢心地 ――ベルリンフィルハーモニーホールでの演奏体験記 星 乗昭(ヴィオラ) 平成301029日、午後8時からベルリンフィルハーモニーホールで、ヴェルデイ作曲「レクイエム」と「ナブッコ」序曲を演 奏してきました。このホールで弾くことが出来たという夢のような体験をしてからもうすぐ三カ月になりますが、まだ感慨にひ たっている状態です。田久保裕一指揮ジャパンフェスティバルオーケストラを日本で結成し、足りないパートを現地の留学生等で 補強し、合唱は日本の合唱団とベルリンの音大生で演奏しました。マスターズオケから家内の星千鶴子がコンミスサイド、私はヴィ オラ4pultの外、ヴァイオリンで久田しげ子さんとお嬢様が参加しました。 このホールは巨匠カラヤン率いるベルリンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地であり、カラヤンがこよなく愛したコンサート ホールです。第二次世界大戦で破壊されたホールの再建に取り組み、1956年コンペによってシャロンの案が当選しました。シャ ロンのコンセプトは音楽を奏でるオーケストラをホールの中心に置き、その周囲をワインヤード状の客席が取り囲み、ホワイエ や建物の外観は、そこから展開されるものでありました。シューボックス型のホールに見られるように演奏者と聴衆が向き合っ て対峙するのではなく、聴衆が自然と演奏者を取り囲む関係を建築 化したものです。カラヤンは応募作品の中でシャロンの案は今まで 例のない抜きんでた作品であると絶賛し、建築に取り掛かり、1963 年オープンしたのです。客席は2218席。ホール内を36018ブロッ クに渡り客席を設け、そのうち約250席がステージの背後に、約300 席がステージ側面に配されるという斬新的な形となりました。その 上残響1.6秒という理想的な音響効果を誇るホールとなったのです。 客席の椅子に座っても前が通れる余裕あるスペースでした。またホ ワイエが広く、レストラン、クローク、売店があります。ベルリン フィル団員は大変優遇されており、ステージ裏のレストランで自由 に飲食が出来ます。27 日にドウダメル指揮のベルリンフィルでマー ラー作曲交響曲第5番とバーンスタイン作曲デイヴェルトメントを聞 きました。それは凄まじい迫力ある、今まで経験したことのない演 奏でした。弦は全員がコンマスという感じで圧倒されました。 MASAHARU MURAKAMI MEMORIAL CHIBA MASATERS ORCHESTRA ベルリンフィルハーモニーホール

ARMONIA - murakami-kinen.commurakami-kinen.com/cmo/documents/ARMONIA_23_P1.pdf · 「armonia」はイタリア語。 英語に訳せば「harmony」です。 発行責任者:佐久間英機

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Page 1: ARMONIA - murakami-kinen.commurakami-kinen.com/cmo/documents/ARMONIA_23_P1.pdf · 「armonia」はイタリア語。 英語に訳せば「harmony」です。 発行責任者:佐久間英機

村上正治記念ちばマスターズオーケストラ広報紙

2019 Spring (23号)

「ARMONIA」はイタリア語。 英語に訳せば「HARMONY」です。

発行責任者:佐久間英機  編集:CMO広報委員会

ARMONIA

年頭所感「心新たに共に喜びを」       飯村 毅(ちばマスターズオーケストラ団長)

新たな元号が生まれる新年、しかし今年も初頭のアルモーニアには「謹賀新年」の言葉と共に、「今年も元気に音楽を楽しみましょう!」のご挨拶をしたいと思います。  従来から、私たちCMO は「響き合う心と音楽」「音楽を楽しむ喜びを一人 でも多くの人に」を体現する活動を

活発に展開してきました。そして、これまでの着実な活動で団員も少しずつ増え、その活動ぶりはマスメディアにも取り上げられるようになりました。社会の動向とリンクする部分もありますが、長い間「音楽する心」を大切にしながら、地道にしかも意欲的に取り組んできた諸先輩方の歴史が社会に認知されてきた結果だと確信します。  昨年の総会では「ベートーベン作曲第九交響曲実行プロジェクト」立ち上げが承認され、動き始めましたが、実

現のためにはクリアしなければならないハードルは沢山あり、プロジェクトチームの活動も現在は小休止と言ったところです。しかし、いずれは団員の皆さんのやる気を、知恵と熱意でまとめあげて表現できる日、「歓喜の歌」を歌いあげる日もそれほど遠いことではないと確信しています。 さあ、 今年も元気に音楽を愛する仲間と共に「素敵な音楽」と「音楽を楽しむ姿」を届けていきましょう!

Concert Report Ⅰ 未だ夢心地 ――ベルリンフィルハーモニーホールでの演奏体験記    星 乗昭(ヴィオラ)

        平成30年10月29日、午後8時からベルリンフィルハーモニーホールで、ヴェルデイ作曲「レクイエム」と「ナブッコ」序曲を演

奏してきました。このホールで弾くことが出来たという夢のような体験をしてからもうすぐ三カ月になりますが、まだ感慨にひたっている状態です。田久保裕一指揮ジャパンフェスティバルオーケストラを日本で結成し、足りないパートを現地の留学生等で補強し、合唱は日本の合唱団とベルリンの音大生で演奏しました。マスターズオケから家内の星千鶴子がコンミスサイド、私はヴィオラ4pultの外、ヴァイオリンで久田しげ子さんとお嬢様が参加しました。 このホールは巨匠カラヤン率いるベルリンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地であり、カラヤンがこよなく愛したコンサートホールです。第二次世界大戦で破壊されたホールの再建に取り組み、1956年コンペによってシャロンの案が当選しました。シャロンのコンセプトは音楽を奏でるオーケストラをホールの中心に置き、その周囲をワインヤード状の客席が取り囲み、ホワイエや建物の外観は、そこから展開されるものでありました。シューボックス型のホールに見られるように演奏者と聴衆が向き合っ

て対峙するのではなく、聴衆が自然と演奏者を取り囲む関係を建築化したものです。カラヤンは応募作品の中でシャロンの案は今まで例のない抜きんでた作品であると絶賛し、建築に取り掛かり、1963年オープンしたのです。客席は2218席。ホール内を360度18ブロックに渡り客席を設け、そのうち約250席がステージの背後に、約300席がステージ側面に配されるという斬新的な形となりました。その上残響1.6秒という理想的な音響効果を誇るホールとなったのです。客席の椅子に座っても前が通れる余裕あるスペースでした。またホワイエが広く、レストラン、クローク、売店があります。ベルリンフィル団員は大変優遇されており、ステージ裏のレストランで自由に飲食が出来ます。27日にドウダメル指揮のベルリンフィルでマーラー作曲交響曲第5番とバーンスタイン作曲デイヴェルトメントを聞きました。それは凄まじい迫力ある、今まで経験したことのない演奏でした。弦は全員がコンマスという感じで圧倒されました。

MASAHARU MURAKAMI MEMORIAL

CHIBA MASATERS ORCHESTRA

ベルリンフィルハーモニーホール