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1 「水上紀行のマーケットフォーカスト」 Weekly レポート 2019 9 1 Copyright (C) 2014 Banya Market Forecast All Rights Reserved. 今 週 の 見 通 し 週末の値(インターバンクのレート) ドル/円 106.25、EUR/USD1.0994、EUR/JPY116.81 ドルの合的な弱をすドル・インデックス 【ドル・インデックスの週足(上がドル高、下がドル)】 上昇です。

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「水上紀行のマーケットフォーカスト」 Weekly レポート 2019年 9月 1日

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今 週 の 見 通 し

先週末の終値(インターバンクの公式レート) ドル/円 106.25、EUR/USD1.0994、EUR/JPY116.81 ドルの総合的な強弱を示すドル・インデックス 【ドル・インデックスの週足(上がドル高、下がドル安)】

上昇です。

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シカゴ IMM ポジション 【シカゴ IMM のポジション】 8 月 13 日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング 173,451 枚vsユーロショート 212,255 枚、ネットユーロショート 38,804 枚(8 月 27 日 ショート 37,977 枚)です。 また、同時点の円は、円ロング 59,795 枚 vs 円ショート 26,188 枚、ネット円ロング 33,607 枚(8 月 27日 ロング 31,154 枚) つけ加えて、同時点のポンドは、ポンドロング 38,143 枚 vs ポンドショート 127,171 枚、ネットポンドショート89,028 枚(8 月 27 日 ショート 92,418 枚)です。 ユーロは、ネットショートは、微増です。 円のネットロングは、微増です。 ポンドのネットショートは、やや減少です。

□□ 今週の注目点 -----------------------------------------------------------

特に今回触れておきたい点は、以下となります。 1.ドル/円は、目先は保ち合い(もちあい)か? 2.EUR/USD は、下落を続けるのか? 3.EUR/JPY、続落の可能性? 4.GBP/USD は、下落再開か?------------------------------------------------------------------------------------------------

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1. ドル/円は、目先は保ち合い(もちあい)か?

■■ ここが重要!──────────────────────────■

� テクニカル的には 104 円台半ばが強いサポートとなっている � 今週は、リスク回避につながるイベントが盛り沢山で、円買い圧⼒も強まる可能性 � しかし、攻守ともに引けぬ局面だけに、結果的に保ち合いもありか?

■─────────────────────────────────■

【ドル/円 月足】

まず、今の状況を、テクニカル的に⾒ますと、2018 年 3 月の安値 104.58 近辺、今年の 1 月 3 日のフラッシュバックでつけた 104.30 近辺、そして先週月曜の 104.45 近辺と、104.50 近辺でサポートされています。 その上に、200 カ月の移動平均線は 104.43 近辺と、要は、非常に強いサポートの前に今来ています。 したがって、サポート手前で足踏みをしているのだと思います。 しかし、⽶中貿易摩擦に⽌まらず、ブレグジット、イタリアの政局、ドイツの景気後退、⾹港の抗議デモ、アルゼ

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ンチンの政局など、リスク回避の種は尽きず、基本的には、リスク回避の円買いが続くものと思われ、トレンドは、下げだと思います。 そうした中、今週は、実にいろいろなことがあります。 すでに、本日は、中国の対⽶報復関税発動、日本時間の 22 時には⽶国の対中制裁関税第 4 弾の発動。 明日は、レイバーデーでニューヨーク休場ですが、明後日、3 日には、英国議会開会、欧⽶勢の実質的な下期のスタート、6 日⾦曜には⽶雇⽤統計、パウエル FRB 議⻑も出席する討論会もあります。 また、⾹港の抗議デモもかなり緊迫感が高まっています。 つまり、リスク回避につながるようなイベント盛り沢山の中、保ち合い(揉み合い)で済むのかということです。 また、3 日が欧⽶勢の下期のスタートなら、そこからヘッジ的な円買いが強まる可能性も高く、今週は油断の出来ない週だと思います。 しかし、テクニカル的には、特に 104 円半ばがサポートされていますので、基本的に戻り売り、下がったら利⾷い、、また戻ったら売るということを繰り替えずことが必要ではないかと思います。 尚、GPIF の覆面介入も下がれば出る可能性は高く、その意味では、ドル/円で正攻法に攻めるよりも、今注目の EUR/JPY で、マーケットは攻めてくる可能性もあります。 なぜなら、財務省・日銀にとっての関⼼事は、ドル/円だからです。 ただし、マーケットで EUR/JPY で攻めてくると、過去に稀ではありましたが、EUR/JPY で介入が出動したことがありますが、GPIF を経由して EUR/JPY で出るかは、未知数です。 尚、GPIF 経由とは言え、財務省・日銀の 105.00 近辺での抵抗は、あくまでも、100 円死守のためであり、この外堀を埋められると、かなり苦しくなるものと⾒ています。 しかし、ドル/円は、もはや、⾦やスイスフランとともに、世界的なリスクの回避地として、⼤量の資⾦流入が起きており、いくら世界⼀の年⾦運⽤機関 GPIF を持ってしても、流れは変えられないものと⾒ています。 ということで、今は攻守ともに引けないところであり、だからこそ保ち合いとなるとも言えるかもしれません。

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2. EUR/USD は、下落を続けるのか?

■■ ここが重要!──────────────────────────■

� アルゴリズムの失敗がユーロ安を生んだ? � トランプ⼤統領が、ユーロ安ドル高に不満を漂わせる

■─────────────────────────────────■

【EUR/USD 週足】

ここにきて、EUR/USD は、年内安値を更新して、下げ足を速めています。 今年前半の下げ渋りがなんだったのかと思われます。 たぶん、最近、アルゴリズムがトランプ⼤統領の不規則発言でうまく⾏っていないためだと思います。 現在、⽶系ファンドは、アルゴリズムを中⼼に、逆張り的な高速取引で利益を上げてきたようですが、すっかりト

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ランプ⼤統領の、統計が当てはまらないような発言発想に振り回されているようです。 特に、今まで、EUR/USD で、この⽶系ファンドによってアルゴリズムが活発に⾏われていただけに、アルゴリズムがうまく回らなくなった分、マーケットが動きやすくなったものと思われます。 そして、もともとのファンダメンタルズ的なユーロの劣勢が、相場に反映されてきたものと思われます。 【ドル・インデックス 週足】

ただし、これによって、ドル・インデックスが高値を実体で更新してきており、これが、トランプ⼤統領の機嫌を損ねているようで、ここにきて、また EU はユーロ安で⽶国から利益を得ているといったツィートが、先週⾦曜日にもありました。 ドル・インデックスを構成する中で、ユーロが 57.6%も占めていますので、EUR/USD がユーロ安ドル高になると もろにドル・インデックスがドル高になります。 そして、以前ブルムバーグで何度か取り上げられた、⽶国の為替介入の件が、今度は、今日、ロイターに取り上げられています。

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ロイター「トランプ政権がドル高是正介入に動く可能性とその効果」 https://jp.reuters.com/article/forex-dollar-intervention-idJPKCN1VJ059 トランプ⼤統領の頭の中には、⽶国の貿易収⽀改善には、実質的貿易不均衡の是正か、為替での調整しかないようで、それから⾏くとどこかでは、ドル売りユーロ買い介入、そしてそのしわ寄せでドル安円高もありえるのではないかと思われ、それを考えると、対ドルのユーロ安に乗り切れないところが、正直あります。

3. EUR/JPY、続落の可能性?

■■ ここが重要!──────────────────────────■

� 今後も、基本的にリスク回避の円買いをリードするものと⾒ている � ただし、米国の EUR/USD の買い介入には注意が必要

■─────────────────────────────────■

【EUR/JPY 週足】

前回、「リスク回避の円買いをリードするか?」と申し上げましたが、その通り下げてきています。 先週⾦曜 116.81 で引けたことにより、1 月 3 日のフラッシュクラッシュの安値を実体でしっかりと下回りました。

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【ドイツ国債 10 年物利回り(過去 5 年)】

連動性の強いドイツ国債 10 年物利回りも、安値圏に張りついており、基本的にはまだ、下げだと思います。 ただ問題は、上記で申し上げた、⽶国の為替介入の可能性です。 もちろん、⽶国が、EUR/USD で、ユーロ買いドル売りの介入をすれば、EUR/JPY も⼀時的にせよ、反発は免れないと思います。 しかし、ドイツ国債の 10 年物利回りが、⼀時-0.70 を割るような状態では、EUR/USD 自体も上げ続けることはできず、また緩んで来るでしょうhし、ドル売り介入をすれば、ドル/円が売られることになりますので、結果的に、EUR/JPY の戻りは⼀過性で、EUR/JPY は再び下がるものと思われます。 なお、投機通貨だけに、下げ⽌まれば、⼤きく買い戻される局面がありますので、個人的には、ドル/円と同様、戻ったら売り、下がったら利⾷いの繰り返しが効率的ではないかと⾒ています。

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4. GBP/USD は、下落再開か?

■■ ここが重要!──────────────────────────■

� 当面は、1.1900〜1.2300 近辺のレンジか?

■─────────────────────────────────■

【GBP/USD 週足】

9月3日、英国議会開会後、早速、ブレグジットの結論を早めるために(?)、ジョンソン首相は議会の休会しようとしているもようで、またしても、混乱から、GBP/USD は目先売られる可能性は高そうです。 ただし、もうマーケットもかなりポンドの流動性にリスクを感じていますので、ワンウェイ(⼀⽅通⾏)の資⾦の流れがない中、かなりホットの投機資⾦だけが、往ったり来たりするように思われ、ざっくりと申し上げて、1.1900〜1.12300 ぐらいのレンジの中で、ドタバタするのではないかと⾒ています。

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ク ロ ス 円

■■ ここが重要!──────────────────────────■

� 概ね、保ち合い(もちあい)状態にいますが、トレンドは、依然として、下だと思われます。 � すぐに下落を再開するかどうかはドル/円によるところが⼤きいと思います。 � ただし、EUR/JPY がリードする可能性もありますので、EUR/JPY の動向にも注意が必

要です。

■─────────────────────────────────■

GBP/JPY 【GBP/JPY 日足】

日足で⾒ますと、先週末を 129.23 近辺引けの陰線で終えており、目先重そうです。 【GBP/USD 月足】

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ただし、月足で⾒ますと、2016 年 11 月の寄り付き 128.32 近辺が強いサポートとなっており、月足の実体(ロウソク足の寄り付きと引け値の間の太い部分)で割り込まなければ、まだ目先は保ち合い(もちあい)になるものと⾒ています。 ただし、トレンド的には、下げだと思われます。 AUD/JPY 目先は、保ち合い状態ですが、週足で⾒ますと、下落過程にあります。 69.45 近辺が、1 月 3 日のフラッシュクラッシュの安値であり、これをm週足の実体で割り込むと下げやすくなると⾒ています。 NZD/JPY 下落途上にいます。 当面、64.00 を目指すものと⾒ています。 CAD/JPY 目先は、保ち合いながら、下落トレンドの中にいます。 すぐに下がるかどうかは、ドル/円次第だと思います。

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他 のプロダクツ(投 資 対 象 )の動 向

それでは、その他のプロダクツ(投資対象)の動向を⾒てみましょう。 ニューヨークダウ

横ばいです。 米国債 10 年物利回り

安値圏で横ばいです。 原油価格の週足

横ばいです。

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⾦価格の週足

高値圏で横ばいです。 商品相場の総合的な強弱を示す CRB Index の日足

横ばいです。 これらから示唆されるのは、ダウも⽶国債利回りも横ばいですので、ドル/円も横ばいではないかと思われます。 EUR/USD と相関関係があるとされる、原油も⾦も商品も横ばいですので、EUR/USD も横ばいではないかと思われます。

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今 週 の注 目 イベント・経 済 指 標 発 表

それでは、最後に、今週の注目イベント・経済指標発表は、以下の通りです。 1 日(日) ⽶国が対中関税「第 4 弾」発動(総額約 3000 億ドル相当)、中国が対⽶報復関税発動 2 日(月) 8 月の中国の財新製造業 PMI、ニューヨーク市場はレーバーデーで休場 3 日(火) RBA(豪中銀)政策⾦利決定、8 月の ISM 製造業景況指数、英議会開会 4 日(水) ⿊⽥日銀総裁挨拶、豪州第2四半期GDP、7月の⽶貿易収⽀、⽶地区連銀経済報告(ベ

ージュブック) 5 日(木) 麻生財務相挨拶、8 月の ADP 雇⽤者数、7 月⽶製造業受注、8 月の ISM 非製造業景況

指数 6 日(⾦) 7 月の日本の景気動向指数、ロシア中銀政策⾦利、8 月の⽶雇⽤統計、パウエル FRB 議⻑が

経済⾒通しと⾦融政策について討論 7 日(土) 8 月の中国の外貨準備高 8 日(日) 8 月の中国の貿易収⽀ 以上