3
られる られる られる られる S (ブライトスポット) (ブライトスポット) (ブライトスポット) (ブライトスポット) 大学大学院 センター 1. じめに する から, S に卓越する られる.1997 10 から 1999 4 2 され, 38°N40°N)に された. られた データ するこ により, ,活 されていた S (ブライ トスポット)が,より 域に しているこ いだした.これら られるように, めて大きいこ から,ブライトスポット たされている される.ここ S (ブライトスポット) 較し がら について する. 2.データ え, たに 50 テレメター し,ほぼ 20km した. いた した. -1 す. S に卓越し,S があるこ ,また S から,こ から して する SxS えられる. 2 いて,SH SV した. -1に したように した るこ により,SxS および 易に り,(SxS-Sした. -2 す. Vs=3.0km/sec して, により した. 1 するこ により, 対位 させた. 2 SxS (a),(b),(c) 4 abc にそれぞれ す.

東北日本弧の地殻中深部に見られる顕著な S 波反射面 ......他,1998),1962 年宮城県北地震(M6.2)の震源断層に沿った 東西鉛直断面に地震波トモグラフィ(Nakajima

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 東北日本弧の地殻中深部に見られる顕著な東北日本弧の地殻中深部に見られる顕著な東北日本弧の地殻中深部に見られる顕著な東北日本弧の地殻中深部に見られる顕著な SSSS波反射面(ブライトスポット)波反射面(ブライトスポット)波反射面(ブライトスポット)波反射面(ブライトスポット)

    東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター 堀修一郎,海野徳仁,長谷川昭

    1.はじめに 東北地方内陸に発生する浅発地震の観測波形から,直達 S波の後に水平動成分に卓越する顕著な後続波が見られる.1997年 10月から 1999年 4月まで約 2年間,東北脊梁山地合同地震観測が実施され,東北地方南部及び中央部(38°N~40°N)に稠密な観測網が展開された.我々は稠密観測網で得られた観測波形データを精査することにより,従来,活火山地域や大地震の震源域近傍にのみ見出されていた S 波反射面(ブライトスポット)が,より広域に存在していることを見いだした.これらの反射波に見られるように,反射係数が極めて大きいことから,ブライトスポットの内部は流体で満たされていると推定される.ここでは,S 波反射面(ブライトスポット)の分布と地震活動,速度構造などを比較しながら地殻内不均質構造について報告する. 2.データと解析 東北脊梁山地合同地震観測では定常観測点に加え,新たに 50 点の衛星テレメター観測点を新設し,ほぼ 20km 間隔の稠密観測網を構築した.解析に用いた地震の震源は均一観測点法で決定した.図-1には約2年分の震源分布を示す.

    S 波の後続波は水平動成分に卓越し,S 波の振幅と同程度の振幅を示す場合があること,また直達 S波との走時差から,この波は震源から射出され地下の速度不連続面で反射して地表に達するSxS波と考えられる.波形記録は水平動 2 成分を用いて,SH 成分と SV 成分を合成した.図-1に示したように狭い領域内に発生した地震群の波形を並べることにより,SxS 波の検出および験測が容易になり,(SxS-S) 時間の読み取り精度が向上した.図-2 に波形記録例を示す.反射面はVs=3.0km/secの均質速度構造を仮定して,鏡像観測点により決定した.

    図‐1 震央分布.灰色枠内に発生し浅発地震を均一観測点法で決定することにより,震源の相対位置の決定精度を向上させた.

    図‐2 SxS波の記録波形.(a),(b),(c)の反射点の位置を図‐4の a,b,cにそれぞれ示す.

  • 図‐3 反射面の深さ分布を示す鉛直断面の位置.

    3.S波反射面の空間分布 得られた顕著な S波反射面の分布を図-4に示す.図から明らかなように,地震発生層の下限と S波反射面

    の深さ分布には相関が見られる.長谷川ほか(Hasegawa et al.,1999)によれば,内陸の地震発生層の下限の深さは 350~400℃の等温線にほぼ一致している.詳細に見ると,1896年陸羽地震(M7.2)の地震断層である千屋断層付近では,S波反射面は深くまで分布している.1998年雫石地震(M6.1),1998年仙台地震(M5.0) (Umino et al., 2002),1962年宮城県北地震(M6.2) (河野他,1993)では震源断層の下部やその延長上に S波反射面が多く分布している.後者は,ディタッチメントフォールトの一部分を見ているかもしれない.

    図-5 には鳴子火山と 1996 年鬼首地震(M5.9 と M5.7) (海野他,1998),1962 年宮城県北地震(M6.2)の震源断層に沿った東西鉛直断面に地震波トモグラフィ(Nakajima et al., 2001)と S波反射面を重ねて示す.活火山・地熱地域の鬼首付近では反射面の深さの下限は約 10km程度と浅く,M6.5の地震の震源域では約 18km程度の深さまで反射面が存在している.この M6.5 の地震の震源断層の深部延長上の反射面はさらに西方にのびて,地下のマグマ活動に関連していると考えられている低周波微小地震の震源域につながっているように見える.

    図‐4 S波反射面の深さ分布(図‐3の NS断面).短線が反射面の位置と傾斜を示す.灰色丸印は震源,▲印は活火山,灰色の曲線は地殻内部の等温線(Hasegawa et al.,1999)をそれぞれ示す.内陸の地震発生層の下限が地殻内部の温度構造に支配されているのと同様に,S波反射面の深さ分布も等温泉の分布と調和的である.活火山では浅い S波反射面がいくつか見られる.また,モホ面近傍の低周波微小地震の直上付近にも,いくつかの S波反射面が求められた.図‐2に示した反射記録の反射面の位置をそれぞれa,b,cに示す.図の深さ方向に 2倍に拡大されている.

  • 4.まとめ 東北脊梁山地合同地震観測のデータを用いて,自然地震の S波反射面の空間分布を求めた結果, (1)活火山地域のみならず,東北日本弧の広い範囲で顕著な S 波反射面が存在している, (2)活火山・地熱地域では S 波反射面の深さの下限は浅く,千屋断層などの過去に大地震が発生した地域はやや深くなっている, (3)S 波反射面の深さ分布は,地殻内部の地震発生層の深さ分布と関連があり,地殻内部の熱的構造に支配されていると考えられる, (4)モホ面近傍の低周波微小地震の震源域直上にも顕著な S 波反射面が存在する場合がある, などが明らかになった.

    参考文献 [1] Hasegawa, A., Yamamoto, A., Umino, N., Miura, S., Horiuchi, S., Zhao, D., Sato, H., 1999. Seismic activity and deformation

    process of the overriding plate in the northeastern Japan subduction zone. Tectonophysics 319, 225-239. [2] 河野俊夫・他, 1993, 1962年宮城県北部地震(M6.5)震源域における微小地震活動, 地震, 46, 85-93. [3] Nakajima, J., Matsuzawa, T., Hasegawa, A., Zhao, D., 2001. Three-dimensional structure of Vp, Vs and Vp/Vs beneath the

    northeastern Japan arc: Implications for arc magmatism and Fluids. J. Geophys. Res. 106, 21843-21857. [4] 海野徳仁・他, 1998, 1996年 8月 11日宮城県鬼首付近に発生した地震について, 地震, 51, 253-264. [5] Umino, N., H, Ujikawa and A. Hasegawa, 2002. Distinct S-wave reflectors (bright spot) detected beneath the

    Nagamachi-Rifu fault, NE Japan. Earth Planets Space. 54, 1021-1026.

    図‐5 S波反射面の深さ分布(図‐3 の A‐A’断面).Nakajima et al.(2001)によるP波速度(Vp),S波速度(Vs),Vp/Vs 比の分布を重ねて示す.短線は反射面,黒丸は低周

    波微小地震を示す.1962 年宮城県北部地震(M6.5)(河野ほ

    か,1993)と 1996 年鬼首地震(M5.9,M5.7)(海野ほか,1998)

    の震源断層を灰色の長方形で示す.