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XAPP589 (v2.0) 2012 10 16 japan.xilinx.com 1 © Copyright 2011 - 2011 Xilinx, Inc. Xilinx, the Xilinx logo, Artix, ISE, Kintex, Spartan, Virtex, Zynq, and other designated brands included herein are trademarks of Xilinx in the United States and other countries. All other trademarks are the property of their respective owners. はじめに このアプリケーション ノ ー ト で は、 FPGA の外部に配置する電圧制御ク リ ス タル オシレーター (VCXO) 回路の代わ り と し て、 各シ リ アル ギガビッ ト ト ラ ンシーバー (GTX) 内の機能を使用して設計 したシステムを紹介します。 いずれの場合も共通する設計要件は、 入力ソースに対して GTX 出力の周波数 と 位相を ロ ッ ク す る こ と です (ループ、 回復、 ス レーブ タイミングとして知られる )。 一般的に FPGA ロジックをベースとする ク ロ ッ ク は ノ イ ズ が大 き いため、 高品質の基準 ク ロ ッ ク を GTX に提供す る には、 ク ロ ッ ク ク リーニン デバイス (VCXO PLL コンポーネン ト ) FPGA の外部に配置する必要があ り ます。 これらの外 部コ ンポーネン ト は非常に効果があ り ますが、 それぞれに ク ロ ッ ク チャネルが生成されるため、消費電 力とコストがさらにかかります。 チャネルを多用するシステムやコスト重視システムでは、 このコスト が非常に大きな影響を与えます。 また、 外部ク ロ ッ ク ソースを多数追加した場合には、 ボード レベル での ク ロ ス ト ー ク や干渉の問題が大 き く な り ま す。 このアプリケーションで説明するシステムは、これらの外部クロック コンポーネン ト に代わる効果的な 方法 と し て、高性能 FPGA ロジックをベースとするデジタル PLL (DPLL) とザイリンクスの GTX 機能 を使用します。 各 GTX には、 高速アナログ PLL 出力回路に位相インターポレーター (PI) 回路があ り 、 GTX チャネルごとに GTX を駆動する送信ク ロ ッ クの位相や周波数を調節し ます。 完全なデジタル ンターフェイスを使用することによって、 位相インターポレーターは、 高い分解能でプログラム可能な DPLL で管理される FPGA ロジック リ ソースを用いて位相や周波数を制御できます。 FPGA ロジック DPLL と組み合わせてことによって、位相インターポレーターは入力基準パルスやクロックに GTX データ出力を直接ロ ッ クする よ う に位相や周波数を調整でき、さ らにビル ト インのク ロ ッ ク ク リーニン フィルター機能を備えることができます。従来のソリューションとは異なり、クロッキング コンポー ネントが GTX 内に含まれるため、 高品質のシステムが実現します。 リファレンス デザインでは、 各ト ランシーバー チャネルにインスタンシエートできる、 完全に統合さ れた DPLL GTX 位相インターポレーター システムを提供しています。 GTX は、 入力基準信号に位 /周波数 ロ ッ ク し ま す。 DPLL はランタイム時にパラメーター (ゲ イ ン、 カ ッ ト オフ周波数、 ク ロ ッ ク 分周値など) 設定可能な同期 GTX データ出力を生成でき るため、 ユーザーはエン ド アプ リ ケーシ ョ ン に応 じ た動作を セ ッ ト ア ッ プで き ま す。 こ れに よ り 、 基準入力信号や DPLL ク リ ーニング帯域幅に柔軟 に対応で き る よ う にな り ま す。 リファレンス デザイ ンの回路では、 各 GTX チャネルを基準オシレーターに対して最大 ±160ppm ロックでき、ジッター ク リ ーニング帯域幅は 0.1Hz 1KHz の範囲で設定でき ます。 Virtex-6 FPGA 内の GTX ト ラ ンシーバー ブ ロ ッ ク は、最大 3.125Gb/s データ レートで動作します ( クロック ロッキン モー ド の場合)7 シリーズ FPGA の場合、 GTX ト ラ ンシーバーは最大 12.5Gb/s で動作可能です。 こ の回路の代表的なアプ リ ケーシ ョ ンには、ビデオ SD/HD/3G SDISync EIEEE1588SDHSONETおよび OTN があ り ます。 システム アプリケーション 多 く の さ ま ざ ま な ア プ リ ケーシ ョ ン で、各 ト ラ ン シーバーの送信側に外部 VCXO/PLL ( クロック クリー ニング コンポーネン ト ) が必要です。 アプ リ ケーシ ョ ン例は次の と お り です。 OTN マックスポンダー ト ランクの出力スレービング アプリケーション ノート : Virtex-6 および 7 シリーズ FPGA XAPP589 (v2.0) 2012 10 16 ギガビット ト ランシーバー アプリケーションに おけるデジタル VCXO の置き換え 著者 : David TaylorMatt KleinVincent Vendramini

ギガビット アプリケーションに おけるデジタル VCXO - Xilinx...TX PI CTRL TX PI CTRL TX PI CTRL TX PI CTRL Digital PLL Digital PLL Digital PLL Digital PLL Rate Generator

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XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 1

© Copyright 2011 - 2011 Xilinx, Inc. Xilinx, the Xilinx logo, Artix, ISE, Kintex, Spartan, Virtex, Zynq, and other designated brands included herein are trademarks of Xilinx in the United States and other countries. All other trademarks are the property of their respective owners.

はじめに このアプ リ ケーシ ョ ン ノー ト では、 FPGA の外部に配置する電圧制御ク リ ス タル オシレーター

(VCXO) 回路の代わり と して、各シ リ アル ギガビッ ト ト ランシーバー (GTX) 内の機能を使用して設計

したシステムを紹介します。

いずれの場合も共通する設計要件は、 入力ソースに対して GTX 出力の周波数と位相をロ ッ クするこ と

です (ループ、 回復、 スレーブ タイ ミ ングと して知られる)。 一般的に FPGA ロジッ クをベース とする

クロ ッ クはノ イズが大きいため、 高品質の基準クロ ッ クを GTX に提供するには、 クロ ッ ク ク リーニン

グ デバイス (VCXO や PLL コンポーネン ト ) を FPGA の外部に配置する必要があ り ます。 これらの外

部コンポーネン トは非常に効果があ り ますが、それぞれにクロ ッ ク チャネルが生成されるため、消費電

力と コス トがさ らにかかり ます。 チャネルを多用するシステムやコス ト重視システムでは、 このコス ト

が非常に大きな影響を与えます。 また、 外部ク ロ ッ ク ソースを多数追加した場合には、 ボード レベル

でのクロス トークや干渉の問題が大き くな り ます。

このアプリ ケーシ ョ ンで説明するシステムは、これらの外部クロ ッ ク コンポーネン トに代わる効果的な

方法と して、高性能 FPGA ロジッ クをベース とするデジタル PLL (DPLL) とザイ リ ンクスの GTX 機能

を使用します。 各 GTX には、 高速アナログ PLL 出力回路に位相インターポレーター (PI) 回路があ り、

GTX チャネルごとに GTX を駆動する送信クロ ッ クの位相や周波数を調節します。 完全なデジタル インターフェイスを使用するこ とによって、 位相インターポレーターは、 高い分解能でプログラム可能な

DPLL で管理される FPGA ロジッ ク リ ソースを用いて位相や周波数を制御できます。 FPGA ロジッ ク

DPLL と組み合わせてこ とによって、 位相インターポレーターは入力基準パルスやク ロ ッ クに GTXデータ出力を直接ロッ クするよ うに位相や周波数を調整でき、さ らにビルト インのクロ ッ ク ク リーニン

グ フ ィルター機能を備えるこ とができます。従来のソ リ ューシ ョ ンとは異なり、ク ロ ッキング コンポー

ネン トが GTX 内に含まれるため、 高品質のシステムが実現します。

リ ファレンス デザインでは、 各ト ランシーバー チャネルにインスタンシエートできる、 完全に統合さ

れた DPLL と GTX 位相インターポレーター システムを提供しています。 GTX は、 入力基準信号に位

相/周波数ロッ ク します。 DPLL はランタイム時にパラ メーター (ゲイン、 カッ トオフ周波数、 クロ ッ ク

分周値など) 設定可能な同期 GTX データ出力を生成できるため、 ユーザーはエンド アプリ ケーシ ョ ン

に応じた動作をセッ ト アップできます。 これによ り、基準入力信号や DPLL ク リーニング帯域幅に柔軟

に対応できるよ うにな り ます。

リ フ ァレンス デザインの回路では、 各 GTX チャネルを基準オシレーターに対して最大 ±160ppm でロ ッ クでき、 ジッ ター ク リーニング帯域幅は 0.1Hz ~ 1KHz の範囲で設定できます。 Virtex-6 FPGA内の GTX ト ランシーバー ブロ ッ クは、最大 3.125Gb/s データ レートで動作します (ク ロ ッ ク ロ ッキン

グ モードの場合)。 7 シ リーズ FPGA の場合、 GTX ト ランシーバーは最大 12.5Gb/s で動作可能です。

この回路の代表的なアプリ ケーシ ョ ンには、ビデオ SD/HD/3G SDI、Sync E、IEEE1588、SDH、SONET、および OTN があ り ます。

システム アプリケーシ ョ ン

多くのさまざまなアプリ ケーシ ョ ンで、各ト ランシーバーの送信側に外部 VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リー

ニング コンポーネン ト ) が必要です。

アプリ ケーシ ョ ン例は次のとおりです。

• OTN マッ クスポンダー ト ランクの出力スレービング

アプリケーシ ョ ン ノート : Virtex-6 および 7 シリーズ FPGA

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日

ギガビッ ト ト ランシーバー アプリケーシ ョ ンにおけるデジタル VCXO の置き換え著者 : David Taylor、 Matt Klein、 Vincent Vendramini

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システム アプリケーシ ョ ン

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 2

• 放送用装置 (SD、 HD、 および 3G SDI ビデオ出力を使用するスイ ッチャーやルーターなど)

• 同期イーサネッ ト

• 回復メディア ク ロ ッ クの生成 (IEEE 1588 に準拠)

このタスクに外部コンポーネン ト を使用する場合は、 次の理由でコス トが高くな り ます。

• BOM コス トが非常に高い - VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー) を追加するごとに $10 ~ $20 必要

になる

• 消費電力が非常に高い - VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー ) を追加するごとに 300mW ~ 500mW必要になる

• ボード スペースや PCB の複雑化 - さ らにボード エリ アが必要になり、 ノ イズを軽減するデザイン

レイアウ トが用件となる

図 1 では、入力が複数あるデータ伝搬リ ンクのうちの一つを通って受信される一般的な使用例を示しま

す。 1 つの出力リ ンクに対して入力リ ンクが 1 つある場合や、 データがス ト ライプされた入力グループ

がデマルチプレクサーを介して複数の出力リ ンクを形成する場合があ り ます。各入力リ ンクは 1 つの基

準クロ ッ クを共有できますが、 ク リーンな基準クロ ッ クを ト ランシーバーへ提供して出力データをシ リ

アライズし、期待どおりの低ジッ ター出力信号を生成するには、各出力リ ンクに個別の VCXO/PLL (クロ ッ ク ク リーナー ) が必要です。

X-Ref Target - Figure 1

図 1 : 複数の VCXO を使用する一般的なデザイン (各出力に 1 つ)

X589_01_041212

Inputs

Output #1

Output #2

Output #3

Output #4

Output #5

Output #N

Control/CLK

New CLK

Data

CTRL or CLK

Clean Clock

VCXO/PLL orClock Cleaner

SerDes

Dem

ultip

lexe

r, S

witc

her,

Rou

ter,

Cha

nnel

izer

SerDes

SerDes

SerDes

SerDes

SerDes

~$15 per VCXO

Inputs can share one XTAL, but each unique output needs a VCXO

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システム アプリケーシ ョ ン

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 3

GTX ト ランシーバーを使用する場合は、 外部に VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー ) を配置する必要が

あ り ません。 リ ファレンス デザインで採用している基本構造は次のとおりです。

• Virtex-6 FPGA や 7 シ リーズ FPGA の GTX ト ランシーバーには、送信シ リ アル/デシ リ アライザー

ビッ ト ク ロ ッ ク用に送信クロ ッ ク位相インターポレーター (TX PI) があ り ます。

• 各送信シ リ アル/デシ リ アライザーの位相インターポレーターは、位相を個別かつ動的に、そして継

続的に変更でき、 さ らに周波数も変更できます。

このインプリ メンテーシ ョ ンでは、 次のメ リ ッ トがあ り ます。

• BOM コス ト を大幅に削減できる ( 各 VCXO/PLL 当たり約 $15 ~ $20)

• 消費電力を大幅に削減できる (各 VCXO/PLL 当たり約 300mW ~ 500mW)

• ボード スペース削減と PCB の複雑化を軽減

• 1 つの GTX クワ ッ ド内で異なる 4 つの送信レートが可能

図 2 に、 この新しい方法のブロ ッ ク図の例を示します。 GTX ク ワ ッ ドの位相シフ ト機能を使用して、

VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー ) 機能が FPGA 内に構築されています。

X-Ref Target - Figure 2

図 2 : 位相シフ ト ソリューシ ョ ンのブロック図

X589_02_041212

Inputs

Output #1

Output #2

Output #3

Output #4

Output #5

Output #N

DATA

Control

New CLKFixedREFCLK(s)

SerDes

Digital PLL

SerDes

DPLL

SerDes

DPLL

SerDes

DPLL

SerDes

DPLL

SerDes

DPLL

Dem

ulitp

lexe

r, S

witc

her,

Rou

ter,

Cha

nnel

izer

Output VCXOs Removed

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システム アプリケーシ ョ ン

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ソリューシ ョ ン例

このセクシ ョ ンでは、 放送局向けスイ ッチャー /ルーター アプ リ ケーシ ョ ンおよび従属マルチプレク

サーを使用する OTN ト ランク アプリ ケーシ ョ ンのソ リ ューシ ョ ンについて説明します。 通常、 各出力

の送信シ リ アル/デシ リ アライザー チャネルには外部 VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー ) が必要です。

出力ベース レー ト が同じであって も、 各チャネルで PPM (Parts Per Million) が異な る ため (例 :

1.485Gb/s + 50ppm、 1.485Gb/s – 20ppm)、 回路をさ らに追加する必要があ り、 非常にコス トがかかり

ます。

例 1 : 放送局向けのスイッチャーまたはルーター

この例 (図 3) では、 放送局向けスイ ッチャー /ルーターが、 異なるカ メ ラや関連性のないソースから

SD/HD/3G ス ト リームを受信します。 画像は FPGA 内で処理されますが、 FPGA の出力は入力チャネ

ルに対して正確にロ ッ ク されなければな り ません。 た と えば、 HD-SDI と 3G-SDI 入力が公称値の

1.485Gb/s と 2.97Gb/s で動作する場合、 これらは互いにロ ッ ク しない可能性があ り ます。 この入力は、

公称周波数から変動 (最大 150ppm) する元のソースにロ ッ クする可能性があ り ます。通常、 FPGA の各

出力がこれらの PPM の影響を受ける入力にロ ッ クするよ う な場合、 PPM の影響を受ける出力に外部

VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー ) を追加する必要があ り ます。複雑でコス トのかかる外部コンポーネ

ン ト を追加する代わりに FPGA の TX PI を使用するこ とで、送信シ リ アル/デシ リ アライザー デザイン

の中に同等機能を構築できます。

X-Ref Target - Figure 3

図 3 : 出力に外部 VCXO/PLL (クロック クリーナー ) を使用しない放送局向けスイッチャー /ルーター

X589_03_041212

SD/HD/3G #1

SD/HD/3G #1

SD/HD/3G #2

SD/HD/3G #3

SD/HD/3G #4

SD/HD/3G #N

REFCLK(1-2 Fixed XOs)

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Digital PLL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

Digital PLL

Digital PLL

Digital PLL

Digital PLL

Rate Generator

FIFO

Logic Resources TX SerDesRX SerDes

SD/HD/3G #2

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

SD/HD/3G #3

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

SD/HD/3G #4

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

SD/HD/3G #N

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

RX SerDes

RX SerDes

RX SerDes

RX SerDes

RX SerDes

Rou

ting

and

Sw

itchi

ng F

unct

ion

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システム アプリケーシ ョ ン

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 5

例 2 : OTN マックスポンダー

この例 (図 4) では、 OTN ト ランク内に複数のデータ ス ト リームがあ り ます。 ト ランク内の各ス ト リー

ムには独自レートがあ り ます。 多くの場合、 この ト ランクから受信する FPGA やその他のデバイスは、

デマルチプレクサーを通して、 それらのコンポーネン ト ス ト リームへ分配します。 各ソース ス ト リー

ムには (ほぼ同じレートの場合でも )、 オシレーター、 つま り ト ランク内のス ト リームに最初にクロ ッ ク

を供給するクロ ッ クシステムがあ り ます。 回復されたス ト リームのタイ ミ ングは、 各ス ト リームごとに

保持される必要があ り ます。 たとえば、 それぞれ公称値 1.25Gb/s の同期イーサネッ ト ス ト リームが複

数ある場合 (これらは同じソースではない)、 各ス ト リーム (同じタイプであっても ) は数 PPM によって

変わる可能性があ り ます。 回復出力は、 それぞれの元のソースに正確にロ ッ ク していなければなり ませ

ん。 つま り、 FPGA 外部の各出力チャネルに位相検出器、 ローパス フ ィルター、 VCXO、 および PLLが必要です。 送信シ リ アル/デシ リ アライザー内にあるザイ リ ンクス FPGA の TX PI は、 固定された公

称値のオシレーター レート を REFCLK と して参照し、低ジッターで効果的に送信シ リ アル/デシ リアラ

イザー内でそれぞれの回復レートにスレービングできるため、 外部 VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー

) を使用する必要があ り ません。

これらの例およびその他多くの場合では、送信シ リアル/デシ リ アライザー内に構築されたザイ リ ンクス

独自の送信クロ ッ ク位相インターポレーター機能、 FPGA ベースの位相検出器、デジタル PLL、 ローパ

ス フ ィルター、 プログラム可能な送信シ リ アル/デシ リ アラ イザー位相インターポレーターが、 外部

VCXO/PLL (ク ロ ッ ク ク リーナー ) に代わる効果的な機能を果たします。

X-Ref Target - Figure 4

図 4 : 従属デマルチプレクサーへ接続する OTN ト ランクと外部 VCXO/PLL (クロック クリーナー ) を使用しない伝搬

X589_04_041212

REFCLK(Fixed XOs)

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Digital PLL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

TX PI CTRL

Digital PLL

Digital PLL

Digital PLL

Digital PLL

Rate Generator

FIFO

Logic Resources TX SerDesRX SerDes

10G/40G/100GTrunk with

Multiple Linksand Streams

Stream 1

Stream 2

Stream 3

Stream 4

Stream N

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

TX PI +SerDes

Phase Det.LPF, FRQCTRL

Rate Generator

FIFO

RX SerDes

RX SerDes Dem

ultip

lexe

r

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VCXO の代用定理

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 6

VCXO の代用定理 Virtex-6 FPGA には、VCXO の機能を代用できる機能ブロ ッ クが GTX ト ランシーバーの送信部に含ま

れています。 このブロ ッ クは、 位相インターポレーターと呼ばれ、 入力ク ロ ッ クに対してファ イン (細かい) 位相シフ ト を適用した出力クロ ッ クを生成します。 ファ イン位相シフ トは、 制御ワードに基づい

て生成されます。 制御ワードでは、 0°~ 360°の範囲で位相シフ ト を指定できます。

固定周波数ソースだけで VCXO と同等の機能を作成するため、 位相が位相インターポレーターで選択

され、 選択された位相値は直線的に増加/減少されて継続的に更新されます。 これが正/負の周波数シフ

トに相当し、 位相を制御する変化率に比例します。 式 1 ~ 式 5 を参照して ください。

式 1

式 2

式 3

式 4

式 5

これらの式を利用して、出力周波数は、時間を基準と した位相制御 (ΦCONTROL) の変化率でシフ ト され

ます。

図 5 に、 位相インターポレーターの機能ブロ ッ ク図を示します。 このブロ ッ クには、 送信 SerDes PLLや完全ソ リ ューシ ョ ンに含まれるその他の回路から入力される高速シ リ アル ク ロ ッ ク との関連で使用

される入力および出力があ り ます。 このブロ ッ クでは、 まず位相生成 (n-Phase Generation) ブロ ッ クで

主な位相が多数生成されます。 このブロ ッ クは、 360°/x 分割の x 個の位相を生成します。 送信シ リアル

ク ロ ッ ク位相インターポレーターの場合、 主な位相は 8 つ (0°、 5°、 90°、 135°、 180°、 225°、 270°、315°) あ り ます。 図 5 の位相選択 (Phase Select) ブロ ッ クでは、 制御ロジッ ク (Control Logic) に基づい

て 2 つの隣接する位相が選択されます。

位相インターポレーシ ョ ン機能は位相ミ キサー (Phase Mixer) で実行され、 Φ1 の因数 k と Φ2 の因数

(1 – k) が加算されます (結果と して補間される位相出力は Φ1k + Φ2(1 – k) となる)。 k は、 0 ~ 1 の間

の分数値です。

fdΦIN t( )dt

--------------------=

ΦIN t( ) f INdt fINt= =

ΦOUT t( ) ΦIN t( ) ΦCONTROL t( )+=

DifferentiatingdΦOUT t( )

dt--------------------------

dΦIN t( )dt

--------------------dΦCONTROL t( )

dt-----------------------------------------+=

fOUTdΦOUT t( )

dt--------------------------, fOUT fIN

dΦCONTROL t( )dt

-----------------------------------------+==

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VCXO の代用定理

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 7

図 6 に、位相生成器 (n-Phase Generator) からの選択された主な 2 つの位相 (Φ1 および Φ2) を示します。

これらは位相ミ キサーで補間されます。出力は、Φ1 と Φ2 間にある位相クロ ッ ク とな り、有効なフラ ク

シ ョナル ステップ値で分解能が決定されます。 Virtex-6 FPGA の場合、 フラ クシ ョナル ステップ値は

15 です。

最初の位相生成と補間された位相生成は、低ジッ ターのアナログ ド メ インですべて実行されます。最終

的な出力は、 120 ある位相の高速送信シ リ アル/デシ リ アライザー ク ロ ッ クのいずれかを採用する高速

クロ ッ ク とな り、 Virtex-6 FPGA の送信シ リ アル/デシ リ アライザーにあるパラレル送信シ リ アル/デシ

リ アライザー データのシ リアライズに使用されます。 これは、非常に低いジッターで非常に細かい位相

分解能を提供します。

位相インターポレーターはライン レートで動作し、 Virtex-6 FPGA の各 GTX ト ランシーバーおよびす

べての 7 シ リーズの各ト ランシーバーに 1 つずつ配置されます。 Virtex-6 FPGA GTX ト ランシーバー

の送信側にある位相インターポレーターには、最大約 30MHz でアクセス可能な位相制御ポートがあ り、

位相制御の分解能は、 送信部のシ リ アル ライン レートのユニッ ト インターバルの約 1/120 です。

X-Ref Target - Figure 5

図 5 : 送信 SerDes PLL が位相インターポレーターへ接続する機能ブロック図

High SpeedSerDesClock

TransmitSerDes

PLLREFCLK

n-PhaseGeneration

xk

1–k

Dynamic Phase Control xapp589_05_042912

Phase Select

Control Logic

Where: φ2 – φ1 = 360°/x

Phase Mixer

Phase Interpolator

1

2

X-Ref Target - Figure 6

図 6 : コース (粗い) 位相から補間された位相を生成する位相ミキサー

High SpeedSerDes Clock

Phase Mixer1

2

OUT

1 12

xapp589_06_042912

k

1–k

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PICXO の動作

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 8

位相分解能と周波数シフ トの例

選択した位相を継続的に更新して達成できる位相分解能と周波数シフ トは、 次の例で表すことができます。

• 送信シ リ アル/デシ リ アライザーのレート = 3.125Gb/s

• 送信シ リ アル/デシ リ アライザーのクロ ッ ク周期 = 320ps

• 位相インターポレーターのステップ = 320/120ps = 2.66ps

• 更新レート = 31.25MHz

PICXO の動作 「VCXO の代用定理」 で説明したよ うに、 外部 VCXO を使用する代わりに、 送信シ リ アル/デシ リ アラ

イザーの位相インターポレーターを PICXO (Phase Interpolator Controlled Crystal or Xtal Oscillator) として使用するこ とで、デジタル PLL と ク ロ ッ ク ク リーナーの完全ソ リ ューシ ョ ンを構築できます。図 7の機能ブロ ッ ク図に PICXO マクロの動作を示します。

DRP アービタ と FIFO のブロ ッ ク (DRP Arbiter and FIFO) および制御 (Control) ブロ ッ クが、 GTX トランシーバー、 PICXO DPLL、 ユーザー DRP との間のクロ ッ ク と DRP データのインターフェイスを

管理します。

DRP 動作の一般的な使用モデルは、 必要に応じて動作前に GTX ト ランシーバーの DRP パラ メーター

をプログラムできます。その後、PICXO がリセッ ト されて基準クロ ッ ク /パルスにロ ッ ク されます ( 「物理インター フェイス」 参照)。

GTX ト ランシーバー内の位相は、 位相アキュムレーター、 シグマ-デルタ変調器、 ループ フ ィルター、

および位相検出器を含む PICXO 回路から直接 DRP を制御して管理されます。

位相アキュムレーターは、位相インターポレーターの現在の位相を ト ラ ッキングし、シグマ-デルタ変

調ブロ ッ クからの入力に基づいて位相をインク リ メ ン ト /デク リ メ ン ト します。位相を直接インク リ メ

ン ト /デク リ メ ン トする こ とによって、 正または負の周波数オフセッ ト が決定します。

必要な細かい周波数調整は、 シグマ-デルタ変調ブロ ッ クで実行されます。 このブロッ クは、最大の柔軟

性をもたらすユーザー指定可能なループ パラ メーターや比較周波数を使用する二次 DPLL ループ フ ィ

ルターおよび位相検出器で駆動されます。

X-Ref Target - Figure 7

図 7 : PICXO マクロの機能ブロック図

Referenceclock/pulse

DRPData

CE

Error Volt

CE

CEDSP

CEPI

CE

UserDRP

1

CE

Sign

DO

DO

ADD_SUB

DI

DRPDEN

DRPRDY

DRPDATAO

DRPDATAI

DRPADDR

ENPI Ports

TXOUTCLK

TXPCSOUTCLK

DRPCLKIN

Phase/FrequencyDetector

2nd OrderLoopFilter

G1 & G2Variable BW~0.1–1000Hz

SigmaDelta

Modulator

8-bitPhase

Accumulator

DRPArbiter

and FIFO

BUFG/H/R

X589_07_091812

GTX Transceiver

Control

Virtex-6 Only

Connect for Virtex-7/Kintex-7

R

V

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PICXO DPLL

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 9

PICXO の動作は、 DRP ク ロ ッ ク と同期します。 位相インターポレーターの最大更新率 (DRP CLK/5)は、 シグマ-デルタ変調器とアキュムレーターのクロ ッ ク イネーブル率 (CEPI) です (図 7 参照)。 DPLLは、位相/周波数検出器や二次ループ フ ィルター用のクロ ッ ク イネーブル信号となるサブレート CEDSPで動作します (図 7 参照)。 これによって、シグマ-デルタ変調器は高分解能で実行できるよ うになり、低

周波数クロ ッ ク ク リーニングに適した DPLL 係数が可能になり ます。

リ ファレンス デザイン回路では、 生成された各ライン レートに対して BUFG/BUFH/BUFR を 1 つ使

用しています。 このク ロ ッ クはロ ッ ク時に基準クロ ッ ク と同期しているため、その他の下位ユーザー ロジッ クに使用できます。

PICXO DPLL 基準信号にロ ッ ク した GTX ト ランシーバー チャネルを生成するには、 PICXO のパラ メーターを適切

に設定する必要があ り ます。 DPLL は、 このセクシ ョ ンで表す伝達関数の微分を使用する一般的な方法

を用いて解析できます。

解析用と して、 PICXO DPLL 回路を次の 3 つの機能ブロッ クに分けて考えます。

1. 位相周波数検出器

位相周波数検出器は、 基準 (R) ク ロ ッ ク と PICXO (V) ク ロ ッ ク間の位相差を測定し、 エラー出力

を生成します。DPLL はロッ ク時には二次となるため、 このエラーは 0 に駆動されます。 これには、

ラジアン-1 とゲイン (GPD) を単位と して定義される伝達関数があ り ます。

2. 二次ループ フ ィルター

二次ループ フ ィルターには、 G1 と G2 で定義されたデジタル ゲインを使用する比例積分パスがあ

り ます。 この出力は、 オシレーター用の必要な調整値を示します。

3. 数値制御されたオシレーター

数値制御されたオシレーター機能は、 送信 GTX ト ランシーバーの位相インターポレーター ブロ ッ

ク、 位相アキュムレーター、 およびシグマ-デルタ変調器で実行されます。 ラジアン毎秒 (rad/s) とゲイン (GPICXO) という単位があ り ます。

これらは、 図 8 に示す一般的な DPLL コンフ ィギュレーシ ョ ンで構成されます。

X-Ref Target - Figure 8

図 8 : PICXO DPLL デジタル等価回路

X589_08_041112

ReferenceIn

LineOut

GPD G2 GPICXOH1(z) H2(z)

Z-1

Z-1

G1

+

+

+

+

+

PFD Loop Filter PICXO

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PICXO DPLL

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基準入力クロ ッ クからライン出力データまでの伝達は、 式 6 の関数を用いて表すこ とができます。 これ

によって、 完全デジタルの VCXO 代用回路による ク ロ ッ ク ク リーニング と ト ラ ッキング機能をユー

ザー アプリ ケーシ ョ ンで正確に制御できるよ うになり ます。

式 6

次の式を使用 :

式 7

式 8

ゲイン パラ メーター g1 および g2 は、 次のよ うに定義されます。

式 9

式 10

GPD および GPICXO は、 次のよ うに定義されます。

式 11

式 12

次の式を使用 :

式 13

式 14

定数を使用 :

• Virtex-6 FPGA GTX ト ランシーバーの場合は、 PIres = 248、 wrTIME = 5

• Kintex-7 FPGA GTX ト ランシーバーの場合は、 PIres = 128、 wrTIME = 6

図 9 に、 PICXO 伝達関数の応答例を示します。 Z 変換方程式を解析できる DSP 解析ツールは多数あ り

ます。 伝達関数を解析する場合、 係数に有効なクロ ッ ク周波数は CEDSP です。

H z( )H1 z( )H2 z( )GPD

1 H1 z( )H2 z( )GPD+------------------------------------------------------=

H1 z( ) g1 g+ 2( )z g2–z 1–( )

-----------------------------------------=

H2 z( )z GPICXO( )z 1–( )

-----------------------------=

g1 2G1 2–( )

=

g2 2G1 1+( )

=

GPD0.25

9–×10·

DCLK Hz( )2×CEDSP V 2π××

------------------------------------------------------------------=

GPICXO

ACCSTEPPIres

--------------------------- CEPI 2π××

232

------------------------------------------------------------=

CEPIDCLK Hz( )wrTIME

-----------------------------=

CEDSPCEPI

DIVCNT_TC---------------------------------=

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PICXO の 測定および性能

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最初のセッ ト アップ ガイダンス と して、表 1 に、ビデオ、SONET/SDH、および SyncE アプリ ケーシ ョ

ンで使用される標準的な設定を示します。

表 1 に関するパラ メーター選択の説明 :

• 安定性を得るために、 G1 よ り も G2 を大き く して ください。

• G2 値が大きいほど、 ループ帯域幅が広くな り ます。

• G1 値が大きいほど、 減衰が増加し、 ロ ッ ク時間が長くな り ます。

• R 値と V 値は、 位相検出器の入力で同一の周波数に対応する必要があ り ます。

• 位相検出器の周波数が低いほど、 入力の揺れに対する許容範囲が高くなり ます。

• 位相検出器の周波数が高いほど、 ループ帯域幅が広くな り ます。

• ACC_STEP が低いほど、 少ない絶対可変範囲で低い出力ジッターをもたらします。

• DIVCNT_TC 分周器で DSP ループの動作スピードを指定します。

PICXO の測定および性能

このセクシ ョ ンでは、KC705 ボードにインプ リ メン ト されたサンプル PICXO デザインの測定例を示し

ます。

図 10 および図 11 に、 周波数のステップ変化が適用されるロ ッ ク プロセス中における DPLL エラーと

仮想電圧を示します。 エラー範囲は ±219、 仮想電圧は ±220 です。 この場合、 仮想電圧は 140000 以下

で安定し、 これは約 +10ppm の固定ソース (GTX REFCLK 周波数) を参照するローカル GTX ト ラン

シーバーに対して PICXO が正のオフセッ ト を生成しているこ とを示しています。 ローカル GTX ト ラ

ンシーバーは周波数のド リ フ ト を考慮するため、 出力は入力データにロ ッ ク された状態を保ちます。 こ

X-Ref Target - Figure 9

図 9 : 式 6 の関数 H(z) を使用して予想される伝達関数

表 1 : Kintex-7 FPGA PICXO のパラメーター例 (公称値 50Hz のクリーニング帯域幅)

信号名 HD-SDI 3G-SDI OC48/STM16 OC12/STM4 GBe

G1[4:0] 7h 5h 5h 8h 8h

G2[4:0] Bh Ah Ah Eh Ch

R[15:0] 0053h 0108h 0062h 0062h 0098h

V[15:0] 0053h 0108h 0062h 0062h 0098h

ACC_STEP[3:0] 2h 1h 1h 2h 4h

DIVCNT_TC[15:0] 07FFh 07FFh 07FFh 07FFh 07FFh

X589_09_041712

5

0

-5

-10

-15

-20

-25

-30

-35

-40100 101

Frequency (Hz)

102 103 104

Mag

nitu

de (

dB)

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PICXO の 測定および性能

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れによ り、 外部 VCXO がなくても再伝送が可能になり、 回復信号のジッター ク リーニングが実行され

ます。 時間の単位は、 CEDSP ク ロ ッ クです。

図 10 および図 11 の例では、 9ppm 以下の周波数のステップ変化が PICXO に適用された場合における

エラー出力と電圧出力を示しています。

中X-Ref Target - Figure 10

図 10 : ステップ変化中の PICXO DPLL の電圧とエラーを示す Chipscope ビュー

X-Ref Target - Figure 11

図 11 : ステップ変化中の PICXO DPLL のエラーを示す Chipscope ビュー

X589_10_092812

X589_11_092912

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PICXO の 測定および性能

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図 12 は、GTX ト ランシーバーの PICXO から書き込まれた送信位相インターポレーター コードを示し

ています。 こ こでは、 周波数オフセッ トの生成が進行しています。 さ らに、 動作周波数で送信 PLL が直接位相シフ ト を行っているこ と も示しています。 このよ うな位相ローテーシ ョ ンが、 ライン レートで

の継続的な位相ランプを生成します。 正の周波数が生成されているため、 よ り短い周期を生成するため

に位相が継続的に減算されます。 時間の単位は、 CEPI ク ロ ッ クです。

通常、 GTX ト ランシーバーの送信位相インターポレーターを使用する場合、 変調器の位相ステッピン

グやローテーシ ョ ンの性質によって、 送信側のジッターが 0.01 ~ 0.03 UI (pk-pk) 程度増加するこ とが

予想されます。

X-Ref Target - Figure 12

図 12 : ロックされた場合の PICXO 送信位相インターポレーター制御の Chipscope ビュー

X589_12_092912

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PICXO の 測定および性能

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図 13 は Virtex-6 FPGA の波形例を示し、 図 14 は 9.83Gb レートでジッ ター ク リーニング モードで動

作する Kintex-7 FPGA の波形例を示します。 動作中にタイ ミ ング マージンの減少が生じた場合、 ザイ

リ ンクスではシステムを評価するこ とを推奨しています。

X-Ref Target - Figure 13

図 13 : 2.488GB/s で動作する Virtex-6 FPGA GTX ト ランシーバーのデータ出力 (+20ppm オフセッ ト を生成)

X589_13_092912

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PICXO の 測定および性能

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X-Ref Target - Figure 14

図 14 : 9.83GB/s で動作する Kintex-7 FPGA GTX ト ランシーバーのデータ出力 (+32ppm オフセッ トで PICXO ベースのジッ ター クリーナーとして動作)

X589_14_100312

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PICXO の 測定および性能

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図 15 および図 16 に、 PICXO の転送帯域幅を示します。ループ フ ィルターをパラ メーター指定するこ

とで、 さまざまな帯域幅や減衰など異なるユーザー要件に応じて伝達関数を調整できるこ とを示してい

ます。X-Ref Target - Figure 15

図 15 : Kintex-7 FPGA GTX ト ランシーバー 10GB/s ジッ ター伝達の測定 — 可変の帯域幅

X-Ref Target - Figure 16

図 16 : Kintex-7 FPGA GTX ト ランシーバー 10GB/s ジッ ター伝達の測定 — 可変の減衰

X589_15_092912

10

0

-10

-20

-30

-40

-50

-60

Gai

n (d

B)

1 10 100

Frequency (Hz)

Gain G2/G1

8/0

10/2

12/4

14/6

16/8

18/10

9.95 GBs Jitter Transfer—Variable Bandwidth

1000 10000

5

3

1

-1

-3

-5

-7

-9

-11

-13

-15

Gai

n (d

B)

1 10 100

Frequency (Hz)

Gain G2/G1

16/15

16/15

16/13

16/12

16/11

16/9

16/8

9.95 GBs Jitter Transfer—Variable Damping

1000

X589_16_092912

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PICXO の 測定および性能

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放送機器の場合、 SD-SDI、 HD-SDI、 3G-SDI 規格の一般的なレートはそれぞれ 270Mb/s、 1.485Mb/s、2.97Mb/s です。 すべての 3G-SDI フォーマッ トの放送用ジッ ター要件を満たすこ とは、 非常に困難で

す。 3G-SDI フォーマッ ト の一つに 3G レベル A があ り ます。 図 17 および図 18 に示す測定例では、

10Hz と100KHz のそれぞれのジッター測定帯域幅で 3G レベル A の SDI 用マージン (3G レベル A の1920 x 1080p、 59.94Hz) でデータ伝送を行っているシステムを示しています。 このデザインには、

PICXO 手法を用いて、 FPGA 内に VCXO と リ ク ロ ッキング機能が搭載されています。

X-Ref Target - Figure 17

図 17 : SDI FMC を用いた ML605 ボードにおける、 ト リプルレート SDI パススルー デザインの 3G レベル A SDI 出力 (10Hz ジッ ター )

X589_18_092912

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物理インター フェイス

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物理インターフェイス

表 2 ~ 表 5 では、 ポートについて説明しています。

X-Ref Target - Figure 18

図 18 : SDI FMC を用いた ML605 ボードにおける、 ト リプルレート SDI パススルー デザインの 3G レベル A SDI 出力 (100Hz ジッ ター )

X589_19_092912

表 2 : GTX ト ランシーバー ポートへのクロック、 リセッ ト、 およびインターフェイス

信号名 方向 内容

RESET_I 入力 アクティブ High の同期リセッ ト。

REF_CLK_I 入力 基準クロ ッ ク。 いかなるクロ ッ クでも可 (ローカル、 BUFG、 パルスなど)

TXOUTCLKPCS_I 入力Virtex-6 FPGA : GTX シ リ アル ト ランシーバーの TXOUTCLKPCS へ直接接続

Kintex-7 FPGA : TXOUTCLK_I と同じ

TXOUTCLK_I 入力 BUFG/BUFH/BUFR を介して GTX ト ランシーバーの TXOUTCLK へ接続

DRPEN_O 出力 GTX シ リ アル ト ランシーバーの DEN ポートへ接続

DRPWEN_O 出力 GTX シ リ アル ト ランシーバーの DWE ポートへ接続

DRPDATA_O [15:0] 出力 GTX シ リ アル ト ランシーバーの DI ポートへ接続

DRPADDR_O [7:0] 出力 GTX シ リ アル ト ランシーバーの DADDR ポートへ接続

DRPRDY_I 入力 GTX シ リ アル ト ランシーバーの DRDY ポートへ接続

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物理インター フェイス

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表 3 : DRP ユーザー ポート

信号名 方向 内容

DRP_USER_REQ_I 入力 アサート される と、 DRP ポート アクセスを要求する。 アクティブ High 信号

DRPEN_USER_I 入力 DEN GTX シ リ アル ト ランシーバー ポート と同じ機能 [参照 1] [参照 4]

DRPWEN_USER_I 入力 DWEN GTX シ リ アル ト ランシーバー ポート と同じ機能 [参照 1] [参照 4]

DRPADDR_USER_I [7:0] 入力 DADDR GTX シ リアル ト ランシーバー ポート と同じ機能 [参照 1] [参照 4]

DRPDATA_USER_I [15:0] 入力 DI GTX シ リアル ト ランシーバー ポート と同じ機能 [参照 1] [参照 4]

DRPRDY_USER_O 出力TXOUCLK ド メ インの DRDY を反映する。DRPDO に現れるデータが有効であるこ

とを示す [参照 1][参照 4]

DRPBUSY_O 出力 DRP ポートが利用できないこ とを示す。 アクティブ High 信号

表 4 : デバッグ ポート

信号名 方向 内容

ERROR_O [20:0] 出力 位相検出器の出力。 符号付き数値

VOLT_O[21:0] 出力 ローパス フ ィルターの出力。 符号付き数値

DRPDATA_SHORT_O[7:0] 出力 アキュムレーターの出力。 符号なし数値

CE_PI_O 出力 アキュムレーターのクロ ッ ク イネーブル

CLKEN_O 出力 ローパス フ ィルターと DAC のクロ ッ ク イネーブル

RSTCNT_O 出力位相検出器のカウンターを リセッ ト し、 位相検出器エラーをローパス フ ィルターへ

ロードする

OVF_PD 出力 位相検出器のオーバーフロー

OVF_AB 出力 ローパス フ ィルター入力の飽和

OVF_INT 出力 ローパス フ ィルターの飽和

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物理インター フェイス

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動作

図 19 に示すよ うに、 すべての入力信号 (REF_CLK_I を除く ) は、 TXOUTCLK_I の立ち上がりエッジ

に同期する必要があ り ます。 Virtex-6 FPGA GTX DRP インターフェイスは、 TXOUTCLKPCS_I に同

期します。PICXO DRP アービタが、DRP ユーザー ポート と GTX DRP ポート間のクロス ク ロ ッ ク ドメ インを管理します。 Kintex-7 FPGA GTX DRP インターフェイスは、 TXOUTCLK_I に同期します。

DRP ユーザー ポート を動作させるには、 アプリ ケーシ ョ ンで DRP_USER_REQ_I 信号をアサート し、

DRP_BUSY_O が Low に遷移するまで待機します。DRP_BUSY_O が Low に遷移する と、アプ リ ケー

シ ョ ンは DRP USER ポー ト を GTX DRP の仕様どお り に動作させる こ とができ ます ([参照 1] [参照 4])。 すべての DRP ユーザー信号 (DRPRDY_USER_O を含む) は、 TXOUTCLK_I に同期します。

DRP でデータ転送が行われている間は、 DRP_USER_REQ_I をアサート した状態で保持する必要があ

り ます。 DRP_USER_REQ_I をアサートする と、 PICXO 動作が停止します。 DRP の利用が終わる と、

PICXO を リ セッ ト して正しい動作を再開でき る よ う にし ます。 PICXO を リ セッ ト /再開するには、

RESET_I を 1 ク ロ ッ ク サイクル間 High にアサート します。

表 5 : PICXO ループのパラメーター

信号名 方向 内容

G1[4:0] 入力 線形パスのゲインをフ ィルタ リ ング : 範囲 0 ~ F

G2[4:0] 入力 積分器パスのゲインをフ ィルタ リ ング : 範囲 0 ~ C

R[15:0] 入力 基準信号分周器 : 範囲 0 ~ 65535

V[15:0] 入力 TXOUTCLK 分周器 : 範囲 0 ~ 65535

ACC_STEP[3:0] 入力 PICXO のステップ サイズ : 範囲 1 ~ 7 (0 = ステップなし )

DIVCNT_TC[15:0] 入力 DSP 分周器 : デフォルト値は 07FF

VSIGCE_I 入力 予約 : 1 へ接続

VSIGCE_O 出力 予約 : フローティング

RSIGCE_I 入力 予約 : 1 へ接続

C_I[9:0] 入力 予約 : 0 へ接続

P_I[9:0] 入力 予約 : 0 へ接続

N_I[9:0] 入力 予約 : 0 へ接続

OFFSET_PPM[21:0] 入力 直接周波数オフセッ ト制御。 符号付き数値

OFFSET_EN 入力 直接周波数オフセッ ト制御の入力を有効化

HOLD 入力 ローパス フ ィルターの出力値をホールド

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インプリ メンテーシ ョ ン

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インプリ メンテーシ ョ ン

制約

UCF フ ァ イルのサンプルが リ フ ァ レ ン ス デザイ ン と 共に提供されています。 TXOUTCLK、

TXOUTCLKPCS、および REFCLK_I には、Period 制約が必要です。TXOUTCLK と TXOUTCLKPCS間のタイ ミ ング パスには TIG 制約を適用して ください。必要なタイ ミ ング制約およびインプリ メンテー

シ ョ ン制約は、 PICXO ネッ ト リ ス ト の NGC ファ イルに記述されています。 1 つのデザインに複数の

PICXO インスタンスが使用されている場合は、ユーザーが各インスタンスに U_SET 制約を追加する必

要があ り ます。 たとえば、 以下のよ うに記述します。

INST "Inst1/VCXO/*" U_SET = "Inst1_VCXO";INST "Inst2/VCXO/*" U_SET = "Inst2_VCXO";

すべての Period 制約を満たす必要があ り ます。次に示すタイ ミ ング制約のエラーは、 100ps 以内であれ

ば許容可能です。

• TS_up_to_up_TIG

• TS_up_to_dn_TIG

• TS_dn_to_up_TIG

• TS_dn_to_dn_TIG

Virtex-6 FPGA のクロッキング

PICXO (図 20) には、 2 つの入力ク ロ ッ ク (TXOUTCLK_I と TXOUTCLKPCS_I) があ り、 両方と も

GTX ト ランシーバーで駆動されます。 GTX ト ランシーバーの TXOUTCLK は、 TXOUTCLK_I 入力

を駆動する前に BUFG を通過する必要があ り ます。 TXOUTCLKPCS_I は、 GTX ト ランシーバーの

TXOUTCLKPCS から直接駆動され、ローカル配線で接続されます。XST VHDL の属性 buffer_type をNONE に設定して、 TXOUTCLKPCS_I 上に BUFG を自動挿入させないよ うにします (サンプル ファ

イルの最上位を参照)。

X-Ref Target - Figure 19

図 19 : タイ ミング波形の例

TXOUTCLK_1

DRP_USER_REQ_I

DRPBUSY_O

DRPEN_USER_I

DRPWEN_USER_I

DRPADDR_USER_I[7:0]

DRPDATA_USER_I[15:0]

DRPRDY_USER_O

RESET_I

0.0 ns 50.0 ns 100.0 ns 150.0 ns

X589_20_092912

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インプリ メンテーシ ョ ン

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Kintex-7 FPGA のクロッキング

図 21 に、プライマ リ ク ロ ッキング手法を示します。GTX ト ランシーバーの TXOUTCLK は BUFG へ接続され、 BUFG は PICXO の入力クロ ッ ク TXOUTCLK_I、 TXOUTCLKPCS_I、 そして GTX DRPク ロ ッ ク (DCLK) を駆動します。

図 22 に、 セカンダ リ ク ロ ッキング手法を示します。 このク ロ ッキング手法は、 TXOUTCLK が GTXDRP ク ロ ッ クの仕様を超える場合に使用できます。 この場合、 GTX DRP ク ロ ッ クは TXOUTCLK 周波数の整数の約数にして ください。

X-Ref Target - Figure 20

図 20 : Virtex-6 FPGA PICXO のクロッキング

X-Ref Target - Figure 21

図 21 : Kintex-7 FPGA の PICXO クロッキング手法 (プライマリ )

X-Ref Target - Figure 22

図 22 : Kintex-7 FPGA の PICXO クロッキング手法 (セカンダリ )

GTX Transceiver BUFG/R

GTXREFCLK

TXOUTCLK

TXOUTCLKPCS

DCLK

TXOUTCLK_I

TXOUTCLKPCS_I

REFCLK_I

PICXO

X589_21_092912

GTX Transceiver BUFG/R/H

GTXREFCLK

TXOUTCLK

DCLK

TXOUTCLK_I

TXOUTCLKPCS_I

REFCLK_I

PICXO

X589_22_092912

GTX Transceiver BUFG/R/H

GTXREFCLK

TXOUTCLK

DCLK

TXOUTCLK_I

TXOUTCLKPCS_I

REFCLK_I

PICXO

PLL

X589_23_092912

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リファレンス デザイン

XAPP589 (v2.0) 2012 年 10 月 16 日 japan.xilinx.com 23

必須条件および制限

• 送信バッファーのバイパスはサポート されていません。

Virtex-6 FPGA

• GTX ト ランシーバーの DRP ク ロ ッ ク (DCLK) は、 バッファーを介さずに TXOUTCLKPCSへ直接接続してください。

• TXPMAPHASEALIGN は、 1 に設定してください。

• PMA_TX_CFG のビッ ト 17 は、 1 に設定してください。

• TXOUTCLKCTRL は TXOUTCLKPMA_DIV2 に設定してください。

• GTX ト ランシーバーは、 2 バイ ト幅インターフェイスに設定してください。

• TXOUTCLK と TXOUTCLKPCS は、 同じ周波数にしてください。

Kintex-7 FPGA

• TXDLY_LCFG[2] と PCS_RSVD_ATTR[1] は、 1 に設定して ください。

• Kintex-7 FPGA ポート TXPHALIGN、TXPHALIGNEN、および TXPHOVRDEN は、 1 に設

定して ください。

• TXPHDLYPD は、 0 に接続してください。

• TXOUTCLKSEL は、 TXOUTCLKPMA (010) に設定して ください。

リファレンスデザイン

リ フ ァ レンス デザインは、 Virtex-6 FPGA GTX ト ランシーバーのラ ッパー ファ イル v1.8 [参照 3]とKintex-7 GTX ト ランシーバーのラ ッパー ファ イル v1.6 [参照 5] を利用し、 ML605 および KC705 開発プラ ッ ト フォームをターゲッ ト と しています。 受信データは、 送信部へループバッ ク されます。 送信

部は、 PICXO インスタンスによって リ カバリ ク ロ ッ ク (RXRECLK) にロ ッ ク されます。

ISE Design Suite のプロジェク ト生成、 ビッ ト ス ト リーム生成、 およびインプリ メ ン トに役立つスク リ

プ ト (PICXO_V6_vhd.tcl、 PICXO_V6_ver.tcl、 および PICXO_K7_vhd.tcl) を提供しています。

詳細は、 readme.txt を参照してください。

Chipscope Pro VIO コアを使用して、 PICXO ループのパラ メーター制御が可能です (表 5)。 ChipscopePro ILA コアは、PICXO デバッグ信号を監視します (表 4)。src/chipscope フォルダーにある ChipscopePro のプロジェク ト ファ イル (ML605_DT.cpj および K7.cpj) を利用して、 Chipscope Analyzer を簡単にセッ ト アップできます。 rst_cnt_o が High 駆動している間、 位相/周波数検出器の出力 (error_o)をキャプチャできるため、 PICXO の応答を監視できます。 ロ ッ ク している場合は、 error_o が 0 付近で

動作します (図 11)。

Virtex-6 FPGA デザインでは、2 つのモジュール (double_reset および clock_detector) によって、リセッ

後や TXOUTCLK の損失後における正しい動作が保証されています [参照 2]。

表 6 : スタンドアロン PICXO の統計値と性能

ターゲッ ト デバイス Virtex-6 LXT および Virtex-6 SXT FPGA Kintex-7 FPGA

LUT 1060 1078

レジスタ 765 764

SRL 2 1

キャ リー チェーン 19 19

キャ リー エレ メン ト 498 498

MUXFXes 69 71

最大周波数スピード グレードに依存し、 DRP ポートの最大

周波数と調和

スピード グレードに依存し、 DRP ポートの最大

周波数と調和

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リファレンス デザイン

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サンプル デザインのシ ミ ュレーシ ョ ンは実行できません。GTX ト ランシーバー シ ミ ュレーシ ョ ン モデ

ルには GTX ト ランシーバーの位相インターポレーターが 含まれていません。 drp_arbiter ソース コー

ドが提供されているため、 DRP ユーザー アクセスの機能シ ミ ュレーシ ョ ンが可能です。

リ ファレンス デザイン ファ イルは、 次のサイ トからダウンロードできます。

http://japan.xilinx.com/member/vcxoff/index.htm

表 7 : リファレンス デザインの詳細

パラメーター 内容

全般

開発者David Taylor、 Matt Klein、Vincent Vendramini

ターゲッ ト デバイスVirtex-6 LXT XC6VLX240T FF1146 -1

Kintex-7 XC7K325T FFG900 -1

ソース コードの提供 あ り

ソース コードの形式 VHDL

既存のザイ リ ンクス アプリ ケーシ ョ ン ノート / リ ファレ

ンス デザイン、 CORE Generator™ ソフ ト ウェア、 ま

たはサードパーティからのコード / IP デザインに使用

はい

シミ ュレーシ ョ ン

機能シ ミ ュレーシ ョ ンの実施 いいえ

タイ ミ ング シ ミ ュレーシ ョ ンの実施 いいえ

機能およびタイ ミ ング シ ミ ュレーシ ョ ンでのテス トベ

ンチの利用いいえ

テス トベンチの形式 N/A

使用したシミ ュレータ ソフ ト ウェア ツール/ バージョ ン N/A

SPICE/IBIS シ ミ ュレーシ ョ ンの実施 N/A

インプリ メンテーシ ョ ン

使用した合成ソフ ト ウェア ツール/バージ ョ ン XST/v13.4 および v14.2

使用したインプリ メンテーシ ョ ン ソフ ト ウェア ツール/バージ ョ ン

ISE Design Suite/v13.4 および v14.2

スタティ ッ ク タイ ミ ング解析の実施 はい

ハードウェア検証

ハードウェア検証の実施 はい

検証に使用したハード ウェア プラ ッ ト フォーム ML605、 KC705

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参考資料

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参考資料 1. UG360 : 『Virtex-6 FPGA コンフ ィギュレーシ ョ ン ユーザー ガイ ド』 「ダイナミ ッ ク リ コンフ ィギュレーシ ョ ン ポート 」 の章を参照

2. EN142 : 『Virtex-6 FPGA LX、 LXT、 SXT、 および HXT Production エラ ッ タ』

3. UG366 : 『Virtex-6 FPGA GTX ト ランシーバー ユーザー ガイ ド』

4. UG470 : 『7 シ リーズ FPGA コンフ ィギュレーシ ョ ン ユーザー ガイ ド』 「ダイナミ ッ ク リ コンフ ィギュレーシ ョ ン ポート 」 の章を参照

5. UG476 : 『7 シ リーズ FPGA GTX/GTH ト ランシーバー ユーザー ガイ ド』

改訂履歴 次の表に、 この文書の改訂履歴を示します。

表 8 : デバイスの使用リソースと性能

Virtex-6 FPGA Kintex-7 FPGA

フルデザイン Chipscope (ICON+VIO+ILA) フルデザイン Chipscope (ICON+VIO+ILA)

スライス LUT 1600 600 1511 607

スライス レジスタ数 1563 727 1512 733

配置済みスライス (1) 1009 N/A 1035 683

ブロ ッ ク RAM 15 15 15 15

BUFG 4 1 5 1

GTXE1 1 0 1 0

MMCM 0 0 0 0

最大周波数DRP は最大

150MHz に制限N/A DRP は最大

150MHz に制限N/A

注記 :

1. 配置済みスライスの数は、 パッキング結果によって異なる可能性があ り ます。

日付 バージョ ン 内容

2012 年 5 月 8 日 1.0 初版

2012 年 6 月 19 日 1.1 Verilog バージ ョ ンの内容を追加。 「 リ フ ァ レンス デザイン」 のVHDL コードをマイナー変更。表 5を更新。表 8 のブロ ッ ク RAMを変更。

2012 年 10 月 16 日 2.0 資料全体で Kintex-7 FPGA のサポート を追加 (図の追加、 および

表の変更を含む)。変更されたデザイン ファ イルを含む 「 リ ファレ

ンス デザイン」 を参照。

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