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2011 年第 4 06//21/11 著作権© 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines) NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン) 前 立 腺 癌 NCCN.org 2011 年 第 4

NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌 Guidelines Version 4.2011 前立腺癌 ガイドライン索引 前立腺癌 目次 考察 ¥ NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology

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Page 1: NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌 Guidelines Version 4.2011 前立腺癌 ガイドライン索引 前立腺癌 目次 考察 ¥ NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines™) (NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

前 立 腺 癌

NCCN.org

2011年 第 4版

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2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

* James L. Mohler, MD/Chair w Roswell Park Cancer Institute

* Andrew J. Armstrong, MD ScM †

Duke Comprehensive Cancer Center Robert R. Bahnson, MD w

The Ohio State University Comprehensive Cancer Center - James Cancer Hospital and Solove Research Institute

Barry Boston, MD †£

St. Jude Children’s Research Hospital/University of Tennessee Cancer Institute

J. Erik Busby, MD w

University of Alabama at Birmingham Comprehensive Cancer Center

Anthony Victor D’Amico, MD, PhD §

Dana-Farber/Brigham and Women's Cancer Center | Massachusetts General Hospital Cancer Center

James A. Eastham, MD w

Memorial Sloan-Kettering Cancer Center Charles A. Enke, MD §

UNMC Eppley Cancer Center at The Nebraska Medical Center

Thomas Farrington

Patient Advocate * Celestia Higano, MD w†

Fred Hutchinson Cancer Research Center/Seattle Cancer Care Alliance

Eric Mark Horwitz, MD §

Fox Chase Cancer Center

* Philip W. Kantoff, MD † Dana-Farber/Brigham and Women's Cancer Center | Massachusetts General Hospital Cancer Center

Mark H. Kawachi, MD w City of Hope Comprehensive Cancer Center

Michael Kuettel, MD, MBA, PhD § Roswell Park Cancer Institute

Richard J. Lee, MD † Massachusetts General Hospital Cancer Center

* Gary R. MacVicar, MD† Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern University

Arnold W. Malcolm, MD, FACR § Vanderbilt-Ingram Cancer Center

David Miller, MD, MPH w University of Michigan Comprehensive Cancer Center

* Elizabeth R. Plimack, MD, MS † Fox Chase Cancer Center

Julio M. Pow-Sang, MD w H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute

Mack Roach, III, MD § UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center

Eric Rohren, MD, PhD

The University of Texas MD Anderson Cancer Center

Stan Rosenfeld

University of California San Francisco Patient Services Committee Chair

Sandy Srinivas, MD †

Stanford Comprehensive Cancer Center Seth A. Strope, MD, MPH

Siteman Cancer Center at Barnes-Jewish Hospital and Washington University School of Medicine

Jonathan Tward, MD PhD §

Huntsman Cancer Institute at the University of Utah

Przemyslaw Twardowski, MD †

City of Hope Comprehensive Cancer Center

Patrick C. Walsh, MD w

The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns Hopkins

NCCN Maria Ho, PhD Dorothy A. Shead, MS

NCCNガイドライン委員会に関する情報開示

§ 放射線療法/放射線腫瘍学

w 泌尿器科学

† 腫瘍内科学 £ 支持療法(緩和ケア、疼痛管理、パストラルケア、 腫瘍科ソーシャルワークを含む)

* 作成委員会メンバー

委員会メンバー ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

Page 3: NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌 Guidelines Version 4.2011 前立腺癌 ガイドライン索引 前立腺癌 目次 考察 ¥ NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology

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NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

NCCN前立腺癌委員会メンバー

ガイドライン更新の要約

前立腺癌の初回診断、病期分類のための精査、再発リスク(PROS-1)

超低リスク群、低リスク群:初回治療、補助療法(PROS-2)

中リスク群:初回治療、補助療法(PROS-3)

高リスク群、局所進行性、転移性(PROS-4)

モニタリング(PROS-5)

根治的前立腺摘除術後の再発:精査および一次治療(PROS-6)

放射線療法後の再発:精査および一次治療(PROS-7)

播種性転移:全身療法(PROS-8)

去勢後再燃前立腺癌に対する追加の全身療法(PROS-9)

期待余命の推定の原則(PROS-A)

Active surveillanceの原則(PROS-B)

放射線療法の原則(PROS-C)

手術の原則(PROS-D)

アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)

化学療法/免疫療法の原則(PROS-F)

病期分類(ST-1)

これらのガイドラインは、エビデンスと現在受け入れられている治療方針に対する見解についての著者らの合意を記述したものである。これら

のガイドラインを適用または参照する臨床医には、患者のケアまたは治療法の決定において、個々の臨床状況に応じた独自の医学的判断を行う

ことが期待される。National Comprehensive Cancer Networkは、その内容、使用、または適用に関して、意見陳述ないし保証を行うものではな

く、いかなる場合においても、その適用または使用について一切責任を負わない。このガイドラインの著作権はNational Comprehensive Cancer

Networkにある。無断転載を禁止する。NCCNの書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかな

る形態においても禁じられている。©2011

臨床試験: NCCNは、すべてのがん

患者にとって、最良の管理法は臨床

試験にあると考えている。臨床試験

への参加が特に推奨される。

NCCN加盟施設における臨床試験の

オンライン検索はこちら:

nccn.org/clinical_trials/physician.html

NCCNのエビデンスとコンセンサスに

よるカテゴリー:特に指定のない限

り、推奨はすべてカテゴリー2Aで

ある。

NCCNのエビデンスとコンセンサスに

よるカテゴリーを参照

目次 ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

Page 4: NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌 Guidelines Version 4.2011 前立腺癌 ガイドライン索引 前立腺癌 目次 考察 ¥ NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology

NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

前立腺癌治療ガイドライン2011年第2 版から2011年第4 版への変更の要約は以下の通りである: 考察

最近なされたアルゴリズムの変更を反映させるために考察の節が更新された。

前立腺癌治療ガイドライン2011年第2 版から2011年第3 版への変更の要約は以下の通りである:

初回の ADT が失敗に終わった場合も、抗アンドロゲン剤の中止や抗アン

ド ロ ゲ ン 剤 ( ビ カ ル タ ミ ド 、 nilutamide 、 フ ル タ ミ ド )、

autocrine/paractine アンドロゲン合成阻害薬(ケトコナゾールまたは

abiraterone acetate)、エストロゲン剤(ジエチルスチルベストロール

[DES]など)の投与など、様々な戦略が選択可能であり、臨床的な有益

性が得られる場合もある。しかしながら、化学療法の施行前という状況で

全生存期間の延長効果が実証されているものはまだ 1つもない。

ランダム化プラセボ対照第 III 相試験で実証されているように、前治療とし

てドセタキセルの投与を受けたことのある転移性 CRPC 患者では、

abiraterone acetate と低用量プレドニゾンとの併用によって全生存期間の

延長が得られる。さらに無増悪期間、腫瘍縮小効果および PSAでも統計学

的に有意な改善が認められている。したがって、ドセタキセルによる治療

が失敗に終わった患者では、abiraterone acetate(1,000mg/日、空腹時)

とプレドニゾン(5mg を 1 日 2 回)の併用が合理的な治療選択肢となる。

ただし、abiraterone acetate の使用中は高血圧、低カリウム血症、末梢性

浮腫、肝損傷、疲労などの副作用について継続的なモニタリングが必要で

あり、ADT およびステロイド剤の長期使用についても既知の副作用が存在

する。

Abiraterone acetate は化学療法の適応がない転移性 CRPC 患者にも考慮

することができる。前治療でのドセタキセル投与歴のない患者に対する

abiraterone acetateの使用は、単群での第 2相臨床試験のデータを根拠と

している。ドセタキセル療法が未施行の患者を対象とした第 III 相プラセボ

対照試験が完了しているが、その解析結果はまだ発表されていない。この

結果が得られるまでは、二次ホルモン療法に抵抗性を示し化学療法の適応

がある CRPC患者では、依然としてドセタキセルが標準治療となる。

次のページにつづく

PROS-9

去勢後再燃前立腺癌(CRPC)に対する追加の全身療法:

転移陽性の後、症状または内臓病変を認める患者に対する選択肢として、abiraterone acetate(カテゴリー1、ドセタキセル療法後)が追加された。

Cabazitaxelのカテゴリー1の推奨に「ドセタキセル療法後」と追加する修正が行われた。

転移陽性の後、症状または内臓病変を認めドセタキセルベースのレジメンの適応がない患者に対する選択肢として、abiraterone acetate(カテゴリー2B)が追加された。

転移陽性の後、無症状または症状がごくわずかでドセタキセルベースのレジメンの適応がない患者に対する二次ホルモン療法として、abiraterone acetate(カテゴリー2B)が追加された。

脚注「j」が追加された:「アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照」

PROS-E

アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則: 二次ホルモン療法に以下の項目が追加された:

ADT 施行中の前立腺癌の再発(去勢後再燃前立腺癌[castration-

recurrent prostate cancer:CRPC])については、その機序として

アンドロゲン受容体の活性化とアンドロゲンの autocrine/paractine

が想定されている。したがって、追加療法を施行する間はテストス

テロン値を去勢レベルに維持するべきである。

UPDATES

更新 ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

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NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

前立腺癌治療ガイドライン2010年第3版から2011年第1版への変更の要約は以下の通りである:

PROS-A PROS-B

フォローアップに関する推奨の節に前立腺生検に関する項目が移され、1年毎の頻度で

前立腺生検の考慮を推奨するように修正された。

Active surveillanceでは、進行時には治癒を目的とした介入を行うことを前提とした上

で積極的に病状経過をモニタリングしていく。

前立腺診察での所見の変化またはPSA値の上昇がみられた場合は、前立腺再生検を考慮

すべきであるが、どちらの指標も前立腺癌の進行の検出という点での信頼性は高くな

い。

初回前立腺生検のコア数が10以上であった場合には、診断後18ヵ月以内に針生検を施行

し、それ以降は12ヵ月毎でよい。

上記の場合:年齢が75歳以上または期待余命が10年未満の場合は、前立腺再生検の適応

とはならない。

PSA kineticsは病勢の進行を判定するモニタリングパラメータとしては信頼性を欠くた

め、病勢進行の評価として1年毎の頻度で前立腺再生検を考慮すべきである。

治癒可能な進行性の前立腺癌を同定する目的では、PSA倍加時間の信頼性は低いようで

ある。

積極的治療の代わりにActive surveillanceを用いれば、生活の質/日常生活への影響を軽

減できる。

頻繁な受診と定期的な生検が必要となり、生検で合併症が生じる可能性が否定できな

い。

PROS-C

密封小線源治療

最初の項目:密封小線源治療が「低線量率」治療と明確化された。最後の文が「高リス

ク群の患者では、EBRT(40~50Gy)と密封小線源治療±4~6ヵ月間のネオアジュバ

ント/同時併用/アジュバントADTの併用による治療を施行してもよい」に変更された。

最後に次の項目が追加された:「 LDRの代わりに高線量率(HDR)小線源治療とEBRT

(40~50Gy)を併用することも可能である。一般的に用いられている追加照射レジメ

ンとしては、9.5~10.5Gy×2回、5.5~7.5Gy×3回、4.0~6.0Gy×4回などがある。」

PROS-D

次の記述が修正された:「根治的前立腺摘除術での出血はかなりの量となりうるが、陰

茎背静脈(dorsal vein complex)と前立腺周囲の血管を注意深くコントロールするこ

とで減少させることが可能である」

次のページにつづく

次のページにつづく

PROS-A

次の参考文献が追加された:Howard DH. Life expectancy and the value of early

detection. J Health Econ 2005;24:891-906.

考察

最近のアルゴリズムの変更を反映させるために考察の節が更新された。

PROS-1

期待余命>5年または症状あり:骨スキャンの適応が「T1かつPSA>20の場合またはT2

かつPSA>10の場合」と明確化された。

病期分類のための精査はAJCC Staging Manual第7版に基づいて行われる。

PROS-2

超低リスク:患者の期待余命<20年、「12ヵ月毎の頻度で前立腺再生検」が追加され

た。

超低リスク:患者の期待余命≧20年のカテゴリーが追加され、初回治療は「低リスク」

と同じとされた。

PROS-4

高リスクまたは超高リスク:初回治療の選択肢としてRT(連日の IGRTによる3D-

CRT/IMRT)±密封小線源治療±短期のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADT

(4~6ヵ月)が追加された。

脚注「l」が追加された:「根治的治療の適応がない患者にのみADTによる一次療法を考

慮すべきである。」

PROS-6

前立腺摘除術後の再発例における精査の推奨からProstaScintが削除された。

転移陽性:一次治療におけるADTとの併用療法の選択肢としてRTが追加された。

PROS-7

放射線療法後の再発例における精査の推奨からProstaScintが削除された。

PROS-9

転移陽性

初回の管理方針が変更され、次のものが採用された:骨転移がある場合、デノスマブ

(カテゴリー1)またはゾレドロン酸(カテゴリー1)。

症状または内臓病変の有無を考慮する治療の推奨が追加された。

免疫療法、化学療法または追加のホルモン療法など、二次療法の選択肢が示された。

両経路とも「LHRHアゴニストまたはアンタゴニストを継続」が「テストステロン値を

去勢レベルに維持」に置き換えられた。

UPDATES

更新 ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

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NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

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考察

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

前立腺癌治療ガイドライン2010年第3版から2011年第1版への変更の要約は以下の通りである:

PROS-F(1 of 2)

次の記述が追加された:「 症状を認める去勢後再燃前立腺癌の患者を対象とした第III

相試験データに基づけば、3週毎のドセタキセルとプレドニゾンの併用が望ましい

一次化学療法である。症状を認めるもののドセタキセルベースのレジメンに適応が

ない患者では、ミトキサントロンとプレドニゾンの併用による治療が可能である。」

次の記述が削除された:「次の2件の第III相試験において、ドセタキセルベースのレ

ジメンに生存期間の延長効果のあることが示されている:」

次の記述が修正された:「1件の臨床試験を例外として、いくつかの全身性薬剤が症

状の緩和に有益であることが単群試験において示されている。」さらに「(例えば、

エトポシド、エストラムスチン、シクロホスファミド、ビノレルビンおよびパクリ

タキセル)」という記述が削除された。

症状を認める去勢後再燃前立腺癌の患者には化学療法を考慮すべきである。

症状を認める去勢後再燃前立腺癌の患者を対象とした第 III相試験データに基づけ

ば、3週毎のドセタキセルとプレドニゾンの併用が望ましい一次化学療法である。

症状を認めるもののドセタキセルベースのレジメンに適応がない患者では、ミトキ

サントロンとプレドニゾンの併用による治療が可能である。

比較的進行していない患者には新規の免疫療法を考慮してもよい。

第III相臨床試験において、Sipuleucel-Tにより平均生存期間が対照群の21.7ヵ月

から25.8ヵ月まで延長され、死亡リスクが22%低下したことが示されている。

Sipuleucel-Tは忍容性が高く、主な合併症は悪寒、発熱、頭痛などである。

Sipuleucel-Tを考慮できる去勢後再燃前立腺癌患者の条件は以下の通りである:

一般全身状態が良好(ECOG PS 0~1)

期待余命が6ヵ月以上

内臓病変を認めない

無症状または症状がごくわずかのみ

PROS-F(2 of 2)

以下の項目が追加された:

骨転移を有する去勢後再燃前立腺癌の患者では、デノスマブおよびゾレドロン酸に

よって疾患に関連した骨合併症(骨折、脊髄圧迫、骨に対する手術または放射線療

法の施行など)を予防できることが示されている。

骨関連事象の予防にはゾレドロン酸よりもデノスマブの方が優れていることが

示されている。

薬剤の選択には、基礎的な併存症、ゾレドロン酸投与歴の有無、物資面の状

況、費用面の問題などが影響する可能性がある。

ゾレドロン酸は3~4週毎に静脈内投与する。用量は各投与の直前に測定され

た血清クレアチニン値に基づいて決定し、さらに腎機能障害に応じて調節す

る必要がある。クレアチニンクリアランスが30mL/分未満の場合は、ゾレド

ロン酸の投与は推奨されない。

腎機能のモニタリングは不要とされているが、クレアチニンクリアランスが

30mL/分未満の患者にはデノスマブの投与は推奨されない。クレアチニンク

リアランスが60mL/分未満の場合には、重度の低カルシウム血症を発症する

リスクが高くなる。また腎機能が正常な患者であっても、デノスマブ投与例

での低カルシウム血症の頻度がゾレドロン酸投与例の2倍であることから、

デノスマブの使用中は全例に対して定期的な血清カルシウム濃度のモニタリ

ングを行い、ビタミンDおよびカルシウムによる治療を行うべきである。

顎骨壊死はどちらの薬剤でも認められ、そのリスクは抜歯、不良な歯科衛生、

歯科装置の装着により上昇する。

デノスマブまたはゾレドロン酸の至適投与期間は依然として不明である。

ゾレドロン酸の投与歴を有する患者におけるデノスマブの毒性プロファイルは

不明である。

骨転移に対してアンドロゲン遮断療法を開始する患者におけるゾレドロン酸と

デノスマブの役割を評価する臨床試験が現在進行中である。

ST-1およびST-2

AJCC Staging Manual 第7版を反映させるために病期分類表が更新された。

UPDATES

更新 ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

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NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

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考察

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

初回 初回の臨床評価 病期分類のための精査

(AJCC Staging Manual 第7版)

再発リスク

臨床的限局性:

超低リスク: • T1c

• グリソンスコア≦6

• PSA<10ng/mL

• 前立腺生検の陽性コア数

が 3 未満で、各コアでの

癌の占拠率が 50%以下

• PSA density

<0.15ng/mL/g

症状発現まで更なる精査

および治療は行わない

(高リスク患者bは除く)

期待余命a≦5年

かつ無症状 初回治療

(PROS-2)

を参照

低リスク:

• T1~T2a

• グリソンスコア 2~6

• PSA<10ng/mL

中リスク:c

• T2b~T2cまたは

• グリソンスコア 7または

• PSA 10~20ng/mL

高リスク:c

• T3aまたは

• グリソンスコア 8~10

または

• PSA>20ng/mL

• DRE • PSA

• グリソン

グレード

primaryと

secondary

以下の場合は骨スキャン:T1かつPSA>20または

T2かつPSA>10

または

グリソンスコア≧8

または

T3、T4または有症状の場合 初回治療

(PROS-3)

を参照 骨盤部 CT または MRI、

T3~T4または T1~T2で

かつノモグラムによるリン

パ節転移の確率が 20%を超

える場合

期待余命a

>5年

または症状あり

初回治療

(PROS-4)

を参照

上記以外のすべて;

更なる画像検査は行

わない

a 期待余命の推定の原則(PROS‐A)を参照。

b 5年以内に水腎症などの合併症もしくは転移の発生が予測される選択された症例では、アンドロゲン遮断療法(ADT)または放射線

療法(RT)を考慮してもよい。その危険因子としては大きなT3~T4癌、グリソンスコア8~10などが挙げられる。 c 有害因子を複数有する患者は1つ上のリスク群としてもよい。

PROS-1

いずれの治療法の場合も、望ましい形態は

認可された臨床試験への参加である。 超高リスク: T3b~T4

転移性:

すべてのT、N1

すべてのT、すべてのN、M1

局所進行性:

転移が疑われ

るリンパ節

生検を

考慮

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NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

超低リスク: • T1c

• グリソンスコア≦6

• PSA<10ng/mL

• 前立腺生検の陽性コア

数が 3 未満で、全コア

での癌の占拠率が 50%

以下

• PSA density

<0.15ng/mL/g

患者の期待余命a 初回治療

Active surveillance(カテゴリー2B)e

• 少なくとも 6ヵ月毎の頻度で PSA検査

• 少なくとも 12ヵ月毎の頻度で DRE

• 12ヵ月毎の頻度で前立腺再生検

Active surveillance e

• 少なくとも 6ヵ月毎の頻度で PSA検査

• 少なくとも 12ヵ月毎の頻度で DRE

Active surveillance

e

• 少なくとも 6ヵ月毎の頻度で PSA検査

• 少なくとも 12ヵ月毎の頻度で DRE

• 12ヵ月毎の頻度で前立腺再生検

病勢進行 h

初回の臨床評価

(PROS-1)を参照 低リスク: • T1~T2a

• グリソンスコア≦6

• PSA<10ng/mL

RT f(連日の IGRTによる

3D-CRT/IMRTまたは密封小線源治療) 望ましくない所見あり:i

RT f

または 経過観察

モニタリング

(PROS-5)

を参照

根治的前立腺摘除術 g

±骨盤リンパ節郭清術(リンパ節転移の 予想確率が2%以上の場合)

リンパ節転移: 経過観察 または アンドロゲン遮断療法

j

a 期待余命の推定の原則(PROS‐A)を参照。

d 当委員会は、PSA検査による早期前立腺癌の診断増加に関連する過剰治療という問題について依然

として懸念を抱いている(NCCN前立腺癌早期発見ガイドライン2010年第1版を参照)。

これらの群の患者にはActive surveillanceが推奨される。 e

Active surveillanceでは、進行時には介入を行うことを前提とした上で積極的に病状経過をモニ

タリングしていく。Active surveillanceの原則(PROS-B)を参照。

f 放射線療法の原則(PROS-C)を参照。

g 手術の原則(PROS-D)を参照。

h 進行の判定基準は明確に定義されておらず、医師の判断が要求される;

しかし、リスク群の変更は病勢の進行を強く意味する。 i 望ましくない臨床検査/病理学的所見としては次のものが挙げられる:

断端陽性、精嚢浸潤、被膜外進展、検出限界以上のPSA値。 j アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照

PROS-2

再発リスク

臨床的限局性:

下記の低リスクの初回治療を参照

<20年 d

<10年 d

≧10年

≧20年

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

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2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

患者の

期待余命a

初回治療

Active surveillance e

• 6ヵ月毎の頻度で PSA検査

• 12ヵ月毎の頻度で DRE

病勢進行 h

初回の臨床評価(PROS-1)を参照

RT f(連日のIGRTによる3D-CRT/IMRT)±短期

のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADT (4~6ヵ月)±密封小線源治療

<10年

望ましくない所見あり:i

RT f

または 経過観察

中リスク:c

• T2b~T2c または

• グリソンスコア 7

または

• PSA 10~20ng/mL

根治的前立腺摘除術 g+骨盤リンパ節 郭清術(リンパ節転移の予想確率が 2%以上の場合)

モニタリング

(PROS-5)を参照 リンパ節転移: 経過観察 または アンドロゲン遮断療法

j ≧10年

k

RT f(連日の IGRTによる 3D-CRT/IMRT)±短期

のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT (4~6ヵ月)±密封小線源治療

a 期待余命の推定の原則(PROS‐A)を参照。

c 有害因子を複数有する患者は1つ上のリスク群としてもよい。

e Active surveillanceでは、進行時には介入を行うことを前提とした上で積極的に病状経過をモニタ

リングしていく。Active surveillanceの原則(PROS-B)を参照。 f 放射線療法の原則(PROS-C)を参照。

g 手術の原則(PROS-D)を参照。

h 進行の判定基準は明確に定義されておらず、医師の判断が要求される;しかし、リスク群の変更

は病勢の進行を強く意味する。

i 望ましくない臨床検査/病理学的所見としては次のものが挙げられる:断端陽性、精

嚢浸潤、被膜外進展、検出限界以上のPSA値 j アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照。

k 中または高リスクの臨床的限局例に対するActive surveillanceは、期待余命が10年を

超える場合には推奨されない(カテゴリー1)。

PROS-3

再発リスク

臨床的限局性:

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

再発リスク 初回治療 補助療法

モニタリング(PROS-5)を参照

望ましくない所見あり:i

RT f

または

経過観察

リンパ節転移:

ADT j

または

経過観察

モニタリング

(PROS-5)を

参照

PSAが検出

限界未満

根治的前立腺

摘除術後の再発

(PROS-6)を参照

PSAが検出

限界以上

モニタリング(PROS-5)を参照

望ましくない所見あり:i

RT f

または 経過観察

リンパ節転移: ADT

j

または 経過観察

モニタリング

(PROS-5)を

参照

PSAが検出

限界未満

PSAが検出

限界以上

ADT j

または

RT f(連日の IGRTによる3D-CRT/IMRT)+長期のネオ

アジュバント/同時併用/アジュバントADT(2~3年)j

(カテゴリー1)

モニタリング(PROS-5)を参照

c 有害因子を複数有する患者は1つ上のリスク群としてもよい。

f 放射線療法の原則(PROS-C)を参照。

g 手術の原則(PROS-D)を参照。

i 望ましくない臨床検査/病理学的所見としては次のものが挙げられる:断端陽性、精嚢浸潤、被

膜外進展、検出限界以上のPSA値。 j アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照。

l 根治的治療の適応がない患者にのみADTによる一次療法を考慮すべきである。

PROS-4

根治的前立腺

摘除術後再発

(PROS-6)を参照

RT f(連日のIGRTによる3D-CRT/IMRT)

+長期のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADT(2~3年)j(カテゴリー1)

または

RT f(連日の IGRTによる 3D-CRT/IMRT)+

密封小線源治療±短期のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT(4~6ヵ月)

または

根治的前立腺摘除術 g+骨盤リンパ節郭清

(隣接臓器への固定がみられない選択された症例)

高リスク:c

• T3aまたは

• グリソンスコア

8~10または

• PSA>20ng/mL

RT f(連日のIGRTによる3D-CRT/IMRT)+

長期のネオアジュバント/同時併用/アジュバントADT(2~3年)j(カテゴリー1)

または

RT f(連日の IGRTによる 3D-CRT/IMRT)+

密封小線源治療±短期のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT(4~6ヵ月)

または

根治的前立腺摘除術 g+骨盤リンパ節郭清術

(隣接臓器への固定がみられない選択された症例)

または

選択された症例には ADT j

局所進行性:

ADT j

モニタリング

(PROS-5)を参照

転移性:

すべてのT、N1

すべての T、

すべての N、M1

臨床的限局性:

超高リスク:

T3b~T4

ADT j

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

初回管理または病理診断 モニタリング 再発

PSA値が検出限界未満

まで低下しない

根治的前立腺 摘除術後 その後の測定で PSAが検出限

界以上となり、2回の上昇がみ

られる • PSA 検査を最初の 5 年間

は 6~12ヵ月毎、

それ以降は 1年毎

• DREを 1年毎

初回の根治的治療

放射線療法後の

再発(PROS-7)

を参照

PSA値上昇 m

または DRE陽性

放射線

療法後

身体診察(DREを含める)

+PSA検査を 3~6ヵ月毎 N1 または M1

播種性

m RTOG-ASTRO(Radiation Therapy Oncology Group - American Society for Therapeutic Radiology and Oncology)Phoenix Consensus―(1)PSA nadir値から 2ng/mL以上の上昇をみることが、外照射

療(ホルモン療法併用の場合も含む)施行後の生化学的再発に対する現時点での標準的定義である;(2)再発日は上昇が確認された日付(“at call”)とする(遡って算出しない)。追跡期間の短さに

よるアーチファクトの回避を目的とした「適切な追跡」に関するガイドラインを厳格に順守すれば、外照射療法単独(ホルモン療法を併用しない)施行後には ASTRO Consensus Definitionを用いること

ができると勧告されている。例えば、追跡期間中央値が 5年の場合は 3年時点での制御率を提示すべきである。この厳格化された ASTRO定義に従えば、膨大にある既存文献との比較も可能になる。

PROS-5

根治的前立腺

摘除術後の再発

(PROS-6)を参照

播種性転移

(PROS-8)

を参照

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

根治的前立腺摘除術後の再発

一次療法

RT f±ネオアジュバント/

同時併用/アジュバントADT

j

または 経過観察

PSA 値が検出限

界未満まで低下

しない

転移陰性

± 骨スキャン ±CT/MRI ±PSADT ±前立腺生検

播種性転移

(PROS-8)を参照 進行

初回治療後の 2回

の PSA測定で

検出限界以上となる

ADT j±RT

f

または 経過観察

転移陽性

f 放射線療法の原則(PROS-C)を参照。

j アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照。

PROS-6

精査

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

精査 一次療法 経過観察 または 根治的前立腺摘除術

g

または 凍結手術

または

密封小線源治療 f

前立腺生検

陽性、

転移陰性

進行

局所療法の適応:

• 当初の臨床病期 T1~T2、

NXまたは N0

• 期待余命>10年

• 最新の PSA値<10ng/mL

前立腺生検 骨スキャン ±腹部/骨盤部CT/MRI ±経直腸コイルMRI ±PSADT

前立腺生検

陰性、

転移陰性

経過観察 または

ADT j

または 臨床試験 または 局所再発症例に対する さらに積極的な精査(例、再生検、 MRスペクトロスコピー、経直腸コイルMRI)

播種性転移

(PROS-8)

を参照

放射線療法後のPSA上昇m

または DRE陽性

転移陽性

経過観察

または

ADT j

局所療法

の適応なし

f 放射線療法の原則(PROS-C)を参照。

g 手術の原則(PROS-D)を参照。

j アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照。

m RTOG-ASTRO(Radiation Therapy Oncology Group - American Society for Therapeutic Radiology and Oncology)Phoenix Consensus―(1)PSA nadir値から2ng/mL以上の上昇をみることが、外照射療

(ホルモン療法併用の場合も含む)施行後の生化学的再発に対する現時点での標準的定義である;(2)再発日は上昇が確認された日付(“at call”)とする(遡って算出しない)。追跡期間の短さによ

アーチファクトを回避することを目的とした「適切な追跡」に関するガイドラインを厳格に順守すれば、外照射療法単独(ホルモン療法を併用しない)施行後にはASTRO Consensus Definitionを用いるこ

とができると勧告されている。例えば、追跡期間中央値が5年の場合は3年時点での制御率を提示すべきである。この厳格化されたASTRO定義に従えば、膨大にある既存文献との比較も可能になる。

PROS-7

放射線療法後の再発

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

全身療法

転移陰性 去勢後再燃前立腺癌に対する

追加の身療法(PROS-9)を参照

再燃 n 精巣摘除術

ADT治療歴なし(M0またはM1)

LHRHアゴニスト単独±7日間以上の抗アンドロゲン剤(テストステロン値の一過性上昇を予防するため)

去勢後再燃前立腺癌に

対する追加の全身療法

(PROS-9)を参照

再燃 n

神経内分泌腫瘍ではない(小細胞腫瘍の特徴の有無は問わない)

生検を

考慮 再燃 n

シスプラチン/エトポシド o

または カルボプラチン/エトポシド

o

または ドセタキセルベースのレジメン

o

神経内分泌腫瘍 (小細胞腫瘍の特徴の有無は問わない)

m テストステロン値を去勢レベルに維持する。

n 化学療法/免疫療法の原則(PROS-F)を参照。

PROS-8

または

または

LHRHアゴニスト+抗アンドロゲン剤

播種性転移

転移陰性

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

去勢後再燃前立腺癌(CRPC)に対する追加の全身療法

• 臨床試験(望ましい)

• 経過観察

• 抗アンドロゲン剤の中止

(複合アンドロゲン遮断療法の場合)

• 二次ホルモン療法

抗アンドロゲン剤

抗アンドロゲン剤の中止

ケトコナゾール

ステロイド剤

DESまたはその他のエストロゲン剤

転移

陰性

テストステロン値を

去勢レベルに維持

PSA再燃または

転移(M1)

下の経路

に従う

• ドセタキセル o(カテゴリー1)

• ミトキサントロン o,q

• Abiraterone acetate j,q(カテゴリー2B)

• 症候性骨転移に対する緩和的 RT または

放射性核種治療

• 臨床試験

あり

• テストステロン値を

去勢レベルに維持

および

• 骨転移がある場合は

デノスマブ(カテゴ

リー1)または

ゾレドロン酸(カテ

ゴリー1)

転移

陽性

• 有症状

• 内臓病変

なし

j アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(PROS-E)を参照。 o 化学療法/免疫療法の原則(PROS-F)を参照。

p Sipuleucel-Tは無症状または症状がごくわずかでECOGの一般全身状態スコアが0または1の患者に適している。内臓病変を認める期待余命が6ヵ月未満の患者にはSipuleucel-Tは推奨されない。

qドセタキセルベースのレジメンの適応がない患者が対象となる。

PROS-9

• Sipuleucel-T(カテゴリー1)p

• 二次ホルモン療法

抗アンドロゲン剤

抗アンドロゲン剤の中止

ケトコナゾール

または

Abiraterone acetate j(カテゴリー2B)

ステロイド剤

DESまたはその他のエストロゲン剤

• 臨床試験

• Abiraterone acetate j

(カテゴリー1、

ドセタキセル療法後)

• Cabazitaxel(カテゴリー1、

ドセタキセル療法後)o

• 救済化学療法

• ドセタキセル再投与 o

• ミトキサントロン o

• その他の二次ホルモン療法

抗アンドロゲン剤

抗アンドロゲン剤の中止

ケトコナゾール

ステロイド剤

DESまたは

その他のエストロゲン剤

• 臨床試験

o 化学療法/免疫療法の原則(PROS-F)を参照。 o 化学療法/免疫療法の原則(PROS-F)を参照。

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

• 期待余命の推定は、前立腺癌の早期発見および治療において十分な情報に基づく意思決定を行っていく上で極めて重要である。

• 集団を対象とした期待余命の推定は可能であるが、個人を対象とした推定は困難である。

• 期待余命の推定には、Social Security Administrationの余命表(www.ssa.gov/OACT/STATS/table4c6.html)を用いることができる。

• 期待余命はさらに、全般的な健康状態に関する臨床医の評価に基づいて以下のように調整することができる:

患者の健康状態が集団の上位 25%に入る場合―50%を加算

患者の健康状態が集団の下位 25%に入る場合―50%を減算

患者の健康状態が集団の上位 25%から下位 25%の間に入る場合―そのまま

• 期待余命が 5年ずつ変わる例がNCCN Senior Adult Oncology Guidelinesに提示されている 1。

期待余命の推定の原則

PROS-A

1Howard DH. Life expectancy and the value of early detection. J Health Econ 2005;24:891-906.

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考察

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

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Active surveillanceの原則

• NCCN前立腺癌ガイドライン委員会および NCCN前立腺癌早期発見委員

会(NCCN前立腺癌早期発見ガイドライン 2010年第 1版を参照)は、前

立腺癌の過剰診断および過剰治療について依然として懸念を抱いている。

当委員会は、患者およびすべての担当医(泌尿器科医、放射線腫瘍医、腫

瘍内科医、プライマリケア医)が患者のリスク、年齢および健康状態につ

いて慎重に検討した上で Active surveillanceを考慮するよう推奨してい

る。

• Active surveillanceは通常、平均余命が 20年未満の超低リスク前立腺癌

の患者と平均余命が 10年未満の低リスク前立腺癌の患者に対して適切と

なる。再発リスクの基準(PROS-2)を参照。

• Active surveillanceでは、進行時には治癒を目的とした介入を行うこと

を前提とした上で積極的に病状経過をモニタリングしていく。

• 根治的治療の適応がありながら Active surveillanceを選択する臨床的限

局癌の患者には、定期的なフォローアップを行うべきである。若年患者に

おけるフォローアップは高齢者の場合よりも厳格に行うべきである。フォ

ローアップには以下を含めるべきである:

PSAを 3~6ヵ月毎

DREを 6~12ヵ月毎

初回生検のコア数が 10未満であった場合および評価結果に矛盾があっ

た(例、生検陽性部位とは反対側に触知可能な腫瘍を認める)場合

は、診断後 6ヵ月以内に前立腺針生検を再度施行すべきである。

前立腺診察での所見の変化または PSA値の上昇がみられた場合は、前

立腺再生検を考慮すべきであるが、どちらの指標も前立腺癌の進行の

検出という点での信頼性は高くない。

初回前立腺生検のコア数が 10以上であった場合には、診断後 18ヵ月

以内に針生検を施行し、それ以降は 12ヵ月毎でよい。年齢が 75歳以

上または期待余命が 10年未満の場合は、前立腺再生検の適応とはなら

ない。

PROS-B

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考察

PSA kineticsは病勢の進行を判定するモニタリングパラメータと

しては信頼性を欠くため、病勢進行の評価として 1年毎の頻度で

前立腺再生検を考慮すべきである。

治癒可能な進行性の前立腺癌を同定する目的では、PSA倍加時間

の信頼性は低いようである。

• 以下の場合には癌が進行している可能性がある:

前立腺再生検でグリソングレードが 4または 5の癌が発見された

前立腺生検で発見される前立腺癌の生検本数または占拠率が増加

した

• Active surveillanceの利点:

不必要な根治的治療による副作用を回避できる

生活の質/日常生活への影響を軽減できる

進行の遅い小さな癌に対して不必要な治療を行うリスクを回避で

きる

• Active surveillanceの欠点:

根治的治療の機会を逸する可能性がある

進行や転移のリスクが高くなる

その後の治療が副作用の増加により複雑化することがある

神経温存が困難になり、術後に性機能を温存できる可能性が低く

なることがある

不安が増大する

頻繁な受診と定期的な生検が必要となり、生検で合併症が生じる

可能性が否定できない

前立腺癌の長期の自然史が不明確である

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

放射線療法の原則

外照射療法:

• 三次元原体照射および強度変調放射線療法(IMRT)を採用すべきである。線量を 78Gy以上とする場合は、さらに画像誘導放射線治療(IGRT)が必

要となる。

• 低リスク群では、75.6~79Gyを標準的な分割で前立腺(±精嚢、本治療の一部として)に照射する方法が適切である。中および高リスク群では、78

~80+Gyの照射により PSA値で評価した疾患管理の改善が得られる。

• 高リスク群では、骨盤リンパ節照射と合計 2~3年間のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADTの適応がある(カテゴリー1)。

• 中リスク群では、骨盤リンパ節照射と 4~6ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADTを考慮してもよい。

• 低リスク群では、骨盤リンパ節照射も ADTも行うべきではない。

• 腫瘍学的な治癒率の改善および副作用の低減を目的として、日々の前立腺の位置変動に対応した照射を行うことによって治療精度の向上を図るべき

であり、それには CTによる IGRT、超音波下に埋め込むマーカー、電磁的な標的設定法/追跡法、直腸バルーンなどの技術が利用できる。

• 望ましくない病理学的特徴を認めるか PSA値が検出限界以上であるが、播種性転移の所見は認められない場合については、全例に対する補助/救済

RTの施行がエビデンスにより支持されている。

密封小線源治療:

• 低リスク群の患者は単独療法としての低線量率(LDR)小線源治療の適応となる。中リスク群では、密封小線源治療と EBRT(40~50Gy)±4~6ヵ

月間のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADTの併用を考慮する。高リスク群の患者では、EBRT(40~50Gy)と密封小線源治療±4~6ヵ

月間のネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADTの併用による治療を施行してもよい。

• 前立腺が非常に大きいまたは非常に小さい患者、下部尿路閉塞症状がみられる(IPSSが高い)患者ならびに経尿道的前立腺切除術(TURP)の治療

歴を有する患者では、線源の挿入が困難となるほか、副作用のリスクが増大する可能性がある。ネオアジュバント ADTは、前立腺を治療可能な大き

さまで縮小させることを目的として施行される。

• 線源留置後の線量測定は、治療の質を確認するために施行すべきである。

• LDR単独療法としての推奨処方線量はヨウ素 125で 145Gy、パラジウム 103で 125Gyである。40~50Gyの外照射後の処方線量はヨウ素 125では

110Gy、パラジウム 103では 90~100Gyである。

• LDRの代わりに高線量率(HDR)小線源治療と EBRT(40~50Gy)を併用することも可能である。一般的に用いられている追加照射レジメンとし

ては、9.5~10.5Gy×2回、5.5~7.5Gy×3回、4.0~6.0Gy×4回などがある。

緩和的放射線療法:

• 脊椎以外の骨転移には、3000cGyの 10回分割照射ではなく 800cGyの単回照射を用いるべきである。

• 広範な骨転移では、ストロンチウム 89またはサマリウム 153を用いて症状を緩和することができる。

PROS-C

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考察

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NCCN Guidelines™ Version 4.2011 前立腺癌

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考察

2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

手術の原則

骨盤リンパ節郭清術(PLND):

• 拡大 PLNDでは、縮小 PLNDの場合の約 2倍の頻度で転移巣が発見される。拡大 PLNDでは病期分類がより完全なものとなるほか、顕微鏡的転移が存

在する患者の一部では治癒が得られる可能性もあり、したがって、PLNDを施行する場合は拡大郭清が望ましい。

• 拡大 PLNDでは、前方を外腸骨静脈、側方を骨盤側壁、内側を膀胱壁、後方を骨盤底、遠位側をクーパー靱帯、近位側を内腸骨動脈に囲まれた領域内

にあるすべてのリンパ節を周囲の組織を含めて郭清する。

• ノモグラムによるリンパ節転移の予測確率が 2%未満の患者では、リンパ節転移のある患者を一部見逃すことにはなるものの、PLNDを省略すること

ができる。

• PLNDは開腹下、腹腔鏡下、ロボット支援下のいずれでも施行可能である。

根治的前立腺摘除術:

• 根治的前立腺摘除術(RP)が適切な治療法となる患者は、期待余命が 10年以上で、手術の禁忌となるような重篤な併存症を認めない、外科的に完全

切除可能な臨床的限局性前立腺癌の患者である。

• 手術件数の多い施設の経験豊富な外科医が施行する場合は、一般に良好な成績が得られている。

• 腹腔鏡下およびロボット支援下根治的前立腺摘除術が現在広く行われている。熟練した外科医の場合、このアプローチによる手術成績は開腹手術のそ

れに匹敵すると思われる。

• 根治的前立腺摘除術での出血はかなりの量となりうるが、陰茎背静脈(dorsal vein complex)と前立腺周囲の血管を注意深くコントロールすることで

減少させることが可能である。

• 尿失禁については、前立腺尖部より遠位の尿道を長く温存するとともに遠位括約筋機構への損傷を回避することによって減少させることが可能であ

る。膀胱頸部の温存によっても失禁リスクが減少する可能性がある。吻合部狭窄は長期にわたる失禁のリスクを高める。

• 勃起機能の回復には、根治的前立腺摘除術施行時の年齢、術前の勃起機能および陰茎海綿体神経の温存の程度が直接関係する。切除された神経を神経

移植片で置換する試みについては、有益性は示されていない。勃起機能の回復を狙った早期の治療介入は、その後の回復の改善につながる可能性があ

る。

• EBRT、密封小線源治療または凍結療法後に局所再発を来し、転移が認められない場合、厳重に選択された症例では救済治療としての根治的前立腺摘除

術も選択肢の 1つとなるが、その場合は合併症(失禁、勃起能喪失、吻合狭窄)の発生率が高くなる。

PROS-D

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考察

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2011年第4版 06//21/11 著作権 © 2011 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(1 of 3)

臨床的限局例に対するADT

• 根治的前立腺摘除術に対する術前補助 ADTについては、施行しないことが強く推奨される。

• 放射線治療の施行前、施行中および/または施行後の ADTは、放射線治療管理下の患者の一部において生存期間の延長をもたらす。

• 短期(4~6ヵ月)および長期(2~3年)のネオアジュバント ADTに関する研究は、いずれも完全アンドロゲン遮断療法(complete androgen

blockade)として実施されたものである。したがって、抗アンドロゲン剤の追加が必要かどうかについては更なる研究が必要である。

• 初回治療の終了後に施行されるアジュバント ADTは、放射線療法を受けた高リスク患者の一部を除いて、現時点で標準治療とはされていない(PROS-3を

参照)。体積が小さく悪性度の高い前立腺癌では、4~6ヵ月間のアジュバント ADTが妥当となる場合があるが、2~3年間の ADTを考慮してもよい。

• 抗アンドロゲン剤ビカルタミドを単剤高用量(150mg)で用いた現時点で最も大規模なランダム化試験では、癌再発の遅延が認められたものの、生存率の

改善は認められなかった。より長期の追跡が必要である。

• 1件のランダム化試験では、根治的前立腺摘除術を受けたリンパ節転移陽性の患者において、持続的 ADTの即時施行により、待機遅延 ADTを受けた群と

の比較で全生存率の有意な改善がもたらされた。したがって、このような患者には即時 ADTを考慮すべきである。

• 持続的 ADTの副作用は治療期間に伴い増加していく。

進行例(PSA再発または転移症例)に対するADTの実施時期

• 癌を示唆する所見が PSA値の上昇のみである場合、ADTの開始時期は、PSA年間増加度、患者の不安、短期的および長期的な ADTの副作用によって影

響を受ける。

• このような患者のうち最終的にその癌が原因で死亡する者はかなりの割合にのぼるが、その予後は、PSAの測定値、PSA値の経時的な変化率(PSA「倍

加時間」)ならびに根治的治療施行時の病期、悪性度および PSA値によって最も正確に見積もることができる。

• 早期および遅延の定義(PSA値の基準をどうするか)については依然として議論があるものの、待機遅延 ADTよりも早期 ADTの方が優れているであろ

う。早期 ADTの有益性は不明であるため、決定的な研究成果が得られるまでは個別化した治療を行っていくべきである。PSA値が高い(>50ng/mL)か

つ/または PSA倍加時間が短い(PSA年間増加度が高い)患者と、そうでなくとも期待余命が長い患者には、より早期に ADTを検討するように勧めるべ

きである。

• 腫瘍関連症状もしくは明らかな転移を認めた場合は、直ちに治療を開始すべきである(カテゴリー1)。より早期の ADTは症状発現および転移を遅らせる

が、生存期間の延長につながるかどうかは不明である。長期間の ADTによる合併症については、まだ十分な検討がなされていない。

至適なADT

• LHRHアゴニスト(内科的去勢)および両側精巣摘除術(外科的去勢)の有効性は同等である。

• 転移症例に対する複合アンドロゲン遮断療法(内科的または外科的去勢と抗アンドロゲン剤の併用)には、去勢単独を上回る有益性は証明されていない。

• 明らかな転移を認める患者で、LHRHアゴニスト単独投与の当初にみられるテストステロン値の一過性上昇による症状発生のリスクが高い場合は、抗アン

ドロゲン療法を先に施行しておくか、高アンドロゲン剤を LHRHアゴニストと同時投与し、これを 7日間以上継続するべきである。

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PROS-E 1 of 3

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(2 of 3)

• 抗アンドロゲン剤単独療法は、内科的または外科的去勢ほど有効ではないようであり、勧めるべきではない。副作用は様々であるが、全体的に忍

容性は不良である。

• 三種アンドロゲン遮断療法(複合アンドロゲン遮断療法とフィナステリドまたはデュタステリドの併用)を支持する臨床的なデータは存在しな

い。

• 間欠的 ADT では、持続的 ADT と比較して生存期間に影響を及ぼすことなく副作用を減らせる可能性があるが、間欠的 ADT の長期的な有効性は依

然として証明されていない。

• 内科的または外科的去勢で血清テストステロン値の十分な抑制(50ng/dL 未満)が得られない患者では、ホルモン療法(エストロゲン剤、抗アン

ドロゲン剤またはステロイ剤ドを用いる)の追加を考慮してもよいが、その臨床的有益性は不明である。

二次ホルモン療法

• ADT 施行中の前立腺癌の再発(去勢後再燃前立腺癌[castration-recurrent prostate cancer:CRPC])については、その機序としてアンドロゲ

ン受容体の活性化とアンドロゲンの autocrine/paracrine が想定されている。したがって、追加療法を施行する間はテストステロン値を去勢レベ

ルに維持するべきである。

• 初回の ADT が失敗に終わった場合も、抗アンドロゲン剤の中止や抗アンドロゲン剤(ビカルタミド、nilutamide、フルタミド)、副腎性/傍分泌性

アンドロゲン合成阻害薬(ケトコナゾールまたは abiraterone acetate)、エストロゲン剤(ジエチルスチルベストロール[DES]など)の投与な

ど、様々な戦略が選択可能であり、臨床的な有益性が得られる場合もある。しかしながら、化学療法の施行前という状況で全生存期間の延長効果

が実証されているものはまだ 1つもない。

• ランダム化プラセボ対照第 III 相試験で実証されているように、前治療としてドセタキセルの投与を受けたことのある転移性 CRPC 患者では、

abiraterone acetate と低用量プレドニゾンとの併用によって全生存期間の延長が得られる。さらに無増悪期間、腫瘍縮小効果および PSA でも統

計学的に有意な改善が認められている。したがって、ドセタキセルによる治療が失敗に終わった患者では、abiraterone acetate(1,000mg/日、空

腹時)とプレドニゾン(5mg を 1 日 2 回)の併用が合理的な治療選択肢となる。ただし、abiraterone acetate の使用中は高血圧、低カリウム血

症、末梢性浮腫、肝損傷、疲労などの副作用について継続的なモニタリングが必要であり、ADT およびステロイド剤の長期使用についても既知の

副作用が存在する。

• Abiraterone acetate は化学療法の適応がない転移性 CRPC 患者にも考慮することができる。前治療でのドセタキセル投与歴のない患者に対する

abiraterone acetate の使用は、単群での第 2 相臨床試験のデータを根拠としている。ドセタキセル療法が未施行の患者を対象とした第 III 相プラ

セボ対照試験が完了しているが、その解析結果はまだ発表されていない。この結果が得られるまでは、二次ホルモン療法に抵抗性を示し化学療法

の適応がある CRPC患者では、依然としてドセタキセルが標準治療となる。

PROS-E 2 of 3

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

アンドロゲン遮断療法(ADT)の原則(3 of 3)

モニタリング/サーベイランス

• ADTには、骨粗鬆症、臨床的骨折の頻度上昇、肥満、インスリン抵抗性、脂質代謝の変化、糖尿病および心血管疾患リスクの増大など、様々な有

害作用がある。患者および医療提供者には、治療開始前にこれらのリスクについて情報が与えられるべきである。

• National Osteoporosis Foundation(www.nof.org)の一般集団用のガイドラインに準じた骨粗鬆症のスクリーニングおよび治療が推奨される。

この National Osteoporosis Foundation のガイドラインでは、(1)50歳以上の男性全員に対するカルシウム(1日 1,200mg)およびビタミン D3

(1日 800~1,000IU)の補充と、(2)10年以内の股関節骨折の確率が 3%以上もしくは 10年以内の重大な骨粗鬆症関連骨折の確率が 20%以上の

男性に対する追加治療が推奨されている。骨折リスクについては、世界保健機関(www.shef.ac.uk/FRAX/index.htm)が最近公表したアルゴリズ

ムである FRAX®を使用することで評価できる。ADTについて FRAX®を用いる場合は、「続発性骨粗鬆症(secondary osteoporosis)」と考える

べきである。

• ゾレドロン酸(4mg、静注、年 1回)とアレンドロン酸(70mg、経口、週 1回)は、ADTを受けている前立腺癌患者の骨密度(骨折リスクの代替

指標である)を増加させる。薬物療法が正当化されるだけの絶対的な骨折リスクがある場合は、ゾレドロン酸またはアレンドロン酸による治療が推

奨される。

• ADTを受ける患者には糖尿病および心血管疾患に対するスクリーニングと予防/治療介入が推奨される。これらの病態は高齢者に多くみられるが、

ADTを受ける患者における糖尿病および心血管疾患のスクリーニング、予防および治療の戦略が一般集団でのそれと同じでよいかどうかは依然と

して不明である。

PROS-E 3 of 3

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注:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

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PROS-F (1 of 2)

• 進行前立腺癌の患者には臨床試験への参加を勧めるべきであり、また早期に腫瘍内科医に紹介すべきである。

• 臨床試験での研究の場合を除き、全身化学療法の施行は転移巣のある去勢後再燃前立腺癌の患者だけに限定するべきである。

• 症状を認める去勢後再燃前立腺癌の患者を対象とした第 III相試験データに基づけば、3週毎のドセタキセルとプレドニゾンの併用が望ましい一次化学療法

である。症状を認めるもののドセタキセルベースのレジメンに適応がない患者では、ミトキサントロンとプレドニゾンの併用による治療が可能である。

• 症状を認める去勢後再燃前立腺癌の患者には化学療法を考慮すべきである。

• 比較的進行していない患者には新規の免疫療法を考慮してもよい。

第III相臨床試験において、Sipuleucel-Tにより平均生存期間が対照群の21.7ヵ月から25.8ヵ月まで延長され、死亡リスクが22%低下したことが示さ

れている。

Sipuleucel-Tは忍容性が高く、主な合併症は悪寒、発熱、頭痛などである。

Sipuleucel-Tを考慮できる去勢後再燃前立腺癌患者の条件は以下の通りである:

一般全身状態が良好(ECOG PS 0~1)

期待余命が6ヵ月以上

内臓病変が認められない

無症状または症状がごくわずかのみ

• 生存期間の延長効果が実証されているレジメンは、3週毎のスケジュールでドセタキセルを使用するレジメンだけである。治療期間は有益性および毒性の

評価に基づいて決定されるべきである。ドセタキセルをベースとした化学療法による生存期間延長効果を証明することを目的としたピボタル試験では、病

勢進行か治療中止とすべき毒性がみられない限り最大 10サイクルの治療が行われた。

• PSA値の上昇を進行の唯一の判定基準とするべきではない。治療効果の評価には、臨床的および放射線学的な基準も取り入れるべきである。

• ドセタキセルベースの化学療法が失敗に終わった患者には、臨床試験への参加を勧めるべきである。一方、ランダム化第 III相試験において cabazitaxelと

プレドニゾンの併用がミトキサントロンとプレドニゾンの併用と比べて全生存期間、無増悪生存期間、PSAおよび放射線学的奏効期間を延長させること

が示されており、すでにドセタキセル療法後の二次治療として FDAの承認を受けている。この集団では好中球減少症を始めとする副作用のリスクが高い

ことを考えれば、重度の神経障害を認めず肝、腎および骨髄機能が十分に維持されている患者を選択するとともに、場合に応じて顆粒球増殖因子の予防的

投与を考慮する必要である。

• このドセタキセル療法後という状況でのミトキサントロンによる生存期間の延長効果は実証されていないが、現在も症状緩和を目的とした治療選択肢の 1

つとされており、特に cabazitaxelの適応がない患者では頻用されている。現在までのところ、生存期間または生活の質の改善効果が実証された化学療法

レジメンは存在せず、臨床試験への参加を強く勧めるべきである。1件の臨床試験を例外として、いくつかの全身性薬剤が症状の緩和に有益であることが

単群試験において示されている。治療法の決定は併存症および機能的状態に基づいて個別化するべきである。最後になるが、前治療でのドセタキセル投与

時に進行を示唆する決定的な所見が認められなかった患者には、同薬剤による再治療を試みることができる。

化学療法/免疫療法の原則

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化学療法/免疫療法の原則

PROS-F (2 of 2)

• 骨転移を有する去勢後再燃前立腺癌の患者では、デノスマブおよびゾレドロン酸によって疾患に関連した骨合併症(骨折、脊髄圧迫、骨に対する

手術または放射線療法の施行など)を予防できることが示されている。

骨関連事象の予防にはゾレドロン酸よりもデノスマブの方が優れていることが示されている。

薬剤の選択には、基礎的な併存症、ゾレドロン酸投与歴の有無、薬剤の調達、費用面の問題などが影響する可能性がある。

ゾレドロン酸は3~4週毎に静脈内投与する。用量は各投与の直前に測定された血清クレアチニン値に基づて決定し、さらに腎機能障害に

応じて調節する必要がある。クレアチニンクリアランスが30mL/分未満の場合は、ゾレドロン酸の投与は推奨されない。

デノスマブは4週毎に皮下投与する。腎機能のモニタリングは不要とされているが、クレアチニンクリアランスが30mL/分未満の患者に

はデノスマブの投与は推奨されない。クレアチニンクリアランスが60mL/分未満の場合には、重度の低カルシウム血症を発症するリスク

が高くなる。また腎機能が正常な患者であっても、デノスマブ投与例での低カルシウム血症の頻度がゾレドロン酸投与例の2倍であること

から、デノスマブの使用中は全例に対して定期的な血清カルシウム濃度のモニタリングを行い、ビタミンDおよびカルシウムによる治療

を行うべきである。

顎骨壊死はどちらの薬剤でも認められ、そのリスクは抜歯、不良な歯科衛生、歯科装置の装着により上昇する。

デノスマブまたはゾレドロン酸の至適投与期間は依然として不明である。

ゾレドロン酸の投与歴を有する患者におけるデノスマブの毒性プロファイルは不明である。

骨転移に対してアンドロゲン遮断療法を開始する患者におけるゾレドロン酸とデノスマブの役割を評価する臨床試験が現在進行中である。

ガイドライン索引

前立腺癌 目次

考察

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考察

ST-1

病期分類 ガイドライン索引

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考察

病理学的病期( pT)*

pT2 臓器限局

pT2a 片葉の半分以下に限局している

pT2b 片葉の半分を超えて進展しているが、両葉にはまたがらない

pT2c 両葉にまたがっている

pT3 前立腺外進展

pT3a 前立腺外進展または膀胱頸部への顕微鏡的浸潤**

pT3b 精嚢浸潤を認める

pT4 膀胱、直腸への浸潤

*注:病期学的病期にはT1の分類は存在しない。

**注:切除断端陽性の場合は、「R1」(顕微鏡的残存あり)と付記するべき

である。 所属リンパ節(N) 臨床病期 NX 所属リンパ節の評価が行われなかった

N0 所属リンパ節転移を認めない

N1 所属リンパ節(1つまたは複数)に転移を認める

病理学的病期 PNX 所属リンパ節の採取が行われなかった

pN0 陽性の所属リンパ節を認めない

pN1 所属リンパ節(1個または複数)に転移を認める

遠隔転移(M)* M0 遠隔転移を認めない

M1 遠隔転移を認める

M1a 所属リンパ節以外のリンパ節

M1b 骨

M1c その他の部位(骨病変の有無は問わない)

*注:転移部位が複数存在する場合は、そのうちで最も進行したカテゴリーを採用する。pM1cが最も進行したカテゴリーである。

表1

前立腺癌のTNM病期分類

原発腫瘍(T)

臨床病期

TX 原発腫瘍の評価が不可能である

T0 原発腫瘍を認めない

T1 触診できず画像検査でも描出されない、臨床的不顕性な腫瘍

T1a 組織学的に、切除組織の5%以下に、偶発的に発見される腫瘍

T1b 組織学的に、切除組織の5%を超え、偶発的に発見される腫瘍

T1c 針生検によって腫瘍が同定された場合(PSA高値を理由に施行

された場合など)

T2 腫瘍が前立腺被膜内に限局している*

T2a 腫瘍が片葉の半分以下に限局している

T2b 腫瘍が片葉の半分を超えて進展しているが、両葉にはまたがら

ない

T2c 腫瘍が両葉にまたがっている

T3 腫瘍が前立腺被膜を越えて進展している**

T3a 被膜外進展(片側または両側)を認める

T3b 腫瘍が精嚢(片側または両側)に浸潤している

T4 腫瘍が精嚢以外の隣接構造物(膀胱、挙筋、骨盤壁)の1つ以

上に固定されている、または浸潤している。

*注:針生検によって片葉または両葉に発見されたものの、触知できず画像検

査でも確実に描出されない腫瘍は、T1cに分類する。

**注:前立腺尖部または前立腺被膜に浸潤している(ただし被膜を越えな

い)ものは、T3ではなくT2に分類する。

つづく イリノイ州シカゴのAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)の許可を得て使用。この情報の原本および一次資料は、Springer Science and Business Media LLC (SBM)社発行のAJCC Cancer Staging Manual 第7 版(2010年)である。(病期分類表の裏付けとされた完全な情報およびデータについては www.springer.comを参照。)本資料の引用については、すべて出典としてAJCCと明記しなければならない。ここに本情報を掲載することは、AJCCの代理人であるSpringer SBM社の書面での許可無くして、再利用および再頒布を行うことを是認するものではない。

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病期分類

ST-2

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解剖学的病期/予後分類*

病期 T N M PSA グリソンスコア

I期 T1a-c N0 M0 PSA<10 グリソンスコア≦6

T2a N0 M0 PSA<10 グリソンスコア≦6

T1-2a N0 M0 X グリソンスコアX

IIA期 T1a-c N0 M0 PSA<20 グリソンスコア7

T1a-c N0 M0 PSA≧10<20 グリソンスコア≦6

T2a N0 M0 PSA<20 グリソンスコア≦7

T2b N0 M0 PSA<20 グリソンスコア≦7

T2b N0 M0 PSAX グリソンスコアX

IIB期 T2c N0 M0 問わない 問わない

T1-2 N0 M0 PSA≧20 問わない

T1-2 N0 M0 問わない グリソンスコア≧8

III期 T3a-b N0 M0 問わない 問わない

IV期 T4 N0 M0 問わない 問わない

すべてのT N1 M0 問わない 問わない

すべてのT すべてのN M1 問わない 問わない

*注:PSA 値またはグリソンスコアが不明の場合は、T 因子と判明している PSA 値

またはグリソンスコアに基づいて病期を決定すべきである。

イリノイ州シカゴのAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)の許可を得て使用。この情報の原本および一次資料は、Springer Science and Business Media LLC (SBM)社発行のAJCC Cancer Staging Manual 第7 版(2010年)である。(病期分類表の裏付けとされた完全な情報およびデータについては www.springer.comを参照。)本資料の引用については、すべて出典としてAJCCと明記しなければならない。ここに本情報を掲載することは、AJCCの代理人であるSpringer SBM社の書面での許可無くして、再利用および再頒布を行うことを是認するものではない。

組織型

この分類は腺癌および扁平上皮癌に適用され、肉腫および前立腺の移行上皮

癌には適用されない。腺癌に対する修飾語には、粘液性、印環細胞、導管

型、神経内分泌(小細胞癌を含む)などがある。前立腺の移行上皮(尿路上

皮)癌は尿道腫瘍に分類される。組織学的な確定診断がなされるべきであ

る。

病理組織学的異型度(G)

グリソンスコアは、前立腺癌本来の特徴である形態学的な多様性を考

慮に入れていること、また数件の研究によって予後予測における価

値が確立されていることから、異型度分類では第一選択の方法として

推奨される。1 番目と 2 番目に優勢なパターンについてスコア(それ

ぞれ 1~5 点)を決定した後、それらを加算して合計スコアを算出す

る。したがって、スコアは 2 点から 10 点までとなる。針生検で検出

されて診断された前立腺癌の場合、その大多数がグリソンスコア 6

以上と判定される。(確認できた病巣がただ 1 つのパターンのみの場

合は、そのスコアを両グレードとして報告するべきである。例えば、

グリソンパターン 3 の病巣を 1 つだけ認めた場合は、グリソンスコア

は 3+3=6 と報告する。)根治的前立腺摘除術において 3 番目のパ

ターンが認められた場合は、コメントを付記した上で、グリソン

スコアには反映させない。根治的前立腺摘除術の切除標本は、優

勢な結節や離れた腫瘍結節を特定できる系統立てられた方法で処

理すべきである。優勢な結節が認められる場合は、その結節が最

高の異型度および/または病期の病巣であることが多いため、この

結節のグリソンスコアについて別に言及するべきである。

グリソンスコア X グリソンスコアの評価が不可能である

グリソンスコア≦6 高分化(軽度の退形成)

グリソンスコア 7 中分化(中等度の退形成)

グリソンスコア 8~10 低分化/未分化(著明な退形成)

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NCCN のエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー

カテゴリー1:高レベルのエビデンス(例、ランダム化比較試験)に基

づく推奨で、NCCN の統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で、NCCN

の統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で、NCCN

の統一したコンセンサスは存在しない(ただし大きな意見の不一致も

ない)。

カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づく推奨ではある

が、大きな意見の不一致がある。

特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2A である。

概要

米国では 1980年代後半から 1990年代初頭にかけて新たに前立腺癌と診断さ

れる患者数が劇的に増加し、前立腺癌は肺癌を上回り男性で最も多くみられ

る癌となった。この変化については、前立腺特異抗原(PSA)検査によるス

クリーニングによって多数の早期前立腺癌が発見されたことに起因するとの

認識が一般に受け入れられている。実際、低リスクの前立腺癌患者の占める

割合は増加している(1989~1992 年の 29.8%に対し 1999~2001 年では

45.3%、P<0.0001)1。前立腺癌の発生率は 1995 年から 2001 年まで毎年

2.0%ずつ増加した後、減少に転じている。2010 年には 217,730 例が新たに

診断されたと推定され、前立腺癌は 2010 年における男性の新規癌症例の

28%を占めると予想されている 2。幸いにも、前立腺癌による年齢調整死亡

率も低下している(1994 年から 2001 年まで毎年-4.1%)。2010 年の前立

腺癌による死亡数は 32,050例と予測されている 2。前立腺癌の生物学的悪性

度が低くなっているのでなければ、この比較的低い死亡率は、前立腺癌の早

期発見と治療に対する一般大衆の意識向上がこの頻度の高い癌による死亡率

に影響を及ぼし始めていることを示唆している。しかしながら、期待余命に

影響を及ぼさない前立腺癌にも早期発見と治療がなされるようになった結果

として、不必要な副作用が発生し、患者の生活の質や医療費面での損失につ

ながっており、早期発見検査としての PSA および直腸指診の価値は減少し

てきている(下記を参照)3-5。

前立腺癌を始めとする悪性腫瘍の患者を適切に同定し治療するためには、医

師はその自然史を深く理解しておき、さらに診断、病期分類、治療について

選択肢を準備しておく必要がある。この目標を達成するため、NCCN 加盟施

設に所属する泌尿器科学、放射線腫瘍学および腫瘍内科学の第一人者で構成

された NCCN ガイドライン委員会によって前立腺癌治療のガイドラインが

策定された。NCCN 加盟施設を代表する当委員会は前立腺癌ガイドラインの

再検討と更新を毎年行っており、本ガイドラインは NCCN のウェブサイト

(www.nccn.org)から入手することができる。治療アルゴリズムおよび推奨

事項は、広く普及している前立腺癌の治療過程ではなく、容認される治療ア

プローチについて、専門家のコンセンサスを統合した最新のエビデンスを表

したものである。個々の前立腺癌患者の治療を行う医師には、具体的な治療

法の決定に当たって独自の判断に従うことが期待される。

期待余命の推定

PSA検査が広く普及した結果、大半の患者が無症状の臨床的限局性前立腺癌

として診断されるようになった。グリソンスコア、PSA値および病期を組み

合わせることで、患者を治癒の確率が異なるカテゴリーに効果的に層別化す

ることが可能である。しかしながら初回治療の選択は、治癒の確率だけでな

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く期待余命、併存症、治療による潜在的副作用、患者の意向などにも大きく

左右される。臨床的限局性前立腺癌に対する初回治療の主な選択肢としては、

Active surveillance、根治的前立腺摘除術、放射線療法などがある。

期待余命の推定値は治療に関する意思決定において重要な要因であり、

Active surveillance(下記を参照)を考慮する場合には特に重要となる。集団

の期待余命を推定することは可能であるが、この推定値を個々の患者に外挿

することはやや困難である。期待余命はMinnesota Metropolitan Life Insurance

TableもしくはSocial Security Administration Life Insurance Tableを用いて推定

することができる 6。求めた期待余命は、その患者の健康状態が集団の上位

25%に入ると考えるか下位 25%に入ると考えるかによって、それぞれ推定

値の 50%を加算または減算することで、個々の患者に合わせた調整が可能

である 7。例えば、65 歳米国人男性の Social Security Administration Life

Expectancyは 16.05年である。上位 25%の健康状態と判断された場合、期待

余命は 24 年となる。一方、下位 25%の健康状態と判断された場合には期待

余命は 8 年となる。したがって、65 歳男性が極めて不良または良好な健康

状態と判断された場合には、NCCN ガイドラインによる治療に関する推奨内

容は劇的に変わる可能性があった。期待余命は Social Security Administration

Table6を用いて予測した上で、医師による全体的な健康状態の評価によって

修正を加えるべきである。期待余命が5年ずつ変わる例がNCCN Senior Adult

Oncology Guidelines に提示されている。その他の予後指標についても研究が

行われているが、これらを臨床的に使用するのは困難である。例えば、Lee

らは併存症と機能の程度を組み合わせた情報に基づく 4年死亡率の予後指標

を開発している 8。死亡率に関する独立した予測因子として 12の因子が同定

され、その内訳は人口統計学的尺度が 2 つ(年齢および性別)、併存症が 6

つ(BMIを含む)、機能に関する変数が4つであった。

ノモグラムおよび予測モデル

至適な前立腺癌治療を行うには、前立腺に限局した癌である可能性や所属リ

ンパ節転移の可能性、治療後に進行あるいは転移を起こす可能性、根治的前

立腺摘除術が不成功に終わった場合に補助放射線療法で救済できる可能性な

ど、様々なリスク評価が必要となる。前立腺癌を最もよく特徴づける指標は

臨床(TNM)病期であり、これは直腸指診(DRE)所見、生検グリソンスコ

アおよび血清 PSA値によって決定される。画像診断法(超音波、MRI)につ

いても精力的な研究が行われてきたが、現時点では病期分類に不可欠な補助

検査としては受け入れられていない。

患者の意思決定、治療法の選択、補助療法を進めていく上では予後予測が不

可欠である。当 NCCN ガイドラインでは、病期、悪性度、PSA 値という最

低限の情報により患者を複数のリスク群に層別化するリスク分類法を取り入

れている。このリスク群は、考慮すべき適切な選択肢を選ぶため、また根治

的な局所療法の施行後に生化学的再発(biochemical failure)が起こる確率

(すなわち、生化学的再発[biochemical recurrence]や PSA 再発[PSA

failure]とも呼ばれる PSA 値の上昇を来す確率)を予測するために用いられ

る 9。このリスク分類はすでに広く公表され妥当性も検証されており、治療

の推奨に対して臨床病期単独よりも優れた根拠とされている 10,11。

Partin table12,13は、臨床的限局性前立腺癌患者のカウンセリングに広く用いら

れるようになった最初の予測ツールである。この表は、臨床病期、生検グリ

ソングレードおよび術前 PSA 値を組み合わせることによって病理病期を予

測するものであり、(1)臓器限局性、(2)被膜外(すなわち前立腺外)進

展、(3)精嚢浸潤、(4)リンパ節転移という相互に排他的な 4群に分類す

る 13。この表を用いれば、個々の患者の臨床病期、グリソンスコアおよび

PSA値から、各病理病期の癌が存在する確率(95%信頼区間)を求めること

ができる。

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より正確にリスクを定量化するには、個々の患者の病期および予後について

正確な予測を可能にすべく複数の予後因子間の相互作用も考慮したノモグラ

ムを開発することが必要であろう。ノモグラムとは、一連の入力データ(変

数)から転帰を予測するための道具である。ノモグラムでは実際の値にかか

わらず関連する複数の予後変数を組み合わせて用いるため、リスク群よりも

個々の患者についてより正確な予測が可能となる。リスク群による評価では、

ただ 1つの望ましくない予後因子が根拠となって中リスク群や高リスク群と

分類される可能性もある。一方でノモグラムを用いれば、反対の意味を持つ

複数の値(例、PSAは高値だがグリソンスコアと臨床病期は低い)について

も、より正確な予測に組み入れることができる。どのモデルでも、PSA再発

までの時間の計算に用いる臨床的な関連情報が多いほど、結果はより正確と

なる。

ノモグラムは、Active surveillance14、根治的前立腺摘除術15-17、根治的前立腺

摘除術中の神経血管束温存 18-20または骨盤リンパ節郭清の省略 21、密封小線

源治療 15,22,23、外照射療法(EBRT)15,24を検討している患者が治療法を決定

する際の情報提供手段として用いることができる。生化学的無増悪生存期間

については、年齢、診断時の血清 PSA 値、病理学的悪性度および病理病期

を用いて術後に再評価することが可能である 8,25。根治的前立腺摘除術が不

成功に終わった場合に補助または救済放射線療法が成功する可能性について

も、ノモグラムを用いて評価することができる 15,26。

現在のところ完璧な正確性を有する予測モデルはないが、転移 8,15,27,28と癌特

異的死亡 17,29についての予測モデルが存在する。また新たな独立した予後因

子の検討も行われている 30。競合する死因が他に存在することを考えれば、

PSA再発となった患者でも、遠隔転移による臨床症状の発現や前立腺癌によ

る死亡を経験するほど長期に生存する患者は少数であろう。PSA倍加時間が

短い患者では死亡リスクが最も高くなる。一方、PSA再発は必ずしも臨床的

意義があるわけではないため、死亡リスクの尺度としては PSA 倍加時間の

方がより有用となる可能性がある 31。現在、再発リスクの評価について分子

マーカーや放射線学的な前立腺の評価法を取り入れた更なる改良が検討され

ている。しかし、それらのアプローチはまだ研究段階であり、現時点では利

用できず、ルーチンな適用についての妥当性の検証もなされていない。当

NCCN ガイドライン委員会は、臨床的限局性前立腺癌に対する治療法の選択

に際して NCCN のリスクカテゴリーを用いるとともに、付加的な情報や各

症例個別の情報を提供するべくノモグラムを使用することを推奨している。

Active surveillance の原則

Active surveillance(経過観察、待機療法、待機的管理、治療の延期などとも呼

ばれる)では、進行時には介入を行うことを前提とした上で積極的に病状の

経過をモニタリングしていく。Active surveillance の利点としては、(1)必ず

しも必要ではない根治的な治療による副作用を回避できる、(2)生活の質と

通常の生活を維持できる、(3)進行が緩徐な小さな癌に対する不必要な治療

を回避できる、(4)当初の費用を削減できる、などが挙げられる。一方で

Active surveillance の欠点としては、(1)根治的な治療の機会を逸する可能性

がある、(2)治療を開始するまでの間に進行または転移を来す可能性がある、

(3)進行性の強い大きな癌の場合には副作用が多くなり事態が複雑になる、

(4)治療開始後の前立腺摘除術において神経温存が困難となり、術後の性機

能温存の可能性が低くなる、(5)未治療の癌を抱えて生きていくことで不安

が増す 32、(6)頻繁な受診と定期的な前立腺生検が必要となる、(7)未治療

で放置した場合の前立腺癌の長期的な自然史が不明確である、(8)定期的な

画像診断の実施時期とその価値が明らかにされていない、などが挙げられる。

剖検での前立腺癌の発見率が高いこと 33、直腸指診および血清 PSA 値

が正常でも前立腺生検が陽性となる頻度が高いこと 34 、前立腺癌の発

生率と死亡率の間に大きな差がみられること、ならびに前立腺癌に起

因する死亡 1 件を予防するのにスクリーニングで発見された前立腺癌

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患者 48 人 4もしくは低リスク前立腺癌患者 100 人 35を治療する必要が

あると推定されることなどから、前立腺癌を有する男性の全員を診断

および治療する必要性があるのかという議論が繰り返されてきた。

European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer

(ERSPC)の一部であるイエテボリ研究の結果が発表されたことによ

って、前立腺癌に対する過剰治療と前立腺癌の早期発見の価値につい

ての議論 3,4,35,36 に更なる情報がもたらされた 5。この研究では 20,000

人の男性が 1:1 にランダム化され、2 年毎に PSA 検査が施行され、

前立腺生検の基準とする PSA のカットオフ値には 2005 年までは

3ng/mL、2005 年以降は 2.5ng/mL が採用されたが、これらのデザイン

と集団ベースの研究であったことから、前立腺癌の早期発見を目的と

した PSA の適正な利用を最も良好に検討した研究であると広く認識さ

れている。追跡期間は 14 年であり、European 研究全体での 9 年間や

Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian(PLCO)研究の 11.5年間より

も長い。前立腺癌と診断された被験者の割合は、対照群の 8.2%に対し

てスクリーニング群では 12.7%であった。前立腺癌死亡率はスクリー

ニング群の 0.5%に対して対照群では 0.9%であり、前立腺癌死亡の絶

対累積リスクの減少率は 40%であった(ERSPC では 20%、PLCO で

は 0%であった)。最も印象的であったのは、患者の 40%が最初に積

極的なモニタリングによる管理を受け、結果が解析された時点でもな

お 28%が Active surveillance を継続していたことである。前立腺癌死

亡 1 例を予防するために 12 人の診断および治療が必要であった、

ERSPC 全体では 48 人の治療が必要であった。したがって、適切に適

用されれば、早期発見の試みは前立腺癌死亡率の減少につながるはず

である。しかしながら、この死亡率の減少も、PSA 検査で発見され治

療を受けた前立腺癌患者の最大 50%で行われているとされる過剰治療

を代償として得られたものである 37。

前立腺癌の発見および進行に関する最良のモデルによれば、米国においてス

クリーニングで発見された前立腺癌の 23~42%で過剰治療が行われており 38、

PSA 検査での早期発見によるリードタイムバイアスは最大で 12.3 年と推定さ

れている 39。当 NCCNガイドライン委員会は、2010年のこれらの新たなデー

タの発表を受けて、Active surveillance が推奨されるべき男性(すなわち、期待

余命が20年未満の超低リスク[very low risk]前立腺癌患者と期待余命が10年

未満の低リスク患者)について入念な検討を行っている。しかしながら当

NCCN ガイドライン委員会は、他の死因による死亡の可能性を推定する際の

不確実性、超低リスクまたは低リスク前立腺癌の定義、治癒の可能性を損な

うことなく病勢の進行を検出できる可能性、治療による副作用の可能性と重

大性などについても認識している。

「臨床的意義のない(insignificant)」前立腺癌を病理学的に予測するための臨

床基準が Epsteinらによって提唱された 40。Epsteinらによれば、臨床的意義の

ない前立腺癌は次の条件をすべて満たすものとされる:臨床病期が T1c、生検

グリソンスコアが 6 以下、生検での陽性コア数が 3 未満、前立腺癌組織の占

拠率が全コアで 50%以下、PSA density(PSAD)が 0.15ng/mL/g未満。この基

準は有用であるが、医師が唯一の意思決定者としてこの基準を使用すること

には警戒が必要である。この Epstein の基準によって臨床的意義がないと判定

された癌の実に 8%が術後の検討で臓器限局性でないと判明したとの報告があ

る 25,41。一方、改善された可能性のある新しいノモグラムもある 42。この定義

を基に改変されたノモグラムが数多く提唱されてきたが(Bastian らによるレ

ビュー43)、当NCCNガイドライン委員会では、臨床的意義のない前立腺癌は

(血清PSA値により早期に発見された場合は特に)期待余命20年未満の男性

にとってほとんど脅威とならないという見解でコンセンサスを得ている。超

低リスク前立腺癌の米国人患者では前立腺癌死亡のリスクが非常に小さいと

いう知見については、PSA 検査での早期発見によって生じるリードタイムバ

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イアスが 55歳で12.3年、75歳で 6年と推定されている 39ことからも信頼性が

高まっている。

低リスク患者と期待余命の短い患者には Active surveillance が最良の

選択肢と考えられる。最近の Lu-Yao ら 44 の報告によれば、Active

surveillance を選択した患者における疾患特異的死亡率は、1992 年か

ら 2002 年までに診断された患者では、PSA 検査普及前のそれ以前に

診断された患者と比べて最大で 74%減少していた。Active surveillance

の役割は、PSA 検査によって診断が早期化するにつれて増していくは

ずである。しかしながら、この待機的な戦略と即時の治療を比較した

ランダム化試験やコホート研究の結果は、一部には患者集団の不均一

性のために一定していない(Sanda & Kaplan によるレビュー45)。例

えば、3,331 人のコホートでは、平均追跡期間 7.7 年で転移率および疾

患特異的死亡率に差は認められなかったが 46、695 人を対象としたラ

ンダム化試験では、根治的前立腺摘除術と比較して Active surveillance

を受けた群では 12 年疾患特異的死亡率(95%CI、0.45~0.94;P=

0.03)と遠隔転移率(CI、0.47~0.88;P=0.006)の両方について相

対リスクが 0.65 という結果であった 47。最近 3,720 人を対象として実

施された提示症例に対する投票の結果は、今もなお続く Active

surveillance の是非に関する議論と低リスク群に対する至適戦略を明確

に示すことの難しさを浮き彫りにしている 48,49。しかしながら、高リ

スク症例では症状出現までの経過観察よりも積極的な介入を行った場

合の方が 5 年全生存率も疾患特異的生存率も良好であり 50、高リスク

症例では高齢や健康状態不良の場合を除き経過観察は行うべきでない。

結局のところ、Active surveillance を勧める場合は、期待余命、疾患の

特徴、全身的な健康状態、治療による副作用の可能性、患者の意向な

ど、数多くの因子を症例毎に注意深く比較検討する必要がある。

Active surveillance に関与する患者および医師は、おそらく PSA 値は

上昇するであろうこと、そして時間とともに腫瘍の増殖が進む可能性

もあることを認識しておく必要がある。腫瘍はいつまでも安定した状

態を維持すると患者が思い込んでいるのは問題であり、治療延期とい

う方針を再考するだけの心構えをさせておく必要がある。介入開始の

条件としては PSA、病理病期、臨床的進行などに基づく複数の判定基

準が用いられてきた 51-53。当 NCCN ガイドライン委員会は、再生検で

グリソングレード 4~5 の組織を認めた場合、前立腺生検で発見される

前立腺癌の生検本数または占拠率が増加した場合、もしくは PSA 倍加

時間が 3 年未満である場合は、ほとんどの症例で治療を開始するべき

であると推奨している。ただし、これらの判定基準の妥当性が最終的

に確立されるか否かは依然として不明である。

2011年の本NCCNガイドラインの更新では、Active surveillanceプログラムの

内容を明確化した。PSA の測定は 3~6 ヵ月毎の頻度で、直腸指診は 6~12

ヵ月毎の頻度で行うべきであり、初回生検でのコア数が 10 未満であった場

合には、診断から 6ヵ月以内に針生検を再施行する。主要な観察研究では、

再分類にそれぞれで異なる基準が採用されている 51,54-57。各研究において再

分類の基準を満たした被験者の割合は、トロントの経験では中央値で 7年間

の追跡により23%55、Johns Hopkins University School of Medicineの経験では

中央値で 3年間の追跡により 33%57、University of California at San Francisco

(UCSF)の経験では中央値で 3.5年間の追跡により 16%であった(表 1)54。

この再分類基準の不確実性と根治的な治療機会を逃したくないという願望が

動機となり、一般的に使用される再分類基準の妥当性を検証した研究がこの

1年間で数件報告された。トロントの研究では、PSA倍加時間 3年未満とい

う治療開始条件は、カットオフ値を 10または 20ng/mLとした PSA値、様々

な方法で計算したPSA倍加時間、2ng/mL/年をカットオフ値としたPSA年間

増加度などを採用しても改善できなかったことが示された 58。Johns Hopkins

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University のグループは、生検によるグリソンパターン 4~5 または腫瘍体積

の増加を唯一の再分類基準として採用した。年 1回の前立腺生検プログラム

に 290人の男性が参加し、中央値で 2.9年間の追跡期間中に再分類が確認さ

れた被験者は全体の 35%であった 59。残念ながら、PSA 倍加時間(AUC

0.59)とPSA年間増加度(AUC 0.61)のどちらについても前立腺生検による

再分類結果との間に関連は認められなかった。どちらのグループも、PSA

kineticsは定期的な前立腺生検に取って代わる指標とはなりえないが、前立腺

生検による再分類についても、生検で再分類された男性の大半に対して治療

が行われることから、治療開始の基準や生存率の減少という観点で評価する

ことは困難になっていると結論付けている。

トロントの研究グループは、450 人以上の経験から前立腺癌により死亡した

患者 5例について発表した 55。このうち 3例はおそらく Active surveillanceへ

の登録時点で転移を来していたと考えられ、その事実を受けてこのグループ

は Active surveillanceの提案基準を修正した。中央値で 6.8年間の追跡の結果、

参加した 450人全体での全生存率は 78.6%、前立腺癌特異的生存率は 92.2%

であった 55。30%(145 人)が進行と判定され、その理由は 8%はグリソン

スコアの上昇、14%は PSA倍加時間 3年未満、1%が前立腺の小結節の発見、

3%が患者の不安であった。この 145 人中 135 人が治療を受け、その内訳は

根治的前立腺摘除術が 35 人、放射線療法単独または放射線療法とアンドロ

ゲン遮断療法との併用が 90人、アンドロゲン遮断療法単独が 10人であった。

このうち 110 人についてフォローアップの結果が得られており、5 年生化学

的無増悪生存率は根治的前立腺摘除術を受けた患者で 62%、放射線療法を

受けた患者で 43%であった。以上とは対照的に、Johns Hopkins Universityで

の経験 57では、Active surveillanceを開始して診断から中央値で 2年の期間中

に 192人が治療を開始していたが、手術を受けた患者における 5年生化学的

無増悪生存率は 96%であり、放射線療法を受けた患者では 75%であった。

これらのデータは、Active surveillance の実施中に進行して根治的前立腺摘除

術を受けた患者 74 例を臨床的パラメータについてマッチングさせた 148 人

と比較したUCSFのデータとは対照的である。この 2群間でグリソングレー

ド、病理学的病期、断端陽性率は同程度であった。Active surveillance の実施

中に進行して根治的前立腺摘除術による治療を受けた群では、中央値で 37.5

年間の追跡期間中に 1例にも生化学的進行が認められなかったのに対し、初

回治療として根治的前立腺摘除術を受けた群では、中央値で 35.5 年間の追

跡期間中に生化学的進行が認めらなかった患者の割合は97%であった。

当委員会は、Active surveillance を推奨する際の基準、Active surveillance を実

施する際の再分類基準ならびに Active surveillanceのスケジュールについて、

更なる臨床研究を取り急ぎ実施する必要があり、特に、残念ながら患者への

負担増大につながっている前立腺生検に関する検討が急務であると考えてい

る。最新の文献によると、前立腺生検を受ける男性では 7%もの頻度で有害

事象が発生しており 36、尿路感染症を発症した患者はフルオロキノロン系薬

剤に抵抗性である場合が多く 60、特に性機能の温存に関係することから複数

回の生検が施行された後では根治的前立腺摘除術が技術的に困難になる可能

性がある 61。

放射線療法の原則

外照射療法

EBRT は臨床的限局性前立腺癌に対する主要な治療選択肢の 1 つで

ある。当 NCCN ガイドライン委員会では、近年の放射線療法

(RT)および手術の症例集積研究によれば、手術成績に関する研究

の方が一般に追跡期間が長いものの、低リスク群では根治的前立腺

摘除術と RT とで無増悪生存率はほぼ同等である、という見解でコ

ンセンサスに達している。

RT 技術の進歩により、この数十年間で、より多くの線量を安全に

照射することが可能になった。例えば、1990 年代初頭まで用いら

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れていた標準的な 2 次元治療計画法では、急性および慢性の毒性の

ために総線量 67~70Gy が限界であった。1990 年代に三次元治療

計画法が開発されてからは、急性毒性のリスクが軽減されたことに

より、より高線量での治療が可能となった。3D-CRT は、治療実施

時の体内構造の位置を捉えた CT 画像をコンピュータソフトウェア

を用いて統合することにより、高線量照射を受ける領域を前立腺の

形状により正確に「合わせ込む(conform)」照射技術である。こ

の 3D-CRT は、晩期障害のリスクを低く抑えつつ累積線量を増加さ

せることを可能にする 27,62-64。第 2 世代の三次元照射技術である強

度変調放射線療法(IMRT)は、3D-CRT と比べて消化管毒性のリ

スクを有意に減少させる 65,66。現状では IMRT が最先端の方法であ

り、これが必要とされている。

これらの照射技術によってより安全な線量増加が可能となったが、

線量増加が生化学的な転帰の改善につながることがランダム化試験

の結果から示唆されている 67-70。最近、T1b~T3 期の前立腺癌患者

301 人を対象とした線量増加試験の最新の解析結果が Kuban ら 70

によって発表された。中央値 8.7 年間の追跡により、78Gy 照射群

では 70Gy 照射群に比べて生化学的または臨床的再発が少なかった

と報告された(78% vs 59%、P=0.004)。この差は当初の PSA

値が 10ng/mL を超える患者ではさらに大きかった(78% vs 39%、

P=0.001)。この結果から考えれば、もはや従来の 70Gy で十分と

は考えられない。低リスク群では、前立腺に対して(場合により精

嚢も含めて)総線量 75.6~79.2Gy を 1 回線量 1.8Gy で分割照射す

るのが適切である。中および高リスク群での線量は 75.6~81.0Gy

とすべきである 65,71,72。比較的高線量(75Gy 以上)での治療を行

う場合は、日々移動する前立腺の位置確認を行う画像誘導放射線治

療(IGRT)が照射マージンを減らし治療精度を確保する上で不可

欠となる。一方、超音波画像法などの画像診断技術や埋め込みマー

カー、電磁的な原理を利用した標的設定法や動体追跡法、直腸バル

ーンなどが、治癒率を改善し合併症を最小限に抑える上で有用とな

る可能性がある。

RT の治療計画における重要事項の 1 つとして、骨盤リンパ節照射

とアンドロゲン遮断療法(ADT)の追加が有益となる患者を同定す

るという課題がある。高リスク群を規定する有害因子を 1 つのみ認

める高リスク群の患者は、骨盤リンパ節照射(78~80+Gy)およ

び 2~3 年間ないし 4~6 ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/アジ

ュバント ADT の追加を考慮すべき対象である。中リスク群では、

骨盤リンパ節照射および 4~6 ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/

アジュバント ADT の追加を考慮してもよい。低リスク群では、骨

盤リンパ節照射も ADT も施行するべきでない。臨床検査または病

理学的検査で望ましくない所見を認めた場合と PSA 値が検出可能

な水準となった場合については、根治的前立腺摘除術後の術後補助/

救済 RT の施行を支持するエビデンスがランダム化試験によって得

られている(「再発高/超高リスク症例に対する補助療法」の節を参

照)。

前立腺癌に対する EBRT には、外科療法にはない特徴的な利点がい

くつか存在する。RT では、出血や輸血関連の有害事象などの手術

に伴う合併症に加えて、心筋梗塞や肺塞栓症などの麻酔に伴うリス

クも回避できる。3D-CRT と IMRT は地域医療にも広く普及してお

り、幅広い年齢層の患者に対して施行可能である。この治療法では

尿失禁および尿路狭窄のリスクが非常に低く、勃起機能を短期的に

温存できる可能性も高い 73。ADT を併用した場合は、前立腺の被膜

外に進展した腫瘍も根絶できるため、局所進行癌でも放射線療法に

より延命効果がもたらされる 74。しかしながら、ADT を追加すれば

勃起障害のリスクが増加する 75。

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EBRT の欠点としては、8~9 週間という治療期間が挙げられる。治

療中には最大 50%の患者において何らかの膀胱または腸管症状が

一過性に発生するほか、放射線直腸炎による遷延性の直腸症状のリ

スクもわずかながら確かにあり、勃起障害のリスクは経時的に増加

していく 73,75。さらに、再発した場合の救済手術では最初から手術

を行う場合よりも合併症のリスクが高くなる 76。RT の禁忌として

は、骨盤照射の既往、直腸の活動期の炎症性疾患、フォーリーカテ

ーテルの永久留置などがある。相対的禁忌としては、膀胱容量が非

常に小さい、中等度または重度の慢性下痢、恥骨上カテーテル法を

必要とする下部尿路閉塞、非活動期の潰瘍性大腸炎などがある。

密封小線源治療

密封小線源治療では前立腺組織内に放射線源が留置される。大半の

施設が永久挿入法を採用しており、この場合、前立腺組織内に線源

が挿入され、その放射活性は徐々に失われていく。このような低エ

ネルギー線源から放出される放射線では照射距離が短いため、前立

腺内部の癌組織に十分な線量を照射しつつ、一方で膀胱および直腸

への過剰照射を回避することができる。密封小線源治療では EBRT

と比べて遥かに低い線量率での照射となるため、非常に高い線量を

照射することができず、それゆえ生物学的な効果は比較的小さなも

のとなる。最近の密封小線源治療技術では、放射性シードの配置お

よび線量分布について改善が図られている。単独療法としての前立

腺密封小線源治療は、臨床的に臓器限局性とされた早期前立腺癌

(cT1c~T2a、グリソングレード 2~6、PSA<10ng/mL)に対す

る治療選択肢として一般的となっている。

密封小線源治療の利点は、治療が 1 日で完了するため日常生活の時

間的損失がほとんどないことにある。適切に症例を選んだ場合、比

較的長期間の追跡による癌制御率は低リスク群に対する手術での制

御率(90%以上)に匹敵するようである 77。さらに、経尿道的前立

腺切除術(TURP)の治療歴がない患者の失禁リスクは極めて低く、

短期的な勃起機能も温存される 75。密封小線源治療の欠点としては、

全身麻酔の必要性や急性尿閉のリスクなどが挙げられる。刺激性の

排尿症状が線源挿入後 1 年にもわたってみられる場合も多い。また

TURP の施行歴がある場合は、急性尿閉や膀胱頸部硬化症による失

禁リスクが高くなり、多くの患者が数年にわたる進行性の勃起障害

を来すことになる。一方の IMRT では、急性および遅発性の泌尿生

殖器毒性の発生頻度が少なく、生化学的無再発率はヨウ素 125 また

はパラジウム 103 シード永久挿入療法と同程度である 78,79。

単独療法としての密封小線源治療は低リスク群で適応となる。中リ

スク患者では、密封小線源治療にネオアジュバント ADT および

EBRT(45Gy)または EBRT のみを併用することができるが、そ

の場合は合併症の発生率が高くなる 80,81。高リスク群の患者には密

封小線源治療は不適であると一般には考えられているが、限定され

た症例では、EBRT と ADT を追加することで密封小線源治療が有

効となる可能性がある。D’Amico らは、PSA 値が 20ng/mL 以上で

臨床病期が T3/T4 またはグリソンスコアが 8~10 である患者 1,342

人で構成されるコホートを対象として研究を行った 82。この研究で

は、EBRT または ADT の追加は密封小線源治療単独の場合を上回

る効果をもたらさなかったが、3 つの治療法をすべて併用した場合

には、密封小線源治療単独と比べて前立腺癌特異的死亡率の低下が

みられた(調整 HR=0.32;95%CI 0.14~0.73)。Sathya ら 83は、

局所進行患者 104 人を密封小線源治療+EBRT と EBRT 単独にラン

ダム化して検討を行った。中央値で 8.2 年間の追跡により、併用群

において生化学的再発率(29% vs 61%;HR=0.42;P=0.0024)

と放射線治療完了後の生検陽性率(24% vs 51%;OR=0.30;P=

0.015)に有意な減少が認められた。全生存率は同程度であった。

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EBRT と高線量率(HDR)小線源治療を併用することによって、中

~高リスクの前立腺癌患者に対する照射線量を安全に増加させるこ

とが可能となる 84-87。どちらのリスク群においても、頻尿、尿意切

迫および直腸痛のリスクは、低線量率(LDR)小線源治療(永久シ

ード挿入療法)より HDR 小線源治療の方が低かった 88,89。さらに

Vargas ら 90 からは、HDR 小線源治療の方が LDR 小線源治療より

も勃起障害のリスクが低くなると報告されている。

前立腺が非常に大きいまたは非常に小さい患者、下部尿路閉塞症状

がみられる(国際前立腺症状スコアが高い)患者ならびに TURP の

治療歴を有する患者は、密封小線源治療の理想的な候補とは言えな

い。このような場合は、線源の留置が困難となる可能性があり、副

作用のリスクが高くなる。ネオアジュバント ADT によって前立腺

を許容範囲まで縮小させることができる。治療の質を確認するため

に留置後には線量計算を行うべきである 91。単独療法としての推奨

処方線量はヨウ素 125 で 145Gy、パラジウム 103 で 125Gy である。

一方 40~50Gy の EBRT 後の追加照射としての線量は、それぞれ

110Gy と 100Gy である。

陽子線治療

代替の放射線源として陽子線を使用することも可能である。理論的

には、陽子は周辺組織にあまり損傷を与えることなく深部の腫瘍に

到達する。 しかしながら、前立腺癌治療における従来の EBRT に

対する陽子線治療の優位性ないし同等性を実証したデータが臨床試

験から得られていないことから、現時点では陽子線治療をルーチン

に施行することは推奨されない。

体幹部定位放射線治療

体幹部定位放射線治療(SBRT)は有望な低侵襲放射線療法であり、

高度に収束させた放射線を用いて標的に対する正確な照射を実現す

る 92。分割回数が 5 回以下の SBRT は、少分割照射の加速版と言え

る。中央値で 33~41 ヵ月の追跡を行った単一施設研究の報告によ

ると、限局性前立腺癌に対する SBRT 施行後の生化学的無再発率は

90~100%であった 93,94。ただし、長期間の効果および毒性に関す

る更なる調査が必要である。

緩和的放射線療法

放射線療法は前立腺癌の骨転移による症状の緩和にも有効である。最

近の研究によると、カナダおよび欧州では骨転移を伴う前立腺癌の治

療として短期間の放射線療法が広く施行されていることが確認されて

いる。8Gy×1 という短期間の治療では、30Gy の 10 回分割の場合と比

べて有効性は同程度ある一方、費用は少額で済む 95。骨転移を有する

患者 898人を対象としたランダム化試験では、グレード 2~4の急性毒

性の頻度が 30Gy 群(17%)よりも 8Gy 群(10%)の方が低かったが

(P=0.002)、再治療率は 30Gy 群(9%)よりも 8Gy 群(18%)の

方が高かった(P<0.001)96。American College of Radiologyの治療ガ

イドラインに基づき、大半の患者では脊椎を除く骨転移に対する 8Gy

単回照射を施行すべきである 97。

広範な転移を来した患者には放射性医薬品が有効かつ適切な選択肢と

なり、有効な化学療法の適応がなくなった患者では特に重要となる 97。

多くの患者で多発性の骨痛がみられるため、骨転移巣を標的とした全

身治療によって、副作用を最小限に抑えつつ疼痛の緩和を図れる可能

性がある。有痛性骨転移の治療用に開発された放射性医薬品で前立腺

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癌に最も頻用されるものとしては、ストロンチウム 89(89Sr)とサマ

リウム 153(153Sm)が挙げられる 98。

手術療法の原則

根治的前立腺摘除術

根治的前立腺摘除術は、臨床的に腫瘍が前立腺に限局していると判断

される症例で適切となる。しかし、周術期合併症の可能性があること

から、根治的前立腺摘除術は期待余命が 10 年以上の患者にのみ施行さ

れるべきである。この推奨は、20 年間の追跡によって悪性度の低い前

立腺癌患者における癌特異的死亡率が 10%未満であることを示したデ

ータとも矛盾しない 99,100。Stephenson らの報告 17 によると、根治的

前立腺摘除術を受けた患者の 15 年前立腺癌特異的死亡率は 12%(低

リスク群では 5%)と低かったが、この良好な予後が手術の有効性に

よるものか PSA 時代に発見された癌の死亡率がそもそも低いことによ

るものかは明らかでない。

恥骨後式と経会陰式のどちらの到達法でも大半の患者で癌の長期制御

が達成されており、手術件数の多い施設の経験豊富な外科医による手

術成績は一般に良好である。一方、ロボット支援腹腔鏡下根治的前立

腺摘除術も広く行われており、熟練した外科医が施行する場合の手術

成績は従来のアプローチによる手術に匹敵すると考えられている 101,102。

8,837 例を対象とした最近のコホート研究によると、米国の

Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)と Medicareの

情報を結びつけたデータから、低侵襲手術は開腹手術と比べて入院期

間の短縮、輸血の必要性の減少、手術合併症の減少につながっていた

が、失禁および勃起障害の発生率が高かったことが判明した 103。追加

治療の有無を指標とした腫瘍学的成績はほぼ同等であった。19 件の観

察研究(3,893 例)をまとめたメタアナリシスの報告によると、低侵襲

手術では開腹手術と比べて失血量が少なく輸血率も低かった 104。断端

陽性のリスクは同程度であった。

術後の尿禁制の回復は、前立腺尖部より遠位の尿道を温存するととも

に遠位括約筋機構の損傷を回避することによって改善される可能性が

ある。吻合部狭窄は長期の失禁リスクを高めるが、近年の手術手技で

はその頻度は減少している。勃起機能の回復には、陰茎海綿体神経の

温存の程度、手術時の年齢および術前の勃起機能が直接関係する。ま

た神経温存によって排尿機能にも改善がみられたという報告がある 105。

神経血管束が広範に切除された患者に対して切除部を神経移植片で置

換する試みの有効性は明らかではない 106。術後早期から薬理学的な手

法により勃起刺激を行うことで、後々の性機能の回復が改善される可

能性がある。EBRT、密封小線源治療または凍結療法後に局所再発を来

した転移のない患者では、症例を十分に選択した上で救済治療として

の根治的前立腺摘除術を考慮してもよいが、合併症(失禁、勃起機能

の喪失、吻合部狭窄など)の発生率は高い。

骨盤リンパ節郭清術(PLND)

PLND の施行については、リンパ節転移の確率を考慮して決定すべき

である。PLND 施行のカットオフ値として当 NCCN ガイドライン委員

会は、陽性リンパ節の 12.1%を見逃すものの PLND を 47.7%回避でき

る 107ことを根拠として、2%という値を採用している。

PLND としては拡大郭清を行うべきである 108,109。拡大 PLND では、前

方を外腸骨静脈、側方を骨盤側壁、内側を膀胱壁、後方を骨盤底、遠

位側をクーパー靱帯、近位側を内腸骨動脈に囲まれた領域内にあるす

べてのリンパ節を周囲の組織を含めて郭清する。より多くのリンパ節

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を摘出すれば、リンパ節転移が発見される可能性が高まり、ひいては

より正確な病期分類が可能となる 110-112。より広範なリンパ節郭清によ

って生存率の改善がみられることが数件の研究から示唆されており、

おそらくは顕微鏡的転移巣の除去によるものと考えられる 111,113-115。

PLND は腹腔鏡下、ロボット支援下、開腹下のいずれでも安全に施行

でき、これら 3つにおける合併症発生率はほぼ同等のはずである。

アンドロゲン遮断療法の原則

アンドロゲン遮断療法(ADT)は前立腺癌の治療に広く用いられている。ADT

はLHRHアゴニスト(内科的去勢)か両側精巣摘除術(外科的去勢)によっ

て行われ、両者の有効性は同等である。複合アンドロゲン遮断療法

(combined androgen blockade、内科的または外科的去勢と抗アンドロゲン剤の

併用)と三種アンドロゲン遮断療法(triple androgen blockade、フィナステリド

またはデュタステリド+抗アンドロゲン剤+内科的または外科的去勢)につ

いては、去勢単独を上回る有益性は証明されていない。明らかな転移を認め

る患者で、LHRHアゴニスト単独投与の当初にみられるテストステロン値の一

過性上昇による症状発生のリスクが高い場合は、抗アンドロゲン剤を先に投

与しておくか、LHRHアゴニストと同時投与して7日間以上併用を継続するべ

きである 116,117。内科的または外科的去勢では血清テストステロン値の十分な

抑制(<50ng/dL)が得られない患者には、別のホルモン療法(ジエチルスチ

ルベストロール[DES]かその他のエストロゲン剤、抗アンドロゲン剤、ま

たはステロイド剤を使用)の追加を考慮してもよいが、その臨床的有益性に

ついては不明である。

持続的 ADTに対するいくつかの代替治療レジメンについて限定的ながらも

研究が行われている。間欠的 ADTは副作用を軽減するためのアプローチと

して広く用いられているが、長期間での有効性はまだ証明されておらず、

間欠的ADTと持続的ADTを比較する大規模な多施設研究(SWOG 9346お

よび NCI Canada PR7)が現在進行しているところである。抗アンドロゲ

ン剤単独療法は内科的または外科的去勢ほどは有効でないようであるが、

明らかな転移を認めない場合(M0)は例外である可能性がある。Active

surveillance を行っている限局癌患者では、抗アンドロゲン剤単独療法は死

亡率の上昇と関連している可能性がある 118。副作用は ADT と異なるが、

全体的に抗アンドロゲン剤単独療法は忍容性が低いと考えられている。

高リスクの臨床的限局癌または局所進行癌の患者では、根治的放射線療法

との併用で ADTがルーチンに施行される。この状況では、放射線療法の施

行前、施行後および施行中に ADTを行うことにより、選択された症例では

生存期間の延長が得られる 119-123。ADTはまた転移例にもルーチンに施行さ

れる。早期 ADT は症状出現と転移を遅らせるが、早期 ADT が生存期間の

延長につながるかどうかは不明である。長期間の ADTの合併症については、

まだ十分な検討が行われていない。

根治的治療の施行後に PSA値の上昇を認めるものの癌を示唆する症状や臨

床所見が認められない患者においては、治療上の ADTの役割を判断するこ

とは非常に難しくなる。このような患者の一部は最終的にその癌が原因で

死亡する。その予後は(1)PSA の絶対値、(2)経時的な PSA 値の変化

率(PSA「倍加時間」)ならびに(3)当初の病期、悪性度および根治的治

療施行時の PSA値を総合することによって最も良好に推定される。したが

って、癌を示す所見が PSA 値の上昇だけである患者に対して ADT が開始

される時期は、PSA 年間増加度、患者および医師の不安、短期的および長

期的な ADT の副作用に影響される。早期から持続的 ADT を施行すること

も許容されるが、癌の進行時まで綿密な経過観察を行って、その時点で適

切な治療法を検討するというアプローチもまた選択肢の 1 つである。早期

および遅延の定義(すなわち PSA値の基準をどうするか)については依然

として議論があるものの、待機遅延 ADT よりも早期 ADT の方が優れてい

るであろう。ADT の有益性は不明であるため 124、決定的な研究成果が得ら

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れるまでは個別化した治療を行っていくべきである。PSA 値が高いかつ/ま

たは PSA倍加時間が短い(PSA年間増加度が高い)患者と期待余命が長い

患者には、より早期にADTを検討するように勧めるべきである。

骨盤リンパ節転移陽性の患者における術後補助 ADTの有益性に関する研究

では、相矛盾する知見が得られている。Messing らの研究では、根治的前

立腺摘除術でリンパ節転移陽性とされた患者が即時 ADT 群(n=47)と経

過観察群(n=51)とにランダムに割り付けられた 125。中央値 11.9 年間の

追跡により、即時 ADT 群に有意な全生存率の改善が認められた(HR=

1.84;95%CI 1.01~3.35)。しかし、この試験結果には異議が唱えられた。

メタアナリシスの結果、ASCO ガイドラインではリンパ節転移陽性の前立

腺癌患者には ADT は行うべきでないと推奨されるようになった 124。最近

報告された 731 人のコホートの分析でも、経過観察との比較で根治的前立

腺摘除術後 4ヵ月以内に ADTを開始した場合の生存期間の延長を示すこと

はできなかった 126。

初回治療完了後の抗アンドロゲン剤単独療法は、早期前立腺癌患者を対象

とした進行または再発の可能性を低減するための補助療法としても検討さ

れてきた。Early Prostate Cancer(EPC)は、これまでに実施されてきた中

で最も大規模な前立腺癌の臨床試験であり、待機療法、放射線療法または

根治的前立腺摘除術により管理されていた前立腺癌患者 8,113 人を対象と

して、補助療法としてのビカルタミド 1日 150mg投与の評価が行われた。

最初の報告は 2001 年に発表され、2004 年に追加解析の結果が、さらに

2006 年に 7.4 年間の追跡結果が発表された 127。限局性(T1-2, N0)または

局所進行性(T3-4, any Nまたは any T, N+)前立腺癌の患者が登録された。

主要エンドポイントは無増悪生存率(PFS)および全生存率とされた。限

局癌患者ではビカルタミドを追加しても臨床的な有益性は得られないよう

であったと報告された。一方、局所進行性前立腺癌患者では、標準療法へ

のビカルタミド 150mg投与の追加により主治療に関係なく無増悪生存率の

改善が認められた。

同試験の北米人被験者のみに対象を絞った結果が別に報告されている 128。

このサブセットでは、全例が前立腺摘除術または放射線療法のいずれかを

受けており、骨盤リンパ節陽性の患者は対象外とされた。ランダム化の後、

被験者には補助療法としてビカルタミド 1日 150mgかプラセボのいずれか

が 2 年間投与された。中央値 7.7 年間の追跡が行われたが、両群とも臨床

的イベントはほとんどみられず、主要エンドポイントである無増悪生存率

と全生存率のいずれにも差は認められなかった。しかしながら、ビカルタ

ミド群では PSA進行までの時間が有意に延長していた。著者らは、このデ

ータでは早期前立腺癌患者に対するビカルタミドによる補助療法の有益性

は支持されないと結論づけている。一方で、この結果が試験全体としての

結果と整合しなかった事についても言及している。

最終的に ADTは、早期の低リスク患者(特に高齢患者)に対する一次療法

として一般的に用いられている。高齢の限局性前立腺癌(T1~T2)患者

19,271 人のコホート研究において、Lu-Yao らは、経過観察単独と比べて

ADT による延命効果は認められず 129、高齢の前立腺癌患者に対し ADT を

施行することはルーチンの診療とすべきではないと報告している。

アンドロゲン遮断療法の有害作用

ADT には、骨粗鬆症、臨床的骨折の頻度上昇、肥満、インスリン抵

抗性、脂質代謝の変化、糖尿病および心血管疾患リスクの増大など、

様々な有害作用がある。一般に、持続的 ADT の副作用は治療期間

が長くなるほど増加する。患者および医療提供者には治療開始前に

これらのリスクについて情報が与えられるべきである。

骨粗鬆症は重要な問題であるが、男性では世界的に過小評価されて

いる 130。米国では、男性の骨粗鬆症患者が 200 万人存在するほか、

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骨粗鬆症のリスクを有する男性がさらに 1,200 万人存在する。性腺

機能低下症、長期のグルココルチコイド療法およびアルコール乱用

が男性における後天性の骨粗鬆症の主な原因である。

ADT では臨床的骨折のリスクが増大する。例えば、集団ベースの大

規模研究では、ADT による 21~54%の骨折リスクの増大が報告さ

れている 131-133。治療期間が長くなるほど骨折リスクは増大した。

また年齢および併存症にも骨折頻度との関連が認められた。ADT は

骨代謝回転を亢進させ、骨折リスクの代替指標である骨密度 134-137

を低下させる。大腿骨近位部および脊椎の骨密度は初回治療中、年

間約 2~3%のペースで低下していく。ほとんどの研究で、骨密度

は長期間の治療中に着実に低下し続けるという結果が報告されてい

る。ADT では筋肉量の有意な減少もみられ 138、治療関連性の筋肉

減少症が高齢患者における虚弱や転倒リスク増大の一因となってい

るようである。

National Osteoporosis Foundation の一般集団用のガイドラインに

準じた骨粗鬆症のスクリーニングおよび治療が推奨される 139。こ

の National Osteoporosis Foundation のガイドラインでは、(1)

50 歳以上の男性全員に対するカルシウム(1 日 1,200mg)および

ビタミン D3(1 日 800~1,000IU)の補充と、(2)10 年以内の股

関節骨折の確率が 3%以上または 10 年以内の重大な骨粗鬆症関連

骨折の確率が 20%以上の男性に対する追加治療が推奨されている。

骨折リスクについては、世界保健機関が最近公表したアルゴリズム

である FRAX®を使用することで評価できる 140。ADT について

FRAX® を 用 い る 場 合 は 、 「 続 発 性 骨 粗 鬆 症 ( secondary

osteoporosis)」と考えるべきである。

ADT 施行中の骨折予防に関するエビデンスは限られている。数件の小規模な

ランダム化比較試験からは、ADT 施行中にビスホスホネート系薬剤を使用す

ることで骨折リスクの代替指標である骨密度が増加することが実証されてい

る。GnRHアゴニスト療法を受ける患者へのパミドロン酸の静脈内投与により、

骨代謝回転の生化学マーカーの有意な減少と股関節部および脊椎の骨密度の

増加がみられた 137,141。前立腺癌患者 106人を対象とした 12ヵ月間の多施設プ

ラセボ対照試験では、3 ヵ月毎のゾレドロン酸の静脈内投与により股関節部お

よび脊椎の骨密度がそれぞれ 3.9%および 7.8%増加した 142。年 1 回のゾレド

ロン酸投与でも同様の結果が報告されている 143。前立腺癌患者 112 人を対象

としたランダム化比較試験では、アレンドロン酸投与により 12 ヵ月間で股関

節部および脊椎の骨密度が 2.3%および 5.1%増加した 144。現在のところ、薬

物療法が正当化されるだけの絶対的な骨折リスクがある場合には、ゾレドロ

ン酸(4mg、静注、年 1 回)またはアレンドロン酸(70mg、経口、週 1 回)

による治療が推奨される。

ADT 施行中の骨量減少と骨折を予防するための新規薬剤に関する 2 件の大規

模ランダム化比較試験が最近終了した。一方の試験では、NF-κB活性化受容体

リガンド(RANKL)を標的とした新規のヒトモノクローナル抗体であるデノ

スマブを年 2 回投与することにより、骨密度の増加と骨折発生率の減少が認

められた 145。もう一方の試験では、選択的エストロゲン受容体調節薬である

トレミフェンの評価が行われた 146,147。現在も進行中のこの試験の中間報告で

は、トレミフェン群ではプラセボ群と比べて骨密度だけでなく脂質プロファ

イルも改善されていた 146,147。

ある画期的な集団ベースの研究において、ADT には糖尿病および心血管疾患

の発生頻度との関連が示されている 148。年齢や併存症などの他の変数につい

て調整がなされた後も、GnRHアゴニストによる ADTには新たな糖尿病(HR

=1.44;P<0.001)、冠動脈疾患(HR=1.16;P<0.001)および心筋梗塞

(HR=1.11;P=0.03)のリスク増加との関連が認められた。その後の大規模

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な集団ベースの研究でも、ADT と心血管合併症発生率との間に有意な関連が

報告されている 149。ADT と心血管死亡率の潜在的関係について評価した研究

では、一定の結果は得られていない 148,150-154。

ADT 施行中の糖尿病および心血管疾患リスクの増大には、いくつかの機序

が寄与している可能性がある。ADT は体脂肪量を増加させ、除脂肪体重を

減少させる 138,155,156。また GnRHアゴニストによる ADTは、空腹時血漿イ

ンスリン濃度を増加させ 157,158、インスリン感受性を低下させる 159。ADT

はさらに、血清中のコレステロール値およびトリグリセリド値も増加させ

る 157,160。

心血管疾患と糖尿病は一般集団における罹病および死亡の主要原因である。

これまでに観察されてきた ADT の有害な代謝作用ならびに ADT と糖尿病

および心血管疾患の頻度増加との関連性を根拠として、ADT を受ける患者

には糖尿病および心血管疾患のスクリーニングとその予防/治療のための介

入が推奨される。ADT を受ける患者での糖尿病および心血管疾患のスクリ

ーニング、予防および治療の戦略が一般集団でのそれと同じでよいかどう

かは依然として不明である。

NCCN の推奨事項

前立腺癌の初回診断

前立腺癌はまず直腸指診(DRE)での異常もしくは PSA 値の上昇から疑

われる。PSAは 4.0ng/mL 以下が正常とされているが、この PSA「正常」

の男性でも、その 15%に前立腺癌が存在し、2%は悪性度の高い癌である。

その値を下回る限り癌は検出されないという PSA 値は実際には存在せず、

PSA 値 0.5ng/mL 未満の男性の中にも、生検を行えば悪性度の高い前立腺癌が

発見される者が少数ながら存在する 34。別の NCCN ガイドライン委員会によ

って前立腺癌の早期発見に関するガイドラインが作成されている(NCCN 前

立腺癌早期発見ガイドラインを参照)。確定診断には前立腺生検が必須であ

り、通常は泌尿器科医により経直腸超音波ガイド下での針生検が実施される。

続いて、得られた生検標本について最も優勢なグリソングレードと 2 番目に

優勢なグリソングレードが病理医によって判定される。臨床病期分類は

American Joint Committee on Cancer(AJCC)Staging Manual第7版による2009

年の TNM分類に基づいて行われる 161。しかしながら、前立腺癌治療に関する

NCCNの推奨は、AJCCの予後分類ではなく、リスク分類(下記を参照)に基

づいている。NCCN 治療ガイドラインの目標は、治療に関係する合併症を最

小限に抑えつつ癌患者の生存期間を可能な限り延長することにある。

病理概要報告書(pathology synoptic reports、プロトコル)は手術標本での検査

結果を報告する上で有用であり、臨床的に有用な関連情報を病理医が提示す

る際の助けとなる。当 NCCN ガイドライン委員会は、College of American

Pathologists(CAP)の病理概要報告書を支持している 162。

2004 年 1 月 1 日、American College of Surgeons の Commission on Cancer

(COC)は、Cancer Program Standards for Approved Cancer Programsの一環と

して具体的なチェックリスト項目で構成されるプロトコルの使用を義務づけ

た。したがって、病理医はこれらの文書に精通しておくべきである。CAP プ

ロトコルはこのCOCの要件を満たしている。

初回の臨床評価および病期評価

診断時には、推奨する初回治療の決定を目的とした、期待余命および癌症状

の有無に基づく患者の層別化を行う。

期待余命が 5 年未満で臨床症状を認めない患者では、症状が発現するまで更

なる精査や治療を延期してもよい。水腎症または転移の発生に関わる危険因

子(大きな T3~T4癌またはグリソンスコア 8~10)を認める場合は、ADTま

たは放射線療法(RT)を考慮してもよい。進行癌の患者でも、治療によるリ

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スクと合併症が生存期間の延長や生活の質の改善でみた治療の有益性を上回

ると判断される場合は、経過観察の候補となりうる。

症状を認めるか期待余命が 5年以上である患者の場合、1)PSA値が 20ng/mL

を超える T1症例と PSA値が 10ng/mLを超える T2症例 163、2)グリソンスコ

アが 8 以上の症例、ならびに 3)T3~T4 症例と症状を認める症例には、骨ス

キャンの施行が適切となる。T3~T4 症例または症状を認める症例にも骨スキ

ャンが施行されるべきである。T3またはT4症例とノモグラムによるリンパ節

転移の確率が20%を超えるT1またはT2症例では骨盤CT(コンピュータ断層

撮影)または MRI(磁気共鳴画像法)が推奨されるが、リンパ節陽性の確率

が 45%以上でない限り病期分類検査としての費用対効果は乏しい 164。疑わし

いリンパ節所見を認めた場合は、更なる評価のために生検を考慮する必要が

ある。上記以外の患者では、病期分類に追加的な画像検査は不要である。

病期分類のための精査が終了したら、再発リスクに従って、低・中・高リス

クの臨床的限局癌、超高リスクの局所進行癌または転移癌のいずれかに患者

を分類する。

低リスク群

本 NCCN ガイドラインの定義に従えば、生化学的再発のリスクが低い患者に

は T1~T2a期かつグリソンスコア低値(2~6)かつ血清 PSA値 10ng/mL未満

の患者が該当する。50 歳以上の男性では 40%に前立腺癌が存在するが、臨床

症状を呈するのはその 1/4にすぎず、また前立腺癌特異的死亡となるのは 1/14

にすぎない。したがって、低リスク前立腺癌で期待余命が 10 年未満の患者に

はActive surveillanceが推奨される。このアプローチに関するエビデンスは、低

分化癌を除く大半の前立腺癌では 5~10 年癌特異的死亡率が非常に低いこと

を示したデータから支持されている 99,100,165。

期待余命が 10 年以上の場合の推奨治療としては根治的前立腺摘除術がその選

択肢の 1つであり、骨盤リンパ節転移の確率が 2%以上と予測される場合には

骨盤リンパ節郭清術も推奨される。患者 223人を 21年間追跡した Johansson

らによる研究において、未治療の早期前立腺癌の長期間の自然史が評価され

ている 166。早期の段階で診断された前立腺癌は大半が緩徐な経過をたどるが、

長期的には局所進行癌や活動性の高い転移癌になりうることが示された。最

初の 5年間と比較すると 15年間の追跡後の死亡率は有意に高かった。この結

果は(特に期待余命が 15 年以上の患者における)根治的前立腺摘除術の早期

施行を支持している。一方、連日の IGRT による 3D-CRT/IMRT もしくは密封

小線源治療による放射線療法がもう 1 つの選択肢である。手術と EBRT と密

封小線源治療は、それぞれで副作用のプロファイルが異なっており、このこ

とが意思決定に影響を及ぼすことが多い。限局癌に対し治療を受けた患者 475

人の分析では、前立腺摘除術後の方が放射線療法後と比べて失禁の発生率が

高く、性機能がベースライン時の状態まで回復する可能性も低かったが、腸

管機能障害の発生率は低かった 167。

限局性前立腺癌に対する初回治療としての ADT は生存期間を改善しないため、

当NCCNガイドライン委員会はこれを推奨しない 129。

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凍結手術(凍結療法や cryoablation としても知られる)は、現在発展

を続けている低侵襲の治療法であり、局所的な凍結によって腫瘍組織

に損傷を与えるというものである。生化学的再発の定義は様々であっ

たが、低リスク患者における凍結療法後の 5 年生化学的無病生存率は

65~92%と報告されている 168。しかしながら、この治療法については

放射線療法や根治的前立腺摘除術と比べて長期研究のデータが不足し

ているため、初回治療としては推奨されない。

超低リスク群

当 NCCN ガイドライン委員会は、早期発見やスクリーニングへの PSA

検査の普及による前立腺癌の診断頻度の増加に関連する過剰治療とい

う問題について依然として懸念を抱いている(NCCN 前立腺癌早期発

見ガイドラインを参照)。根治的治療による副作用の可能性を考慮す

れば、超低リスクの基準を満たす前立腺癌で期待余命が 20 年未満の患

者には、Active surveillance が行われるべきである。サーベイランスが

望ましい臨床的意義のない腫瘍を識別する一助とするため、患者の評

価に Epstein の基準の改定版を組み込むことが推奨される。これはカ

テゴリー2B の推奨事項であるが、このことは、Active surveillance と

いう戦略のリスクと有益性のバランスに関して議論が続いていること

と、現時点で高水準のエビデンスが不足している(最終的には現在進

行中の臨床試験から得られるであろう)ことを反映している。超低リ

スク群の基準を満たすものの期待余命が 20 年以上である患者について

は、当委員会は Active surveillance、放射線療法、根治的前立腺摘除術

のすべてが許容可能な選択肢であるという見解で一致している。

当委員会はまた、様々な理由で Active surveillance 下にある患者を区

別することの重要性についても強調する。高齢患者や重篤な併存症の

ある患者は他の原因により死亡する可能性が高い。前立腺癌の治療は

治癒を目的とするものではないため、可能な限り長く経過観察を行っ

ていくことは医師の判断に基づく合理的な選択肢となりうる。対照的

に、進行が緩徐であると思われる若年患者での Active surveillance の

目標は、治療の開始と副作用の発現を遅らせることにある。このよう

な患者は期待余命が長いため、綿密なフォローアップを行うとともに、

根治的治療の機会を逃すことがないよう癌の進行時には迅速に治療を

開始するべきである。

中リスク群

本NCCNガイドラインの定義に従えば、中リスク群にはT2b~T2c期、グリ

ソンスコア7またはPSA値10~20ng/mLの患者が含まれる。有害因子を複

数有する場合は高リスク群としてもよい。

期待余命が10年未満の患者では、ここでもActive surveillanceが合理的な選

択肢の1つとなる。Johanssonら 169の観察によると、T0~T2癌との診断か

ら15年間のうちに転移が認められた男性は13%に過ぎず、前立腺癌が原因

で死亡した患者は11%にすぎなかった。別の選択肢はRTである。EBRT

(連日の IGRTによる3D-CRT/IMRTの単独または密封小線源治療との併用)

にはネオアジュバント/同時併用/アジュバントADTを追加してもよい。ADT

は4~6ヵ月間の短期療法として施行すべきである。

期待余命が10年以上の患者に対する治療選択肢としては、RTと根治的前立

腺摘除術がある。根治的前立腺摘除術では、リンパ節転移の予測確率が2%

以上の場合は骨盤リンパ節郭清術を追加するべきである。早期前立腺癌患者

695人(大半がT2)を対象としたランダム化試験において、根治的前立腺摘

除術と待機療法(watchful waiting)の比較が行われた 47。中央値11年間の追

跡により、根治的前立腺摘除術群に疾患特異的死亡率、全死亡率、転移およ

び局所進行のリスクについて有意な改善が認められた。この試験の結果は、

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治療選択肢として根治的前立腺摘除術を支持する質の高いエビデンスとなっ

ている。

EBRT(連日の IGRTによる3D/CRT/IMRTの単独または密封小線源治療との

併用)単独治療またはEBRTと4~6ヵ月間のネオアジュバント/同時併用/ア

ジュバントADTの併用治療がもう1つの選択肢である。3件のランダム化試

験 123,151,170において、EBRTに4~6ヵ月間のADTを追加した場合の生存期間

延長効果の有無が評価された。Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)

8610試験 151では被験者のほぼ全員が高リスク群であった一方、Tran-Tasman

Radiation Oncology Group(TROG)9601試験 123とDana Farber Cancer Institute

(DFCI)95096試験 170には中リスク群の被験者も約20%と約60%ずつ含ま

れていた。中リスク群の割合が最も大きかったDFCI95096試験 170では全生

存率と癌特異的生存率の両方で有益性が認められたが、TROG9601試験 123

とRTOG8610試験 170では癌特異的生存率でのみ有益性が認められた。これ

らの試験はどれも中リスク群の患者だけを対象としたものではないことから、

中リスク群におけるRTへの短期ADTの追加は実行可能な選択肢の1つとさ

れる。

単独療法としての密封小線源治療は、この群の患者には推奨されない。リス

ク別の解析から、(1)グリソンパターン4~5を認める患者と(2)血清

PSA値が10ng/mLを超える患者では、密封小線源治療はEBRTまたは根治

的手術よりも生化学的無再発生存期間で劣ることが分かっている 11。

期待余命が10年を超える患者にはActive surveillanceは推奨されない(カテ

ゴリー1)。

高リスク群

当 NCCNガイドライン委員会は、T3aの臨床的限局癌、グリソンスコア 8

~10または PSA値 20ng/mL超のいずれかを満たす前立腺癌患者を根治的

治療後の再発リスクが高い集団と定義している。有害因子が複数認められ

る患者は超高リスク群とする場合もある。高リスク患者では症状出現時ま

で経過観察を行うよりも積極的な介入を行った場合の方が 5 年全生存率お

よび疾患特異的生存率が良好となることから 50、期待余命が 5 年未満でな

い限り治療を行うべきである。

高リスク患者に対する治療選択肢はいくつか存在する。望ましい治療法は、

連日の IGRTによる 3D-CRT/IMRTと長期間の ADTの併用であり、ADT単

独では不十分である(カテゴリー1)。 特に、体積が小さい低悪性度腫瘍

の場合には、局所に対する積極的な放射線照射と通常 2~3年間の ADTが

妥当となる。このことは高リスクまたは局所進行前立腺癌患者 875人を対

象とした欧州の多施設共同オープンラベルランダム化試験により裏づけら

れている 171。ADTと放射線療法の併用は、ADT単独と比べて 10年全死亡

率(29.6% vs 39.4%;RR=0.68;95%CI 0.52~0.89)と疾患特異的死亡

率(11.9% vs 23.9%;RR=0.44;95%CI 0.30~0.66)の低下をもたらし

た。1,205 人の患者を対象とした別の第 III 相ランダム化試験の中間結果が

抄録形式で報告されており、それによると、RT への ADT の追加によって

疾患特異的生存率と全生存率も有意に改善された 172。

高リスク群でのネオアジュバント/同時併用/アジュバント ADT については、

短期より長期の実施を支持するエビデンスが多くなってきている。

RTOG92-02試験 173では、RT施行前から施行中にかけて 4ヵ月間 ADTを

受けた T2c~T4の前立腺癌患者 1,521人が、そこで治療を終了する群とさ

らに 2 年間 ADT を継続する群とにランダム化された。10 年時点で、長期

ADT 群では全生存を除くすべてのエンドポイントについて改善が示されて

いる。さらにグリソンスコア 8~10 の患者だけを対象としたサブグループ

解析では、長期ADTの全生存における優位性が示された(32% vs 45%、

P=0.0061)。またEORTC22961試験でも、970人(大半が T2c-T3, N0症

例)の被験者において RT と 6 ヵ月間の ADT の併用にさらに 2.5 年間の

ADTを追加することで生存率の向上が認められた 174。

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高リスク患者ではEBRTに密封小線源治療を追加することによって生化学

的再発率が低下するというデータが集積されつつある 83,175。現在、この併

用治療は(場合によりADTも追加して)初回治療における選択肢の 1つ

とされている。しかしながら、この状況におけるADTの至適投与期間は

依然として不明である。

隣接臓器への固定がみられない選択された症例では、骨盤リンパ節郭清を

伴う根治的前立腺摘除術も選択肢の 1つである。グリソンスコア 8以上の

患者における根治的前立腺摘除術後の無増悪生存率は 36%と報告されて

いる 176。

超高リスク群

本NCCNガイドラインでは、臨床病期T3b~T4(局所進行癌)の患者を

再発リスクの非常に高い患者群と定義している。この群に対する選択肢と

しては、(1)連日の IGRTによる 3D-CRT/IMRTと短期ADTの併用(カ

テゴリー1)、(2)EBRT+密封小線源治療の単独またはADTとの併用、

(3)隣接臓器への固定がみられない選択された症例における根治的前立

腺摘除術+骨盤リンパ節郭清術、(4)ADT(根治的治療に不適格とされ

た場合のみ)が挙げられる。

転移例

N1 症例では ADT 単独もしくは放射線療法+短期のネオアジュバン

ト/同時併用/アジュバント ADT(2~3 年間)が選択可能であるが、

M1 症例では ADT 単独だけが推奨される。

Active surveillance

Active surveillance を選択した期待余命 10 年以上の患者では、癌

の進行をみた場合に根治的な局所療法が有益となる可能性が高い。

したがって適切なサーベイランスには、3~6 ヵ月毎の PSA 測定、

6~12 ヵ月毎の DRE ならびに 1 年毎以下の頻度での前立腺再生検

が含まれる。最初に 10~12 コアの生検が行われた場合は、針生検

は 18 ヵ月以内に施行すればよい。一方、期待余命 10 年未満の患者

では、それほど集中的なサーベイランスを行う必要はなく、PSA 検

査および DRE の実施頻度を減らすことも可能であり(6~12 ヵ月

毎)、フォローアップとして前立腺生検が必要となることはまれで

ある。

リスクは小さいように見えても悪性度の高い成分が成長している可能性も

あることから再生検が推奨されるが 177、その結果が予後に影響する場合も

あり、したがってActive surveillanceの継続か根治的な局所療法への移行か

の決定にも影響を及ぼしうる。2 回目以降の再生検は、経過観察を行って

いる医師の判断によって施行していってもよい。Johns Hopkins 研究では、

1 年毎の前立腺生検でグリソンパターン 4 が認められた男性全員に治療を

行うという方針によって、現在までのところ全 769 例において前立腺癌死

亡は 1例も認められていない 57。しかしながら、グリソンパターン 4に進

行した男性全員に治療の必要があるか否かは依然として不明である。治療

の延期を選択した後でも根治的介入がより確実に成功するような適切な治

療開始条件を同定するべく、現在も研究が続けられている。進行の判定基

準は明確に定義されておらず、医師の判断が要求されるが、リスク群の変

更は病勢の進行を強く意味する。進行性の癌が発見された場合は、RT も

しくは根治的前立腺摘除術が必要となることがある。

治療後のモニタリング

初回治療として治癒を目標とした治療が行われた患者では、血清 PSA 値

の測定を最初の 5年間は 6~12ヵ月毎、その後は 1年毎に行っていくべき

である。根治的前立腺摘除術施行後に前立腺癌の再発をみる場合、最初の

2年間で 45%、最初の 5年間で 77%、そして 10年間で 96%が再発してい

たことが Pound らによって報告された 178。局所再発はかなりの状態悪化

につながる場合があり、まれに PSA の上昇を伴わないこともあるため、

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大腸癌の場合と同様に前立腺癌再発のモニタリングにおいても年 1 回の

DREが適切となる。RT施行後の場合も同様に、血清 PSA値のモニタリン

グを最初の 5年間は 6ヵ月毎、その後は 1年毎に行っていくことが推奨さ

れるほか、少なくとも年 1回のDREの実施も推奨される。

局所進行または転移性前立腺癌患者に対する臨床的なモニタリングの程度

は、初回治療としての ADT、放射線療法またはその両方に対する反応に基

づいて決定する。このような患者のフォローアップ評価には、6~12 ヵ月

毎の病歴聴取・身体診察、DREおよびPSA測定を含めるべきである。

内科的または外科的 ADT を受けている患者では、骨粗鬆症の存在または

発症のリスクがある。これらの患者では、ベースライン時の骨密度の測定

を考慮するべきである。カルシウム(500mg)およびビタミン D

(400IU)の補充が推奨される。骨減少/骨粗鬆症を認める患者にはビスホ

スホネート療法を考慮すべきである。

根治的前立腺摘除術後の補助または救済療法

根治的前立腺摘除術を受けた患者の大半は治癒に至る。一方で、一部の患

者は病理学的または生化学的再発を起こす。補助または救済放射線療法の

対象者を適切に選択するのは困難である。しかし、患者への助言に活用で

きる高水準のエビデンスが最近発表された試験結果から得られている。根

治的前立腺摘除術を受けた被膜外進展を認める患者 425 人が登録された

SWOG8794 試験の結果が Thompson らによって報告された。被験者は補

助 RT を受ける群と通常のケアを受ける群にランダム化され、中央値で

12.6 年間に及ぶ追跡が行われた 179。最初の報告では、補助 RT によって

PSA 再発および癌再発のリスクが低下したことが示された 180。その後の

報告では、前立腺摘除術後に補助 RT を受けていた高リスク患者(精嚢浸

潤陽性)において経過観察の場合と比べて 10 年生化学的無再発生存率の

改善がみられた(36% vs 12%、P=0.001)181。そして SWOG8794 試験

の最新の報告では、全生存および無転移生存率の改善が実証された 179。

European Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC)182

により実施された別のランダム化試験では、1,005 人の患者を対象として

前立腺摘除術後の経過観察と補助 RT との比較が行われた。全例が被膜外

進展および/または断端陽性であった。断端陽性の患者では 5年生化学的無

増悪生存率が経過観察群と比べて RT 群で有意に改善(49% vs 78%)さ

れていたが、断端陰性の患者では有益性は認められなかった。最近、

Wiegel らによる 268 人を対象としたドイツの研究結果が報告された 183。

被験者はすべて pT3 で根治的前立腺摘除術後の PSA 値は検出限界以下で

あった。術後の放射線療法により経過観察のみの場合と比べて 5 年生化学

的無増悪生存率の改善が認められた(72% vs 54%;HR=0.53;95%CI

0.37~0.79)。以上をまとめると、これらの試験結果からは、上記の一連

の患者では継続的なフォローアップによって生存率の改善が示される可能

性のあることが示唆される。

以上の結果に基づけば、望ましくない臨床検査所見や病理所見(断

端陽性、精嚢浸潤、被膜外進展など)を認める患者では手術からの

回復後に補助 RT を施行することがおそらく有益となるであろう。

断端陽性がびまん性(陽性部の大きさが 10mm を超えるか陽性部が

3 ヵ所以上ある場合)である場合もしくは血清 PSA 値が低下しない

場合には、断端陽性は特に予後不良の所見となる。補助 RT を考慮

するのであれば、PSA 値が 1.5ng/mL を超える前に施行するべきで

ある。IMRT を用いれば、術後補助/救済 RT の際に高線量が照射さ

れる膀胱および直腸の体積を低減することが可能である 184。術中

にリンパ節転移が確認された患者では、補助 ADT を考慮するべき

である。しかしながら、持続的 ADT の早期施行について報告され

ていた生存期間の延長効果 125 は、より最近の報告では否定されて

いる 124,126。したがって、PSA 値が検出限界以上となるまでは経過

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観察が推奨され、検出可能となった時点で臨床試験への参加か ADT

を考慮すべきである。

数件の後ろ向き研究により、治療前 PSA 値、グリソンスコア、

PSA 倍加時間ならびに陽性断端の有無を様々に組み合わせた指標に

ついての予後予測における有用性が評価されている 185-189。前立腺

摘除術後に PSA の検出および上昇を認めたために救済 RT を受けた

患者 501 人を対象とした大規模な後ろ向き研究 188 では、グリソン

スコア 8~10、RT 前の PSA 値 2ng/mL 超、精嚢浸潤、断端陰性お

よび PSA 倍加時間 10 ヵ月以下が進行の予測因子であったことが示

された。しかしながら、臨床的および病理学的な基準を用いて個々

の症例を局所再発の可能性が高い患者と全身転移の可能性が高い患

者とに振り分けること、ひいては術後照射への反応性を予測するこ

とは、不可能であることが証明されている 190。補助または救済 RT

は治療だけでなく診断にもなる―PSA 値に反応があれば局所の残存

/再発を意味する。晩期の生化学的再発には病期の見直しが必要であ

り、新しいノモグラム 15,26 が治療効果の予測に有用である可能性が

あるが、妥当性の検証はまだなされていない。

前立腺摘除術後に生化学的再発を来す患者は、(1)術後に PSA 値

が検出限界以下まで低下しない患者と(2)術後に PSA 値が検出限

界以下まで低下するが、その後 2 回以上の測定で検出限界以上とな

る患者に分類できる。PSA 値の上昇だけでは必ずしも臨床的再発に

つながるわけではないため 191、上記のどちらの場合でも精査では

遠隔転移の評価に重点が置かれる。具体的な検査は臨床経過に応じ

て異なってくるが、考えられるものとしては骨スキャン、生検、

PSA 倍加時間、CT/MRI などがある。症状が発現した場合もしくは

PSA 値の急上昇をみた場合には、骨スキャンの施行が適切である。

ある研究によると、根治的前立腺摘除術後に ADT を受けていない

患者が骨スキャンで陽性となる確率は、PSA 値が 40~45ng/mL ま

で上昇した場合を除くと 5%未満であった 192。

生化学的再発がみられた際に遠隔転移の疑いがほとんどない場合、

初回の救済療法は RT 単独か RT+ネオアジュバント/同時併用/アジ

ュバント ADT となる。遠隔転移が確認されるか強く疑われる場合

は、ADT 単独が主な救済治療となる。放射線療法単独での治療は推

奨されないが、骨転移例などの特定の症例においては ADT への追

加が有用となる可能性がある。ここでもまた選択された症例では経

過観察が許容可能となる。いかなる場合でも、一次または二次全身

療法の形態は患者のホルモン状態に基づいて決定されるべきである。

放射線療法後の再発

Phoenix において American Society for Therapeutic Radiology

and Oncology(ASTRO)と Radiation Therapy Oncology Group

により改定された 2006 年の Phoenix 定義 193に従えば、PSA nadir

値(PSA の最低値と定義される)から 2ng/mL 以上の上昇をみるこ

とが、EBRT(単独またはネオアジュバント ADT 併用の場合)施行

後の生化学的再発に対する現時点での標準的定義である。再発日は

上昇が確認された日(“at call”)とし、遡って起算すべきではない。

追跡期間の短さのために生じるアーチファクトを回避するため、制

御率に関するデータは追跡期間中央値より 2 年短い時点のものを提

示するべきである。例えば、追跡期間中央値が 5 年の場合は 3 年時

の制御率を提示すべきである。この厳格化された ASTRO 定義に従

えば、膨大にある既存文献との比較も可能になるであろう。

局所療法の候補とみなされる患者には更なる精査が必要となる。そ

のような患者としては、当初の臨床病期が T1-2 で、期待余命が 10

年を超え、かつ最新の PSA 値が 10ng/mL 未満の患者が挙げられる

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194。精査には前立腺生検と骨スキャン、さらに臨床的に適応がある

場合は腹部/骨盤部 CT、MRI、PSA 倍加時間などの追加検査を含め

る。

生検は陽性であるが転移の疑いが少ない患者に対する一次救済療法の選択肢

としては、経過観察と選択された症例に対する救済前立腺摘除術がある。合

併症(失禁、勃起障害、膀胱頸部硬化症など)の発生率は、初回治療として

根治的前立腺摘除術が施行される場合と比べて有意に高いままである 195。局

所的介入の他の選択肢としては、凍結療法 196と密封小線源治療(Allen らによ

るレビュー197がある)がある。しかしながら、個々の患者の進行リスク、成

功の可能性および各治療法に伴うリスクに基づいて個別化した治療を行う必

要がある。

RT 後の生化学的再発の後に生検が陰性となった場合、その後の臨床経過は不

確実となる。経過観察、ADT または臨床試験への登録が考えられる選択肢で

ある。もしくは、再生検や MR スペクトロスコピー、経直腸コイル MRI など、

より積極的な精査を行ってもよい 198,199。

検査で転移巣の存在が明らかになった場合もしくは当初から局所療法の適応

がない場合は、経過観察かADTによる治療を行うべきである。

アンドロゲン遮断療法

内科的または外科的去勢による ADT が最も一般的な全身療法である。LHRH

アゴニスト単独での治療を受けている転移巣を示す画像所見を認める患者の

場合、治療開始から数週間以内に LH(黄体形成ホルモン)およびテストステ

ロンの血清値の上昇「フレアアップ現象」をみることがあり、これにより病

状の悪化を来す場合もある。したがって LHRH アゴニストの投与時には、ア

ンドロゲン受容体に結合するリガンドを減少させるべく抗アンドロゲン剤を 7

日間以上併用することが多い。

一般には複合アンドロゲン遮断療法(CAB)として知られる抗アンドロゲン

剤と LHRH アゴニストの長期間の併用治療は、許容可能な選択肢の 1 つであ

る。ランダム化試験においては、CAB に LHRH アゴニストと抗アンドロゲン

剤の連続使用を上回る生存率期間の延長効果は示さなれていないが、最近の

メタアナリシスによると、酢酸シプロテロン以外の抗アンドロゲン剤(ビカ

ルタミドなど)が LHRHアゴニスト単独療法と比べて全生存率を相対値で 5~

20%上昇させる可能性があると示唆されている 200,201。ADT の使用に関する

ASCO ガイドライン 124では、忍容性が認められる場合には、ADT の開始時に

LHRH アゴニストとビカルタミドの併用による CAB の潜在的なリスクおよび

有益性も含めて、バランスのとれたリスク/有益性の検討を行うよう提案され

ている。この併用療法は費用の増大と副作用の増加につながる可能性があり、

この判断に関しては現時点でランダム化試験による前向きのエビデンスが不

足している。

去勢後再燃前立腺癌

初回 ADT 後に再燃した去勢後再燃前立腺癌(CRPC)の患者では、

臨床検査による評価を行いながらテストステロン値を去勢レベルに

維持していくべきである。数多くある全身療法の選択肢については、

転移の状態に基づいて考慮されるべきである。転移の徴候がない

(M0)患者では、臨床試験への参加が望ましい選択肢であり、経

過観察が第 2 の選択肢となる。CAB 療法を受けていた患者の場合

は「antiandrogen withdrawal response」を除外するために抗アン

ドロゲン剤を中止すべきである 202,203。アンドロゲン受容体の活性

が維持されている可能性があるため、M0 患者では二次ホルモン療

法も可能である。具体的には、抗アンドロゲン剤(最初に内科的ま

たは外科的去勢を受けていた患者の場合)、ケトコナゾール(副腎

酵素の阻害薬)、ステロイド剤、DES またはその他のエストロゲン

製剤の使用により施行可能である 204,205。しかしながら、これらの

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治療戦略の中にドセタキセルベースの化学療法を受けたことのない

患者を対象としたランダム化臨床試験で生存期間の延長が示された

ものは 1 つとしてない。Abiraterone acetate については、ドセタ

キセル投与後の転移性 CRPC という状況で全生存期間の改善が認め

られており、以下で考察している。化学療法を受けたことのない転

移性 CRPC 患者を対象とした abiraterone acetate の別の研究では、

被験者の募集は完了しているものの、結果はまだ報告されていない。

なお全例に対して支持療法を行うべきである。

もはや ADT に反応しなくなった転移陽性の症例では、神経内分泌

分化の可能性を考慮すべきである。当初のグリソンスコアが 9~10

の患者では、特にそのリスクが高い。したがって、神経内分泌分化

のある患者を同定するため、到達可能な病変に対する生検を考慮す

べきであり、診断された場合には、シスプラチン/エトポシドやカル

ボプラチン/エトポシドなどの細胞障害性薬剤を用いた化学療法によ

って管理していく 206。

CRPCにおける骨関連事象の予防

骨転移を有する CRPC 患者では、病変に付随する骨関連事象(SRE)を

予防または遅らせることを目的として、3~4週毎のゾレドロン酸投与か 4

週毎のデノスマブ(120mg)投与が推奨される(カテゴリー1)。SRE の

具体例としては、病的骨折、脊髄圧迫、骨に対する手術または放射線療法

などがある。骨転移を有するCRPC患者に対するゾレドロン酸またはデノ

スマブの至適投与期間については依然として不明である。

ゾレドロン酸は静注用のビスホスホネート系薬剤である。ある多施設共同

試験において、骨転移を有する無症状またはわずかに有症状のCRPC患者

643 人がゾレドロン酸群(3 週毎)とプラセボ群にランダム化された 207。

15 ヵ月時点の解析では、ゾレドロン酸 4mg 群ではプラセボ群と比べて

SRE の発現率が低く(33% vs 44%;P=0.02)、この試験の主要エンド

ポイントで有意差が認められた。24 ヵ月時点での報告では、最初の SRE

発生までの期間の中央値が延長していたことも明らかにされた(488日 vs

321 日;P=0.01)208。全生存率に有意差は認められなかった。その他の

ビスホスホネート系薬剤については、病変に付随する骨合併症の予防にお

ける有効性は不明である。

デノスマブは皮下投与で使用される完全ヒトモノクローナル抗体であり、

RANK リガンドに結合してこれを阻害することにより、破骨細胞機能を鈍

化して全身性の骨吸収と局所での骨破壊を遅延させる。CRPC 患者を対象

としたランダム化二重盲検プラセボ対照試験において、デノスマブとゾレ

ドロン酸との比較が行われた 209。SRE の発現率は両群で同程度であった

が、最初の SRE 発生までの期間の中央値は、ゾレドロン酸群と比べてデ

ノスマブ群では 3.6 ヵ月間延長していた(20.7 ヵ月 vs 17.1 ヵ月、非劣性

検定で P=0.0002、優越性検定で P=0.008)。デノスマブによる重要な

SRE の発現率はゾレドロン酸の場合と同程度であり、脊髄圧迫(3% vs

4%)、放射線療法の必要性(19% vs 21%)および病的骨折(14% vs

15%)であった。

ゾレドロン酸群およびデノスマブ群で報告された治療関連毒性は類似して

おり、低カルシウム血症(デノスマブ群の方が多く 13% vs 6%)、関節

痛、顎骨壊死(発生率は 1~2%)などが認められた。顎骨壊死を発症す

る患者では、以前より歯科的な問題を有していた患者が大半を占めている

(全員ではない)210。顎骨壊死のリスクを低減するため、口腔衛生、高リ

スク患者に対するベースライン時の歯科評価、ならびに治療期間中の侵襲

的歯科手術の回避が推奨される 211。デノスマブまたはゾレドロン酸の投与

を受ける患者には、低カルシウム血症を予防するため、カルシウムおよび

ビタミンDの補充が推奨される。

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ゾレドロン酸を使用するには、投与の指針とするクレアチニンクリアラン

スのモニタリングが必要である。腎機能障害(推定クレアチニンクリアラ

ンス 30~60mL/分)のある患者ではゾレドロン酸を減量し、クレアチニン

クリアランスが 30mL/分未満であれば投与を見合わせるべきである 212。デ

ノスマブは透析患者などの腎機能障害のある患者にも投与できるが、この

ような集団では重度の低カルシウム血症および低リン血症のリスクが高く、

これらの患者に対するデノスマブの用量、投与スケジュールおよび安全性

は明らかにされていない。クレアチニンクリアランス 30mL/分未満または

血液透析中の患者 55人を対象とした研究では、デノスマブ 60mgの投与

が評価された 213。低カルシウム血症がある場合はデノスマブの投与を開始

する前に是正しておくべきであり、血清カルシウム値のモニタリングがデ

ノスマブ投与では必要で、ゾレドロン酸投与では推奨され、必要に応じて

適切に補充も行っていく必要がある 213。

転移性 CRPC に対する救済治療としての全身療法

最近の研究結果を受けて、転移性 CRPC 患者に対する症状の有無に応じた治

療選択肢の幅が広がってきている。現在のところ、この状況に対する全身療

法としてドセタキセル、sipuleucel-T、cabazitaxel、abiraterone acetateの4剤に全

生存期間の延長効果が示されている。

2010年 4月に、新分類である癌免疫療法薬で初めて sipuleucel-Tが米国食品医

薬品局(FDA)に承認された。この自家癌「ワクチン」の使用時には、各患者

から抗原提示細胞を含む白血球分画を採取し、その細胞を前立腺酸性ホスフ

ァターゼ‐顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(PAP-GM-CSF 組換え融

合蛋白)に曝露した後、その細胞を患者の体内に再注入する。ピボタル試験

は第 III相多施設共同ランダム化二重盲検試験(D9902B)であった 214。わずか

に有症状または無症状の転移性CRPC患者 512人が 2:1の割合で sipuleucel-T

群とプラセボ群にランダム化された。ワクチン群の生存期間中央値は 25.8 ヵ

月であり、これに対して対照群では 21.7 ヵ月間であった。Sipuleucel-T 投与に

よって死亡リスクは 22%減少した(HR=0.78;95%CI 0.61~0.98;P=0.03)。

多くみられた合併症は、軽度から中等度の悪寒(54.1%)、発熱(29.3%)、

頭痛(16.0%)などであり、ほとんどが一過性であった。また比較的初期の第

III 相試験(D9901)でも同程度の生存期間の延長が実証されていたが、主要エ

ンドポイント(無増悪期間)では有意差が認められなかった 215。Sipuleucel-T

は転移性CRPC患者に対するカテゴリー1の推奨治療とされた。しかし、この

治療は一般全身状態が良好(ECOG PSが0~1)で期待余命が6ヵ月以上であ

り、内臓病変を認めず無症状または症状がごくわずかな患者に限って推奨さ

れる。病勢の進行が急速な症例では、sipuleucel-T の使用は考慮すべきではな

い。一般的な有益性の指標(PSA値の低下、骨スキャンまたはCTでの改善)

は通常認められないため、現時点で利用可能な検査法では個々の患者におけ

る有益性を確認することができないということを、臨床医および患者は認識

しておく必要がある。臨床的に適応がある場合、特に症状が発現した場合に

は、sipuleucel-Tの使用後も追加の治療を行うべきである。sipuleucel-Tに代わる

許容可能な選択肢は、二次ADTと臨床試験への参加となる。

症状がみられる場合、進行が急速な場合または内臓病変が認められる場合に

ついては、2件の第 III相試験(Southwest Oncology Group[SWOG]9916およ

びTAX 327)において、ドセタキセルベースのレジメンに生存期間の延長効果

のあることが示されている 216-218。3週毎のドセタキセル+ステロイド剤が望ま

しい一次化学療法である(カテゴリー1)。ドセタキセル治療ではPSA値の上

昇だけでは失敗と判断されない。臨床的に進行が明白でない場合は、化学療

法を継続することが有益となる可能性がある。ドセタキセルへのエストラム

スチンの追加については、有効性の向上もなく副作用が増加することが示さ

れており、推奨されない 219。

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ドセタキセル投与に耐えられない有症状の患者では、ミトキサントロンが症

状緩和に有益となる可能性がある。症候性骨転移に対する従来からの選択肢

であるグルココルチコイドおよび EBRT は、限局性の疼痛を有するか病的骨

折が切迫している患者では現在も利用できる。ストロンチウム 89 またはサマ

リウム 153 による全身放射線療法は、緩和化学療法や全身性の鎮痛薬が奏効

しない広範な有痛性骨転移を有する局所的な EBRT の適応ではない患者にお

いて、時に有益となる場合がある 98。全身化学療法の追加への耐容能に影響を

及ぼしうる骨髄抑制のリスクについて、治療開始前に考慮しておくべきであ

る。ドセタキセル治療の適応がない患者には、abiraterone acetateがカテゴリー

2Bの選択肢となる。もう1つの選択肢は臨床試験への登録である。

二次治療における全身療法

転移性 CRPC 症例でドセタキセル治療が失敗に終わった場合の最善の追加療

法については、現時点でコンセンサスは得られていない。選択肢としては、

abiraterone acetate、cabazitaxel、救済化学療法、ドセタキセルの再投与、ミト

キサントロン、二次ADT、臨床試験への参加などが挙げられる。

2011年 4月に FDAは、前治療としてドセタキセルを含む化学療法を受けた転

移性 CRPC 患者に対する低用量プレドニゾンとの併用を適応として、アンド

ロゲン合成阻害薬である abiraterone acetate を承認した。ADT の施行中には多

くの患者において腫瘍内微小環境の autocrine ないし paracrine という形でアン

ドロゲン合成が亢進することが知られているが、abiraterone acetateはわずかな

副腎性アンドロゲンからテストステロン/ジヒドロテストステロンへの代謝を

担う重要酵素であるチトクロム P450 c17(リアーゼ、ヒドロキシラーゼ)を

阻害する 220。

FDA の承認は、前治療としてドセタキセルを含む化学療法を受けた転移性

CRPC 患者を対象とした第 III 相ランダム化プラセボ対照試験の結果に基づく

ものであった 221。被験者は abiraterone acetate 1,000mg を 1 日 1 回経口投与

(797人)する群とプラセボを 1日 1回投与(398人)する群にランダム化さ

れ、両群ともプレドニゾン5mgが1日2回経口で投与された。

この試験では、事前に規定された中間解析において abiraterone acetate 投与群

の全生存期間に統計学的に有意な改善が認められ、その時点で盲検が解除さ

れた。全生存期間中央値は、abiraterone acetate 群の 14.8 ヵ月に対してプラセ

ボ群では 10.9 ヵ月であった(HR=0.646;95%CI 0.54~0.77;P<0.0001)221。

画像上の進行を認めるまでの期間(5.6 ヵ月 vs 3.6 ヵ月)、PSA 値の低下

(29% vs 6%)および疼痛の緩和(44% vs 27%)についても abiraterone

acetateによる改善が認められた。

Abiraterone acetate/プレドニゾンの投与時に認められた主な有害反応(5%以

上)は、関節の腫脹または不快感、低カリウム血症、浮腫、筋不快感、ほて

り、下痢、尿路感染症、咳嗽、高血圧、不整脈、頻尿、夜間頻尿、dyspepsia

および上気道感染症であった。投与の中止に至った主な薬物有害反応は、ア

スパラギン酸アミノトランスフェラーゼまたはアラニンアミノトランスフェ

ラーゼ値の上昇、尿路性敗血症および心不全であった(いずれも abiraterone

投与を受けた患者の1%未満)。Abiraterone acetate投与を受けた患者にみられ

た主な電解質平衡障害は、低カリウム血症(28%)と低リン血症(24%)で

あった。プレドニゾンとの併用下で推奨用量の abiraterone acetate 投与を受け

た被験者において、連日のコルチコステロイド投与を中断した後に、もしく

は同時感染または臨床試験のストレスにより、副腎皮質機能不全(1%未満)

の発現が認められた。したがって、abiraterone acetateによる治療期間中は、血

清電解質のモニタリングを入念に行っていくべきである。Abiraterone acetate投

与により生じうる鉱質コルチコイド過剰の徴候を打ち消す食物を同時に摂取

すると薬物曝露量が増加してしまうため、abiraterone acetateは空腹時に服用す

べきである。そのような徴候としては、高血圧、低カリウム血症、末梢性浮

腫などが考えられる。Abiraterone acetate は経口プレドニゾン(5mg×1 日 2

回)と併用するべきである。

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Abiraterone acetateはすでに臨床的な有益性が実証されており、ドセタキセルを

含む化学療法が失敗に終わった転移性 CRPC 患者に対する新たな標準治療と

されている(カテゴリー1)。当 NCCN 委員会は、転移性 CRPC 患者の中に

はドセタキセルによる化学療法の適応がない患者がいることも認識している。

このような患者においては、abiraterone acetateによる生存期間の延長や症状の

緩和という点での有益性と妥当な毒性プロファイルを考慮すれば、本薬剤と

プレドニゾンとの併用が適切な治療法となる可能性がある(カテゴリー2B)。

しかしながら、ドセタキセルによる治療を試みる前の abiraterone acetate のル

ーチンの使用については、この状況で abiraterone acetate とプレドニゾンの併

用をプレドニゾンと比較するランダム化研究が現在実施中であり、この研究

で高水準のエビデンスが得られるまでは控えるべきである。この試験はすで

に被験者募集が完了しており、間もなく初回解析の結果が発表される見込み

である。

2010 年 6 月に FDA は、前治療としてドセタキセルを含む化学療法を受けた

転移性 CRPC患者に対する治療薬として、化学療法薬である cabazitaxelを承

認した。Cabazitaxel はドセタキセル承認後の最初の二次療法薬であり、その

承認は国際共同ランダム化第 III 相試験の結果に基づくものであった 222。

Cabazitaxel は半合成タキサン誘導体で、有糸分裂を阻害する化学療法薬であ

り、前臨床試験では in vitro および異種移植片として使用されたドセタキセル

耐性細胞に対して活性が確認された。臨床試験では、進行性の転移性 CRPC

患者 755 人が cabazitaxel 25mg/m2 の投与を受ける群とミトキサントロン

12mg/m2の投与を受ける群にランダム化され、両群ともに適切な前投薬と経

口プレドニゾン 1日 10mgの投与が行われた。治療期間は、3週間を 1サイク

ルとして、最大 10サイクルまでとされた。Cabazitaxelの投与により、ミトキ

サントロンの場合と比べて 2.4 ヵ月の全生存期間の延長が認められた(HR=

0.72;P<0.0001)。この cabazitaxel による生存率の改善は、毒性による死亡

率の上昇(4.9% vs 1.9%)を埋め合わせるもので、死亡率の差は主に敗血症

と腎不全の発現率の差に起因していた。発熱性好中球減少症は cabazitaxel 投

与群で 7.5%、ミトキサントロン投与群で 1.3%に認められた。Cabazitaxel 投

与群では、重度の下痢(6%)、疲労(5%)、悪心/嘔吐(2%)、貧血

(11%)および血小板減少症(4%)の発生率も高かったことから、発熱性好

中球減少症を予防するためには、このような状況での監視と治療または予防

を試みる必要があることが示された。

当NCCN委員会は有症状の転移性CRPC患者に対するドセタキセル治療失敗

後の二次治療の選択肢として cabazitaxelを推奨している(カテゴリー1)が、

使用する医師は予防的な白血球成長因子の使用について最新のガイドライン

に従うべきであり、このように強力な前治療歴を有する高リスク集団ではな

おさらである。さらには、支持療法として制吐薬の使用(抗ヒスタミン薬、

H2 拮抗薬、ステロイド剤などの予防的投与)と症状に応じた止瀉薬の投与も

行うべきである。肝機能障害を有する患者での臨床試験が実施されていない

ことから、このような患者には cabazitaxel は使用すべきでない。また

cabazitaxel の投与は、臨床的に病勢進行が認められた場合や患者が投与に耐

えられない場合には、直ちに中止すべきである。

タキサン系薬剤をベースとした治療の適応がない患者では、現在もミトキサ

ントロンが症状緩和を目的とした選択肢の 1 つとなっており、これは症状の

緩和を指標とした奏効率および奏効期間の改善を実証した比較的古いランダ

ム化試験の結果に基づいている。ミトキサントロン、プレドニゾン、デキサ

メタゾンおよび種々の化学療法薬(エストラムスチン、エトポシド、DES、

ビノレルビン、パクリタキセルなど)については、症状の緩和という点では

潜在的有益性を示唆したエビデンスが限定的ながら存在するものの、ドセタ

キセル治療の失敗後にこれらの薬剤によって生存期間が改善されることを示

したランダム化試験は存在しない。治療の目標とリスク/副作用ならびに最善

の支持療法を含めた代替案について医師と患者の間で十分な情報に基づく話

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し合いを行った上であれば、これらの薬剤による治療を考慮することが許容

される。

最近実施された sipuleucel-Tの第 III相試験では、登録前の 3ヵ月間に化学療法

を受けていないことと、登録前の 1 ヵ月間にステロイド剤を使用していない

ことが適格基準の 1 つとされたことから、前治療としてドセタキセルを含む

化学療法を受けていた被験者の割合は 18.2%であった 214。さらに、これらの

被験者は無症状またはわずかに有症状という条件にも該当していた。サブセ

ット解析では、前治療として化学療法を受けた被験者と受けなかった被験者

(そのほかの点では適格基準を満たす)のどちらにおいても、sipuleucel-T 治

療による有益性が認められた。しかしながら、化学療法の失敗後または化学

療法施行後における sipuleucel-T の価値を明らかにするには、さらに多くのデ

ータが必要である。現在承認されている全身療法の選択肢では転帰の改善が

限られることを考慮すれば、すべての転移性 CRPC 患者に対して臨床試験へ

の参加が奨励される。

ドセタキセル治療後のCRPCという状況におけるabiraterone acetateとプレド

ニゾンの併用または cabazitaxel とプレドニゾンの併用については、これらの

薬剤の安全性、有効性、忍容性について入手しうる高水準のエビデンスとそ

れらのエビデンスの各症例への適用に基づいて治療の開始を決定するべきで

ある。この 2 剤を比較したランダム化試験は実施されておらず、また現時点

では、いずれかのアプローチが有益となりやすい患者を同定できる予測モデ

ルやバイオマーカーも存在しない。治療法の選択は、主に患者の意向も含め

た臨床的な検討に基づいてなされる。当NCCN委員会は、画像検査(CT、骨

スキャン)、PSA 検査および診察によって進行所見の綿密なモニタリングを

実施するよう推奨している。PSA 検査または骨スキャンでの変化から真の臨

床的進行ではなく flare の可能性が示唆される場合は、臨床的な病勢進行が認

められるか患者が投与に耐えられなくなるまで治療を継続すべきである 223。

また、それぞれの失敗後も全身療法の適応が維持される患者には、これらの

薬剤の逐次使用も妥当な選択肢となる。

要約

この NCCN 前立腺癌ガイドラインの意図は治療法の決定の基礎となる枠組み

を提供することにある。前立腺癌は複雑な疾患であり、その管理については

論議のある側面も多く、現状では治療法に関する推奨を裏づける健全なデー

タが不足している。前立腺癌の治療法を個別化していく上では、患者および

医師がいくつかの変数(期待余命、疾患の特徴、予測される転帰、患者の意

向など)を考慮する必要がある。

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表 1.北米における Active surveillance の成績

施設 Toronto55 Johns Hopkins51, 56, 57

UCSF54

被験者数 450 769 531

年齢(歳) 70 66 63

追跡期間(ヵ月) 82 36 43

全生存率 68% 98% 98%

CSS 97% 100% 100%

治療率 30% 33% 24%

再分類の理由

グレードの変化 8% 14% 38%

PSA値の上昇 14%* - 26%†

リンパ節転移陽性 1% - -

不安 3% 9% 8%

CSS:癌特異的生存率

* PSA倍加時間<3年 †

PSA年間増加度>0.75ng/mL/年

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