23
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学部のページへジャンプ · Web viewとの両面からこれを決定する問題解決型の意思決定手法。AHP ( Analytic Hierarchy Process ) とも呼ばれる。

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~要旨~

本論文のテーマは、私自身が在学中にずっと疑問に思っていた問題である。大学生活振り返ってみて、自分自身としても、周りの友人を見ても、サークル選択というものは非常に重要なものであったと感じている。そんな重要なサークル選択を、今回は近畿大学の野球サークルに絞り、どのサークルを選ぶのが最も合理的なのかを分析したい。本論文により、これから入学する近畿大学生の野球サークル選択に、引いてはこれを参考に様々なサークル選択に貢献できれば幸いである。また、サークル側としてもそれぞれの強みや分析結果を明らかにすることで、今後のサークル活動の繁栄に貢献したい。

本論文では、上記の問題に対してAHP(階層分析法)を用いて分析する。まず野球サークルを選択するうえで、入部の決定を左右する要素は何かを聞き込み調査、議論によって特定する。その結果、「人」、「強さ」、「活動頻度」、「環境」の4点があぶりだされた。この4点の要素についてAHP の一対比較を用いて、アンケートを行いその要素に重みをもたせる。さらに、自分がピックアップした主要な近畿大学の野球サークルを、一対比較を用い、アンケート行って評価した。そして、上記の一対比較により得られた結果を、階層に従って積み上げ計算し、グラフ化し、結果を求めた。結論としては、重要な要素として、①人②活動頻度③強さ④環境、という結果が算出され、それにより選択されるサークルはBROCKSということになった。ただ、「人」という要素のみを重要視した場合、選択するサークルはPHOENIX48。「強さ」という要素のみを重要視した場合、選択するサークルはGOLDEN SHINEという別の結果が生まれることが分かった。

この分析で判明したことで大きな発見だったことは、野球サークルの選択において重要視される要素が、①「人」②「活動頻度」③「強さ」④「環境」という順番であったという点であり、この分析結果がほかのスポーツ系のサークルにも応用できると考えられることから、サークルへの勧誘を行う場合、「強さ」を前面に押し出した勧誘方法(ビラの内容など)よりも、「人」の良さや、「活動頻度」を押し出した方が効果的ということが推察できる。

AHPによる近畿大学の野球サークルの選択に関する分析

学籍番号 09-1-019-0165

氏名 片岡 朋也

【目次】

第一章 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

1. 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

2. 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

3. 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

4. 意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第二章 AHPについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

1.AHPとは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

2.AHPの利点、採用した理由 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

3.AHPの流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第三章 近畿大学の野球サークル選択へのAHPの適用・・・・・・・・・・・9

1.問題の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

2.評価基準の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

3.サークルの設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

4.各サークルの説明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

5.一対評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

6.重みの算出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

第四章 考察とまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

第五章 参考文献・参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

第1章 はじめに

1.目的

大学生活においてサークル活動とは、大きな意味合いを持つと私は考えている。その後の学生生活を左右するといっても過言ではない。私自身、入学当初サークル選びに苦心したものである。その点でサークル選択は非常に重要なポイントの一つである。本論文では、そんな重要なサークル選択を近畿大学の野球サークルに絞り、どのサークルを選ぶのが最も合理的なのかを分析したい。

2.結論

結論としては、重要な要素として、①人②活動頻度③強さ④環境、という結果が算出され、それにより選択されるサークルはBROCKSということになった。ただ、「人」という要素のみを重要視した場合、選択するサークルはPHOENIX48。「強さ」という要素のみを重要視した場合、選択するサークルはGOLDEN SHINEという別の結果が生まれることが分かった。

この分析で判明したことで大きな発見だったことは、野球サークルの選択において重要視される要素が、①「人」②「活動頻度」③「強さ」④「環境」という順番であったという点であり、この分析結果がほかのスポーツ系のサークルにも応用できると考えられることから、サークルへの勧誘を行う場合、「強さ」を前面に押し出した勧誘方法(ビラの内容など)よりも、「人」の良さや、「活動頻度」を押し出した方が効果的ということが推察できる。

3.方法

上で述べたとおり、AHP(階層分析法)という手法を使う。

評価基準は人、強さ、活動頻度、環境の四点

代替案はBROCKS、GOLDEN SHINE、PHOENIX48、DIXIEの四点で行う。

評価基準、代替案それぞれで一対比較によるアンケートを行い、平均値をそれぞれの決定値とする。

最後に評価の総合化を行いグラフ化し、比較を行い結果とする。(詳しくは第三章を参照)

4.意義

本論文により、これから入学する近畿大学生の野球サークル選択に貢献できれば幸いである。また、サークル側としてもそれぞれの強みや分析結果を明らかにすることで、今後のサークル活動の繁栄に貢献したい。

第2章 AHPについて

1.AHPとは

階層分析法(かいそうぶんせきほう)は、意思決定における問題の分析において、人間の主観的判断とシステムアプローチとの両面からこれを決定する問題解決型の意思決定手法。AHP ( Analytic Hierarchy Process ) とも呼ばれる。 ピッツバーグ大学のトマス・サーティーが提唱した。

いくつかの候補から選択をせまられたとき、人間は何らかの評価基準に照らして決定を行う。しかし、一般に評価基準は複数あり、しかも必ずしもすべての基準を同時に満たす決定ができるわけではない。こうしたとき、どの評価基準をどれだけ重視するかなどを、「一対比較法」と呼ばれる心理学的測定法を援用して、質問に対する答えから計算で数値化し、その重み付けした評価基準と代替案の評価から最適な優先順位・配分率の決定を行おうというのがAHPである。感性や好みなどの定性的な要素を定量的に扱うことができ、さらに手順が比較的分かりやすく、ステップにしたがって単純化された個別の判定を行うだけで、数学的に合理的な結果が得られるハイブリッドな手法である。

2.AHPの利点、採用した理由

○ データの入手が容易項目全体について重要度を点数化することに比べて、一対の評価ですむことから質問に答えやすい、すなわち、データの入手が簡単にできる。

○ 主観的評価を客観的にできる主観的な側面が含まれているかもしれない専門家10人の評価結果を客観的に統計処理して、それぞれの意見を公平にとりまとめることができる。

○ 処理方法が簡単(たぶん)理論は難解に見えるが、計算処理はコンピューターで計算できるので(市販の計算ソフトもある)、処理方法は簡単に済む。

〇 各分野に適用できるAHPは心理学の分野から利用が始まったが、適用範囲は広く、経営問題(長期計画策定、商品開発、営業企画・マーケティング、人事評価、プロジェクト選定、ポートフォリオ選択など)、そして個人の意思決定(就職、結婚、買い物)まで、さまざまな課題への実践・研究が行われている。

3.AHPの流れ

ここでは、AHPで選択(意思決定)をする流れを「夕方,お腹がすいたとき,立ち寄るお店の選択」を例に、説明する。 AHPとは、図1のような階層図を作成し、各項目について図2のような一対比較を行い、数値化し、図6のような総合評価値を求め、これを元に意思決定をする手法である。

●階層図の作成

まず、選択対象の候補(代替案)とその選択をするときの評価基準を決める。それを図1のような階層図で表す。

この例での意思決定者は、大学生で、大学の帰りにお腹がすいたときに、どの軽食を取ろうか考えている(目的)とする。評価基準は3つある。

おいしさ

意思決定者の主観で決めることにする。

費用

安ければ安いほど,よいとする。

満腹感

量が多ければ多いほどよいとする。

代替案は、よく行く4つのお店(架空)のいつも食べるメニューとした。

専修庵 お汁粉

甘味処.とてもおいしい.600円 とてもおいしいが少し物足りない

来々軒 唐揚げラーメン

ラーメン屋 味はまあまあ.650円 ボリュームは十分

コンビニ ソフトクリーム

180円 味はまあまあ. 少量

学食 カレー

200円 おいしいとは言えない 量は多い

●評価基準間の一対比較

どの評価基準をどのくらい重要視しているかを求める。 AHPでは,図2のようなアンケート用紙を作成し,それぞれの評価基準のどちらをどれくらい重要視するかを回答していく。

図2: 基準間の一対比較(赤丸は,回答者が手書きでなどで付ける)

一対比較では,「おいしさ」VS「費用」,「おいしさ」VS「満腹感」,「費用」VS「満腹感」のように,評価基準のすべての組み合わせについて,どちらをどれくらい重要かを回答する。図2の各行について,意思決定者(回答者)は,自分の希望に従って,赤○などの印を付けている。

●各基準の重要度の計算

図2の一対比較の回答を元に,各基準の重要度を求める。本論文では,図3のようなExcelのマクロを使って求める。水色の部分に入力して行く。

図3: 重要度の計算

1. B3に一対比較の項目数3を入力します.

2. [入力用一対比較表を作成]をクリックします.

3. C8に,図2の「おいしさ」と「費用」の一対比較の結果を入力します.図2では,おいしさがかなり重要に対応する数値(一対比較値)5を選択します.

4. C9に,左の項目がうんと重要に対応する7を選択します.

5. D8に,左の項目がうんと重要に対応する7を選択します.

6. D9に,左の項目がすこし重要に対応する3を選択します.

7. [重み(評価値)を計算]をクリックします.

8. E21からE23に,重要度が表示されます.

結果をグラフにすると,図4のようになります.

図4: 重要度のグラフ

●「おいしさ」に関して,代替案間の一対比較と評価値の計算

評価基準間の一対比較と同様に,評価基準毎に,代替案間の一対比較を行う。

まず,図5のように,最初の評価基準「おいしさ」について,各代替案間の一対比較を行う。

図5: 「おいしさ」に関する代替案間の一対比較

評価基準の一対比較と同様の方法で,各代替案の「おいしさ」についての評価値を求めていく。(図6).

図6: 「おいしさ」に関する評価値の計算

「お汁粉」が0.58点,「唐揚げラーメン」が0.11点,「ソフト」が0.26点,「カレー」が0.05点であることが分かる。

図7: 「おいしさ」に関する評価値

●総合化とグラフ化

図8のような表にまとめていく。

図8: 総合化(上は各代替案の評価値,下は総合化)

図9は,図8の結果をグラフ化したものだ。

図9: 総合化のグラフ

この例では,「おいしさ」を重要視したため,「お汁粉」がトップになり,「お汁粉」を選択することになる.お金がなく「費用」を重要視したり,また,お腹の減り具合が大きく「満腹感」を重要視したときは,別の結果が生じると思われる。たとえば,費用を重要視したときは「ソフト」,「満腹感」を重要視したときは「唐揚げラーメン」,「費用」と「満腹感」をともに重要視したときは.「カレー」になると思われる

以上がAHPの流れであり、このような形で本論文の分析は行うこととする。

また、この流れと同じ計算ソフトを使用する。(第五章参照)

※引用先

AHP(階層分析法)の流れhttp://homepage3.nifty.com/takahagi/AHPBOOK/ahp_book.html

第三章 近畿大学の野球サークル選択へのAHPの適用

1.問題の設定

近畿大学の生徒(新入生、在校生含む)が野球サークルへの入部を希望する際、最も心を満たしてくれる野球サークルはどこだろうか。

2.評価基準の設定

野球サークルを選ぶ際に基準となる要素は何か。まず、野球サークル(スポーツ系のサークル)を選択する上で重要と感じる事柄を思いつくままに列挙した。さらに、漏れや気付いていないものが無いようにと、知り合い数人に自分で列挙した紙を見せ、他に思いつくものがないか客観的な意見も聞いて取り入れた。列挙していく中で、明らかに類似している内容が多々あった。それらについては挙げていては限りが無いので、集計段階である程度まとめてある。その結果、得られたデータは表1の通りである。そして表1のデータを、それぞれ種類別にわけ、それぞれのグループにラベルをつけた。

表1:野球サークルの選択評価基準

雰囲気

チームの強さ

練習回数

飲み会回数

部員のレベル

規模

歴史

イベント回数、内容

マネージャーの有無

ユニフォーム

活動場所

表2:グループ分け結果

強さ

活動頻度

環境

チームの強さ

練習回数

規模

雰囲気

部員のレベル

飲み会回数

歴史

イベント回数、内容

マネージャーの有無

ユニフォーム

活動場所

その結果、表1のデータを基にグループ分けをし、ラベルを付けたのが表2であり、サークル選択の評価基準は表2 から人、強さ、活動頻度、環境と求めた。

なお、アンケートの際は、この表2を明示したうえで行うものとする。

3.サークルの設定

サークルの設定として、今回選出したのは4つのサークルである。これは、私の野球サークルでの活動から得た人脈を使い、野球サークルとしてしっかり活動をしており(野球サークルという名のイベントサークルではなく)、今後も存続していきそうな体制を築いているサークルを選び出したものである。

・BROCKS

・GOLDEN SHINE

・PHOENIX48

・DIXIE

これらを階層図で表すと図1のようになる。

(野球サークルの選択)

(環境) (強さ) (人) (活動頻度)

(GOLDEN SHINE) (BROCKS) (DIXIE) (PHOENIX48)

図1:階層図

上から順に第一層が目的、第二層が評価基準、第三層が代替案となる。

4.各サークルの説明

ここでは各サークルについて簡単な説明を行いたいと思う。

この説明は各サークルの部員の自己分析である。

・BROCKS

人、雰囲気:良好。先輩、後輩同士も仲が良い。

強さ:今回の近大リーグで3位。近畿大学の野球サークル

16チーム中でも上位である。

練習回数:週1.5。

飲み会回数:2か月1.5回、後は部員同士で飲みに行くことが多い。

イベント:遠征、スノボー、文化祭出店と様々。

部員のレベル:初心者から上級者まで様々。10段階で総合的に考えると6~7ぐらい。

規模:部員数約25名

歴史:2009年結成。なお私が友人と創設したチームである。

マネージャー:7人

活動場所:大阪全域

・GOLDEN SHINE

人、雰囲気:個性が強い。試合後のミーティングを大事にしている。仲は良いが野球重視。

強さ:今回近大リーグ優勝。関西大会1位。東西大会1位。すなわち日本一。

練習回数:週1.5。朝練も行っている。

飲み会回数:ほぼなし。

イベント:ほぼなし。野球遠征のみ。

部員のレベル:近大ではトップ。全国クラス。

規模:部員数約17名。少数精鋭。

歴史:2010年結成。

マネージャー:なし。

活動場所:大阪全域

・PHOENIX48

人、雰囲気:最高。部員同士も関係良好。

強さ:今回近大リーグ2位。自己分析では普通

練習回数:なし。

飲み会回数:全体では年4回くらい。個々では毎週どこかで飲み会あり。

イベント:全体的に特になし。合コンは多い。

部員のレベル:10段階で7ぐらい。

規模:部員数約40人。

歴史:2010年結成。

マネージャー:約10人

活動場所:大阪全域

・DIXIE

人、雰囲気:雰囲気はあんまり。

強さ:今回近大リーグ4位

練習回数:週1回

飲み会回数:3か月に一回

イベント:一年で飲み会3回、遠征4回で合計7回

部員のレベル:10段階で3ぐらい

規模:部員数約40人

歴史:2010年結成

マネージャー:約15人

活動場所:金岡公園(長瀬駅近くの野球グラウンド)

5.一対評価

前述にもあったが、AHPとは階層分析法という意思決定法の手法のひとつで、人の事柄に対する意思決定を、問題、評価基準、代替案というように階層構造にわけて捉え、階層ごとに一対比較を行う。そして、代替案のどれが好ましいかを数学的に決める手法である。ここではAHP の手順の中で、各評価基準に重みを持たせ、重要度を設定する一対比較を参考にして比較を行う。

(1) 評価基準の一対評価

まず先ほどあげた評価基準の要素同士をAHPの一対比較を用いて比較し、重み(重要度)をもたせる。

その要素とは人、強さ、活動頻度、環境である。この4つの要素をそれぞれ比較し、表3の通りに評価値をつける。比較を行うにあたって、今回アンケート調査を行っている。アンケートの詳細は以下に記述する。内容は以下の図2である。

そして、アンケート結果を集計し、平均の値を評価値と設定した結果が表4である。(平均の値は計算がしやすいように、四捨五入し、表3の評価値に一番近い値を評価値とさせていただいた)

最後に、表4の結果をもとに重み(重要度)を計算する。結果は表5である。

なお、表5のC.I.とは整合度の意味であり、C.I.が0.15より大きい場合、一対比較をやり直してみたほうがよい。C.I.が0.1より大きく0.15以下の場合、できれば、一対比較をやり直してみたほうがよい、という指標である。

●アンケート詳細

実施対象:性別→男

年齢→18~22歳

職業→近畿大学生

サンプル数:23

実施場所:校内、グラウンド、自宅etc

表3:サークル選択における評価値

良高

9

悪高

1/9

良大

7

悪大

1/7

良中

5

悪中

1/5

良小

3

悪小

1/3

図2:アンケート内容

表4:一対比較の結果

強さ

活動頻度

環境

1

3

2

5

強さ

1/3

1

1/2

2

活動頻度

1/2

2

1

4

環境

1/5

1/2

1/4

1

表5:重み(重要度)を求めた結果

強さ

活動頻度

環境

重み

1

3

2

5

0.477

強さ

1/3

1

1/2

2

0.154

活動頻度

1/2

2

1

4

0.288

環境

1/5

1/2

1/4

1

0.081

C.I

0.007

結果、一番重要としているのは人の要素であった。逆に環境という要素についてはあまり気にしていないことが分かった。

順番で重要度を並べると、①人②活動頻度③強さ④環境、ということになる。

(2)各評価項目に関しての各サークルの評価

次に、(1)と同様の方法で各評価項目に関しての各サークルの評価を行う。

アンケートの詳細は上記と同様、内容は以下の図3を各項目に対し行うものとする。

図3:アンケート内容2

表6.1:人に関しての各サークルの評価

BROCKS

GOLDEN SHINE

PHOENIX48

DIXIE

BROCKS

1

3

1/2

6

GOLDEN SHINE

1/3

1

1/3

4

PHOENIX48

2

3

1

6

DIXIE

1/6

1/4

1/6

1

表6.2:強さに関しての各サークルの評価

強さ

BROCKS

GOLDEN SHINE

PHOENIX48

DIXIE

BROCKS

1

1/7

1/3

3

GOLDEN SHINE

7

1

3

8

PHOENIX48

3

1/3

1

4

DIXIE

1/3

1/8

1/4

1

表6.3:活動頻度に関しての各サークルの評価

活動頻度

BROCKS

GOLDEN SHINE

PHOENIX48

DIXIE

BROCKS

1

3

6

6

GOLDEN SHINE

1/3

1

3

2

PHOENIX48

1/6

1/3

1

1/2

DIXIE

1/6

1/2

2

1

表6.4:環境に関しての各サークルの評価

環境

BROCKS

GOLDEN SHINE

PHOENIX48

DIXIE

BROCKS

1

2

4

1

GOLDEN SHINE

1/2

1

1

1/2

PHOENIX48

1/4

1

1

1/3

DIXIE

1

2

1/3

1

以上の結果から各項目毎の重要度を算出してみた。以下の表7が集計表である。

表7:集計表(各サークルの評価項目ごとの重要度をまとめた)

評価基準の重み

0.477

0.154

0.288

0.081

強さ

活動頻度

環境

BROCKS

0.328

0.105

0.592

0.376

GOLDEN SHINE

0.154

0.604

0.216

0.158

PHOENIX48

0.463

0.236

0.075

0.121

DIXIE

0.055

0.054

0.117

0.346

6.重みの算出

一対評価によって得られた結果を、階層に従って積み上げ計算した結果が図4である。

また、それをグラフ化したものが図5である。

図4:総合評価値

図5:総合結果のグラフ化

結果、総合的に考えると、選択するサークルはBROCKSということになる。

ただ、「人」という要素のみを重要視した場合、選択するサークルはPHOENIX48。

「強さ」という要素のみを重要視した場合、選択するサークルはGOLDEN SHINEという別の結果が生まれることが分かる。

第四章 考察とまとめ

まず、この分析で判明したことで大きな発見だったことは、野球サークルの選択において重要視される要素が、①「人」②「活動頻度」③「強さ」④「環境」という順番であったということだ。①「人」という結果は予想していたが、以外にも「強さ」の要素の重要度が低かった。このことから、サークルに強さはあまり重要ではないことがわかる。「強さ」を求めている人は、部活動への入部を検討するのだろう。つまり、サークルへの勧誘を行う場合、「強さ」を前面に押し出した勧誘方法(ビラの内容など)よりも、「人」の良さや、「活動頻度」を押し出した方が効果的ということが推察できる。また、今回は野球サークルに絞った調査であったが、この評価基準の重要度は、他のスポーツ(サッカー、バスケetc)サークルにも適応できるだろう。この、サークルを選択する上での評価基準の重要度という、感性や好みによるあいまいで測定が難しい問題を、客観的、数学的に分析できたことは今回良かった点であろう。

しかし、反省点も多々ある。評価基準のあいまいさである。できるだけ、各評価基準の意味を被らせないように努力したのだが、どうしても意味が似ていて、アンケート調査の際に回答者が悩む場面があった。また、欲張りすぎて、評価基準をラベル分けし、多義的な意味を持たせたのも回答者を悩ませる一因となった。また、今回アンケートを行ってもらった回答者の中にBROCKSのメンバーの割合が多かった(約4割強)のも問題の一つである。その結果、BROCKSに少し有利な結果が出てしまった可能性がある。評価基準を変えたらまったく違う結果が出たかもしれない。評価基準をより細分化し、繰り返し様々なパターンで一対評価を行えば、より深い分析結果が得られただろう。時間が足りなかったのが悔やまれる。

上記の結果を踏まえて、具体的なサークルプロモーション案を提案すると、

●前述にもあるが、サークルをPRする上でのビラの内容は、大会実績や、練習場所など「強さ」、「環境」などの要素はできるだけ排除する。写真も、野球をしている真面目な写真よりも、雰囲気が伝わるような楽しそうな写真を掲載する。また、カレンダー形式などで、活動内容、頻度を強調するなどして、「人」、「活動頻度」を前面に押し出すほうが効果的である。

●ビラ配りでの配り手(サークルの部員)も、コミュニケーション力の高い、自分のサークルの雰囲気を伝えるのに適した部員を人選し、前面に押し出すべきである。

●新入生の練習見学においても、部活動張りの厳しい練習風景を見せるより、楽しさを重視した練習を実施する。その際、新入生を積極的に練習に参加させたり、新入生に対し先輩を一人付けるなどし、新入生と先輩の接点を増やす。

●新入生歓迎会においては、席を新入生と先輩で分けずに混同させる。先輩は、新入生に積極的に話しかけ、黙っていることがないように気を配る。また、全員と広く交流がもてるよう、会場は席の移動がしやすい座敷がベターである。

●新入生にあだ名をつける。これは、近畿大学の某有名テニスサークルも行っていることだが、新入生自身がそのサークルに対して帰属意識を感じ、また、先輩としても後輩の名前が呼びやすくなり、また愛着もわくというメリットがある。これも「人」、「雰囲気」という要素に関わってくる。

●サークルのHPやFacebookページを作成。そこにプロモーション動画を載せる。

その際にも、野球よりも「人」や「活動内容」を強調したPVに仕上げる。

以上のような案が考えられる。ただ、これは一部分にすぎないと思うので、

より有効なPR案はまだまだあるだろう。

良かった点、反省すべき点は様々あるが、C.I.(整合度)は全て基準をクリアしたため、この結果はひとまず信用できるものである。これにより、近畿大学生が野球サークル選択をする際に役に立てば幸いである。また、サークル側(野球サークに限らず)としても、入部希望者(または部員)がサークルに対して求めていることがわかる結果となったので、参考にしていただければと思い、本論文を終えたいと思う。

第五章 参考文献・参考資料

●ホームページ

AHP(階層分析法)の流れhttp://homepage3.nifty.com/takahagi/AHPBOOK/ahp_book.html

Ohmsha 書籍連動/ダウンロードサービス

http://www.ohmsha.co.jp/data/link/4-274-06616-9/index.htm

AHP(analytic hierarchy process) - @IT情報マネジメント用語事典

http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/ahp.html

●参考文献

Excelで学ぶAHP入門 問題解決のための階層分析法

平成17年9月25日 第1版第1刷発行

平成23年4月5日 第1版第3刷発行

発行所 株式会社オーム社

●使用Excelファイル

AHPtools.xls

オーム社 Webサイト(上に記述)からダウンロード

アンケート用紙

一対比較は、各基準を1つずつ、どちらの基準をどれくらい重要視するかを回答する方法です。例えば、夕方、おなかがすいた時、立ち寄るお店を決める際、「おいしさ」、「費用」、「満腹感」という3つの基準があるとき、下の図のようにそれぞれの基準をペアにして比較を行います。例えば、「おいしさ」と「費用」を比較して、「おいしさ」をかなり重要と考えるとき、下の図のように、「左の項目がかなり重要」の欄に〇を付けます。同じように、他の行にも、それぞれ一か所〇を付けていきます。

(例)

【Q1】近畿大学の野球サークルへの入部を決定するにあたり、どの基準をどれくらい重要視すべきなのかを回答してください。回答法は上記を参照してください。それぞれの基準の意味は次のようになっています。

強さ

活動頻度

環境

チームの強さ

練習回数

規模

雰囲気

部員のレベル

飲み会回数

歴史

イベント回数、内容

マネージャーの有無

ユニフォーム

活動場所

表1:各評価基準の意味

【Q2】上と同様の方法で、各基準(表1参照)に関して、どちらのサークルがよいかを回答してください。

(1)人に関して

(2)強さに関して

(3)活動頻度に関して

(4)環境に関して

人BROCKSGOLDEN SHINEPHOENIX48DIXI0.156456000000000047.3458000000000009E-20.220850999999999992.6235000000000005E-2強さBROCKSGOLDEN SHINEPHOENIX48DIXI1.6170000000000004E-29.3016000000000029E-23.6344000000000001E-28.3160000000000022E-3活動頻度BROCKSGOLDEN SHINEPHOENIX48DIXI0.170496000000000016.2207999999999999E-22.1600000000000001E-23.3696000000000004E-2環境BROCKSGOLDEN SHINEPHOENIX48DIXI3.0456000000000004E-21.2798E-29.8010000000000024E-32.8026000000000002E-2

1

野球サークルに関する一対比較

9876543211/21/31/41/51/61/71/81/9

人強さ

人活動頻度

人環境

強さ活動頻度

強さ環境

活動頻度環境

野球サークルに関する一対比較

9876543211/21/31/41/51/61/71/81/9

BROCKSGOLDEN SHINE

BROCKSPHOENIX48

BROCKSDIXIE

GOLDEN SHINEPHOENIX48

GOLDEN SHINEDIXIE

PHOENIX48DIXIE

総合化人強さ活動頻度環境総合評価値

BROCKS0.15650.01620.17050.03050.3736

GOLDEN SHINE0.07350.09300.06220.01280.2415

PHOENIX480.22090.03630.02160.00980.2886

DIXI0.02620.00830.03370.02800.0963

人に関する一対比較

9876543211/21/31/41/51/61/71/81/9

BROCKSゴールデンシャインズ

BROCKSフェニックス

BROCKSDIXI

ゴールデンシャインズフェニックス

ゴールデンシャインズDIXI

フェニックスDIXI

強さに関する一対比較

9876543211/21/31/41/51/61/71/81/9

BROCKSゴールデンシャインズ

BROCKSフェニックス

BROCKSDIXI

ゴールデンシャインズフェニックス

ゴールデンシャインズDIXI

フェニックスDIXI

活動頻度に関する一対比較

9876543211/21/31/41/51/61/71/81/9

BROCKSゴールデンシャインズ

BROCKSフェニックス

BROCKSDIXI

ゴールデンシャインズフェニックス

ゴールデンシャインズDIXI

フェニックスDIXI

環境に関する一対比較

9876543211/21/31/41/51/61/71/81/9

BROCKSゴールデンシャインズ

BROCKSフェニックス

BROCKSDIXI

ゴールデンシャインズフェニックス

ゴールデンシャインズDIXI

フェニックスDIXI