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OptiLayer Thin Film Software OptiLayer 練習問題 (Tutorial Exercises) Version 11.65 Copyright © 2015-2016, OptiLayer GmbH

OptiLayer Thin Film Software1 / 44 3. 練習問題 3.1 はじめに ・この練習問題を実行するには、チュートリアル(Tutorial Exercises)をPC にインス トールして下さい。

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OptiLayer

Thin Film

Software

OptiLayer

練習問題

(Tutorial Exercises)

Version 11.65

Copyright © 2015-2016, OptiLayer GmbH

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目次

3.1 はじめに ........................................................................................................... 1

3.2 練習1:1/4λのミラーの評価 ............................................................................ 2

3.3 練習 2:屈折率分散と吸収のある成膜材料 ........................................................... 5

3.4 練習 3:2 層反射防止膜:OptiLayer における記述方法 ........................................ 9

3.5 練習 4:4 層反射防止膜:垂直入射と斜め入射 ................................................... 12

3.6 練習 5:Dr. A.Thelen の AR コーティングを Refinement ................................... 14

3.7 練習 6:エッジフィルターの設計 ...................................................................... 17

3.8 練習 7:エッジフィルターの設計(つづき) ..................................................... 19

3.9 練習 8:最適化の条件設定 ............................................................................... 21

3.10 練習 9:コールドミラーの設計 ....................................................................... 23

3.11 練習 10:ランダム最適化 (Random Optimization) ............................................ 26

3.12 練習 11:ニードル法による最適化-反射防止膜の設計 ..................................... 28

3.13 練習 12:ニードル法による最適化-ニュートラルビームスプリッタ ................. 32

3.14 練習 13:ニードル法による最適化-さらに進んだ設計 ..................................... 33

3.15 練習 14:漸化法 (Gradual Evolution) .............................................................. 39

3.16 練習 15:金属-誘電体膜 ............................................................................... 42

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3. 練習問題

3.1 はじめに

・この練習問題を実行するには、チュートリアル (Tutorial Exercises)を PC にインス

トールして下さい。

・セットアップ時にカスタム (Custom)セットアップから、Examples(例題)を選択

してください。

・練習問題 (Tutorial Exercises)および上級演習 (Advanced Examples)は高い PC 性能

を必要としません。どんな PC でも実行可能です。

・OptiLayer を起動させると、Welcome ダイアログに名前の入力を要求されますが、

無効のチェックボックスをチェックすると次回から省略されます。再び表示が必要

になった場合は Configuration ダイアログにある Data タブから有効にすることが

できます。

・OptiLayer はデータを複数のディレクトリで保存します。言い換えれば、具体的

な設計は Problem ディレクトリと呼ぶディレクトリに保存します。

Problem ディレクトリはメニューの File→Problem から開くことができます。

・OptiLayer を使用するためには、計算に必要なデータを取り込む必要があります。

データは Database ダイアログの Load ボタンで読み込みます。

(詳しくは練習問題のヘルプを参照下さい)

重要:チュートリアル (Tutorial)や例題 (Example)のディレクトリに作成したデ

ータを保存しないようにして下さい。これらのディレクトリは、再インス

トールや更新時に上書きされて保存したデータが消去されることがあり

ます。

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3.2 練習1:1/4λ積層膜ミラーの評価

①この章に必要なファイルは EX1 ディレクトリに保存されています。File メニュー

の Problem から開いて下さい。

②Data メニューから database を開き、

Substrate(基板)タブにある GLASS

を Load して下さい。

③Database ダイアログの下段にあるタ

ブの Layer Materials(膜材料)を選択

し、成膜材料として MGF2 と ZNS を

Load して下さい。

④Database の Design(設計)タブを開き、設計の QWM を Load して下さい。

⑤選択したデータの内容は、Database ダイアログ内の Edit で数値およびグラフ

(Preview タブ内 )で確認することができます。

⑥General Information Window(総合情

報ウィンドウ)を見ると、初期設定は右

図のようになっています。

OptiLayer で初期設定されている入射

媒質は空気です。入射媒質が空気以外の

場合は別途 Load して下さい。Database

から基板の屈折率や入射媒質等のデータ

を作成・保存することができます。

本章では、単純化のため、硫化亜鉛とフ

ッ化マグネシウムの屈折率分散を考慮せ

ず、それぞれ 2.10 と 1.38 と見なしまし

た。最初の Material(膜材料)を Load(読

み 込 み ) し た 時 点 で 、 General

Information ウィンドウに H の記号が割り当てられます。2番目の材料を Load 後は

自動的に H と L の記号(高屈折、低屈折)が屈折率の値に基づき再割り当てられま

す。割り当てられた記号は膜設計時に使用します。

実際に Design database の Edit 命令を使って QWM の設計を確認してみましょう。

General Information ではすべての設定

情報が一覧できます。

database(上段:命令 下段:項目)

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この設計は設計波長 500nm 1/4λ積層の

12 層膜です。Design タブの Edit で詳細

が確認できます。設計を読み出した時点

で割り当てられている Material(膜材

料))の記号と実際の材料データはリンク

します。

設計波長における材料の屈折率は物理膜

厚と光学膜厚を関連づけます。

[注意]OptiLayer では層数を基板

側から順番づけします。

読 み 出 し た 膜 材 料 と 記 号 の 関 係 は

General Information ウィンドウに表示

されています。

Analysis メ ニ ュ ー の

T&R&Phase を 選 択 す る と

Evaluation 窓が開き分光特性が

表示されます。

Plotting(表示)のオプション

は、Evaluation 窓内にマウスを

置き、右クリックをして現れるポ

ップアップウィンドウから Plots

…を選択して設定します。練習の

Edit で設計が表示されます。

H:ZNS , L:MGF”が割り当てられている

ことが確認できます。

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ために表示方法を色々確認してみて下さい。

確認すると良い内容は

・軸 (Axis)範囲と種類(直線 (linear)/対数 (logarithmic))

・プロットの種類 (Plot)

・線の種類(直線、ドット、点線等)と色

・膜厚の表示バーの種類 (design bar)

・凡例 (Legend)、ヘッダー (header)の設定

などです。

また、追加で表示窓を開くこともできます。例えば Analysis→Additional オプシ

ョンから高反射帯のみを拡大したグラフや、中間部分のグラフなどを開いたりするこ

とができます。下のグラフでは横軸と縦軸を変更しています。

メ ニ ュ ー の Synthesis か ら Modify

design を使えば、Load した設計の修正が

できます。修正と同時に Evaluation 窓に

結果が反映されます。修正は、Results メ

ニューの Report(報告 )以外の全ての窓に

同時に反映されます。尚、Report は、そ

の窓を開いた時の状態がそのまま維持さ

れます。

反射率の 95%~ 100%の範囲を拡大表示

したグラフ。 400~ 600nm

反射率の 0%~ 60%の範囲を拡大表示し

たグラフ。横軸も異なります。

Material は H と A で表示されます。

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3.3 練習 2:屈折率分散と吸収のある成膜材料

必要なファイルはメニューの Problem にあるディレクトリ EX2 に入ってします。

① 最初に基板の GLASS を Load して下さい。

② 本章では硫化亜鉛とフッ化トリウムを高屈折率、低屈折率膜材料として使用し

ます。どちらの膜材料も屈折率分散を考慮しています。

③ database 窓の Layer Material タブ

から ZNS を開き、テーブルから材

料の屈折率分散を確認してみて下

さい。

④ 同様に、低屈折率材料の TH4 ファイルの内容を確認して下さい。屈折率分散と

吸収が含まれています。Preview タブを開くとグラフ形式で確認できます。

波長で屈折率が異なっています。

10000nm に吸収があります。

Preview によるグラフ表示

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⑤ ZNS と TH4 を Load して下さい。H と L の記号が割り当てられます。

⑥ database のタブを Design に切り替えて QWM のデザインを Load してみて下

さい。「材料 A が読み込まれていま

せん。 (Material A is not loaded!)」

のエラーメッセージがでます。

デザインで指定した QWM のフ

ァイルを Edit(編集)して確認して

下さい。even(偶数)層として記号

の A が使われており、Aの物理膜厚

はゼロになっています。このこと

は、該当層が OptiLayer に Load さ

れておらず、計算することができな

いことを示しています。実際に先ほ

ど Load して割り当てられた記号は

H と L でした。

⑦ Data メ ニ ュ ー の Arrange

Materials を 開 き 、 材 料 で あ る

THF4 の記号を L から A に変更し

て下さい。変更と同時に QWM の物

理膜厚が有効になります。

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⑧ Design タブの QWM を Load して

下さい。今度は正常に読み込まれま

す(1/4λ波長の 12 層膜 設計波長

は 2000nm です)。

⑨ Evaluation 窓の中で右クリックを

し、Axis…を開いて、X 軸の波長を

500nm~ 3000nm に設定して下さ

い。

⑩ 同じように右クリックで Plots…を

開いて R(Reflectance)を表示設定

に追加して下さい。

HRes Plots(ハイレゾ)オプション

は、特性の表示点数が増加して精度

が向上しますが表示させる時間が増

加します。

A の物理膜厚が有効になりました。

X 軸を変更しました。

X 軸を変更しました。

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⑪ T と R の 単 位 を 変 更 す る に は

General Configuration のダイアロ

グから設定できます。変更すると、開

いているウィンドウのすべてに反映

され、General Information ウィンド

ウの単位の項目にも変更した単位が

表示されます。

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3.4 練習 3:2 層反射防止膜:OptiLayer における記述方法

必要なすべてのファイルはメニューの Problem にあるディレクトリ EX3 に入ってし

ます。

① 基板の GLASS を Load して下さい。

② 膜材料 SiO2 と ZRO2 を Load して下さい。L と H の記号が割り当てられま

す。

③ Design の AR-2H を Load し、

Edit で設計を確認して下さい。

層の番号 (#)は基板側から順番に

なっていることを思い出して下

さい。

④ この表は 2H 1L @500nm という

Formula(式 )で記載することも

できます。

この記載方法でも表と全く同じ意味。

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⑤ X 軸を 300~900nm、Y 軸を反射

率 0~ 10%に設定すると分光特

性グラフは右図のようになりま

す。

⑥ 記号の理解を深めるために材料

として MGF2 を Load して下さ

い。General Information 窓で確

認すると記号 A が割り当てられ

ていることが分かります。ここ

で Data メニューから Arrange

Materials を開き、SIO2 の記号

を L から M に、MGF2 の記号を

A から L に変更してみて下さい。

変更後の特性グラフに変化がな

いことをご確認下さい。

⑦ ここで Result メニューの Current design Report を開いて、現時点の設計

を確認すると 2.0H, 1.0M になっています。これは 2 層目の材料の SIO2 の

データは保持されたまま記号が L から M に変化しているためです。

記号で表示されてい

る膜材料と、メモリ

ーに読み込まれてい

る材料の関係を理解

して下さい。膜材料

と記号は Load 命令

が実行させた時にリ

ンクします。

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⑧ 確認のために、再度 AR-2HL の

設計を Load して下さい。分光特

性グラフが変化することが分か

ります。

再 Load によって第1層目の膜

材料は ZRO2 のままですが、第 2

層目は MGF2 に変わったことが

理由です。

Design を Edit して編集結果を

開き、第 2 層目の物理膜厚を確

認すると、変更前は 86.21nm で

あったのが、変更後は 90.58nm

になっていることが分かりま

す。物理膜厚は材料が新しくな

った時に変化します。つまり、2

層目が MGF2 にリンクされたこ

とを意味します。

[重要ポイント]OptiLayer の基本的な膜厚は光学膜厚を使用します。物理

膜厚は、Load された Design とリンクした材料の屈折率から計算

されます。

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3.5 練習 4:4 層反射防止膜:垂直入射と斜め入射

① Problem Drectory: EX4

Dr. A.Thelen の “Design of Optical Interference Coatings(光学干渉フィルタ

ーの設計)”の 91 ページに記載されている 4 層反射防止膜について確認します。

② 膜厚は基板側から 0.225H, 0.331L, 2.108H, 1.0H

設計波長は H,L ともに 520nm

③ 基板:GLASS を Load

成膜材料:ZRO2, MGF2 を Load

Design :THELEN を Load(膜厚は QWOT の列に入力済み)

④ Design タブの Edit を開くと右のよ

うになっています。

⑤ Evaluation 窓を開き、右クリックの

Option ダイアログから X 軸を 350

~750nm、Y 軸を 0.0~2%に設定し、

特 性 を 反 射 率 で 表 示 し て Dr.

A.Thelen の書籍と比較して下さ

い。結果がやや異なっていると思い

ますが、それは Dr. A.Thelen は高

屈折材料を 2.08 にしているのに対

し、本練習では H(ZRO2)材料の屈折

率を 2.1 としているためです。

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⑥ 再び Evaluation ウィンドウで右ク

リックし、Plot オプションを開きま

す。Add ボタンを使って

・入射角 30°s 偏光

・入射角 30°p 偏光

・入射角 45°s 偏光

・入射角 45°p 偏光

を 追 加 し て 下 さ い 。 各 線 の 色 は

Color で選択して下さい。

⑦ 特性グラフは右図のようになりま

す。

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3.6 練習 5:Dr. A.Thelen の AR コーティングを Refinement

① Problem Directory:EX5

② 基板 :GLASS

Material:MGF2、ZRO2

Design :THELEN(練習 4 と同じファイル)

[注]本練習のデータは、手間を省くために保存済みです。また、

OptiLayer の設定内容は Problem ディレクトリを閉じる時に保存され、

再度読み出した時点で復元されます。

③ Evaluation 窓を開き、右クリック

から Plot を反射率にして、軸を 0

~2%に設定して下さい。

Evaluation 窓 の 左 下 済 み

に ”Merit function=N/A(無効)”

と表示されていることを確認し

て下さい。

④ database の Target タブから Ar-

vis(可視域反射防止)を Load し

て下さい。Edit タブでターゲット

を確認すと 400~700nm の反射

率をゼロに設定してあるのが分

かります。

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⑤ Evaluation 窓 の 左 下 隅 に あ る

Merit function に値が入ったこ

とが確認できます。メリット関数

は OptiLayer でターゲットを読

み込むと同時に自動的に計算さ

れます。メリット関数は実際の特

性と設計特性との差異を示して

います。図の中の☓印はターゲッ

トの値になります。

X 軸と Y 軸のスケールは自動的

に変更されます。X 軸はターゲッ

トの波長範囲よりも 20%広く設

定され、Y 軸は通常 0~100%になります。

この設定は右クリックから開

ける Option ダイアログで簡単に

変更できます。Y 軸の反射率を 0

~2%に変更してみて下さい。

⑥ database の基板として SUB1.64

Load して下さい。本基板の屈折

率は Dr. A.Thelen の屈折率より

高いため、Design(設計)は基板

に適合していません。

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⑦ メ ニ ュ ー の Synthesis か ら

Refinement を実行して下さい。数

回の計算の後に設計は新しい基

板に適合します。反射率は右のよ

うに改善します。

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3.7 練習 6:エッジフィルターの設計

① Program Directory:EX6

この章の練習は、ショートウェーブパスフィルターです。

② 基板:GLASS

Material:SIO2, TIO2

Design :QWM

Target :Ef-swp

③ この Target は

・400~560nm 反射率ゼロ

・560~740nm 反射率 100%

Target 透過帯の 0%と 100%

の波長間隔は 5nm という非

常に狭い条件です

④ 初期デザインは 650nm を設

計波長とする 1/4λ積層 20 層

膜 の ミ ラ ー に な り ま す 。

Design として QWM を Load

後、Evaluation 窓を開いて下

さい。初期デザインは高反射

帯を有しており、本課題に対

しては良い初期値であると考

えられます。設計波長は反射

率 100%のターゲットである

高反射帯 565~740nm に合致

するように 650nm を選択し

ています。

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⑤ Synthesis メ ニ ュ ー の

Refinement を実行して下さ

い。右図の結果が得られます。

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3.8 練習 7:エッジフィルターの設計(つづき)

前章の練習 6 では、高反射率帯において反射の振幅がかなり残っており、特に 560nm

付近の振幅は大きい状態です。その理由はターゲットに設定してある高反射帯と低反

射帯の波長間隔があまりにも狭いことよります。従って、この状態を改善するにはタ

ーゲットを修正する必要があります。

① Program Directory:EX7

② Substrate:GLASS

Material :SIO2、TIO2

Design :QWM

③ database の Target タブを確認すると、Ef-swp、Ef-swpmod があります。

これら 2 つの Target を比較してみましょう。

④ Ef-swp を Edit し、つづいて Ef-swpmod を Edit して下さい。両方を同

時に開くことは可能です。二つのファイルを並べて透過帯と反射帯の波

長間隔を比較して下さい。Ef-swp は 5nm ですが、Ef-swpmod は 25nm

です。

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⑤ Target ファイルとして Ef-

swp mod を Load 後 、

Refinement を実行して下さ

い。メリットファンクション

が練習 6(6.910376E+000)と

比較して小さく (7.003406E-

001)なりました。

⑥ 得られた結果を保存するには、一つ目は Results メニューの Current

Design Report から ASCII ファイルを出力する方法です。二つ目は

database に結果を保存することです(この方法は DEMO バージョンで

は実行できません)。結果を基に更に計算をさせる場合はこの方法をお薦

めします。database に Design を保存すると、あとら簡単に読み出すこ

とができます。database に保存するには Data メニューから Save Design

を選択して下さい。尚、本結果は既に EF20SW の名前で保存されていま

す。

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3.9 練習 8:最適化の条件設定

練習 6、7 のショートウェーブパスでは、すべての層が異なる膜厚になりましたが、

時々、多くの層を 1/4 波長膜厚の積層条件にしたい場合があります。このような場合

は、最適化の条件を設定することで簡単に実行できます。

OptiLayer は最適化時の条件を設定するための方法がいくつかありますが、本章で

は Design の Editor の Status 列を使って層の膜厚を固定する方法を説明します。

① Problem Directory:EX8

② Substrate:GLASS、

Material:SIO2, TIO2

Design :QWM 4 Active Layers

Target :Ef-swp mod

③ 初 期 デ ザ イ ン QWM 4

Active Layers を Synthesis

メニューの Modify Design

で確認して下さい。前章の

練習 7 と異なり、最初の 2

層と最後の 2 層のみ Status

の記号が A になっていま

す。これは Refinement 中

に厚みを変化されることを

許可します (Active)。他の

層の記号 F は厚み変化をさ

せずに固定 (Fixed)するこ

とを意味しています。

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④ Refinement を実行します。

メリットファンクションは

5.278055E+000 となり、練

習 7 よりも悪化しました。

これは 4 層のみしか厚みの

変化を許容しなかったため

です。

⑤ 次に初期デザインとして

QWM 6 Active Layers を

Load して下さい。この設計

は 6 層の膜厚変化を許可し

ます。

Refinement 後のメリット

関数は 3.117707E+000 に

なり、4 層許可の場合より

も良くなりました。

本結果は EF20SW2 に保存

されています。

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3.10 練習 9:コールドミラーの設計

本練習の目的は 0.4~0.8 ㎛に高反射帯があり、0.8~1.4 ㎛に低反射帯があるコールド

ミラーの設計を行います。ここでは初期デザインとターゲットの設定に関する基本的

な使い方を練習します。

① Problem Directory:EX9

② Configuration メ ニ ュ ー の

Setting … か ら General

Configuration を開き、Unit タブ

を選択し、単位を㎛に設定します。

③ Substrate:GLASS

Material :SIO2, TIO2。

④ Target は Cm を使いますが、Edit

タブを使ってターゲットが均一の

波長間隔で設定されていることを

確認し、Load して下さい。

⑤ 初期のデザインの QWM を Load

して下さい。高反射帯の幅はター

ゲットよりもかなり狭いことが分

かります。

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⑥ Refinement を実行しても、その結

果は良好にはなりません。

これは、Refinement が初期デザイ

ンに近い局所的な最適化方法であ

るためです。つまり、この方法は

メリット関数を局所的に最小化す

る方法と言えます。よりよい最適

結果を得るためには、より適切な

スタートデザインを設定しておく

必要があります。

[注]練習 10 ではスタートデザインをあまり気にすることのない方法として

ニードル法を紹介します。

次に、0.4 ㎛~0.8 ㎛に高反射帯の

ある 1/4 波長ミラーを3種類組み

合わせた初期デザインを使います。

3 種類のミラーは中心設計波長が

0.65 ㎛ , 0.55 ㎛ , 0.48 ㎛にあるミ

ラ ー の 組 み 合 わ せ で す 。 CM

START に保存されていますので

Load して下さい。

⑦ Refinement を実行すると、先ほど

のものよりもメリットファンクシ

ョ ン の 小 さ い 、 23 層 膜 で

3.689116E+000 が得られました。

Evaluation を確認すると透過帯

域にも反射のリップルが発生して

います。このようなリップルはタ

ーゲットの設定が不適切、つまり

間隔が広すぎることが考えられま

す。従って、もっと波長間隔の密

度が高いターゲットを設定したい

と思います。

Quasi-Newton DLS

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また、広帯域のターゲットには、

波長間隔も均一ではなく、短波長

側に密度が高い設定の方が有効で

す 。 こ の よ う な タ ー ゲ ッ ト は

OptiLayer の Grid Generator か

ら Logarithmic に指定すれば設定

可能で、既に Cm40log というファ

イル名で保存されています。

Cm40log を Edit し、Drs%列を

見ると透過帯と反射帯の切り替え

箇所で 10 に設定されています。タ

ーゲットに対する許容は、最適化

時にメリット関数を制御するため

に使用されます。大きな値を設定

すると、最適化時にターゲットと

実際の値とのズレに対する許容が

甘くなります。

⑧ 最適化の実行結果が右の図になり

ます。層数は 23 層、メリット関数

は 3.350604E+000 になりました。

このデザインは COLDMIR に保存

されています。

(注)メリット関数は最適化法に

よってアルゴリズムの違いから、

値が異なる場合があります。

作成には Grid Generator を使います。

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3.11 練習 10:ランダム最適化 (Random Optimization)

多くの場合、Refinement 時に最適な開始デザインを設定することは難しい問題

です。このような場合、ランダム最適化を使うと効果的で、良い結果になることが

あります。ここでは、可視域の反射防止で練習します。

① Problem Directory:EX10

② Substrate:GLASS

Material :SIO2, TIO2

Target :Ar-vis

ターゲットは 400~800nm の範囲を対数間隔で設定されています。

③ Synthesis メ ニ ュ ー Random

optimization を 選 択 し て The

number of layers(層数)を 10 層、

Av.Opt.Th,nm(平均光学膜厚)を

50nm に設定して OK をクリック

して下さい。

OptiLayer は初期デザインを設定

した平均光学膜厚の 2 倍以内で乱

数によって生成します。

④ 自動的に膜構成を設定しながら最

適化されていきます。メリット関

数の小さい値が見つかるたびに 1

番目として計算履歴が Collection

窓に取り込まれます。Collection

には計算履歴が 100 個まで保存さ

れます。

Collection のどの履歴も残ってお

り、Extract をクリックすると、そ

の結果を確認することができま

す。

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⑤ この例では、最もメリット関数の

小さい設計は右図のようになりま

した。

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3.12 練習 11:ニードル法による最適化-反射防止膜の設計

OptiLayer はニードル法を開発者の本来の考え方に基づいてプログラムされていま

す。この手法は複雑な数学的アイデアと計算アルゴリズムに基づき考え出されていま

す。ニードル方の考え方の基礎は ”Basis of Optics of Multilayer System”(Sh.Furman、

A.Tikhonravov 著)で紹介されています。

http://www.optilayer.com/about-us/publications

ニードル方は、ヒューリスティック(近似アルゴリズム)な考え方に基づき、層の

中に薄い新しい層を挿入します。新しい層を挿入すると、一般的に層数は2層増加し

ます(すなわち、単層の中に新しい層を挿入するので、単層が2分割され、新しい層

が加わって 2 層増加することになります)。新しい層を挿入後、最適化のアルゴリズ

ムに従って最適化が実行されます。

OptiLayer のニードル法としては、次の 2 つの操作モードがあります。

1.手動ニードル法 (Manual Needle Optimization)

ニードル最適化のすべてのステップをユーザーが指定可能です。

2.自動ニードル法 (Needle Optimization AUTO)

自動的にニードル層を挿入し、設定条件に基づいて自動で Refinement

を繰り返します。

AUTO モードは、挿入と Refinement を最適なデザインが得られるまで連続的に繰り

返します。最初は AUTO モードで使用されることをお勧めします。この ”Needle

Optimization”は複雑な特性の最適化をする場合に効果的な方法です。

① Problem dirctory:EX11

② Substrate:GLASS

Material :SIO2, TIO2

Target :Ar-vis

ターゲットは 400~800nm 範囲で

20 点の目標値を有し、EX10 と全

く同じファイルを使っています。

③ 初期デザインとして ファイルの

SOMETHING を使います。このフ

ァイルは初期層が H、第 2 層目が

L の 2 層膜で各層の膜厚は物理膜

厚で 200nm になっています。

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④ Evaluation 窓を開き、右クリック

から Y 軸を 0~4%、表示特性を反

射に設定して下さい。

⑤ Synthesis メニューから Needle

Optimization AUTO を実行して

下さい。最新のコンピューターで

あれば、一瞬で収れんして 8 層膜

の AR コートの結果を得られま

す。

⑥ Needle Optimization では初期の

デザインは重要ではありません。

このことは、常に高品質の最適化

結果が得られることを意味してい

ます。初期デザインが異なってい

ても別の最適値を得ることができ

ます。試しに、database の Design

から SOMETHING2 を Load して

Needle Optimization を実行して

みて下さい。

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⑦ 14 層 膜 で メ リ ッ ト 関 数

0.1890181E-001 の結果が得られ

ます。

⑧ 最 後 に 、 最 適 化 後 の 膜 構 成 を

Synthesis メ ニ ュ ー の Modify

Design で確認すると(右図)、 12

層目が非常薄くなっています。こ

のような薄い層は制御面から好ま

しくないため、除去する必要があ

る場合があります。

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⑨ 薄い層を除去する場合は、同じ

Synthesis メニューにある Thin

Layer removal をクリックして下

さい。右図のように膜厚の薄い順

番に膜構成が表示されます。

ここで 1 番薄い 12 層を選択して

Remove ボタンをクリックして下

さい。12 層目が除去されて、再度

Refinement が実行されます。

⑩ Refinement が実行され、左下図の 12 層膜になりました。分光特性は右下図

の通りです。Merit 関数は 1.903152E-001 なので殆ど悪化していません。

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3.13 練習 12:ニードル法による最適化-ニュートラルビームスプリッタ

ここでは Needle 法のさらに優れた能力を確認したいと思います。 400~800nm の帯

域でのニュートラルビームスプリッタの設計を行います。ターゲットは前章の反射防

止とは全く異なりますが、前章の練習 11 と同じ初期デザインを使って最適化を行い

ます。

① Problem Directory:EX12

② Substrate:GLASS

Material :SIO2, TIO2

Target :Nbs50

ターゲットは 400~800nm で Ts=50%、ターゲット数 20 点 (対数間隔 )です。

③ 初 期 デ ザ イ ン と し て

SOMETHING を Load して下さ

い。

④ Synthesis メニューから Needle

Optimization AUTO を実行して

下さい。

短時間で 12 層膜のビームスプリ

ッタの設計が終了します。

メリット関数は 0.0222 になって

いると思います。

これはターゲットの 50%に対し

て、0.022%しか離れていないこと

を意味します。

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3.14 練習 13:ニードル法による最適化-さらに進んだ設計

この章では、あまり一般的ではない分光特性のデザインについて検討します。

ターゲットは LiLi 氏と J.Dobrowolski 氏(Applied Optics, 1992, vol.31, pp3790-

3799)によって検討されています。

① Problem Directory :EX13

② Substrate:GLASS

Material :1.35, 2.35

(使用する屈折率と同じ名前 )

//// // /// /// /// /// // /// /// /// /// / /// // /// //[補足説明] ////// // /// /// /// /// // // / /// /// /// //// // /// /

ここで補足として、ASCII ファイルの数値データを OptiLayer に取り込む

オプションを説明しますが、必要がないと思われる場合は、これを飛び越

して次の項に進んで下さい。

(a) ASCII ファイルの Import のた

めには、同じ EX13 のディレク

トリにある ASCII ファイルの

Target.dat を確認します。この

フ ァ イ ル は LiLI 氏 と

J.Dobrowolski 氏のターゲッ

トが取り込まれています。

Target.dat の波長の単位は㎛

になっており、透過率は絶対単

位です。従って、OptiLayer の

メニューの Configuration メ

ニューから Setting…を選択し設定をする必要があります。

(b) database の Target タブから

New をクリックし、Number of

spectral points を Target.dat

のデータ数 36 点と指定して下

さ い ( 本 例 の フ ァ イ ル 名 は

NewFile)。

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(c) ファンクションキーの [F9]を

押すと、ファイル選択のダイア

ロ グ が 開 き ま す の で

Target.dat を指定して開いて

下さい。

(d) Import 窓が開きますので、ま

ず波長を 1~36 点までマウス

等で指定してから Capture ボ

タンをクリックして下さい。

(e) Paste Buffer 窓が開き、範囲指

定して Capture した波長の値

が取り込まれていることが分

かります(Paste Buffer 窓は

[F10]を押しても開きます。

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(f) Column ボタンをクリックす

ると、取り込んだ Value がター

ゲットの波長列に取り込まれ、

Paste Buffer の Value は空に

なります(尚、Column をクリ

ックする場合は、Target 窓の

波長列の 1 番目にカーソルを

置いて下さい)。

同様に透過率データを取り込

んで下さい。右図のようになり

ます。取り込みが終了したら

Target のシートの OK ボタン

を押して終了して下さい。

ASCII データの取り込みの (a)~ (g)までは Target のファイル名 Exotic に

保存されており、同じものになります。

//// // /// /// /// /// // /// /// /// /// //// // /// /// /// /// // /// /// /// /// //// // /// /// /// /// // /// /// /// /// //// // /// /

③ Target に Exotic を Load して下さい。

④ Exotic の波長の単位は㎛、透過

率は絶対単位です。従って、

OptiLayer の メ ニ ュ ー の

Configuration メニューから

Setting…を選択し右図のよう

に設定して下さい。

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⑤ ターゲットは高い反射帯があ

るため、 1/4λのミラーを初期

デ ザ イ ン と し て 考 え ま す 。

Design タ ブ か ら QWM 10

Layers を Load して下さい。

Evaluation 窓で初期デザイン

とターゲットは右図のように

なっています。

⑥ Needle Optimization AUTO

を実行した結果は 11 層膜、メ

リット関数 5.345881 になりま

した。

⑦ さらに良い結果を得るには、膜

厚の厚い初期デザイン使う必

要があります。

QWM 20 layers を Load して

下さい。

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⑧ Needle Optimization AUTO

を実行して下さい。結果は、23

層 膜 、 メ リ ッ ト 関 数 は

1.742527E+000 に な り ま し

た。

また、同じ初期デザインでも、

別の最適化法を使うと、結果は

かなり頻繁に異なってきます。

⑨ 別の方法として、初期デザイン

を層数の多いコーティングか

ら開始することもできます。

database の Design から 50

Layers を Load して下さい。

⑩ Needle Optimization を実行

して下さい。18 層膜、メリッ

ト関数は 2.367848E+000 とな

りました。

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本練習の主なまとめとしては、コーティングの働きは全光学膜厚の成長に伴って改善

されていくということです。このことを確認するために、さまざまな初期デザインで

Needle Optimization を実行し、全光学膜厚の状態をチェックすると良いでしょう。全

光学膜厚は、Evaluation 窓の右下のバーに (Th=)表示されています。

別のまとめ方をすれば、全光学膜厚は、Needle Optimization において、わずかに変

化するだけの、どちらかと言えば控えめなパラメータです。従って、全光学膜厚が厚め

の初期デザインの方が、一般的には良い結果につながります。

一方では、初期デザインはあまり厚くするべきではありません。結果として得られた

解は製造面において非常に複雑になる可能性があります。

設計における全光学膜厚の役割の重要性を認識することによって、漸進的最適化法

(Gradual Evolution)と名付けた OptiLayer の新しい最適化手法を開発することができ

ました。それについては、次項で説明します。

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3.15 練習 14:漸化法 (Gradual Evolution)

OptiLayer による最適化の手法は、複雑な設計課題を解決するための幅広い手順を提

供し、プログラムの経験を蓄積することで、独自の戦略を考案できるようになります。

この章での練習では、いかに最適化を系統立てるかという基本的なアイデアを提供し

ます。また、練習では OptiLayer の機能に関する追加情報も提供します。

波長範囲が 400~1200nm の広帯域 AR コーティングについて検討します。

① Problem Directory:EX14

② Substrate:GLASS

Material :SIO2, TIO2

Target :Ar-vnir。

初期設計は全く必要ありません。

③ Synthesis メニューから Gradual

Evolution を選択して下さい。

Gradual Evolution はセットアップ

ウィンドウで終了するための条件を

設定します。

右図のように終了条件としては最大

膜層数を 25 層に設定し、その他の

条件は設定しません。

こ の 最 適 化 法 は Needle

Optimization のより進化したプロ

セスであり、最適化の状況はモニタ

ー上で確認することができます。

最適化プロセスでは全光学膜厚が

連続的に増加していき、最適化の結

果は一つだけではなく、設計条件の

組み合わせにより、いくつもの最適

化結果を含んでいます。

従って、プロセスの途中結果は右

図のように History の中に保存され

ます。

漸進法 (Gradual Evolution)は終

了条件に達した時点で計算を終了し

どの段階 (#)も確認ができます。

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ます。本例では 25 層を終了条件としており、 26 層になった時点で終了します。

④ 漸進法が終了した時点では、その結

果を元にしたニードル法による最終

的な最適化が行われておらず、まだ

最適化の余地があります。

漸進法が終了すると、自動的にニー

ドル法が開始される確認ダイアログ

が現れますので、No を選択しない限

り自動的にニードル法で最適化を継

続開始します。

本例の場合、漸進法の後のニードル

法による最適化で 28 層膜となりま

し た 。 途 中 結 果 の # の い ず れ も

Extract ボタンで確認できます。

⑤ 最終の最適化後の分光特性は右図

のようになりました。

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⑥ History の Chart タブを開くと、右

図のように計算途中におけるメリッ

ト関数、層数、全膜厚の動きがグラ

フで確認できます。

製造のし易さを考慮して最適な条件

を決める時に役立ちます。

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3.16 練習 15:金属-誘電体膜

本章では金属-誘電体膜の設計に関して練習します。

① Problem Directory:EX14

② Substrate:GLASS

Material :2.35, AG

※AG には 400~2000nm の銀の屈折率と消衰係数が入っています。

※前の章と同じように、EX14 のディレクトリには ASCII ファイルの

AG.DAT が入っていますので OptiLayer の import から読み出す練習をす

ることもできます。

③ Data メ ニ ュ ー の Arrange

Materials をひらき AG の記号に

A を指定して下さい。

④ Configuration メニューの Settings…を開き、Units タブの Length units を

㎛に、Thickness タブの Thickness Units を Physical に設定して下さい。

金属層を扱う場合、厚みの単位は Physical を使う方が非常に便利です。

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⑤ database の Target に保存されている Mdfilter を Edit から確認して下さい。

0.4~0.8 ㎛に高透過帯域のあるショートウェーブパスフィルターとなってい

ます。このファイルを Load して下さい。

⑥ このフィルタを異なる最適化手法を使って設計してみましょう。

・Random Optimization

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・Needle Optimization AUTO

本例の場合、Random Optimization と Needle Optimization AUTO では

Random Optimization の方が良い結果が得られました。

⑦ Gradual Evolution による最適化も使用することが可能です。この手法では、

最適化によって得られたいくつかの分光性能と、それに対して発生するコス

トの予想ができるということが重要な点になります。

⑧ 下の結果で、最適化後は 8 層膜には第 1 層目に 2.88nm の薄い膜が含まれて

おり、7 層膜では薄い層がなく、メリット関数の増加も少ないため、7 層膜に

することが適切であると判断できます。