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第5章 反応器(リアクター) 本章の学習 が必要な背景 我々の関心は,変化する下水の質と量および環境条件(水温等)に対して, ・必要な処理水質を得ることができるATをいかに設計すべきか? ・あるいはまた,建設されたATをいかに運転操作をすればよいか? ということである. 下水の処理で最も一般的に利用されている方法が活性汚泥法 である. 活性汚泥法では,エアレーションタンク (AT) という施設で,流入下水は活性汚泥 (微生物集団)と接 触し,浄化される. そのためには,反応器(AT)内の下水の流れの状況 を正しく知る必要がある. 本章の目的 1)反応器に関する学習を必要とする背景を説明できる. 2)各反応器の特徴を理解し,説明できる. 3)各反応器の浄化率(残存率)等の式を誘導できる. 4)上記3)に必要な数学知識を再確認する. 1.1 反応器の分類 連続槽型反応器 回分反応器 理想流れモデル 非理想流れモデル 完全混合槽モデル 押し出し流れモデル 反応型式による分類 担体の有無 流れの型式による分類 理想流れ・非理想流れ 完全混合槽列モデル 混合拡散モデル 浮遊増殖型 付着増殖型

反応器(リアクター) - maizuru-ct.ac.jp · 溶鉱炉, など (2)連続槽型反応器 反応 反応物質(原料) 生成物質 + 微生物 反応器の後に微生物と生成

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第5章�反応器(リアクター) �

本章の学習 が必要な背景�

我々の関心は,変化する下水の質と量および環境条件(水温等)に対して,�・必要な処理水質を得ることができるATをいかに設計すべきか? �・あるいはまた,建設されたATをいかに運転操作をすればよいか? �

ということである.�

下水の処理で最も一般的に利用されている方法が活性汚泥法である.�活性汚泥法では,エアレーションタンク(AT)という施設で,流入下水は活性汚泥(微生物集団)と接触し,浄化される.�

そのためには,反応器(AT)内の下水の流れの状況を正しく知る必要がある.�

本章の目的�

1)反応器に関する学習を必要とする背景を説明できる.�2)各反応器の特徴を理解し,説明できる.�3)各反応器の浄化率(残存率)等の式を誘導できる.�4)上記3)に必要な数学知識を再確認する.�

1.1 反応器の分類�

連続槽型反応器�

回分反応器�

理想流れモデル �

非理想流れモデル�

完全混合槽モデル �

押し出し流れモデル�

反応型式による分類�

担体の有無�

流れの型式による分類�理想流れ・非理想流れ�

完全混合槽列モデル

混合拡散モデル�

浮遊増殖型�

付着増殖型�

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1.2�反応型式による分類�(1)回分反応器�

④反応終了,生成物と微生物の分離,生成物と余剰微生物の取り出し�

微生物

③反応開始�

②反応物質投入�

①反応物質(原料) 生成物共になし�

微生物

回分反応器が使われている例�

ビール,アルコール, コンクリートミキサ, 食品, 化粧品, 溶鉱炉, など�

(2)連続槽型反応器�

反応

反応物質(原料)�

生成物質�+�微生物�

反応器の後に微生物と生成物を分離するための設備が必要

生成物質�

微生物:回収・処理�

連続的に物質が流入し,連続的に生成物が流出していく.�

連続槽型反応器が使われている例�

エアレーションタンク, 浄水場の沈砂池,ろ過池 焼却炉, 浄化槽, など�

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1.3�流れの形式による分類(連続槽型反応器)�(1)完全混合槽モデル�

反応

反応物質(原料)�

生成物質(製品)�

連続的に流入する反応物質(原料)は,反応器に入った瞬間に反応器内容物と完全に混合される. 反応器内容物は,完全に均一.�

(2)押し出し流れモデル�

進行方向(流れ方向)前後で内容物は混ざり合うことはない. 連続的に流入する物質は,反応器出口に向かって徐々に反応が進む.�

流入� 流出�

1.4�理想・非理想流れ�

(1)理想流れモデル ��理想流れモデルは流れが”理想的”であると仮定したモデル.�

(2)非理想流れモデル ��実際のリアクター内の流れは非理想流れになる.非理想流れを表現するモデルには以下のものがある.�

完全混合槽モデル

押し出し流れモデル�

完全混合槽列モデル

混合拡散モデル�

1.5�担体の有無�

浮遊増殖型��浮遊状態(付着する担体なし)で反応が行われる.����������例�活性汚泥法�

付着増殖型��微生物は単体に付着した状態で反応を行う.����������例�散水ろ床法,回転円板法�

散水ろ床法�

生物膜�

担体�

回転円板�

回転円板法�

拡大�

微生物膜�

拡大�

廃水�

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2.�反応器各論�2.1�回分反応器�濃度C0の汚濁物(廃水)を投入し,一定時間反応させて取り出す.この時,リアクター内の汚濁物濃度Cの時間変化を考える.�

V dCdt

= R

ここで, R:反応速度,V:リアクター容積,

また,r:単位容積当たりの反応速度�とすると,�

dCdt

= RV

= r

容積V�濃度の時間変化�

容積�

(1) rが0次反応の時�

dCdt(= r) = k

r = kk:反応速度定数(<0)

この微分方程式を解く.�

dC = kdt , → dC = kdt → C = k ⋅ t +α∫∫ここで,t=0の時,C=C0�なので�α=C0となる.�

したがって,�

C = k ⋅ t +C0t�

C�

C0� k�

許容濃度�

r = k ⋅C 0反応速度が濃度のゼロ乗に比例する反応を0次反応という.�これは,とりもなおさず,反応速度は濃度に比例しないということ.�

A →r

′ A , r = k ⋅CA0 = k

(2) rが1次反応の時�

dCdt(= r) = k ⋅C

r = k ⋅C k:反応速度定数(<0)

この微分方程式を解く.�

dCdt

= k ⋅C ⇒ 1CdC∫ = k ⋅dt∫ ⇒ Ln(C) = k ⋅ t +α

ここで,t=0の時,C=C0�なので�α=Ln(C0)となる.�したがって,�

Ln(C) = k ⋅ t + Ln(C0)

Ln(CC0) = k ⋅ t

C = C0 ⋅ek⋅t

t�

C�

C0�

許容濃度�

指数関数的に減少�

r = k ⋅C1反応速度が濃度の1乗に比例する反応を1次反応という.��

A →r

′ A , r = k ⋅CA1 = k ⋅CA 2.2�連続槽型反応器�

2.2.1�水理学的滞留時間�

容積V�

流量Q�

�容積Vの反応器に流量Qの液体が流入している.�この時,水理学的滞留時間(HRT)を以下のように定義する.�

HRT = VQ

反応器容積:�V [m3]�流量:�Q [m3/hr]�HRT:[hr]�

HRTは,反応器に入ってきた液体が反応器内に平均的に留まる時間を表す.�HRTが大きい(長い)ほど,�→�液体に含まれている物質は長い時間反応を受ける.�

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2.2.2�完全混合槽モデル(CSTR) �

容積V�反応器内物質濃度C�

流量Q�流入物質濃度Cin�

Q,C�C�

V dCdt

= Q ⋅Cin −Q ⋅C + R (1)

反応器での物質収支を考える.�

反応器内の物質の変化量� 流入物質量� 流出物質量� 反応量�=� ー� +�

dCdt

= QV⋅ (Cin −C) + R

V

HRT = VQ, r = R

V R:単位容積当たりの反応速度�

反応を1次反応とする. �

r = −k ⋅C

・・・完全混合槽の物質収支式�

思い出せ!CSTRでは内容物濃度は完全に均一

つづき�

dCdt

= 1HRT

⋅ (Cin −C) − k ⋅C

dCdt

= −( 1HRT

+ k) ⋅C + CinHRT

dCdt

+ ( 1HRT

+ k) ⋅C = CinHRT

(2)

(2)式は濃度Cについて,線形微分方程式の形になっている.�

p(t) = 1HRT

+ k , q(t) = CinHRT

とおくと,(2)式は以下のようになる.�

dCdt

+ p(t)C = q(t) (3)

(3)式の解は以下のとおり.�

C = e− p(t )dt∫ ( q(t) ⋅e p(t )dt∫ dt +α∫ )α:積分定数�

p(t)dt = ( 1HRT

+ k)∫∫ dt = ( 1HRT

+ k) ⋅ tつづき�

C = e−( 1HRT

+k )⋅ t× ( Cin

HRT⋅e( 1HRT

+k)⋅ t∫ dt

= e−( 1HRT

+k )⋅ t× CinHRT

× 1

( 1HRT

+ k)e( 1HRT

+k)⋅ t

= CinHRT

× 1

( 1HRT

+ k)

= CinHRT

× HRT1+ k ⋅HRT

= Cin1+ k ⋅HRT

(4)

η = CCin残存率ηを� で定義すると,(4)式は次式になる.�

η = 11+ k ⋅HRT

(教科書p212,式(4.7)のn=1の場合)�

2.2.3�押し出し流れモデル�

x� Δx�

速度u�濃度Cin�

断面積s�

は混ざり合うことはなく,反応器出口に向かって徐々に反応が進む.この時,反応器流入端から距離xにおける微小区間Δxにおける物質収支を考える.�

流入�C(x)�

Δx

流出�C(x+Δx)�

反応� 流出�

反応�

流入�

u ⋅ s ⋅C (x)

u ⋅ s ⋅C (x + Δx)

r ⋅ s ⋅ Δxr:単位容積当たり反応速度�

u ⋅ s ⋅C (x) + r ⋅ s ⋅ Δx = u ⋅ s ⋅C (x + Δx) (1)

流入物質量� 流出物質量�反応量�+� =�

�断面積S=一定の反応器に,速度u(=一定)で物質が流入している.進行方向(流れ方向)前後で内容物�

反応は距離の関数

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C (x) −C (x + Δx) + r ⋅ Δxu

= 0

つづき�(1)式をu・sで割って,整理する.�

第2項を1次微分項までのテーラー展開で近似する.�

C (x + Δx) ≈ C (x) + dCdx

Δx

C (x) −C (x) − dCdx

Δx + r ⋅ Δxu

= 0

dCdx

= ru

(2)

x = u ⋅ t , dxdt

= u , dx = u ⋅dt

dCu ⋅dt

= ru

→ dCdt

= r (3)

ここで,�

(3)式は,回分反応器の場合と同じである.�rを1次反応とすると,�

dCdt

= r = k ⋅C (4) k<0�

つづき�(4)式を解くと,�

1CdC = k ⋅dt → 1

CdC∫ = k ⋅d∫ t

Ln(C) = k ⋅ t + Ln(Cin )

Ln(CCin) = k ⋅ t

C = Cin ⋅ek⋅ t

η = CCin = ek⋅ t残存率ηは,�

2.3�完全混合槽列モデル�

�現実の反応槽は完全混合槽モデルでも押し出し流れモデルでもない流れの状況を呈する.完全混合槽列モデルは,実際の反応槽を連続した多数の小さい完全混合槽で近似するモデルである.�

流入�

流入�

流出�

流出�

v:小さい完全混合槽の容積 �V:全体の容積(V=v×n)�Q:流量(一定)�

つづき�

n個の完全混合槽�

容積v�

C0� C1� C2� Ci-1 � Ci � Cn-1� Cn �

第1槽出口の残存率η1�

η1 = C1C0

第2槽出口の残存率η2�

η2 = C2C1

ηi = CiCi−1

第i槽出口の残存率ηi �

第n槽出口の残存率ηn �

ηn = CnCn−1

全体の滞留時間:HRT=V/Q�小反応槽の滞留時間:HRT/n�

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つづき�

全体の残存率ηは�

η = η1 ×η2 × ⋅ ⋅ ⋅×ηi × ⋅ ⋅ ⋅×ηn

各小反応器は完全混合槽であるから,その残存率ηはそれぞれ次式で表される.�

η = 11+ k ⋅ (HRT n)

したがって,�

η = 11+ k ⋅ (HRT n)

⎧ ⎨ ⎪

⎩ ⎪

⎫ ⎬ ⎪

⎭ ⎪

n

⇒ 1+ k ⋅ (HRT n){ }−n

教科書p212,(4.7)式�

Q�‥‥‥

i�C0� C1� C2�

Ci �n�

‥‥‥

1� 2�Cn �Cn-1�Ci-1 �

2.4�完全混合槽列モデルの過渡応答�

�完全混合槽列モデルの各反応槽が,流入物質濃度の変化に対してどのように応答するか確かめる.��濃度ゼロの流体が流れている状態から,時刻ゼロにおいて濃度C0の物質を含む流体を流し始める.��この時,各反応槽の応答を調べる.�

v dCidt

= Q ⋅Ci−1 −Q ⋅Ci + R

第i番目のタンクの物質収支を考える.�

流入� 流出� 反応�タンク内の物質の変化�

つづき�

�ここでは,流れに関した応答を見るので,R=0とする.すなわち,物質は非反応性物質と仮定する.�

v dCidt

= Q ⋅Ci−1 −Q ⋅Ci (1)

反応器全体の水理学的滞留時間を�HRT�とすると,�

HRT = n ⋅ vQ

⇒ Q = n ⋅ vHRT

時刻tをHRTで無次元化して表す.�

θ = tHRT

vHRT

dCidθ

= n ⋅ vHRT

(Ci−1 −Ci ) ⇒ dCidθ

= n(Ci−1 −Ci ) (2)�

v dCid (θ ⋅HRT )

= n ⋅ vHRT

⋅Ci−1 −n ⋅ vHRT

⋅Ci

つづき�(2)式は濃度Cについて線形微分方程式の形になっている.�この式の解は以下のとおり.�

Ci = n ⋅e−nθ Ci−1 ⋅enθ

0

θ∫ ⋅dθ (3)

Ci−1 = C0

C1 = C0 ⋅n ⋅e−nθ enθ

0

θ

∫ ⋅dθ

=C0 ⋅n ⋅e−nθ

0

θ

enθ

n

⎣ ⎢

⎦ ⎥

=C0 ⋅n ⋅e−nθ ⋅ 1

n⋅ enθ −1( )

=C0 ⋅ 1− e−nθ( )

C1C0

= 1− e−nθ( ) (4)

(1)�i=1の時�

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つづき�

C1 = C0 1− e−nθ( )

C2 = C0 ⋅ n ⋅e−nθ 1− e−nθ( ) ⋅enθ ⋅dθ

0

θ∫

C2C0

= 1− e−nθ (1+ n ⋅θ ) (5)

= C0 ⋅n ⋅e−nθ

0

θ

enθ

n−θ−1

n

⎣ ⎢

⎦ ⎥

= C0 ⋅e−nθ enθ−n⋅θ−1[ ]

= C0 ⋅ 1−e−nθ(1+n⋅θ)[ ]�

= C0 ⋅n ⋅e−nθ (enθ −1) ⋅dθ

0

θ∫

(2)�i=2の時�

= C0 ⋅n ⋅e−nθ

0

θ

enθ

n−θ

⎣ ⎢

⎦ ⎥

つづき�以下同様に計算すると,n番目のタンクの応答は次式になる.�

Fθ = CnC0

= 1− e−nθ 1+ n ⋅θ + (n ⋅θ )2

2!++ (n ⋅θ )

n−1

(n −1)!

⎣ ⎢

⎦ ⎥ (6)

この式は教科書p212の式(4.5)と同じ.�図4.6を見よ.これより,以下のことがわかる.�

(1)完全混合槽モデルでは,HRTに満たない時間で流出していく成分がある,�

(2)nの数が増すと,この割合は減少する,�

(3)nが無限大で,押し出し流れモデルになる,�

0 1 2

n=1n=2n=3n=4

n=∞

1.0

0.5

t/HRT

Cn/C0

2.5�混合拡散モデル�

x� Δx�

速度u�濃度Cin�

断面積s�

流入�C(x)�

Δx

流出�C(x+Δx)�

反応�

�押し出し流れモデルでは,流れ方向前後に物質が混ざり合うことはないと考えた.混合拡散モデルでは,”拡散”によって物質が混合されることを考慮する.��断面積S(一定)の反応器に,速度u(一定)で物質が流入している.この時,反応器流入端から距離xにおける微小区間Δxにおける物質収支を考える.��物質濃度Cは,距離xと時刻tの関数である.�

変化をもたらす現象�

(1)流れによる物質の流入�(2)拡散による��〃�(3)流れによる物質の流出�(4)拡散による��〃�(5)反応による変化�

つづき�

フィックの拡散法則 �

拡散とは,物質の濃度勾配に比例して物質が移動する現象.�単位時間,単位面積当たりに拡散によって物質が移動する量を拡散束(J)と呼ぶ.Jは次式で表される.単位はそれぞれ以下のとおり.�

J = −D ⋅ ∂C∂x

J :[ gm2 ⋅ s

], D :[m2

s], ∂C

∂x:[gm3m

]

濃い� 薄い�

濃度C�

距離x��

∂C∂x

< 0

比例定数Dを拡散係数という.�

Dが大きい�→�その物質の広まる������������(混合される)程度は強い,�Dが小さい�→�その物質の広まる��������(混合される)程度は弱い,�

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つづき�

(1)流れによる物質の流入速度�

u ⋅ s ⋅C (x) (1)

(2)拡散による物質の流入速度�

u ⋅ s ⋅C (x + Δx) ≈ u ⋅ s ⋅ C (x) + ∂C (x)∂x

Δx⎧ ⎨ ⎩

⎫ ⎬ ⎭ (3)�

s ⋅ J = s ⋅ (−D ⋅ ∂C (x)∂x

) (2)

(3)流れによる物質の流出速度�

(4)拡散による物質の流出速度�

s ⋅ J = s ⋅ (−D ⋅ ∂C (x + Δx)∂x

)

≈ s ⋅ −D ⋅ ∂∂x

C (x) + ∂C (x)∂x

⋅ Δx⎧ ⎨ ⎩

⎫ ⎬ ⎭

⎣ ⎢

⎦ ⎥

= s ⋅ −D ⋅ ∂C (x)∂x

−D ⋅ ∂2C (x)∂x 2

⋅ Δx⎧ ⎨ ⎩

⎫ ⎬ ⎭

(4)(5)反応による物質の変化速度�

r ⋅ s ⋅ dx (5)r:反応速度定数�

つづき�

物質収支式�

(6)微小体積における物質の変化速度�

∂∂t

s ⋅ Δx ⋅C (x){ } = s ⋅ ∂C (x)∂t

⋅ Δx (6)

微小体積における物質の変化速度� =� 流出�流入� 反応�ー� +

(6) = (1) + (2) − (3) − (4) + (5)

∂C (x)∂t

= D ⋅ ∂2C (x)∂x2

− u ⋅ ∂C (x)∂x

− r

物質収支式に(1)~(6)式を代入し整理すると次式が得られる.�これは1次元の拡散方程式である.�

D→0�押し出し流れモデル �D→∞�完全混合槽モデル�

に近づく��

r = kr = k ⋅C (x)

0次反応:�1次反応:�