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1 反応工学 Reaction Engineering 講義時間(場所):火曜2(8-1A)・木曜2(S-2A) 担当 :山村 補講 1/31(木)2限 S-2A

反応工学 - oukahp3 ページ!2 管型反応器の体積V[m3]を決定せよ。 ジメチルエーテルの気相熱分解(1) (CH 3) 2 Oo CH 4 H 2 CO ただし反応速度式

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1

反応工学Reaction Engineering

講義時間(場所):火曜2限(8-1A)・木曜2限(S-2A)

担当 :山村

補講 1/31(木)2限 S-2A

2

管型反応器の体積V[m3]を決定せよ。

ジメチルエーテルの気相熱分解(1)

COHCHOCH 2423)(

ただし反応速度式反応速度定数 はともに不明

反応率xA=0.95

まで熱分解

777K

処理量v0=4.8 m3/h

原料はDMEのみ

ラボ実験は自由に行ってよい。

設計仕様

3

反応速度式が不明の場合の手法

a. 全圧追跡法

b. 積分法

c. 微分法

全モル数が変化する場合

全モル数が変化しない場合

a. 積分法

b. 微分法

4

ジメチルエーテルの気相熱分解(2):全圧追跡法

圧力計

OCH 23)(

777K保温

0

20

40

60

80

100

120

0 1000 2000 3000 4000

time [s]

Pre

ssur

e [k

Pa]

実測結果 (777K)

COHCHOCH 2423)(

熱分解により圧力が増加

圧力データから反応率xAと反応速度定数kが求められることを示す。

密閉反応実験

5

ジメチルエーテルの気相熱分解(3):反応率の算出

COHCHOCH 2423)(

A→B+C+D

時刻tにおける成分Aのモル数nAは

)1()( 0 AAA xntn

AADCB xntntntn 0)()()(

t=0ではDMEのみ含まれるから

反応器内の全モル数ntはこれらの和だから

AA

DCBAt

xn

nnnntn

21

)(

0

AAtt xntn 1)( 0

別解

Att xntn 21)( 0

よって)(2

2

)1

1

1

1

1

11(

)1(

00

0

0

0

0

0

0

At

t

A

t

A

t

AA

A

nn

n

n

n

n

n

n

a

d

a

c

a

b

は定義から

6

ジメチルエーテルの気相熱分解(4):反応率の算出つづき

理想気体を仮定する。密閉実験では体積V=一定なので全成分についての状態方程式は

RTnVP A00 反応開始時(t=0)

時刻t RTnPV t

圧力比を取るとA

A

t xn

n

P

P21

00

従って反応率は次式から求められる

1

2

1

0P

PxA

7

時間 t[s] 全圧 P[kPa]

0

390

777

1195

3155

41.6 (=P0)

54.5

65.1

74.9

103.9

124.1

ジメチルエーテルの気相熱分解(5)

反応率 xA

0

0.155

0.282

0.400

0.749

0.992

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 1000 2000 3000 4000

t [s]

xA手順 (1)n次反応と仮定した式を導出する

(2)反応率を式に代入し、図の傾きから反応速度定数を求める

8

AA r

dt

dC

定容系n次反応(n≠1)の場合(1)

n

A

n

A

n

AA xkCkCr )1(0

n次反応の反応速度rAは

上式に代入して

n

A

n

AA xkC

dt

dC)1(0

回分型反応器の設計方程式より

9

CA=CA0(1-xA)であることに注意すると

時刻t=0からtまで積分する。 t=0で反応していない(xA=0)ので

dtkCdx

x

t n

AA

x

n

A

A

0

1

00 1

1

n≠1の場合、積分を実行すると

tkCnx

tkCxn

n

A

n

A

n

A

x

n

A

A

1

0

1

1

0

0

1

)1(11

11

1

t

傾きk

n

A

n

AA

A xkCdt

dxC )1(00

C

n

xn

An

A

1

0

1

)1

(

11

定容系n次反応(n≠1)の場合(2)

10

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

0 1000 2000 3000 4000

0

1

2

3

4

5

6

7

8

0 1000 2000 3000 4000

0

5

10

15

20

25

0 1000 2000 3000 4000

C

n

xn

An

A

1

0

1

)1

(

11

C

n

xn

An

A

1

0

1

)1

(

11

t (s)

n=2

(2次反応)

n=3

(3次反応)n=4

(4次反応)

n>2では直線関係が得られない

定容系n次反応(n≠1)の場合(3)

C

n

xn

An

A

1

0

1

)1

(

11

11

AA r

dt

dC

定容系1次反応(n=1)の場合(1)

体積Vが一定なら、両辺をVで除して

)1(0 AAAA xkCkCr

定容系では1次反応ACの反応速度rAは

上式に代入して

)1(0 AAA xkC

dt

dC

Vrdt

dnA

A

回分型反応器の設計方程式より

12

CA=CA0(1-xA)であることに注意すると

)1( AA xk

dt

dx

定容系1次反応(n=1)の場合(2)

時刻t=0からtまで積分する。 t=0で反応していない(xA=0)ので

dtkdxx

t

A

x

A

A

00 1

1

積分を実行すると

ktxA )1ln()

1ln

(A

x

t

傾きk

13

管型反応器(1)非定容1次反応の場合

非定容系を考える。簡単のため温度・圧力は一定。

モル濃度は

AA

AAA

x

xCC

1

)1(0

dV

dxvCr A

AA 000

AA

AAAA

x

xkCkCr

1

10

と表されるから、成分Aの反応速度は

定常状態における設計方程式は

代入すると

A

A

AA dxx

x

k

vdV

1

10

14

積分すると

Ax

A

A

AAV

dxx

x

k

vdV

0

0

0 1

1

積分を実行して

A

AAA

x

A

A

AA

xx

k

v

dxxk

vV

A

1

1ln)1(

1

1

0

0

0

管型反応器(2)非定容1次反応の場合

15

反応実験から、このDMEの熱分解反応は1次反応 AB+C+D, -rA=kCA , yA0=1, A=2

反応速度定数k=4.3×10-4/s,

体積流量v0=4.8 m3/h

目標反応率xA=0.95

3

4

2.2

95.01

1ln)21()95.0)(2(

103.4

3600/8.4

m

V

管型反応器の設計計算(1)

設計方程式を解くと

A

AAAx

xk

vV

1

1ln)1(0

上の数値を代入すれば

16

管型反応器の設計計算(2):QUIZ

10m

777K

xA=0.95

4.8m3/h

2.2 m3

反応器長さを10mとする。内径5cmの反応管が何本必要か?

1. 10本2. 100本3. 1000本

17

管型反応器の設計計算(3)

内径5cm、長さ10mの反応管を用いるなら

管1本の体積は

322 0196.0)10()105(4

m

反応器体積はV=2.20m3だから、必要な管本数は

1120196.0/2.2 本

112本

10m

777KxA=0.95

4.8m3/h

1818

ミッション:

□ 単一反応、複合反応の反応速度を記述をすることができる□ 定常状態近似により反応速度式を導出することができる□ 律速段階近似により反応速度式を導出することができる□ 連続槽型反応器の設計方程式を導出することができる□ 回分反応器の設計方程式を導出することができる□ 管型反応器の設計方程式を導出することができる□ 自触媒反応器の最適設計ができる□ 回分ラボ実験データから実スケールの反応器体積を求めることができる□ 回分反応器を用いた簡単なバイオリアクターの設計ができる□ 回分反応器を用いた逐次並列反応の設計計算を行うことができる□ 非等温反応器の安定操作条件を算出することができる□ 晶析反応器の設計計算を行うことができる□ 未反応核モデルを用いて管型反応器内の粒子反応を設計できる

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定容回分型実験データを用いた管型反応器設計 report 7 氏名

過酸化ジーtertーブチルの気相熱分解(A→2B+C)の反応式は次のように書ける。

この反応を420.4K、等圧、体積流量v0=0.080m3/h の管型反応器内で行いたいが、反応速度定数等が分かっていない。そこで必要な

反応器体積V [m3]を求めるために、定容回分型反応器を用いた基礎実験を行った。ただし原料中には過酸化ジーtertーブチルのみが

含まれており、反応開始時の全モル数nt0は反応開始時の過酸化ジーtertーブチルのモル数nA0[mol]に等しい。

[問1] 定容回分型反応器内の過酸化ジーtertーブチルの反応率をxAと書けば、全モル数ntは次式で表されることを示せ。

[問2]理想気体を仮定すれば、定容回分型反応器における反応率は全圧Pと反応開始時の全圧P0の関数として次式で表されることを示せ。

[問3] 温度420.4Kの定容回分型反応器で全圧P[kPa]の計時変化を測定したところ、次の結果を得た。1次反応と仮定して時間と

-ln(1-xA)の関係をプロットし、直線関係が得られることを確認せよ。また反応速度定数k[1/s]を求めよ。

[問4]非定容管型反応器の設計方程式から反応率と体積Vの関係は次式で

表される。ただしAは で定義される。

出口における過酸化ジーtertーブチルの反応率が0.90で、直径0.50mの

円柱形管型反応器を設計したい。問3の結果を用いて必要な管型反応器の

体積V [m3]および反応器高さZ[m]を求めよ。

62233333 )(2)()( HCCOCHCHCOOCCH

AACBAt xnnnntn 21)( 0

2/)1/( 0 PPxA

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

t[s]

6.39

2760

0.38

2400

2.36

2040

7.33

1560

3.32

1320

9.30

1080

1.28

600

5.26

360

9.23

0

][

][

kPaP

st

AA

A

A xx

vVk

1

1ln)1()/( 0 -l

n(1

-xA)

AAtt xntn 1)( 0

mZ

mV

V

sk

9.377.0)5.0(

4

77.0

)9.0)(2(9.01

1ln)21(

3600/08.0)1046.1(

/1046.1

2

3

4

4