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YASKAWA 新技術& 新製品  新型ロボット「 MOTOMAN-EA/ES シリーズ」販売開始 フレキシブルマシンコントローラ「 MP2200 」近日登場 コンパクトなオゾン水処理装置を開発 下水水質シミュレータ AquaNavi を製品化 展示会情報 システムコントロールフェア SCF 2003 2003 国際ロボット展 セミコン・ジャパン 2003 安川電機技術物語 第二回 MOTOMAN の誕生 【特集】 使い捨ての時代から リニューアルの時代へ No. 265 Autumn Autumn 2003 2003 Quality & Beauty R

P01 12€¦ ·  · 2015-01-06n 2003 2 0 0 3 Quality & Beauty R ... MOTOMAN の誕生 安川

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Quality & Beauty

北九州市八幡西区黒崎城石2-1 〒806-0004 TEL(093)645-8800 ホームページ http://www.yaskawa.co.jp

安川電機、クリーンエネルギーを推進。 地球環境問題がクローズアップさ

れるなか、クリーンなエネルギー源

として太陽光発電、風力発電、ミニ

水力発電などが注目されています。

なかでも風力発電は、出力規模がメ

ガワットを超える大形発電設備の増

加とともに、日本のように弱風や乱

流風などの条件にも対応でき設置

が容易な100kW未満の小形発電設備へのニーズも高まってきてい

ます。

 安川電機では、このニーズに応え

るために、長年培ってきたモータ

技術、発電制御技術により、小

容量独立形の高効率発電装置を開

発いたしました。

 この発電装置

は、風車などの回

転駆動源を受けて

電力に変換する小

形・高効率・省メン

テナンスを特長と

する永久磁石式同期発電機(安川

モートル(株)製)と、電力制御用の

高性能インバータを用いて、安定し

た電力変換を実現しています。

 いま、安川電機は<天然からの贈

り物(風)>から貴重なクリーンエ

ネルギーへの利用を推進していま

す。

天然の贈り物をエネルギーにしています。

天然の贈り物をエネルギーにしています。

発行 平成15年10月29日/ 発行所 株式会社 安川電機 埼玉県入間市上藤沢480番地 〒358-8555 TEL(042)962-5151 /編集責任者 久保川 謙悟 / 制作 安川オビアス株式会社

YASKAWA

新技術&新製品 

新型ロボット「MOTOMAN-EA/ESシリーズ」販売開始フレキシブルマシンコントローラ「MP2200」近日登場コンパクトなオゾン水処理装置を開発下水水質シミュレータAquaNavi を製品化展示会情報 

システムコントロールフェア(SCF)20032003国際ロボット展セミコン・ジャパン2003安川電機技術物語 第二回

MOTOMANの誕生

【特集】

使い捨ての時代から リニューアルの時代へ

No. 265AutumnAutumn

20032003

Quality & Beauty

R

「2003年度日本産業広告賞」に入賞しました。このたび、日刊工業新聞社主催の「2003年度日本産業広告賞」において、「高効率発電装置」の広告が雑誌部門第2部の2席に入賞いたしました。 (下記広告は、受賞した作品を縦形にリサイズしたものです。)

●企画:(株)安川電機 営業推進部営業企画グループ/安川オビアス(株) ●デザイン・制作:安川オビアス(株) ●掲載誌:『機械設計』(日刊工業新聞社発行)9月号

2 YASKAWA NEWS No. 265 YASKAWA NEWS No. 265  3

集特安川ニュース No.265

OC TN NE ST

特集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

・使い捨ての時代からリニューアルの時代へ  ~ モーションコントロール製品の予防保全のおすすめ ~

新技術 & 新製品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

・新形ロボット「MOTOMAN-EA/ESシリーズ」販売開始 ・フレキシブルマシンコントローラ「MP2200」近日登場

・コンパクトなオゾン水処理装置を開発

・下水水質シミュレータAquaNavi を製品化

・システムコントロールフェア(SCF)2003・2003国際ロボット展・セミコンジャパン2003

展示会情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

安川電機技術物語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

・MOTOMANの誕生

安川カレンダー物語(第二話)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

・棟方志功画伯との出会い

コラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

・社会福祉への取り組み・陸上部ニュース

 FA業界における生産設備の耐用年数の期待値は年々増大しています。その期待にお応えるべく、安川電機は安川エンジニアリング(株)と共に、画期的な「予防保全」サービスを提案しています。 予防保全では、納入電機品の寿命診断に始まり、その診断結果によりお客様にマッチした多様な解決案をご提示いたします。これにより、オーバーホール(修理)、トータルシステムの更新、個別機器の新世代製品へのリニューアル(置換え)などが実現できます。(右図) 中でも、特にお客様の手を煩わせることの少ない「個別機器のリニューアル」サービスの提供で、お客様は使い慣れた大切な機械の機能、性能を維持したままで、継続使用できます。

モーションコントロール製品の予防保全のおすすめ

故障発生率

使用期間

故障発生率

使用期間

「後手」のサービスから「予防」としてのアフターサービスへ

 「アフターサービス」という言葉を聞くと、「ものが

壊れたらそれを直す」という修理屋さんのイメージを

思い浮かべる方はいませんか?こうした既成概念を

改め、「機械が壊れる前に、機械の健康診断をしましょう」

という考え方が、予防としてのアフタサービス「予防

保全」なのです。お客様にご使用いただいている製品

の不測の故障を防止するために、事前に機能、性能

の検査を行い、寿命に近い部品の取替えを行います。

もちろん、予防保全を的確に行うためには、高度な寿

命診断技術が必要です。

バスタブカーブの寿命診断から個別機器の寿命診断へ

 では、機械の寿命診断はどうやって行われているの

でしょうか?一般的に良く知られているのは「バス

タブカーブ」理論です。

 バスタブカーブ(浴槽に似た曲線、図1)は、確立論

と信頼性工学から出たもので、製品と人の寿命のあり方

がよく似ていることが証明されています。つまり、

生まれたばかりの赤ちゃんや老年期のお年寄りが亡く

なる確率が高いことは、電機品にも適用できるのです。  この理論をもとに、製品の故障確率が増加して摩耗・

故障に入る時期を予測し、その直前に機器や部品の

交換などを行うことで機械の寿命を延ばすのです。

 ところが、モーションコントロール製品(コントローラ、

サーボパック、サーボモータ、インバータ)は、使用

される温度・湿度・振動などのストレスの差によって、

それぞれ寿命が異なってきます(図2)。バスタブカーブをもとに機械の更新を行うことは、こうした個体ごと

の寿命の差を無視するという問題点があるのです。

 個別の寿命を正確に予測することは、定期点検など

によっても予測が困難な場合があります。安川エンジ

ニアリング(株)の長年のフィールドサービスや修理

技術のノウハウをもとに、全く新しい寿命診断技術を

開発し、部品ごとの個別の寿命診断を可能にしました

(4ページをご参照ください)。

 この技術により、お客様へより正確で計画的な機器

リニューアルの提案が出来るようになりました。

トータルシステムの更新から個別機器のリニューアルへ

 例えば、サーボパックの切替えの場合も、配線や

取付寸法の都合で、周辺のモータやコントローラなど

システムの大部分も合わせて更新しなければならない、

ということも少なくありません。

 そこで、安川電機と安川エンジニアリングでは、もう

一つの新しいリニューアルサービス「個別機器の

リニューアル」を開始いたしました。このサービス

は配線や取付寸法などを現状のまま、本当に交換が

必要な部分だけを新製品に置換えるだけで済むので、

手間がかからず短期間での更新が可能になりました

(5ページをご参照ください)。

図1. バスタブカーブ 図2. 個別機器ごとの故障発生図

オーバーホール修理部品の確保。修理期間の延長などで対応するサービス

個別機器のリニューアル顧客設備の配線・取付寸法を変えずに新規設計品に置き換えるサービス

トータルシステムの更新システムをトータル的に次世代製品に置き換えるサービス

寿 命 診 断 寿命診断による対策

予防保全のプロセス

初期故障 期間

偶発故障 期間

摩耗故障 期間

壮年期 老年期幼年期

初期故障 期間

偶発故障 期間

摩耗故障 期間

壮年期 老年期幼年期

予防保全開始推奨時期

予防保全開始 推奨時期

new!

new!

寿 命 診 断◆業界初寿命診断技術の確立

◆システムによる顧客情報管理

◆診断可能機種の拡大 サーボパックでの診断技術を核に  各製品群へ展開中

●サーボパック (2002年度開発完了)●インバータ (2003年度開発予定)●モータ (2004年度開発予定)●コントローラ (2004年度開発予定)

モーションコントロール製品の予防保全のおすすめ

R

 前回、安川電機モーションコントロール事業部のトータルサービス体制を特集いたしました。今回は、その中から「アフターサービス」に焦点をあててご紹介いたします。 当社のモーションコントロール製品のアフターサービスは、安川エンジニアリング(株)が対応しています。安川エンジニアリング(株)は安川グループの一員であり、設備や機械の生涯にわたるホームドクターを目指しています。

4 YASKAWA NEWS No. 265

関東支店 埼玉県入間市上藤沢 480 東日本地区 (042)966-1590 (042)964-6481 (042)965-1618名古屋支店 名古屋市中区千代田 4-1-7 東海地区 (052)331-5318 (052)331-5374 (052)331-5380関西支店 大阪府摂津市千里丘 7-10-37 関西地区 (06)6378-6526 (06)6378-6531 (06)6378-6533

九州支店 北九州市八幡西区黒崎城石 2-1 九州地区 (093)645-8868 (093)645-8925 (093)642-4377

支店・営業所名 住 所 サービスエリア TEL

夜間・休日TEL

FAX

■ アフターサービス(寿命診断、個別機器リニューアル)の受付窓口:

YASKAWA NEWS No. 265  5

集特

安川エンジニアリング株式会社 http://www.yaskawa-eng.co.jp本社:北九州市小倉北区米町 1-2-26 日幸北九州ビル TEL (093)521-4301 FAX (093)521-4302

■ 寿命診断装置の対応状況と予定 サーボパックの寿命診断技術を元に、インバータ、モータの診断技術の開発に展開いたします。

*ロボット向け対応機種 朱記機種は、2003年度追加計画分 2003年9月現在

診断対象 対応状況及び対応予定

2003年2004年

インバータ 2004年モータ 2004年コントローラ 2004年

2002年

~対応予定月 開発予定

1月~対応予定4月~開発予定

4月~開発予定

10月~対応済

対象の詳細SR-BB、BZ、SB、SZ*、 、TZ、R 、 、 、BC、AZ*

主軸用インバータ MTII、MTIII 主軸用モータ EEA-IKMMP-33、34用AVR電源

ACサーボパック*

IR-SD1*

■ リニューアル対象製品の対応状況と予定

Cシリーズ 2003年 8月~対応済

2003年 8月~対応済

2003年 8月~対応済

2003年 8月~対応済

Cシリーズ 2004年 2月~対応予定

2004年 2月~対応予定

2004年 4月~対応予定

M,F,S,Dシリーズ

M,F,S,Dシリーズ

R,Pシリーズ

インバータ

SR-□□BB、□□BZ、□□BE、□□BY、□□SBSR-□□SZ、□□TB、□□TZ  PR-□□BB

サーボパック(STEP2)

サーボパック(STEP1)

フルコンパチ対応

SR-□□AA、□□BA   PR-□□AA、□□BASR-□□AB、□□AZ、□□AA、□□AC、□□AYSR-□□AE    PR-□□ACSR-□□BC、□□BB、□□BZ、□□BE、□□BYSR-□□BB、□□BCSR-□□BA    PR-□□BA

対象製品 対象の詳細 対応状況及び対応予定

MTII,IIBシリーズMTIIIシリーズ

寿命診断の仕組み

サーボ パック

サーボ パック

ワンタッチ治具

サーボパックを載せ替えるだけ!モータをはじめ、ケーブル、取付装置はそのまま!!サーボパックへの取付治具をワンタッチ化し、診断時間短縮を実現。

寿命診断装置サーボパックを設備から取り外すことなく、主回路ケーブルもそのままで、わずか10分/台で余寿命を診断。(代表例)

パソコンサーボパックの操作手順、診断手順をインストール。診断開始から報告書作成まで自動化を実現。

プリンタ及び報告書(例)

測定値

測定ポイント例

当面オーバー

ホール不要

6ヶ月以内の

オーバーホール

計画が必要

3ヶ月以内の

オーバーホール

計画が必要

緊急の

オーバーホール

が必要

余寿命 故障発生領域

新規設計のサーボパック

基本サーボパック:SGDH、SGDS形旧形ACサーボモータ

USA□□□形旧形サーボパック

CACR-SR、PR形

■ 例えば・・・

供給電源

モータ エンコーダ

お使いの サーボパック

OLD

信号用ケーブル

サーボパックを取付け、配線します。 お使いのサーボパックを取り外します。

モータ用ケーブル主電源用ケーブル

エンコーダ用ケーブル

個別機器リニューアルのおすすめ

サーボパック

新規設計の サーボパック

NE W

従来の一般論としての「バスタブカーブによる寿命予測」から、

画期的な「寿命診断装置の開発による個別機器毎の寿命予測」が可能になります。

新規開発製品のリニューアルより、

短時間・ミニマムコストであなたのマシンがよみがえります。

この診断結果によってお客様は計画的な予防保全ができます!

6 YASKAWA NEWS No. 265 YASKAWA NEWS No. 265  7

製品新技術と新 製品新技術と新

「MP920」の高速多軸同期制御を継承し更に進化

フレキシブルマシンコントローラ「MP2200」近日登場

ほぼ全機種を“用途最適形ロボット”へ切り替え

新形ロボット「MOTOMAN-EA/ESシリーズ」販売開始省スペース&エコノミーで水の循環利用をお手伝い

コンパクトなオゾン水処理装置を開発

水質の予測精度を向上させる機能を充実し、水質向上と省エネに貢献

下水水質シミュレータAquaNavi を製品化

 産業用機械装置においては、サイクルタイムの短縮、

保守性の向上、システム規模の拡大などに伴い、高性能

コントローラの役割が近年ますます重要になっています。

このようなニーズに応えるため、当社は、次世代装置を

支える新マシンコントローラ「MP2200」を開発し、11月11日より販売します。

 業界最高レベルの通信制御性能の実現をはじめ、さらに

磨きをかけた世界最高水準のモーションコントロールが

装置の生産性を強力に支えるとともに、MECHATROLINKをはじめとした豊富なコンポーネントと、小形で自由度の

高い拡張性がお客様の「できたら」を形にします。

(システムコントロールフェア(SCF)2003にてデモンストレーション

を行います。)

 これまで産業用ロボットは汎用性機械として発展して

きましたが、各種製造業界では生産ラインの向上、生産性

向上が積極的に進められており、適用ロボットシステムも

各種用途に最適なロボットとして品質・機能・信頼性の一層の

向上が求められています。このような強い市場要求を満たす

ために、作業ごとにロボットを最適化し製品性能を向上

させる必要があります。

 今回の切替えに伴い、用途最適形ロボット「MOTOMAN-EA/ESシリーズ」、新形ロボットコントローラ「NX100」など新シリーズを開発し、今年7月10日に販売を開始しまし

た。

 作業別にロボットを最適化することのメリットは、ロボット

の単体売りではなくシステム全体としてソリューション

展開ができることです。またお客様にとってはロボットの

性能が向上するため、自動車など各種製品の生産ラインを

最適な形で組み上げることができます。

 例えば、従来のアーク溶接ロボットは溶接機を後付け

していたため、ワイヤ、ケーブルなどをロボット内部に内蔵

することができず、作業中の断線など故障の原因になって

いました。新形ロボットはワイヤ、ケーブル類などを全て

内蔵したため、ロボットの耐久性が増大し、これまで適用

困難とされていたワークの溶接も可能となり、適用ワーク

が更に広がりました。

 また、1台のロボットに2本の溶接トーチを取付ける例

など、これまで困難だった特殊な応用も簡単にこなせる

 水不足の解消や豊かな水環境への要求が高まるなか、下水

処理水の再利用の必要性が高まりつつあります。政府も様々

な施策を通じて水の循環利用を拡大しようとしています。

 オゾン処理は有効な手段の一つですが、省スペース化と

低コスト化という課題がありました。

 当社はオゾンの溶解手段にエゼクタ*1を、排オゾンの分解

処理に熱分解方式*2を採用することで、これまでの課題を

解決し、コンパクトな「オンサイト・オゾン水処理装置」を

開発しました。

 本装置は、イニシャルコストとメンテナンスコストの低

減、容易な搬送と設置、工期の短縮など、多くのメリットが

期待できると考えています。今後事業化に向けた取り組

みを進めていきます。

 下水処理場では、水環境保全への要求が高まるなか、第5次

水質総量規制が施行されました。そのため、水質悪化を

引き起こす原因の一つである窒素・りんの除去が可能な

プロセスの導入などが行われています。

 一方、京都議定書発効により下水処理場の消費電力量

削減も課題となっています。しかし、窒素、りん除去を考慮

した運転は難しく、安定した除去を行うためにエネルギー

消費が多くなる傾向にありました。

 このような状況に対応するために、設計や運転方法の検討

が容易な支援システムが求められています。当社は、これら

の要求に応えるツールとして「下水水質シミュレータ

AquaNavi 」を開発しました。このソフトは東京都下水道局殿、(株)日水コン殿、当社とで共同開発したものです。

・高速多軸同期・位相制御をさらに進化業界最高レベルの通信制御周期(0.5msec)と最大256軸の完全同期制御を実現しました。

・小型化・フレキシブル当社従来製品(MP920)比、1/2サイズとし、最大35スロットのオプションモジュールを装着可能となっています。

・様々なオープンネットに対応MECHATROLINK-II、ETHERNET*1、Profibus*2、DeviceNetなどのオープンネットワークに対応しています。

1.下水処理水の再利用(修景・親水、トイレ・洗車などの雑用水)

2.下水処理水の臭気除去

3.排水やプロセスラインでの脱臭、脱色(工業分野、食品分野など)

1.水質規制をクリア、省エネのための現状施設の変更、新規設計

2.水質予測による現状運転の確認

3.水質向上、省エネのための運転方法の検討各種成形機、包装機、印刷機、充填機、巻取機など、補間制御に加え、

電子カム、電子シャフト機能による多軸制御が必要な機械に最適。

・反応設備を小型化  ・設置が簡単  ・メンテナンスコストを低減

・豊富な機能により高精度な予測を実現 ・微生物反応式の定数を的確に設定 ・処理場内の下水の流れを的確に表現 

・操作が簡単なHMI ・データの入出力に汎用ソフトのEXCELを使用

フレキシブルマシンコントローラMP2200

MOTOMAN-EA1400N

MOTOMAN-ES165N

「オンサイト・オゾン水処理装置」外観  

「下水水質シミュレータ AquaNavi 」の画面例

■お問い合わせ先ロボティクスオートメーション事業部 事業企画部TEL: (093)945-7703 FAX: (093)931-8140http://www.yaskawa.co.jp/products/robot.htm

■お問い合わせ先モーションコントロール事業部 事業企画部TEL: (042)962-7915 FAX: (042)962-6138http://www.yaskawa.co.jp/products/motion.htm

■お問い合わせ先システムエンジニアリング事業部 システム工場 技術部TEL: (0930)25-2108 FAX: (0930)23-3402http://www.yaskawa.co.jp/products/system.htm

■お問い合わせ先システムエンジニアリング事業部 システム工場 技術部TEL: (0930)25-2108 FAX: (0930)23-3402http://www.yaskawa.co.jp/products/system.htm

おもな特長

おもな用途

おもな特長

おもな用途

おもな特長

おもな用途

*1 エゼクタ:加圧水をノズルに送ってノズル部分に負圧を作ることにより、

 気体を液体中に引き込み、混合させる装置。

*2 排オゾンの熱分解方式:オゾンが高温で分解する性質を利用して、オゾン

 反応塔からの排ガスを加熱することで排オゾンを分解する方式。

R

R

R

*1: 富士ゼロックスの登録商標です。

*2: ODVA(Open DeviceNet Vendor Association)の登録商標です。

NX100

8 YASKAWA NEWS No. 265

物語川電機安

MOTOMANの誕生

 

 当社小倉事業所の旧自動化機器工場で、オートローダを中心

とした自動化機器システムを生産販売する中で、事業として、

受注生産システム商品からの脱却、即ち汎用的なコア商品の

ハンドリングマシンをイメージしたロボットの必要性が議論された。

 折りしも、米国において「ユニメート」や「バーサトラン」と

いう油圧駆動方式のロボットが開発され、国内でもこれらの

ロボットの輸入販売や技術提携が始まったころである。

 当社はそのころオートローダという単純シーケンスロボットも、

一貫してモートハンドやモートフィンガを利用した電動式を

標榜し、幾多の油圧や空圧式のメーカと市場で競合しながらも、

電動式の良さを差別化技術として誇っていた。

 1972年に、基本コンセプトは「ともかく当社は電動式でこれ

を実現する」と言うことでロボットの独自開発に着手した。

 最初のターゲットは、そのころ同工場で最新鋭のマシニング

センタの購入計画があり、これのワークハンドリング用として、

可搬質量20kgの6軸構成の円筒座標系のロボットを試作する

ことになった。これが当社の電動式産業用ロボットの試作1号機

である。そのころの汎用サーボドライブのコンポーネントは

まだ非常に貧弱で、200Wまでのプリントモータと2kWまでの

カップモータだけであり、パワー素子も世の中でパワートランジスタ

がやっとできつつある状況で、比較的大きなカップモータは

まだサイリスタドライブであった。現実的に電動式では大きな

パワーを出すすべは無かった。

 油圧方式のロボットが小さなシリンダで重たいものを軽々と

持ち上げているのを、横目に、電動式に拘る当社のコンセプト

に大いに不満であったことが鮮明に記憶されている。

 1974年ロボット展が開催され、ここに2年間にわたる開発

の成果を出展したのが初代「MOTOMAN」であり、これが国内初の「電動式産業用ロボット」となった。重量物のハンドリング

には不向きであった当時の状況と、電動式には何が最も適した

アプリケーションかを熟慮した結果として「アーク溶接」作業

に照準を当てた記念すべき展示内容でもあった。アーク溶接

は当時の八幡事業所に溶接工場があり、溶接技能の蒼々たる

ベテランが沢山おられ、全面的な協力を得られたことは結果

的には大変大きな力であった。

 「MOTOMAN」の選択した「アーク溶接作業」は今の成功に大きく貢献し、当社ゆえに、できた選択であったと言える。

 華々しいデビューを飾ったにもかかわらず「MOTOMAN」1号機は、引き合いは多いが、なかなか受注に漕ぎ着けられずに、

開発陣は東奔西走しながら悶々とした日々を重ねた。

 そのころスエーデンのASEA社(現在のABB社)が電動式

多関節ロボットを発表していた(この発表は実は1973年で

あったが開発陣がこれを知ったのはロボット展後であった)。

 当社のMOTOMANは油圧方式のロボットを何とかその形を留めながら電動式に置き換えることを考え、その構造の選択

においても油圧方式ロボットを超える発想に欠けていた。

 ところがこのASEA社のロボットは、斬新でユニークなリンク

構造で、電動式にマッチした構成となっており、その機能

(コンパクトで動作範囲や動作スピードが大きい)および完成度

の高さに大変感銘した。今で言う「感動価値」である。結果的に

この構造が世界の電動式ロボットの本流になっていくことになる。

 このASEA社のロボットを手本に、当社も多関節ロボット

の「MOTOMAN-L10」を開発した。L10の10は可搬質量を指し、力持ち油圧式ロボットの後を追いかけるのではなく、電動式

による差別化を「アーク溶接用途」に的を絞ることで発揮しよ

うとした。 

 案の定、開発陣が感銘を受けたように、お客様の顔色が変わった。

 当社ロボット事業の起源はこの1号機の受注に始まり、既に

四半世紀を経過した。紆余曲折があったものの、2002年度は

販売台数で名実共に悲願の「世界No.1」を達成でき、モートマン

センタの生産も1000台/月を超える状況になった。

 振り返って、電機メーカである、当社がここまでやれたのは、

客観的に見ると、1つに、「メカトロコンポーネント」を内製して

いたこと、2つに「ソリュ-ション」を他社以上に大切にしてきた

ことであったのではないかと思う。「電動式ロボット 生みの苦しみ」

この物語は、産業界生産ライン改革のきっかけ

を作った産業用ロボット「MOTOMAN」の開発に 携わった者達の栄光への軌跡である・・・

「MOTOMAN」対外発表1号機

多関節形ロボットの出現

「MOTOMAN-L10」の受注一号機

風雪25年 世界No.1

当社では45年にわたって、棟方志功

画伯の板画を題材としたカレンダーを

制作してきましたが、「青森県で生まれ育

った棟方画伯と、北九州市に本社を置く

安川電機との出会いは何だったのか」と

しばしばお客様から尋ねられます。

 最初の出会いは昭和27年頃、富山県の

疎開先から東京荻窪に居を移しておら

れた画伯を、当社の宣伝課長が訪問した

時でした。

 その後、昭和30年に広報誌「安川ニュース」

(現YASKAWA NEWS)が発刊されま

したが、翌年の号から棟方画伯の色紙や

カットが掲載されました。

 そして昭和33年「安川ニュース」の付録

として、木炭紙に2色刷りで印刷された

A4版(12枚)のカレンダーを作りました。

これが予想外に好評だったため、昭和35年

から正式に手漉き和紙を使用しての

カレンダーとなりました。

 この間に、当社が棟方画伯と家族ぐるみ

のお付き合いが出来たのは、当社幹部を

含め、制作担当者たちとお互いに心が

通じ合えたからに他なりません。

 棟方画伯は昭和50年に亡くなられ

ました。存命中の最後の仕事は、疎開先

の富山県で制作された「瞞着川板画巻」

(だましがわはんがかん)の中から、昭和

51年の安川カレンダーのために、13点を

選び彩色されたことだそうです。

YASKAWA TECHNICAL HISTORY

YASKAWA NEWS No. 265  9

安川カレンダー物語第二話

棟方志功画伯との出会い

このコーナでは、安川電機が生み出した様々な製品や技術に

ついての秘話・エピソードなどをご紹介しています。

第二回目は、「MOTOMANの誕生」についてご紹介します。

 次回は、基幹産業の頭脳の一部になった主幹コントローラ「CPシリーズの誕生」を予定しています。

■安川カレンダーご紹介サイトは・・・http://www.yaskawa.co.jp/company/munakata

大分県中津市にあるヨロズ

自動車(現ヨロズ)中津工場殿が、

購入を決断し、歴史的な受注

1号機が成約したのが1977年

である。

この1号機は現在その役目を

終え、モートマンセンタのプラザ

に展示されている。

「MOTOMAN」対外発表1号機

「MOTOMAN-L10」の受注一号機

1976年カレンダー 瞞着川板画巻(11月)より

 (文責: ロボティクスオートメーション事業部 技術開発部長 木村 馥)

第二回第二回

選択の時代

 保健、医療、福祉という言葉は、よく一度に用いられますが、  いったいどのような違いがあるのでしょう?

 「保健」とは、文字通り健康な状態を保つことです。最近では、食べ物や

睡眠、運動などの生活習慣から薬、器具に至るまで、健康を維持改善

するいろいろな方法がテレビや雑誌で紹介されています。一方、「医療」

とは、病気になった人を治療することです。ある日突然病気になるのでは

なく、健康状態から連続的に病気になることから、保健も含めて「ヘルス

ケア」と言う人もいます。「福祉」には様々な考え方があります。ここでは、

病気・加齢・事故などで身体に機能の障害をもった人が、機能を回復・代替

する手段を得ることなどと述べておきます。

 簡単にまとめると、「保健」は病気にならないようにすること、「医療」

はかかってしまった病気を直すこと、「福祉」は残った障害の影響を

できるだけ小さくすること、つまりは身体状態に応じた対処方法の考え方

の違いなのです。

 ところで、人は歩き、移動する動物です。歩くこと、動くことによって、

精神的にも肉体的にも健康を維持改善している側面があります。病気

や障害で動けなくなった、あるいは動かせなくなった場合、動かして

あげることが大切です。当社には、患者がベッドに寝たままの姿勢で

下肢運動ができるようサポートするリハビリロボットTEMLX2があります。人手では困難な長時間の運動ができます。関節や筋肉が固く

ならないよう予防したり、固くなった関節の動きを柔らなくしたり、神経

刺激により脳機能を活性化したりすることなどが期待できます。

 現代は、ウォーキングやフィットネスといった健康法だけでなく、病院

での治療方法や介護のような福祉サービスも自らが選択する時代です。

自分の身体を良く知り、適切な保健・医療・福祉のサービスを選択したい

ものです。

For The Futureへ の 取 り 組 み社会福祉

6月下旬から7月上旬まで、北海道各地を転戦した長距離記録会「ホクレンディスタンスチャレンジ」において、小畑昌之選手が5000mで安川新記録を連発しました。 日本長距離界の主力が集結した全5戦のうち、 第2戦網走大会:5位(13:39.38)安川新記録 第4戦士別大会:3位(13:51.65) 第5戦札幌大会:5位(13:38.96)安川新記録 総合ポイントランキング:5位

という好成績を収めました(従来の安川記録は13:42.61)。昨年からの好調が維持でき、今後も非常に期待できます。

 安川電機陸上部では、このような小畑選手の活躍に触発され、選手間のライバル

心が燃え上がっている状態です。秋から冬にかけての各地のレースに挑みます。

当社は、「i -Mechatronics ~IT時代を支えるモーション・テクノロジー~」をメインテーマに出展致します。次世代のモーションネットワークとメカトロコンポーネントによるソリューションを、お客様

へご提案いたします。

2003年7月に販売開始した最新形のロボットを中心に、アーク・スポット溶接、塗装、液晶・半導体搬送など、各種アプリケーションに最適なシステムを実演展示し、多様化する用途に適格かつ柔軟に対応できるロボットシステムを提案します。

2003年7月に販売開始した最新形のロボットをはじめ、最新のドライブ製品からシステム技術まで安川電機グループの半導体産業への幅広い取組みをご紹介します。

会 期場 所当 社 ブ ー スオフィシャルサイト

: 2003年11月11日(火)~14日(金): 東京国際展示場(東京ビッグサイト・有明): 西展示場1階 西2ホール 小間番号No.2-62: http://scf.jp/

会 期場 所当 社 ブ ー スオフィシャルサイト

: 2003年11月19日(水)~22日(土): 東京国際展示場(東京ビッグサイト・有明): 東展示場 東2ホール 小間番号IR2-32: http://www.nikkan.co.jp/eve/03robot/

会 期場 所当 社 ブ ー スオフィシャルサイト

: 2003年12月3日(水)~5日(金): 幕張メッセ(日本コンベンションセンター): 展示ホール1 小間番号No.1-A902: http://www.semi.org/semicon.japan/

10 YASKAWA NEWS No. 265 YASKAWA NEWS No. 265  11

2001年の当社ブース(SCF展)

2001年の当社ブース(国際ロボット展)

2002年の当社ブース(セミコン・ジャパン2002) ゴールデンゲームズin延岡で力走する小畑選手

■お問い合わせ先ロボティクスオートメーション事業部 事業企画部TEL: (093)645-7703 FAX: (093)631-8140http://www.yaskawa.co.jp/products/robot.htm

■お問い合わせ先ロボティクスオートメーション事業部 事業企画部TEL: (093)645-7703 FAX: (093)631-8140http://www.yaskawa.co.jp/products/robot.htm

■お問い合わせ先ロボティクスオートメーション事業部 事業企画部TEL: (093)645-7703 FAX: (093)631-8140http://www.yaskawa.co.jp/products/robot.htm

■お問い合わせ先モーションコントロール事業部 事業企画部TEL: (042)962-7915 FAX: (042)962-6138http://www.e-mechatronics.com/tenjikai/scf/top.html

セミコン・ジャパン2003

システムコントロールフェア2003

2003国際ロボット展おもな出展内容

おもな出展内容

おもな出展内容●「フレキシブルマシンコントローラMP2200」の実演

●高速モーションネットワークMECHATROLINKの紹介

●技術講演会「環境調和時代のパワー変換技術とその応用」

●各種モーションネットワークへ繋がる最新製品の紹介

SCF開催日に販売開始する「MP2200」をはじめ、発売前の次期製品を展示いたします。

MECHATROLINKを中心に、お客様の様々なニーズにお応えするためのモーションネットワーク製品・技術をご紹介します。

ネットワーク対応のサーボ、ドライブ、リニアなど次世代システムへのご提案を担う最新メカトロ製品・技術についてご紹介します。

新しいパワー変換技術であるAC-AC直接変換技術など、その応用技術をご紹介します。(11月13日15:00~15:45)

3

◆主なスケジュール日 程 大 会 名 備 考

2003年11月23日2004年 1月 1日2004年 1月12日2004年 2月15日2004年 2月29日その他

毎日駅伝

ニューイヤー駅伝

朝日駅伝

千葉国際クロスカントリー

福岡国際クロスカントリー

各地のマラソン、ロードレース大会

ニューイヤー駅伝九州予選

目標10位以内

世界クロスカントリー選手権日本代表選考会

・新形ロボット、新形コントローラ・高密度4台協調アーク溶接システム・レーザブレイジング溶接システム・スポット溶接システム・塗装システム・バリ取りシステム

・新形ロボット、新形コントローラ・3FOUP対応ウエハ搬送ロボット・ウエハ搬送高性能真空ロボット・双腕ロボット・第7世代液晶ガラス搬送ロボット

・双腕ロボット・第7世代液晶ガラス搬送ロボット・3FOUP対応ウエハ搬送ロボット・ウエハ搬送高性能真空ロボット・運動療法装置TEM

・300mmソータシステム・精密XYステージ・画像処理システム・PLC/MCレスの搬送支援  システム

展示会情報

Quality & Beauty

北九州市八幡西区黒崎城石2-1 〒806-0004 TEL(093)645-8800 ホームページ http://www.yaskawa.co.jp

安川電機、クリーンエネルギーを推進。 地球環境問題がクローズアップさ

れるなか、クリーンなエネルギー源

として太陽光発電、風力発電、ミニ

水力発電などが注目されています。

なかでも風力発電は、出力規模がメ

ガワットを超える大形発電設備の増

加とともに、日本のように弱風や乱

流風などの条件にも対応でき設置

が容易な100kW未満の小形発電設備へのニーズも高まってきてい

ます。

 安川電機では、このニーズに応え

るために、長年培ってきたモータ

技術、発電制御技術により、小

容量独立形の高効率発電装置を開

発いたしました。

 この発電装置

は、風車などの回

転駆動源を受けて

電力に変換する小

形・高効率・省メン

テナンスを特長と

する永久磁石式同期発電機(安川

モートル(株)製)と、電力制御用の

高性能インバータを用いて、安定し

た電力変換を実現しています。

 いま、安川電機は<天然からの贈

り物(風)>から貴重なクリーンエ

ネルギーへの利用を推進していま

す。

天然の贈り物をエネルギーにしています。

天然の贈り物をエネルギーにしています。

発行 平成15年10月29日/ 発行所 株式会社 安川電機 埼玉県入間市上藤沢480番地 〒358-8555 TEL(042)962-5151 /編集責任者 久保川 謙悟 / 制作 安川オビアス株式会社

YASKAWA

新技術&新製品 

新型ロボット「MOTOMAN-EA/ESシリーズ」販売開始フレキシブルマシンコントローラ「MP2200」近日登場コンパクトなオゾン水処理装置を開発下水水質シミュレータAquaNavi を製品化展示会情報 

システムコントロールフェア(SCF)20032003国際ロボット展セミコン・ジャパン2003安川電機技術物語 第二回

MOTOMANの誕生

【特集】

使い捨ての時代から リニューアルの時代へ

No. 265AutumnAutumn

20032003

Quality & Beauty

R

「2003年度日本産業広告賞」に入賞しました。このたび、日刊工業新聞社主催の「2003年度日本産業広告賞」において、「高効率発電装置」の広告が雑誌部門第2部の2席に入賞いたしました。 (下記広告は、受賞した作品を縦形にリサイズしたものです。)

●企画:(株)安川電機 営業推進部営業企画グループ/安川オビアス(株) ●デザイン・制作:安川オビアス(株) ●掲載誌:『機械設計』(日刊工業新聞社発行)9月号