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JPEC レポート 1 平成 27 年 4 月 28 日 世界の海上石油輸送のチョークポイント 米国エネルギー省(DOE) エネ ルギー情報局(EIA)のレポート を主なベースとして、「世界の海 上石油輸送のチョークポイント」 の現状について紹介する。なお、 本レポートは、平成23 年度JPEC レポート第 32 回の続報となる。 EIA は、国際的に広く使われ ている海上石油輸送ルートの中 で、7 つの狭い海峡(運河を含 む)を「世界の海上石油輸送のチ ョークポイント」として定義し ている。 これらのチョークポイントは、多数の石油タンカーや LNG 船などが通過するため世界の エネルギー安全保障上 重要な場所である。万一、これらのチョークポイントが何らかの影 響により通行不能になれば、代替ルートによる輸送距離とコストが増え、世界のエネルギ ー価格の高騰をもたらすであろう。 また、これらのチョークポイントでは、石油流出などタンカー事故の危険性があると同 時に、海賊によるハイジャック、テロリストによる攻撃、さらには戦闘行為などに発展する 懸念もある。 チョークポイントを通過する石油量から見て、ペルシア湾出口に位置する『ホルムズ海 峡』とインド洋と太平洋をリンクしている『マラッカ海峡』の両海峡が、世界(特に日本を 含むアジア諸国)にとって最重要な戦略上のチョークポイントとなっている。本レポートで は、これらを含む 7 つのチョークポイントの現状を浮き彫りにするとともに、代替ルート についても言及する。 1. 各チョークポイントを通過した石油量実績 2009〜2013 年に各チョークポイントを通過した石油量実績は、表 1 のとおりである。こ の表からもわかる通り、ホルムズ海峡とマラッカ海峡の通過量が圧倒的に多く、2013 年実 績ではそれぞれ 1,700 万 BPD と 1,520 万 BPD となり、合わせて 3,220 万 BPD と世界の海上 石油輸送量合計(5,650 万 BPD)の実に 57%を占めている。また、同年の世界の海上石油輸送 量合計は、世界の石油供給量合計(9,010 万 BPD)の 63%に相当する(表 1、図 1 参照)。 2015 年度 2 1. 各チョークポイントを通過した石油量実績 1 2. 各チョークポイント 2 2-1. ホルムズ海峡 2 2-2. マラッカ海峡 5 2-3. スエズ運河と SUMED パイプライン 7 2-4. マンダブ海峡 9 2-5. トルコ海峡 9 2-6. パナマ運河 10 2-7. デンマーク海峡 12 2-8. 喜望峰回りルート(その他重要ルート)13 3.まとめ 13 ( 参考 ) 石油タンカーのサイズ分類 14

世界の海上石油輸送のチョークポイントパナマ運河 (Panama Canal) 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 海上石油輸送量 合計 53.9 55.5 55.6 56.7 56.5 世界の石油供給量

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Page 1: 世界の海上石油輸送のチョークポイントパナマ運河 (Panama Canal) 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 海上石油輸送量 合計 53.9 55.5 55.6 56.7 56.5 世界の石油供給量

JPEC レポート

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平成27年4月28日

世界の海上石油輸送のチョークポイント

米国エネルギー省(DOE) エネ

ルギー情報局(EIA)のレポート

を主なベースとして、「世界の海

上石油輸送のチョークポイント」

の現状について紹介する。なお、

本レポートは、平成23年度JPEC

レポート第32回の続報となる。

EIA は、国際的に広く使われ

ている海上石油輸送ルートの中

で、7 つの狭い海峡(運河を含

む)を「世界の海上石油輸送のチ

ョークポイント」として定義し

ている。

これらのチョークポイントは、多数の石油タンカーやLNG船などが通過するため世界の

エネルギー安全保障上 重要な場所である。万一、これらのチョークポイントが何らかの影

響により通行不能になれば、代替ルートによる輸送距離とコストが増え、世界のエネルギ

ー価格の高騰をもたらすであろう。

また、これらのチョークポイントでは、石油流出などタンカー事故の危険性があると同

時に、海賊によるハイジャック、テロリストによる攻撃、さらには戦闘行為などに発展する

懸念もある。

チョークポイントを通過する石油量から見て、ペルシア湾出口に位置する『ホルムズ海

峡』とインド洋と太平洋をリンクしている『マラッカ海峡』の両海峡が、世界(特に日本を

含むアジア諸国)にとって 重要な戦略上のチョークポイントとなっている。本レポートで

は、これらを含む7つのチョークポイントの現状を浮き彫りにするとともに、代替ルート

についても言及する。

1. 各チョークポイントを通過した石油量実績

2009〜2013年に各チョークポイントを通過した石油量実績は、表1のとおりである。こ

の表からもわかる通り、ホルムズ海峡とマラッカ海峡の通過量が圧倒的に多く、2013年実

績ではそれぞれ1,700万BPDと1,520万BPDとなり、合わせて3,220万BPDと世界の海上

石油輸送量合計(5,650万BPD)の実に57%を占めている。また、同年の世界の海上石油輸送

量合計は、世界の石油供給量合計(9,010万BPD)の63%に相当する(表1、図1参照)。

2015 年度 第 2 回

1. 各チョークポイントを通過した石油量実績 1

2. 各チョークポイント 2

2-1. ホルムズ海峡 2

2-2. マラッカ海峡 5

2-3. スエズ運河とSUMEDパイプライン 7

2-4. マンダブ海峡 9

2-5. トルコ海峡 9

2-6. パナマ運河 10

2-7. デンマーク海峡 12

2-8. 喜望峰回りルート(その他重要ルート)13

3.まとめ 13

(参考) 石油タンカーのサイズ分類 14

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表1 海上石油輸送のチョークポイントを通過した石油量(100万BPD)

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

ホルムズ海峡 (Strait of Hormuz) 15.7 15.9 17.0 16.9 17.0

マラッカ海峡 (Strait of Malacca) 13.5 14.5 14.6 15.1 15.2

スエズ運河 (Suez Canal)とSUMEDパイプライン 3.0 3.1 3.8 4.5 4.6

マンダブ海峡 (Strait of Bab el-Mandeb) 2.9 2.7 3.4 3.7 3.8

デンマーク海峡 (Danish Straits) 3.0 3.2 3.3 3.1 3.3

トルコ海峡 (Turkish Straits) 2.8 2.8 3.0 2.9 2.9

パナマ運河 (Panama Canal) 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8

海上石油輸送量 合計 53.9 55.5 55.6 56.7 56.5

世界の石油供給量 84.9 87.5 87.8 89.7 90.1

Notes: All estimates are in million barrels per day. Data for Panama Canal is by fiscal years.

Sources: U.S. Energy Information Administration analysis based on Lloyd's List Intelligence, Panama Canal

Authority, Eastern Bloc Research, Suez Canal Authority, and UNCTAD, using EIA conversion factors.

図1 2013年 海上石油輸送のチョークポイントを通過した石油量(100万BPD)

2. 各チョークポイント

2-1. ホルムズ海峡

ホルムズ海峡は、イランとオマーン(アラビア半島北端のアラブ首長国連邦の領土に囲ま

れたオマーンの飛び地)の間に位置し、ペルシア湾とアラビア海を繋いでいる。同海峡の

も狭い部分は、幅21マイル(約34km)である。双方向の航路幅は、各々わずか2マイル(約

3.2km)で、それらは中央の幅2マイルの緩衝帯により仕切られている(図2、3参照)。

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図3 ホルムズ海峡の拡大図

図2 ホルムズ海峡の位置

2013年 世界の海上石油交易量の約30%に当たる1,700万BPDの石油が通過した同海峡は、

世界で も重要なチョークポイントである。なお同年、同海峡を通過した原油の 85%超が

アジア市場(日本、インド、韓国、中国等)へ向かった。また、2013 年 カタールは、ガス

換算で年間およそ1,050 億㎥のLNGを同海峡経由で輸出した。この輸出量は、世界のLNG

交易量合計の30%以上に相当する。

米国は、世界で も重要なチョークポイントである同海峡を警備するために、バーレー

ンに司令部を置く同国海軍の第5艦隊とカタールの同国空軍基地の航空機が、常時同海峡

を含む海域(ペルシア湾・紅海・アラビア海)の警戒に当っている。

万一、同海峡が何らかの影響により通行不能になった場合の代替ルートとして、同海峡

を迂回しペルシア湾外(オマーン湾または紅海)へ原油出荷が可能なパイプラインが2本敷

設されている(図4、5:参照)。

1 本はサウジアラビアの「Petroline(East-West Pipeline)」、もう1 本はアラブ首長国

連邦(UAE)の「Abu Dhabi Crude Oil Pipeline」である。なお、2013 年末時点における利

用可能なパイプライン容量は、合計で370万BPDとなっている(表2参照)。

原油およびLNG輸送用各パイプラインの概要については以下に記す。

・Petroline (East-West Pipeline)

サウジアラビアのペルシア湾岸の都市アブカイク(Abqaiq)から同国を横断して紅海沿

岸の都市ヤンブー(Yanbu)に至るルート。全長約1,200km、公称輸送能力は480万BPD

だが、現在の実動能力は200万BPDであり、280万BPDの輸送余力がある。

・アブダビ原油パイプライン (Abu Dhabi Crude Oil Pipeline)

アラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビ首長国 ペルシア湾側のハブシャン

(Habshan、アブダビ近郊)から同国のオマーン湾側のフジャイラ(Fujairah)に至るルー

トで、2012年に稼動開始した新しいパイプラインである。全長約370km、公称輸送能

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力は150万BPDだが、現在の実動能力は60万BPDであり、90万BPDの輸送余力があ

る。

図4 サウジアラビアの石油パイプライン経路図(緑色部分)

図5 アラブ首長国連邦 (UAE)の石油パイプライン経路図(緑色部分)

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・アブカイク〜ヤンブー天然ガス液(NGL)パイプライン

(Abqaiq-Yanbu Natural Gas Liquids Pipeline)

同パイプラインは、「Petroline(East-West Pipeline)」と並行して走っている。公称

輸送能力は30万BPDに過ぎず、現在フル稼動中で輸送余力はない。

・イラク パイプライン(Iraqi Pipeline in Saudi Arabia)

サウジアラビアからイラクに至るルートだが、現在は原油から天然ガスパイプライン

に変更されている。

表2 2013年 ホルムズ海峡 迂回パイプライン能力(100万BPD)

パイプライン名 国名 稼働状態 公称輸送能力 実動能力 輸送余力

Petroline

(East-West Pipeline) サウジアラビア 稼働中 4.8 2.0 2.8

アブダビ原油パイプライン UAE 稼働中 1.5 0.6 0.9

アブカイク〜ヤンブー

天然ガス液パイプライン サウジアラビア 稼働中 0.3 0.3 0.0

イラク パイプライン サウジアラビア稼働中

(天然ガスに変更)1.7 - -

合計 8.2 2.9 3.7

Notes: All estimates expressed in million BPD. Unused Capacity is defined as pipeline capacity that is not currently

utilized but can be readily available.

Sources: U.S. Energy Information Administration, Lloyd's List Intelligence.

2-2. マラッカ海峡

マラッカ海峡は、インドネシアとマレーシアおよびシンガポールの間に位置し、アンダ

マン海(インド洋)と南シナ海(太平洋)を繋いでいる(図6、7参照)。同海峡は、ペルシア湾

からアジア市場(日本、中国、韓国、環太平洋地域)へ石油を海上輸送するための 短ルー

トに当り、重要なシーレーンとなっている。また、ペルシア湾岸(特にカタール)やアフリ

カのLNG輸出各国からアジア(特に日本、韓国)向けの輸送ルートとしても重要である。

同海峡に関し国際海事機関(IMO)が、250 海里(463km)に渡り国際分離通航帯を定めてお

り、シンガポール沖では東行きが1,617m・西行きが530m と非常に狭い幅で設定されてい

る。また、同海峡の 浅部の水深は22.5mで、VLCC(図17参照)は満潮時に合わせて通過す

るための時間調整が必要である。

一方、同海峡を通ることができないULCC(図17参照)は、遠回り(同海峡経由に比べて約

1,700km増加)、バリ島〜ロンボク島間の水深の深いロンボク海峡(水深約250m)を通ってい

る。ただし、空荷のULCCは、同海峡を通り抜けることができる。

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図6 マラッカ海峡の位置図 図7 マラッカ海峡周辺の拡大図

同海峡の も狭い部分の幅は1.7 マイル(約 2.7km)で、常に船舶の衝突と石油流出の危

険性や海賊によるタンカーの乗っ取りの脅威に晒されている。IMO の報告によれば、同水

域の海上パトロールを強化した結果、2005年以降 海賊行為は減少している。

同海峡を通過した石油の2013年実績は、1,520万BPD(90%:原油、10%:石油製品)で、

2009年の1,350万BPDに比べ170万BPDも増加した。(表3参照) 一方、LNGは、2013年

ガス換算で1,190億㎥(4兆2,000億ft3)通過し、2009年の450億㎥に比べ約2.6倍も増

えている。

表3 マラッカ海峡を通過した石油量(100万BPD)とLNG量(億ft3)

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

マラッカ海峡 通過石油量

(①+②) 13.5 14.5 14.6 15.1 15.2

① 原油 11.9 12.8 12.9 13.3 13.4

② 石油製品 1.6 1.7 1.7 1.8 1.8

LNG 1.6 1.9 2.5 3.2 4.2

Notes: Tcf = Trillion cubic feet. 2013 LNG is a preliminary estimate.Sources: U.S. Energy Information

Administration analysis based on Lloyd's List Intelligence, Cedigaz, BP.

仮に同海峡が何らかの影響により通行不能になった場合は、全てのタンカーはロンボク

海峡(バリ島〜ロンボク島間)またはスンダ海峡(ジャワ島とスマトラ島間)を抜け、インド

ネシアの島嶼群を迂回する必要がある。

上記リスク回避とマラッカ海峡を通るタンカーの混雑を軽減するため、同海峡バイパス

オプションを建設する計画案がいくつか持ち上がっている。2013年7月に中国とミャンマ

ーがベンガル湾沿いのミャンマーの複数の港から、中国の雲南省に至る「ミャンマー〜中

国 天然ガスパイプライン」(120 億㎥/年)を開通させた。さらに両国は、前記ガスパイプ

ラインに並行して走る石油パイプライン(44万BPD)も建設し、マラッカ海峡を迂回して中

東原油を輸入できる同石油パイプラインは、2015年1月末に試験操業が開始された。

Lombok Strait

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2-3. スエズ運河とSUMEDパイプライン

エジプトに位置するスエズ運河は、全

長約193kmで紅海と地中海を繫いでいる。

同運河は閘門(コウモン)のない水平式運

河であるため、運河内の水流は常に変動

している。

同運河は、2010 年までは喫水制限に

よりSuezmax級タンカーが同運河を通航

できる 大サイズだったが、スエズ運河

庁が同運河を79フィート(約24m)まで深

く浚渫(シュンセツ)したため、現在はよ

り大型のタンカーが通れるようになって

いる。

また、同運河とSUMEDパイプラインは 図8 スエズ運河とSUMEDパイプラインの経路図

ペルシア湾岸諸国から石油を欧州と北米

向けに出荷する重要ルートとなっている。超大型原油タンカー(VLCCおよびULCC)は、半積

載もしくは空船時でしか同運河を通れなかったが、同パイプラインを利用し一部積み荷を

下ろすことにより、VLCCの通航が可能となった(図8参照)。2013年 これら2つのルート

を通った石油は、世界の海上石油交易量合計の約8%を占めた。同年、同運河を通過した貨

物(重量ベース)の20%が石油(原油と石油製品)、3%がLNGであった。

2013年 これまでで 大の320万BPDもの石油(原油と石油製品)が同運河を通過した。北

行き(欧州と北米向け)に190万BPD、南行き(アジア市場向け)に130万BPDが通過した。北

行きの79%は、ペルシア湾岸諸国(サウジアラビア、イラク、クウェート、アラブ首長国連

邦、イラン、オマーン、カタール、バーレーン)からの石油輸出で、その 大の輸出先は欧

州諸国が68%、米国は16%であった。南行きの66%は欧州諸国から、次いで16%が北アフリ

カ諸国(アルジェリアとリビア)からの石油輸出で、 大の輸出先(74%)はアジア市場であっ

た。

1977 年 スエズ運河庁は、同運河を通れない超大型原油タンカーのために、バイパスル

ートとして、紅海沿岸のAin Sukhna石油基地から地中海沿岸のSidi Kerir石油基地に至

る全長 200 マイル(約 322km)の SUMED パイプライン(スエズ〜地中海パイプラインとも呼

ぶ)を敷設した。

口径42インチ(約107cm)の配管が2本並行に走る同パイプラインの輸送能力は、234万

BPDである。2013年に同運河と同パイプラインを通った原油の合計量は460万BPDとなっ

た。前年に比べ10万BPD増え、これら2つのルートを通った石油は、世界の海上石油交易

量合計の約8%を占めた(表4参照)。

しかしながら、ここ過去数年、同運河を通過する原油量が増えている反面、同パイプラ

インを経由する原油量は減少している。

スエズ運河

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表4 スエズ運河とSUMEDパイプラインを通過した石油量(100万BPD)とLNG量(億ft3)

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

スエズ運河とSUMEDパイプライン

石油通過量合計 (Ⅰ+Ⅱ) 3.0 3.1 3.8 4.5 4.6

(Ⅰ)スエズ運河 通過量

① 原油 0.6 0.7 0.7 1.4 1.5

② 石油製品 1.3 1.3 1.4 1.6 1.7

石油合計 (①+②) 1.8 2.0 2.2 3.0 3.2

LNG (③+④) 0.8 1.6 2.1 1.5 1.2

スエズ運河 北向き(地中海方面)

⑤ 原油 0.3 0.4 0.5 0.9 1.1

⑥ 石油製品 0.7 0.7 0.9 0.8 0.7

石油合計 (⑤+⑥) 1.0 1.2 1.4 1.7 1.9

③ LNG 0.8 1.5 1.8 1.2 1.0

スエズ運河 南向き(アジア方面)

⑦ 原油 0.3 0.3 0.2 0.5 0.4

⑧ 石油製品 0.6 0.5 0.6 0.8 1.0

石油合計 (⑦+⑧) 0.9 0.8 0.8 1.3 1.3

④ LNG 0.1 0.1 0.2 0.3 0.2

(Ⅱ)SUMEDパイプライン 原油輸送量 1.2 1.1 1.7 1.5 1.4

Notes: Totals may not exactly match corresponding values as a result of independent rounding. Tcf = Trillion cubic

feet.Source: U.S. Energy Information Administration analysis based on Lloyd's List Intelligence, Suez Canal

Authority (with EIA conversions)

2013 年 同運河を南行きに通過したLNG のほとんどは、エジプトおよびアルジェリア産

で、その多くはアジア市場へ送られた。一方、北行きの大半はカタール産で、主に欧州市

場へ送られた。

2008~2011 年までのLNG の同運河通過量の急激な増加は、カタールでの複数のLNG プ

ラントの稼動による。しかし、双方向の通過量合計は、2011年のピークから減少に転じた。

この原因は、北行き(特にカタール産LNG)の減少によるものであり、米国と欧州のLNG 輸

入データと合致している。米国のカタール産LNGの輸入量が2011〜2012 年に63%減少し、

2013年には78%も減少した。これは米国国内でのシェールガス由来の天然ガス生産量の増

大と、いくつかの欧州諸国におけるLNG需要量の減少を反映している。その結果として、

世界のLNG交易量合計に占める同運河を通過したLNG量のシェアは、2011年の18%から2013

年には10%に落ち込んでいる。

このチョークポイントが仮に1956年のスエズ危機のような事態が再び起こり、同運河と

同パイプラインが同時に使用できなくなった場合は、アフリカ大陸南端の喜望峰沖まで南

下して大陸を迂回しなければならず、航行距離が約9,700kmも長くなる。

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2-4. マンダブ海峡

マンダブ海峡は、イエメンとジブチおよびエリトリアの間に位置し、紅海とアラビア海

を繋いでいる。同海峡は、ソマリア半島(別名:アフリカの角)と中東諸国間のチョークポ

イントであり、かつ地中海とインド洋の戦略的な接点に位置している。 も狭い部分は幅

18マイル(約29km)で、2マイル(約3.2km)幅の往復各1本の航路が大型タンカーの航行を

難しくしている(図9、10参照)。

2013年に380万BPDの石油(原油と石油製品)が同海峡を通って欧州・米国・アジア市場

に運ばれた。その内の210万BPDは北に向かい、スエズ運河またはSUMEDパイプラインを

通過した。また残りの170万BPDは、南に向かいアラビア海に出ている。ペルシア湾岸諸

国から欧州諸国へ輸出される石油の大半は、アラビア海から同海峡を抜けて紅海に入り、

その後 スエズ運河またはSUMEDパイプラインを経由して地中海に出ている。

以前は、ソマリア北部沖のアデン湾と同海峡を含む紅海南部海域に、海賊が頻繁に出没

し石油タンカーなどが乗っ取られたりしたが、 近はジブチに駐留している海上自衛隊を

含む国際的な海賊対策(哨戒機や護衛艦による警戒)により激減している。しかしながら、

近 同海峡に面するイエメンの内戦が激化してきており、政情不安がみられる。

仮に同海峡が何らかの影響により通行不能になった場合、石油タンカーはアフリカ大陸

南端の喜望峰沖を通って迂回することになり輸送時間と運賃が膨大となる。

図9 マンダブ海峡の位置図 図10 マンダブ海峡周辺の拡大図

2-5. トルコ海峡

アジアと欧州を分けているトルコのボスポラス海峡とダーダネルス海峡を合わせて「ト

ルコ海峡」と総称する。ボスポラス海峡はマルマナ海と黒海を、ダーダネルス海峡はマル

マナ海とエーゲ海を繫いでいる。全長約27km のボスポラス海峡の も狭い部分は幅698m

しかなく、かつ曲がりくねった地形のため、世界で も航行の難しい水路の1つとなって

いる(図11、12参照)。

2013年に290万BPD(70%が原油、30%は石油製品)の石油が同海峡を通過し、ロシアとア

ゼルバイジャンやカザフスタンを含むユーラシア諸国にとって、黒海沿岸の複数の港から

石油を輸出するための重要なルートになっている。

Page 10: 世界の海上石油輸送のチョークポイントパナマ運河 (Panama Canal) 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 海上石油輸送量 合計 53.9 55.5 55.6 56.7 56.5 世界の石油供給量

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図12 トルコ海峡周辺の拡大図

図11 トルコ海峡の位置図

なお、同海峡を通過した石油量は、2004年のピーク(340万BPD超)から2006年には260

万BPDまで減少した。この理由は、ロシアが原油輸出の一部を黒海沿岸の港から、バルト

海沿岸のプリモリスク港にシフトしたためである。しかし、2010~2011年にかけアゼルバ

イジャンとカザフスタンの原油生産量が増え、カスピ海地域から欧州諸国への石油輸出量

が再び増加し、それにともない同海峡を通過する石油量も増え、2013年には290万BPDま

で回復した。

トルコは、年間約4万8千隻もの船舶が往来している同海峡における、船舶事故による

石油流出時の環境破壊への脅威に懸念を強めている。現在、同国は黒海とマルマラ海の間

に石油パイプラインを敷設し、ボスポラス海峡を通過する石油タンカー数の削減を提案し

ている。

2-6. パナマ運河

パナマ共和国に位置するパナマ運河は、太平洋とカリブ海(大西洋)を繫ぐ重要なルート

である。同運河の中央部は、標高が高いため複数の閘門(コウモン)を設けて水位を上下し

て船を通す閘門式運河となっている。全長50マイル(約80km)・ 小幅110フィート(33.5m)

で、現在はパナマックス(Panamax)級のタンカー(6〜8 万 DWT)までしか通れない(図13、

14参照)。

上記サイズより大型船の通行を可能にする為、パナマ運河庁は2016年初頭までに開通さ

せる計画で、同運河拡張プロジェクトに着手している。この拡張が完成すれば、積み荷を

満載した12万DWT級のタンカーまで通航可能となるが、完成後もVLCCやULCCなどの超大

型タンカーは通航できない。

上記サイズより大型の船舶通行を可能にする為、パナマ運河庁は2016年初頭までに開通

させる計画で、同運河拡張プロジェクトに着手している。この拡張が完成すれば、積み荷

を満載した12万DWT級のタンカーまで通航可能となるが、完成後もVLCCやULCCなどの超

大型タンカーは通航できない。

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図13 パナマ運河の位置図 図14 パナマ運河の拡大図

米国は、同運河を通過するほとんどの商品の起点であり、また行き先となる国である。

2014会計年度に約1万3千隻超の船舶が同運河を通過し、その貨物の43%が米国からまた

は米国行きであった。

2013年 同運河を通過した主要商品の18%が石油(原油と石油製品)であり、世界の石油海

上輸送量合計の1.4%を占めた。2014 会計年度においては、87.7 万BPD の原油と石油製品

が同運河を通過した。そのうちの12.9万BPDが原油で、残り74.8万BPDは石油製品であ

った。68.8万BPDは北大西洋側から南太平洋側に向かい、残り18.9万BPDは南から北に

向かった。

また、パナマとコスタリカとの国境近くの「元の運河地帯(former Canal Zone)」の外側

に1982年に開通した全長約130kmの「パナマ横断(Trans Panama)パイプライン」が走って

いる。同パイプラインは、太平洋沿岸の Charco Azul 港からカリブ海沿岸の Bocas Toro

港までのルートで、アラスカのノーススロープ原油をメキシコ湾沿岸やカリブ海沿岸の製

油所へ運ぶことが目的であった。しかし、1996年に石油会社が別ルートで同原油の輸送を

始めたため停止した。その後、2009年8月に逆フロー(カリブ海側から太平洋側へ)で石油

を送るプロジェクト(60万BPD)が完成し、再利用されている。

2012年 BPとPetroterminal de Panama(PDP)社は、7年間に亘る原油輸送と貯蔵協定に

署名した。BPはこの協定により、PDP社所有のパナマのカリブ海沿岸と太平洋沿岸の貯蔵

設備をリースし、同パイプラインを利用して米国西海岸の複数の製油所へ原油を送ること

となった。即ちBPは、PDP社が貯蔵している540万バレル(約86万kℓ)の原油をリースし、

同パイプラインを経由して平均10万BPDの原油を東から西へ出荷することを約束した。こ

のルートは、南米大陸南端のホーン岬沖を迂回して米国西海岸に達するルートより遥かに

コストも時間も削減できる。ちなみに、各年(2009〜2013年)の同運河と同パイプラインを

通過した石油量は、表5のとおりである(表5参照)。

仮に同運河が何らかの影響により通行不能の際の代替ルートは、南米大陸南端のホーン

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岬と南極大陸の間のドレーク海峡を通って大陸を迂回しなければならず、約12,870kmもの

遠回りになる。

表5 パナマ運河とTrans-Panamaパイプラインを通過した石油量(万BPD)

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

① 原油 17.6 11.0 11.9 11.8 9.1

② 石油製品 61.2 63.0 63.7 68.4 75.9

パナマ運河

石油通過量合計(①+②) 78.8 74.1 75.5 80.2 84.9

③ 原油(西向き) 11.6 5.3 6.8 7.1 3.9

④ 石油製品(西向き) 47.1 51.4 53.2 61.6 66.9

西向き(太平洋向き)

石油通過量合計(③+④) 58.8 56.6 60.0 68.7 70.8

⑤ 原油(東向き) 6.0 5.7 5.1 4.7 5.1

⑥ 石油製品(東向き) 14.0 11.7 10.5 6.8 9.0

東向き石油(大西洋向き)

石油通過量合計(⑤+⑥) 20.0 17.4 15.6 11.5 14.1

Sources: U.S. Energy Information Administration analysis based on Lloyd's List Intelligence, Panama

Canal Authority (with EIA conversions).

2-7. デンマーク海峡(Danish Straits)

デンマークとスウェーデンの間の「デンマーク海峡

(Danish Straits)」は、バルト海と外海である北海を

繫いでいる一連の海峡の総称である。いわゆるアイス

ランドとグリーンランド間の「デンマーク海峡

(Denmark Strait)」とは異なる(図15参照)。

ロシアは、バルト海沿岸のプリモルスク港を開港し

た 2005 年以降 欧州諸国向けの原油輸出を黒海沿岸

の港からバルト海沿岸の港にシフトした。このため、

同海峡は、ロシア原油の欧州諸国への輸出ルートのチ

ョークポイントとして重要になってきている。

2011年 ロシアの同新港は、同海峡を通る輸出量

合計の半分以上を取り扱っていた。しかしながら、 図15 デンマークの海峡の位置

2013年に主にノルウェーと英国からの石油が、スカ

ンディナヴィア市場に流れ込んだのが原因で42%に落ち込んだ。 ちなみに、2013年に同海

峡を通過した石油(原油と石油製品)の合計量は330万BPDであった。

なお、同海峡は、バルト海沿岸諸国からの唯一の外海(北海)への海路であるが、現在

この代替ルートは存在しない。

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2-8. 喜望峰回りルート(その他重要ルート)

アフリカ大陸南端に位置する喜望峰の沖を迂回す

るルートは、チョークポイントではないが、スエズ

運河とSUMEDパイプラインやマンダブ海峡が不通に

なった時の代替ルートとなり得るので参考までに記

載する。ちなみに、アフリカ大陸の 南端は、喜望

峰よりさらに南に位置するアガラス岬であるが、慣

用的にアフリカ大陸迂回ルートは喜望峰回りと呼ば

れている(図16参照)。

なお、通常時においても、喜望峰回りは石油タン

カーにとって重要なルートであり、2013年には東行

きと西行きを合わせて約490万BPD(世界の石油海上

輸送量合計の9%に相当)の原油が通過した。

内訳としては、360万BPDの原油が東行きに通過 図16 喜望峰周辺の概略図

した。その多くは、アフリカ諸国から(約220万BPD)

と南米およびカリブ海諸国から(約 140 万 BPD)で、行き先の大半はアジア市場であった。

一方、西行きの原油の大部分は、中東諸国から(130万BPD)で、その多くが米国へ向かった

(表6:参照)。

表6 喜望峰回りの原油通過量(100万BPD)

3. まとめ

上記のように 近の7 つのチョクークポイント状況について言及したが、前回のJPEC

レポート第32回(2012年2月)からの動きがあった下記2点をまとめとして記す。他の5

ポイントについては、大きな変動は認められない。

① マラッカ海峡迂回ルート:ミャンマー~中国・雲南パイプライン開通

(2013年7月 天然ガス用、2015年 1月 原油用)

② パナマ運河拡張工事:2016年初頭に開通予定

2011年 2012年 2013年

東行き(アジア方面) 2.9 3.7 3.6

西行き(南米方面) 1.7 1.6 1.3

石油海上輸送量 合計 4.7 5.3 4.9

Note: Estimates may not add up to their totals due to differences in

rounding.Source: U.S. Energy Information Administration analysis based on

Lloyd's List Intelligence35

アガラス岬

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(参考) 石油タンカーのサイズ分類

世界の原油および石油製品タンカーは、契約条件を標準化かつ輸送コストを確立し、さ

らに入港時または特定の海峡と水路を通過するタンカーの能力を決定するための分類シス

テムが適用されている。

Average Freight Rate Assessment(AFRA)システムとして知られているこの分類システム

は、60年前にロンドン・タンカー・ブローカー委員会(LTBP)の監修のもとShellによって

確立され、載貨重量トン(DWT)に基づきタンカーを分類している。AFRA システムの公式な

石油タンカーのサイズ分類は以下のとおりである。

・石油製品運搬用タンカー

General Purpose:1.0以上~2.5万DWT未満

Medium Range:2.5以上~4.5万DWT未満

・石油製品または原油運搬用タンカー

Long Range 1:4.5以上~8.0万DWT未満

Long Range 2:8.0以上~16.0万DWT未満

・原油運搬用タンカー

VLCC:16.0以上~32.0万DWT未満

ULCC:32.0以上~55.0万DWT未満

Source: U.S. Energy Information Administration, London Tanker Brokers' Panel

Note: Aframax is not an official vessel classification on the AFRA scale but is shown here for comparison.

図17 石油タンカーのサイズ分類(AFRAスケール)

Page 15: 世界の海上石油輸送のチョークポイントパナマ運河 (Panama Canal) 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 海上石油輸送量 合計 53.9 55.5 55.6 56.7 56.5 世界の石油供給量

JPEC レポート

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前記のAFRAの公式分類とは別に、一般的に広く使われている分類を以下に示す。

・Panamax :6~8万DWT、パナマ運河を通航できる 大サイズで、船幅が108フィート(32.9m)

以下に制限される。

・Aframax :8~12万DWT、従来は運賃レートの関係で7万9,999DWT型をAFRAMAXと呼ん

でいたが、現在は慣用的に8~12万DWT級をAFRAMAXと呼んでいる。

・Suezmax :16万DWT程度、スエズ運河を通航できる 大サイズ。2010年までは 大喫水

が18m以下に制限されていたが、スエズ運河庁が79フィート(約24m)まで深く浚渫したた

め、同年以降 より大きなタンカーが通れるようになっている。

<出典および参考資料>

(1)米国DOE・エネルギー情報局(EIA)レポート 、WORLD OIL TRANSIT CNOKEPOINTS 、

http://www.eia.gov/countries/regions-topics2.cfm?fips=WOTC 、

(2)米国DOE・エネルギー情報局(EIA)レポート 、TODAY IN ENERGY (DEC.30,2014) 、

http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=19371 、

(3)米国DOE・エネルギー情報局(EIA)レポート 、Saudi Arabia Country Analysis Brief、

http://www.eia.gov/countries/cab.cfm?fips=sa 、

(4)米国DOE・エネルギー情報局(EIA)レポート 、United Arab Emirates Country Analysis

Brief、

http://www.eia.gov/countries/cab.cfm?fips=TC 、

(5)米国DOE・エネルギー情報局(EIA)レポート 、South Africa Country Analysis Brief、

http://www.eia.gov/countries/cab.cfm?fips=SF 、

(6)Wikipedia 、Panama Canal expansion project 、

http://en.wikipedia.org/wiki/Panama_Canal_expansion_project 、

(7)A Barrel Full 、East-West Crude Oil Pipeline 、

http://abarrelfull.wikidot.com/east-west-crude-oil-pipeline-petroline 、

(8)A Barrel Full 、Abu Dhabi Crude Oil Pipeline 、

http://abarrelfull.wikidot.com/abu-dhabi-crude-oil-pipeline-adcop-project 、

(9)Wikipedia 、Strait of Hormuz 、

http://en.wikipedia.org/wiki/Strait_of_Hormuz 、

(10)Wikipedia 、Suezmax 、

http://en.wikipedia.org/wiki/Suezmax 、

(11)Wikipedia 、U.S.Fifth Fleet 、

http://en.wikipedia.org/wiki/United_States_Fifth_Fleet 、

(12)外務省ホームページ 、ジブチ便り 、

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/staff/djibouti/05.html 、

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