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腰痛予防対策の取り組み ~職員、入所者双方に 安心、安全な介助~ 特別養護老人ホーム しらいわ苑 中嶋洋之 共同研究者:宝田奈緒美 岩口祐規

腰痛予防対策の取り組み - nijinokai.net · 腰痛予防通信の発行(毎月1回ペースで発行) フォローアップ研修開催(しらいわ苑) 介護作業者の腰痛チェックアンケート実施

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腰痛予防対策の取り組み ~職員、入所者双方に

安心、安全な介助~

特別養護老人ホーム しらいわ苑

中嶋洋之

共同研究者:宝田奈緒美 岩口祐規

抱え上げ× ひねり,前屈姿勢× しらいわ苑では・・・

人力による抱え上げが当たり前 腰痛が多発!

福祉用具を使用し、 職員・入所者双方に

安心、安全な介助の実践!!

はじめに

平成23年から26年における腰痛での労災件数と休職日数

労災件数 休職日数 平成23年 → 3件 21日間 平成24年 → 6件 214日間 平成25年 → 5件 38日間 平成26年 → 2件 23日間

腰痛のメカニズム

腰痛予防対策の具体的な取り組み 平成25年10月~12月、26年8月~27年1月

腰痛予防研修、腰痛予防指導者研修、 リフトリーダー研修

平成25年11月

しらいわ苑

腰痛予防対策プロジェクトチーム

発足

施設長、部長、各部署主任、理学療法士

腰痛予防研修受講者がメンバー

目標

入所者個々に適した福祉用具を活用し

安心・安全で統一した介助を実践する

しらいわ苑

腰痛予防対策プロジェクトチーム 発足

平成25年11月~

腰痛予防通信の発行(毎月1回ペースで発行)

情報発信や 腰痛予防の 意識づけを

行う

平成26年3月 介護作業者の腰痛チェックアンケート実施

○腰痛リスクの上位 1.トイレ介助(91%) 2.着衣時の移乗(87%) 3.入浴介助(85%) 4.非着衣時の移乗(83%) 5.体位交換(82%) ・腰痛の有無 → 腰痛あり63% 腰痛なし37%

腰痛予防研修、腰痛予防指導者研修、 リフトリーダー研修 しらいわ苑、腰痛予防対策プロジェクトチーム発足

腰痛予防通信の発行(毎月1回ペースで発行) フォローアップ研修開催(しらいわ苑) 介護作業者の腰痛チェックアンケート実施 法人全職員参加の福祉用具実技学習会開催

腰痛予防研修、腰痛予防指導者研修、 リフトリーダー研修 フォローアップ研修開催 (高志リハビリテーション病院)

入所者個別のアセスメントシート記入開始

スライディングボード、床走行リフトでの移乗 マニュアルの動画作成

平成25年10月~12月

平成25年11月

平成26年1月~3月

平成26年3月 平成26年6月、7月

平成26年8月~10月

平成26年11月~27年1月

平成26年10月~

その他

介護作業者の腰痛チェックアンケート

移乗場面の腰痛負荷に注目

○福祉用具の使用前と使用後で、移乗時の腰への負荷軽減がなされたかを、独自にアンケートを作成し、調査

※アンケート期間

平成26年11月~11月中旬

負荷は感じない 0 痛みを感じるほどの負荷 10

A:今までの移乗方法での負荷 B:福祉用具を使用しての負荷 ・腰痛の体感度(腰痛度)も同様に10段階で数値化

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 負荷

感じない

痛みを 感じる 負荷

(福祉用具の使用に至るまで)

Xさんに、床走行リフトを移乗時に必ず使用していくこととなり、使用方法に関する指導を 中嶋が行い、その様子をビデオ撮影もし周知を図る。

ケース1 Xさん(男性)

職員2人で抱え上げて移乗

すれば良いん でしょ?

使い方が わからない!

(使用福祉用具)床走行リフト

(使用場面)ベッド⇔車椅子の移乗時

アンケート結果

回答職員数10名 回収数10名 回答率100%

A:今までの移乗方法での負荷

Aの平均値:7.7 最高値10 最低値5

B:福祉用具を使用してからの負荷

Bの平均値:1.6 最高値5 最低値0

腰痛度平均:4.9

床走行リフトの導入後・・・

使っているからこそ・・・

もう一度、使い方を 教えて!!

抱え上げるのは、もう

辛い

エレベーターみたいやのぉ

最高!

ケース2 Z氏(女性) (福祉用具の使用に至るまで)

理学療法士の指導のもと、実践方法の映像化もし周知を図る。 動画は

パソコンで すぐに確認が できる!!

スライディングボード

(使用福祉用具)スライディングボード

(使用場面)ベッド⇔車椅子の移乗時

アンケート結果

回答職員数10名 回収数10名 回答率100%

A:今までの移乗方法での負荷

Aの平均値:5.2 最高値7 最低値0

B:福祉用具を使用してからの負荷

Bの平均値:1.9 最高値3 最低値0

腰痛度平均:4.3

アンケート結果総評と課題 課題

・福祉用具を使用すれば

負荷を抑えられる

・腰痛予防への

意識不足

・安全に介助ができる

・腰痛度平均5近く

おわりに

福祉用具を使用した介助は腰痛予防に限らず、職員、入所者双方に安心、安全となる

安全な介助を受ける権利が入所者にはあり、それを介護者の知識と技術で提供することで安心も得られ、介護の質が保証

ご清聴

ありがとうございました