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1.細胞について(生化学)
( ) ミトコンドリアマトリックスには固有のDNA があり、転写、翻訳が行われる。
( ) ミトコンドリアマトリックスの機能はTCA 回路、脂肪酸の 酸化、尿素回路、ヘム代謝の全ての過程がある。
( ) リボソームは、プロテアーゼ、リゾチームやシアリダーゼのような糖鎖分解酵素、種々のリパーゼやヌクレアー
ゼ(核酸分解酵素)を含む細胞内小器官である。
( ) 細胞を構成する成分で最も多いのは多いのはタンパク質である。
( ) ぺルオキシソームは細胞を保護する働きがあり、種々の酸化反応でH2O2 を産生する。カタラーゼを多量に含む
のでH2O2 を処理できる。
( ) 細胞膜(形質膜)は リン脂質(ホスファチジルコリンが多い) 、コレステロール、タンパク質が主成分である。
膜タンパク質は細胞外側が、しばしば糖鎖付加をうける。
( ) 脂質合成を行う代表的な細胞内小器官はリソソーム である。
( ) 粗面小胞体は 分泌顆粒が小胞体に付着しているために 表面が粗い外観を呈する。
( ) 粗面小胞体は分泌タンパク質を合成する。
( ) 人体に占める重量で比較した場合の元素含量では、1位はC で 65%, 2 位はO で 18%、以下、H,Nと続く。
無機質では P、Ca、S、K の順となる。
2.アミノ酸について(生化学)
( ) 生体を構成する 20 種類のアミノ酸で、芳香族アミノ酸と呼ばれる疎水性アミノ酸はバリン、ロイシン、イソロ
イシンである。
( ) フェニルアラニンに水酸基が1個付加されてできるのはトリプトファンである。
( ) 細胞内情報伝達でタンパク質リン酸化が重要だ。その際に水酸基をもつアミノ酸がリン酸化される。それらは、
グリシン、セリン、トレオニンである。
( ) 芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン である。
( ) トリプトファンはインドール 核をもち、蛍光官能基である。
( ) 側鎖の末端に SH(スルフヒドリル)基をもつのは メチオニンである。
( ) システインが S-S 結合(disulfide 結合)して、2つつながったものをアミド結合という。
( ) S を含むアミノ酸、つまり含硫アミノ酸はシステインとメチオニン である。
( ) イミノ酸というべきアミノ酸は スレオニンである。
( ) 塩基性アミノ酸は 、リジン 、アルギニンおよびヒスチジンである。
( ) 酸性アミノ酸はアスパラギン酸、グルタミン酸 とプロリン である。
( ) アスパラギン酸は 4個の、 グルタミン酸は 5 個のC を含む。
( ) アスパラギンは 3 個の、 グルタミンは 4 個の C を含む。
( ) 肝炎など肝機能障害時は 分岐鎖アミノ酸を供給すべきだ。
( ) 必須アミノ酸は、メチオニン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、リシ
ン、ヒスチジンである。
( ) システインはグルタミン から代謝で誘導されるので必須アミノ酸ではない。
3.タンパク質について(生化学)
( ) ビタミンC(アスコルビン酸)の欠乏により、コラーゲン の翻訳後修飾(プロリン、リシンの水酸化)障害とな
り、毛細血管が脆弱になり壊血病になる。
( ) ペプチド結合は―CONH―の構造式で示される。
( ) 等電点 pI より高い pH では、タンパク質は負の電荷をもつ。
( ) タンパク質の 1 次構造とは、アミノ酸配列によるαヘリックスやβシートのことである。
( ) ヘム含有タンパク質をヘムタンパク質という。これはヘモグロビン、ミオグロビン、カタラーゼの 3 つである。
( ) 多くの血清タンパク質は糖タンパク質だが、プレアルブミン(トランスサイレチン)、アルブミンと CRPは糖鎖
を含まないとされる。
( ) ヘモグロビンのボーア効果とは、温度による酸素飽和曲線の移動である。温度が低い環境では、右へ移動する。
4.糖について(生化学)
( ) 生体の糖の多くはL体であり、5番目の炭素(Fishcer 投影図では上から 5 番目の炭素)の右側に COOH 基が
描かれる。
( ) グルコースの Fischer 投影図では 4 番目と5番目の炭素の基は同じ側に描かれる。
( ) グルコースは水溶液中では 40%程度はβアノマーをとっている。このアノマーでは いす型構造式で描いた場合、
1 番目から4番目の炭素に関してOH基が上下、交互に並ぶ。
( ) グルコースの 2 番目の炭素に関するエピマーはガラクトース 、4 番目の炭素に関するエピマーはマンノースで
ある。
( ) グルコースは水溶液中で一瞬、鎖状構造をとる。このときアルデヒド基をもつことになるので酸性を示す。
( ) グルコースは、そのアルデヒド基が酸化されると、グルクロン酸 になる。
( ) グルコースはアルドースであるが、フルクトースはケトースである。
( ) グルコース、フルクトースとも C6H12O6 という化学式である。
( ) マルトースはフルクトース が2分子縮合してできる。
( ) ラクトースは とグルコースが 1→2 結合してできる。
( ) スクロースはグルコースと が 1→4 結合してできる。
( ) グリコーゲンはグルコースαアノマーが 1→4 または 1→6 結合してできる。セルロース はグルコースがβ1→4
で多数結合したもので人は消化できない。
( ) イヌリンはガラクトースが多数結合してできた多糖で、糸球体ろ過の測定に用いられる。
( ) ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸はいずれも N-アセチルグルコサミン(NAG)を構成成分としている
ムコ多糖である。
( ) ヘパリンはNAG をアミノ糖として含むほか、酸性糖として アスパラギン酸、およびグルクロン酸を含む。
( ) ヘパリンはトロンビンを活性化して血液凝固を阻止する。
( ) PAS 染色では、過ヨウ素酸HIO4 の作用により、糖の炭素原子間の結合を切断しアルデヒド基CHOを生成さ
せ、これをアミノ基と反応させる。(シッフ反応)
5.脂肪について(生化学)
( ) 必須脂肪酸はオレイン酸 、αリノレン酸、 アラキドン酸である。
( ) 飽和脂肪酸のうち、ヒト体内で最も多いのは ステアリン酸である。
( ) 体内の脂肪酸(構造、貯蔵脂質を含めて)で最も多いのはオレイン 酸であり、50%を占める。
( ) 炭素数が 18 個の脂肪酸としてはステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸があり、この順番で二重
結合が増えていく。
( ) アラキドン酸は炭素数 20 で、6 個の二重結合を持つ。
( ) 脂肪酸に二重結合が1つ導入されるたび、水素原子は 1個減少する。
( ) C18 個H32 個O2 個からなる脂肪酸は 4 個の二重結合を含む。
( ) ホスファチジル(基)というのは、リン酸、グリセロール骨格、および(それにエステル結合した)2 本の脂肪
酸からなる。
( ) レシチン(つまりホスファチジル )はホスホコリン(ホスホリルコリン)を含む。
( ) スフィンゴミエリン(SM)は スフィンゴ脂質であり、セラミドが骨格となっている。コリンを持つ。
( ) コリンの構造は N に3つのメチル基(CH3)が付いており、その反対側にCH2-CH2-OH となっている。
コリンは正味で 2 個の正電荷をもつ。
( ) 極性の強さを較べると、コレステロールエステルはコレステロールよりも極性が 高い。 またコレステロールは
リン脂質よりも極性が高い。
( ) オレイン酸(C18)、パルミトレイン酸(C16)ともに二重結合の数は 2 個である。
( ) ホスホリパーゼC は、ホスホリルコリンをもつ脂質(つまりレシチンやスフィンゴミエリン)からコリンを遊離
させる。
1.総論
( ) Weisberg によると浸透圧=1.86 [Na+]+ 血糖値/ 18+ 尿素窒素値/ 2.8 である。なお、この血糖値と尿素窒素の
単位は、ともにmol/Lである。
( ) 浸透圧は粒子の数に比例するため、同じ濃度mg/dLであれば分子量が小さい粒子のほうが浸透圧が高い。
( ) Tonks の許容誤差限界は、基準範囲の 1/6 (つまり 1SD)を、中央値で割った値を%で表したものである。
( ) 北村の許容誤差範囲は個人内の生理的変動幅を用い、Tonksよりも厳しい。
( ) 基準分布が正規分布するのは(浸透圧関係)Na 、Cl、グルコース、(膠質浸透圧関係)総蛋白とアルブミン、
ほかに、Ca、 IP、尿酸である。
( ) 立位では総タンパク、アルブミンともに上昇する。アルブミンに結合する Cu も上昇する。リポタンパク質、ト
リグリセライドも上昇する。つまり血液の濃縮ということ。
( ) 男性が高いのは、血清鉄、フェリチン、尿酸、クレアチン、γ-GT である。女性が高いのは、HDL-コレステロ
ールとクレアチンである。
( ) ACTHとコルチゾールは早朝低値。血清鉄(Tf)も同様である。
( ) 睡眠中高いのは 抗利尿ホルモン、成長ホルモン、PRLとメラトニンである。
( ) 食後低下するのはTGと無機リンである。
( ) 赤血球内の濃度が血漿の 20 倍以上高いのは、LD, 鉄, AcP, K, および ASTである。一方、赤血球内にCKおよび
コレステロールエステルは存在しない。
( ) 採血後室温放置で、LCAT が働くためエステル型コレステロールが高値になる。
( ) 小児で高値なのは、(骨系)ALP, IP, Caと(筋・運動時肝虚血系)ALT, AST, LD, CKである。
( ) 女性は閉経後、総コレステロールは低下する。
( ) 血清成分で Na と Clは正の相関がある。
( ) 血清成分で アルブミンとCaは正の相関がある。
( ) 血清成分で 銅とセルロプラスミンは正の相関がある。
( ) 静脈血は動脈血に比べ、より高濃度の糖を含み、より低濃度の乳酸、ピルビン酸を含む。
( ) NaF(フッ化ナトリウム)はホスホフルクトキナーゼを阻害する。
( ) 全血を長時間室温放置すると、グルコースは上昇、逆に、無機リン、乳酸、ピルビン酸、アンモニアが低下する。
( ) 全血の冷蔵保存でNa-K-ATPase阻害するので、血清 K値が上昇する。
2.総論(分光光度法)
( ) 入射光 Io、 透過光 Itとすると、透過率T(%)は 10×(Io/It)である。
( ) 吸光度Aは log (Io/ It) に等しい。つまり A = 2 -logT である。さらに Aは 光路長と溶液の濃度に比例する。
( ) 吸光度 0.2から 0.7 くらいが誤差は少ない。それより低すぎても高すぎても不正確となる。
( ) 乳びによる混濁があると、広い波長範囲で吸光度の誤差となる
( ) 分子量が 180 の物質 180mgを水 100mlに溶かしたら吸光度が 0.2であった。セルの厚さは 1cmであった。
この物質のモル吸光係数は 40 である。 (ヒント:まず濃度が 0.01mol/Lであることを示せ。)
( ) オキシダーゼ系測定法は発生する二酸化炭素を、フェノール、4アミノアンチピリンおよびペルオキシダーゼを
用いて赤色キノン色素を発色させる検出系を利用できる。
( ) ビリルビンやアスコルビン酸は過酸化水素を消費してしまうのでオキシダーゼ系測定法では正誤差を生じる。
ビリルビンオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼで前もって処理しておくと良い。
( ) 還元型のNAD つまりNADHは 340nmに吸収を示す。モル吸光係数は 6.3×103 である。
( ) タンパク質が 280nmに吸収を示すのは、構成アミノ酸のうち塩基性アミノ酸が吸収を示すからである。280nm
測定は簡便に(UV吸光度法で)タンパク質濃度を知る方法である。
( ) 測定時に誤差の原因となりやすい血清中の共存物質は、ビリルビン、アスコルビン酸、乳びなどがある。
3.総論(酵素反応論)
( ) ミカエリスメンテンの式によれば、Vmax に(Km+[S] )/(S)を乗じたものを v (反応速度)とする。
よって Km は Vmax と同じ単位をもつ。
( ) Km はミカエリス定数という。 [S] = Km のとき、v は Vmaxの 1/2 の速さとなる。
( ) ヘキソキナーゼはグルコキナーゼより Km が大きい。つまり酵素と基質の親和 性が高い。
( ) Lineweaver-Burke プロットは 1/[S] を縦軸、1/v を横軸にプロットする。
( ) Lineweaver-Burke のプロットは理想的には直線となり、横軸との交点は-1/km、 縦軸との交点は 1/Vmax
に相当する。
( ) 競合阻害剤の共存により、ミカエリスメンテンプロットの上昇の仕方は緩やかになる。 つまり Km は増加 し、
Vmax は同じである 。
( ) 非競合阻害剤の共存により、Km は変わらず 、Vmax は 減少する。
( ) 反応液中の酵素を減らすと、 Kmが減少する。Vmax は変わらない。
( ) 非競合阻害剤というのは、酵素を一時的に失活させるのと似ている。
( ) アルドラーゼとエノラーゼは酸化酵素である。
( ) リガーゼとは、ATP などの高エネルギー化合物の加水分解で得られるエネルギーを利用して、分子と分子を結合
させる酵素である。 シンテターゼ(合成酵素)などの語を名称に含む。
4.糖について
( ) 唾液腺アミラーゼのことをプチアリンという。
( ) ガラクタ―ゼ の欠損により乳糖不耐症をきたす。
( ) 腸管から細胞内へ濃度勾配に逆らってグルコースを輸送するのは GLUT という、イオンとグルコースを同時に
輸送する輸送体の働きによる。
( ) グルコース(G)がグリコーゲンになる過程ではG はグルコース 1リン酸(G1P) からグルコース 6 リン酸(G6P)
になり、さらに UDP-グルコース(つまり活性化型)を経てグリコーゲンにつなげられる。
( ) グリコーゲンが分解されるときは グリコーゲンデヒドロゲナーゼ という酵素により、G1P になりさらにG6P
になる。
( ) グルカゴンとノルアドレナリンは 受容体がG タンパク質 に共役しており、アデニル酸シクラーゼを活性化
し、細胞内の ATP を上昇させる。
( ) グルカゴンはホスホリラーゼキナーゼをリン酸化により活性化し、これがホスホリラーゼの活性化を引き起こ
し、グリコーゲンの貯蔵をもたらす。
( ) グルカゴンに拮抗し、グリコーゲンの生成を促進するホルモンとしてはアドレナリン がある。
( ) 6P からグルコースを生じる酵素であるG6P ホスファターゼは肝臓に豊富にあり、肝臓は全身に糖を供給する
(血糖)。筋肉はG6P ホスファターゼがないので、自分の運動のために G6P を用いる。
( ) 解糖系の律速酵素は 2つ である。
( ) 6 炭素 1 分子を 3 炭素2分子に分割する解糖系の酵素はアルドラーゼ である。
( ) 解糖系でATP を生成する過程は 3 つある。それらは ADP にリン酸を転移するので(基質レベルのリン酸化)高
エネルギーの結合を含む物質が基質である反応である。
( ) 解糖系で基質レベルのリン酸化をおこす反応の基質はグリセルアルデヒド 3リン酸、1.3-ビスホスホグリセリン
酸とホスホエノールピルビン酸である。
( ) 解糖系ではグルコースからG6P へ進む段階と、F6 からに進む段階で合計2分子の ATP を消費するが、上述の
基質レベルのリン酸化が3炭素分子でおこるので、解糖系としては正味 8個のATP 産生がおこる。
( ) ピルビン酸をアセチルCoA に変える酵素はアセチル CoAデヒドロゲナーゼ (ADH)である。
( ) ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH) はビタミン に依存する。脚気やWernicke 脳症はこの酵素の活性低下に
関係があると考えられる。
( ) TCA 回路(トリカルボン酸回路)とよばれる理由は、クエン酸やイソクエン酸が3つ(トリ)の 基をもつ分子
(カルボン酸)だからである。
( ) 解糖系の脱離酵素としてはへキソキナーゼ とアルドラーゼ がある。
( ) TCA 回路で炭素数が減るステップは酸化的脱炭酸なので、基質が酸化されると同時にNADHからHをとり
NAD+が生じる。それとともに脱炭酸なので CO2 が生じる(イソクエン酸、スクシニルCoAの反応)
( ) スクシニルCoA がコハク酸に変わるところは、唯一GTPの を産生する過程である。これはコハク酸チオキナ
ーゼ(逆反応からの命名でスクシニルCoA シンターゼともいう)による反応であり、これは逆反応をみると高
エネルギーを利用するので合成酵素に分類される。
( ) リンゴ酸がオキサロ酢酸に変えられる反応は ATPを生じる反応のひとつである。これは AST の測定で利用する。
( ) 1 分子のアセチル CoA から、3NADH, 1FADH2 、1GTP が産生されるということで合計約 10 分子の ATP が
得られる。
( ) ペントースリン酸経路ではまず、G6P がグルコース 6 リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)という酵素の作用で
酸化され 6-ホスホグルコン酸になる。
( ) ペントースリン酸経路では(核酸代謝で重要な)五炭糖が産生されるとともに、脂質代謝で重要なNADHが
産生される。
( ) G6PD 欠損では 巨赤芽球性貧血をきたす。 その患者は酸化刺激に弱い。 それはグルタチオンを還元型に戻す
のにNADH が必要であり、それはペントースリン酸経路によって供給されるからである。
( ) 過酸化水素はヒドロキシルラジカルを生じる前に除去したほうがよい。過酸化水素 H2O2 を水と酸素に変える
酵素はカタラ―ゼである。またグルタチオンペルオキシダーゼは、還元型グルタチオンの助けを借り H2O2 か
ら水を生じる。
( ) グルカゴンは糖新生を抑制する。 コルチゾールも同様である。
( ) 乳酸はアセチルCoAを経て糖新生に利用される。
( ) ピルビン酸がグルコースになる(糖新生)際に、逆戻りできないステップは 3 つある。グルコースからグルコー
ス 6 リン酸、フルクトース 6リン酸からフルクトース 1.6ビスリン酸、2 ホスホグリセリン酸からホスホエノー
ルピルビン酸のステップである。
( ) 糖新生系は肝臓と筋肉に存在する。
( ) 血糖を上昇させるホルモンはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、GH、甲状腺Hである。
( ) グルカゴンとアドレナリンはcAMP を2次メッセンジャーとする。(Gs 共役型受容体のため。)
( ) ペントースリン酸経路でNADH を生じるのは不可逆過程であるが、その後のいろいろな糖を生じる反応は可逆
過程である。
( ) TCA 回路の律速酵素は、最初にNADH を生じる反応を触媒する酵素ピルビン酸デヒドロゲナーゼである。
( ) NADPH は脂質合成に用いられる。またH2O2 処理で重要なグルタチオン を還元するのに必要である。
( ) NADPH 産生に関与する酵素はイソクエン酸デヒドロゲナーゼ と 6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼである。
( ) 脳は脂肪酸をエネルギーとして利用できない(血液・脳関門は親水性の高いものは通過しない)。脳はグルコー
スおよびケトン体をエネルギー源として利用する。
( ) 血糖値を高めるホルモンはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモン 、甲状腺ホルモンである。
( ) 腎臓のグルコース排泄閾値は 200mg/dl以上である。
( ) 赤血球疾患(マラリアやG6PD 欠損など)ではHbの代謝回転も速いので、HbA1cは血糖値から推定されるよりも
低値となる。
( ) HbA1cの測定では血漿を用いる。
( ) HbA1c が 6.2%以上というのは糖尿病診断基準のひとつ。
( ) 不安定型 HbA1c はアルジミンでありシッフ塩基をもつ。(不安定なあるじ)。これはアマドリ転移により安定型
HbA1c (ケトアミン) になる。
( ) HbA1cは逆相クロマトを利用した高速液体クロマトグラフィで分析できる。
( ) HbA1c は過去 2 週間の血糖値を反映する。
( ) グリコアルブミンが主成分のためフルクトサミンは還元性をもつ。
( ) グリコアルブミンは過去 1~2週間の血糖値を反映し、グリコアルブミン/HbA1c比は 5である。
( ) 血中 1,5AG の低下は過去 2~3 日の血糖値を反映する。糖尿病ではグルコースによる拮抗阻害により再吸収できず
尿中排泄が増加するため、血中低値となる。
( ) 高血糖時には細胞内でソルビトールが蓄積し細胞傷害をおこす。
5.脂質について
( ) 脂肪酸からエネルギーを得る主要な過程はβ酸化であり、これにはミトコンドリアが必要である。赤血球など
ミトコンドリアを欠く細胞では脂肪酸をエネルギーとして利用できない。
( ) ケトン体のうち アセト酢酸は代謝されず、揮発する。
( ) ケトン体のうちアセトンとβヒドロキシ(3-ヒドロキシ)酪酸は末梢でアセチル CoA に変換されTCA 回路で
酸化される(エネルギー源として利用できるということ)。
( ) 赤血球などミトコンドリアを欠く細胞ではTCA 回路がないので、ケトン体を利用しエネルギーを産生する。
( ) コレステロールエステルはコレステロールよりもさらに親水性が高いので、リポタンパク質の中心に近いところ
に存在する。
( ) ペントースリン酸経路によって供給される NADPHは、コレステロール合成、脂肪酸合成に必要である。
( ) 中性脂肪TAG の合成では、活性化された脂肪酸(FA)であるアシルCoA から骨格に脂肪鎖を受け渡してい
く。こうしてグリセロールリン酸は、リゾホスファチジン酸、ジアシルを経て TAG になる。
( ) リゾとは脂肪鎖が 2 本ついた ということを意味する。
( ) ホルモン感受性リパーゼは アドレナリン→β受容体→Gs→アデニル酸シクラーゼ→cAMP 抑制をへて活性化さ
れ、貯蔵脂肪から脂肪酸を遊離する酵素 である。従って、アドレナリンにより遊離脂肪酸は上昇する。
( ) 脂肪酸β酸化は細胞質 で行われる。
( ) アシル(脂肪鎖)CoA はミトコンドリア内膜を透過する。
( ) マロニルCoA はアセチルCoA よりも炭素原子を 1 個多く含む。
( ) コレステロール合成の律速段階はHMG-CoA からメバロン酸 を合成する段階。この反応を担う酵素HMGCoA
レダクターゼはスタチン系薬物で阻害される。
( ) 一次胆汁酸はデオキシコール酸 とケノデオキシコール酸 である。
( ) 一次胆汁酸は グルクロンまたは タウリンの抱合をうけ、親水性を増す。
( ) 二次胆汁酸はコール酸 とリトコール酸 である。
( ) 血中ケトン体が増加するのは糖尿病の場合または栄養過多の場合。
( ) 脂肪酸β酸化では1回転ごとに炭素が 2個短くなり、アセチルCoA のほか、NADHと CO2 を生じる。
( ) 胆汁酸はコレステロールに比べると水溶性 が高い。
( ) 総コレステロールの 70%はエステル型である。
( ) 腸管から脂質を輸送するリポタンパク質は LDL である。
( ) キロミクロンは B-100というアポリポタンパク質を含む。これは B-48 と同じ遺伝子産物のN-末端側断片である。
( ) キロミクロンや VLDL が脂質を脂肪組織に蓄積する際に働くリパーゼリポタンパク質リパーゼは LPL である。
( ) LPL はアポリポタンパク質C-Ⅱ によって活性化される。
( ) VLDL は 末梢から脂肪組織へ脂肪を輸送する。
( ) VLDL が脂肪を失うと LDL になり、 さらにHDL になる。
( ) LDL は VLDL が含んでいた B-48 を保持している。
( ) 中性脂肪の割合が多いリポタンパク質はキロミクロン(90%)および(60%)VLDLである。
( ) Apo-AI とApo-CI は LCAT を活性化する。
( ) Apo-AI と Apo-CI を含む、代表的なリポタンパク質はHDL である。
( ) HDL2 はHDL1 にくらべ、成熟が進んだ、やや大きなHDL である。
( ) LCAT は血清中に存在し、HDL に結合して働き、コレステロールに脂肪鎖を転移(付加)する。
( ) WHO の高脂血症分類で、CM が増加するのはⅠ 型とⅢ 型である。
( ) 高脂血症で上部にクリーム層を生じるのは Ⅰ型とⅤ 型である。
( ) 高脂血症でクリーム層はないが白濁するのは Ⅱb型とⅢ 型とⅥ 型である。
( ) ApoC-II は キロミクロンと VLDL に多く含まれる。
( ) HDLコレステロールは善玉コレステロールである。それは組織から肝臓へコレステロールを逆向きに運ぶ(胆汁
中に排出可能)からである。
( ) リポタンパク質 X は閉塞性黄疸、胆汁うっ滞の際に上昇するレシチンを多く含むリポタンパク質である。
( ) 膵性リパーゼを含め、リパーゼ活性の測定にはヘパリンや、α-ナフチルパルミチン酸または、1,2-ジリノレオイル
グリセロールを用いる。
( ) 遊離脂肪酸の測定には、脂肪酸を CoA 化(活性化)してから、アシル CoA シンターゼで H2O2 共通検出系に導く
方法がある。
( ) Abell-Kendall はコレステロールの測定法である。これはまず、エステル型コレステロールをけん化、そして
Liebermann-Burchard反応する.
( ) コレステロール測定の日本における JSCC勧告法は、コレステロールエステラーゼで遊離型コレステロールを得て、
コレステロールデヒドロゲナーゼにより生成したH2O2 を検出する系である。
( ) Friedewald の式は LDLコレ = 総コレ - (HDLコレ + 1/3 トリグリ )
( ) HDLコレの測定は、ヘパリンやデキストラン硫酸などのポリアニオンと 2価陽イオンにより、比較的疎水性の強い
LDLや VLDLを凝集させたのち(沈殿法)、コレステロール酵素法で測定する。
( ) 糖尿病では悪玉(LDLとその源である VLDL)が増える。よって血中TG, 総コレ、遊離脂肪酸も増加する。だが、
善玉(HDL)が低下する。
( ) コレステロールエステル(CE)転移タンパク質(CETP)の欠損によって、 HDLが肝へコレステロールエステル
を渡す過程の障害となる。よって、血中HDLコレ高値となる。
( ) 高脂血症診断基準は空腹時採血の結果を用いる
( ) 高脂血症診断基準は、高 LDLコレ血症 140mg/dL以上、低HDLコレ血症 40mg/dL未満、 高TG血症
200mg/dL以上である。
( ) TG が 300mg/dL以上のとき、食後採血時は non-HDL値を用いる。その基準は LDLコレ + 30mg/dLとする
( ) 膵臓リパーゼのほか、血管壁に存在するリポプロテインリパーゼ(LPL)と、脂肪組織内に存在するホルモン感受
性リパーゼがある。後者はアドレナリンで活性化される。
( ) 糖尿病とネフローゼ症候群では LDLコレが増加するが、HDLコレは低下する。
( ) 血清中の中性脂肪(TG)に結合している脂肪酸のうち、最も多いのはパルミチン酸(44%)、次はオレイン酸
(26%)である。
( ) 血清グリセロールを消去せずTG 測定すると、TG 値はその分だけ高くなる。5mg/dLグリセロールがあると、
TG値は約 50mg/dLだけ高くなる。
( ) 中性脂肪の alcoholic KOH-GK-PK-LD-UV法では、まず KOHアルカリによる加水分解でグリセロールが生じ、
それをGKでリン酸化、その際に ADPが生じるのでそれに PKの作用で PEPからリン酸基を転移する。その際に
生じるピルビン酸を LD で乳酸にする。
( ) 8 時間以上の絶食をしてから中性脂肪を測定する。
( ) ネフローゼ症候群ではChEやリポタンパク質が低値となる。よってコレステロールも低値となる。
( ) Lp(a)は B-100にアポリポタンパク質(a)が結合したもの。アポ(a)はヘパリンと配列が似ており、プラスミノゲン
がレセプターに結合するのを競合阻害し、線溶系が阻害されるので血栓形成傾向になる。
6.血清蛋白質について
( ) プレアルブミン(トランスサイレチン)は電気泳動において 陰極への移動が速い。
( ) トランスサイレチンは、T4 およびコルチゾール 輸送を行う。
( ) アルブミンは起立により、高値となる。 組織へ水分が出て行くので濃縮されると考えられる。
( ) アルブミンは脂肪酸、脂溶性ホルモン、 間接ビリルビン、および Ca を結合。 なお、アルブミンは糖タンパク質
である。
( ) ネフローゼ症候群ではアルブミン が低値となり、A/G 比が減少する。
( ) エラスターゼを阻害する作用があり、欠乏により肺気腫 をきたすタンパク質はセルロプラスミンである。
( ) Wilson 病、Menkes 病はCu の細胞外への輸送の障害。セルロプラスミン の低値を伴う。
( ) α2 分画にくるリポタンパク質は キロミクロンである。
( ) 電気泳動では重い順(VLDL LDL HDL)に分画されるわけではなく、 原点にとどまるリポタンパク質は VLDL
である。
( ) β分画のタンパク質といえば、 トランスフェリン、ヘモペキシン 、 LDLである。
( ) βグロブリンとγグロブリン分画の間にくるタンパクはフィブリノーゲンである。
( ) γグロブリンの多くは抗体分子である。これは等電点が 6.3~7.3 というように比較的高いタンパク質が多いの
で、 中性条件では荷電がゼロになりやすい。 だからお互い反発せず溶解しやすい。
( ) γグロブリンはかろうじて沈殿する疎水コロイドである。これを安定させる親水(保護)コロイドがアルブミン
である。
( ) アルブミンの等電点は 4.7 であり、pH7 付近では余裕でプロトン放出し陽極に荷電している。
( ) 血清中、最も高濃度に含まれる補体は C3 、次に多いのは C4 である。
( ) C3,C4 とも γ分画に含まれる。
( ) CRPは IL-1 により転写活性が促進される。
( ) 生後半年から10歳にかけて、α2 マクログロブリンが増加しα2 分画が高値となる。
( ) 生後3ヶ月で γ-グロブリンが低値となり、10 代後半に成人レベルになる。
( ) 多発性骨髄腫ではβ-γブリッジングが起こりやすい。
( ) 妊娠中はアルブミン が低下、β分画がやや増加しやすい。
( ) フェリチンやトランスフェリンと結合しているとき鉄の価数は3価である。つまり Fe3+ である。
( ) グロブリンはアルブミンに比べ、疎水性が強いので硫酸アンモニウムなどの塩で沈殿しやすい。
( ) Folin-Lowry 法(700nm)やビウレット(545nm)法やクマシーブリリアントブルー染色 590nmは、総タンパク質の
測定法である。
( ) ビウレット法は、アミノ酸の側鎖でなくペプチド骨格にCu2+が結合するのでタンパク質の種類によらず測定でき
るが感度は低い。
( ) アミノ酸はビウレット法では検出できない。ビウレット法はアミノ酸が 10 個以上結合したペプチドを検出する。
( ) アルブミンの pI値(等電点)は約 6.4 である。
( ) アルブミンはアニオンギャップに占める最大の陰イオンである。 1 g/dL= 2.5mEq/Lに相当する。
( ) アルブミンの血中半減期は約 8日である。これは比較的長い。半減期の短いの(rapid turnover)で有名なのは
トランスサイレチン(プレアルブミン)、レチノール結合タンパク質がある。
( ) BCG(ブロムクレゾールグリーン) はアルブミンの測定に用いられるが、BCP(ブロムクレゾールパープル)は
特異性がより優れている。
( ) 急性相タンパク質のうち first class(いち早く反応する)のものは CRPと血清アミロイド Aタンパクである。
炎症刺激後、2,3 日でピークとなる。
( ) 急性期に減少するタンパク質はトランスサイレチン(プレアルブミン)とトランスフェリンである。アルブミンも
減少する。
( ) 急性期に上昇するタンパク質は、α1 アンチトリプシン、α1 酸性グリコプロテイン、ハプトグロブリン、α2
マクログロブリン、セルロプラスミン、C3、C4、フィブリノーゲンなどである。
( ) γ-グロブリンが減少するのは、栄養失調などとネフローゼ症候群である。ネフローゼ症候群ではアルブミン減少
は当然だが、γ-グロブリンも減少する。
( ) γ-グロブリンは急性期には増加しないが、慢性炎症・慢性感染症では増加する。
( ) タンパク質(g)の値を 6.25で割れば、含まれる窒素量(g)となる。
7.非タンパク性窒素(NPN)
( ) 血液中の非タンパク質性窒素のうち最も多いのは尿酸(45%)、次に多いのは尿素とアミノ酸(ともに 20%)、
クレアチニン(5%)とつづく。
( ) 体内の過剰なアミノ酸の処理で、多くのアミノ酸はアミノ基転移反応によってアミノ基をグルタミン酸に集める。
( ) グルタミン酸からアンモニアを生じる酵素はグルタミン酸デヒドロゲナーゼである。ここで生じたアンモニアは
尿素回路に供給される。
( ) アスパラギンだけ、尿素回路に直接、窒素を供給できる。
( ) グルタミン酸からアンモニアを生じる反応は酸化的脱アミノ反応であり、グルタミン酸は酸化されNADPH を
生じる。
( ) トランスアミナーゼはビタミン B1 を補酵素とする。 ビタミン B1 はピリドキサルリン酸である。
( ) 尿素回路において尿素を直接産生する反応の前駆体はアルギニンである。その反応の酵素はアルギナーゼである。
( ) 尿素回路が存在する臓器は、腎臓である。
( ) 尿素回路のカルバモイルリン酸とシトルリンが生成される場所は細胞質である。
( ) 尿素回路の律速酵素はアルギナーゼである。
( ) グルタミナーゼは肝臓と筋肉に存在する。
( ) 同じ濃度なら、尿素よりもアンモニアの毒性ははるかに強い 。
( ) 肝機能障害 により、高アンモニア血症がおこり、また芳香族アミノ酸濃度上昇の作用により肝性脳症となる。
( ) グルタミン酸のアミノ基がオキサロ酢酸に転移する反応では 2-オキソグルタル酸とアラニンが生じる。
( ) 必須アミノ酸はメチオニン、トレオニン、バリン、ヒスチジン(以上、糖原性)、イソロイシン、トリプトファン、
フェニルアラニン(糖源性かつケト原性)、ロイシン、バリン(ケト原性)である。
( ) ケト原性アミノ酸はアセチル CoA に代謝されるが、TCA 回路に入るときリンゴ酸を消費しクエン酸となるため、
糖新生によりグルコースを増やすことができない。
( ) システインは チロシンから合成される。
( ) ホモシステインからメチオニンを生じる反応は葉酸が基質であり、 ビタミン B6が補酵素である。
( ) メープルシロップ尿症では 芳香族アミノ酸が蓄積する。
( ) フェニルケトン尿症ではフェニルアラニンがチロシン になれない。
( ) フェニルケトン尿症では(チロシンの産生不足により)メラニンが形成不全となる。色白、白髪となる。
( ) アルカプトン尿症では 分岐鎖アミノ酸が蓄積する
( ) 尿素の簡略構造式はNH2-CO-NH2 であり、尿素窒素濃度(mg/dl)は尿素濃度(mg/dl)よりも大きい。
( ) 尿素窒素量に 60/28 を乗じると尿素量になる。
( ) グリシンとアセチルCoA がδアミノレブリン酸の合成材料である。
( ) ヘム合成では ウロポ、コプロ、プロトと進むにつれ、疎水性が強くなる。
( ) パントテン酸(CoAの材料)とビタミン B6(ヘム合成に必要)の欠乏症に貧血がある。
( ) 間接ビリルビンはタウリン酸抱合をうけて直接ビリルビンになる。
( ) 直接ビリルビンは水溶性が高い。
( ) 間接ビリルビンは脂溶性なので、アルブミンに結合している。よって、尿中 へ排泄されることはほとんどない。
( ) 閉塞性黄疸では直接ビリルビンが血中に逆流し、水溶性なので尿へ出る。
( ) ウロビリノゲンは 肝臓において細菌の作用で生じる。
( ) 閉塞性黄疸ではそもそもビリルビンが腸に出て行かないので、尿中ウロビリノゲン は陰性である。
( ) 溶血性黄疸では処理しきれない間接ビリルビンが血中上昇する。腸への直接ビリルビン排泄は減少するので、
ウロビリノゲン産生が減少し血中、尿中で陽性となる。
( ) 溶血性黄疸では 間接ビリルビンが血中上昇するので尿中間接ビリルビンは 陽性である。
( ) Dubin-Johnson 症候群では、直接ビリルビンを胆管に送ることが出来ない。 閉塞性黄疸に似た状態となり血中の
直接ビリルビンが上昇する。
( ) 間接ビリルビンは脂溶性なので、直ビよりも毒性が低い 。
( ) 新生児黄疸では 間接ビリルビンが上昇する。
( ) 間接ビリルビンは光に不安定である。(新生児黄疸は青色光線療法が可能)
( ) ヒスタミンはヒスチジンから合成される。
( ) セロトニンはフェニルアラニンから合成されるのでインドール核をもつ。
( ) ヒスタミン、セロトニン 、カテコールアミン(CA)はモノアミンに分類される。
( ) カテコールアミン の合成順序: ドパミン、ドーパ、ノルアドレナリン 、アドレナリン。
( ) ドーパは グリシンから合成される。
( ) バニリルマンデル酸(VMA) は、ノルアドレナリン、アドレナリンの共通代謝産物である。
( ) クレアチンはチロシン とアルギニンを材料として、グアニジノ酢酸を経て合成される。
( ) クレアチンから自然にリン酸がとれクレアチニンになる。クレアチンリン酸からも自発的にクレアチニンができる。
( ) クレアチンは筋で合成される。
( ) 腸肝循環するのはコレステロール(胆汁酸)とビリルビン(ウロビリノゲン)のみである。
8.臨床酵素について
( ) ウリカーゼは尿酸レダクターゼである。
( ) グルコースオキシダーゼはα型グルコースに作用する。
( ) ヘキソキナーゼはα型、β型グルコースの両方に作用する。
( ) ヘキソキナーゼはグルコースのみに作用するので、特異性が高い。
( ) ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼはMgにより賦活化(活性化)される。
( ) AST、ALT の補助因子はピリドキサルリン酸(ビタミン B6)である。
( ) c-ASTの血中半減期は 5 時間程度、m-ASTの半減期は2時間程度である。
( ) ASTの測定では アスパラギン酸(Asp)のアミノ基を 2-オキソグルタル酸に転移し Asp はオキサロ酢酸となる。
それをリンゴ酸に変える。これはTCA回路の反応の逆反応なので、NADHでなくNAD+を生じる反応である。
( ) 肝炎ではALT、AST、γ-GT が上昇する。
( ) LDアイソザイムの LD1は4つのMサブユニットからなる。
( ) 乳酸を LD反応の基質とするときは、NAD+は還元され、NADHが生じる。
( ) LD4,5が上昇するのは、筋肉の崩壊か、肝炎である。 LD5 のみ上昇するのは急性肝炎である。
( ) LD反応の至適㏗は、ピルビン酸を基質とするときに比べ乳酸基質のほうがよりアルカリ性である。
( ) LD3, LD4, LD5 は LD1, LD2 に比べ安定である(失活しにくい)。
( ) 悪性貧血のような大球性貧血では細胞が壊れやすく、LD1 と LD2 がともに血中で上昇する。それに比較し、
心筋梗塞では LD1 と LD2が上昇するが LD1 が優位な上昇となる。
( ) LD2,3が上昇し、しかし AST があまり上昇しない(LD/AST 比が大)ならば 白血病、癌である。
( ) 酸性ホスファターゼ(AcP)はアルカリ性条件では失活しやすい。
( ) 破骨細胞由来の AcPは L-酒石酸によって阻害を受ける。
( ) AcPは肝臓に最も多く含まれている。
( ) 原発性副甲状腺機能亢進症では PTHによる破骨細胞活性化が生じ、破骨細胞内の AcPが流出し、血中AcPが
高値となる。
( ) γ-GTは腎臓に最も多く存在するが、血清中に遊離するのは肝臓の毛細胆管の刷子縁由来の酵素である。
( ) γ-GTは膜酵素である。
( ) γ-GTはγ-カルボキシル基を他のアミノ酸などに転移する転移酵素である。
( ) ALPは胆汁の逆流または、骨形成が活発なとき上昇する(小児で高値)。
( ) ALPはMgが分子中に含まれ、Clにより活性化される。
( ) EDTA混入により Zn, Mgがキレートされるので、ALPは偽高値となる.
( ) 65℃10分処理でも安定なALPは、小腸型 ALPである。
( ) 閉塞性黄疸では 膜酵素つまり ALT, γ-GT, LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)が上昇する。
( ) アミラーゼは急性膵炎で上昇、慢性膵炎では低下することが多い。
( ) 流行性耳下腺炎では血中 P型アミラーゼが上昇する。 S型アミラーゼ上昇は、膵炎か慢性腎不全である。
( ) アミラーゼの基質としてG7-CNPなどがある。これはグルコースが 7個連結し(マルトヘプタオース)、その左端
(非還元末端)は非修飾である。還元末端は発色基質 CNP(2-クロロ-4-ニトロフェノール)で修飾されている。
( ) アミラーゼはCuが必要。さらに Znによる活性化あり。
( ) CKは SH酵素である。
( ) CK活性を維持するための SH保護剤には、システイン、グルタチオン、メルカプトエタノール、N-アセチルシス
テインなどがある。
( ) CK-MBの半減期は 10-15 時間と短く、リアルタイムでの心筋梗塞の評価を可能にする。
( ) CKアイソザイムの免疫阻害法ではCK-Bサブユニットを阻害する。CK-MBは半分の活性となる。
( ) CK は筋(心筋を含む)損傷で上昇する。
( ) CKは甲状腺機能低下症で低下する。
( ) クレアチンリン酸を基質とするCKの紫外部測定法では、まずリン酸基を ADPに移しATPを得て、それを用い
てグルコースをリン酸化しG6Pを得る。さらにそれをG6PD で酸化しNADHを生成する。
( ) 血中に存在する ChEはほとんどが肝臓で生成された酵素であり、肝機能低下により低下する。
( ) ChEはネフローゼ症候群で上昇する(ネフローゼによりアルブミン喪失で肝でのタンパク合成亢進するため)。
( ) ChEは脂肪肝で低下する。
( ) 硫酸エゼリンはChEの阻害剤である。
( ) メタミドホスなど有機リン剤はChE活性を亢進する。
9.無機質について
( ) 生理食塩水は 9%のNaCl水溶液である。
( ) 血漿の浸透圧濃度は約 285mOsm/kg H2Oである。
( ) ネフローゼ症候群ではアルブミンが尿中に漏出し、血漿浸透圧の低下により水が血管外に出て浮腫が起こる。
( ) 正常な状態では膠質浸透圧は約 mmHgである。
( ) 正常な動脈血の[HCO3- ]は 12 mEq/L であり、また [H2CO3] は 0.6 mEq/L である。 (20:1 に注目せよ)
( ) アニオンギャップは K から Cl と HCO3 を引いた差 である。
( ) アニオンギャップは不揮発性酸に相当する。それは乳酸、ケトン体やH2PO4- や硫酸などである。
( ) Naはクレンチングで上昇する。
( ) SIADHで高Na血症になる。
( ) Kの測定に使われるのは 15-クラウン-5電極である。
( ) Kは血清より血症で高値となる。
( ) クッシング症候群では、低 K血症となる。
( ) 血中で、約半分のCaはアルブミンに結合している。総Caを測定する場合、低アルブミン血症があるときは Caを
測定値よりも高くなるように補正する。
( ) アルカローシスにおいては、Caがアルブミンに結合しやすいので、高 Ca血症の症状が出やすい。
( ) Caの化学的測定には o-CPC や MTXが用いられる。
( ) 血清アルブミン値と血清 Caは負の相関を示す。
( ) Ca測定にアコニターゼを用いた酵素法がある。
( ) Mg測定ではチタンイエロー、バソクプロイン法が代表的である。
( ) Mgの酵素法ではグルコースと ATPを基質としたヘキソキナーゼの反応がMgにより活性化されることを利用
している。生成したG6PをG6PDで反応させ、紫外部吸収法で測定する。
( ) 無機リン IPの測定では Fiske-Subbarowがある。これはリンモリブデン錯体を生成し、還元する。
( ) 無機リンの酵素法では、PNP(プリンヌクレオシドホスホリラーゼ)でイノシンからヒポキサンチンを生じ、それ
を酸化する。
( ) 無機リン酸の測定には、MPL(マルトースホスホリラーゼ)により、スクロースからG1Pを得て、ムターゼで
G6Pにし、G6PD を用いた酵素法もある。
( ) 血清鉄が上昇するのは Fe を使えないので再生不良性貧血と、肝フェリチン放出するので急性肝炎、慢性肝炎、
肝硬変などである。
( ) 鉄は腸管から体内へ吸収されるとき、およびポルフィリン に結合してヘムとして機能するときは Fe3+である。
( ) 松原法で血清鉄を測定するときは、Fe2+をトランスフェリン からはがした後、アスコルビン酸などで還元するこ
とにより Fe3+ にすることでバソフェナントロリンに結合できるようになる。
( ) 鉄のキレート剤でよく用いるのは、バソフェナントスロリン、EDTA 、ニトロソ-PSAP である。
( ) 血清中の陽イオン濃度を多いほうから K、Na、Ca、Feとなる。
( ) 血清中の陰イオンを多いほうからHCO3 -、Cl、そしてタンパク質などがつづく。