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平成25年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費 (アジアリサイクルビジネス展開可能性調査) 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性調査報告書 平成 26 年 3 月 豊田通商株式会社

中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

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Page 1: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

平成25年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費

(アジアリサイクルビジネス展開可能性調査)

中国における自動車部品リビルトビジネス

に関する事業化可能性調査報告書

平成 26 年 3 月

豊田通商株式会社

Page 2: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

目 次

第1章 調査概要 ........................................................................................................................................... 2

1. 調査の背景と目的 ....................................................................................................................... 2

2. 調査概要 ....................................................................................................................................... 3

3. 調査体制 ....................................................................................................................................... 5

4. 調査スケジュール ....................................................................................................................... 6

第2章 中国における自動車リサイクル部品の関連政策と現状 ........................................................... 7

1. リサイクル部品(中古部品・リビルト部品)に関する関係法制度等 ............................... 7

2. 中国におけるリサイクル部品に関する統計データ ............................................................. 14

3. リサイクル部品の特徴 ............................................................................................................. 24

4. 政府の現実の取組み及び課題の実態 ..................................................................................... 27

5. 現在行われているリサイクル部品の利用実態 ..................................................................... 28

第3章 中国における自動車部品リビルトビジネス展開可能性調査 ................................................. 33

1. 大連市及び北京市他における中古部品の発生源及びその特徴 ......................................... 33

2. 現地の既存リビルト企業の状況 ............................................................................................. 37

3. インフォーマルセクターの動向など ..................................................................................... 54

4. 候補となる事業パートナーの詳細 ......................................................................................... 55

5. リサイクルに関する現状・実態の把握 ................................................................................. 56

6. 事業活動を支えるインフラの整備状況 ................................................................................. 57

7. 事業開始に必要な行政手続き(認可の取得、環境影響評価など) ................................. 57

8. 競合すると考えられる他国企業の事業展開の状況等 ......................................................... 58

第4章 事業実施計画 ................................................................................................................................. 59

1. 事業展開戦略 ............................................................................................................................. 59

2. 各事業における投資金額及びその効果 ................................................................................. 60

3. 長期的な事業展開 ..................................................................................................................... 61

4. 事業化スケジュール ................................................................................................................. 61

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第1章 調査概要

1.調査の背景と目的

現在、中国における新車販売台数は世界一であり、今後爆発的に保有台数・廃車台数が伸

びることが予想され、リビルト部品市場を含むアフターマーケット市場は現在のアメリカと

同様の規模(13.5 兆円)にまで成長する可能性がある。2000 年初頭から、使用済み自動車リ

サイクルが重点的に進められてきているが、一方で、再製造部品(以下、リビルト部品)の

利用については、安全性の確保、品質保証の観点から禁止されていた。しかし、2006 年に国

家発展改革委員会及び科学技術部、国家環境保護総局が「自動車産品回収技術政策」を公布

し、再製造部品の奨励が開始されたほか、2008 年には、「再製造試行拠点管理弁法」が施行

され、モデル企業 42 社による本格的な再製造部品のモデル事業が行われるなど、再製造部

品利用に対する政府の姿勢には変化が見え始めている。

中国におけるアフターパーツは、インフォーマルセクターによる模造品が多く流通してお

り、政府は安全性の確保や品質担保のために取り締まりを強化している。また、中国汽車技

術研究中心は、自動車部品再製造品に関する国家標準についてのパブリックコメントを起草

しており、技術基準やリビルト部品に貼付するラベル標準の制定を検討しており、今後のリ

ビルト部品の販売には高い技術水準が要求される可能性が高くなっている。

今後成長が期待されるリビルト部品市場を有望市場として、すでに欧米系の部品メーカー

の現地進出が盛んになっているが、当社はこれまでに NEDO 実証事業及び経済産業省のリ

サイクルビジネス展開可能性調査事業の支援を受けて使用済み自動車リサイクル事業等を

実施しており、中国政府や中国企業とのネットワークを活用しつつ、既存のリサイクル・中

古部品ビジネスに加えて新たにリビルト部品の事業にも参入することで、総合的な自動車由

来資源のリサイクル事業を展開するチャンスになると考え、本事業の実施に至った。

本調査は、リビルト事業への参入に向けて、中国国内保有車両に適合するリビルト部品の

種類、適切な製品レベルと技術、現地企業との協業可能性などを調査し、事業展開可能性を

検討することを目的とした調査である。

リビルト事業に関する統計などの基礎情報収集に加え、現地では既に政府の認定を受けた

モデル企業によるリビルト試行が始まっていることから、これらの企業に対するヒアリング

等を行い、現地でのニーズの高い部品、現状の課題等を把握し、協業可能性についても検討

した。

また、将来的な事業展開を踏まえ、日系自動車・部品メーカーの連携先についても検討を

行い、中国リビルト事業への参入について事業計画の策定を行った。

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2.調査概要

上記の調査の背景・目的を達成するために、本調査では(1)中国における自動車リサイ

クル部品の関連政策と現状、(2)北京市・大連市他における自動車リサイクル部品事業実

施可能性調査の 2 つを実施した上で、(3)事業実施計画を策定した。

(1)中国における自動車リサイクル部品の関連政策と現状

下記の項目について、文献調査、現地の関係機関等へのヒアリングにより把握した。ま

た、中国における中古部品の輸入は禁止されているため、調査は実施していない。

1.リサイクル部品(中古部品・リビルト部品)に関する関係法制度等及びその整

備計画

2.中国におけるリサイクル部品に関する統計データ

3.リサイクル部品の輸出入に関する関係法制度等

4.リサイクル部品の特徴

5.政府の現実の取組み及び課題の実態

6.現在行われているリサイクル部品の利用実態

(2)大連市・北京市他における自動車リサイクル部品事業実施可能性調査

① 大連市及び北京市他における中古部品の発生源及びその特徴

文献調査及びリサイクル部品が発生する ELV 解体業者及び修理作業が行われている

ディーラーや修理工場へのヒアリングによりリサイクル部品の流通とその特徴を把握し

た。

② 現地の既存リビルト企業の状況(リサイクル企業、排出事業者)、インフォーマルセクターの

動向など

現地の既存リビルト企業の状況はモデル企業へのヒアリングを行い、集荷、販売先、

価格帯、対象部品、製品保証等について把握した。

リビルト部品の原料となるのコア部品の供給元である修理工場及びディーラーへのヒ

アリングから、現地におけるモデル企業以外へのコア部品の流通状況、処理の実態を把

握した。

③ 候補となる事業パートナーの詳細

第一期認定モデル企業 14 社並びに第二期認定モデル企業 28 社より数社にヒアリング

を行い、関係企業の役割分担、必要な土地・設備等を把握し、適切なパートナー候補及

び役割分担等を検討した。これらの調査結果を踏まえ、日系メーカーへの連携打診を行

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い、パートナー候補を検討した。

④ リサイクルに関する現状・実態の把握(適正処理を行う際の既存設備・手法とのギャップ)

モデル企業 14 社並びに第二次認定 28 社より数社にヒアリングを行い、現地における

リビルト製造の設備、手法を把握した。

⑤ 事業活動を支えるインフラの整備状況

北京市、大連市において過去に実施した実証事業結果を踏まえ、同事業にて構築した

中国企業及び現地政府へのヒアリングを行い、現地のインフラの今後の整備状況につい

て確認を行った。

⑥ 事業開始に必要な行政手続き(認可の取得、環境影響評価など)

リビルト事業は中国政府から認定を受け、且つ製造メーカーより授権を受けた企業の

みにエンジン、トランスミッションのリビルトが認められているため、認定資格の条件

および今後の認定発行の予定について関係機関にヒアリングを行った。

また、認定の取得には困難が予想されることから、本調査においてモデル企業へのヒ

アリングを行い、連携パートナーを検討した。

⑦ 競合すると考えられる他国企業の事業展開の状況等

既に現地への進出を展開している欧米のリビルト企業の動向について、対象品目、企

業体、規模等を把握した。

また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

を拠点とした全世界規模でのビジネスモデルを検討するために、米州にて広くリビルト

事業を展開している企業のビジネスモデルを調査し、ベンチマークとした。集荷・製造

技術・品質・販売網などについても、同企業への現地調査を実施した。

(3)事業実施計画

事業実施計画は、事業実施可能性調査の調査結果をもとに、対象品(車種及び主な部品

の種類)、現地企業との協業方法、現地の部品ニーズ(品種、品質レベル)と価格帯に基

づく事業採算性についてとりまとめて記載した。

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3.調査体制

本調査の実施に当たっては、当社環境・リサイクル事業推進部中国事業グループが中心と

なり、調査を実施した。中国国内の現地企業の市場調査や各種データ分析・収集に関する調

査については豊田通商(中国)有限公司に、また中国国内のリビルト部品に関する政府認定

モデル企業の市場に関する調査については、野村総研(上海)咨詢有限公司北京分公司等に

一部外注した。

図表 1 調査体制

【提案者】

豊田通商(中国)有限公司

(事業内容)

① 現地企業等の市場調査

② 各種データ分析及び収集

野村総研(上海)咨詢有限公司北京分公司

(事業内容)

① 政府指定モデル拠点企業等の市場調査

豊田通商

株式会社

(再委託先)

(外注先)

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4.調査スケジュール

調査期間中、6 回の海外現地調査、8 回の国内調査、2 回の経済産業省との打ち合わせを実

施した。

図表 2 調査スケジュール

10月10月10月10月 11月11月11月11月 12月12月12月12月 1月1月1月1月 2月2月2月2月 3月3月3月3月

基礎調査 文献調査

文献調査

現地調査

国内調査

平成26年平成26年平成26年平成26年

事業実施

可能性調査

報告書作成

事業計画の検討・作成

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第2章 中国における自動車リサイクル部品の関連政策と現状

1.リサイクル部品(中古部品・リビルト部品)に関する関係法制度等

(1)中国国内におけるリビルト製造に関する法制度

① 5 大アッセンブリーのリビルト製造禁止

i)廃棄自動車回収管理弁法(第 307 号令)

中国では、自動車の販売台数及び保有台数の増加に伴い今後急増することが懸念され

ている使用済み自動車に対応するべく、2001 年に「廃棄自動車回収管理弁法(第 307 号

令)」を制定し、使用済み自動車の回収制度の確立と管理強化を開始した。

同法において、リビルト部品の利用についても、政府は模造品の流通による安全性や

品質保証を懸念し、解体後の5大アッセンブリー(エンジン、トランスミッションステ

アリング、アクスル、シャーシ)部品は破壊処理し、製鋼原料とすることを義務として

定め、リビルト製造を禁止する対策がとられている。

② リビルト製造の試行開始

リビルト製造禁止の対策は、自動車産業の育成政策における自動車部品の国内供給を

推進の影響を受け、次第に重要な産業として奨励・育成する姿勢へと徐々に変化し始め

る。

i)自動車産品回収技術政策

2006 年に国家発展改革委員会及び科学技術部、国家環境保護総局が「自動車産品回収

技術政策」が公表され、再製造部品の奨励が開始された。

ii)自動車部品リビルトの試作業務開始に関する通知

2008 年には、国家発展改革委員会が「自動車部品リビルトの試作業務開始に関する通

知(発改弁環資【2008】523 号)」を発行した。この通知は、数年のリビルト事業の試行

を通じて、国内における自動車中古部品取引、再製造部品販売などに関連する経験を蓄

積し、リビルト産業の発展政策と管理制度等を検討することで、関連法の整備、リビル

ト関連の技術標準や市場参入条件、流通管理体系等を確立することを目的としたもので

ある。

iii)再製造試行拠点管理弁法

2008 年に「再製造試行拠点管理弁法」が施行され、5大アッセンブリーのリビルト製

造が暫定的に解禁されたことで試験的なリビルト製造が開始された。

リビルト製造は政府が認定した 14 社のモデル企業によって実施され、エンジン、ト

ランスミッション、ステアリング、オルタネータ、スタータ5種類を対象に実証試験が

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開始された。モデル企業は、代表的な完成車メーカーとリビルト製造能力を有する部品

メーカーから指定された。

同時に、モデル企業に対しては以下のような規制が定められ、厳重な管理のなかで事

業が試行された。

図表 3 モデル企業に対する規制

モデル企業に対する規制モデル企業に対する規制モデル企業に対する規制モデル企業に対する規制 ①エンジン、トランスミッション、オルタネータ、スタータ、ステアリングの廃車回

収解体企業からの中古部品購入禁止 ②上記部品に関しては 307 号令の規定に従うこと ③再製造品の品質保証期間は原則として同類製品の新品と同等以上であること ④非認定企業の製品の回収・再製造の禁止 ⑤再製造品の販売先は自動車メーカーの認定を受けたアフターサービス拠点に限る ⑥再製造に用いる部品は自動車メーカーから商標使用権を取得すること

③ リビルト産業育成方針の明確化

i)中華人民共和国リサイクル経済促進法

2008 年 8 月に公表された「中華人民共和国リサイクル経済促進法」によって、5種類

に限定されていた対象部品は、建機、製造機器などの部品、タイヤに拡大された。同法

では、品質保証を担保するための対応として、リビルト製品の品質は国が定めた標準を

満たすこと、製品に明確にリビルト製品であることを表示することについても定められ

た。

ii)機電製品リビルト試作に関する通知

2009 年 6 月、工信部より「機電製品リビルト試作に関する通知」が公表され、工信部

も機電製品のリビルト試作を開始した。建機、大型工業機電設備、旋盤、農業機器、鉱

山機器、鉄道車両、船舶、医療及び OA 機器などの機器及びその重要部品であった。

iii)リビルト産業の発展に関する意見

2010 年 5 月、国家発展改革委員会を始め 11 部署連名で「リビルト産業の発展に関す

る意見」(発改環資【2010】991 号)が公表され、リビルト産業を重要な産業として発展

させるため、基本方針の策定、関連法規や経済政策の整備、管理監督制度、専門人材の

育成を行うことの必要性が意見された。自動車部品、建機及び製造機器は重点的にリビ

ルト製造を推進する対象として位置づけられた。

④ リビルト試行事業の拡大

i)リビルト実証試験の拡大実施に関する通知

2011年9月には、国家発展改革委員会が「リビルト実証試験の拡大実施に関する通知」

を公表した。この通知により、リビルト実証試験の対象範囲は従来の5種類からドライ

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ブシャフト、エンジンオイルポンプ、ウォーターポンプ、パワステポンプに拡大された。

また、リビルトの原料となる中古部品の回収方法や製造されたリビルト部品の販売方法、

リビルト製造に用いる中国産設備の産業化についても今後検討が行われることとなっ

た。政府は、税制面、技術開発、システム構築等において優遇政策を検討することとさ

れた。

図表 4 リビルト試行の対象品目(2014 年 3 月時点)

リビルト試行の対象品目リビルト試行の対象品目リビルト試行の対象品目リビルト試行の対象品目 2008 年に定められた対象品目 ①エンジン

②トランスミッション

③オルタネータ

④スタータ ⑤ステアリング

2011 年に定められた対象品目 ⑥ドライブシャフト

⑦エンジンオイルポンプ

⑧ウォーターポンプ

⑨パワステポンプ

ii)リビルト企業の品質管理規範(試行版)

2013 年 1 月には、国家発展改革委員会がリビルト企業の品質管理規範(試行版)に関

する通知を発行した。この規範において、リビルト事業に参入する企業に求められる要

件、使用済み中古部品の回収・検査方法、品質管理体制(ISO9001 や ISO14001 の取得

等)、製品の販売方法やトレーサビリティに関する規定が定められた。

図表 5 リビルト企業の品質管理規範(試行版)

リビルト企業の品質管理規範(試行版)リビルト企業の品質管理規範(試行版)リビルト企業の品質管理規範(試行版)リビルト企業の品質管理規範(試行版) 二 基本条件 第五条(工商登記)リビルト事業に参入する企業は、工商管理部署で工商登記或いは営業

範囲変更を行い、リビルト事業を行うとの内容を明記した上でリビル

ト事業を実施すること。 第六条(製品授権)エンジン、トランスミッションのリビルトを操業する企業はその製品

の元製造企業からの授権を取得する必要があり、その技術的応援を受

け、品質の保証ができ、且つそのリビルトの規模は元製造者の社会的

保有台数と合わせて合理的な解釈が成り立つようにすること。 第七条(業務企画)リビルト企業は市場を分析し、製品販売の市場戦略と営業計画を立て、

定期的に計画の進捗を確認し、リビルト製品で収益を獲得できる生産

規模の達成をすること。 第八条(生産能力管理)リビルト企業は解体、洗浄、リビルト加工、組付け、製品の品質

測定検査などの技術設備と能力を揃えなければならず、現場と一致し、

且つ上記の要求を満たす設備リストの提供が必要。国家としては表面

修復の技術と設備で製造率の上昇を図ることを奨励する。

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三 旧品の回収と検査測定 第九条(中古部品の回収)リビルト企業は自社或いは元製造企業の販売及びアフターサー

ビスネットから中古部品を回収することができる。中古部品回収を専

業とした業者がリビルト企業に対して中古部品を供給することを提唱

する。ELV からの中古部品回収及びそれを用いたリビルトは国家の規

定に反してはならない。 第十条(中古部品輸入の管理)リビルト企業は海外から中古部品を輸入し、加工するにあ

たり、国家の貿易、産業政策、輸入廃棄物環境保護及び税関、質検な

どの規定に従い、有害物の輸入を防止すべき。リビルト企業はロット

毎に中古部品輸入の合法な手続きを行うこと。 第十一条(中古部品検査の要求)リビルト企業は中古部品に対し、その性能を判明する技

術手段と能力を有するべきであり、自社で鑑定した中古部品のリスト

とリビルト可能な部品リストを作成する必要がある。また、リビルト

企業は解体する中古部品と更新に使用する部品の仕入れ検査要求を明

確にする必要がある。解体する中古部品に対しては、その検査方法と

手順を明確にすること。更新に使用する部品については、サプライヤー

の検査報告を用いるか自社検査結果を用いることができる。 四 生産過程の品質コントロール 第十二条(品質コントロール体制)リビルト企業は ISO9001 認証を取得することが必要で

ある。認証範囲はリビルト企業、対象製品、同社元品質コントロール

体制の上、リビルト製品の範囲を追加する。尚、リビルト企業に対し、

ISO14001 の環境システム認証と OHSAS18001 の職業健康安全管理関

係の認証も取得することを奨励する。 第十三条(生産標準)リビルト企業は製品の設計、設計変更、製造工程設計に対し自社で

試験を実施し確認することが必要である。これによりリビルト製品が

元製造者の新品と同様な性能を持つことを保証する。 第十四条(標準改善計画)リビルト企業は授権企業或いは自社の製品図面に記載する寸法

や技術要件を変更しようとする場合、その設計の審査、確認を実施し、

製品の設計に対する責任を果たすものとする。 第十五条(作業指導書)リビルト企業は製品の全過程に渡って、検査規程或いは検査作業

指導書を作成し、標準作業書で工程要領と管理方法を明確にし、製品

の品質に関係する作業者に使用させ、作業を標準化し、その工程を監

督するものとする。作業指導書は生産現場に表示し、随時更新とする。 第十六条(生産一致性の保証)企業の生産体制(人員の能力、生産/検査設備、仕入/回収に

関わる材料とサプライヤー、生産工程、作業環境、管理体制など)の

保証能力に重大な変更が発生する場合には、生産に影響が及ばないこ

とを十分に証明する必要がある。 第十七条(作業者)リビルト企業の技術者は製品の製造工程と技術を把握し、製品の工程

設計能力を有すること。製品の部品から完成までの製造中の検査や完

成品検査ができる者である。 第十八条(性能検査)リビルト企業は製品の性能、経済性(燃費)についての検査を行う

必要である。完成品の性能検査項目はそのモデル試験の要求の規程に

合わせて定例検査とモデル試験の頻度を定める必要がある。製品は国

家標準に記載された新品検査に合格できるものでなければ出荷しては

ならない。国家標準がない場合、元製造者の標準に達すものとする。 第十九条(検査標準とその報告)リビルト製品は元製品の新品標準の要求を満たすこと。

よってリビルト企業は自社製品をライセンスの付与された資格のある

第三者認定機関(CMA)或いは元製品の製造者で性能測定をし、検査

報告を発行する必要がある。製品シリーズがロット生産規模に達した

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ものは国家標準に従い、モデル試験を実施し、リビルトモデル試験の

検査報告を提示する必要がある。検査に不合格の場合、販売禁止とす

る。元製品が CCC 認証を必要とするものの場合は、そのリビルト製品

に同様の認証がなければ生産不可とする。 第二十条(技術設備とその保守)リビルト企業は必要な洗浄、検査、加工、組付け設備を

持ち、それらに対し設備取実施し、設備を良好な状態を保つ、正常な

生産を守ること。 第二十一条(環境管理)リビルト企業の製造施設は環境保護に配慮しなければならない。

製造する製品の製造工程と技術の変更に伴う技術改善を実施すると同

時に、関係する設備の改造も実施すべきである。 第二十二条(内部審査)リビルト企業は社内審査体制を作って、年間 1 回下回ずに内部審

査を実施すること。審査内容はすべての製品についての寸法、性能、

修復寸法を考慮して計画すること。 第二十三条(市場反応への改善対応計画)リビルト企業は生産中の不良品に対し適切な方

法で分析を実施し、設計、工程、技術と試験能力面で改善を続けるこ

とが必要である。市場の反応に応じて自社の設計、工程、技術、開発

能力及び品質保証能力をアップすることも必要である。 五 販売網と製品追跡 第二十四条(販売体制の明示)リビルト企業の製品の販売は、自社、元製造企業のアフター

サービスネットワーク或いは指定された機構の範囲において行うもの

とする。且つそのアフターサービスネットワークの販売店を社会に対

し公表する必要がある。元製造企業の新品生産及び国家または企業が

明示する品質保証期間内での修理や交換に用いてはならない。国家と

してはリビルト製品を品質保証期間外の修理や交換に使用することを

奨励する。 第二十五条(消費者承知権)リビルト企業は自ら或いは他の企業に委託し、リビルト製品

を使用する際、消費者にその製品がリビルト品であることを明示しな

ければならない。 第二十六条(品質保証承諾)リビルト企業は自社製品に品質合格証と元製造企業の新品と

同様な品質保証期間を明示する。 第二十七条(連帯管理)リビルト企業に認定された販売店は、製品に対し連帯管理の実施、

製品販売情報の記録、領収書の発行、これらの情報の保管を行うもの

とする。 第二十八条(品質追跡体制)リビルト企業は原材料(回収された物あるいは新品)の仕入

先から最終製品の出荷までの完全な追跡体制を構築する必要がある。

リビルト企業は製品アッシーの中のリビルト品と更新物の類別を明確

にし、記録して保管する。製品の品質、安全、環境、省エネなどの面

で重大な問題が発生した際、リビルト企業として迅速に原因究明がで

き、必要な救済措置をとることができるようにすること。 六 保障条件 第二十九条(注記と表示)リビルト企業は製品の外観に明確にリビルト品であることを表

示すること。外観面での表示が困難な場合は、その包装に表示するこ

と。表示そのものは見やすく、耐久性且つ落とし難くすること。 第三十条(監督検査)リビルト企業は積極的に監査機構からの検査監督に協力すること。

問題が発見された場合それを速やかに是正すること。 第三十一条(リコール)リビルト企業は自社製品の安全欠陥による人の健康と生命安全に

被害を招致する可能性があると発見した場合、国家の規定に従い社会

に対して公表をしなければならない。販売者に販売停止、消費者に使

用停止の通知を出し、自ら製品のリコールを実施する。安全欠陥の原

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因が元製造企業に及ぶ場合は、その製造元へも通知する必要がある。

(注)日本語訳は仮訳として当社が作成したものであり、実際の法的解釈や運用に対して責任を有するもの

ではない。

iii)「以旧換再」

2013 年 7 月、発改委、財政部、工信部、商務部、質検総局ら四つの部署が連盟で「リ

ビルト部品の中古部品交換検討実施案」を公表した。これにより、発展改革委員会と工

信部に認定されたリビルト企業のリビルト部品(まずはエンジンとトランスミッション

を対象とする予定)の購買者に対し、補助金を出すと規定(但し、補助金には上限設定

有り)。この補助規定の期間は原則的 5 年間以下とされているが、現状は補助金実施の

具体的措置が未決定であり、実施されていない。

⑤ 今後の動向

2001 年に制定された「ELV 回収管理弁法」を代替する「ELV 回収解体管理条例」が商

務部の主導により作成されている。これに関する意見として通知された文書では「ELV 解

体により発生したエンジン、トランスミッション、ステアリング、アクスル、シャーシの

5大アッセンブリーとその部品は、国家の規定に従いリビルト可能なものはリビルト企業

へ売却すべきである」と記載されている。

2014 年 3 月現在においては未発表であるが、今後のリビルト産業の発展は同条例の制定

動向に大きく左右されると考えられる。

図表 6 リビルト製造の推進に関する法制度 年月年月年月年月 法令等名称法令等名称法令等名称法令等名称 概要概要概要概要 担当部署担当部署担当部署担当部署

2006200620062006 年年年年 2222 月月月月

自動車産品回収利用

技術政策

廃車部品及び修理交換した中古部品について、

技術、設備、検査測定条件を有した企業が再製

造し、修理部品として自動車修理に用いる事を奨

国家発展改革委員会、

科学技術部、国家環境

保護局

2008200820082008 年年年年 3333 月月月月

自動車部品再製造モデ

ル拠点プロジェクトの組織

的展開に関する通知

エンジン、トランスミッション、オルタネータ、スタータ、ステアリングを

対象として、部品再製造産業の技術標準、市場参

入条件、流通管理体系の確立を行う

国家発展改革委員会

2008200820082008 年年年年 3333 月月月月

自動車部品再製造試

行拠点管理弁法

禁止されていた 5 大アッセンブリー(エンジン、トランスミッショ

ン、ステアリング、アクスル、シャーシ)のリビルトを暫定的に許

可。モデル企業 14 社選定。

国家発展改革委員会

2008200820082008 年年年年 8888 月月月月

中華人民共和国循環

経済促進法

再製造品および再生品の品質の国家基準合致

と、再生品の標識標示義務付

環境保護部

Page 14: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

- 13 -

2010201020102010 年年年年 5555 月月月月

リビルト産業発展の意見

に関して

廃棄自動車回収管理弁法(307 号令)を改訂し、5

大アッセンブリーのリビルト禁止の廃止を提言

国家発展改革委員会、

商務部、環境保護部等

11 部署

2011201120112011 年年年年 9999 月月月月

実証試験の拡大実施

に関する通知

モデル企業の対象部品をドライブシャフト、エンジンオイルポ

ンプ、ウォーターポンプ、パワステポンプに拡大

国家発展改革委員会

(2)リサイクル部品の輸出入に関する法制度

中国では、不適正処理による環境汚染を懸念して、国内で適切な処理が行えないと考え

られる廃棄物や再生資源の輸入禁止・制限政策をとっている。

自動車の中古部品の輸入に対しても同様の姿勢をとっており、2002 年に外経貿部、税関

総署、質検総局三部所が公表した「輸入禁止品目(第二陣)」に、「車類」(87 章)と「エ

ンジン」(子目 8407~8408)が定められており、これによって大半の自動車の中古部品(エ

ンジン、トランスミッション、ステアリング、ブレーキアッシー等)は輸入が禁止されて

いる。オルタネータ、スタータ、ポンプ類など一部の部品はこの禁止対象に含まれていな

い。

また、2004 年に国家発展改革委員会が公表した「自動車産業発展政策」において、寄付

や金属スクラップ等の名義で中古自動車とバイクの5大アッセンブリー等の部品を輸入

し、解体またはオーバーホールを行うことが禁止されている。(第 59 条)

このように、大半の自動車中古部品の輸入が禁止されている状況は、リビルトの原料と

なる中古部品の集荷を国内供給に限ることになり、リビルト産業発展の方針と相反する状

況をつくりだしている。そのため、政府も徐々に規制緩和を検討し始め、国内のリビルト

産業の発展に向けた環境整備、産業発展の促進を図っている。

例えば、試行版が公表された「リビルト企業品質管理規範」においても、「リビルト企

業は海外から中古部品を輸入し、加工するにあたり、国家の貿易、産業政策、輸入廃棄物

環境保護及び税関、質検などの規定に従い、有害物の輸入を防止すべきである。またリビ

ルト企業はロット毎に中古部品輸入の合法な手続きを提供できるようにするべきである

(第 10 条(中古部品輸入の管理))」など、輸入時についても原則が明示されている。

Page 15: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

- 14 -

2.中国におけるリサイクル部品に関する統計データ

(1)販売台数・保有台数

中国における自動車の販売台数は、2013 年に年間あたり 2,000 万台を突破し、今後も増

加を続け、2020 年には 3,000 万台を超えると予測される。

また、保有台数は 2012 年に 1 億台を超えており、今後も販売数の増加に伴い増加を続

け、2020 年には 3 億台に近づくと予測される。

図表 7 中国における自動車保有台数と販売台数の推移予測

(千台)

(資料)世界自動車統計年刊 2013(FORIN)及び世界自動車産業の生産・販売台数予測調査 2013 年版-2022 年

の自動車産業-(㈱アイアールシー)をもとに作成。2012 年までは実績値、2013 年以降は推計値。

販売数を車種別にみると、2013 年の実績で乗用車が約 1 千 6 百万台、商用車が約 4 百万

台と、乗用車の販売が約 8 割を占めている。

36,974 43,584 50,996

62,806 78,018

93,563 109,440

126,732

144,320

162,703

181,087

199,470

217,854

236,237 248,537

258,377 266,249 272,546

297,736

7,216 8,792 9,336 13,645 18,062 18,505 19,306 21,816 22,633 24,959 26,335 27,391 28,492 29,495 30,530 31,608 32,408 33,220 34,055

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

保有台数 販売台数

Page 16: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

- 15 -

図表 8 中国における販売台数(乗用車・商用車別)

(千台)

(資料)世界自動車統計年刊 2013(FORIN)、世界自動車産業の生産・販売台数予測調査 2013 年版(㈱アイアール

シー)をもとに当社作成

車種別の保有台数を見ると、乗用車の販売台数増加に伴い、乗用車が全体に占める割合

が増加しており、2013 年には乗用車の割合が 56%となっている。

図表 9 中国における自動車保有台数(乗用車・商用車別)

(万台)

(資料)世界自動車統計年刊 2013(FORIN)、世界自動車産業の生産・販売台数予測調査 2013 年版-2022 年の

自動車産業-(㈱アイアールシー)より作成。13 年度は同資料に基づく推計値。

10,380

13,900 14,472 15,495 16,130

3,410

4,360 4,033 3,811

3,970

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

乗用車 商用車

2,530 3,443

4,624 5,831

7,145

3,588

4,359

4,732

5,113

5,528

-

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

乗用車 商用車

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(2)アフターパーツ1市場

1)アフターパーツ市場全体

中国では自動車保有台数の増加に伴い、自動車アフターパーツ市場も急成長している。

2005 年の 2,500 億元から 2010 年の 7,100 億元に成長し、2013 年は 1 兆元に近い規模で、

平均 18%以上の成長率を見せている。更に、2020 年には 3 兆元を超える規模に達成する

と予測される。

図表 10 2005~2020 年自動車アフターパーツ市場規模の推移(単位:億元)

(資料)2005~2013 年までのデータは「中国汽車工業統計年鑑」を参照、2014~2020 年は、当社予測により作成

関連機関の統計データによると(代表企業 20 社をサンプルとして調査)、2010 年、中国

リビルト部品販売総額は 25 億元で、2013 年は約 80 億元を達成し、3.2 倍に拡大した。更

に、2012 年 6 月 16 日に国務院より発表された「十二五節能環保産業発展計画(第十二次

五ヵ年省エネ及び環境産業に対する計画)」には、2015 年にはリビルト部品市場規模を 400

億元、エンジンは 80 万台で、トランスミッションとスタータ及びオルタネータは合計 800

万ユニット生産の実現という目標が設定されている。

1 アフターパーツとは新車販売後に交換される単品で販売されるパーツの総称のことである。

2,5213,959 4,699 4,913 5,508

7,183 7,574 8,1899,691

11,467

13,569

16,056

19,000

22,482

26,604

31,480

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

CAGR:18.3%

予測値

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図表 11 2010~2015 年中国リビルト部品販売総額推移(単位:億元)

(資料)「中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品分科会」の関係者インタビューより作成

(注)2015 年目標 400 億元中、自動車リビルト部品が約 8 割で、工作機械などの自動車以外製品が2割である

「中国汽車工業協会汽車零部件再製造分会(中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品

分科会)」の関係者インタビューによると、2015 年の目標は非常に高く設定されており、

実現には相応の努力が必要である。しかし下記 3 つの根拠に基づき、実現可能性はあると

推測される。

根拠1.関連政策発表及び業界規範化

政府は「以旧換再(リビルト部品購買者に対し、補助金を付与)」などの政策を通じて、

消費者の購買意欲を高め、需要拡大に繋がることを期待している。既に「以旧換再」政策

の草案は国務院まで上申されており、2014 年上期には実施される可能性が高いと思われる。

また、自動車部品企業の知的財産保護、ローカル企業の技術力育成のために、模倣品の取

締りを強化し、アフターパーツ市場の規範化を進めている。これにより、模倣品の流通は

減少傾向にあり、アフターパーツ市場におけるリビルト部品の認知度向上に繋がると期待

される。

根拠2.既存リビルト企業の生産拡大

中央及び地方政府の支援を受け、リビルト部品市場はモデル企業を中心に急速成長する

と期待される。例えば、上海市は 2011 年からリビルト事業を「戦略新規産業専門発展計

画」に盛込み、市場規模を 2012 年の 10 億元から、2015 年の 50 億元に拡大させる計画を

発表した。

根拠3.リビルト事業への新規参入企業の増加

「循環経済促進法」などの環境に配慮した産業発展支援政策により、リビルト事業の注

目度は高く、新規参入企業数は伸びている。「中国汽車工業協会」の統計によると、2008

年では、10 社強のリビルト企業が、2013 年には 100 社を超えている。今後もリビルト部

25 50 75 80 100

400

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

第一回目の再製造試点工程

(リビルト部品パイロットプ

ロジェクト)の実施を通じて、

中国のリビルト部品市場は急

成長した

マクロ経済の不景

気により、成長が多

少減速した

既存企業の事業拡大と新

規企業参入及び関連政策

実施により、市場の急成長

が期待できる

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品市場の拡大と共に企業数も伸びていくと予測される。

図表 12 2010~2020 年リビルト部品市場規模の推移(億元)

(資料)2010-2020 年データは「中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品分科会」の関係者インタビューより当社推計

中国のリビルト部品市場はアメリカ等の市場より遅れているものの、2008 年から徐々に

拡大し、2013 年には 80 億元に達した。2014 年は、「以旧換再」政策により、エンジンと

トランスミッションを中心に、リビルト部品市場は急速成長すると予測される。

「中国自動車工業協会」関係者へのインタビューによると、2015 年にはアフターパーツ

市場の約 3%がリビルト部品市場となり、2020 年には約 25%、2030 年には約 50%に達す

ると予測している。

2)商用車と乗用車別の市場

現在、中国のリビルト部品市場において、商用車向けのリビルト部品需要が圧倒的に大

きく、金額ベースで見ると、市場全体のおおよそ 70%を占めている。

その理由は

①商用車は乗用車と比較して、安全面とコスト面の両立が求められている。

②乗用車に対しての国家質検総局(国家品質検査管理局)管理が比較的に厳しい。

①と②の理由から、商用車の方がより早くリビルト部品の需要が高まった。

第一期認定モデル企業リストを見ても分かるように、14 社中 10 社が商用車向けリビル

ト企業であり、大半を占めている。

25 50 75 80 100 400725 1315

2383

4319

7828

0.35 0.66 0.92 0.83 0.87 2.954.52

6.92

10.60

16.23

24.86

0

5

10

15

20

25

30

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年

リビルト部品市場規模(億元) アフターパーツにおけるリビルト部品占める比率(%)

予測値

国家計画

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図表 13 商用車と乗用車構成比(2013 年金額ベース)

(資料)関係者インタビューより当社作成

3)主要パーツ別の市場規模

「中国発展改革委員会」より発表された政府認定モデル企業には、エンジン、トランス

ミッション、モーター(スタータ、オルタネータ)、ステアリング、ターボチャージャー、

ポンプ(パワステ、ウォーター)、コンプレッサーなどのリビルト企業がある。その中で

今回は、エンジン、トランスミッション、モーター、ステアリング、ターボチャージャー

の 5 種類をメインとして分析を行う。

現在のリビルト部品市場は、エンジンとトランスミッションの売上が多く、ぞれぞれ市

場全体の約 40%と約 35%を占めている。

三番目のシェアを占めるモーターは、市場全体の約 11%を占めており、ステアリングと

ターボチャージャーは合計で 6%を占めている。エンジン、トランスミッション以外の部

品は授権の必要がなく、集荷チャネルも比較的広いといったメリットもあり、今後の成長

が速いと予測される。例えば、2008 年にはターボチャージャーの需要がなかったが、2013

年には売上ベースで全体の約 1%程度に成長している。

商用車

70%

乗用車

30%

Page 21: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

- 20 -

図表 14 部品別の構成比(2013 年金額ベース)

(資料)「中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品分科会」が発表したデー

タ及び企業ヒアリングより当社推計

商用車と乗用車を分けると、部品ごとの構成は多少差異が生じている。例えば、エンジ

ンの場合、商用車市場では約 45%を占めるが、乗用車市場では約 30%になる。現在、商用

車エンジンのリビルト企業は、中国ローカル企業が多いが、乗用車は外資系(合弁含む)

企業が多い。

非 5 大アッセンブリー部品(モーター、ステアリング、ターボチャージャー等)の場合、

商用車市場では約 20%を占めるが、乗用車市場では約 35%になる。商用車に比べ乗用車

の品番は多く、5大アッセンブリーより消費者からの安全要求レベルは低く、一般消費者

にも受け入れられたため、全体における占める比率が高いと言われている。

図表 15 商用車の部品別構成比(2013 年金額ベース)

(資料)「中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品分科会」が発表したデー

タ及び企業ヒアリングより当社推計

エンジン

44%

トランスミッショ

38%

モーター(ス

タータ、オルタ

ネータ)

11%

ステアリング

6%

ターボチャー

ジャー

1%

エンジン

45%

トランスミッショ

35%

モーター(ス

タータ、オルタ

ネータ)

10%

ステアリング

5%

その他

5%

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図表 16 乗用車の部品別構成比(2013 年金額ベース)

(資料)「中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品分科会」が発表したデー

タ及び企業ヒアリングより当社推計

台数ベースでは、モーター(スタータ・オルタネータ)が圧倒的に多く、約 320 万ユニッ

トになる。エンジンとトランスミッションはそれぞれ約 10 万台と約 24 万台になる。

図表 17 2013 年部品別の構成比(台数ベース)

※「中国汽車工業協会自動車部品リビルト部品分科会」が発表したデータ及び企業ヒアリングより当社推計

商用車と乗用車の部品別市場規模をみると、商用車のエンジンが 25.2 億元、トランス

ミッションが 19.6 億元と規模が大きい。乗用車においては、トランスミッションが 8.4

億元と最も大きく、エンジンが 25.2 億元と続いている。

エンジン

30%

トランスミッショ

35%

モーター(ス

タータ、オルタ

ネータ)

15%

ステアリング

10%

ターボチャー

ジャー

3%その他

7%

68,108 196,000

1,753,660

29,612 42,000

1,443,020

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

3,000,000

エンジン トランスミッション スタータ・オルタネータ

商用車 乗用車

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図表 18 商用車と乗用車の部品別市場規模(2013 年 単位:億元)

(資料)2013 年リビルト部品市場規模 80 億元をベースに当社推計

政府は 2012 年に第三段階「乗用車燃料消耗量限定値」を発表しており、2015 年から実

施予定である。2015 年基準値は 6.9L/100km になり、前段階に比べて 20%程度引下げられ

ている。2020 年には、第三段階をベースに更に 30%程度引下げられ、5L/100km になる予

定である。

また、商用車向けには既に「軽型商用車燃料消耗量限定値」が発表されており、2012

年には「重型商用車燃料消耗量限定値」が発表され、第二段階は 2014 年から実施予定で

ある。

燃費規制に対応するため、完成車メーカーはターボチャージャー付エンジンの搭載を重

要な対策の1つとして考えている。今後は、外資系完成車メーカーを中心に、ターボチャー

ジャー導入率が急速に増えると思われ、その保有台数も拡大すると予測される。ハネウェ

ル(アメリカ大手のターボチャージャー企業)の予測によると、2013 年中国のターボチャー

ジャーは 500 万台規模になり、2018 年には 1000 万台に達すると予測している。

欧米系完成車メーカーは中国でのターボチャージャーの現地生産が長く、今後も継続拡

大する予定である。例えば、ハネウェルは、2012 年湖北省武漢市で新工場を設立し、計画

生産能力は 200 万台である。同年、上海のターボチャージャー工場を拡張し、最大生産能

力を 130 万台に引き上げた。

日系完成車メーカーの場合、2011 年ターボチャージャー導入率は 1%だが、2015 年には

30%、2020 年には 69%になると予測されている。例えば、東風日産は 2011 年よりターボ

チャージャーの現地生産を開始した。また、三菱重工、IHI などの日系大手ターボチャー

ジャー企業は、ニーズの増加に応じて、既存工場の拡張あるいは新工場設立の動きが活発

化している。

2013 年 8 月、「上海菱重増圧器有限公司(三菱重工業関連会社)」は、生産能力を 2015

年までに現状の約 3 倍、2016 年には約 4 倍に拡張する計画を発表した。

2012 年、IHI は 10 億円を投資して、「無錫石播増圧器有限公司」を設立し、既に稼働し

25.2

19.6

5.6 2.8

0.0

7.2 8.4

3.6 2.4 0.7

0

5

10

15

20

25

30

商用車 乗用車

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ている「江蘇石川島増圧器有限公司」と「長春富奥石川島増圧器有限公司」を合わせて、

年間 80 万台の生産能力を確保した。

但し、ターボチャージャーのリビルト需要は遠い将来に増加すると考えられるため、本

調査においてはリビルト対象品としない。

Page 25: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

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3.リサイクル部品の特徴

中国の自動車アフターパーツ市場に流通している部品は、下記の 5 つに分類される。

純正部品 完成車メーカーブランドにて完成車メーカーのアフターチャネ

ルで供給される部品

OEM 部品 部品メーカーが独自ブランドにて自社の販売チャネルで供給さ

れる部品

リビルト部品 部品を完全に解体し、全てのアッシー・部品を検査し、摩耗し

た部品を修復あるいは新品と交換し、新品と同品質に改良し、

自社の販売チャネルで供給される部品

中古部品 使用済自動車から利用できる部品を取り外し、分解等の手を加

えず、テスター等による点検を行い、清掃・美化が施された部

模倣品 製造許認可を持たない企業あるいは他社ブランドを真似して製

造された部品

(1)部品の流通状況

2011 年から 2012 年の各部品の構成比を見ると、純正品が 52%と全体の約半分を占めて

いる。模造品の流通は 28%と高い割合であり、一方リビルト品は 1%と極めて少量しか流

通していないことがわかる。

図表 19 2011~2012 年中国自動車部品の種類別構成比(台数ベース)

(資料)「全国汽車配件聨合会(APMU)」の報告書、「北京商報」等により当社推計

純正品, 52%

OEM品, 7%

リビルト品, 1%

中古品, 12%

模倣品, 28%

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(2)今後の傾向

中国政府は「以旧換再(リビルト部品購買者に対し、補助金を付与)」などの政策を通

じて、消費者の購買意欲を高め、需要拡大に繋がることを期待している。また、自動車部

品企業の知的財産保護、ローカル企業の技術力育成のために、模倣品の取締りを強化し、

アフターパーツ市場の規範化を進めている。これにより、模倣品の流通は減少傾向にあり、

アフターパーツ市場におけるリビルト部品の認知度向上に繋がると期待される。

加えて、中国は 10 年以上続く急速なモータリゼーションにより、1 台目需要を中心とした

市場構造から買替・増車需要を中心とした市場に変わりつつある。2012 年には買替・増車需

要は 50%を超えたと言われている。このような市場変化に伴い、自動車に対する消費者の知識

レベルも高くなっており、自動車部品の知識も深めたため、より正確な判断が出来つつある。

将来的には、純正部品・OEM 部品よりコストパフォーマンスが高く、中古部品より安全なリ

ビルト部品を選択する傾向になると期待される。

図表 20 中国自動車部品の品種別構成比のトレンド

(資料)「全国汽車配件聨合会(APMU)」の報告書、「北京商報」及び関係者ヒアリングにより当社推計

図表 21 各種部品の今後の傾向

種類種類種類種類 今後の傾向今後の傾向今後の傾向今後の傾向

純正純正純正純正部部部部品品品品 模倣品で事故を起こした経験がある消費者は再度模倣品は買

わなくなり、純正部品にシフトする可能性が高く、シェアは

増えると推計する。

OEM 部部部部品品品品

純正部品に近い品質で純正部品より安価のため、消費者の需

要が有る。但し、OEM 部品は完成車メーカーから生産面での

制限を受けることが多く、構成比はそれ程変化しないと推計

する。 リビルト部品リビルト部品リビルト部品リビルト部品 政策による消費者認知度の高まり及び知識レベル向上によ

52% 55%

28%5%

12%

8%

7%

7%

1%

25%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

2011~2012年 2020年

純正部品

模倣品

中古部品

OEM 部品

リビルト部品

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り、シェアは大幅に増えると推計する。

中古中古中古中古部部部部品品品品

2012 年は、輸入中古部品と国内発生(事故車、盗難車、使用

済自動車等)中古部品の比率は 1:1 であったが、税関におけ

る取締り強化、汽配城への流通等の国内の管理強化により減

少傾向になると思われる。特に、違法な輸入中古部品及び盗

難車由来の中古部品が大幅に減少すると推計する。

模倣品模倣品模倣品模倣品 取締り強化により減少傾向になると思われる。

(3)日・米との比較

中国、日本と比較すると米国は、自動車部品に占めるリビルト品の割合が 74%と非常に

高く、純正品の割合はわずか 10%である。

中国、日本においては純正品の割合が約半分を占めており、消費者の多くが純正品を好

む傾向があると考えられる。中国と日本の差異は模造品の割合であり、中国においては模

造品の割合が 28%と非常に高くなっている。

図表 22 日・米・中の自動車部品の品種構成比

(資

料)矢野経済研究所、米国自動車部品工業年報(2011)、中国自動車業界展望及

び本調査より当社作成

55

10

52

26

16

19

19

74

1

28

0%

20%

40%

60%

80%

100%

日本 米国 中国

純正品 優良品 リビルト品 模造品

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- 27 -

4.政府の現実の取組み及び課題の実態

現在、政府はモデル企業を認定し、リビルト製造試行に取組んでいる。2008 年に 14 社、

2013 年に 28 社が認定されている。モデル企業を以下に示す。

図表 23 リビルトモデル企業

政府指定モデル企業政府指定モデル企業政府指定モデル企業政府指定モデル企業

第一期第一期第一期第一期 第二期第二期第二期第二期

1 中国第一汽車集団公司 1 北京奥宇可鑫表面工程技術

2 安徽江淮汽車集団有限公司 2 北京首特鋼報廃機動車総合利用

3 奇瑞汽車有限公司 3 長城汽車股份

4 上海大衆聯合発展有限公司 4 唐山瑞兆激光再製造技術

5 濰柴動力(濰坊)再製造有限公司 5 河北省物流産業集団

6 武漢東風鴻泰控股集団有限公司 6 哈飛工業集団

7 広州市花都全球自動変速箱有限公司 7 沃尓沃建筑設備(中国)

8 済南復強動力有限公司 8 采埃孚銷售服務(中国)

9 広西玉柴機器股份有限公司 9 上海孚美汽車自動変速箱技術服務

10 東風康明斯発動機有限公司 10 張家港富瑞特种装备股份

11 柏科(常熟)電機有限公司 11 玉柴再製造工業(蘇州)

12 陝西法士特汽伝動集団有限責任公司 12 江蘇新工特鋼鍛造

13 浙江万里揚変速機有限公司 13 全興精工手段

14 中国人民解放軍第六四五六工廠 14 浙江再生手拉手汽車部件

15 滁州市洪武報廃汽車回収折解利用

16 山東能源集団大族激光再製造

17 河南飛孟激光再製造有限公司

18 武漢法利茉切割系統工程

19 湖南机油泵股份

20 湖南博世汽車部件(長沙)

21 江西江鈴汽車集団実業

22 広州市跨越汽車零部件工貿

23 広東明傑零部件再製造有限公司

24 陜西北方動力有限責任公司

25 大連報廃車両回収折解有限公司

26 威伯科汽車控制系統(中国)

27 青島聨合報廃汽車回収有限公司

28 三立(厦門)汽車配件有限公司

しかし、これらの企業のなかには依然として検討段階の企業も多く、実際に量産体制に

入り稼働を行っている企業は 42 社中 25 社と全体の 60%にとどまっている。

Page 29: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

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図表 24 モデル企業の稼働状況

稼働中

60%

未稼働

40%

稼働割合が低い理由として、まずリビルトに必要なコア部品の確保が困難であることが

挙げられる。5 大アッセンブリーのリビルト製造が認められたものの、仕入れについては

解体企業からの購入が禁止されているため、授権した自動車メーカー、部品メーカーや

ディーラーに仕入れ先が限定されているためである。

政府は解体事業から発生した 5大アッセンブリーのリビルトを解禁する構想を進めてい

るが、解禁前の現状においてはコア部品の集荷に課題が生じている。

コア部品の供給を増やすために中古部品の輸入解禁の議論も行われているが、輸入解禁

に伴って外資企業が本格的に国内市場へ参入すると思われ、技術的に優位である外資企業

にリビルト市場が独占されてしまうという見解が国内では多く、解禁にあたって国内企業

との合弁を義務づけるなどの条件が付される可能性が高いと考えられる。

また、5 大アッセンブリーのリビルト解禁が行われると、主に廃車から回収された部品

がリビルト用に流通すると考えられており、中国で回収される廃車の年式が非常に古いこ

とから、その部品から製造されたリビルト品の品質保証をどのように担保するのかという

ことも議論されている2。

5.現在行われているリサイクル部品の利用実態

(1)リビルトモデル企業以外のリサイクル部品の利用実態

現地におけるリサイクル部品の利用実態は、部品により大きく異なっている。

法律で再使用が禁止されている 5 大アッセンブリーは基本的にリサイクルされている。

外装部品、タイヤは再利用されているが、内装や基板が再利用されることは稀であり、

スクラップとして処理されている。

2 当社が中国にて参加したリサイクル経済とクリーン製造フォーラムにて(2013 年 9 月 6 日)

Page 30: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

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図表 25 中国におけるリサイクル部品の利用実態

部品部品部品部品 利用実態利用実態利用実態利用実態

エンジンエンジンエンジンエンジン

主には素材としてリサイクルされており、日本と同じようにエンジン

をそのまま売るケースが多い。また、業者の中にはエンジンを分解し、

さらに素材毎に選別するケースが多い。ただし、法律で再利用が禁止

されているにも関わらず、一部の業者は別業者を通じて裏ルートに販

売しているケースもある。 他の他の他の他の 5 大アッ大アッ大アッ大アッ

センブリーセンブリーセンブリーセンブリー 概ね素材としてリサイクルされている。

外装部品外装部品外装部品外装部品 状態の良いものに限り、パーツとして再利用されている。特にドア、

ドアミラーは需要が高く、一つ 50RMB から 100RMB 程度で取引され

る。

内装、基盤等内装、基盤等内装、基盤等内装、基盤等 パーツとしての再利用は極めて稀であり、ほとんどがスクラップとし

て処理されている。

タイヤタイヤタイヤタイヤ 良質のものは二次利用されている。品質の低いものはスクラップとし

てゴムとして利用されている

(2)リビルトモデル企業のリサイクル部品製造のパターン・部品別の整理

中国におけるリビルトモデル企業の流通構造は、基本的に完成車メーカー主導、部品

メーカー主導、第三者主導の大きく 3 つのパターンに分けられる。また、第三者主導の場

合は、生産メーカーからの授権がある企業と授権がない企業に分けることが出来る。

エンジン、トランスミッションなどのコア部品は、生産メーカー(完成車メーカーの場

合もあるし、部品メーカーの場合もある)主導のパターンが多く、第三者主導のパターン

であれば、必ず元々生産メーカーの授権が必要になる。それに対して、モーター(スター

タ、オルタネータ)、ステアリングなどの非保安部品は、生産メーカーの授権がいらない

ので、第三者主導のパターンが多い。

図表 26 各部品のパターン別企業数(単位:社)

主導事業体 エンジン ミッション モーター ステアリング

メーカー 完成車 8 2 1 部品 5 3 1

第三者 授権あり 2 3 授権なし 7 1

合計 15 8 8 2

※パイロットプロジェクト参画企業リストのうち、対象企業 31 社(回収専門企業と技術サービス企業を除く)

を分類

上記の企業数の具体的な内訳は、下記の通りである。

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図表 27 部品・パターン別の企業(31 社、回収企業と技術サービス企業を除く) 部品 完成車メーカー主導 部品メーカー主導 第三者主導(授権あり) 第三者主導(授権なし)

エンジ

・第一汽車(無錫大豪動力

有限公司) ・江西江鈴汽車集団実業有

限公司 ・長城汽車股份有限公司 ・奇瑞汽車有限公司 ・上海 VW 聨合発展有限公

司 ・VOLVO 建築設備(中国)

有限公司 ・武漢東風鴻泰控股集団有

限公司

・済南复強動力有限公司

・濰柴動力(濰坊)再

製造有限公司 ・陝西北方動力有限責

任公司 ・広西玉柴機器股份有

限公司 ・東風康明斯発動機有

限公司 ・玉柴再製造工業(蘇

州)有限公司

・張家港富瑞特種装備

股份有限公司 ・浙江再生手拉手汽車

部件有限公司

トラン

スミッ

ション

・安徽江淮汽車集団有限公

司 ・奇瑞汽車有限公司

・陝西法士特汽車伝動

集団有限責任公司 ・浙江万里揚変速器有

限公司 ・采埈孚銷售服務(中

国)有限公司

・上海孚美汽車自動変

速箱技術服務有限公司 ・広州市花都全球自動

変速箱有限公司 ・浙江再生手拉手汽車

部件有限公司

モ ー

ター

・湖南博世汽車部件(長砂)有限公司

・柏科(常熟)電機有

限公司 ・北京首特鋼報廃機動

車総合利用有限公司 ・広東明桀零部件再製

造有限公司 ・大連報廃車両回収拆

解有限公司 ・青島聨合報廃汽車回

収有限公司 ・三立(アモイ)汽車配件

有限公司 ・滁州市洪武報廃汽車

回収拆解利用有限公司 ステア

リング ・哈飛工業集団汽車転向器

有限責任公司 ・広州市跨越汽車零部

件有限公司

続いて、エンジン、トランスミッション、モーター・ステアリングについて、部品別の

モデル企業の動向を整理する。

1)エンジン

エンジン再製造全体では完成車メーカー主導と部品メーカー主導の 2 つパターンがあ

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る。完成車メーカー主導のパターンが多く、全体の約 54%を占めている。

乗用車のエンジンは基本完成車メーカーが内製しており、完成車メーカー主導のパ

ターン多く、現時点では 100%完成車メーカー主導となっている。それに対して、商用車

は部品メーカーからエンジンを調達するケースが多いので、再製造事業も部品メーカー

に主導のパターンが多い。但し、「張家港富瑞特種装備股份有限公司」、「浙江再生手拉手

汽車部件有限公司」などの第三者主導の企業の生産開始により、今後は第三者主導のパ

ターンも実施される可能性がある。

図表 28 エンジンのパターン別構成比(生産量実績)

※パイロットプロジェクト参画企業のうち、エンジン企業 15 社の生産実績によりまとめ

※生産実績データはヒアリングと公開情報により獲得

2)トランスミッション

トランスミッションは、乗用車は第三者主導のパターンになり、商用車は完成車メー

カー主導のパターンとなっている。

乗用車の場合、中国ローカル企業(完成車メーカー或は部品メーカー)は、まだ、再

製造コア技術を持っていないため、量産化を実現できていないし、外資メーカーは技術

を持っているが、事業展開が遅れている。そのため、完成車メーカーあるいは部品メー

カーは、有力な第三者再製造企業と提携して、事業を展開している。将来は、「一汽 VW」、

「采埈孚銷售服務(中国)有限公司」などの生産開始により、メーカー主導のパターン

も出てくると考えられる。

商用車の場合、部品メーカー主導のケースが多い。ほとんどの完成車メーカーはトラ

ンスミッションを外部から調達するため、トランスミッションの再製造技術は持ってい

なく、再製造事業には参加していない

57%

100%

64%

43%

36%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

商用車

乗用車

全体

完成車メーカー主導 部品メーカー主導 第三者主導(授権があり) 第三者主導(授権なし)

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図表 29 トランスミッションのパターン別構成比(生産量実績)

※パイロットプロジェクト参画企業のうち、トランスミッション企業 8 社の生産実績によりまとめ

※生産実績データはヒアリングと公開情報により獲得

3)モーター・ステアリング

モーターとステアリングは第三者主導のパターンのみである。完成車メーカーは自社

でモーターを生産するケースが少ないし、部品メーカーは再製造事業に力を入れていな

いため、現状、第三者主導のパターンがメインになっている。将来は、「哈飛工業集団汽

車転向器有限責任公司」などの完成車メーカーの生産開始、及び「湖南博世汽車部件(長

砂)有限公司」などの部品メーカーの生産開始により、市場構成も変わると見込まれる。

図表 30 モーター・ステアリングのパターン別構成比(生産量実績)

※パイロットプロジェクト参画企業のうち、オルタネータ・スタータ企業 8 社、及びステアリング企業 2 社の生

産実績によりまとめ

※生産実績データはヒアリングと公開情報により獲得

100%

50%

100%

50%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

商用車

乗用車

全体

完成車メーカー主導 部品メーカー主導 第三者主導(授権があり) 第三者主導(授権なし)

100%

100%

100%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

商用車

乗用車

全体

完成車メーカー主導 部品メーカー主導 第三者主導(授権があり) 第三者主導(授権なし)

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第3章 中国における自動車部品リビルトビジネス展開可能性調査

1.大連市及び北京市他における中古部品の発生源及びその特徴

中国における使用済み中古部品の主な発生源は、主に1)自動車修理2)事故車3)解

体業者4)輸入である。大連市及び北京市に限らず、大都市の当社とネットワークを有す

る各発生源にヒアリングを行いその実態を把握した。

(1)自動車修理業者

自動車の修理は、主に①ディーラー店(4S 店)または②修理業者で行われている。

1)ディーラー店

修理の実態、中古部品の流通について、現地ディーラーである A 社にヒアリングを行っ

た。

多くの自動車ユーザーは、自動車の保証期間中の修理をディーラー店で行っていると

考えられる。取り外された中古部品は、保険の範囲内の修理の場合は保険会社へ引き渡

し、保険外の修理の場合はスクラップ業者へ販売されている。

A 社社社社へのヒアリング内容へのヒアリング内容へのヒアリング内容へのヒアリング内容 � 自動車ユーザーの多くが自動車の保証期間中はディーラー店で修理を行っている。正常

に使用している限りは無償で修理サービスを受けることができ、また保証期間中に一度

でも路面修理業者で修理を行った場合には保証が取り消されるためである。 � 月間の修理台数は 800 台から 1,000 台であり、4 割が外装など板金系の修理、6 割がセン

サー、消耗品を含む電装部品の修理に分類される。 � 保証期間後は、修理価格がディーラー店の約4割から5割程度と安価な修理業者が利用

されることが多い。自動車の保有台数の増加に対して、保証期間後の自動車の修理件数

は伸び悩んでいる。 � ディーラー店において修理時に取り外された部品は、保険の範囲内で行われた修理の場

合、保険外で行われた修理の場合でその後の流通経路が異なっている。 � 保険の範囲内で行われた修理の場合は、保険会社に取り外した部品を引き渡している。 � 保険外で行われた修理の場合は、スクラップとして販売している。

2)修理専門業者

中国では、大通り沿いに修理を専門とした路面店型の修理業者が数多く存在している。

①で述べたように、自動車の保証期間を過ぎた多くの自動車がこのような修理業者にお

いて修理されていると考えられる。

また、修理業者のなかには大型バス、トラックなどの大型商用車に特化した業者もあ

る。そのような修理業者のうち、天津交通集团金陆通运业有限公司、天津市滨海新区塘

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沽欣冉汽车修理厂、时月汽车配件销售有限公司にヒアリングを行った。

これらの修理業者では、部品の交換は主に純正品が使用されており、発生した使用済

み中古部品はメーカーに引き渡している業者が多いという結果であった。

天津交通集天津交通集天津交通集天津交通集团团团团金金金金陆陆陆陆通运通运通运通运业业业业有限公司有限公司有限公司有限公司

� 大型車メーカーと連携したメーカー指定の修理工場。 � 大型トラックの修理を行っており、月間修理台数は 300 台である。 � 修理を行う車両は主に物流会社で使用されていたものである。 � 修理はクラッチなどの消耗品が多く、交換に用いる部品は、東風、一汽の純正部品を使

用している。 � 発生した使用済み中古部品は主にメーカーに引き渡している。

天津市天津市天津市天津市滨滨滨滨海新区塘沽欣冉汽海新区塘沽欣冉汽海新区塘沽欣冉汽海新区塘沽欣冉汽车车车车修理厂修理厂修理厂修理厂

� 大型トラックの修理を行っており、月間修理台数は 200 台である。 � 修理を行う車両は主に物流会社で使用されていたものである。 � 修理はクラッチなどの消耗品が多く、交換に用いる部品は、部品市場で仕入れた純正部

品を使用している。 � 発生した使用済み中古部品は主にメーカーに引き渡している。

时时时时月汽月汽月汽月汽车车车车配件配件配件配件销销销销售有限公司售有限公司售有限公司售有限公司

� 大型トラックの修理を行っており、月間修理台数は数十台である。 � 修理を行う車両は主に物流会社で使用されていたものである。 � 修理はクラッチなどの消耗品が多く、交換に用いる部品は、部品市場で仕入れた純正部

品または二級品を使用している。 � 発生した使用済み中古部品は主にメーカーに引き渡している。

(2)保険会社

保険会社は、先に述べたようにディーラー店で発生した使用済み中古部品が流通して

くるほか、事故車両に由来する使用済み中古部品の発生源でもある。

保険会社における使用済み中古部品の流通実態について、B 社、C 社にヒアリングを

行った。

ヒアリングの結果、保険会社に引き渡された使用済み中古部品は、保険会社と提携し

ている回収業者が回収している場合、中古部品市場に流通している場合があることが明

らかになった。また、近年事故発生件数が増加しているものの、軽微な事故が多いため

に基幹部品の取り換えは少ないとのことであった。

B 社社社社へのヒアリング内容へのヒアリング内容へのヒアリング内容へのヒアリング内容 � 取り替えた後の中古部品は、保険会社と提携している回収業者が回収している。 � 回収業者はヘッドライト等細かい部品については自社で処理する場合もあるが、他へ販売する

こともある。

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� 事故による修理依頼も多いが、そのうち 7~8 割が軽微な事故であり基幹部品取替えは非

常に少ない。 � 自動車保険は、強制保険と任意保険があるが、任意保険の加入率は低い。また年に 2 回

無償で修理ができるという契約形態となっており、加入者は事故が起きた都度修理する

のではなく、まとめて修理を実施する。 � 一方で、保険種類の自由化が 2015 年より始まるとされているため、保険の商品多様化が

進むことが想定されている。 � 保険料の違いは 4S店で加入するか、修理工場で加入するかの違いである。4S店は全て

純正部品を使用している。 � 修理時の保険料支払いの流れは修理工場→個人へ請求→保険会社へ請求→個人へ支払い

となっている。

C 社社社社のヒアリング内容のヒアリング内容のヒアリング内容のヒアリング内容 � 事故が発生すると、保険会社の査定人が事故現場へ派遣され、損傷した部品の査定が行

われる。 � 査定結果を受け、ユーザーは新品との差額を支払い、保険会社から新品が提供される。 � 損傷した部品は中古部品市場に流通している。 � ただし、部品交換による修理費用が高くなる場合には、ディーラーによって廃車手続き

が行われたのち、車両ごと部品市場に流通している。

中国における自動車保険制度は、日本と同様に強制保険(自賠責保険)と商業保険(任

意保険)の 2 種類で構成されている。中国では一括請求制度がないために、消費者は手続

きが容易な方法として同じ損保会社へ加入する傾向にある。

現状では、統一約款及び統一保険料率が適用されることから、各損保会社は差別化を図

ることが困難であり、リビルト部品を推奨するような保険プランを提供することは難しい

状況にある。

保険制度の詳細は下記の通りである。

商業保険

(任意保険)

◆06年より商業保険についても、普通保険約款(A、

B、C約款※)・特約の一部が保険協会約款に統一さ

れ、同約款以外の販売は禁止されている。

※A約款:PICC他大多数の損保会社

  B約款:平安財産他一部損保会社

  C約款:CPICのみ

◆「第三者賠償責任保険約款」と「車両保険約款」が

核となり、「搭乗者賠償責任保険」や「車両盗難保険」

の保険約款によって構成されている。

◆A、B、C約款はいずれも補償の範囲は類似し、保

険料率は同一料率。

◆各地域(直轄市、省、自治区)により、保険料率差が

ある。

◆基本保険料率に、過去保険事故歴、年平均走行距

離、運転区域、性別、年齢など14項目によって調整係

数が設けられている。

◆強制保険同様に、自動車本体に紐づいている。

【商品】 【料率】

強制保険

(自賠責保険)

◆当該自動車の被保険者及び同乗者以外の者の死

亡、傷害、財物損害について、責任限度額(以下参

照)の範囲内で補償する。

◆車両種別(用途・車種)と座席数、重量に基づいて42

車種に分類した保険料率が定められている。

◆基本的に全国一律の料率体系(トラクターのみ地域

性料率)。

◆交通事故履歴によって、最大3割の保険料率割増

引がある。当該割増引は、自動車本体に紐づいてい

る。

※北京市は飲酒運転違反割増(最大60%割増)を導

入。上海市は交通違反割増を導入。

被保険者が有責 被保険者が無責

死亡・後遺障害

110,000元

(1,650,000円)

11,000元

(165,000円)

医療費用

10,000元

(150,000円)

1,000元

(15,000円)

財産の補償

(対物補償)

2,000元

(30,000円)

200元

(3,000円)

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(3)解体業者

使用済み自動車の解体作業を行う解体業者も、コア部品の発生源のひとつである。解

体業者の作業場では、修理業者などの部品需要者が頻繁に現場を訪れては必要な部品を

探すということが日常的に行われている。そのため、解体業者は価値が高いと思われる

部品を含む使用済み自動車は、解体されずに在庫として部品取りに供されている。

(4)輸入

現地のリビルト企業では、リビルト部品の海外販売先と提携してコア部品の回収ルー

トを確立し、部品を輸入している企業もある。

図表 31 使用済みコア部品の流通

(資料)ヒアリングをもとに作成

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2.現地の既存リビルト企業の状況

(1)モデル企業の概要

リビルト製造を先行して試行しているモデル企業は、2008 年に 14 社、2013 年に 28 社

が国家発展改革委員会より認定され、現在合計 42 社である。

取り扱っているリビルト部品は、エンジン(15 社)、トランスミッション(8 社)、オル

ターネータ、スタータ(8 社)などが多い。エンジン、トランスミッションの再製造を行っ

ている企業の多くが、製造元企業からの授権を得ている。

また、モデル企業のなかには、特定の部品の再製造工程の全てを請け負わずに、表面処

理技術やレーザー関連技術等の再製造専用技術サービスのみを提供する企業も 6 社ある。

各企業の稼働状況は、42 社中 25 社が稼働しているのみで、モデル企業に認定されてい

るが実際には稼働していない企業も多い。

図表 32 政府認定リビルト企業一覧 企業名企業名企業名企業名 再製造製品及び範囲再製造製品及び範囲再製造製品及び範囲再製造製品及び範囲 授権授権授権授権 稼働稼働稼働稼働

1 中国第一汽車集団公司(無錫大豪動力有限公司) エンジン 第一汽車授権 ○

2 江西江鈴汽車集団実業有限公司 エンジン 江鈴汽車授権 ×

3 長城汽車股份有限公司 エンジン 長城汽車授権 ○

4 上海 VW 聨合発展有限公司 エンジン ○

5 濰柴動力(濰坊)再製造有限公司 エンジン ○

6 武漢東風鴻泰控股集団有限公司 エンジン ○

7 陝西北方動力有限責任公司 エンジン DEUTZ 授権 ×

8 済南复強動力有限公司 エンジン ○

9 広西玉柴機器股份有限公司 エンジン ○

10 東風康明斯発動機有限公司 エンジン ○

11 VOLVO 建築設備(中国)有限公司 エンジン VOLVO 授権 ○

12 張家港富瑞特種装備股份有限公司 エンジン 東風朝柴、萍郷科尓授

×

13 玉柴再製造工業(蘇州)有限公司 エンジン 玉柴集団、CAT 授権 ○

14 安徽江淮汽車集団有限公司 トランスミッション 江淮汽車授権 ○

15 陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司 トランスミッション ○

16 浙江万里揚変速器有限公司 トランスミッション ○

17 采埈孚銷售服務(中国)有限公司 トランスミッション BMW 、 Jaguar 、

Landrover 授権

×

18 上海孚美汽車自動変速箱技術服務有限公司 トランスミッション 神龍汽車、長城汽車授

19 広州市花都全球自動変速箱有限公司 トランスミッション ○

20 奇瑞汽車有限公司 エンジン、トランスミッ

ション

奇瑞汽車授権 ○

21 浙江再生手拉手汽車部件有限公司 エンジン、トランスミッ

ション

吉利 Geely 集団授権 ×

22 柏科(常熟)電機有限公司 オルタネータ、スタータ ○

23 北京首特鋼報廃機動車総合利用有限公司 オルタネータ、スタータ ×

24 湖南博世汽車部件(長砂)有限公司 オルタネータ、スタータ ×

25 広東明桀零部件再製造有限公司 オルタネータ、スタータ ○

Page 39: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

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26 大連報廃車両回収拆解有限公司 オルタネータ、スタータ ×

27 青島聨合報廃汽車回収有限公司 オルタネータ、スタータ ×

28 三立(アモイ)汽車配件有限公司 オルタネータ、スタータ ○

29 滁州市洪武報廃汽車回収拆解利用有限公司 オルタネータ、スタータ、

リサイクル部品の物流

30 河北省物流産業集団有限公司 リサイクル部品の物流 ○

31 哈飛工業集団汽車転向器有限責任公司 ステアリング ×

32 広州市跨越汽車零部件有限公司 ステアリング ○

33 湖南機油泵股份有限公司 オイルポンプ ×

34 全興精工集団有限公司 ブースターポンプ ×

35 威伯科汽車控製系統(中国)有限公司 エアコンプレッサー ○

36 北京奥宇可鑫表面工程技術有限公司 再製造専用技術サービス ○

37 唐山瑞兆激光再製造技術有限公司 再製造専用技術サービス ×

38 江蘇新亜特鋼鍛造有限公司 再製造専用技術サービス ×

39 山東能源集団大族激光再製造有限公司 再製造専用技術サービス ○

40 河南飛孟再製造有限公司 再製造専用技術サービス ×

41 武漢法利莱切割系統工程有限責任公司 再製造専用技術サービス ×

42 中国人民解放軍第六四五六工廠 不明 -

(2)リビルト部品別・パターン別の流通構造・特徴

モデル企業のビジネスモデルは、完成車メーカー主導、部品メーカー主導、第三者主導

(授権あり)、第三者主導(授権なし)の 4 つのパターンに分類され、取り扱う部品、車

両の種類によって異なっている。

「第2章5.(2)リビルトモデル企業のリサイクル部品製造のパターン・部品別の整理」

に記載したように、モデル企業のビジネスモデルは、完成車メーカー主導、部品メーカー

主導、第三者主導(授権あり)、第三者主導(授権なし)の 4 つのパターンに分類され、

取り扱う部品、車両の種類によって異なっている。

それぞれのパターン別の流通構造・特徴について、整理する。

1)完成車メーカー主導パターン

① 流通構造

完成車メーカー主導パターンでは自社の製品を対象として事業を展開し、主にエンジ

ン、トランスミッションのパーツに集中している。完成車メーカーは自社のディーラー

から古い部品を回収し、自社工場または提携工場(関連会社)で再製造して、アフター

パーツとして自社のディーラーネットワークにて販売している。

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

Page 40: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

完成車メーカー主導パターンの特徴として、

といった点が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

や、自社製品の

がある。

2)部品メーカー主導パターン

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

または「中心庫」

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

いる。

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

3中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。

超えている。

特徴

完成車メーカー主導パターンの特徴として、

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

技術力が高く、再製造品の品質を高い水準に維持できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存チャネルで対応可能である。

といった点が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

や、自社製品の

がある。

部品メーカー主導パターン

流通構造

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

または「中心庫」

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

いる。

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。

超えている。

図表 33

完成車メーカー主導パターンの特徴として、

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

技術力が高く、再製造品の品質を高い水準に維持できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存チャネルで対応可能である。

といった点が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

や、自社製品のリビルトに限定されているため、マーケットが限られているという課題

部品メーカー主導パターン

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

または「中心庫」3(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。

33 完成車メーカー主導パターンの流通構造

完成車メーカー主導パターンの特徴として、

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

技術力が高く、再製造品の品質を高い水準に維持できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存チャネルで対応可能である。

といった点が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

に限定されているため、マーケットが限られているという課題

部品メーカー主導パターン

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。

- 39 -

完成車メーカー主導パターンの流通構造

完成車メーカー主導パターンの特徴として、

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

技術力が高く、再製造品の品質を高い水準に維持できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存チャネルで対応可能である。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

に限定されているため、マーケットが限られているという課題

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。

完成車メーカー主導パターンの流通構造

完成車メーカー主導パターンの特徴として、

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

技術力が高く、再製造品の品質を高い水準に維持できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存チャネルで対応可能である。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

に限定されているため、マーケットが限られているという課題

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。

完成車メーカー主導パターンの流通構造

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

技術力が高く、再製造品の品質を高い水準に維持できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存チャネルで対応可能である。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

に限定されているため、マーケットが限られているという課題

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

ヒアリングより判明した大よその流通構造は下記の通りである。

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は

立し、法士特社に授権されて、北部ディストリビューターという機能を持っている。2013

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

自動車メーカーブランド力を活かすことで消費者に信頼されやすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

に限定されているため、マーケットが限られているという課題

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売し

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

ているの流通事業社である。例えば、「青島馳隆汽車技術有限公司」という会社がある。当会社は 20072013 年の売上は

自社のディーラーから古い部品資源を回収できるため、安定的な回収が確保できる。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)が比較的高く、コスト競争力が弱いこと

に限定されているため、マーケットが限られているという課題

自社製品を対象としてリビルト部品事業展開しているケースが多い。自社の「特約店」

(地域倉庫・流通ハブ)を通じて回収し、自社工場で製造したうえで、

アフターパーツとして中心庫及び特約店を通じて販売することに加えて、完成車メー

カーからの依頼を受けて、再製造品を製造し、完成車メーカー販売チャネルで販売して

中心庫(地域倉庫、物流ハブ)はディストリビューター機能を果たしている、通常部品メーカーと提携関係を持っ

2007 年に設

年の売上は 1 億元を

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※完成車メーカーは、部品メーカーの

部品メーカー主導パターンの特徴として、

が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

ストになっている。

3)第三者主導パターン

2013

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

製造品

タ、オルタネータなどの製品は、必ず

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

以下の通りである。

※完成車メーカーは、部品メーカーの

特徴

部品メーカー主導パターンの特徴として、

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

が確保できる。

技術力が高く、

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

やすい。

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存のチャネルで対応可能である。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

ストになっている。

第三者主導パターン

2013 年 1 月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

製造品の場合、必ず

タ、オルタネータなどの製品は、必ず

流通構造(授権あり)

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

以下の通りである。

図表

※完成車メーカーは、部品メーカーの

部品メーカー主導パターンの特徴として、

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

が確保できる。

技術力が高く、OEM

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存のチャネルで対応可能である。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

が挙げられる。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

ストになっている。

第三者主導パターン

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

場合、必ず製造元企業

タ、オルタネータなどの製品は、必ず

流通構造(授権あり)

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

以下の通りである。

図表 34 部品メーカー主導の流通構造

※完成車メーカーは、部品メーカーの OEM

部品メーカー主導パターンの特徴として、

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

OEM 技術を生かすことによって、高い品質水準に維持できる。

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存のチャネルで対応可能である。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

製造元企業の授権が必要と明確に規定した。それに対して、スター

タ、オルタネータなどの製品は、必ず

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

- 40 -

部品メーカー主導の流通構造

OEM 部品の供給

部品メーカー主導パターンの特徴として、

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

技術を生かすことによって、高い品質水準に維持できる。

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存のチャネルで対応可能である。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

の授権が必要と明確に規定した。それに対して、スター

タ、オルタネータなどの製品は、必ず製造元企業

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

部品メーカー主導の流通構造

供給先である。

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

技術を生かすことによって、高い品質水準に維持できる。

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存のチャネルで対応可能である。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

の授権が必要と明確に規定した。それに対して、スター

製造元企業の授権が必要になるとの決まりがない。

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

部品メーカー主導の流通構造

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

技術を生かすことによって、高い品質水準に維持できる。

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

アフターサービスも既存のチャネルで対応可能である。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

の授権が必要と明確に規定した。それに対して、スター

の授権が必要になるとの決まりがない。

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

技術を生かすことによって、高い品質水準に維持できる。

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

の授権が必要と明確に規定した。それに対して、スター

の授権が必要になるとの決まりがない。

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

自社チャネルと完成車メーカーチャネルの両方から回収できるため、安定的な回収

技術を生かすことによって、高い品質水準に維持できる。

正規の部品メーカーであるので、第三者主導パターンと比較して消費者の信頼を得

販売チャネルを新設する必要がなく、既存チャネルを利用して販売できる。

複数の完成車メーカーのチャネルを活用ことができて、取扱量を確保しやすい。

一方で、生産コスト(設備投資・人件費等)等が第三者主導パターンと比較して高コ

月、国家発展改革委員会より「再製造業者の品質及び技術管理規範に関する

通知」を発表した。その中、製品授権については、エンジンとトランスミッションの再

の授権が必要と明確に規定した。それに対して、スター

の授権が必要になるとの決まりがない。

まずは、授権ありの流通構造について、ヒアリングより判明した大よその流通構造は

Page 42: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

次に、授権なしの場合は以下の通りである。

第三者主導パターンの特徴として、

などが挙げられる。

流通構造(授権なし)

次に、授権なしの場合は以下の通りである。

※規定上、海外から輸入された

売するケースが存在。

特徴

第三者主導パターンの特徴として、

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

などが挙げられる。

図表 35

流通構造(授権なし)

次に、授権なしの場合は以下の通りである。

図表 36

規定上、海外から輸入された中古部品

売するケースが存在。

第三者主導パターンの特徴として、

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

などが挙げられる。

第三者主導(授権あり)パターンの流通構造

次に、授権なしの場合は以下の通りである。

第三者主導(授権なし)パターンの流通構造

中古部品は、再製造後海外に販売するようになっているが、一部企業は国内市場へも販

第三者主導パターンの特徴として、

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

- 41 -

第三者主導(授権あり)パターンの流通構造

次に、授権なしの場合は以下の通りである。

第三者主導(授権なし)パターンの流通構造

は、再製造後海外に販売するようになっているが、一部企業は国内市場へも販

第三者主導パターンの特徴として、

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

第三者主導(授権あり)パターンの流通構造

次に、授権なしの場合は以下の通りである。

第三者主導(授権なし)パターンの流通構造

は、再製造後海外に販売するようになっているが、一部企業は国内市場へも販

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

第三者主導(授権あり)パターンの流通構造

第三者主導(授権なし)パターンの流通構造

は、再製造後海外に販売するようになっているが、一部企業は国内市場へも販

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

は、再製造後海外に販売するようになっているが、一部企業は国内市場へも販

集荷範囲・集荷先が広範・多岐に亘り、安定的な回収に繋がる。

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

抑えて事業を展開できるため、製造コストを抑えることが可能である。

は、再製造後海外に販売するようになっているが、一部企業は国内市場へも販

完成車メーカー主導パターン、部品メーカー主導パターンと比較して、設備投資を

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- 42 -

一方で、技術力の蓄積が少なく生産メーカーの技術サポートが無いと、生産品質の確

保が難しいことに加えて、販売チャネル、アフターサービス、物流システムといった完

成車メーカー・部品メーカーが有している既存の資源を十分に保有しているとは言えず、

メーカーと連携する必要がある場合が多い。また、消費者への商品認知度が低く、信頼

性を獲得するのが難しいと言った課題もある。

生産量実績でみると、エンジンは、乗用車の場合、完成車メーカーが内製することが

多いため、完成車メーカー主導のパターンが 100%である。一方で商用車は部品メーカー

からエンジンを調達することが多いため、部品メーカー主導のパターンが多い。ただし、

「張家港富瑞特種装備股份有限公司」や「浙江再生手拉手汽車部件有限公司」が今後稼

働を始めれば、第三者主導(授権あり)のパターンの割合も今後増加してくるものと考

えられる。

(3)個別の企業の状況

これまで、部品別・パターン別の流通構造・特徴について、記述したが、個別企業の具

体的な状況についてヒアリング結果を整理した。

モデル企業の状況について、「完成車メーカー主導」1社、「部品メーカー主導」4社、

「第三者主導」3社の合計8社について、ヒアリングを実施した。

各企業の情報開示の度合いにより、記載事項は異なるが、可能な範囲で情報を記載した。

1)完成車メーカー主導

① 第一汽車(無錫大豪動力有限公司)

i)企業概要

1997 年に VOLVO PENTA の合弁会社として設立した。2010 年 3 月に再製造に関する

通達が発行されてから、中国第一汽車集団公司の傘下となり、2011 年 5 月に新会社とし

てモデル企業に認定され、第一汽車より授権しリビルトを開始している。

取り扱っている部品は一汽解放汽車向けのトラックエンジンとして使用される無錫

ディーゼルエンジン製品を主力製品としている。

ii)製造体制

製品のリビルトは、リビルト部品と純正部品の両方を使用しており、付加価値の低い

安価な部品を純正部品の新品で、単価が 500 元以上の付加価値の高い部品をリビルト部

品でといった形で使い分けている。生産能力は 5,000 台/年であり、2012 年は 524 台、2013

年は 1,046 台の生産した。

合弁していた VOLVO PENTA 時代からの技術力を継承しており、管理面でも先進的で

優れている。

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iii)回収体制

回収する部品としては、販売店での保証期限切れによる交換回収品(600~700 台/年)

や無錫一汽ディーゼル製造ラインから発生した不良製品(300~400 台/年)などが中心

である。解体業者等からの集荷は困難なため、実施していない。

購入単価は個別の部品の状態ごとで設定している。

iv)販売体制

無錫大豪動力有限公司は中国全土に 22 か所の販売拠点を有しており、販売拠点を通

して販売を行っている。

リビルト部品の保証は他の製品と同様に行っており、製品のアフターサービスは一汽

錫柴油の販売窓口に売上の3%を支払うことで委託している。

2)部品メーカー主導

① 維柴動力再製造有限公司

i)企業概要

維柴動力再製造有限公司は、エンジンメーカーである維柴動力集団の直接子会社であ

り、2007 年にアメリカ SRC 社と技術指導協議を締結した後、2008 年に政府認定企業と

なったことでリビルト事業を開始した。エンジメーカーとして高い技術力を有し、エン

ジン部品の国内リビルト業界の最大手である。

ii)回収体制

仕入れは主に 6年以内の車両を対象にしており、同社がメーカーであることから、約

70%が保証期間中の不良品であり、残りの約 30%は鉱山などにある自家修理屋からの交

換済み部品を仕入れている。数量は、2009 年は 1,679 個、2010 年は 3,128 個、2011 年

は 4,806 個、2012 年は 8,328 個、2013 年は 12,000 個と順調に拡大している。仕入れ値

は新品価格の 25%以下を目安としており、1万 5千元程度で仕入れている。

iii)販売体制

製品は 80%が自動車用、20%が建機用として自社ブランドでの販売を行っており、新

品と同様の品質保証を提供している。

② 玉柴再製造工業(蘇州)有限公司

i)企業概要

2010 年に、中国玉柴国際有限公司傘下の主要な部品メーカーである広西玉柴機器股份

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有限公司とキャタピラー中国の合弁で、会社を設立した。再製造の生産は 2012 年 7 月

から開始している。事業開始初期段階であるため、社員の約半数を占める技術者が生産

プロセスの改善に取り組んでいるところであるという。

主に中大型のトラック向けのエンジンを取り扱っており、生産能力は 10,000 台/年と

なっているが、回収数量及び販売量は、2012 年が 1,500 台、2013 年が 3,000 台と生産ラ

インのフル稼働には至っていない。

ii)回収体制

現在は保証期間外の製品を自社のディーラー・サービス店経由で回収している。将来

的には保証期間中の製品も回収する予定である。仕入価格は新品の 20%程度としており、

検収社員が目視で判断している。

iii)販売体制

中国玉柴国際有限公司の販売会社からディーラー・サービス店を通して消費者に販売

される。ブランドは玉柴ブランドで販売されているが、将来的にはキャタピラーブラン

ドでの販売も視野に入れている。

また、保証期間は新品と同様に設定している。

③ 采埈孚銷售服務(中国)有限公司

i)企業概要

采埈孚銷售服務(中国)有限公司は、ドイツ フリードリヒスハーフェンに本拠を置

く自動車部品メーカーZF のグループ会社である。2014 年下半期から再製造事業を開始

する予定である。

現時点での再製造事業に関連する社員は 10 名程度あるが、2014 年末までに倍の 20

名とする予定である。2014 年の生産能力は数百台程度である。

ii)回収体制

BMW、ランドローバー、ジャガー等の部品を回収する予定である。

回収価格はドイツ本社の評価基準に合わせて設定する予定である。

iii)販売体制

連携する完成車メーカーに対して販売する予定である。品質保証は新品と同様に行っ

ていく予定である。

④ 陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司

Page 46: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

- 45 -

i)企業概要

陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司は、トランスミッション系の自動車部品を製造

する中国最大手の企業である。

年間生産販売数は、自動車変速器 100 万台、ギア部品 5,000 万個に達し、鍛造品 10

万トンの生産能力を有する。同社は研究開発力に優れ、150 以上の特許を有する。多く

の変速器製品が中国自動車工業科技進歩賞、中国トランスミッション部品業界の優秀新

製品特許などを受賞している。

同社の事業の一部として、再製造事業に参画している。

ii)流通構造の全体像

陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司は、完成車メーカー及び特約サービス店の商品

を取り扱っている。

法士特では、陝西法士特歯輪有限責任公司の技術サービスセンター旧件回収分部にて、

トランスミッションを回収し、その後社内処理規定により、法士特宝鶏鋳造公司へ販売

される。法士特宝鶏鋳造公司は陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司の主に鋳物を生産

する子会社である。トランスミッションの再製造工程はすべて該当会社の再製造部門に

て行い、再製造部門には合計 40 人がいる。

再製造品社内流通は、先ず法士特宝鶏鋳造公司から宝鶏法士特歯輪有限責任公司に販

売し、その後、宝鶏法士特歯輪有限責任公司から西安法士特販売公司に販売する。西安

法士特販売公司は最終的全国の 12 軒の販売サービス店(法士特の販売分公司)と 2 軒

の中心庫(提携関係)を通じて、エンドユーザーに販売する。上記の関連会社内部流通

でも、財務上問題を考慮して、すべて移転を売り買いで処理する。

図表 37 法士特の再製造品流通構造

Page 47: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

iii)

間(品質保証期間)」以内の故障品のみ扱っている。

対応が容易である点、

再製造コストも低い点などが挙げられた

カー(顧客)

iv)

ト・検査

を要する工程となる。同社

に分別し、

v)

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

iii)回収品について

陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司

間(品質保証期間)」以内の故障品のみ扱っている。

その理由は

対応が容易である点、

再製造コストも低い点などが挙げられた

カー(顧客)

iv)製造体制

プロセスとして主に①分

ト・検査の 6

前処理の①

を要する工程となる。同社

に分別し、消耗部品

v)販売体制

再製造品販売は西安法士特販売公司本部の直売以外に、

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

回収品について

陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司

間(品質保証期間)」以内の故障品のみ扱っている。

その理由は、①自社の製

対応が容易である点、②保障期間以内

再製造コストも低い点などが挙げられた

カー(顧客)の特約店経由と自社の特約店経由

製造体制

プロセスとして主に①分

6 つ工程に分けられる。

①分解から④

を要する工程となる。同社

消耗部品はリサイクル工程へと回している。

再製造品販売は西安法士特販売公司本部の直売以外に、

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司

間(品質保証期間)」以内の故障品のみ扱っている。

①自社の製品であれば再製造に必要な技術、設備、検査方法などの面で

②保障期間以内

再製造コストも低い点などが挙げられた

の特約店経由と自社の特約店経由

プロセスとして主に①分解→②洗浄→③チェック→④加工・調整→⑤組立→⑥テス

つ工程に分けられる。

④加工・調整工程にかけてがもっとも重要で、技術力と専用設備

を要する工程となる。同社は③チェック工程

はリサイクル工程へと回している。

再製造品販売は西安法士特販売公司本部の直売以外に、

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

図表 38

- 46 -

陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司は、回収対象として、自社の製品、且「三包期

間(品質保証期間)」以内の故障品のみ扱っている。

品であれば再製造に必要な技術、設備、検査方法などの面で

②保障期間以内の故障品であれば、より高い再製造価値があり、

再製造コストも低い点などが挙げられた。そのため、回収方法は基本的

の特約店経由と自社の特約店経由

解→②洗浄→③チェック→④加工・調整→⑤組立→⑥テス

つ工程に分けられる。

加工・調整工程にかけてがもっとも重要で、技術力と専用設備

は③チェック工程において、

はリサイクル工程へと回している。

再製造品販売は西安法士特販売公司本部の直売以外に、

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

法士特販売ネットワーク

回収対象として、自社の製品、且「三包期

間(品質保証期間)」以内の故障品のみ扱っている。

品であれば再製造に必要な技術、設備、検査方法などの面で

の故障品であれば、より高い再製造価値があり、

。そのため、回収方法は基本的

の特約店経由と自社の特約店経由 2 つルートがある。

解→②洗浄→③チェック→④加工・調整→⑤組立→⑥テス

加工・調整工程にかけてがもっとも重要で、技術力と専用設備

において、すべての

はリサイクル工程へと回している。

再製造品販売は西安法士特販売公司本部の直売以外に、

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

法士特販売ネットワーク

回収対象として、自社の製品、且「三包期

品であれば再製造に必要な技術、設備、検査方法などの面で

の故障品であれば、より高い再製造価値があり、

。そのため、回収方法は基本的

つルートがある。

解→②洗浄→③チェック→④加工・調整→⑤組立→⑥テス

加工・調整工程にかけてがもっとも重要で、技術力と専用設備

すべての使用可能

再製造品販売は西安法士特販売公司本部の直売以外に、2 か所の中心庫及び

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

とんどが中心庫を経て、各販売サービス店へと渡っている。これは、直接工場から各販

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

法士特販売ネットワーク

回収対象として、自社の製品、且「三包期

品であれば再製造に必要な技術、設備、検査方法などの面で

の故障品であれば、より高い再製造価値があり、

。そのため、回収方法は基本的に、完成車メー

解→②洗浄→③チェック→④加工・調整→⑤組立→⑥テス

加工・調整工程にかけてがもっとも重要で、技術力と専用設備

使用可能部品は種類別

か所の中心庫及び 12

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

。これは、直接工場から各販

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

回収対象として、自社の製品、且「三包期

品であれば再製造に必要な技術、設備、検査方法などの面で

の故障品であれば、より高い再製造価値があり、

に、完成車メー

解→②洗浄→③チェック→④加工・調整→⑤組立→⑥テス

加工・調整工程にかけてがもっとも重要で、技術力と専用設備

は種類別

12 か所の

販売サービス店において販売されている。ただし、再製造品の流通ルートとしては、ほ

。これは、直接工場から各販

売サービス店が部品を調達するより、中心庫を経由して調達した方がトータルの調達コ

ストが低く抑えられるためであり、他の製品も同様の流通ルートで流通している。

Page 48: 中国における自動車部品リビルトビジネス に関する事業化可能性 … · また、中国国内におけるリビルト事業のビジネスモデルの検討に加え、将来的な中国

i)

部品メーカーである。

ii)

包期間」と

回収先としては提携特約店しかなく、個人から

る顧客系特約店は

ションを取り扱っている。

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

は同じて、通常、再製造品販売価格の約

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は

浙江万里揚変速器有限公司

i)企業概要

浙江万里揚変速器有限公司

部品メーカーである。

ii)流通構造の全体像

回収方法は

包期間」と関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

回収先としては提携特約店しかなく、個人から

る顧客系特約店は

ションを取り扱っている。

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

上記の 2 つ方法はいずれも売り買い関係であ

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

は同じて、通常、再製造品販売価格の約

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

iii)回収品について

回収品中、使用年数が

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は

浙江万里揚変速器有限公司

浙江万里揚変速器有限公司

部品メーカーである。

流通構造の全体像

回収方法は完成車メーカー

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

回収先としては提携特約店しかなく、個人から

る顧客系特約店は 190 社あり、自社の特約店は

ションを取り扱っている。

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

つ方法はいずれも売り買い関係であ

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

は同じて、通常、再製造品販売価格の約

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

図表

回収品について

回収品中、使用年数が

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は

浙江万里揚変速器有限公司

浙江万里揚変速器有限公司は 1996

完成車メーカー(顧客

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

回収先としては提携特約店しかなく、個人から

社あり、自社の特約店は

ションを取り扱っている。

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

つ方法はいずれも売り買い関係であ

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

は同じて、通常、再製造品販売価格の約

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

図表 39 トランスミッションの回収体制

回収品について

回収品中、使用年数が 3 年以上の「三包期間」以外のものが殆どで、約全体の

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は

- 47 -

1996 年に設立された自動車のトランスミッション系の

(顧客)経由と自社経由

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

回収先としては提携特約店しかなく、個人から

社あり、自社の特約店は

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

つ方法はいずれも売り買い関係であ

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

は同じて、通常、再製造品販売価格の約 40%程度である。

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

トランスミッションの回収体制

年以上の「三包期間」以外のものが殆どで、約全体の

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は

年に設立された自動車のトランスミッション系の

と自社経由 2 つルートがあり、回収対象は「三

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

回収先としては提携特約店しかなく、個人からの回収は行っていない

社あり、自社の特約店は 70 社ある。

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

つ方法はいずれも売り買い関係である。つまり、検収担当者が検収する際、

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

%程度である。

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

トランスミッションの回収体制

年以上の「三包期間」以外のものが殆どで、約全体の

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は

年に設立された自動車のトランスミッション系の

つルートがあり、回収対象は「三

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

は行っていない

社ある。部品としてはトランスミッ

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

る。つまり、検収担当者が検収する際、

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

%程度である。

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

トランスミッションの回収体制

年以上の「三包期間」以外のものが殆どで、約全体の

占める。該当社の新品「三包期間」は、壊れ易い部品は 3~6 ヶ月で、コア部品(トラ

年に設立された自動車のトランスミッション系の

つルートがあり、回収対象は「三

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

は行っていない。現在提携してい

部品としてはトランスミッ

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

省の省級代理店に集めてもらい、その後、再製造管理部が検収する。

る。つまり、検収担当者が検収する際、

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

年以上の「三包期間」以外のものが殆どで、約全体の

ヶ月で、コア部品(トラ

年に設立された自動車のトランスミッション系の

つルートがあり、回収対象は「三

関係なく、再製造価値がある自社の製品であれば、すべてを対象にしている。

。現在提携してい

部品としてはトランスミッ

顧客経由の場合、完成車メーカーのサービス部が定期的自社の特約店からものを集め

てもらい、その後、再製造管理部が検収する。自社経由の場合、各特約店から自分所在

る。つまり、検収担当者が検収する際、

自分の経験により残存価値を判断し、価格交渉をする。顧客経由と自社経由の回収価格

販売方法は、特約店経由で行っていると想定されるが、詳細は確認できなかった。

年以上の「三包期間」以外のものが殆どで、約全体の 70%を

ヶ月で、コア部品(トラ

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ンスミッションハウジング、ギアなど)は 12 ヶ月と期間が決まっている。「三包期間」

以内で回収された製品は、そのまま廃棄されることが多く、約 40%しか再製造として利

用していない。

なぜならば、保障期間以内に故障した製品は、そもそも品質の面で問題がある可能性

が高いため、再製造価値が低いためである。

図表 40 回収品の製造使用年数の構成

使用年数 ~~~~3 年年年年 3~~~~5 年年年年 5 年~年~年~年~ 全体中の占める比率 30% 60% 10%

iv)製造体制

浙江万里揚変速器股份有限公司(2010 年深センにて上場)は 2009 年に再製造子会社

を設立し、トランスミッション再製造事業を開始した。現時点まで合計 5,000 万元を投

資して、再製造製品生産能力を 4 万台に拡大した。2013 年には 2 万台以上の再製造品を

販売し、売り上げは約 7,000 万元に達成した。

組織体制としては、技術と品質などの担当者 20 人以上、生産 120 人規模の再製造管

理部門がある。本部門の殆ど社員は所属が再製造子会社ではなく、親会社である浙江万

里揚変速器股份有限公司になる。その理由は、再製造事業を開始してから、実際は赤字

状況が続く状態で、上場会社である親会社にも大きい影響を与えるため、親会社として、

子会社の一部生産コストを負担して、財務上赤字にならないように支援するためである。

3)第三者主導(授権あり)

① 広州花都全球自動変速器有限公司

i)企業概要

広州花都全球自動変速器有限公司は 1999 年に設立されたリビルト企業である。広州

に本社を構え、上海 2 社、杭州 1 社、長春 1 社の子会社を有し、平成 25 年中には昆明、

西安に 2 拠点の設立を予定しているなど、国内に広く展開している。

年間販売数量は、2010 年 9 千個、2011 年は 1 万 1 千個、2012 年は 1 万 3 千個と順調

に拡大している。

ii)回収体制

コア部品の仕入れは、全体の 50%がカーメーカーで発生する品質保証中の不良品であ

り、30%がディーラーで発生する交換済み中古品、20%が中古部品市場からの仕入れや

輸入となっている。仕入れ値は年式、使用期間、状態、品質等により査定するが、主に

2 年から 8 年使用されたものを、1 個あたり数百~2 万元で仕入れている。

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iii)販売体制

販売先は、約 60%がカーメーカーであり、20 社以上のメーカー認証を取得している

(日系/Jatco、東風日産、三菱、マツダ、スズキ等、欧系/Audi、BMW 等、米系/ボッシュ、

クライスラー、GM、FORD 等)。カーメーカーに販売する場合の品質保証は、カーメー

カーによって行われている。

また、約 40%は自動車修理企業に販売しており、この場合は自社で「1 年間以内は距

離無制限」または「5 年間以内または 10 万 km 以内」の品質保証を行っている。

アメリカ、南アフリカ、欧州、ロシア、韓国、日本、オーストラリア、東南アジアな

どへの販売実績もある。

製造現場 製造現場

テスター機 テスター機

リビルト認定標記 ボッシュ認証

4)第三者主導(授権なし)

① 三立(アモイ)汽車配件有限公司

i)企業概要

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香港系企業との JV で 1988 年に事業を開始した① 三立(アモイ)汽車配件有限公司は、

オルタネータ、スタータ部品を対象として、北米、欧州のリビルト企業からの委託によ

る加工をビジネスとしており、自社での集荷は基本的に行っていない。香港系企業は後

に事業撤退したため、現在は単独の資本にて運営している。

ii)回収体制・販売体制

年間販売個数は約 50 万個であり、主に北米、欧州のリビルト企業にその約 8 割を、

仲介企業に約 2 割を販売している。加工委託であることから、仕入は販売先の企業から

行っており、加工費として 1 個あたり 10~100$を請求している。

販売される製品は、販売先企業のブランド名で販売されており、品質保証も販売先企

業が行っている。

② 柏科(常熟)電機有限公司

i)企業概要

柏科(常熟)電機有限公司は 1986 年に設立された柏科香港有限公司が投資する香港

資本で、中国で最初にリビルト事業を立ち上げた企業である。使用済み自動車の解体を

行う企業もグループにある他、リビルト部品・新品の製造など幅広く事業を手がけ、高

い技術を有している。

リビルト部品はオルタネータ・スタータを取り扱っている。2001 年に 307 条が発令さ

れ、リビルト事業が禁止されたことで一時事業を停止していたが、2008 年より事業を再

開している。

ii)回収体制

コア部品の仕入れは、輸入に約 70%を頼っており、その他に使用済み自動車リサイク

ル企業やカーメーカーからも仕入れている。仕入れ値は、スクラップ価格の 1.2 倍を目

安に設定している。

iii)販売体制

年間販売個数は、事業停止前には 50 万個を販売しており、再開直後は販売個数が落

ち込んでいたが、近年は約 35 万個にまで回復している。販売先は、GeneralMotors 傘下

の電装メーカーDELCO などの米国向けと日本向けが 70%を占めており、新品価格の約

60%~70%で販売している。

同社は自社ブランドで新品も製造しており、リビルト部品製造のための補給部品も自

社で供給が可能な体制を構築している。

製品は「PICO」という自社ブランドで販売しており、「1 年間以内」または「8 万 km

以内」であれば無償交換するという品質保証を行っている。

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製品ディスプレイ コア部品在庫ヤード

スタータ在庫 オルタネータ在庫

製造現場 製造現場

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自社製造補給部品 コア解体の様子

コア内部部品の洗浄場 ショットブラストでの磨き

組み立てられたリビルト部品 自社ブランド「PICO」

オルタネータ製造の様子 製造モーターの荷姿

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(4)リビルト部品の価格帯

現地リビルト企業へのヒアリングによると、リビルト部品の販売価格は、部品によって

異なるが、高い場合には新品の 75%、安い場合には新品の 40%程度であった。

現地ディーラーにヒアリングを行ったところ、新品の価格を 100 とした場合に、基本的

に OEM 品は 50-70、中古品は 20-30 とのことであった。ただし、中古品でも外装系部品は

50 程度の価格帯で、機能系、電装系部品に比べ高価格で取引される傾向にある。リビルト

品の価格帯は取扱量が少ないため明確な数値では示すことができないが、中古品よりは高

価格で取引されているとのことであり、リビルト企業へのヒアリング結果とほぼ一致する

内容であった。

図表 41 部品の種類別価格帯

新品 OEM 品 中古品 模造品

機能系 100 50-70 20-30 10-20

電装系 100 50-70 20-30 10-20

外装系 100 50-70 50 10-20

(資料)現地ディーラーへのヒアリングから作成

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3.インフォーマルセクターの動向など

中国の自動車リサイクルにおけるインフォーマルセクターの存在は、過去の各種レポート

や論文でも指摘されているように、未だ業界の健全な成長を妨げる要因となっている。

北京や上海等の大都市圏では、政府によってインフォーマルセクターの取り締まりが積極

的に行われており、流通の大半を占める都市部の市街地においてはインフォーマルセクター

の活動は少ないと考えられる。

但し、フォーマルセクターがインフォーマルセクターに対して5大アッセンブリーを販売

しているケースがあり、過去にこのような違法行為が原因で営業を停止させられたフォーマ

ルセクターの企業もあると言われており、連携企業を検討する際には注意を要する必要があ

る。

一方、地方では依然としてインフォーマルセクターが多く、禁止されている5大アッセン

ブリーを堂々と取り扱っている状況が確認され、少なくない量がコア部品として流通してい

る。但し、環境保護の観点から当局の取り締まりも強化されつつあり、今後このような状況

が継続することは想定されにくい。

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4. 候補となる事業パートナーの詳細

当社が中国のリビルト事業に参入するにあたっては、①市場参入ハードルが低い部品を対

象に事業実績を作り、現地事業化による当社ノウハウ取得が可能であること、②安定的なコ

ア部品の確保、リビルト部品の販売ルートの構築が可能であることの2つを点が重要である

と考えられる。

この方針に基づいて、当社との協業の可能性が高い企業を中心に新たにヒアリングを実施

し、事業パートナー候補を検討した。

(1)日系企業パートナー候補の状況

パートナー候補である自動車関連企業、リビルト企業と、当社との連携可能性や中国進

出について情報交換を行った。

① 自動車関連企業

D 社:リビルト事業については事業実績がない状態での提携は困難であると考えてい

る。

E 社:リビルト事業に関心を有しており、今後具体的な事業提案することで連携の可

能性がある。

F 社:部品メーカーと連携したコア部品の確保及びリビルト部品販売ルートを構築でき

る可能性がある。

G 社:技術流出のリスク対策が必要である。また授権候補企業の選定が必要。

H 社:リビルト事業の優先度はあまり高くない状況である。

② リビルト企業

I 社:安定的なコア部品の確保、リビルト部品の販売ルートを構築することが必要。

(2)中国系企業パートナー候補の状況

① リビルト企業

J 社:コア部品の確保に課題がある。集荷網の提供による協業に関心を有している。

K 社:現状では稼働しておらず、当社との協業に関心を有している。

(3)その他の候補

① 総合的リサイクル企業

L 社:大手リサイクラーであり、各国への進出を常に検討している。リビルト事業に

も関心を持っており、当社との協業には関心を示している。

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5.リサイクルに関する現状・実態の把握

(1)現地モデル企業のリビルト部品製造手法

リビルトモデル企業に対してヒアリングによれば、現地におけるリビルト部品製造手法

は、「分解」「洗浄」「修理」「部品取換え」「消耗品取替え」「組み立て」の6つの工程から

なる。組み立てられた部品は、品質検証が行われたのち、出荷される。

製造手法については日本の手法との大きな差異は見られなかったことから、現地モデル

企業と連携し、集荷・販売網を構築しブランド力を獲得することができれば、現地の既存

設備の活用も含めて円滑にリビルト部品製造を行うことができると考えられる。

図表 42 現地モデル企業のリビルト部品製造手法

工程工程工程工程 作業内容作業内容作業内容作業内容

1111 分解 コア部品を分解し、磨耗・損傷している部分を明ら

かにする

2222 洗浄 各部品を洗浄する

3333 修理 修理が必要な部品の修理を行う

4444 部品取替え 部品全体の取替えが必要な部品の交換を行う

5555 消耗品取替え 消耗品の取替えを行う

6666 組み立て 各部品を組み立てて 1つの部品に完成させる

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6.事業活動を支えるインフラの整備状況

北京市では、NEDO 受託事業「中国北京市における先進的自動車リサイクルシステム研究

開発・実証事業」において現地に工場を建設し、自動車リサイクル事業を実施しており、リ

ビルト事業の実施に必要なインフラが整備されていることを確認済である。

大連市では、平成 23 年度に実施した「大連循環産業経済区におけるリサイクルビジネス

展開可能性調査」の「(3)大連国家生態工業モデル園区のインフラ整備の状況」において確

認済である。

7.事業開始に必要な行政手続き(認可の取得、環境影響評価など)

① リビルトモデル企業の認定

前述したように、中国でリビルト事業を行っている企業は、中国政府からモデル企業

として認定を受けている。これらは、許認可制度ではないため、リビルト事業への参入

規制にはあたらないが、5 大アッセンブリーのリビルトはモデル企業のみに解禁されてい

ることから、実質的にモデル企業の指定を受けなければ操業が難しい状況にある。

販売においても、違法部品が横行する中国においては、試行が開始されたばかりのリ

ビルト品は信頼できる製品として消費者に認知されていないことから、モデル企業であ

ることが信頼の獲得に不可欠であるとも言える。

また、地方政府によってはリビルト事業の工商登記の手続き時にモデル企業であるこ

とが必要条件とされる場合もある。

これらのことから、現地モデル企業との連携が事業開始にあたっては不可欠である。

② 事業開始に必要な行政手続き

今後、現地企業等との連携を進めリビルト事業に参入するにあたり、新たに工場建設

を行う場合には環境要件の許可や建設工事の許可を現地政府から得る必要がある。

北京市では NEDO 受託事業「中国北京市における先進的自動車リサイクルシステム研

究開発・実証事業」(現地に工場を建設済)において、大連市については、平成 23 年度

に実施した「大連循環産業経済区におけるリサイクルビジネス展開可能性調査」におい

て「1)工商登録(仮)」、「2)環境要件の許可」を得たのちに、「3)建設工事」等の

手続きについて調査を実施しているためここでは割愛する4

4「大連循環産業経済区におけるリサイクルビジネス展開可能性調査報告書」(平成 25 年 3 月)

http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/research/h24fy/h2503-chinatoyota/h2503-chinatoyota-00.pdf

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8.競合すると考えられる他国企業の事業展開の状況等

中国のリビルト市場には、すでにモデル企業として、欧米企業・資本が進出しており、

またはその検討を始めている。

例えば、BMW、Jaguar、Landrover から授権を得て、モデル企業となっている采埈孚銷

售服務(中国)有限公司は、ドイツ フリードリヒスハーフェンに本拠を置く自動車部

品メーカーZF のグループ会社である。

また、アメリカに本拠地をおくキャタピラー社の関連会社であるキャタピラー(中国)

は、玉柴集団との合弁で「玉柴再製造工業(蘇州)有限公司」を設立し、モデル企業と

してエンジンのリビルト事業を開始している。

このように、今後、成長することが見込まれる中国のリビルド市場には多くの欧米企

業が参入している。

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第4章 事業実施計画

本調査結果を元に今後の事業実施計画を策定した。

中国における自動車部品リビルトビジネスにおける当社方針は下記の通りである。

事業進出の成否を決定するポイントは、リビルトに必要なコア部品の安定的な確保及び販

売ルートの構築である。また、事業パートナー候補の企業との連携を具体的に進めるには、

現地での事業実績が不可欠であることから、まず特定の部品や販売網で事業を開始したうえ

で、事業領域を拡大する段階的な戦略が必要である。これらのポイントを踏まえたうえで、

中国におけるリビルト事業動向を鑑み、早期に事業参入を判断する必要がある。

1.事業展開戦略

(1)参入障壁が低い分野からの実績づくり

オルタネータ、スタータは 5 大アッセンブリーでなく、授権が不要な部品であることか

ら、参入障壁が低いと考えられる。すでにアメリカのリビルト企業等はこれらの部品を中

国にて自社輸入している。これらの企業と提携することで、不透明なコア部品の集荷を担

保し、販売先を海外に絞った事業をまず展開することで、現業に参入し実績をつくり、さ

らに現地の情報収集を継続する。

(2)日系企業と連携した事業領域の拡大

参入後は、実績を元に日系完成車・部品メーカーとの連携を具体的に進め、エンジンや

トランスミッション等他の部品への事業領域拡大を実施していく。

エンジンについては、モデル企業である J 社と連携し、当社からは連携先である日系完

成車・部品メーカーからのコア部品集荷・販売網の提供を行うことで事業土台を確保する。

以上の戦略に基づき、以下の3つの事業スキームを継続して検討する。

図表 43 3つの事業スキーム

現業参入・実績づくり現業参入・実績づくり現業参入・実績づくり現業参入・実績づくり 事業領域の拡大事業領域の拡大事業領域の拡大事業領域の拡大

� 参入障壁の低い事業を足掛かりに事業参入、実績をつくる

� 現地に集荷・販売網を有する外資系企業と提携し、海外売買(来料

or進料加工)に絞った事業を展開、操業ノウハウを蓄積する

� 現地モデル企業、日系リビルト企業と提携し、参入障壁の低いオル

タネータ、スタータを対象としたリビルト製造を開始

� 集荷・販売網の充実と対象品

目の拡大

� 日系企業、現地モデル企業

と連携し集荷・製造・販売体

制を充実

スキーム①:スキーム①:スキーム①:スキーム①:

乗用車用オルタネータ、スタータ乗用車用オルタネータ、スタータ乗用車用オルタネータ、スタータ乗用車用オルタネータ、スタータ

スキーム②:スキーム②:スキーム②:スキーム②:

商用車用オルタネータ、スタータ商用車用オルタネータ、スタータ商用車用オルタネータ、スタータ商用車用オルタネータ、スタータ

スキーム③:スキーム③:スキーム③:スキーム③:

商用車用エンジン等商用車用エンジン等商用車用エンジン等商用車用エンジン等

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2.各事業における投資金額及びその効果

上に述べたスキーム①~③の事業について、投資金額とその効果を検討した結果を以下に

示す。

図表 44 各事業の投資金額とその効果

(資料)現地ヒアリング結果を元に当社にて作成。現時点での数値は精度がかなり低いため、今後の事業推進に

伴い要精査。

①【投資総額】 30,000千元(約5億円) 【投資効果】 7年で回収 *当社が想定するワーストケースにて事業モデル作成。

5.50% 28,810 18.5%

(単位:千元)

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

市場全体 売上ベース 10,000,000 40,000,000 72,500,000 131,500,000 238,300,000 431,900,000 782,800,000

乗用車 30% 3,000,000 12,000,000 21,750,000 39,450,000 71,490,000 129,570,000 234,840,000

モーター系 10% 300,000 1,200,000 2,175,000 3,945,000 7,149,000 12,957,000 23,484,000

市場シェア - 0% 5% 5% 7% 7% 10% 10%

当社出資比率 49% 49% 49% 33% 33% 33% 33%

売上高 =市場シェア 0 60,000 108,750 276,150 500,430 1,295,700 2,348,400

売上総利益 14.7% -3,000 8,820 15,986 40,594 73,563 190,468 345,215

経常利益 50% -3,000 4,410 7,993 20,297 36,782 95,234 172,607

純利益 - -2,250 3,308 5,995 15,223 27,586 71,425 129,456

当社配当金 出資比率 -1,103 1,621 2,937 5,024 9,103 23,570 42,720

割引率(定期預金レート) NPV(正味現在価値) IRR

項目 割引率

②【投資総額】 30,000千元(約5億円) 【投資効果】 7年で回収 *当社が想定するワーストケースにて事業モデル作成。

5.50% 51,920 25.6%

(単位:千元)

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

市場全体 売上ベース 10,000,000 40,000,000 72,500,000 131,500,000 238,300,000 431,900,000 782,800,000

商用車 70% 7,000,000 28,000,000 50,750,000 92,050,000 166,810,000 302,330,000 547,960,000

モーター系 10% 700,000 2,800,000 5,075,000 9,205,000 16,681,000 30,233,000 54,796,000

市場シェア - 0% 5% 5% 7% 7% 10% 10%

当社出資比率 49% 49% 49% 33% 33% 33% 33%

売上高 =市場シェア 0 140,000 253,750 644,350 1,167,670 3,023,300 5,479,600

売上総利益 8.8% -3,000 12,320 22,330 56,703 102,755 266,050 482,205

経常利益 50% -3,000 6,160 11,165 28,351 51,377 133,025 241,102

純利益 - -2,250 4,620 8,374 21,264 38,533 99,769 180,827

当社配当金 出資比率 -1,103 2,264 4,103 7,017 12,716 32,924 59,673

割引率(定期預金レート) NPV(正味現在価値) IRR

項目 割引率

③【投資総額】 70,000千元(約12億円) 【投資効果】 7年で回収 *当社が想定するワーストケースにて事業モデル作成。

5.50% 264,451 39.1%

(単位:千元)

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

市場全体 売上ベース 10,000,000 40,000,000 72,500,000 131,500,000 238,300,000 431,900,000 782,800,000

商用車 70% 7,000,000 28,000,000 50,750,000 92,050,000 166,810,000 302,330,000 547,960,000

エンジン系 45% 3,150,000 12,600,000 22,837,500 41,422,500 75,064,500 136,048,500 246,582,000

市場シェア - 0% 5% 5% 7% 7% 10% 10%

当社出資比率 49% 49% 49% 33% 33% 33% 33%

売上高 =市場シェア 0 630,000 1,141,875 2,899,575 5,254,515 13,604,850 24,658,200

売上総利益 20.0% -6,000 126,000 228,375 579,915 1,050,903 2,720,970 4,931,640

経常利益 20% -6,000 25,200 45,675 115,983 210,181 544,194 986,328

純利益 - -4,500 18,900 34,256 86,987 157,635 408,146 739,746

当社配当金 出資比率 -2,205 9,261 16,786 28,706 52,020 134,688 244,116

割引率(定期預金レート) NPV(正味現在価値) IRR

項目 割引率

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3.長期的な事業展開

本調査で検討した事業戦略をもとに、中国を拠点とした海外売買及び中国国内売買のノウ

ハウを収集・蓄積し、国内外のマーケットを繋ぐことで事業間シナジーの創出を目指す。

中国を拠点としたマーケットを構築した後には、世界規模のリビルト事業の展開基盤を形

成する。

4.事業化スケジュール

本事業終了後の事業展開予定は以下のとおりである。

図表 45 事業化スケジュール

4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3

単独FS/JV交渉

JV意向書締結

共同FS

JV交渉

JVA締結

JV設立

単独FS/JV交渉

JV意向書締結

共同FS

JV交渉

JVA締結

JV設立

2016年度

スキーム

スキーム

①②

対象事業 項目

2014年度 2015年度