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慢性腰痛症に伴う疼痛から 完全に逃れることはできないかもしれないが, 抜け出す手伝いはできる。 慢性腰痛症に伴う疼痛 医薬品リスク管理計画対象製品 2 . 禁忌(次の患者には投与しないこと2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩,ラサギリンメシル酸塩,サフィナミドメシル 酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照] 2.3 高度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照] 2.4高度の腎機能障害のある患者[9.2.1,16.6.1参照] 2.5 コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化することがある。] 劇薬,処方箋医薬品 注) 注)注意-医師等の処方箋により使用すること

慢性腰痛症に伴う疼痛から 完全に逃れることはできないかも ......慢性腰痛症に伴う疼痛から 完全に逃れることはできないかもしれないが,抜け出す手伝いはできる。慢性腰痛症に伴う疼痛という

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  • 慢性腰痛症に伴う疼痛から完全に逃れることはできないかもしれないが,

    抜け出す手伝いはできる。

    慢性腰痛症に伴う疼痛という迷路から抜け出すために。

    慢性腰痛症に伴う疼痛

    下行性疼痛抑制系を賦活する治療選択肢

    サインバルタ®は,SNRIとして初めて「慢性腰痛症に伴う疼痛」の適応を取得しました。

    医薬品リスク管理計画対象製品

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.2モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩,ラサギリンメシル酸塩,サフィナミドメシル

    酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]2.3高度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照]2.4高度の腎機能障害のある患者[9.2.1,16.6.1参照]2.5コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化することがある。]

    劇薬,処方箋医薬品注)注) 注意-医師等の処方箋により使用すること

  • 2

    慢性腰痛症に伴う疼痛への 使用に際しての注意事項

    本剤の効能・効果は, 「慢性腰痛症に伴う疼痛」です。

    5. 効能・効果に関連する注意(一部抜粋)〈疼痛の効能共通〉5.3 疼痛に対して本剤を投与する場合は,自殺念慮,自殺企図,敵意,

    攻撃性等の精神症状の発現リスクを考慮し,本剤の投与の適否を慎重に判断すること。

    〈慢性腰痛症に伴う疼痛〉5.5 最新の診断基準を参考に慢性腰痛症と診断された患者にのみ,

    本剤の投与を考慮すること。

    診断に際して◆ 最新の診断基準等※に基づき,慢性腰痛症の診断を実施して下さい。◆ 発症以前の症状と治療歴や治療効果だけでなく,痛みの部位,症状の

    頻度や痛みの持続期間などを聞き,脊椎以外の内科的疾患由来の腰痛の可能性について考慮して下さい。

    本剤を投与する場合の注意◆ 抗うつ薬に共通の,自殺及び敵意・攻撃性並びにその他の精神神経

    症状関連の副作用の発現に注意する必要があります。◆ 従来の慢性腰痛症に使用する薬剤(NSAIDs,アセトアミノフェン等)

    とは安全性プロファイルが異なる薬剤です。※日本整形外科学会/日本腰痛学会監修:腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版(南江堂)

  • 3

    ◆ 現在,わが国で市販されている抗うつ薬の添付文書には以下の注意がなされています。● 抗うつ剤の投与による,24歳以下の患者での,自殺念慮,自殺企図のリスクへの注意● 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者,自殺念慮のある患者,躁うつ病患者,脳の器質的障害

    又は統合失調症の素因のある患者,衝動性が高い併存障害を有する患者への投与に対する注意● うつ症状を呈する患者は希死念慮があり,自殺企図のおそれがあることへの注意● 不安,焦燥,興奮,パニック発作,不眠,易刺激性,敵意,攻撃性,衝動性,アカシジア/精神運動

    不穏,軽躁,躁病等の発現への注意● 不安,焦燥,興奮,錯乱,発汗,下痢,発熱,高血圧,固縮,頻脈,ミオクローヌス,自律神経

    不安定等を呈するセロトニン症候群の発現への注意◆ 慢性腰痛症に伴う疼痛の治療を受けられる患者さんが,うつ病・うつ症状を呈されている

    場合もあり,添付文書等に記載しているこれらの精神神経症状が発現もしくは悪化 する場合があります。

    ◆ 患者さんに,うつ病・うつ状態が認められない場合においても,本剤の投与後にこれらの症状が発現する可能性があります。

    ◆ 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法です。患者さんの状態を十分に観察し, 漫然と投与することは避けて下さい。また,慢性腰痛症の治療にあたっては,薬物 療法以外の療法も考慮して下さい。

    本剤を服用される患者さんには,患者・家族向けの 服薬指導箋とパンフレットをお渡し下さい。

    ■服薬指導箋 ■患者向けパンフレット

    ◆ 本剤の服用中に,自殺念慮や自殺企図,興奮,攻撃性,易刺激性等の行動や精神症状の悪化があらわれるリスク等についての十分なご説明をお願い いたします。

    ◆ 患者さんによっては,精神症状が発現するおそれがありますので,必要に応じ,近隣の精神科/心療内科の標榜のある医療機関に診療をご依頼下さい。

    本剤についてのご質問がございましたら,各社相談窓口:■塩野義製薬株式会社「医薬情報センター」TEL0120-956-734/■日本イーライリリー株式会社「医薬情報問合せ窓口」電話0120-360-605にご連絡をお願いいたします。

  • 4

    サインバルタ®は,SNRIとして初めて「慢性腰痛症に伴う疼痛」の適応を取得しました。

    1)監修:福島県立医科大学附属病院長 兼 副学長 紺野愼一 先生

    慢性腰痛症患者とは

    腰の痛みで日常生活に支障を来たしている

    3ヵ月以上続く腰の痛みに悩まされている

  • 5

    サインバルタ®は,SNRIとして初めて「慢性腰痛症に伴う疼痛」の適応を取得しました。

    1)監修:福島県立医科大学附属病院長 兼 副学長 紺野愼一 先生

    慢性腰痛症患者とは

    腰の痛みで日常生活に支障を来たしている

    3ヵ月以上続く腰の痛みに悩まされている

    ・画像上の所見では原因が完全には特定されないが,腰痛が続いている・脊柱管狭窄症や腰椎症等,特異的疾患が原因となり腰痛が続いている・脊柱管狭窄症,ヘルニア,すべり症,坐骨神経痛等,複数の原因が関与し腰痛が続いている

    ・NSAIDsを長期間使用しても腰痛がずっと続いている・腰部に,しびれるような痛みや突き刺すような痛みが続いている3)

    ・腰痛のため,趣味,仕事,家事等を制限したり我慢したりしている・ずっと腰痛が続いており,リハビリに通っている・腰痛がひどく,運動に対しても消極的になっている

    3ヵ月以上続く腰の痛みに悩まされている

    腰の痛みで日常生活に支障を来している

     腰痛の状況の例1,2)  日常生活への影響の例1,2) 腰痛の原因の例1,2)

    痛みの原因

    急性腰痛 慢性腰痛

    治療の目標

    痛みを長引かせず,傷害部の治療が優先 痛みの軽減とともに,ADL・QOL改善を目指す

    組織の炎症等による痛み

    腰痛の発症早期には関与が大きくなる

    中枢神経系の異常等による痛み

    腰痛発症から時間が経つほど関与が大きくなる

    急性腰痛と慢性腰痛

    監修:福島県立医科大学整形外科主任教授紺野愼一先生

    監修:福島県立医科大学整形外科主任教授紺野愼一先生1)鈴木秀典ほか:脊椎脊髄ジャーナル,2016,29(1),35

    2)福原俊一ほか:腰痛に関する全国調査報告書,2003,p.22,日本リサーチセンター,東京3)Schukro,R.P.etal.:Anesthesiology,2016,124(1),150

    慢性腰痛症患者とは

  • 6

    下行性疼痛抑制系の機能異常が,慢性の痛みの原因の一つであると考えられています1)。

    ◆痛みが伝わる経路には,痛みの感覚を伝える上行性疼痛伝導系や,痛みを抑制する下行性疼痛抑制系等があります2)。

    ◆上行性疼痛伝導系や下行性疼痛抑制系等がバランスよく働くことで,痛みのレベルが適切になるよう調整されていると考えられています3)。

    ◆慢性の痛みの原因として,下行性疼痛抑制系の機能異常や,脳の機能異常を含む脊髄後角におけるシグナル伝達の異常があると考えられています4-6)。

    ◆セロトニンとノルアドレナリンは脳及び脊髄の下行性疼痛抑制系の賦活を介して痛みの抑制に関与するといわれています2)。

    ■痛みのメカニズム

    上行性疼痛伝導系

    痛み刺激

    大脳皮質体性感覚野

    視床

    脊髄

    二次侵害受容ニューロン(脊髄視床路)

    脳に痛みの信号を伝える経路

    痛みの伝達を抑制する経路

    三次侵害受容ニューロン

    一次侵害受容ニューロン(末梢感覚神経)

    脊髄後角

    脊髄後根神経節

    脳幹青斑核

    大縫線核

    下行性疼痛抑制系

    セロトニンノルアドレナリン

    監修:岐阜大学大学院医学系研究科麻酔・疼痛制御学分野教授飯田宏樹先生

    1)小幡英章:LiSA,2012,19(5),4842)Stahl,S.M.:J.Clin.Psychiatry,2002,63(5),382

    3)井手康雄ほか:脳の科学,2001,23(10),8214)辻 貞俊ほか:神経治療学,2010,27(4),591

    5)Gracely,R.H.etal.:ArthritisRheum.,2002,46(5),13336)Sarchielli,P.etal.:J.Pain,2007,8(9),737

  • 7

    サインバルタ®はセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し,下行性疼痛抑制系を賦活させることによって鎮痛効果を示すと考えられています1)。

    ■サインバルタ®の作用機序

    監修:岐阜大学大学院医学系研究科麻酔・疼痛制御学分野教授飯田宏樹先生

    1)Iyengar,S.etal.:J.Pharmacol.Exp.Ther.,2004,311(2),576[本研究はイーライリリーの支援により行われた。著者はイーライリリーの社員である]

    疼痛を抑制

    慢性腰痛症に伴う痛みが続いている状態

    サインバルタ®の投与

    投与前

    5-HTトランスポーター

    5-HT受容体

    NAトランスポーター

    下行性疼痛抑制系 神経終末

    痛覚情報伝達系

    興奮亢進痛み刺激

    α2アドレナリン受容体

    投与後

    痛み刺激

    5-HTトランスポーター

    5-HT受容体

    α2アドレナリン受容体

    NAトランスポーター

    痛覚情報伝達系

    興奮抑制遊離抑制

    下行性疼痛抑制系 神経終末

    一次侵害受容ニューロン

    二次侵害受容ニューロン

      サインバルタⓇ● セロトニン(5-HT)▲ ノルアドレナリン(NA)

    ● 神経伝達物質   (サブスタンスP, グルタミン酸 等)  神経伝達物質受容体

    サインバルタⓇ 再取り込み阻害

    一次侵害受容ニューロン

    二次侵害受容ニューロン

    脊髄後角で痛みの情報伝達を抑制

    下行性疼痛抑制系の機能を賦活化

    セロトニン・ノルアドレナリン

    濃度が上昇

  • 8

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

    「禁忌を含む使用上の注意」等はDIページをご参照下さい。

    試験開始前3ヵ月の平均で,NSAIDsを1ヵ月あたり14日以上使用し,かつ試験開始前1ヵ月にNSAIDsを14日以上使用

    ●本試験では,NSAIDsの効果が不十分な慢性腰痛症患者を対象としました。●M.I.N.I.*により,大うつ病性障害と診断された患者は除外されました。●神経根障害または神経根症状を有する患者は除外されました。

    NSAIDs

    (週) ‒2~ ‒1 0 1 2 4 6 8 10 12 14 15 16

    サインバルタⓇ群

    プラセボ群

    治療期

    プラセボ

    漸減期 後観察期

    60mg/日

    40mg/日

    20mg/日 20mg/日

    前観察期

    治療期 漸減期 後観察期前観察期

    仮登録

    本登録

    効果不十分例

    40mg/日

    1visit 2 3 5 6 7 84

    *:MiniInternationalNeuropsychiatricInterview(精神疾患簡易構造化面接法)

    目  的:多施設共同ランダム化二重盲検群間比較試験により,慢性腰痛症に伴う疼痛患者を対象としたサインバルタ®群のプラセボ群に対する優越性を検証する。

    対  象:NSAIDs効果不十分の慢性腰痛症に伴う疼痛患者458例。腰痛が6ヵ月以上持続している患者を組み入れた。また,M.I.N.I.*により大うつ病性障害と診断された患者及び,神経根障害または神経根症状を有する患者は対象から除外された。有効性評価対象例456例(サインバルタ®群230例,プラセボ群226例),安全性評価対象例458例(サインバルタ®群234例,プラセボ群224例)。

    投与方法:サインバルタ®またはプラセボを1日1回朝食後に経口投与。サインバルタ®群では,20mgを1週間,40mgを1週間投与し,その後60mgを12週間投与した。漸減期の前半3日間は40mgを投与し,後半4日間は20mgを投与した。

    評価項目:【有効性】主要評価項目:BPI-疼痛重症度(平均の痛み)の投与14週時の変化量副次評価項目:各観測時のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)の変化量,BPI-疼痛重症度(平均の痛み)改善率,

    BPI-疼痛重症度(最大の痛み,最小の痛み,現在の痛み),PGI-改善度,RDQ-24,SF-36等【安全性】中止率,有害事象等

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

    サインバルタ®群の副作用(臨床検査値異常変動を含む)は安全性評価対象例234例中113例(48.3%)に229件認められ,主なものは傾眠44例(18.8%),便秘24例(10.3%),悪心20例(8.5%),口渇11例(4.7%),食欲減退10例(4.3%)等であった。重篤な副作用は認められなかった。中止に至った副作用は,13例(5.6%)に17件認められた〔倦怠感(3件),傾眠,悪心(各2件)等〕。プラセボ群の副作用(臨床検査値異常変動を含む)は安全性評価対象例224例中44例(19.6%)に62件認められ,主なものは傾眠16例(7.1%),悪心5例(2.2%),便秘4例(1.8%)等であった。

    安全性

  • 9

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

    サインバルタ®群では,投与後14週の評価時点で,プラセボ群に比べ有意なBPI-疼痛重症度の変化を示しました。

    ◆ 投与14週時のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)の変化量[主要評価項目]

    観察週a)(週)

    BPI

    -

    疼痛重症度(平均の痛み)の変化量

    症状の改善

    0

    -0.5

    -1.0

    -1.5

    -2.0

    -2.5

    -3.0

    2 4 6 10 14

    サインバルタⓇ群プラセボ群

    プラセボ群と比較して*:p < 0.05

    (調整平均値±標準誤差)

    サインバルタⓇ群プラセボ群

    a):混合効果モデル固定効果;投与群,評価時点,投与群と評価時点の交互作用共変量;ベースライン時のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)誤差分散の共分散構造;無構造(unstructured)

    主要評価項目:投与14週時の変化量副次評価項目:投与14週時を除いた評価時の変化量

    *ベースライン時のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)

    (平均値 ± 標準偏差)サインバルタⓇ群:5.14 ± 1.11プラセボ群:5.09 ± 1.04

    225221

    219217

    215210

    212204

    209200

    visit 3

    n=230n=226

    2 4 5 6 7

    -2.43

    -1.96

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる]社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]

    Breivik,H.etal.:Br.J.Anaesth.,2008,101(1),17Uki,J.etal.:J.PainSymptomManage.,1998,16(6),364

    患者が下記に示す疼痛重症度(4項目)について,0(痛みなし)~10(これ以上の痛みは考えられない)の11段階のNRSで来院時ごとに 評価する。

    ●24時間前から今までで最も強い痛み ●24時間前から今までの平均の痛み●24時間前から今までで最も弱い痛み ●今感じている(現在の)痛み

    簡易疼痛調査一覧(BPI:Brief Pain Inventory)-疼痛重症度

    有効性

  • 10

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

    サインバルタ®のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)改善率は,「30%改善率」「50%改善率」「持続改善率」において,プラセボ群と比較して有意に高い結果を示しました。

    ◆ BPI-疼痛重症度(平均の痛み)改善率(14週治療期終了時・中止時) [副次評価項目]

    30%改善 50%改善 持続改善

    (%)

    患者の割合

    80

    100

    60

    40

    20

    0

    a):層別因子;BPI- 疼痛重症度(平均の痛み)のベースライン値(6 未満,6 以上)

    プラセボ群と比較して*:p < 0.05

    (Mantel-Haenszel検定)a)サインバルタⓇ群(n=230)プラセボ群(n=226)

    68.7

    52.2

    56.5

    39.4

    *61.3

    46.0

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる]社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]

    BPI-疼痛重症度(平均の痛み)改善率

    30%改善:最終評価時のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)がベースラインに比べて30%以上減少していること。

    50%改善:最終評価時のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)がベースラインに比べて50%以上減少していること。

    持続改善 :最終評価時以前,及び最終評価時の2時点でともに,BPI-疼痛重症度(平均の痛み)がベースラインに比べて30%以上減少し,かつ,その間のすべての評価時点でベースラインから20%以上の減少を持続していること。

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる]社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]

  • 11

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

    患者さんの印象によって疾患の改善を評価するPGI-改善度において,サインバルタ®群はプラセボ群と比べて有意な変化を示しました。

    PGI-改善度において,サインバルタ®群の「改善」※と判断した患者の割合は,約83%でした。※:とても良くなった,良くなった,少し良くなった

    ◆ PGI-改善度のカテゴリー分布(14週治療期終了時・中止時)[副次評価項目]

    ◆ PGI-改善度(14週治療期終了時)[副次評価項目]

    40200 60 80 100(%)

    プラセボ群(n=226)

    サインバルタ®群(n=230) 17.0 36.1 30.0 14.8

    11.1 24.8 36.3 26.1

    1.3 0.4

    1.8

    0.4

    患者の割合プラセボ群と比較してp=0.0002(Wilcoxon順位和検定)

    とても良くなった変化なし

    良くなった少し悪くなった

    少し良くなった悪くなった とても悪くなった

    症状の改善

    PGI

    -

    改善度

    3.0

    2.0

    2.5

    1.5

    1.0

    0.5

    0

    2.462.76

    a):混合効果モデル固定効果;投与群,評価時点,投与群と評価時点の交互作用共変量;ベースライン値誤差分散の共分散構造;無構造 (unstructured)

    プラセボ群と比較して*:p < 0.05

    (混合効果モデル)a)

    サインバルタⓇ群(n=209)プラセボ群(n=200)

    (調整平均値±標準誤差)

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる]社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]

    PGI-改善度(Patient Global Impressions of Improvement:患者による改善に関する包括印象度)

    患者が治験薬投与開始前と比較した疾患の改善度を下記の7段階のスコアで評価する。

    ①とても良くなった ②良くなった ③少し良くなった ④変化なし⑤少し悪くなった ⑥悪くなった ⑦とても悪くなった

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]より作図

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]より作図

  • 12

    [参考情報]QOL指標による評価

    ◆RDQ-24のベースラインからの変化量(14週治療期終了時・中止時)†[副次評価項目]

    RDQ-24(Roland-Morris Disability Questionnaire:腰痛特異的QOL尺度)腰痛のために日常生活行動(立つ,歩く,座る,服を着る,仕事をするなど)が障害されるか否かに関する質問(24項目)について 患者が評価する。患者自身が各項目に「はい」「いいえ」で回答し,「はい」と回答した項目数がRDQ得点となる。

    ●RDQ-24(質問項目) 1.腰痛のため,大半の時間,家にいる 2.腰痛を和らげるために,何回も姿勢を変える 3.腰痛のため,いつもよりゆっくり歩く 4.腰痛のため,ふだんしている家の仕事を全くしていない 5.腰痛のため,手すりを使って階段を上る 6.腰痛のため,いつもより横になって休むことが多い 7.腰痛のため,何かにつかまらないと,安楽椅子(体を預けて楽に座れる椅子,深く腰掛けた姿勢)から立ち上がれない

    8.腰痛のため,人に何かしてもらうよう頼むことがある 9.腰痛のため,服を着るのにいつもより時間がかかる10.腰痛のため,短時間しか立たないようにしている11.腰痛のため,腰を曲げたりひざまずいたりしないようにしている12.腰痛のため,椅子からなかなか立ち上がれない

    13.ほとんどいつも腰が痛い14.腰痛のため,寝返りがうちにくい15.腰痛のため,あまり食欲がない16.腰痛のため,靴下やストッキングをはくとき苦労する17.腰痛のため,短い距離しか歩かないようにしている18.腰痛のため,あまりよく眠れない(痛みのために睡眠薬を飲んでいる場合は「はい」を選択して下さい)

    19.腰痛のため,服を着るのを誰かに手伝ってもらう20.腰痛のため,一日の大半を,座って過ごす21.腰痛のため,家の仕事をするとき力仕事をしないようにしている22.腰痛のため,いつもより人に対していらいらしたり腹が立ったりする23.腰痛のため,いつもよりゆっくり階段を上る24.腰痛のため,大半の時間,ベッド(布団)の中にいる

    RDQ日本語版©2002,2004RDQ日本語版作成委員会Allrightsreserved.RDQ日本語版は,個人の非営利目的の研究に使用する際は登録の必要がありません。

    個人の非営利目的以外の使用については,iHopeInternational株式会社までお問い合わせ下さい。URL:http://www.sf-36.jp/E-mail:[email protected]

    福原俊一編著:RDQ(Roland–MorrisDisabilityQuestionnaire)日本語版マニュアル,2016,p.3,10,iHopeInternational株式会社,京都

    -3.23

    RDQ-

    24の変化量

    0

    -2

    -1

    -3

    -5

    -4-3.86

    ベースライン時の RDQ-24(平均値±標準偏差)サインバルタ ® 群:7.59 ± 4.38プラセボ群:7.77 ± 4.77

    プラセボ群と比較して*:p < 0.05

    (共分散分析)a)サインバルタⓇ群(n=230)プラセボ群(n=226)

    (調整平均値 ± 標準誤差)a):共分散分析

    固定効果;投与群共変量;ベースライン値

    †:LOCF(Last Observation Carried Forward)

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]より作図

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

  • 13

    [参考情報]QOL指標による評価

    ◆ SF-36のベースラインからの変化量(14週治療期終了時・中止時)† [副次評価項目]

    SF-36(Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey)

    福原俊一ほか編著:SF-36v2®日本語版マニュアル:健康関連QOL尺度(第3版),2015,p.7,iHopeInternational株式会社,京都

    国際的に汎用されているQOLの包括的尺度。下記8つの健康概念から構成される36の質問によって評価する。

    ◦身体機能 ◦日常役割機能(身体) ◦体の痛み ◦全体的健康感◦活力 ◦社会生活機能 ◦日常役割機能(精神) ◦心の健康

    身体機能 日常役割機能(身体)

    体の痛み 全体的健康感

    活力 社会生活機能

    心の健康日常役割機能(精神)

    14

    12

    10

    6

    4

    2

    0

    8

    プラセボ群と比較して*:p < 0.05

    (共分散分析)a)サインバルタⓇ群(n=230)プラセボ群(n=226)

    (調整平均値 ± 標準誤差)a):共分散分析

    固定効果;投与群共変量;ベースライン値

    †:LOCF(Last Observation Carried Forward)

    SF-

    36の変化量

    8.47

    7.20

    10.5810.00

    12.56

    11.01

    6.72

    3.78

    5.565.56

    4.41

    6.40

    4.77

    5.786.18

    5.635.63

    2.42

    Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]より作図

    国内第Ⅲ相プラセボ対照試験

  • 14

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験

    目  的:多施設共同非盲検試験により,慢性腰痛症に伴う疼痛患者を対象としたサインバルタ®の長期投与時の安全性及び有効性を検討する。

    対  象:慢性腰痛症に伴う疼痛患者151例〔新規患者68例,先行試験(国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)からの移行患者83例(サインバルタ®群41例,プラセボ群42例)〕注。腰痛が6ヵ月以上持続している患者を組み入れた。また,M.I.N.I*により大うつ病性障害と診断された患者及び,神経根障害または神経根症状を有する患者は除外された。有効性評価対象例150例〔新規患者67例,継続患者83例(サインバルタ®群41例,プラセボ群42例)〕安全性評価対象例151例〔新規患者68例,継続患者83例(サインバルタ®群41例,プラセボ群42例)〕

    投与方法:サインバルタ®20mgを1週間,40mgを1週間投与し,その後60mgを48週間,1日1回朝食後に経口投与した。評価項目:主要目的:【安全性】有害事象等

    副次目的:【有効性】BPI-疼痛重症度(最大の痛み,最小の痛み,平均の痛み,現在の痛み)及び機能障害の程度,RDQ-24,SF-36等

    注:新規患者はNSAIDs未治療例(低頻度も含む),継続患者はNSAIDs効果不十分例

    ●本試験では,NSAIDsで未治療,並びにNSAIDsの効果が不十分な慢性腰痛症患者を対象としました。●M.I.N.I.*により,大うつ病性障害と診断された患者は除外されました。●神経根障害または神経根症状を有する患者は除外されました。

    サインバルタⓇ群:新規患者〔NSAIDs未治療例(低頻度も含む)〕,継続患者(NSAIDs効果不十分例)

    (週)

    治療期 漸減期 後観察期

    0 1 51 52 53

    60mg/日

    40mg/日 40mg/日

    20mg/日 20mg/日

    8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 23222 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 50

    visit

    *:MiniInternationalNeuropsychiatricInterview(精神疾患簡易構造化面接法)

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験

    副作用(臨床検査値異常変動を含む)は安全性評価対象例151例中76例(50.3%)に145件認められ,主なものは傾眠28例(18.5%),悪心16例(10.6%),便秘13例(8.6%),口渇9例(6.0%)等であった。重篤な副作用として,閉塞隅角緑内障1例(0.7%)が認められた。中止に至った副作用は9例(6.0%)に11件認められた〔傾眠(3件),閉塞隅角緑内障(1件)等〕。

    安全性[主要目的]

  • 15

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験

    サインバルタ®の鎮痛効果は,長期(50週)にわたり持続しました。

    ◆ BPI-疼痛重症度(平均の痛み)の各評価時点における変化量の推移 [副次目的]

    (週)

    0

    -0.5

    -1.0

    -1.5

    -2.0

    -2.5

    2 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 50

    サインバルタⓇ群 n=150 150 148 142 141 140 139 138 137 135 131 128 128 127 121

    visit 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

    †:継続長期投与試験開始時(visit8)

    -2.26

    BPI-

    疼痛重症度(平均の痛み)の変化量

    症状の改善

    観察週

    〔平均値(95%信頼区間)〕*:ベースライン†からの有意な変化

    [95%信頼区間に基づく検定]

    ベースライン時†のBPI-疼痛重症度(平均の痛み)(平均値 ± 標準偏差)3.89 ± 1.55

    **

    ** *

    ** *

    ** * *

    Konno,SI.etal.:PainMed.,2019,20(8),1479[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相継続長期投与試験)[承認時評価資料]より作図

    Breivik,H.etal.:Br.J.Anaesth.,2008,101(1),17Uki,J.etal.:J.PainSymptomManage.,1998,16(6),364

    患者が下記に示す疼痛重症度(4項目)について,0(痛みなし)~10(これ以上の痛みは考えられない)の11段階のNRSで来院時ごとに 評価する。

    ●24時間前から今までで最も強い痛み ●24時間前から今までの平均の痛み●24時間前から今までで最も弱い痛み ●今感じている(現在の)痛み

    簡易疼痛調査一覧(BPI:Brief Pain Inventory)-疼痛重症度

    有効性

  • 16

    [参考情報]QOL指標による評価

    ◆RDQ-24の変化(50週治療期終了時・中止時)†[副次目的]

    2.60

    6.69

    ベースライン‡ 50週治療期終了時・中止時†

    12

    8

    10

    6

    4

    2

    0

    †:LOCF(Last Observation Carried Forward)‡:新規患者は継続長期投与試験開始時(visit8), 継続患者は先行試験開始時(visit2)

    RDQ-

    24スコア

    (平均値±標準偏差)*:ベースライン‡からの有意な変化[95%信頼区間に基づく検定]

    RDQ-24(Roland-Morris Disability Questionnaire:腰痛特異的QOL尺度)腰痛のために日常生活行動(立つ,歩く,座る,服を着る,仕事をするなど)が障害されるか否かに関する質問(24項目)について 患者が評価する。患者自身が各項目に「はい」「いいえ」で回答し,「はい」と回答した項目数がRDQ得点となる。

    ●RDQ-24(質問項目) 1.腰痛のため,大半の時間,家にいる 2.腰痛を和らげるために,何回も姿勢を変える 3.腰痛のため,いつもよりゆっくり歩く 4.腰痛のため,ふだんしている家の仕事を全くしていない 5.腰痛のため,手すりを使って階段を上る 6.腰痛のため,いつもより横になって休むことが多い 7.腰痛のため,何かにつかまらないと,安楽椅子(体を預けて楽に座れる椅子,深く腰掛けた姿勢)から立ち上がれない

    8.腰痛のため,人に何かしてもらうよう頼むことがある 9.腰痛のため,服を着るのにいつもより時間がかかる10.腰痛のため,短時間しか立たないようにしている11.腰痛のため,腰を曲げたりひざまずいたりしないようにしている12.腰痛のため,椅子からなかなか立ち上がれない

    13.ほとんどいつも腰が痛い14.腰痛のため,寝返りがうちにくい15.腰痛のため,あまり食欲がない16.腰痛のため,靴下やストッキングをはくとき苦労する17.腰痛のため,短い距離しか歩かないようにしている18.腰痛のため,あまりよく眠れない(痛みのために睡眠薬を飲んでいる場合は「はい」を選択して下さい)

    19.腰痛のため,服を着るのを誰かに手伝ってもらう20.腰痛のため,一日の大半を,座って過ごす21.腰痛のため,家の仕事をするとき力仕事をしないようにしている22.腰痛のため,いつもより人に対していらいらしたり腹が立ったりする23.腰痛のため,いつもよりゆっくり階段を上る24.腰痛のため,大半の時間,ベッド(布団)の中にいる

    RDQ日本語版©2002,2004RDQ日本語版作成委員会Allrightsreserved.RDQ日本語版は,個人の非営利目的の研究に使用する際は登録の必要がありません。

    個人の非営利目的以外の使用については,iHopeInternational株式会社までお問い合わせ下さい。URL:http://www.sf-36.jp/E-mail:[email protected]

    福原俊一編著:RDQ(Roland–MorrisDisabilityQuestionnaire)日本語版マニュアル,2016,p.3,10,iHopeInternational株式会社,京都

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験

    Konno,SI.etal.:PainMed.,2019,20(8),1479[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相継続長期投与試験)[承認時評価資料]より作図

  • 17

    [参考情報]QOL指標による評価

    ◆ SF-36のベースライン‡からの変化量 (50週治療期終了時・中止時)†[副次目的]

    25

    15

    10

    5

    0

    20

    身体機能

    *10.17

    日常役割機能(身体)

    12.63

    活力

    9.88

    社会生活機能

    6.42

    日常役割機能(精神)

    9.61

    心の健康

    6.40

    体の痛み

    17.00

    全体的健康感

    7.76

    SF-

    36の変化量

    ‡:新規患者は継続長期投与試験開始時(visit8), 継続患者は先行試験開始時(visit2)†:LOCF(Last Observation Carried Forward)

    73.73 73.42 51.21 59.58 56.54 84.25 81.56 73.47

    83.90 86.04 68.21 67.34 66.42 90.67 91.17 79.87

    ベースライン‡

    50週治療期終了時・中止時†

    〔平均値(95%信頼区間)〕*:ベースライン‡からの有意な変化[95%信頼区間に基づく検定]

    SF-36(Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey)

    福原俊一ほか編著:SF-36v2®日本語版マニュアル:健康関連QOL尺度(第3版),2015,p.7,iHopeInternational株式会社,京都

    国際的に汎用されているQOLの包括的尺度。下記8つの健康概念から構成される36の質問によって評価する。

    ◦身体機能 ◦日常役割機能(身体) ◦体の痛み ◦全体的健康感◦活力 ◦社会生活機能 ◦日常役割機能(精神) ◦心の健康

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験

    Konno,SI.etal.:PainMed.,2019,20(8),1479[承認時評価資料][本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。

    著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる],社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相継続長期投与試験)[承認時評価資料]より作図

  • 18

    サインバルタ®の慢性腰痛症に伴う疼痛の患者を対象とした国内臨床試験*における副作用(臨床検査値異常変動を含む)発現率は,50.9%(175例/344例)でした。(承認時)

    ■サインバルタ®の安全性

    主な副作用(国内臨床試験*における発現率5%以上)

    10%以上 傾眠69例(20.1%),悪心35例(10.2%)

    5~10%未満 便秘34例(9.9%),口渇20例(5.8%)副作用の程度※1:軽度 41.9%,中等度 6.4%,高度 0%副作用の転帰※1:回復 35.9%,軽快 5.1%,未回復 4.3%※1:慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験(サインバルタ®群:n=234)

    国内臨床試験*ではある被験者に同一の事象が複数回発現した場合,1例として集計した。重症度別の集計では,高度,中等度,軽度の優先順位で,優先順位が最も高い重症度に1例として集計し,転帰別の集計では,死亡,回復したが後遺症あり,未回復,軽快,回復,不明の優先順位で,優先順位が最も高い転帰に1例として集計した。なお,国内第Ⅲ相プラセボ対照試験から国内第Ⅲ相継続長期投与試験に移行した被験者は,国内第Ⅲ相プラセボ対照試験の投与終了後の後観察は設定していないため,漸減期終了時までの集計である。

    ◆ 投与初期※3に3%以上発現した新規の副作用発現率 (国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)

    (サインバルタ®群:n=234)

    発現率

    20

    15

    10

    5

    0

    (%)

    傾眠 悪心 便秘 食欲減退 口渇

    0~2週  2~4週  4~6週  6~10週  10~14週  14週~

    ※3:投与開始2週間未満Konno,S.etal.:Spine(PhilaPa1976),2016,41(22),1709[承認時評価資料]

    [本試験は塩野義製薬及び日本イーライリリーの支援により行われた。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーの社員が含まれる。著者に塩野義製薬及び日本イーライリリーより講演料,コンサルタント料等を受領している者が含まれる]

    社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験)[承認時評価資料]

    ◆5%以上発現した副作用の発現率と中止率※2(国内臨床試験*)副作用 発現率 副作用による中止率

    傾眠 20.1% (69例) 1.5% (5例)

    悪心 10.2% (35例) 0.9% (3例)

    便秘 9.9% (34例) 0.3% (1例)※2:慢性腰痛症を対象とした国内臨床試験*における発現率5%以上の副作用のうち,中止に至った副作用(薬剤との「因果関係がない」と判定

    された事象以外のもの)を集計注)5%以上発現した副作用で中止例がないもの:口渇

    *:慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相プラセボ対照試験及び国内第Ⅲ相継続長期投与試験(サインバルタ®群:n=344)社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内臨床試験)[承認時評価資料]

  • 19

    1.出血傾向の増強について国内添付文書において,SSRI及びSNRIとアスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)との併用に関し注意喚起を行っています。10.相互作用 10.2 併用注意(併用に注意すること)(一部抜粋)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    出血傾向が増強する薬剤非定型抗精神病剤,フェノチアジン系薬剤,三環系抗うつ剤,アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤,ワルファリンカリウム等

    出血傾向が増強することがあるので,本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    SNRI,SSRIとこれらの薬剤との併用により,出血傾向が増強すると考えられる。

    参考文献:Ottervanger,J.P.etal.:Am.J.Psychiatry,1994,151(5),781

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験において,消化管出血関連の有害事象の発現割合は,NSAIDs等の併用なしで0.9%(1例/112例),併用あり*で0%(0例/39例)でした。(P20:表1)なお,発現した事象は血便排泄1例(軽度)でした。

    *:NSAIDs等を1ヵ月あたり14日以上使用した被験者を「併用あり」と定義した。

    しかしながら,SSRI及びSNRIとNSAIDsとの併用により出血傾向が増強されることが知られていることを踏まえると,サインバルタⓇとNSAIDs等との併用により出血関連の有害事象のリスクが上昇する潜在的な可能性は否定できないと考えられますので,両剤併用時にはご注意をお願いいたします。

    2.心血管系の有害事象について国内添付文書において,心血管系の有害事象に関し,重要な基本的注意として以下のように,注意喚起を行っています。

    8. 重要な基本的注意(一部抜粋)〈効能共通〉8.6心拍数増加,血圧上昇,高血圧クリーゼがあらわれることがあるので,適宜,血圧・脈拍数等を測定し,推移等に十分注意すること。

    国内第Ⅲ相継続長期投与試験における,NSAIDs,またはアセトアミノフェンの併用有無による当該有害事象の発現状況は表1,2(P20)のとおりです。サインバルタⓇとNSAIDs等との併用における当該有害事象発現のリスク増加については明確なエビデンスがありませんが,国内第Ⅲ相継続長期投与試験において,心血管系に関連する有害事象の発現率は,NSAIDs等併用なしで9.8%(11例/112例),併用あり*で17.9%(7例/39例)でした。

    *:NSAIDs等を1ヵ月あたり14日以上使用した被験者を「併用あり」と定義した。

    少数例における検討ではあるものの,サインバルタⓇとNSAIDs等との併用により心血管系有害事象の発現割合の増加が認められたため,ご注意をお願いいたします。

    ■ サインバルタ®とアスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)との併用に関する注意

  • 20

    表1 国内第Ⅲ相継続長期投与試験におけるNSAIDs等の併用の有無別の有害事象の発現状況 社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相継続長期投与試験におけるNSAIDs等併用有無別の有害事象)

    NSAIDs等の併用の有無a)併用なし 併用あり

    評価例数 n=112 n=39有害事象 96(85.7) 34(87.2)重篤な有害事象 4(3.6) 4(10.3)投与中止に至った有害事象 12(10.7) 4(10.3)高度の有害事象 2(1.8) 2(5.1)消化器系の有害事象 46(41.1) 16(41.0)消化管出血関連の有害事象 1(0.9) 0心血管系の有害事象 11(9.8) 7(17.9)主な有害事象鼻咽頭炎 29(25.9) 8(20.5)傾眠 22(19.6) 7(17.9)挫傷 10(8.9) 7(17.9)靭帯捻挫 3(2.7) 5(12.8)便秘 11(9.8) 4(10.3)関節周囲炎 4(3.6) 4(10.3)上顆炎 1(0.9) 4(10.3)悪心 13(11.6) 3(7.7)

    発現例数〔発現率(%)〕a):NSAIDs等を1ヵ月あたり14日以上使用した被験者を「併用あり」と定義した。

    表2 国内第Ⅲ相継続長期投与試験におけるNSAIDs等の併用の有無別の心血管系有害事象の 発現状況

    社内資料(慢性腰痛症を対象とした国内第Ⅲ相継続長期投与試験におけるNSAIDs等併用有無別の心血管系有害事象)

    NSAIDs等の併用の有無a)併用なし 併用あり

    器官別大分類 (SOC) 基本語 (PT)

    n=112 n=39軽度 中等度 高度 全体 軽度 中等度 高度 全体

    全体 10(8.9) 0 1(0.9)11(9.8) 6(15.4) 0 1(2.6) 7(17.9)心臓障害 3(2.7) 0 0 3(2.7) 3(7.7) 0 0 3(7.7)心室性期外収縮 1(0.9) 0 0 1(0.9) 2(5.1) 0 0 2(5.1)不整脈 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0動悸 0 0 0 0 1(2.6) 0 0 1(2.6)頻脈 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0

    一般・全身障害および投与部位の状態 2(1.8) 0 1(0.9) 3(2.7) 1(2.6) 0 0 1(2.6)胸部不快感 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0胸痛 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0死亡 0 0 1(0.9) 1(0.9) 0 0 0 0末梢性浮腫 0 0 0 0 1(2.6) 0 0 1(2.6)

    臨床検査 2(1.8) 0 0 2(1.8) 1(2.6) 0 0 1(2.6)血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1(0.9) 0 0 1(0.9) 1(2.6) 0 0 1(2.6)血中トリグリセリド増加 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0

    神経系障害 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 1(2.6) 1(2.6)脳幹梗塞 0 0 0 0 0 0 1(2.6) 1(2.6)失神 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0

    血管障害 2(1.8) 0 0 2(1.8) 1(2.6) 0 0 1(2.6)高血圧 1(0.9) 0 0 1(0.9) 1(2.6) 0 0 1(2.6)末梢冷感 1(0.9) 0 0 1(0.9) 0 0 0 0

    発現例数〔発現率(%)〕a):NSAIDs等を1ヵ月あたり14日以上使用した被験者を「併用あり」と定義した。

  • 21

    ◆1日1回朝食後に60mgを投与します。◆投与開始時には漸増投与し,投与中止時には漸減投与します。

    通常,成人には1日1回朝食後,デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

    【効能・効果別の用法・用量】効能・効果 治療用量 用法・用量

    慢性腰痛症に伴う疼痛線維筋痛症に伴う疼痛

    変形性関節症に伴う疼痛60mg

    通常,成人には1日1回朝食後,デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

    うつ病・うつ状態糖尿病性神経障害に伴う疼痛 40~60mg

    通常,成人には1日1回朝食後,デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。なお,効果不十分な場合には,1日60mgまで増量することができる。

    5. 効能・効果に関連する注意(一部抜粋) 〈疼痛の効能共通〉5.3疼痛に対して本剤を投与する場合は,自殺念慮,自殺企図,敵意,攻撃性等の精神症状の発現リスクを考慮し,本剤の投与の適否を慎重に判断すること。〈慢性腰痛症に伴う疼痛〉5.5最新の診断基準を参考に慢性腰痛症と診断された患者にのみ,本剤の投与を考慮すること。

    7. 用法・用量に関連する注意 〈うつ病・うつ状態,糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉本剤の投与量は必要最小限となるよう,患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

    8. 重要な基本的注意(一部抜粋)〈効能共通〉8.8 投与中止(特に突然の中止)により,不安,焦燥,興奮,浮動性めまい,錯感覚(電気ショック様感覚を含む),頭痛,悪心及び筋痛等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には,突然の中止を避け,患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。〈慢性腰痛症に伴う疼痛,変形性関節症に伴う疼痛〉8.11 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることから,疼痛の原因があればその治療を併せて行い,薬物療法以外の療法も考慮すること。また,患者の状態を十分に観察し,本剤を漫然と投与しないこと。

    ■サインバルタ®の用法・用量(慢性腰痛症に伴う疼痛)

    1週間以上 1週間以上

    開始時:漸増 中止時:漸減例

    増量

    増量

    減量

    減量

    減量40mg

    通常治療用量60mg

    初期用量20mg

    または

  • 2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    * 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]

    2.3 高度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照]2.4 高度の腎機能障害のある患者[9.2.1、16.6.1参照]2.5 コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化すること

    がある。]

    〈うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。〈線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛〉通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

    6. 用法・用量

    〈うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

    7. 用法・用量に関連する注意

    4. 効能・効果

    〈効能共通〉5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告

    があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6、15.1.1参照]

    〈うつ病・うつ状態〉5.2 本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7参照]〈疼痛の効能共通〉5.3 疼痛に対して本剤を投与する場合は、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性等の精神症状の

    発現リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。〈線維筋痛症に伴う疼痛〉5.4 線維筋痛症の診断は、米国リウマチ学会の分類(診断)基準等の国際的な基準に基づき慎重

    に実施し、確定診断された場合にのみ投与すること。〈慢性腰痛症に伴う疼痛〉5.5 最新の診断基準を参考に慢性腰痛症と診断された患者にのみ、本剤の投与を考慮すること。〈変形性関節症に伴う疼痛〉5.6 3ヵ月以上疼痛を有し、最新の診断基準を参考に変形性関節症と診断された患者にのみ、

    本剤の投与を考慮すること。

    5. 効能・効果に関連する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者9.1.1 前立腺肥大症等排尿困難のある患者

    ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある。9.1.2 高血圧又は心疾患のある患者

    本剤投与前に適切にコントロールし、定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれることがある。[8.6、11.1.8参照]

    9.1.3 緑内障又は眼内圧亢進のある患者症状が悪化することがある。

    9.1.4 過度のアルコール摂取者肝障害が悪化する可能性がある。[10.2参照]

    9.1.5 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.6、15.1.1参照]

    9.1.6 躁うつ病患者躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、15.1.1参照]

    9.1.7 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者精神症状が増悪することがある。[8.2、8.4、9.1.8参照]

    9.1.8 衝動性が高い併存障害を有する患者精神症状が増悪することがある。[8.2、8.4、9.1.7参照]

    9.1.9 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者痙攣を起こすことがある。

    9.1.10 出血性疾患の既往歴又は出血性素因のある患者出血傾向が増強することがある。[10.2参照]

    9.2 腎機能障害患者9.2.1 高度の腎機能障害のある患者

    投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇することがある。[2.4、16.6.1参照]9.2.2 軽度から中等度の腎機能障害のある患者

    本剤の血中濃度が上昇することがある。9.3 肝機能障害患者9.3.1 高度の肝機能障害のある患者

    投与しないこと。肝機能障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。[2.3参照]

    9.3.2 軽度から中等度の肝機能障害のある患者肝機能障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。[8.5、11.1.5、16.6.2参照]

    9.5 妊婦妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。妊娠末期にSNRI、SSRIを投与された女性が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。

    9.6 授乳婦治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラット及びヒトで乳汁中へ移行することが報告されている。[16.3.1参照]

    9.7 小児等海外で実施された7~17歳の大うつ病性障害(DSM-Ⅳ-TR※における分類)患者を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。[5.2参照]※:DSM-Ⅳ-TR:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical

    Manual of Mental Disorders.4th edition,Text Revision(DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル)9.8 高齢者

    患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では薬物の消失が遅延し、血漿中濃度が上昇することがある。[16.6.3参照]また、高齢者においては、以下の点に注意すること。・低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることが

    ある。[11.1.3参照]・めまい等により転倒を起こすことがある。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5.1、8.1、8.2、8.4、9.1.5、9.1.6、15.1.1参照]

    8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患の精神症状の悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること。[5.1、8.1、8.2、8.3、9.1.5、9.1.6、9.1.7、9.1.8、15.1.1参照]

    8.5 肝機能障害があらわれることがあるので、適宜肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP及び総ビリルビン等)を行うとともに、患者の症状を十分に観察すること。[9.3.2、11.1.5、16.6.2参照]

    8.6 心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、適宜、血圧・脈拍数等を測定し、推移等に十分注意すること。[9.1.2、11.1.8参照]

    8.7 眠気、めまい等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。また、患者に、これらの症状を自覚した場合は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、指導すること。

    8.8 投与中止(特に突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚(電気ショック様感覚を含む)、頭痛、悪心及び筋痛等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。

    〈糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉8.9 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることから、糖尿病の治療を併せて行う

    こと。8.10 本剤の投与により血糖値上昇・HbA1c上昇等、糖尿病が悪化することがあるので、血糖値

    の推移等を慎重に観察するとともに、必要に応じて糖尿病治療薬の用量調節を行うこと。〈慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛〉8.11 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることから、疼痛の原因があればその

    治療を併せて行い、薬物療法以外の療法も考慮すること。また、患者の状態を十分に観察し、本剤を漫然と投与しないこと。

    〈効能共通〉8.1 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は

    投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。なお、うつ病・うつ状態以外で本剤の適応となる疾患においても自殺企図のおそれがあり、さらにうつ病・うつ状態を伴う場合もあるので、このような患者にも注意深く観察しながら投与すること。[5.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6、15.1.1参照]

    8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の精神症状の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.1、8.1、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6、9.1.7、9.1.8、15.1.1参照]

    8. 重要な基本的注意

    1~5%未満

    耳鳴

    腹部痛、嘔吐、腹部膨満感、腹部不快感、消化不良、胃炎

    不眠、立ちくらみ、しびれ感、振戦、浮遊感

    1%未満

    全身症状

    消化器

    ほてり、発熱、悪寒、脱水、脱力感

    種類\頻度 5%以上

    視調節障害、眼乾燥、霧視、耳痛

    口内炎、歯痛、胃腸炎、咽頭不快感

    頻度不明

    咽頭炎、咽喉緊張、口臭、嚥 下障害、顕微鏡的大腸炎

    ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、鼻出血

    異常出血(斑状出血、胃腸出血等)、白血球減少

    激越、オーガズム異常、嗜眠、睡眠障害、歯軋り、失見当識、攻撃性、怒り、歩行障害、開口障害、下肢静止不能症候群、異常感

    悪心(22.4%)、食欲減退、口渇

    (12.8%)、便秘(12.4%)、下痢

    倦怠感

    精神神経系

    あくび、焦燥感、気分高揚、注意力障害、錐体外路症状、不安、異 常 夢( 悪 夢 を 含む)、頭がぼーっとする、性欲減退、躁病反応、錯感覚、無感情、味覚異常

    傾眠(24.3%)、頭痛、めまい

    排尿困難 多尿、閉経期症状、精巣痛

    泌尿器・生殖器

    性機能異常(月経異常、射精障害、勃起障害等)、排尿障害、血中クレアチニン上 昇、BUN上昇、頻尿、尿中アルブミン/クレアチニン比上昇、尿流量減少

    高血糖、トリグリセリド上昇、総コレステロール上昇、尿中蛋白陽性

    発汗、体重減少、体重増加、CK(CPK)上昇

    甲状腺機能低下、低ナトリウム血症、乳汁漏出症、高プロラクチン血症、血中カリウム上昇

    代謝・内分泌

    血中カリウム減少

    感覚器 散瞳、緑内障

    背部痛、関節痛、筋痛、肩こり、筋痙攣

    筋・骨格系

    筋緊張

    浮腫、冷感、熱感、呼吸苦、胸痛、冷汗、咳嗽その他

    動悸、頻脈、血圧上昇

    起立性低血圧、上室性不整脈、失神循環器

    AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上 昇 、Al-P上昇、LDH上昇

    肝臓

    血液

    22. 包装

    医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

    21. 承認条件

    販売名 サインバルタカプセル20mg サインバルタカプセル30mg

    添加剤

    白糖・デンプン球状顆粒、精製白糖、ヒプロメロース、タルク、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クエン酸トリエチル、酸化チタンカプセル本体中:カラギーナン、塩化カリウム、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、ヒプロメロース

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    3.2 製剤の性状

    薬剤名等

    ピモジド

    臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    Q T 延 長 、心 室 性 不 整 脈(Torsades de pointesを含む)等の心血管系副作用が発現することがあるので注意すること。

    本剤は、ピモジドの肝での酸化的代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。

    アルコール[9.1.4参照]

    相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので注意すること。また、肝機能が悪化するおそれがある。

    アルコールは中枢神経抑制作用を有する。また、過度のアルコール摂取と本剤との併用により、肝機能が悪化することがある。

    中枢神経抑制剤バルビツール酸誘導体、ロラゼパム等

    相互に作用を増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    機序は不明

    メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)

    セロトニン症候群があらわれるおそれがある。

    左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強される。

    フルボキサミンマレイン酸塩、シプロフロキサシン、エノキサシン等

    [16.7.1参照]

    本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とフルボキサミンとの併用により、本剤の血漿クリアランスが減少したとの報告がある。

    三環系抗うつ剤アミトリプチリン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩等

    フェノチアジン系抗精神病剤ペルフェナジン

    抗不整脈剤プロパフェノン塩酸塩、フレカイニド酢酸塩

    これらの薬剤の血中濃度が上昇することがあるので、これらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とCYP2D6基質であるデシプラミンとの併用により、デシプラミンのAUCが増加したとの報告がある。

    パロキセチン塩酸塩水和物、キニジン硫酸塩水和物等

    [16.7.1参照]

    本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とパロキセチンとの併用により、本剤の血漿クリアランスが減少したとの報告がある。

    セロトニン作用薬炭酸リチウム、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、トラマドール塩酸塩、トリプタン系薬剤、L-トリプトファン含有製剤、リネゾリド等

    セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等

    [11.1.1参照]

    相互にセロトニン作用を増強することによりセロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、セロトニン作用が増強することがある。

    降圧剤クロニジン塩酸塩等

    降圧剤の作用を減弱することがあるので、本剤の用量を減量もしくはこれらの薬剤を増量するなど注意して投与すること。

    本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。

    アドレナリン、ノルアドレナリン これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、アドレナリン作用が増強することがある。

    血漿蛋白との結合率の高い薬剤

    ワルファリンカリウム等

    相互に作用を増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    本剤は血漿蛋白との結合率が高いため、併用により、本剤及びこれらの薬剤の血中遊離濃度が上昇することがある。

    出血傾向が増強する薬剤非定型抗精神病剤、フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリンカリウム等

    [9.1.10参照]

    出血傾向が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。

    SNRI、SSRIとこれらの薬剤との併用により、出血傾向が増強すると考えられる。

    10.2 併用注意(併用に注意すること) 11.2 その他の副作用

    本剤の代謝には主として肝代謝酵素CYP1A2が関与し、CYP2D6も一部寄与している。また、本剤はCYP2D6を競合的に阻害する。10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等

    * モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤

    セレギリン塩酸塩(エフピー)ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)

    [2.2参照]

    臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    他の抗うつ剤で併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれたとの報告がある。MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また、本 剤からMAO阻害剤に切り替えるときは5日間の間隔をおくこと。

    主にMAO阻害剤による神経外アミン総量の増加及び抗うつ剤によるモノアミン作動性神経終末におけるアミン再取り込み阻害によると考えられる。

    10. 相互作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、必要に応じて、減量、休薬又は中止するなどの適切な処置を行うこと。11.1 重大な副作用11.1.1 セロトニン症候群(頻度不明)

    不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。[10.2参照]

    11.1.2 悪性症候群(頻度不明)発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、白血球数増加、血清CK(CPK)上昇等の異常が認められた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられ、急性腎障害に至ることがあるので注意すること。

    11.1.3 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。[9.8参照]

    11.1.4 痙攣(0.1%未満)、幻覚(頻度不明)11.1.5 肝機能障害(0.1%未満)、肝炎(頻度不明)、黄疸(頻度不明)

    AST、ALT、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝炎、黄疸があらわれることがある。[8.5、9.3.2、16.6.2参照]

    11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)11.1.7 アナフィラキシー反応(頻度不明)

    呼吸困難、痙攣、血管浮腫、蕁麻疹等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがある。11.1.8 高血圧クリーゼ(頻度不明)[8.6、9.1.2参照]11.1.9 尿閉(頻度不明)

    症状があらわれた場合には投与を中止し、導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。

    11. 副作用

    13.1 症状海外において、本剤3000mgを超える(単剤又は他剤との併用)過量投与が報告されている。過量投与による徴候及び症状は傾眠、昏睡、セロトニン症候群、発作、嘔吐、頻脈であった。

    13.2 処置特異的な解毒剤は知られていない。必要に応じて、活性炭投与等の適切な処置を行なうこと。本剤は分布容積が大きいので、強制利尿、血液潅流、交換輸血はあまり効果的ではない。

    注:症状があらわれた場合には投与を中止すること。

    13. 過量投与

    14.1 薬剤交付時の注意14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの

    誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    14.1.2 本剤は高温多湿を避けて保存するよう指導すること。14.1.3 腸溶性コーティングを施しているため、カプセルの内容物を砕いたり、すりつぶしたりしない

    で服用するよう指導すること。原薬が酸に不安定であり、胃酸で失活することがある。

    14. 適用上の注意

    15. その他の注意

    販売名 サインバルタカプセル20mg サインバルタカプセル30mg

    性状・剤形

    外形

    キャップが淡赤白色、ボディが微黄白色の不透明な硬カプセル剤である。内容物は白色~微灰白色の顆粒である。

    キャップが淡黄白色、ボディが微黄白色の不透明な硬カプセル剤である。内容物は白色~微灰白色の顆粒である。

    大きさ 4号カプセル 3号カプセル

    質量 約0.15g 約0.22g

    識別コード 031 20 032 30

    ○うつ病・うつ状態○下記疾患に伴う疼痛

    糖尿病性神経障害線維筋痛症慢性腰痛症

     変形性関節症

    871179、87119日本標準商品分類番号

    22200AMX00230000

    2010年4月

    20mg

    22200AMX00231000

    2010年4月

    30mg

    承認番号2010年4月 2010年4月薬価収載

    販売開始

    貯法:室温保存 有効期間:3年◆添付文書の改訂には十分留意して下さい。

    過敏症注発疹、そう痒、蕁麻疹 接触性皮膚炎、光

    線過敏反応、血管浮腫、皮膚血管炎

    有効成分1カプセル中

    デュロキセチン塩酸塩22.4mg(デュロキセチンとして20mg)

    1カプセル中デュロキセチン塩酸塩33.7mg

    (デュロキセチンとして30mg)

    〈サインバルタカプセル20mg〉500カプセル[瓶、バラ]100カプセル[10カプセル(PTP)×10]500カプセル[10カプセル(PTP)×50]

    〈サインバルタカプセル30mg〉500カプセル[瓶、バラ]100カプセル[10カプセル(PTP)×10]

    ◆詳細は添付文書をご参照下さい。*印:2020年2月改訂(第2版)・CYMELJ 16

    (2020.2)サインバルタ®及びCymbalta®は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの登録商標です。

    販売〈文献請求先及び問い合わせ先〉

    15.1 臨床使用に基づく情報15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む

    複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6参照]

    15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。

  • 2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    * 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]

    2.3 高度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照]2.4 高度の腎機能障害のある患者[9.2.1、16.6.1参照]2.5 コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化すること

    がある。]

    〈うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。〈線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛〉通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

    6. 用法・用量

    〈うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

    7. 用法・用量に関連する注意

    4. 効能・効果

    〈効能共通〉5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告

    があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、9.1.6、15.1.1参照]

    〈うつ病・うつ状態〉5.2 本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7参照]〈疼痛の効能共通〉5.3 疼痛に対して本剤を投与する場合は、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性等の精神症状の

    発現リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。〈線維筋痛症に伴う疼痛〉5.4 線維筋痛症の診断は、米国リウマチ学会の分類(診断)基準等の国際的な基準に基づき慎重

    に実施し、確定診断された場合にのみ投与すること。〈慢性腰痛症に伴う疼痛〉5.5 最新の診断基準を参考に慢性腰痛症と診断された患者にのみ、本剤の投与を考慮すること。〈変形性関節症に伴う疼痛〉5.6 3ヵ月以上疼痛を有し、最新の診断基準を参考に変形性関節症と診断された患者にのみ、

    本剤の投与を考慮すること。

    5. 効能・効果に関連する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者9.1.1 前立腺肥大症等排尿困難のある患者

    ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある。9.1.2 高血圧又は心疾患のある患者

    本剤投与前に適切にコントロールし、定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれることがある。[8.6、11.1.8参照]

    9.1.3 緑内障又は眼内圧亢進のある患者症状が悪化することがある。

    9.1.4 過度のアルコール摂取者肝障害が悪化する可能性がある。[10.2参照]

    9.1.5 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.6、15.1.1参照]

    9.1.6 躁うつ病患者躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.1、8.2、8.3、8.4、9.1.5、15.1.1参照]

    9.1.7 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者精神症状が増悪することがある。[8.2、8.4、9.1.8参照]

    9.1.8 衝動性が高い併存障害を有する患者精神症状が増悪することがある。[8.2、8.4、9.1.7参照]

    9.1.9 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者痙攣を起こすことがある。

    9.1.10 出血性疾患の既往歴又は出血性素因のある患者出血傾向が増強することがある。[10.2参照]

    9.2 腎機能障害患者9.2.1 高度の腎機能障害のある患者

    投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇することがある。[2.4、16.6.1参照]9.2.2 軽度から中等度の腎機能障害のある患者

    本剤の血中濃度が上昇することがある。9.3 肝機能障害患者9.3.1 高度の肝機能障害のある患者

    投与しないこと。肝機能障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。[2.3参照]

    9.3.2 軽度から中等度の肝機能障害のある患者肝機能障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。[8.5、11.1.5、16.6.2参照]

    9.5 妊婦妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。妊娠末期にSNRI、SSRIを投与された女性が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。

    9.6 授乳婦治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラット及びヒトで乳汁中へ移行することが報告されている。[16.3.1参照]

    9.7 小児等海外で実施された7~17歳の大うつ病性障害(DSM-Ⅳ-TR※における分類)患者を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。[5.2参照]※:DSM-Ⅳ-TR:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical

    Manual of Mental Disorders.4th edition,Text Revision(DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル)9.8 高齢者

    患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では薬物の消失が遅延し、血漿中濃度が上昇することがある。[16.6.3参照]また、高齢者においては、以下の点に注意すること。・低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることが

    ある。[11.1.3参照]・めまい等により転倒を起こすことがある。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1