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中学生・高校生の電子メディア接触と生活リズムについて
―島根県及び益田市の現況と
益田市での取組について―
2013年11月9日島根県益田市
中島こどもクリニック
中島 匡博
1.実体験、五感、身体を動かす、コミュニケーションの
時間が失われる
2.メディア依存、いじめ、ネットトラブル
3.メディア使用による身体や心への負の影響
(バーチャル、過激・暴力的映像、視力・体力低下、
電磁波、睡眠不足など生活リズムの乱れ)
4.人間関係が希薄化
(会話の減少、顔をみて話さない)
子どもの長時間メディア接触の問題点
【目的】中高生は、携帯電話・スマートフォンの所有率が高く
なる年代で、生活リズムの乱れ、依存等様々な問題が生じている。電子メディア長時間接触による、思春期世代に及ぼす心身への負の影響の現状の把握及び対応が必要な状況となっている。今回、島根県及び益田市の中高生の電子メディア接
触と生活リズム等の実態と益田市圏域での子どもとメディア啓発について検討した。
【対象と方法】
平成24年に島根県教育庁により県内小学校5、6年生・中学
1、2、3年生・高校1、2、3年生・特別支援学校生を対象に生活と
メディア接触に関するアンケートが実施された。
平成24年に島根県益田市内のA中学1、2、3年生、B高校2年生にメディアアンケートを実施した。A中学校では平成20年から
毎
年、B高校では平成24年にメディア授業を行った。
島根県教育庁により実施されたアンケート調査結果の中、回答
の得られた県内中学生(男子4,198人、女子4,263人)・高校生
(男子2,805人、女子2,466人)及び益田市内のA中学生(男子
125人、女子143人)、B高校生(男子73人、女子78人)を対象とし
てメディア接触・生活リズム・依存等について検討を行った。
メディア機器所有率
0
2 0
4 0
6 0
8 0
1 0 0
中1 中2 中3 高1 高2 高3
携帯電話 スマートフォン
平成24年 島根県
(%)
0
10
20
30
40
50
中1 中2 中3 高1 高2 高3
<1時間 4時間~
テレビ視聴時間
0
10
20
30
40
50
中1 中2 中3 高1 高2 高3
<1時間 4時間~
平日 休日(%) (%)
平成24年 島根県
0
2 0
4 0
6 0
8 0
1 0 0
中1 中2 中3 高1 高2 高3
メール ケ ゙ ー ム機 ネ ッ ト ケ ゙ ー ム S N S等
(%)
メディア利用法
平成24年 島根県
0
5
1 0
1 5
2 0
2 5
中1 中2 中3 高1 高2 高3
少しあてはまる ほぼあてはまる
ゲーム・ネット・ケータイを止めるとイライラする割合
(%)
平成24年 島根県
0
20
40
60
80
100
なし 時々 毎日
(%)(%) 倦怠感あり
平成24年 島根県益田市内A中学校
午前中の体調
0
20
40
60
80
100
朝目覚めよい 午前授業集中
1年 2年 3年
0
10
20
30
40
1年 2年 3年
携帯電話 スマートフォン
(%)
平成24年 島根県益田市内A中学校
メディア機器所有率
0
10
20
30
40
<1 1~ 2~ 3~ 4~ 5~ 6~
平日(%)
0
10
20
30
40
<1 1~ 2~ 3~ 4~ 5~ 6~
1年 2年 3年
平成24年 島根県益田市内A中学校
メディア接触時間
(%) 休日
0
5
10
15
20
<10 10~ 20~ 30~ 40~ 50~
1年 2年 3年
(%)
平成24年 島根県益田市内A中学校
携帯電話でのメール回数
(回)
0
10
20
30
40
50
60
よく感じる 時々 殆ど感じない
平成24年 島根県益田市内B高等学校
平日午前中に倦怠感を訴える割合
(%)
0
10
20
30
40
<1 1~ 2~ 3~ 5~0
10
20
30
40
<1 1~ 2~ 3~ 5~
(%) (%)平日 休日
平成24年 島根県益田市内B高等学校
メディア接触時間
0
10
20
30
40
50
60
<10 10~ 20~ 30~ 40~ 50~
(%)
平成24年 島根県益田市内B高等学校
携帯電話でのメール回数
0
10
20
30
40
50
よくある 時々 殆どない
30回以上 30回未満
(%)
平成24年 島根県益田市内B高等学校
「メール回数」と「集中できない」との関連
【考察】島根県の中高生のスマートフォン所有率は、中学生は、高学年程高く、高校
生は6~7割でほぼ一定していた。テレビ視聴は、長時間接触は、平日に比べ休日は著増した。携帯電話所有率は、中学生は、高学年程高く、高校生は5~8割であった。朝起きがよくない割合は、中学生は、高学年ほど高く、高校生は約2割でほぼ一定していた。ゲーム・ケータイ・ネットを止めるとイライラする割合は、中高生共に約6~7 %であった。メディア接触時間を減らしたいと思っている割
合は、中高生共に3~4割で、メディア接触の現状に危機感を持っていることが示唆された。益田市内のA中学校生は、午前中に倦怠感を訴える割合は、6~8割であった。
携帯電話所有率は、高学年程高く、2割から3割に増加した。スマートフォン所有率は、1割未満であったが、1年から2年に著増した。メディア接触時間は、島根県の調査結果とほぼ同様の傾向を認めた。携帯電話でのメール回数は、50回以上の高頻度使用の割合が、高学年程著増した。益田市内のB高校生2年生は、午前中倦怠感を訴える割合は、約7割であった。
メディア接触時間は、島根県の調査結果とほぼ同様の傾向を認めた。メール回数が多いと、集中できない傾向を認めた。
倦怠感を訴える生徒がみられ、ケータイメールの頻回使用等の電子メディア長
時間接触が、生活リズムに負の影響を及ぼしている可能性が示唆された。
子どもとメディアと生活習慣
メディア
睡眠
遊び
メディアリテラシー
食
運動
メディア対策は、子どもから次世代へ
小学生
乳幼児
妊婦
中学生
思春期
次世代
子どもとメディア啓発活動ー島根県益田市を中心とした取組ー
妊婦 産科
乳幼児 幼稚園、保育所、乳幼児健診(市町村)
学童 小学校、 PTA、児童館、民生児童委員
思春期 中学校、高校、専修学校(大学)
成人 公民館、婦人会
高齢者 老人クラブ
全年齢 市町村、教育委員会、警察
○連携・継続した取組が大切
「子どもとメディア勉強会」2008年7月~ 毎月1回開催
【結語】今回の検討より、中高生のメディア長時間接触は
休日に高率で、体調不良と生活リズムの乱れが認められ、長時間メディア接触による影響の可能性が考えられた。益田市圏域では、アウトメディアの取組が、地域全
体で開始された。学校・家庭・地域が連携して、子どもとメディアの啓
発を継続していくことが重要で、学校医はキーパーソンとしての役割が期待されている。