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VAエコーにおける狭窄有無でのFV,RI,PIの変化 医療法人 大田姫野クリニック 富永 明博 坂本純平 福村宏 角昌晃 滋野和志

エコーにおける狭窄有無でのFV RI の変化¬¬26回中国腎不全研究...AVGのRI・PIは0.9と感度が高く,狭窄を否定する 指標として有効であると思われた.

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Page 1: エコーにおける狭窄有無でのFV RI の変化¬¬26回中国腎不全研究...AVGのRI・PIは0.9と感度が高く,狭窄を否定する 指標として有効であると思われた.

VAエコーにおける狭窄有無でのFV,RI,PIの変化

医療法人 大田姫野クリニック

富永 明博 坂本純平 福村宏 角昌晃 滋野和志

Page 2: エコーにおける狭窄有無でのFV RI の変化¬¬26回中国腎不全研究...AVGのRI・PIは0.9と感度が高く,狭窄を否定する 指標として有効であると思われた.

はじめに

近年VA管理においてエコーが注目されている.VAエコーは正確にVA情報を把握でき,狭窄などのト

ラブルを早期に発見できる.特に,上腕血流量(FV),血管抵抗(RI),拍動係数(PI)の機能評価は狭窄の有無に影響を受けるとされている.今回,当院において2014年4月~2017年5月に施行した520件のVAエコーから,FV,RI,PIを狭窄の有無で比較し,その有用性を検討した.

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対象

対象:当院維持透析患者86名期間:2014年4月~2017年5月平均年齢:70.9±9.8歳平均透析歴:108.1±98.1ヵ月1名当たりの平均検査回数:5.7±4.2回VAエコー施行件数:520件自己血管内シャント(AVF)施行件数:401件人工血管内シャント(AVG)施行件数:119件

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方法

HITACHI社製超音波診断装置AVIUSを用いて,透析前にVAエコーを行い,FV,RI,PIを測定した.

血管径2.0mm以下を狭窄と仮定し,FV,RI,Pを狭窄の有無で比較検討をした.

またROC曲線を用い,当院でのFV,RI,PIの最適なCutoffPoint(CO値)を求めた.

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1

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1.4FV

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4

5

6PI

狭窄無 狭窄有

(ℓ/min)

*P<0.01

**

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0.2

0.3

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1RI

図1.AVFにおけるFV,RI,PIの狭窄の有無での比較

*

n=317 n=84

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0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1RI

0

1

2

3

4

5

6PI

狭窄無 狭窄有

***

n=76 n=43

図2.AVGにおけるFV,RI,PIの狭窄の有無での比較

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4FV(ℓ/min)

*P<0.01

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図3.AVFにおけるFV,RI,PIのROC曲線

FV RI

PI

AVF CO値 感度 特異度 AUC

FV 0.47 0.745 0.675 0.758

RI 0.63 0.714 0.735 0.755

PI 1.19 0.783 0.699 0.765

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図4.AVGにおけるFV,RI,PIのROC曲線

FV RI

PI

AVG CO値 感度 特異度 AUC

FV 0.46 0.767 0.700 0.778

RI 0.72 0.929 0.605 0.727

PI 1.48 0.914 0.674 0.766

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結果

AVF,AVG共に狭窄有でFVは低く,RIとPIは高値であった(P<0.01)(図.1・2)

AVFではFV,RI,PIの曲線下面積(AUC)は0.7程度であった.(図.3)

AVGではFV,RI,PIのAUCは0.7程度で,RI・PIの感度が高かった.(図.4)

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考察

AVGのRI・PIは0.9と感度が高く,狭窄を否定する指標として有効であると思われた.

狭窄を評価するためにはFV,RI,PIそれぞれのAUCは0.7程度であるので,単独で指標とするには問題があり,3つの測定値を組み合わせる事が必要であると思われた.

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結語

今回狭窄を血管径2.0mm以下と仮定し,FV,RI,PIを狭

窄の有無で検討した結果,単独で評価するには問題

があり,3つの測定値を組み合わせる必要があると思

われた.

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中国腎不全研究会COI開示

筆頭発表者名富永 明博

演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業などはありません。