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　大学史資料室では学術情報総合センター 1 階の展示スペースを利用し、ここ数年来、各部局

の紹介を主たるテーマに展示を行ってきたが、概ねそれも一段落したことから、第 26 回展示

では、いわゆる「記念誌」を通じて本学の歴史を振り返るという試みを行った。以下に展示の

記録として、その際作成したパンフレットを再掲することとする。

　周知のように、本学における質量ともに最もまとまった年史としては、1880 年の大阪商業

講習所創立から 100 周年を記念して編纂された『大阪市立大学百年史』がある。また近年で

は 2007 年に 125 年史の編集が行われ、これらの蓄積を基礎に主に学生向けに、『大阪市立大

学の 125 年──1880 ～ 2005 年──』『大阪市立大学の歴史──1880 年から現在へ──』が

作成され、現在も自校史教育などに活用されている。

　しかし、本学はいくつもの源流（いわゆる前身校）が合流して総合大学として歩み始めたと

いう歴史を有しており、これら前身諸校も数多の年史類を編纂してきた。また、研究科・学部

あるいは教室単位でも、同様の編纂物が生み出されている。このような普段は目にする機会の

少ない年史類を中心に、その紹介も兼ねた展示を行った。資料室による解説・説明などは最小

限にとどめてあるが、これは引用した記事や写真・図などを通じ、年史そのものに歴史を「語っ

てもらう」という趣向である。

　展示・パンフレットとも、「前身校」および「新制大阪市立大学」の二つのコーナーから構

成した。このうち前者では「大阪商科大学」「大阪工業学校」「市立西区高等実修女学校」「市

立医学専門学校」「経済研究所」など、本学の源流ともいうべき前身諸校・組織の当時の状況

や特徴をうかがう事のできるトピックを抽出している。資料室では多くの年史類から、各校一

つのみに絞って記事を選び出すのに苦労したが、この作業を通じ、本学の有する長い歴史と伝

統を改めて認識することができた。

　また後者では、各研究科教員から選出された大学史資料室運営委員会委員に、自身の所属す

る研究科・教室・組織の年史類を通読してもらい、その特徴をよく表していると考えられる記

事の抽出と説明文の執筆とを依頼した。したがって、たとえ書かれた時期は古くとも、現役教

員が取り上げたこれらの記事のなかには、現在も各研究科や組織に－意識的あるいは無意識の

うちに－脈々と受け継がれている特色や伝統が含まれていると考えることも可能であろう。

　予算や人員の関係上、展示もパンフレットも毎回「手作り感」満載ではあるが、これらを通

じ本学あるいは各学部・研究科の有する特徴や伝統の一端を感じていただけたなら、大学史資

料室として望外の喜びである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安竹貴彦（大学史資料室長）

≪展示記録≫

大学史資料室第 26 回展示 （2013 年 8 月～ 2014 年 6 月）

「年史類にみる大阪市立大学」

第26回展示「年史類にみる大阪市立大学」 97

2013（平成 25）年 8月～ 2014（平成 26）年 6月

大阪市立大学史紀要　第 7 号（２014年）98

第26回展示「年史類にみる大阪市立大学」 99

（図 2）市立大阪工業学校（『“都の葦 ” 第 5輯・温故智新』より）

（図 1）大阪商科大学平面図（『大阪商科大学六十年史』より）

大阪市立大学史紀要　第 7 号（２014年）100

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（図 3） 大阪市立西区高等実修女学校 （大阪市立高等西華女学校『創立拾七年沿革略史』より）

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（図 4）終戦直後の市立医専付近の状況図（『大阪市立医学専門学校概要』昭和 21年 3月より）

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（図 5）（『大阪市立大学経済研究所概要 －創立 60 周年を記念して－』）より

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（図 6）『商海への船出』表紙

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（図 7） 広島大学高等教育研究開発センターホームページ 「全国校章大学めぐり－第８話　マーキュリー （ヘルメス）の翼に乗って－」を参考に作成

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10 50

2003 7

20

7 27

50

（図８） 元法学部研究室 （現学生サポートセンター） （『大阪市立大学百年史・部局編』より） （図９） 文学部創立 50 周年記念国際シンポジウム

「再発見　都市大阪のこころと文化」 （2003年 7月 20日　於大阪国際交流センター）

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（図 10） 理学部附属植物園 （創立当時） （『未来・輝き－植物園創立 50周年記念－』より）

（図 11） 理工学部創設当時の北学舎（扇町校舎） （『大阪市立大学の百年』より）

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〔女専：大阪市立女子専門学校　しらがばし学舎：西区

白髪橋付近にあった当時の学舎〕

（図 12） 阪神・淡路大震災におけるボランティア活動 （『生活科学部の五十年』より）

（図 13）医学部学舎の「三女神像レリーフ」（撮影：三木幸雄）　　　　 向かって右から本を抱く「智」、薬壺を持つ「仁」、　　　　月桂樹を腕にする「勇」の女神

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（図 14）看護専門学校戴帽式 （『大阪市立大学百年史・部局編』より）

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（図 15） 当時、学舎返還運動をしていた学生作成のアルバム（昭和 29年）より

〔池田克彦氏編集、葛野豊氏撮影〕

第26回展示「年史類にみる大阪市立大学」 111

（図 16） 創造都市研究科（2003 年 4月開講） 学生募集のポスター

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