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1 看護教育における これからの政策課題 公益社団法人 日本看護協会 会長 坂本 すが

看護教育における これからの政策課題 - Japanese …...1 看護教育における これからの政策課題 公益社団法人日本看護協会 会長坂本すが

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看護教育におけるこれからの政策課題

公益社団法人 日本看護協会

会長 坂本 すが

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本日お話しすること

1.これまでの看護師基礎教育の成果と課題

2.これからの看護師基礎教育に求めること~看護教育におけるこれからの政策課題~

3.看護師基礎教育の4年制化に向けた戦略

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1.これまでの看護師基礎教育の成果と課題

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専門分野Ⅰ・Ⅱ + 統合分野

S26 (指定規則改定)5,077時間

S42 (第1次改正)

3,375時間↓

H元 (第2次改正)

3,000時間↓

H8 (第3次改正)

2,895時間↓

H21 (第4次改正)

3,000時間↑

成人看護学看護学総論

小児看護学母性看護学

成人看護学基礎看護学

老人看護学

母性看護学小児看護学

成人看護学基礎看護学

老年看護学

母性看護学小児看護学

在宅看護論精神看護学

基礎分野・専門基礎分野

4科目 5科目 7科目 8科目

成人看護学基礎看護学

老年看護学

母性看護学小児看護学

在宅看護論精神看護学

看護の統合と実践

成果:教育内容の充実(質的ニーズへの対応)

公益社団法人 日本看護協会

指定規則改正に伴うカリキュラム内容の推移

これまで、時間的制約がある中、教育と臨床の双方の関係者の大きな努力で、教育内容を充実し、社会のニーズに対応してきた

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成果:養成の拡大(量的ニーズへの対応)

0

10000

20000

30000

40000

50000

60000

70000

S26 S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H23 H24 H25 H26 H27 H28

大学短大(3年)養成所(3年)2年課程5年一貫

出典: 1951~1980年新日本法規出版株式会社「平成20年版看護六法」 ※1980までは、養成所3年に大学・短大を含む

1985年~厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生従業状況調査」、日本看護協会出版会編「看護関係統計資料集」各年度版

(人)

公益社団法人 日本看護協会

看護師:1学年定員数の推移

看護師への需要に対応するために、定員数も増加させてきた。少子化にも関わらず、志願者も確保し、養成数の増加を図ってきた。

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看護師の活動への評価の拡大(診療報酬や施設基準での評価等)

活動領域の拡大

専門看護師・認定看護師制度の創設と拡大

看護師の役割拡大に関する検討の開始→「チーム医療の推進に関する検討会」では、教育水準の高まりも検討開始の背景に記載→特定行為に係る看護師の研修制度創設

ナース・プラクティショナー創設への期待

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成果:教育の充実による専門性の向上

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社団法人 日本看護協会

6%(16校)

10%(29校)

16%(46校)

68%(195校)

現在よりも期間延長したほうがよい

現在の期間で充分

どちらともいえない

無回答・不明

教育期間延長に関する養成所教員の意見(2006年時点)

日本看護協会 2006年看護教育基礎調査(回答:養成所286校)

看護師基礎教育の課題

・時間的な制約が大きい中、教育関係者の教育の工夫と努力で、今の教育が成り立っている。・10年前(2006年)の時点で、既に教育年限を延長したほうがよいと言う意見が大半。

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2.これからの看護師基礎教育に求めること

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日本看護協会は「看護の将来ビジョン~いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護」を策定し、2015年6月公表

なぜ、ビジョンをつくったのか 社会のニーズに応え、看護の専門性を発揮するための指針として

公益社団法人 日本看護協会

看護の将来ビジョンの策定

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■全体を見通し、状態の変化に合わせて、必要な時に必要な

サービスが提供されるよう、

医療・介護などのサービス全体を統合的にマネジメント■24時間を通じ、状態の変化を即座に察知し、必要な医療・看護をタイムリーに提供

■常に予防的視点に立ち、その人らしく人生が送れるよう生きる力を引き出しながら支援

■穏やかに死を迎えられるように支援

公益社団法人 日本看護協会10

専門職間の「連携」からサービスの「統合」へ

これからの看護師に求められる役割

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大きく変わる患者像・地域包括ケアに対応するには、抜本的な教育の追加・拡充が不可欠

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看護基礎教育の政策課題

患者の複雑化に対応した教育の拡充の必要性

現行の教育制度の課題(時間的な制約)

もうめいっぱい!

・「3年」から「4年」にし、必要な教育を追加

政策課題

・教育方法の工夫や、臨床・地域と一体となった実習など生身の人間と向き合い、リアルな状況に身を置く経験を

看護界で取り組むべき課題

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3.看護師基礎教育の4年制化に向けた戦略

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看護師の供給に影響が出る→経過措置の設定で対応可能(他職種で実績有)・数年かけて段階的に移行・既存の大学等の定員を一時的に増加

教室が足りない→施設要件を緩和(借り上げを可能とする・教室の共用を可能とするなど)、基金等での財政措置

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政策実現に向けた課題を乗り越える

4年制の実現には、「移行」に関する課題がある。

「できない」から「やる」へ

課題と対策(例)

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学費がかかり志願者が減るのでは→4年間の大学の志願者数は増加の一途。年限延長=学生数減少、ではない。

→看護師養成は、地方自治体・医療機関等の奨学金も多数。積極的な活用をPR。

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政策実現に向けた課題を乗り越える

課題と対策(例)

看護の質の向上をすることに看護界では反対する者はいない。反対がなければ、実行に向けて舵を切りましょう。課題を乗り越える、知恵と情熱を!