18
第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向 を見ていく。 各交通モードでは、それぞれが持つ特性を活かして、競争・役割分担・連携が行われている。こ のため、交通の動向を把握するに当たっては、複数の交通モードを横断的に理解しておく必要があ ることから、輸送量とその背景及び交通事業等の動向について、交通モード横断的に取り扱う。 第1節 輸送量とその背景 本節では、輸送量とその背景について、交通モード横断的に見ていく。 輸送は、発着地によって、国内輸送と国際輸送に分けられる。また、輸送対象によって、旅客輸 送(人の輸送)と貨物輸送(物の輸送)に分けられる。 したがって、輸送について、国内旅客輸送、国内貨物輸送、国際旅客輸送、国際貨物輸送の4つ のカテゴリに分け、それぞれの輸送量とその背景について見ることとする。 4つのカテゴリの輸送量とその背景を見るに当たっては、総輸送量及び交通モード毎の輸送量の 推移、各交通モードの分担率に着目して見ていくとともに、それらの背景を理解するために、各交 通モードの特性等も記述する。 (1) 国内旅客輸送 我が国の国内旅客輸送量(人ベース)(自家用車によるものを除く。)は、1991年をピークに2004 年まで減少した後、緩やかな増加に転じたが、リーマンショックが発生した2008年を境に再び減少 に転じ、2011年を境に再度緩やかな増加に転じた(図表1-2-1-1左図)。 2016年度の各公共交通モードの分担率は、鉄道が80%、乗合バスが14%、タクシーが5%を占め ており、航空と旅客船はそれぞれ0.3%である(図表1-2-1-1右図)。 鉄道が非常に高い分担率を担っている背景を見ると、鉄道は、他の交通機関と比べると、大量輸 送、高速輸送、定時輸送の面で強みを持つことが挙げられる。もっとも、鉄道車両のほかに、線路、 駅、信号等のインフラの整備が必要であるため、事業の開始・運営に要するコストが高くなること から、利用者数が十分でない地方部では路線の維持が難しくなることもある反面、十分な利用者数 が確保できる都市内輸送や都市間輸送においては、上記の強みを発揮できる。このため、大都市圏 における分担率が高い(図表1-2-1-2)ほか、300km~1,000kmの移動においても分担率が高い(図 表1-2-1-6下図参照)。 乗合バスは、主要なインフラである道路は事業者の負担で整備する必要がなく、路線の変更、停 留所の設置、変更、廃止等が比較的柔軟に実施可能であるとともに、利用者数が少なくても比較的 維持しやすい一方で、道路の渋滞の影響で定時性を確保しにくい。モータリゼーションが進む中で 分担率を下げてきたが、今なお一定の存在感を持っている。 タクシーは、鉄道や乗合バスを時間的・空間的に補完する形で、個々の旅客のニーズに対応した ドア・ツー・ドアの輸送を24時間営業で行っているが、1台あたりの輸送量が少ないことから、分 29 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 交通政策白書 28

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向を見ていく。

各交通モードでは、それぞれが持つ特性を活かして、競争・役割分担・連携が行われている。このため、交通の動向を把握するに当たっては、複数の交通モードを横断的に理解しておく必要があることから、輸送量とその背景及び交通事業等の動向について、交通モード横断的に取り扱う。

第1節 輸送量とその背景

 本節では、輸送量とその背景について、交通モード横断的に見ていく。

 輸送は、発着地によって、国内輸送と国際輸送に分けられる。また、輸送対象によって、旅客輸送(人の輸送)と貨物輸送(物の輸送)に分けられる。 したがって、輸送について、国内旅客輸送、国内貨物輸送、国際旅客輸送、国際貨物輸送の4つのカテゴリに分け、それぞれの輸送量とその背景について見ることとする。 4つのカテゴリの輸送量とその背景を見るに当たっては、総輸送量及び交通モード毎の輸送量の推移、各交通モードの分担率に着目して見ていくとともに、それらの背景を理解するために、各交通モードの特性等も記述する。

(1) 国内旅客輸送

 我が国の国内旅客輸送量(人ベース)(自家用車によるものを除く。)は、1991年をピークに2004年まで減少した後、緩やかな増加に転じたが、リーマンショックが発生した2008年を境に再び減少に転じ、2011年を境に再度緩やかな増加に転じた(図表1-2-1-1左図)。 2016年度の各公共交通モードの分担率は、鉄道が80%、乗合バスが14%、タクシーが5%を占めており、航空と旅客船はそれぞれ0.3%である(図表1-2-1-1右図)。 鉄道が非常に高い分担率を担っている背景を見ると、鉄道は、他の交通機関と比べると、大量輸送、高速輸送、定時輸送の面で強みを持つことが挙げられる。もっとも、鉄道車両のほかに、線路、駅、信号等のインフラの整備が必要であるため、事業の開始・運営に要するコストが高くなることから、利用者数が十分でない地方部では路線の維持が難しくなることもある反面、十分な利用者数が確保できる都市内輸送や都市間輸送においては、上記の強みを発揮できる。このため、大都市圏における分担率が高い(図表1-2-1-2)ほか、300km~1,000kmの移動においても分担率が高い(図表1-2-1-6下図参照)。 乗合バスは、主要なインフラである道路は事業者の負担で整備する必要がなく、路線の変更、停留所の設置、変更、廃止等が比較的柔軟に実施可能であるとともに、利用者数が少なくても比較的維持しやすい一方で、道路の渋滞の影響で定時性を確保しにくい。モータリゼーションが進む中で分担率を下げてきたが、今なお一定の存在感を持っている。 タクシーは、鉄道や乗合バスを時間的・空間的に補完する形で、個々の旅客のニーズに対応したドア・ツー・ドアの輸送を24時間営業で行っているが、1台あたりの輸送量が少ないことから、分

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書28

Page 2: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

担率は低い。

 2011年度以降の国内旅客輸送量(人ベース)の変動を交通モード別にみると、鉄道や乗合バスは緩やかな増加傾向にあり、航空はリーマンショック前の水準まで回復し、全体では緩やかに増加している。一方で、旅客船はここ数年横ばい、タクシーは長期にわたり減少が続いている(図表1-2-1-3)。 鉄道が緩やかに増加している背景には、都市部を中心とした人口や就業者の増加に伴う定期利用者の増加(図表2-1-1-3, 1-1-1-8, 11, 12参照)や、新幹線の路線延長に伴う利用者の増加(図表1-3-2-7参照)のほか、近年の訪日外国人旅行者の利用増加(図表1-1-1-18, 20参照)もあると考えられる。 乗合バスが緩やかに増加している背景には、鉄道と同様に、都市部を中心とした人口や就業者の増加に伴う定期利用者の増加、訪日外国人旅行者による利用の増加があると見られる。

図表1-2-1-1 国内旅客輸送量(人ベース)(左図)及び分担率(右図)の推移

図表1-2-1-2 移動の交通手段別構成比

資料:「鉄道輸送統計」、「自動車輸送統計」、「海事レポート」、「航空輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

三大都市圏: さいたま市、千葉市、東京区部、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市やその周辺都市を含む29都市地方都市圏: 札幌市、仙台市、広島市、北九州市、福岡市、宇都宮市、金沢市、静岡市、松山市、熊本市、鹿児島市、弘前市、盛岡市、郡山市、松

江市、徳島市、高知市やその周辺都市を含む41都市資料:国土交通省都市局「平成27年全国都市交通特性調査」

0 100

16.516.5 2.72.7 35.035.0 19.519.513.813.82.42.410.110.1

9.39.3 1.91.9 36.436.4 15.415.410.110.11.71.725.325.3

28.528.5 2.32.3 23.323.3 21.321.314.114.12.22.28.28.2

16.316.3 2.02.0 28.428.4 18.718.710.610.61.71.722.322.3

4.34.3 3.13.1 46.846.8 17.617.613.413.42.72.712.012.0

2.62.6 1.71.7 44.044.0 12.212.29.69.61.61.628.328.3

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

全国平日

休日

平日

休日

平日

休日

三大都市圏

地方都市圏

(%)鉄道 バス 自動車(運転) 自動車(同乗) 自動二輪車 自転車 徒歩

2014 20162015(年度)

20132012201120102009200820072006200520001995199019850

35,000(百万人)

30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

乗合バス 航空 旅客船タクシー鉄道旅客

19,08521,939

22,630

21,64721,963

22,24322,841

22,97622,724

22,66922,632

23,04223,606

23,600

6,9986,5005,7564,8034,2444,2414,264

4,3044,1784,1584,1184,1254,1764,175

3,1923,159 2,703

2,3842,1732,1652,0951,9841,9091,7831,6601,6401,6481,55744

65 789393 9494 9797 95 91 8484 8282 7979 8686 92 95

154163 149

110 103 99 101 99 92 85 84 87 88 86

24,29024,598

4,2701,466

4,2891,452

9688

9888

20162015(年度)

2010200520001995199019850

100(%)

908070605040302010

64.8 68.9 72.3 74.5 76.9 78.8 80.4 80.6

23.7

10.8

20.4

9.918.4

8.616.5

8.214.97.6

14.46.2

14.14.9

14.04.8

0.1 0.2 0.2 0.3 0.3 0.3 0.3 0.30.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 29

Page 3: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

 航空の落ち込みからの回復には、LCCの輸送量の増加(図表1-3-4-10左図参照)も大きく寄与していると考えられる。 旅客船が横ばいになる前に大きく落ち込んだ背景には、高速道路料金の割引措置に伴うフェリー航路の利用減や航路廃止があるものと考えられる。 タクシーが長期にわたり減少が続いている背景には、法人利用の減少、他の交通機関と比較した運賃や料金の割高感の影響があると見られる。近年では、運転手不足によるタクシー車両の実働率の低下、夜に飲食店から利用する客の減少の影響も指摘されている。

 自家用車による国内の旅客輸送量(人ベース)は、モータリゼーション(第1章(7)参照)の進展により大幅に増加した。2016年度は622億人で、公共交通機関の中で最も多い鉄道の2.5倍となっている(図表1-2-1-1参照)。近年、運転免許保有者数や乗用車保有台数は増加を続けている(図表1-1-1-27参照)ものの、輸送量は小さな増減を繰り返している(図表1-2-1-4)。

 我が国の国内旅客輸送量について輸送距離を加味した人キロベースで見ると、2016年度の各交通

図表1-2-1-3 国内旅客輸送量(人ベース)の推移(2005年度を100とした場合の動き)

図表1-2-1-4 自家用車による国内旅客輸送量(人ベース)の推移

資料:「鉄道輸送統計」、「自動車輸送統計」、「海事レポート」、「航空輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

資料:「自動車輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

2015 2016(年度)201420132012201120102009200820072006200565

120115110105100959085807570

合計

※2016年度の値は、2016年度前期(4-9月)の前年同期比での伸び率を基に算出。

鉄道旅客 乗合バスタクシー 旅客船 航空

人ベース

20,000

10,000

0(年度)

70,000(百万人)

60,000

50,000

40,000

30,000

1985

1990

1995

2000

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

23,349

45,73052,508 55,350

59,184 59,197 60,211 60,142 60,175 59,464 58,989 60,932 61,092 60,642 61,030 62,235自家用車

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書30

Page 4: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

機関の分担率は、鉄道が76.5%、航空が16.0%、バス・タクシーが6.9%、旅客船が0.6%である(図表1-2-1-5)。 人キロベースの分担率は、人ベースの分担率(図表1-2-1-1右図参照)と比較すると、航空が高く、鉄道やバス・タクシーが低くなっているが、航空は長距離の移動によく使われること(図表1-2-1-6)や、鉄道やバス・タクシーは都市内輸送も含めて短距離の輸送も多く担っていることが背景にあると考えられる。

図表1-2-1-5 国内旅客輸送量(人キロベース)の分担率の推移

資料: 総合政策局情報政策本部情報政策課交通経済統計調査室「自動車輸送統計年報」、「鉄道輸送統計年報」、「航空輸送統計年報」、旅客船は海事局内航課調べ

図表1-2-1-6 日常生活圏を越える交通の距離帯別・代表交通機関別の旅客流動量(上図)と分担率(下図)

資料:国土交通省「第5回(2010年)全国幹線旅客純流動調査 幹線旅客流動の実態 ~全国幹線旅客純流動調査の分析~」

鉄道 国内航空旅客船バス・タクシー

20162015(年度)

分担率

2011 2012 2013 20142009 20102005 2006 2007 20080

100(%)

908070605040302010

7.2 7.1 7.1 7.3 7.2 7.2 7.2 7.1 7.0 7.1 7.1 6.9

75.9 75.7 76.3 76.7 77.4 77.7 78.1 77.4 76.8 76.4 76.5 76.5

16.1 16.4 15.9 15.3 14.8 14.6 14.1 14.9 15.6 16.0 15.8 16.0

0.8 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6

44

99

1717

4545

1212

7474

3030

7272

5151 181855

2266

360360

639639

150150

8181

1111

377377

729729

187187

164164

7474

4040

5353

0 100 200 300 400 500 600 700 800百万人/年

2.6

12.4

41.4

85.7

3.2

10.1

16.3

43.7

69.1

45.2

10.8

95.695.6

87.687.6

80.480.4

49.449.4

15.315.3

10.010.0

2.72.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

航空 鉄道 幹線旅客船 幹線バス 乗用車等

航空 鉄道 幹線旅客船 幹線バス 乗用車等全距離帯に占める割合23%

45%

12%

10%

5%

2%

3%

~100km未満

100km~200未満

200km~300未満

300km~500未満

500km~700未満

700km~1,000未満

1,000km以上

~100km未満

100km~200未満

200km~300未満

300km~500未満

500km~700未満

700km~1,000未満

1,000km以上

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 31

Page 5: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

(2) 国内貨物輸送

 我が国の国内貨物輸送量(トンベース)は、長期的には緩やかな減少傾向にある(図表1-2-1-7左図)。その背景には、主要な荷主業種による年間総出荷量の減少(図表1-1-1-4参照)や、重量のシェアが大きな貨物(砂利・石・石材、生コンクリート、セメント製品、金属製品等)の出荷量の減少(図表1-1-1-6参照)があると考えられる。 2016年度の各交通モードの分担率は、営業用と自家用をあわせたトラックが91%を占め、内航海運が8%、鉄道が1%、航空は0.02%である(図表1-2-1-7右図)。 トラックが非常に高い分担率を担っている背景としては、ドア・ツー・ドア輸送の利便性や時間を問わないフレキシブルなサービスが可能であり、幅広い物流ニーズに対応していること、船舶、鉄道、航空による長距離輸送の末端輸送のうち大半をトラックが担っていることが挙げられる。 内航海運は、代表的な船型である499総トンの船舶1隻で10トントラックの約160台分に相当する輸送が可能であるため、鉄鋼、石油製品、セメント、石油化学製品等の産業基礎物資の長距離輸送に強みがあり、トンキロベースで産業基礎物資輸送の約8割を担っている。

 2005年度以降の国内貨物輸送量(トンベース)の変動を交通モード別にみると、いずれの交通モードにおいても、リーマンショックの影響で急減した後は概ね安定的に推移している(図表1-2-1-8)。

図表1-2-1-7 国内貨物輸送量(左図)と各交通機関の分担率(右図)の推移

資料:「鉄道輸送統計」、「自動車輸送統計」、「内航船舶輸送統計」、「航空輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

2014 20162015(年度)

20132012201120102009200820072006200520001995199019850

700,000(万トン)

600,000

500,000

400,000

300,000

200,000

100,000

自家用トラック 鉄道貨物 航空貨物内航海運営業用トラック

189,194280,841

307,348340,689

332,240337,327

340,386326,641

312,350306,942

315,305301,184

298,950293,436

315,611

302,991276,318

232,251169,413

165,516160,848

153,103

141,168141,078

134,390135,409

135,626138,148

45,239

57,520 54,854 53,702

42,615 41,664 40,969 37,87133,218 36,673 36,098 36,599 37,833 36,930

9,629

8,662 7,693 5,9275,927

5,2475,247 5,1875,187 5,0854,623

4,3254,325 4,3634,363 3,9833,983 4,2344,234

54

87 96 110

108 113 114107 102 100 96 98 102 102

291,683301,931

137,217

36,549135,895

36,449

101 100

20162015(年度)

2010200520001995199019850

100(%)

908070605040302010

33.8 43.2 47.6 53.8 60.4 62.7 62.1 63.1

56.4

8.1

46.6

8.8

42.8

8.5

36.7

8.5

30.8

7.8

28.8

7.5

29.2

7.8

28.4

7.61.7 1.3 1.2 0.9 1.0 0.9 0.9 0.90.01 0.01 0.01 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02

4,4104,410 4,3424,342 4,3214,321 4,4094,409

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書32

Page 6: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

 このように、国内貨物輸送量は、トンベースでは減少しているものの、BtoBの商取引において貨物出荷の小口化に伴い出荷件数が増加し(図表1-1-1-7参照)、またインターネットを介した電子商取引はBtoCやCtoCの分野の拡大(第1章(8)参照)によって売り主から買い主への小口輸送が増加したため、宅配便取扱個数が大幅に増加してきている(図表1-3-1-24参照)。

 我が国の国内貨物輸送量について輸送距離を加味したトンキロベースで見ると、2016年度の各交通機関の分担率は、自動車(トラック)が50.9%、内航海運が43.7%、鉄道が5.1%、航空が0.2%である(図表1-2-1-9)。 トンベースの分担率(図表1-2-1-7右図参照)と比較すると、重量物の長距離輸送に適した内航海運と鉄道のシェアが高くなり、短距離輸送も担うトラックのシェアが低くなっている。 トンキロベースの分担率は、2010年度前後を境に、トラックが緩やかに下がり、内航海運と鉄道が緩やかに上がっている。その背景には、トラックドライバーの不足(図表2-1-1-18参照)や、流通業務の効率化のためのモーダルシフト(図表2-2-3-14, 15参照)等があると考えられる。

図表1-2-1-8 国内貨物輸送量の推移(2005年度を100とした場合の動き)

資料:「鉄道輸送統計」、「自動車輸送統計」、「内航船舶輸送統計」、「航空輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

20162015201420132012201120102009200820072006200560

11010510095908580757065

(トンベース)

(年度)

合計 トラック 内航海運 鉄道貨物 航空貨物

図表1-2-1-9 国内貨物輸送の輸送機関分担率の推移(トンキロベース)

資料:「鉄道輸送統計」、「自動車輸送統計」、「内航船舶輸送統計」、「航空輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

201620152014 (年度)20132012201120102009200820072006200520001995199019850

100(%)

80

60

40

20

5.95.9 5.95.9 5.45.4 4.64.6 4.94.9 5.05.0 5.05.0 5.05.0 4.94.9 4.64.6 4.74.7 5.05.0 5.05.0 5.15.15.15.1

38.338.3 40.740.7 43.243.2 44.544.5 49.149.1 50.350.3 51.451.4 52.752.7 54.654.6 54.754.7 54.154.1 51.351.3 50.850.8 50.650.6

55.755.7 53.253.2 51.251.2 50.650.6 45.845.8 44.544.5 43.443.4 42.142.1 40.240.2 40.540.5 41.041.0 43.443.4 43.943.9 44.144.1

50.950.9

43.743.7

0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3 0.2

5.35.3

50.250.2

44.344.3

0.3

トラック 航空貨物内航海運鉄道貨物

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 33

Page 7: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

(3) 国際旅客輸送

 我が国を発着する国際旅客輸送の手段は、航空と海運に限られるが、国際旅客輸送量に占める航空のシェアは96%と圧倒的に多く、海運は4%にとどまる(図表1-2-1-10)。 航空が非常に高い分担率を担っている背景としては、航空機は船舶より速度が圧倒的に速く、海外の目的地までの所要時間が非常に短くてすむことが挙げられる。 海運には、日本の各港と韓国、中国、ロシアを結ぶ外航定期航路のほか、外航クルーズ船がある。外航クルーズ船は、日本人も一定数利用している(図表1-3-3-16参照)が、外国人による利用の方が多く、近年急激に伸びている(図表1-3-3-17参照)。

 我が国を発着する国際航空旅客輸送量について見ると、リーマンショックや東日本大震災の影響と見られる落ち込みの後、訪日外国人旅行者数の顕著な増加(図表1-1-1-18参照)や、LCCの利用者の急増(図表1-3-4-10右図参照)により急増している。また、空港別に見ると、近年関西国際空港の伸びが著しい(図表1-2-1-11)。

図表1-2-1-10 我が国を発着する国際旅客輸送量とその比率(2016年)

資料: 「空港管理状況調査」、海事局資料、法務省入国管理局集計による外国人入国者数の概数(乗員除く)をもとに港湾局が作成した資料を統合して、国土交通省総合政策局作成

航空(8,196 万人), 96.0%

外航クルーズ(外国人)(199.2 万人), 2.3%外航旅客定期航路

(123.5 万人), 1.4%

外航クルーズ(日本人)(15.44 万人), 0.2%

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書34

Page 8: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

(4) 国際貨物輸送

 我が国を発着する国際貨物輸送は、航空と海運に限られるという点では国際旅客輸送と同様であるが、海運が99.7%を占め、航空はわずか0.3%であり、国際旅客輸送と逆転している(図表1-2-1-12)。 主な要因は船舶と航空機の輸送力の差にあると考えられるが、船舶は、原油、ガス、鉄鉱石、石炭、穀物、その他雑貨など貿易で取引されるあらゆる貨物を、バラ積み船やコンテナ船など、様々な種類の船舶を使って効率的に大量輸送できるという特徴もある。一方、航空機は、少量の高価な貨物を速やかに輸送するのに適している。

図表1-2-1-11 我が国を発着する国際航空旅客輸送量の推移

2016201520142013201220112010200920082007200620054,800

8,800

8,300

7,800

7,300

6,800

6,300

5,300

5,800

160

180

140

120

100

80

60

(万人)

(年度)

旅客数 全体 成田国際・東京国際 関西国際 中部国際・名古屋

(2005年度を100とした場合の動き)

100105

94

82 86 84

8686 8585 8787

154154

171171

158158

145145

103103

144144

133133

979799 97

89 8592 89

101101107107

121105

98 98104 100

111114

120103103103

103 96

94 101 97

108

113

124

5,2975,297 5,4325,432 5,4815,481 5,0645,064 4,9774,977 5,3515,351 5,1375,1375,7445,744 6,0106,010 6,5576,557 7,6287,628

8,3958,395

図表1-2-1-12 国際貨物輸送量の分担率(2016年)

資料: 「鉄道輸送統計」、「自動車輸送統計」、「内航船舶輸送統計」、「航空輸送統計」から国土交通省総合政策局作成

外航海運(123,838 万㌧), 99.7%

国際航空貨物(336万㌧), 0.3%

資料:「空港管理状況調査」から国土交通省総合政策局作成

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 35

Page 9: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

 我が国を発着する国際貨物輸送を交通モード別にみると、外航海運(コンテナ)、航空ともに、リーマンショックが発生した2008年前後の落ち込みから回復した後、ここ数年においては、外航海運(コンテナ) は横ばい、航空は増加傾向にある(図表1-2-1-13)。

第2節 交通事業等の動向

 本節では、交通事業等の動向について、交通モード横断的に見ていく。

 交通事業の事業規模や就業者について把握するため、事業規模に関連して、交通事業の国内総生産、事業者数、営業収入等((1)参照)、就業者に関連して、就業者数((2)参照)について見ていく。 また、共生社会の実現が求められる中で、交通事業においても、誰もが自由かつ安全・安心に移動できる環境づくりに向けて進められているユニバーサルデザイン化・バリアフリー化の進捗状況について見ていく((3)参照)。 交通事業者による交通系ICカードの導入が進み、鉄軌道やバスといった公共交通機関の運賃の支払いが1枚のカードでできる範囲が広がるなど、公共交通機関の利用者の利便が向上しているので、その普及状況について見ていく((4)参照)。 交通事業等においては、自動車等の輸送用機器の使用により、温室効果ガスである二酸化炭素の排出等を通じて環境に影響を及ぼしている。ここでは、地球温暖化対策に関連深い事項の動向を見ていく((5)参照)。

(1) 交通事業の事業規模

a.交通事業の国内総生産

 2016年の運輸・郵便業(以下「交通事業」という。)の国内総生産は27.0兆円であり、我が国の国内総生産全体の5.0%を占めている(図表1-2-2-1)。2000年からの推移を見ると、交通事業の国

図表1-2-1-13 国際貨物輸送量の推移(2005年/年度を100とした場合の動き)

注:外航海運(コンテナ)は年、国際航空貨物は年度の統計を利用資料:「空港管理状況調書」、「日本出入航空貨物路線別取扱実績」、「港湾統計」から国土交通省総合政策局作成

20162015

112

110

98

(年/年度)2014

102102

113 110113

2013

92

2012

89

111

2011

90

111

2010

95

107

2009

82

94

2008

81

109

2007

99

109

2006

100

106

2005

100

65

125

115

105

95

85

75外航海運(コンテナ) 国際航空貨物

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書36

Page 10: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

内総生産は、2007年までは全体の国内総生産を上回る伸びを見せたものの、リーマンショックの発生した2008年に大きく落ち込み、近年は回復している(図表1-2-2-2)。

図表1-2-2-1 経済活動別国内総生産の構成比(2016年)

図表1-2-2-2 全体の国内総生産と交通事業の国内総生産の推移

卸売・小売業(n=73,998)13.8%

卸売・小売業(n=73,998)13.8%

運輸・郵便業(n=26,963)5.0%

農林水産業(n=6,194)1.2%その他のサービス(n=22,937)4.3%

鉱業(n=291)0.1%

(単位:n=10億円)

製造業(n=113,337)

21.2%

製造業(n=113,337)

21.2%

建設業(n=29,725)5.6%建設業(n=29,725)5.6%

電気・ガス・水道・廃棄物処理業(n=14,414)2.7%

電気・ガス・水道・廃棄物処理業(n=14,414)2.7%

金融・保険業(n=22,462)4.2%

金融・保険業(n=22,462)4.2%

宿泊・飲食サービス業(n=12,865)2.4%宿泊・飲食サービス業(n=12,865)2.4%

不動産業(n=61,168)11.4%

不動産業(n=61,168)11.4%

情報通信業(n=26,830)5.0%情報通信業(n=26,830)5.0%

公務(n=26,679)5.0%公務(n=26,679)5.0%

教育(n=19,430)3.6%教育(n=19,430)3.6%

保健衛生・社会事業(n=37,744)7.1%保健衛生・社会事業(n=37,744)7.1%

専門・科学技術、業務支援サービス業(n=39,256)

7.3%

専門・科学技術、業務支援サービス業(n=39,256)

7.3%

注:上記は、経済活動別付加価値の合計(国内総生産(GDP)とは異なる)に対する構成比。  運輸・郵便業・・・鉄道業、道路運送業、水運業、航空運輸業など(以下の図表も同様)資料:内閣府「国民経済計算」(平成23年基準)から国土交通省総合政策局作成

注:2000年を100とする。資料:内閣府「国民経済計算」(平成23年基準)から国土交通省総合政策局作成

2014 20162015 (年)2013201220112010200920082007200620052004200320022001200090.0

115.0

110.0

105.0

100.0

95.0

100.0100.2

98.0 97.9 98.999.599.5 100.0

100.9

98.998.496.6 98.5

104.3105.8

100.0

99.3

100.6101.5

103.6103.6

107.5

111.1

106.9

92.9

95.0 95.595.5

93.3 94.0

98.9

97.695.5

101.0 102.2

105.1

国内総生産運輸・郵便業

104.3

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 37

Page 11: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

b.交通事業の事業者数、営業収入、雇用者数

 事業者数については、旅客輸送関係ではタクシーが最も多く、貨物輸送関係ではトラックが最も多い。また、自動車整備事業者も非常に多い。 1事業者当たりの平均営業収入については、長距離輸送や大量輸送に優れた航空、鉄道、外航海運が100億円以上と多く、これら以外の事業では数千万円から10数億円と少ない(以上、図表1-2-2-3)。特に、バスやタクシー、トラックといった自動車運送事業については、95%以上が中小事業者である(図表1-3-1-7参照)ことから、1事業者当たりの平均営業収入が少ないものと考えられる。 雇用者数について見ると、常用雇用者数が30人以上の企業等の割合は、産業全体では5%程度にとどまるのに対し、交通事業は20%程度と高く、中でも鉄道と航空は半数程度と高い(図表1-2-2-4)。

全産業(n=4,098,284)

運輸業,郵便業(n=74,854)

鉄道業(n=354)

道路旅客運送業(n=20,697)

道路貨物運送業(n=41,521)

水運業(n=2,510)

航空運輸業(n=125)

倉庫業(n=2,964)

運輸に附帯するサービス業(n=6,613)0 100

(%)80604020

0~29人 30~99人 100~299人 300~999人 1,000人以上

3.5 0.1

0.1

0.30.3

0.3

0.2

1.0

1.214.3 4.4

26.3 6.55.613.8

10.2 4.5

16.4 4.0

10.0

0.9

0.4

1.1

2.4

18.4 3.28.020.0

15.7 6.5

13.9 6.42.3

2.00.6

0.6

95.1

79.8

47.7

84.1

78.4

87.1

50.4

75.1

76.9

図表1-2-2-3 事業区分ごとの事業者数、営業収入等

図表1-2-2-4 業種ごとの常用雇用者規模別企業等数の割合

注1:貨物鉄道事業の営業収入は、JR貨物注2:航空事業は、日本の主要航空会社の合計資料:鉄道統計年報、自動車局調べ、海事局調べ、港湾局調べ、航空局調べ等から国土交通省総合政策局作成

注:「全産業」は公務を除く。資料:総務省「平成26年経済センサス-基礎調査」から国土交通省総合政策局作成

区分 事業者数(者)営業収入(億円)※整備事業及び販売業に

おいては売上高

1事業者当たりの平均営業収入(億円)

旅客鉄道事業 (2017年度) 204 (2015年度) 71,572 350.8 貨物鉄道事業 (2017年度) 12 (2015年度) 1,439 119.9 乗合バス事業 (2016年度) 2,267 (2015年度) 9,664 4.3 貸切バス事業 (2016年度) 4,524 (2015年度) 5,189 1.1 タクシー事業 (2016年度) 51,371 (2016年度) 15,995 0.3 トラック事業 (2016年度) 62,276 (2015年度) 158,986 2.6 自動車整備事業 (2016年度) 73,083 (2016年度) 54,875 0.8 自動車販売事業 (2015年度) 51,979 (2015年度) 16,345 0.3 旅客船事業 (2016年度) 970 (2016年度) 2,859 2.9 内航海運事業 (2016年度) 3,466 (2015年度) 8,698 2.5 外航海運事業 (2016年度) 181 (2016年度) 37,905 209.4 港湾運送事業 (2016年度) 865 (2016年度) 10,748 12.4 航空事業 (2016年度) 17 (2016年度) 34,676 2039.8

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書38

Page 12: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

(2) 交通事業の就業者数

 交通事業の就業者数は340万人で、全産業の就業者数の5.2%を占めており(図表1-2-2-5)、そのシェアは、交通事業の国内総生産におけるシェア(図表1-2-2-1参照)とほぼ等しい。 全産業の就業者数が2012年を境に順調に増加してきた中で、交通事業の就業者数は、労働者不足感が高まっている(図表2-1-1-17参照)にもかかわらず、ゆるやかな減少又は横ばいとなっている(図表1-2-2-6)。 交通事業の事業区分別の従業者数は、事業者数と営業収入が最も大きいトラックが圧倒的に多く、交通事業全体の約半数を占めており、次いでタクシー、鉄道となっている(図表1-2-2-7)。

図表1-2-2-5 産業別の就業者数(2017年)

図表1-2-2-6 全産業と交通事業の就業者数の推移

資料:総務省「労働力調査」から国土交通省総合政策局作成

資料:総務省「労働力調査」から国土交通省総合政策局作成

0 1,2001,000800600400200

卸売業、小売業製造業

医療、福祉建設業

サービス業(他に分類されないもの)宿泊業、飲食サービス業

運輸業、郵便業教育、学習支援業

公務(他に分類されるものを除く)生活関連サービス業、娯楽業

学術研究、専門・技術サービス業情報通信業農業、林業

金融業、保険業不動産業、物品賃貸業

分類不能の産業複合サービス事業

電気・ガス・熱供給・水道業漁業

鉱業、採石業、砂利採取業

1,0751,052

814498

429391

340340315315

234230229213201168168

125125107

5729203

2015 201720162014 (年)

(万人) (万人)

201320122011201020092005 2006 2007 20085,600

5,800

6,600

6,400

6,200

6,000

5,700

6,500

6,300

6,100

5,900

300

400

運輸・郵便業

全産業

380

360

340

320

390

370

350

330

310

6,3146,356 6,389

6,427 6,409

6,298 6,293 6,280

6,3266,371

6,4016,465

6,530

350343

331328

320

352 352

340 341 337 336

339 340

全産業運輸業・郵便業

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 39

Page 13: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

(3) ユニバーサルデザイン化・バリアフリー化

 共生社会の実現が求められる中で、交通分野においても、誰もが自由かつ安全・安心に移動できる環境づくりに向けて進められているユニバーサルデザイン化・バリアフリー化の進捗状況について見る。 なお、ユニバーサルデザイン化・バリアフリー化に関する重要なトピックである、ホームドアの整備を含む駅ホームの転落防止対策については、次章の鉄道事業総論(第3章第2節(1))で触れることとする。

a.旅客施設におけるバリアフリー化

 鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル、空港等の旅客施設(1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上のもの)については、エレベーター、スロープ等による段差解消、線状ブロック及び点状ブロックを適切に組み合わせて床面に敷設した視覚障害者誘導用ブロックの整備、障害者用トイレの整備等が求められている。 段差解消率は、2016年度末で87.2%であり、5年で6.1ポイント上昇した。視覚障害者誘導用ブロックの整備率は、同年度末で93.8%であり、5年で1.2ポイント上昇、障害者用トイレの整備率は、同年度末で84.2%であり、5年で6.2ポイント上昇した(図表1-2-2-8)。

図表1-2-2-7 交通事業の主な事業区分の従業者数(2014年)

注:各事業の値は、日本標準産業分類(小分類)別の結果を以下の区分により集計したもの。  「トラック」: 一般貨物自動車運送業・特定貨物自動車運送業・貨物軽自動車運送業、「タクシー」:一般乗用旅客自動車運送業、「鉄道」:鉄道業、

「倉庫業」:倉庫業(冷蔵倉庫業を除く)・冷蔵倉庫業、「乗合バス」:一般乗合旅客自動車運送業、「貨物利用運送」:集配利用運送業・貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く)、「港湾運送業」:港湾運送業、「貸切バス」:一般貸切旅客自動車運送業、「航空」:航空運送業、「内航海運」:沿海海運業、「外航海運」:外航海運業

資料:総務省「平成26年経済センサス-基礎調査」から国土交通省総合政策局作成

外航海運内航海運航空

貸切バス港湾運送業

貨物利用運送乗合バス倉庫業鉄道

タクシートラック

0 2,000,0001,500,0001,000,000500,000 (人)1,656,515

377,350224,882194,845

123,127118,94864,68152,19450,01624,3638,627

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書40

Page 14: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

b.車両(鉄軌道車両、乗合バス)のバリアフリー化

 鉄軌道車両については、視覚情報及び聴覚情報を提供する設備を備えることや、車椅子スペースを設置すること、トイレを高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とすること、連結部にはプラットホーム上の旅客の転落を防止するための措置を講ずること、車両番号などを文字及び点字で表示すること等が求められている。これらの基準に適合した鉄軌道車両数は、2016年度末で35,343両、適合率は67.7%であり、5年で14.9ポイント上昇した(図表1-2-2-9)。 バス車両については、視覚情報及び聴覚情報を提供する設備を備えることや、車椅子スペースを設置すること、低床バスとすること、筆談用具を設け、筆談用具があることを表示すること等が求められている。これらの基準を満たし、かつ、床面の地上面からの高さが概ね30cm以下のものはノンステップバスと呼ばれているが、その車両数は2016年度末で24,241両、適合率は53.3%であり、5年で14.9ポイント上昇した(図表1-2-2-9)。

図表1-2-2-8 旅客施設のバリアフリー化の進捗状況

※平成22年度までは旧基本方針に基づき1日当たりの平均的な利用者数が5,000人以上の 旅客施設、23年度以降は改訂後の基本方針(平成23年4月1日施行)に基づき、1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上の旅客施設の整備状況を示している。(1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上の旅客施設の平成22年度における(  ) 内の数値は参考値)

※「障害者用トイレ」については、便所を設置している旅客施設における整備状況を示している。

39.339.344.144.1

49.049.0

58.558.563.163.1

67.567.571.671.6

77.277.2(77.9)(77.9)

81.181.1 81.981.9 83.383.3 84.884.8 87.287.2

72.072.0 74.474.4

80.180.182.882.8

88.388.390.990.9 92.992.9 94.794.7 97.197.1

(91.8)(91.8) 92.692.6 93.193.1 93.193.1 93.293.2 93.893.8

13.013.0

21.221.2

32.832.8

42.942.9

52.652.659.659.6

66.466.4

75.175.1

83.283.2

85.585.5

(75.0)(75.0)78.078.0 79.179.1 80.180.1 81.981.9

86.186.1

93.693.6

83.083.0 84.284.2

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20162015(年度)

段差の解消 視覚障害者誘導用ブロック 障害者用トイレ

(%)

資料:移動等円滑化実績等報告書から国土交通省総合政策局作成

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 41

Page 15: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

(4) 交通系ICカードの普及

 交通事業者による交通系ICカードの導入が進み、鉄道やバスといった公共交通機関の運賃の支払いが1枚のカードでできる範囲が広がるなど、公共交通機関の利用者の利便が向上しているので、その普及状況について見る。

 我が国の交通系ICカードは、2001年11月にJR東日本がSuicaを発売したのを皮切りに、急速な発展を遂げてきた。 2013年3月には、三大都市圏や地方拠点都市で多く普及している10種類の交通系ICカード(以下この項で「10カード」という。図表1-2-2-10)の相互利用が始まり、1枚の10カードで公共交通機関を利用できる範囲が大幅に拡大した(図表1-2-2-11)。また、カードによっては、定期券や割引サービスの機能を持つもの、商業施設等で利用可能な電子マネーの機能を持つものもある。

図表1-2-2-9 車両等のバリアフリー化の進捗状況

資料:移動等円滑化実績等報告書から国土交通省総合政策局作成

図表1-2-2-10 10カードの名称、導入事業者等の一覧

※注: 「モノレールSuica」「りんかいSuica」の導入事業者数はSuicaの導入事業者数に、「KipsICOCA」の導入事業者数はICOCAの導入事業者数に、「monoSUGOCA」の導入事業者数はSUGOCAの導入事業者数として、「めじろんnimoca」「でんでんnimoca」「ICASnimoca」の導入事業者数はnimocaの導入事業者数に、それぞれ含めて計上

資料:国土交通省総合政策局作成(平成29年3月現在)

カード名称 導入時期 導入事業者 カード名称 導入時期 導入事業者Kitaka 2008年10月 北海道旅客鉄道 Suica 2001年11月 東日本旅客鉄道など8者PASMO 2007年3月 関東地方の民鉄、バスなど105者 TOICA 2006年11月 東海旅客鉄道manaca 2011年2月 東海地方の民鉄、バスなど8者 ICOCA 2003年11月 西日本旅客鉄道など17者PiTaPa 2004年8月 関西地方の民鉄、バスなど57者 SUGOCA 2009年3月 九州旅客鉄道など2者はやかけん 2009年3月 福岡市交通局など2者 nimoca 2008年5月 西日本鉄道など19者

6.56.59.39.3

7.07.0

14.814.817.717.7 20.320.3 23.023.0 25.825.8

70.270.2

52.852.8 55.855.859.559.5 62.062.0

67.767.7

19.419.4 12.012.023.723.7

27.927.932.132.1

20.020.026.526.5

41.341.345.745.7

81.481.4 86.186.1

89.289.292.892.8

94.694.6 97.197.1

2.12.1 4.44.411.511.5

8.08.014.114.1 16.416.4 18.018.0 18.118.1

27.927.9

49.549.5

59.959.954.454.4

47.047.040.740.7

32.132.124.524.5

64.364.3

20.620.624.524.5

28.628.632.232.2

65.265.2

96.396.3

36.636.640.340.338.438.4 41.041.0

43.943.947.047.0 50.150.1

53.353.3

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20162015(年度)

航空機 旅客船鉄軌道 ノンステップバス

(%)

※鉄軌道の減少は、新基準における強化(車両内の扉等への文字及び点字表示の追加)のため

資料:移動等円滑化実績等報告書から国土交通省総合政策局作成

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書42

Page 16: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

 10カード以外にも、各地で地域独自の交通系ICカードが導入されている。そうした地域独自のカードは、必ずしも10カードとは相互利用できないものの、地域のニーズにあった独自のサービスを提供し、域内利用者の利便性向上に寄与している。 近年、1枚の10カードで公共交通機関を利用できる範囲の拡大が図られているが、地域の事情に応じて、10カード導入事業者による利用可能なエリア拡大(例えば、2016年12月、ICOCAがJR西日本の松江・米子・伯備地区の一部の駅でも利用可能に)、地域の交通事業者の10カードへの参加(例えば、2017年3月、函館の2つの交通事業者がnimocaを導入)、地域独自の交通系ICカード導入事業者による10カードの片利用の可能化(例えば、2018年3月、広島地区の交通系ICカードであるPASPYのエリアで10カード全てが利用可能に)といった方法がとられている。

(5) 交通事業等の環境への影響

 交通事業等においては、自動車等の輸送用機器の使用により、温室効果ガスである二酸化炭素の排出等を通じて環境に影響を及ぼしている。ここでは、地球温暖化対策に関連深い事項の動向を見る。

a.運輸部門の二酸化炭素排出量

 2016年度の我が国の二酸化炭素排出量は12億600万トンであるが、そのうち運輸部門における排出量は2億1,500万トンで、全体の17.9%を占めている。さらに、運輸部門における二酸化炭素排出量の内訳を見ると、自動車が運輸部門の86.2%(我が国全体の15.4%)を占め、そのうち、自家用

SUGOCAJR九州

はやかけん福岡市交通局

nimoca西鉄

TOICAJR東海

manaca民鉄系

SuicaJR東日本

ICOCAJR西日本

PiTaPa民鉄系

KitacaJR北海道

SuicaJR東日本

SuicaJR東日本

PASMO民鉄系

ICOCAJR西日本

PiTaPa民鉄系

SUGOCAJR九州

SUGOCAJR九州

SUGOCAJR九州

ICOCAJR西日本

PiTaPa民鉄系

福岡・佐賀・大分・熊本SUGOCAエリアはやかけんエリアnimocaエリア

長崎SUGOCAエリア

鹿児島SUGOCAエリア

宮崎SUGOCAエリア

近畿圏ICOCAエリアPiTaPaエリア

石川・富山ICOCAエリアPiTaPaエリア

TOICAエリアmanacaエリア

首都圏SuicaエリアPASMOエリア

仙台Suicaエリア

Kitacaエリア

新潟Suicaエリア

岡山・広島・山陰・香川ICOCAエリアPiTaPaエリア

図表1-2-2-11 10カードの全国相互利用の状況

資料:国土交通省総合政策局作成(2018年3月現在)

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 43

Page 17: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

乗用車を中心とする旅客自動車が運輸部門の49.8%(我が国全体の8.9%)、貨物自動車(トラック)が運輸部門の36.4%(我が国全体の6.5%)を排出している(図表1-2-2-12)。 また、運輸部門の排出量の推移を見ると、1990年度から1996年度までの間に23.0%も増加したが、その後、ほぼ横ばいとなり、2001年度を境に減少に転じ、2016年度の排出量は2億1,500万トンとなっている(図表1-2-2-13)。近年における減少の背景には、自動車の燃費改善(図表1-2-2-15参照)等があるものと考えられる。

図表1-2-2-12 日本の各部門及び運輸部門における二酸化炭素排出量の内訳

図表1-2-2-13 輸送モードごとの二酸化炭素排出量の推移

我が国の各部門における二酸化炭素排出量 運輸部門における二酸化炭素排出量

内訳

○自動車全体で運輸部門の86.2%(日本全体の15.4%)○旅客自動車は運輸部門の49.8%(日本全体の8.9%)○貨物自動車は運輸部門の36.4%(日本全体の6.5%)

バス

タクシー

二輪車

内航海運1,037万㌧《4.8%》

航空1,019万㌧《4.7%》

鉄道919万㌧《4.3%》

CO2総排出量12億600万㌧(2016年度)

運輸部門(自動車、船舶等)2億1,500万㌧《17.9%》

429万㌧《2.0%》

283万㌧《1.3%》

87万㌧《0.4%》

業務その他部門2億1,400万㌧《17.8%》

家庭部門1億8,800万㌧《15.6%》

その他1億7,100万㌧《14.2%》

産業部門4億1,800万㌧《34.6%》

自家用乗用車9,926万㌧《46.1%》

営業用貨物車4,227万㌧《19.6%》

自家用貨物車3,619万㌧《16.8%》

注1:電気事業者の発電の伴う排出量、熱供給事業者の熱発生に伴う排出量はそれぞれの消費量に応じて最終需要部門に配分注2:端数処理の関係上、合計の数値が一致しない場合がある。資料: 温室効果ガスインベントリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ(1990年~2016年度)確報値」から国土交通省総合政策局環境政策

課作成

注:「その他輸送機関」には、バス、タクシー、鉄道、船舶、航空、二輪車が含まれる。資料: 温室効果ガスインベントリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ(1990年~2016年度)確報値」から国土交通省総合政策局環境政策

課作成

207

自家用乗用車

その他輸送機関

貨物自動車

244

215

255263

224

年度

0

50

100

150

200

250

300

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(単位 百万トンCO2)

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書44

Page 18: 第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 - mlit.go.jp第2章 輸送量とその背景及び交通事業等の動向 本章では、交通モード横断的な視点から、交通における輸送量とその背景及び交通事業等の動向

b.各交通機関の単位当たり二酸化炭素排出量

 各交通機関の単位輸送量当たりの二酸化炭素排出量を見ると、旅客輸送については、自家用乗用車が最も大きく、次いで航空、バス、鉄道となっている(図表1-2-2-14左図)。また、貨物輸送についても、貨物車(トラック)が最も大きく、船舶や鉄道は非常に小さい(図表1-2-2-14右図)。このため、通勤時に利用する交通機関を自家用乗用車から鉄道等に変更したり、トラックで輸送していた貨物を船舶や鉄道に変更したりすると、二酸化炭素排出量は減少する。 また、運輸部門で最も二酸化炭素を排出する自家用乗用車(図表1-2-2-12参照)についても、近年、燃費が改善してきており(図表1-2-2-15)、二酸化炭素排出量の削減に貢献している。

図表1-2-2-14 輸送量当たり二酸化炭素排出量(旅客輸送(左図)及び貨物輸送(右図))

図表1-2-2-15 ガソリン乗用車の燃費平均値の推移

141

98

67

20

12.6

0.7

0 50 100 150 200

自家用乗用車

航空

バス

鉄道

1,159

39

21

240

0 200 400 600 800 1000 1200 1400

自家用貨物車

営業用貨物車

船舶

鉄道

単位:g‒CO2/トンキロ単位:g‒CO2/人キロ

資料: 温室効果ガスインベントリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ(1990年~2016年度)確報値」、国土交通省「自動車輸送統計調査」「内航船舶輸送統計調査」「航空輸送統計調査」「鉄道輸送統計調査」から国土交通省総合政策局環境政策課作成

(注) 10・15モードとJC08モード:いずれも、自動車の燃費値を車種間で比較するために定められた燃費測定方法であるが、10・15モードは1991年に当時のユーザーの自動車使用環境をもとに測定の際の走行パターンを定めたものであり、JC08モードはユーザーの使用環境の変化や測定技術の進歩を踏まえ、より実際の走行に近づけるために2011年4月より導入されたもの。2013年3月以降は、全ての自動車のカタログにJC08モード燃費値が表示されてきたが、2016年10月より、日本独自の試験法であるJC08モード法に加え、国際基準である乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)が適用できることとなった。

資料:国土交通省自動車局「自動車燃費一覧」から国土交通省総合政策局作成

0

25

ガソリン乗用車の燃費(単位:km/L)

20

15

10

5

10・15モードJC08モード

(年度)

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2016

2015

第Ⅰ部平成29(2017)年度交通の動向

第2章輸送量とその背景及び交通事業等の動向

交通政策白書 45