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ロボットと聞いて、思い浮かべるイメージは人それぞれです。
アニメや映画の世界で活躍するロボット達をイメージする人が
多いかもしれませんが、現実世界でも既にたくさんのロボットが
活躍しています。
産業用ロボットは自動車や建設機械の溶接・塗装、電気製品の
組立て、部品の搬送などが主な仕事で、全世界で約��万台が稼働
しています。日本は世界で最も産業用ロボットを生産し、稼働
させている国の一つです。一般的にティーチングプレイバック
(教えた動作を繰り返し行う)という方法で動作します。
一方、人のそばで文字通りサービスを提供するロボットをサービス
ロボットといいます。仕事は掃除や留守番、警備、受付などですが、
今後私たちの生活を様々な形でサポートしてくれるようになる
でしょう。そのためには自然なコミュニケーション、安全、状況変化
への対応など、多くの技術課題をクリアする必要があります。
産業用ロボットと サービスロボットの違いは?
�軸ロボット 産業用ロボットは、人の代わりに溶接、塗装、搬送
などを行い、あらゆる産業分野で活躍しています。
その腕構造は、�軸(�つの関節)が主流となってい
ます。近年、省エネなど環境への配慮や高効率生産
などのため、コンパクトな生産ラインの構築(生産設
備の高密度配置)が進められており、そのためには
使用されるロボットの自由度向上が有効な手段で
あると考えられます。
ここでは、人の動きに近づけた�軸ロボットについて
紹介します。
「・・の違い」 シリーズ
3
安川電機 現在の技術
6
�軸ロボットの現状
�軸ロボットへの期待
・操作には熟練が必要
・定型作業を効率よくこなす
・大きな力、素早い動作が可能
・モノをセンサで認識
・�つ以下の関節でほとんどの作業に対応
・自然なコミュニケーションが必要
・状況の変化に柔軟に対応
・安全に配慮した丁寧な動作
・モノ、人をセンサで認識
・作業に応じて必要な関節の数が増減
�軸ロボット
�軸ロボットの開発
産業用ロボット サービスロボット
*:アーク溶接などで、治具等を介してワークを取付け、ロボットと協調動作しながら常に適正な姿勢で溶接するための位置決め装置。
現在主流の垂直多関節形産業用ロボットは、一般的
に下図のように�軸(�つの関節)を持っています。
このような�軸ロボットを生産ラインに配置する場合、
周辺設備や他のロボットなどと干渉しないようスペース
を確保しなければなりません。また、アームの回り込み
姿勢ができないため、ワークの上方に設置できず、
ワークの横に設置するしかありません。
このロボット設置スペースをもっと小さくできれば、
コンパクトなライン構築が可能となります。そのため
には、ロボットの自由度を上げる必要があります。
人の腕は、肩から手首にかけて計�自由度があると
言われています。そこで、�軸(�自由度)を持つロボット
ができれば、人と同じような動きを実現することがで
きるので、�軸ロボットへの期待が高くなってきました。
ロボットの軸数が多いほど自由度が多く、ロボットの
動きが滑らかになるため、ワークや機械などへの近接
設置、周辺設備との干渉回避が可能となります。
しかし、軸数を多くすると、数式モデルが非常に複雑
になり、ロボットの動作すなわち各軸の角度を求める
のが難しくなります。
当社は、ロボットの姿勢にひじの角度(�軸目、�軸)
を加えた制御を開発し、性能を向上させた�自由度の
ロボットを実現しました。�軸ロボットの特長は、次の
とおりです。
� 省スペース�
�軸目の回転により回り込みなどの柔軟な姿勢を
取れるため、機械やワークなどに接近して設置でき、
省スペースになります。また、複数のロボットを
接近して配置することで、工程の統合、短縮が
可能となります。
� 最適姿勢保持�
回り込みなどの姿勢により、手首に取付けたツール
の位置,姿勢を変えずに、周辺の干渉物などを
回避しながらの動きができます。このため、アーク
溶接用途では、常に最適な姿勢を保てるため、
溶接品質が向上します。
ポジショナ*上部に設置した�軸アーク溶接ロボットの例
�軸
�軸
�軸
�軸
�軸
腕を回転させる軸
手首を上、下に振る軸
手首を回転させる軸
体を前後に動かす軸
体を回転させる軸
腕を上、下に動かす軸
�軸 ����� ���(上腕) ���� �� � ��!(手首旋回)
���� ��!"�!#(手首曲げ)
���!#(旋回)
���� �$�!�!#(手首回転)
����� ���(下腕)
�軸目
�軸目(�軸)
干渉回避
軸ポジショナ
�軸ロボット
「ロボット三原則」はロボット開発における先決条件です。そのため、「人との距離」は常に考慮
されなければなりません。この「人との距離」は産業用ロボットとサービスロボットのもっとも異なる
点です。産業用ロボットは工場において柵などで仕切られた空間で、人と離れて動作します。その
ため大きな力も出せますし、素早く動くことが可能です。一方、サービスロボットは人の生活空間で
動作するため、安全性が非常に重要な要素となります。多くのセンサを使って状況判断をしながら、
人に衝突しないように避けて動き、万が一衝突した場合でも人に危害を与えない制御や柔らかさ
を求められます。そのための実用化研究が行われている段階です。
イギリス作家メアリー・シェリーが書いた小説で、後
ほどアメリカ映画になった「フランケンシュタイン」を
ご存じですか?フランケシュタイン博士が、人造人間を
作り出すのですが、その人造人間が危険な存在になって
しまう話しです。このような、人造人間やロボットを創造
することへの憧れと、その被造物によって滅ぼされる
のではないかという恐れが入り混じった複雑な心理は、
�%作家アイザック・アシモフ(著書:「われはロボット」他)
が「フランケシュタイン・コンプレックス」と名付け、
のちに、「ロボット三原則」を生み出しました。すべての
ロボットは「ロボット三原則」を守らなければいけません。
第一条 ロボットは人間に危害を加えては
ならない、また、その危険を看過
することによって、人間に危害を
及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間に与えられた命令
に服従しなければならない。ただし、
与えられた命令が、第一条に反する
場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条及び第二条
に反するおそれのない限り、自己
を守らなければならない。
「われはロボット」アイザック・アシモフ著( �&�年)
小尾芙佐訳( ��'年)より引用
「ロボット三原則」 主に工場で働き、 人間と隔離された環境で動作
主に公共空間や家庭で働き、 人間と動作空間を共有
当社生産の 産業用ロボット例
当社開発の サービスロボット例
すべてのロボットは「ロボット三原則」を 守らなければいけません。
産業用ロボットとサービスロボットの違いは 「人との距離」から生まれたのです。
溶接用 ロボット
空港内搬送案内 ロボット
次世代サービスロボット
案内ロボット
液晶搬送用 ロボット
SmartPal V
SmartGuide
RoboPoterクリーン ロボット
腕をねじらせる軸
�()��(肘)