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2-92
(3) 概略フロー
大まかな構成は,①入力データは Excel で入力/編集して②テキストファイルに出力し,
③本体 Fortran プログラムで計算し,④テキストファイルに出力する。その出力を⑤Excel
で利用する。
計算入力データ
(テキストファイル)
用水計算
計算結果データ (CSV ファイル)
計算結果データ (CSV ファイル) 計算結果データ
(テキストファイル)
計算データ入力/編集
計算結果閲覧
CSV 保存
データ読込
結果出力
別紙-4
2-93
(4) 用水計算概略フロー
計算入力データ (テキストファイル
用水計算(田畑輪換を包含する)
計算結果データ
(テキストファイル)
別紙-4
2-94
(5) FORTRAN プログラム「kisorn」の構成
本体プログラムは,大別すると,「天水掛」「河川掛」「溜池掛」「河川溜池併用掛」「水田
畑」「畑かん」の 6つのサブルーチンから構成される。
本体プログラムの構成の概念図を図 2-4-1に示す。
図 2-4-1 プログラム本体の概念図
図 2-4-1 で示されるように,kisorn.f90 がメインプログラムであり,当該メインプログ
ラムが,以下(a)~(e)の別ファイルで構成される 5 つのサブルーチンを順次呼び出す構成
となっている。
(a) tensui.f90: 天水掛のサブルーチン「sub_tensui」
天水掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「補給必要水量」
等を算出する。
(b) kasen.f90: 河川掛のサブルーチン「sub_kasen」
河川掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「河川利用量」
「補給必要水量」等を算出する。
(c) Tameike.f90: 溜池掛のサブルーチン「sub_tameike」
溜池掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「溜池利用量」
「補給必要水量」等を算出する。
(d) heiyo.f90: 河川溜池併用掛のサブルーチン「sub_heiyo」
河川溜池併用掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「河川
利用量」「溜池利用量」「補給必要水量」等を算出する。
別紙-4
2-95
(e) Hatake_n.f90: 畑かんのサブルーチン「sub_hatake」
畑かんにおける「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「補給必要水量」
等を算出する。
また,上記(a)~(e)の各サブルーチンが水田畑の全用水量・降雨利用量・純用水量・粗
用水量を算出する際,下記別ファイルのサブルーチンを呼び出す構成となっている。
(f) Hatake.f90: 水田畑のサブルーチン「sub_hatake」
水田畑の「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「補給必要水量」等を算出
する。
別紙-4
96
(6) メインプログラム及びサブルーチンの機能的構成
<メインプログラム「kisorn」>
(1) 以下のパラメータを設定する。
・「ブロック別転作率」
・「還元田増率」
・水田,畑,還元田,水田畑における「圃場損失・支線損失・幹線損失」
(2) 天水掛のサブルーチン「sub_tensui」を呼び出し,当該サブルーチン内で処理を行わ
せる。当該サブルーチンの引数は,転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田
増率の 5つであり,全て入力の引数である。すなわち,サブルーチン内で,天水掛に
おける「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「補給必要水量」等を
算出及びファイル出力まで行う。
(3) 河川掛のサブルーチン「sub_kasen」を呼び出し,当該サブルーチン内で処理を行わ
せる。当該サブルーチンの引数は,転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田
増率の 5つであり,全て入力の引数である。すなわち,当該サブルーチン内で,河川
掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「河川利用量」「補
給必要水量」等を算出及びファイル出力まで行う。
(4) 溜池掛のサブルーチン「sub_tameike」を呼び出し,当該サブルーチン内で処理を行
わせる。当該サブルーチンの引数は,転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元
田増率の 5つであり,全て入力の引数である。すなわち,当該サブルーチン内で,溜
池掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「溜池利用量」
「補給必要水量」等を算出及びファイル出力まで行う。
(5) 併用掛のサブルーチン「sub_heiyo」を呼び出し,当該サブルーチン内で処理を行わ
せる。当該サブルーチンの引数は,転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田
増率の 5つであり,全て入力の引数である。すなわち,当該サブルーチン内で,併用
掛における「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「河川利用量」「溜
池利用量」「補給必要水量」等を算出及びファイル出力まで行う。
(6) 畑かんのサブルーチン「sub_hatake_n」を呼び出し,当該サブルーチン内で処理を行
わせる。当該サブルーチンの引数は,転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失の 4 つ
であり,全て入力の引数である。すなわち,当該サブルーチン内で,畑かんにおける
「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」「補給必要水量」等を算出及
びファイル出力まで行う。
別紙-4
97
<サブルーチン「sub_tensui」>
メインプログラム「kisorn」から,「転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田増
率」を引数として受ける。
(1) 以下のパラメータを設定する。
・「受益面積,減水深,減水深期別変化係数,面積変化係数」
・「ブロック・サブブロックと飛騨川右岸/左岸との関係」
・「早植えの植付け率,普通植えの植付け率」
・「有効降雨量,面積係数」
・「転作率」
(2) 天水田用水量計算表①~③における「用水量係数」の計算を行う。
(3) 通常水田と還元田(1 年目と 2 年目)に対する,天水田用水量計算表④「早植用水量」,
天水田用水量計算表⑤「普通植用水量」,天水田用水量計算表⑦「代かき用水量」,及
び,天水田用水量計算表⑧「全用水量」を計算地点毎に計算する。
(4) 通常水田と還元田(1 年目と 2 年目)に対する,天水田用水量計算表⑫「降雨利用可能
量」を計算地点毎に計算する。
(5) 通常水田と還元田(1 年目と 2 年目)に対する,天水田用水量計算表⑬「降雨利用量」
を計算地点毎に計算する。
(6) 通常水田と還元田(1 年目と 2 年目)に対する,天水田用水量計算表⑭「純用水量」を
計算地点毎に計算する。
(7) 通常水田と還元田(1 年目と 2 年目)に対する,天水田用水量計算表⑮「粗用水量」を
計算地点毎に計算する。
(8) 水田畑のサブルーチン「sub_hatake」を計算地点毎に呼び出し,当該サブルーチン内
で水田畑の「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」の算出処理を行わせ
る。当該サブルーチンの引数は,「受益面積」「圃場損失×支線損失」が入力の引数で
あり,「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」が出力の引数である。
(9) 「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」において,通常水田と還元田(1
年目と 2年目)と水田畑との総和を各々算出する。なお,ここでは,計算地点毎に「全
用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」が算出される。
(10) 上記(9)で算出した粗用水量の総和を用いて,天水田用水量計算表⑯における「補
給必要量」を計算する。
別紙-4
98
<サブルーチン「sub_kasen」>
メインプログラム「kisorn」から,「転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田増
率」を引数として受ける。なお,以下の処理では,上流から下流に向かって計算し,河川
と併用とを一緒に計算している。
(1) 以下のパラメータを設定する。
・「井堰受益面積,減水深,減水深期別変化係数,面積変化係数」
・「ブロック・サブブロックと飛騨川右岸/左岸との関係」
・「早植えの植付け率,普通植えの植付け率」
・「有効降雨量,面積係数」
・「流域面積,比流量」
(2) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,「用水量係数」を計算する。
(3) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,井堰毎に,通常水田と還元田(1 年目と 2
年目)に対する,「早植用水量」「普通植用水量」「代かき用水量」「全用水量」「降雨利
用可能量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」を計算する。
(4) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,井堰毎に,水田畑のサブルーチン
「sub_hatake」を呼び出し,当該サブルーチン内で水田畑の「全用水量」「降雨利用
量」「純用水量」「粗用水量」の算出処理を行わせる。
(5) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,井堰毎に,「全用水量」「降雨利用量」「純
用水量」「粗用水量」において,通常水田と還元田(1 年目と 2年目)と水田畑との総和
を各々算出する。
(6) 井堰毎に,河川掛用水量計算表 2②「区間流量」を計算する。
(7) 井堰毎に,河川掛用水量計算表 2③「上流残量」に,1つ上流の井堰の「下流流下量
⑦」を与える。
(8) 井堰毎に,河川掛用水量計算表 2④「河川流出利用可能量」を計算する。
(9) 井堰毎に,上記(5)で算出した粗用水量の総和を用いて,河川掛用水量計算表 2⑥「河
川利用量」を計算する。
(10) 井堰毎に,河川掛用水量計算表 2⑦「下流流下量」を計算する。
(11) 井堰毎に,河川掛用水量計算表 2⑧「不足水量」を計算する。
(12) 井堰毎に,河川掛用水量計算表 2⑨「補給必要水量」を計算する
別紙-4
99
<サブルーチン「sub_tameike」>
メインプログラム「kisorn」から,「転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田増
率」を引数として受ける。
(1) 以下のパラメータを設定する。
・「溜池受益面積,溜池減水深,減水深期別変化係数,面積変化係数」
・「ブロック・サブブロックと飛騨川右岸/左岸との関係」
・「早植えの植付け率,普通植えの植付け率」
・「有効降雨量,面積係数」
・「溜池集水面積,溜池有効貯水容量,溜池比流量」
(2) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,「用水量係数」を計算する。
(3) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,溜池毎に,通常水田と還元田(1 年目と 2
年目)に対する,「早植用水量」「普通植用水量」「代かき用水量」「全用水量」「降雨利
用可能量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」を計算する。
(4) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,溜池毎に,水田畑のサブルーチン
「sub_hatake」を呼び出し,当該サブルーチン内で水田畑の「全用水量」「降雨利用
量」「純用水量」「粗用水量」の算出処理を行わせる。
(5) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,溜池毎に,「全用水量」「降雨利用量」「純
用水量」「粗用水量」において,通常水田と還元田(1 年目と 2年目)と水田畑との総和
を各々算出する。
(6) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2②「貯留可能量」を計算する。
(7) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2③「溜池流入量」を計算する。
(8) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2④「溜池貯留量」を計算する。
(9) 溜池毎に,上記(5)で算出した粗用水量の総和を用いて,溜池掛用水量計算表 2⑥「溜
池利用量」を計算する。
(10) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2⑦「溜池利用後貯留量」を計算する。
(11) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2⑧「無効放流量」を計算する。
(12) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2⑨「不足水量」を計算する。
(13) 溜池毎に,溜池掛用水量計算表 2⑩「補給必要水量」を計算する。
別紙-4
100
<サブルーチン「sub_heiyo」>
メインプログラム「kisorn」から,「転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失,還元田増
率」を引数として受ける。なお,以下の河川不足水量を算出するまでの処理は,「sub_kasen」
と同様に,上流から下流に向かって計算し,河川と併用とを一緒に計算している。
(1) 以下のパラメータを設定する。
・「井堰受益面積,減水深,減水深期別変化係数,面積変化係数」
・「ブロック・サブブロックと飛騨川右岸/左岸との関係」
・「早植えの植付け率,普通植えの植付け率」
・「有効降雨量,面積係数」
・「流域面積,比流量」
・「溜池集水面積,溜池有効貯水容量,溜池比流量」
(2) 上記サブルーチン「sub_tensui」と同様に,「用水量係数」を計算する。
(3) 上記サブルーチン「sub_kasen」の処理と同様に,井堰毎に,「全用水量」「降雨利用
量」「純用水量」「粗用水量」において,通常水田と還元田(1 年目と 2 年目)と水田畑
との総和を各々算出し,井堰毎に,「区間流量」「河川流出利用可能量」「河川利用量」
「下流流下量」「河川不足水量」を計算する。
(4) 上記サブルーチン「sub_tameike」の処理と同様に,溜池毎に,「貯留可能量」「溜池
流入量」「溜池貯留量」を計算する。
(5) 溜池毎に,上記(3)で算出した「河川不足水量」を用いて,併用掛用水量計算表 3⑥「溜
池利用量」を計算する。
(6) 上記サブルーチン「sub_tameike」の処理と同様に,溜池毎に,「無効放流量」「不足
水量」「補給必要水量」を計算する。
別紙-4
2-101
<サブルーチン「sub_hatake_n」>
メインプログラム「kisorn」から,「転作率,圃場損失,支線損失,幹線損失」を引数として受
ける。
(1) 以下のパラメータを設定する。
・「日消費水量,間断日数,TRAM 値,受益面積」
・「早植えの植付け率,普通植えの植付け率」
・「有効降雨量,面積係数」
(2) 畑かん用水量計算表②における「ブロックかん水面積」の計算を行う。
(3) 畑かん用水量計算表③における「全用水量」の計算を行う。
(4) 畑かん用水量計算表④における「降雨利用量」の計算を行う。
(5) 畑かん用水量計算表⑤における「かん水高」の計算を行う。
(6) 畑かん用水量計算表⑦におけるローテーションブロック「かん水面積」の計算を行う。
(7) 畑かん用水量計算表⑧における「かん水量」の計算を行う。
(8) 畑かん用水量計算表⑨における「純用水量」の計算を行う。
(9) 畑かん用水量計算表⑩における「粗用水量」の計算を行う。
(10) 畑かん用水量計算表⑪における「補給必要水量」の計算を行う。
<サブルーチン「sub_hatake」>
サブルーチン「sub_tensui」「sub_kasen」「sub_tameike」「sub_heiyo」から,「転作率,圃場損
失,支線損失,幹線損失」を引数として受け,「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」「粗用水量」
を引数としてサブルーチン「sub_tensui」「sub_kasen」「sub_tameike」「sub_heiyo」に返す。
(1) 上記サブルーチン「sub_hatake_n」と同様のパラメータを設定する。
(2) 上記サブルーチン「sub_hatake_n」の処理と同様に,「全用水量」「降雨利用量」「純用水量」
「粗用水量」を計算する。
2-4-2. 水田畑利用(田畑輪換)
転作率を用いて,水田受益面積を A)通常の水田,B)還元田,C)水田畑に配分する。なお,D)通
常の畑も別途存在する。
A) 通常の水田では,上述の水田と同様の全用水量・粗用水量の計算方法で行う。
B) 還元田は減水深を還元田増率で増加させ,上述の水田と同様の全用水量・粗用水量の計算方
法で行う。
C) 上述の畑と同様の全用水量・粗用水量の計算方法で行う。
上記を天水掛,河川掛,溜池掛,併用掛で各々計算し,補給必要水量をそれぞれ算出する。こ
のとき,D)通常の畑は上述の畑かんの計算方法で補給必要水量を算出する。
別紙-4
2-108
2-4-4. 概略計算方法
概略計算方法を以下に示す。
(1) 水田
1) 天水掛り
別紙-4
2-109
2) 河川掛り
別紙-4
2-110
3) 溜池掛り
別紙-4
2-111
4) 河川溜池併用掛り
別紙-4
2-112
(2) 畑
1) 畑地用水高
2) 畑かん用水量
別紙-4