アルゼンチン 主要データ

国名〔英名〕 アルゼンチン共和国〔Argentine Republic〕

面積(km2) 278

海岸線延長(km) 4,989

人口（百万人） 40.9

人口密度（人/km2) 14.7

GDP（百万 US$) 324,767

一人当り GDP（US$） 8,171

一人当り銅使用量（kg/人） 0.7

主要鉱産物：鉱石（千ｔ） 銅 157、鉛 17、亜鉛 31

主要鉱産物：地金（千ｔ） 銅 16、鉛 52、亜鉛 46、アルミニウム 394

鉱業管轄官庁 連邦鉱業庁、連邦鉱山局

鉱業関連政府機関 地質鉱物調査所、地質鉱物資源研究所、鉱業技術研究所

鉱業法 鉱業法、鉱業投資法、鉱業再生法、鉱業近代化法等

ロイヤルティ 上限 3%（州政府により個別に決定）

外資法 外国投資法

環境規制法 （環境影響調査制

度、環境・排出基準の有無等）

連邦政府制定の環境保護法の他、各州政府による規制あり

鉱業公社

鉱業公社を設立している州あり。YMAD（Catamarca 州鉱山公社）、

FOMICRUZ（Santa Cruz 州鉱山公社）、IPEEM（San Juan 州鉱山公

社）等

鉱業活動中の民間企業 Xstrata 社、Barrick Gold 社、Anglo Gold 社、Glencore 社及び多

数の探鉱ジュニアカンパニー

近年の鉱業関連問題 （資源ナ

ショナリズム、労働争議、環境

問題等）

鉱業活動を禁止する法案や金属鉱業においてシアン・水銀等の有

害物質の使用を禁止する法案が７州において制定（Rio Negro、

Chubut、Tucuman、Mendoza、La Pampa、San Luis、Cordoba の各

州)

2009 年のトピックス

2009 年から 2010 年 8 月までに Andacollo Gold、FMC、Bajo de

Alumbrera についての裁判があり、前 2者は会社側勝訴、後 1者

は裁判継続中である

1．鉱業一般概況

アルゼンチンの非鉄金属鉱物資源は、そのほとんどがチリ国境のアンデス山脈およびパタゴニア地

方に限定されるものの、銅・金･銀・リチウム等の鉱物資源ポテンシャルは高く、探鉱が十分に進んで

いない地域が多く存在することから魅力的な探鉱投資国となっている。投資環境の整備の遅れから本

格的な探鉱・開発投資が開始されたのは 1990 年代の後半に入ってからであり、この時期の投資により

Bajo de La Alumbrera 銅-金鉱山、Homubre Muerto リチウム塩湖、Cerro Vanguardia 金・銀鉱山の大

型投資開発が始まった。2001 年の経済危機、世界的な景気後退からアルゼンチンにおける探鉱活動は

停滞していたが、2004 年からの鉱業投資は世界的な金属価格の高騰により急速に増加している。

2009 年の鉱業分野の売上は 24.1 億 US$、利益は 10.93 億 US$であった。アルゼンチン鉱業庁による

と、2009 年は新たに４件の鉱山操業が開始し、約 10 億 US$の投資と 8,000 名の雇用が生まれた。４件

の新規操業開始鉱山は次のとおり。

- 366 -

・Manantial Espejo 銀鉱山：Santa Cruz 州、カナダ Pan American Silver 社、投資額 230 百万 US$

・Gualcamayo 金鉱山：San Juan 州、カナダ Yamana Gold 社、投資額 285 百万 US$

・Sierra Grande 鉄鉱山：Rio Negro 州、中国 CMG グループ、投資額 260 百万 US$

・Pirquitas 銀鉱山：Jujuy 州、カナダ Silver Standard Resources 社、投資額 200 百万 US$

鉱業庁はその他、豪州 Troy Resources 社が San Juan 州 Casposo 金・銀プロジェクトに 440 百万 US$を

投資し建設開始すると述べた。アルゼンチンにおける 2009 年の探鉱投資額は 2.0 億 US$、探鉱ボーリ

ングの累計掘進長は 501,600m で、それまでの年間平均掘進長 140,000 m の約 4倍である。

2009 年のアルゼンチン鉱業生産の GDP に占める割合は 1.1%である。

2．鉱業政策の主な動き

アルゼンチン政府は外国企業による鉱業投資を促進し、鉱業を国の主要産業に成長させることを国

家戦略とし、1993 年から 1995 年にかけて鉱業関連法制度のリフォームを実施した結果、投資環境の整

備された国として認識されるようになった。2009 年現在もこの時期に整備された法制度が同国におけ

る鉱業投資の基本的な枠組みとなっている。

2007 年 10 月に大統領選が実施され、前職 Nestor Kirchner 大統領（在籍 2003 年 5 月～2007 年 10

月）の夫人 Cristina Kirchner 上院議員が当選した。Cristina 大統領は基本的に前政権の経済政策を

継承し、鉱業政策においても大きな変更等はみられない。2011 年 11 月に大統領選挙が予定されている。

アルゼンチン鉱業庁は 2007 年 12 月に鉱産品輸出税（5～10%）の課税を 2002 年以前に操業開始した

鉱山にも適用することを決定した。この決定は 1993 年に制定された鉱業投資法に規定されている「FS

を実施したプロジェクトに対しては 30 年間、税制を安定化する」との条項に違反することから、アル

ゼンチンで操業する鉱山会社は強く反発し、複数の鉱山会社が訴訟を起こした。2009 年から 2010 年 8

月までの主な裁判は、Andacollo Gold（金；会社側勝訴、2回目の裁判で結審）、FMC（リチウム；会社

側勝訴、2回目の裁判で結審）、Bajo de Alumbrera（銅-金；3回目の裁判が継続中、1回目は会社側勝

訴、2回目は会社側の敗訴）。また、それ以外の中小規模鉱山が裁判を継続中である。

2005～2008 年の間に鉱業におけるシアン・水銀等有毒物質の使用禁止や露天採掘の禁止を謳った環

境規制法が Rio Negro 州、Chubut 州、Tucuman 州、Mendoza 州、La Pampa 州、San Luis 州、Cordoba

州の合計 7州で制定された。それ以降、新たに鉱業に対する規制の法律を定めた州は発生していない。

環境規制

・Chubut 州の規制状況

2009 年 9 月、アルゼンチン探鉱協会 Gemera は、Chubut 州における露天採掘禁止の法律の廃止を提

案した。連邦鉱業庁によると、2010 年 8 月現在、Chubut 州の西部（アンデス山脈沿い）は引き続き露

天採掘が禁止されているが、中央部については露天採掘は許可されたとのことである。有害物質（シ

アン、水銀等）については引き続き州全域の鉱業で使用禁止されている。

・連邦政府と Jujuy 政府が鉱業環境管理プログラム実施について署名

2009 年 7月、アルゼンチン連邦鉱業庁 Jorge Mayoral 長官と Jujuy 州 Walter Barrionuevo 知事が鉱

業環境プログラムに署名した。プログラム実施に必要な 80 百万ペソは、IDB（米州開発銀行）の融資

によって賄われ、このうち Jujuy 州のプログラム実施については、10 百万ペソが予算手当される予定

である。

10 百万ペソのうち、800 万ペソは Abra Pampa 市の Huasi 製錬所の周辺環境修復等に充当される他、

環境管理に係る技術サポート、環境報告書評価、鉱山の環境モニタリング等に使用される予定である。

Huasi 製錬所は Pirquitas 銀鉱山等からの鉱石を処理し、煙害及び廃滓等で Abra Pampa 市に環境問題

を引き起こしていたが、1986 年の閉山後は廃滓処理が社会問題化していた。

・Alumbrera 鉱山環境汚染訴訟を Tucuman 州連邦高等裁判所が却下

- 367 -

2009 年 9 月、アルゼンチン Tucuman 州の連邦高等裁判所が、Alumbrera 鉱山会社執行役員 Julian

Rooney 氏に対して起こされていた環境汚染訴訟を却下したと同社が声明で発表した。Rooney 副社長は

Alumbrera 鉱山の販売・総務担当マネージャーで、Termas de Rio Hondro 貯水槽に危険な汚染物質を

投棄した容疑で訴えられていた。しかし、この申し立ては排水路から採取した 1 サンプルの水のデー

タに基づく不適当な証拠に基づいており、その値は 10 年間の鉱山操業期間中に当局が定期的に採取し

た数千のサンプルの値と異なっていた経緯がある。

・Santa Cruz 州が鉱業活動特別地区を制定

2009 年 11 月、アルゼンチン Santa Cruz 州議会は、金属鉱業活動が実施可能な特別地区を制定する

法律を可決したと発表した。この特別地区から、州内の全ての町から 10km 以内、湖・主要河川中央線

から 4km 以内、指定された文化遺産の範囲、海水準面以下の土地が除外される。また、鉱石処理作業

はこれら除外域から更に 20km 以上離れた場所で行わなくてはならない。鉱業活動特別地区以外での鉱

業権申請は認められず、申請中のものについても無効となる。

・鉱業活動と氷河の保護

2010 年 8 月、アンデス氷河地域における採掘、石油掘削を禁止する法案がアルゼンチン下院で可決

された。本法案は、アンデス氷河地域及びその周辺地域の保全規範、これら地域を汚染・損傷した場

合の罰則について規定されており、今後、この法案は上院で審議・投票されることになる。本法案は 2

年前にも審議され国会承認されたが、Cristina Fernando de Kirchner 現大統領が Pascua Lama 金・銀

プロジェクト（Barrick Gold）が位置する San Juan 州等における経済活動を阻害するという理由から、

大統領拒否権を発動し廃案になった経緯がある。

一方、鉱業振興を促進したい La Rioja、Jujuy 及び San Juan の 3 州は既に独自の氷河保全に係る州

法を制定しており、地方政府が実施する EIA により、鉱山プロジェクトが氷河地域に悪影響をもたら

すという結果の場合にのみ開発禁止される内容となっている。これら 3 州は、今回の法案を阻止しよ

うとするが、最終的には連邦政府が鉱業活動を規制する方向になるのではないかと見られている。

チリ-アルゼンチン２国間の鉱業関係

・チリ-アルゼンチン両国間閣僚会議で鉱業用水及び地質図整備について議論

2009年 8月にブエノスアイレスで第2回チリ-アルゼンチン閣僚会議が開催された。今次会合は2006

年 5 月にサンティアゴにおける第 1 回会議に続くもので、鉱業関連ではアルゼンチンからチリ鉱山地

域への鉱業用水供給、両国間に跨る地域における地質図整備について議論された。鉱業用水について

は、両国間の関係部局から構成されるタスクフォースを設立する方向で合意し、法律、技術及び政治

的側面から検討が為される予定である。地質図整備については、Pascua Lama プロジェクトの最終決着

を契機として、二国間に跨る鉱山開発プロジェクト発掘を促進する目的で、1/100 万スケールの基本地

質図を作成する。本地質図作成について、チリ側は SERNAGEOMIN（チリ地質鉱業管理局）、アルゼンチ

ン側は SEGEMAR（アルゼンチン鉱業庁地質鉱物調査所）が担当する。

・チリ鉱業大臣とアルゼンチン鉱業長官が２国間鉱業会合に出席

チリとの鉱業統合協定は、チリ・アルゼンチンの国境地域の鉱山開発を促進するために、国境地域

での人・資産の移動、インフラの共同活用、探鉱・開発の統合化、国境手続きの簡略化、租税の統一

化などを目的とするもので、1997 年 12 月に両国政府により署名された。本鉱業統合協定の第 1 号が

Pascua Lama 金銀プロジェクト（カナダ Barrick Gold 社 100%権益保有）で、税収入の配分について両

国で話し合いが続けられた。2009 年 1 月の鉱業統合協定２国間委員会（運営委員会）の最終会合を経

て、2009 年 4 月にチリ国税局長とアルゼンチン大蔵大臣との間で税の配分につい合意に至り、これを

もって Pascua Lama プロジェクトの建設開始が承認されることとなった。

2009 年 11 月にサンティアゴで開催された第 4 回チリ-アルゼンチン 2 国間鉱業会合には、チリ

Santiago Gonzalez 鉱業大臣とアルゼンチン Jorge Mayoral 鉱業庁長官の他、チリ鉱業協会（SONAMI）

Alberto Salas 会長、チリ-アルゼンチン２国間鉱業委員会 Bruno Ardito 委員長らが出席し、チリ-ア

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ルゼンチン 2 国間鉱業統合協定の現状と将来展望について話し合った。これまでに 2 国間鉱業委員会

の協議対象となったのは Pascua Lama プロジェクトであるが、アルゼンチン Mayoral 鉱業庁長官は、

新たに 3件のプロジェクトが 2国間鉱業委員会での協議対象に加わるであろうと述べた。

中国との関係

2010 年 4 月、アルゼンチン鉱業協会 CAEM は、中国東部の地質非鉄鉱業局の高官がアルゼンチン鉱業

へ関心を示し、自らの探鉱経験をアルゼンチン鉱業発展の援助に活かしたいと表明したと述べた。CAEM

の Manuel Benitez 会長は、アルゼンチン・中国両国の発展を助ける合意書作成のため、中国の担当高

官と協力していくと約束した。

アルゼンチンにおける中国の主要プロジェクトは以下のとおり、

・Rio Negro 州 Sierra Grande 鉄鉱山の中国製鉄グループ CMG 子会社による再開発。

・La Rioja 州における中国 Shandong Gold グループとアルゼンチン EMSE との共同金探鉱。

・Puna 地域（Jujuy 州、Salta 州）における、中国地質調査所と SEGEMAR の共同地化学調査。

表 2-1．アルゼンチンの鉱業関連法規一覧

法律名 制定年 概要

鉱業法 1886 年 鉱業法は鉱業活動の法的規範となる法律であり、鉱物資源の所有権、

探査、開発に関する権利と義務について規定している。

外国投資法 1993 年

外国投資家がアルゼンチン国内の投資家と同等の権利と義務を有す

ること、投資によって得た利益を海外に移動させたり、投資家に配

当したりすることが可能であることを規定。

鉱業投資法 1993 年

税金等の 30 年間の安定化 、調査･探鉱費用の所得税からの控除、鉱

床評価額の資本化 、資産税の免除、関税及び税関費用の免除 、ロ

イヤリティの上限の設定等を規定。

鉱業再生法 1993 年

国が地質図等の基盤情報を作成・整備し、鉱業投資を行う民間企業

へ提供 。また、連邦政府と各州政府の鉱業政策にかかる調整業務を

実施するため、連邦鉱業審議会を設置することを規定。

連邦鉱山調整法 1993 年 アルゼンチン鉱業への投資を推進するため、連邦政府と州政府が協

力して鉱業に関する手続きの統一化等の措置を講ずることを規定 。

付加価値税のﾌｧ

ｲﾅﾝｽ及び返還法 1994 年

鉱業生産活動に必要な資本財の購入、輸入、インフラ工事のために

実施した投資を対象として支払った付加価値税の融資・金利の返還

を規定。

鉱業近代化法 1995 年 鉱業法の諸規定、州政府・州公社による公開入札制度等に関する手

続きを現行に合わせて大幅に改正。

環境保護法 1995 年

鉱業活動における環境保護に関する条項を鉱業法に追記。鉱業活動

を行う者は、事前に環境当局に対し、環境影響報告書を提出するこ

とを義務付けている。

- 369 -

3．主要鉱産物の生産・輸入・消費・輸出動向

（1）主要非鉄金属鉱石生産量

表 3-1．アルゼンチンの金属鉱石生産量

（単位：ｔ）

鉱種 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008（%）

銅 180,200 156,900 143,100 91.2

鉛 12,800 17,000 20,800 122.4

亜鉛 29,800 30,900 32,000 103.6

金 44.4 37.6 44.1 117.3

銀 248.4 237.6 356.4 150.0

（出典：WMSY 2009）

（2）主要非鉄金属地金生産量

表 3-2．アルゼンチンの金属地金生産量

（単位：ｔ）

鉱種 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008（%）

銅 16,000 16,000 16,000 100.0

鉛 49,100 52,400 52,200 99.6

亜鉛 46,000 31,000 42,600 137.4

錫 100 100 100 100.0

アルミニウム 287,000 393,700 412,700 104.8

カドミウム 6.0 34.8 38.0 109.2

（出典：WMSY 2009）

（3）主要非鉄金属消費量

表 3-3．アルゼンチンの金属消費量

（単位：ｔ）

鉱種 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008（%）

銅 30,600 30,400 27,400 90.1

鉛 39,100 52,700 35,000 66.4

亜鉛 43,900 41,800 35,600 85.2

錫 1,200 1,300 1,000 76.9

アルミニウム 138,000 134,400 143,500 106.8

（出典：WMSY 2009）

（4）主要非鉄金属輸出量

表 3-4. アルゼンチンの金属精鉱及び地金輸出量

鉱種 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008（%） 主な輸出相手国

銅精鉱 （ｔ） 685,536 628,323 542,358 86.3 ドイツ、韓国、

フィリピン

モリブデン (t) - 365 742 203.3 チリ

亜鉛 (t) - - - -

鉛 (t) 5,471 11,979 6,433 53.7 中国

金 (t) 115.9 99.0 163.0 164.6 スイス、カナダ、

- 370 -

ドイツ

銀 (t) 21.3 108.0 180.5 167.1 スイス、ドイツ、米

国

塩化リチウム （t） - - 4,520 - 米国、中国、英国

炭酸リチウム (t) - - 8,578 - 米国、中国、英国

（出典：Global Trade Atlas website）

（5）主要非鉄金属輸入量

表 3-5.アルゼンチンの金属精鉱及び地金輸入

（単位：千ｔ）

鉱種 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008（%） 主な輸入相手国

銅（精鉱） 40.2 42.3 36.9 87.2 ブラジル、チリ、中国

ニッケル 1.07 1.39 0.86 61.8 ブラジル、スペイン、

カナダ

亜鉛

19.3 22.4 9.34 41.6 ブラジル、ベルギー、

南ア

鉛

0.23 0.75 2.01 268 メキシコ、スペイン、

ブラジル

アルミニウム 40.99 46.62 46.06 98.7 ブラジル、チリ、

スペイン

錫 1.24 1.37 0.99 72.2 ブラジル、ペルー、ボ

リビア

（出典：Global Trade Atlas website）

4．鉱山・製錬所状況

（1）鉱山状況

表 4-1．主要鉱山生産状況

鉱山名

（州名）

鉱種 権益（％） 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008

(%)

Pirquitas

(Jujuy)

銀、 Silver Standard

Resources

100%

- - 銀:1,114,300 oz -

Aguilar*

(Jujuy)

鉛、

亜鉛

Glencore 100% 鉛:約 13 千 t

亜鉛:

約 30 千 t

鉛精鉱*:

約 29 千 t

亜鉛精鉱*:

約 68 千 t

鉛精鉱:30 千ｔ

鉛地金：1.4 千ｔ

亜鉛精鉱:75 千ｔ

亜鉛地金：44 千ｔ

銀地金：28ｔ

-

Bajo de la

Alumbrera

(Catamarca)

銅、

金

Xstrata 50.0%

Goldcorp 37.5%

Yamana Gold

12.5%

銅:180,223t

金:19.1t

銅:155,640t

金:15.7t

銅: 143,084t

金:13.1t

91.9%

83.4%

Salar del リ チ FMC Corp 100% - - 塩化リチウム:

- 371 -

Hombre

Muerto

(Catamarca)

ウム 8,800ｔ

炭酸リチウム：

4,500ｔ

Gualcamayo

(San Juan)

金 Yamana Gold

100%

- - 金:4.5t -

Veladero

(San Juan)

金 Barrick Gold

100%

金:14.7t 金:16.7t 金:19.0t 113.8%

Sierra

Grande

(Rio Negro)

鉄 中国製鉄グルー

プ CMG 子会社

100%

- - 鉄: 1,400 千 t

（生産容量）

-

Cerro

Vanguardia

(Santa Cruz)

金、

銀

Anglo Gold 社

92.5%

Santa Cruz 州鉱

業公社 7.5%

金:6.8t 金:5.2t 金:6.5t 125.0%

Martha

(Santa Cruz)

銀、

金

Coeurd’ Alene

Mines 社 100%

銀:85.5t

金:0.13t

銀:84.3t

金:0.10t

銀: 115.3t

金:0.15t

136.8%

150%

San Jose

(Santa Cruz)

銀、

金

Hochschild 51%

Minera Andes

49%

銀:29.8t

金:0.46t

銀:136.3t

金:1.7t

銀: 155.5t

金:2.4t

114.1%

141.1%

Manantial

Espejo

(Santa Cruz)

銀、金 Pan American

Silver Corp

100%

- - 銀: 117.7t

金:2.2t

（出典：MEG Mine Search, Panorama Minero、*Jujuy 州データ）

Veladero 金鉱山

San Juan 州の Veladero 金鉱山において、2008 年 9 月に開始された投資額 70MUS$の破砕設備拡張工

事が2009年第３四半期に終了した。本拡張工事により鉱石処理量がそれまでの50千 t/dから85千 t/d

に増加する。Veladero 鉱山の確定及び推定埋蔵量は 491.3 百万 t；金品位 0.78g/t、金量 11.4 Moz（354

ｔ）で、マインライフは 14 年である。

2010 年 7 月に Barrick Gold 社は、Veladero 鉱山の環境マネージメントに必要となる ISO 14001 の 2

回目の認証を受理したと発表した。第 1回目の認証は、2005 年の操業開始から 2年後の 2007 年 9 月に

授与されたが、これにより Barrick 社はアルゼンチンで環境マネージメントの認定を受ける最初の鉱

山会社となった。この認証システムには、労働者 2,000 名以上に対する継続的な訓練プログラムと環

境緩和対策の実施が含まれる。

Gualcamayo 金鉱山

カナダ・トロントの Yamana Gold 社の子会社 Minas Argentinas が、2009 年 7 月に Gualcamayo 鉱山

の操業を開始した。Gualcamayo 鉱山は標高 1,949 m に位置し、鉱床タイプはスカルン鉱床及び鉱染状

の浅熱水性鉱床で、埋蔵量が金量約 2.9 百万 oz（90.2ｔ）、資源量が金量約 3.5 百万 oz（108.8ｔ）、

マインライフ 13 年である。鉱石処理は既に 2008 年 12 月に開始されており、主要機械類の使用許可は

2009 年 4 月に降りていた。

また、2009 年 9 月 30 日にアルゼンチン Cristina Kirchner 大統領、San Juan 州 Jose Luis Gioja

知事、連邦計画省 Julio De Vido 大臣、連邦鉱業庁 Jorge Mayoral 長官ら 400 名を招待した開山式が

現地で開催された。San Juan 州での鉱山操業は Veladero 金鉱山に次いで２番目となる。

- 372 -

Pascua Lama 金・銀プロジェクト

チリ・アルゼンチン国境に跨る Pascua Lama 金・銀プロジェクトのインフラ建設が 2009 年 10 月に

開始した。2010 年 5 月にはプロジェクトの鉱石積み込み・運搬、道路維持、廃棄物処理等に用いる大

型鉱山機器（ブルドーザー12 台、ホイールドーザー5 台、モーター発電機 6 台、ホイールローダー1

台）がチリ第Ⅳ州 Coqumbo 港に到着し、6 月にはチリ電力会社 Guacolda 社が Pascua Lama 鉱山で必要

となる電力 120MW をチリ第Ⅲ州 Huasco 火力発電所から供給すると発表した。

Pascua Lamaプロジェクトの鉱山キャンプ設営は2010年第３四半期、剥土工事は2011年第１四半期、

金地金生産は 2013 年第１四半期に開始予定である。操業開始後の 5 年間は毎年、金 750～800 千 oz、

銀 35 百万 oz を生産する予定である。また、Barrick 社は、Pascua Lama 鉱山のマインライフ全期間に

わたる銀生産量の 25%を、3年間にわたる 625 百万 US$の現金払い、及び 1 oz 当たり US$3.90 又は銀の

市場価格のどちらか安い値でカナダ Silver Wheaton 社に販売する契約を 2009 年 9 月に結んだ。

Rio Colorado カリウム・プロジェクト

2010 年 7 月、アルゼンチン Mendoza 州下院は、ブラジル鉱山会社 Vale の Rio Colorado カリウム・

プロジェクトの社会環境整備基金を創設することを同社と合意したと発表した。この合意書は更に

Mendoza 州上院により批准される必要がある。合意書によると、Vale はプロジェクト建設期間中に 12.2

百万 US$を、操業期間中は毎年 11.2 百万 US$と見積もられる売上の 1%相当を拠出する。

本プロジェクトは設備投資額 32 億 US$、塩化カリウム生産量 240 万ｔ／年、マインライフ 40 年が計

画されており、環境影響評価EISは2009年8月にMendoza州により承認された。投資額の約40%は110MW

の自家発電所建設や Buenos Aires 州 Bahia Blanca に 170 百万 US$で建設する港湾設備等のインフラ整

備に使われる。また、プロジェクトでは Malargue カリウム鉱床から港までの延長 350km の鉄道敷設も

必要となる。

5．探鉱

ベースメタル、レアメタル探鉱

Piuguno 多金属プロジェクト

2009 年 9 月、カナダ・バンクーバーArgentex Mining 社は、アルゼンチン南部 Santa Cruz 州 Pinguino

多金属鉱床の概則資源量評価として粗鉱量 732 万ｔ；銀換算品位 170 g/t の数字を発表した。銀換算

品位 170 g/t の内訳は、銀品位 32.5 g/t、金品位 0.25 g/t、鉛品位 0.49 %、亜鉛品位 1.47 %、イ

ンジウム品位 16.3 g/t。また、予測資源量評価として粗鉱量 3,540 万ｔ；銀換算品位 124 g/t の数字

を発表した。銀換算品位 124 g/t の内訳は、銀品位 22.5 g/t、金品位 0.21 g/t、鉛品位 0.40 %、亜

鉛品位 1.09 %、インジウム品位 8.89 g/t。これらの計算には銀カットオフ換算品位 50.0 g/t が用い

られている。この資源量評価は、Pinguino 多金属鉱床の 9 つの鉱脈に対して実施された 258 孔、計

29,149m のボーリングと 55 箇所の表層トレンチの結果に基づいている。

Los Azules 銅プロジェクト

2010 年 2 月、米国 Minera Andes 社は、アルゼンチン San Juan 州 Los Azules 銅プロジェクトのプレ

F/S が 2011 年中頃に完了予定であると述べた。Los Azules 探鉱現場は標高 3,000m に位置し、鉱床へ

のアクセス道路が標高 4,000m を超えるため、探鉱ボーリング実施期間が 12 月～4 月に限定されるが、

Minera Andes 社はこれを延長する方法を探っている。

Los Azules銅プロジェクトの予測資源量は 9億2,200万ｔ；銅品位0.55%（カットオフ銅品位0.35%）、

銅量 112 億ポンド（508 万ｔ）である。予察的経済評価では、銅価格 US$2.70/lb の場合、設備投資額

27 億 US$、IRR 22%、NPV 29 億 US$ となった。2010 年 6 月、Minera Andes 社は Los Azules 銅プロジ

ェクトの資源量増加を発表した。これまでの粗鉱量 1億 3,700 万ｔ；銅品位 0.73%が予測資源量から概

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則資源量に更新され、1億 1,600万ｔが予測資源量に追加されて予測資源量合計が 9億ｔ；銅品位0.52%

となった。

2009 年 10 月、スイス Xstrata 社は Minera Andes 社が所有する Los Azules 銅プロジェクトの 51%権

益を取得するオプション権を行使しないことを決定した、と両社が各々の声明で発表した。これによ

り Minera Andes 社がプロジェクトの 100%権益を保持することになった。

San Jorge 銅-金プロジェクト

2009 年 12 月、カナダ・バンクーバーCoro Mining 社（TSX: COP）がアルゼンチン Mendoza 州 San Jorge

銅-金プロジェクトの F/S を 2011 年第２四半期に終了し、2013 年に生産開始すると報じた。2009 年 4

月の予察的経済評価では、選鉱場操業の設備投資額は 277 百万 US$、マインライフ 16 年、年間銅 4 万

ｔ、金 4万 oz を生産する計画であるが、既存鉱床の西側と深部はまだ未探鉱である。このプロジェク

トでは硫化銅鉱石から銅精鉱を生産することが検討されているが、Mendoza 州が硫酸の使用を禁止して

いるため酸化銅鉱石は処理されない。

また、2010 年 7 月、アルゼンチン Mendoza 州政府は、San Jorge 銅-金プロジェクト EIS の公聴会を

10 月に開催すると Coro Mining 社に通知した。この公聴会は EIS 承認を受けるための最終ステップで

ある。

Agua Rica 銅-モリブデン-金プロジェクト

2010 年 1 月、カナダ Yamana Gold 社は、アルゼンチン Catamarca 州 Agua Rica 銅-モリブデン-金プ

ロジェクトの 2006 年実施の F/S を更新し、2011 年末までに建設の正式決定を行うと発表した。Yamana

社は Agua Rica の F/S のベースケースとして、銅価格 US$2.25/lb、金価格 US$950/oz とした場合、NPV

12 億 US$、割引率 7.5%、IRR 約 15%との結果を発表している。マインライフ 26.5 年で、銅-金精鉱を

12.5 百万ｔ、モリブデン精鉱を 357,750ｔ生産する予定で、レニウムの回収も検討している。Yamana

社は Agua Rica のキャピタルコストとして 2006 年 F/S の 20.5 億 US$よりやや高い 21.0 億 US$を見込

んでいる。

2008 年の埋蔵量評価では、確定埋蔵量が銅 44 億ポンド（2百万ｔ）、金 2.8 百万 oz（87ｔ）、推定埋

蔵量が銅 43 億ポンド（1.95 百万ｔ）、金 3.0 百万 oz（93ｔ）であるが、この評価は銅価格 US$1.10/lb、

金価格 US$425/oz に基づいている。

El Pachon 銅プロジェクト

2010 年 5 月、Xstrata Copper 社は、アルゼンチン San Juan 州 El Pachon プロジェクトの F/S 更新

の一環として、2010 年は 42mn US$を投資すると発表した。Pachon プロジェクトは粗鉱埋蔵量 12 億ト

ン以上、銅精鉱で毎年約 30 万トンの生産が見込まれ、当初 12 億 US$であった投資額は 19 億 US$に増

加している。El Pachon プロジェクトはチリとの国境から 5km 東に位置し、鉱床は完全にアルゼンチン

側にあるが、銅産品はチリの港から輸出される計画である。2009 年 Xstrata Copper 社は、El Pachon

プロジェクトは資源量を 40%拡張し粗鉱量 14 億 t；銅品位 0.58%の数字を発表し、また環境ベースライ

ンにかなりの改良が見られたとしている。

金探鉱

中国 Shandong Gold Group による La Rioja 州金プロジェクト

2010 年 7 月、中国鉱山会社 Shandong Gold Group は、アルゼンチン La Rioja 州において金を対象と

した探鉱及び鉱山操業をアルゼンチン国営 EMSE（Energia y Minerales Sociedad del Estado）と共同

で実施する MOU に調印するため、Shandong 社 CEO Jianhua Wang 氏が EMSE の代表と会い打ち合わせた。

EMSE CEO Hector Duran Sabas 氏によると、探鉱作業は 60 日以内に開始され 12～18 カ月続く予定で、

その後この地域の金ポテンシャルの経済評価を実施する。探鉱に関する投資はShandong社が全て行う。

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リチウム探鉱

Lithium One（Sal de Vida；Salta 州）

2009 年 9 月、カナダのリチウム企業である Lithium One（本社；Vancouver）が、Maktub Compañía Minera

（Maktub：本社 Salta）から、同社がアルゼンチン北西部 Salta 州に保有する Sal de Vida かん水プロ

ジェクトの 100%オプション権を獲得した。このオプション権は、Lithium One が 2014 年までに 5.6 百

万 US$支払うことにより、ロイヤルティ無しで 100%権益を取得できるというもので、Maktub にはウレ

クサイト（テレビ石※）の 20 年間の採掘権が残る。なお、この採掘権についても 7百万 US$ で Lithium

One が獲得できることになっている。

同プロジェクトの鉱区面積は、Salar de Hombre Muerto（HM 塩湖）東側の 150km2以上で、世界第 3

位のリチウム生産企業である FMC（本社米国 Charlotte）の現地子会社である Fénix がリチウムを生産

している。Lithium One による 17 か所のかん水サンプリングの結果は、平均でリチウム 637ppm、カリ

ウム 0.54%、Mg/Li 比 1.63 である。

2010 年 6月、Korean Resources Corpoartion（KORES）と Lithium One が Sal de Vida リチウムプロ

ジェクトの JV 契約を締結した。KORES は、同プロジェクトの F/S 資金提供及び実施、その他探査費用

で総額15百万US$の資金負担により30％権益を獲得する。なお、本プロジェクトが開発に至った場合、

年間 12 千 tの炭酸リチウム生産が見込まれ、KORES は炭酸リチウムの 50％までを市場価格で購入でき

ることになっている。Lithium One から同プロジェクトでの最初の 2孔のボーリング調査結果、平均で

リチウム 590ppm、カリウム 0.58％、Mg/Li 比 2.1 が公表された。

Lithium Americas（Cauchari；Jujuy 州）

2009 年 9 月、Lithium Americas Corp（本社 Toronto）は、Rio Tinto の子会社である Borax Argentina

S.A.（本社 Salta）がアルゼンチン Jujuy 州 Cauchari 塩湖に保有する鉱区（4,628ha）におけるリチウ

ム及びカリウムの開発権を獲得したと発表した（Borex は表層での硼砂採掘を継続）。同社は、Latin

American Minerals（本社 Toronto）と豪州の探鉱企業である Orocobre（本社 Brisbane）がアルゼンチ

ン Jujuy 州 Puna 地域の Olaroz 塩湖と Cauchari 塩湖に各々保有する鉱区を統合するために設立したリ

チウムの探鉱開発に特化したジュニア企業である。同社は、9月に Olaroz 塩湖と Cauchari 塩湖の探鉱

費用 7.5 百万 US$を調達するための第三者割当増資を完了している。これまで、両塩湖において 37 点

の表層かん水に係るグリッドサンプリングを行ったところ、平均でリチウム 800ppm、カリウム 0.5%、

Mg／Li 比 3.6 という結果であった。

2010 年 6 月、Lithium Americas Corp（本社 Tronto）の Waldo Perez CEO は、同社がアルゼンチン

北部 Jujuy 州に保有する Cauchari-Olaroz プロジェクトについて、2012 年の開発移行に向けた決定を

行う予定であると発言した。本プロジェクトには、三菱商事 4％、Magna International（本社カナダ

Ontario 州 Aurora）13%の権益を保有しており、これまで 20 百万 US$の費用でボーリング調査等を実施

し、本年 5月には株式公募により資本を 45 百万 US$まで引き上げた。Lithium Americas によると、本

プロジェクトの炭酸リチウム資源量は 4.7 百万 t（金属リチウムで 926 千 t）、カリウム資源量は 7.7

百万 tと試算されている。

ADY 社（ Rincon；Salta 州）

2010 年 2 月、アルゼンチン連邦鉱業庁は声明で、豪州鉱山会社 ADY Resources がアルゼンチン Salta

州の Rincon 塩湖におけるリチウム生産プロジェクトに 156 百万ペソ（40.6 百万 US$）を投資すると発

表した。Rincon 塩湖のポテンシャルを確認するために 2006 年に実施された調査結果はポジティブで、

新規プロジェクトの F/S にはこれらのデータが用いられている。

その他（Salta 州）

2010 年 2 月、フランス非鉄金属企業 Eramet（本社：Paris）とフランス及びカナダでリチウム電池

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を製造している Bolleré（本社：Paris）のコンソーシアムは、Santa Rita（本社：アルゼンチン Salta）

との間でリチウム探鉱契約を締結したと発表した。本探鉱契約により、同コンソーシアムはアルゼン

チン Salta 州に Santa Rita が権益を保有する幾つかの塩湖で埋蔵量を把握するための探鉱が可能とな

る。今後 24 ヶ月間の探鉱によって、同コンソーシアムは Santa Rita が保有する塩湖の権益を買収す

ることができる。

6．我が国との関係

（1）日本への輸出

表 5-1．アルゼンチンの日本への精鉱／地金輸出量

（単位：千ｔ）

鉱種 2007 年 2008 年 2009 年 2009/2008（%）

銅精鉱 118 79 49 62.0

アルミニウム地金 10 11 51 463.6

炭酸リチウム(t) - 212 180 84.9

塩化リチウム(t) - - 144 -

（出典：国際非鉄研究会資料、財務省貿易統計）

（2）日本企業による投資状況等

我が国民間企業は、アルゼンチン鉱業に対して大きな投資はしていないのが現状である。

JOGMEC（石油天然ガス・金属鉱物資源機構）は 2004 年からカナダのジュニア探鉱会社 Tenke Mining

Corp.をパートナーとし、アルゼンチン San Juan 州とチリ第Ⅲ州に跨る Frontera（旧 Vicuna）地域に

おいて共同資源基礎調査を実施している。

JICA（国際協力機構）はアルゼンチン地質鉱物研究所（SEGEMAR）を相手方として、我国の開発した

地球観測衛星 ASTER を利用したプロジェクトタイプ技術協力「先進的地質リモートセンシング」を 2001

年～2005 年に実施し、鉱物資源探査のみならず災害や環境分野へのリモートセンシングの技術移転を

行った。JICA はこのプロジェクトの第三国研修プログラムを 2006 年度～2010 年度の 5 年計画で実施

し、SEGEMAR が習得した先進的地質リモートセンシング技術の他の中南米諸国への技術移転を図ってい

る。

7．その他トピックス

Rio Negro 州海水淡水化プラント建設

2009 年 6 月、アルゼンチン Rio Negro 州の財務、公共事業、サービス業務の担当官で構成される委

員会は、MCC Minera Sierra Grande 鉄鉱山及び鉄鉱石処理施設の操業用水供給のための海水の淡水化

プラント建設の提案書の査定を開始した。この計画は Rio Negro 州とイスラエルの Mekorot Water 社

との間で合意した共同事業の一環で、合意書によると、州の水資源管理、水の再利用等についての問

題分析、新技術、及び効率性について、両者は共同作業を実施していく。Mekorot Water 社はイスラエ

ルの主要国営企業の一つで、国の人口の 90%に水を供給する責任を負っている。MCC Minera Sierra

Grande は中国金属製錬グループ（CMG; China Metallurgical Group）の海外子会社である。

アルゼンチン・San Jose 銀-金鉱山でストライキ発生

2009 年 10 月、米国 Minera Andes 社が 49%権益を有するアルゼンチン南部 Santa Cruz 州 San Jose 銀

-金鉱山は、2009 年に入ってから 4 回目の労働者のストライキにより再び生産中止となっている。

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Minera Andes 社と JV 相手方の Hochschild Mining 社は、事態の解決に向け慎重にかつ協力的に作業し

ているとの声明を出した。

2009 年 10 月、米国 Minera Andes 社が 49%権益を有するアルゼンチン南部 Santa Cruz 州 San Jose

銀-金鉱山で、その前の週から続いていたストライキが終了し、生産が再開した。

San Jose 鉱山は Minera Andes 社とペルーHochschild Mining 社の JV 企業 Minera Santa Cruz（MSC）

社が操業している。

図 1. アルゼンチンの鉱山・製錬所位置図

(サンティアゴ事務所 菱田元)

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