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vol.30
第30号
2019September
News Letter 公立大学法人奈良県立医科大学 女性研究者・医師支援センター
~ Center for Diversity and Inclusion~
当センターは本年4月1日から「女性研究者・医師支援センター」に名称を改め、センター運営委員会に新たな委員の方々をお迎えし新体制で活動をスタートしています(図1)。女性研究者・医師支援センターは、今後も本学の教職員や学生に貢献できるよう、研究支援、相談業務、各種調査研究、医学
教育、啓発活動に取り組んで参ります。
Report1 女性研究者・医師支援センターの体制について
Report2 本学教員・研究者・学生および医師の女性割合について
Report3 教職員の保育環境整備について
女性研究者・医師支援センターの体制についてReport
図1 女性研究者・医師支援センター実施体制図
相 談▶�ライフイベントと就労の両立についての相談▶人間関係の悩み相談▶学業上の悩み相談▶その他
心理相談員
研究・就労支援▶�研究支援員配置▶�女性研究者学術研究奨励賞選考▶科研費申請推進事業▶復職支援事業
コーディネーター(兼任教員)
研究奨励賞選考委員
研究支援員
教 育▶�キャリア教育▶�男女共同参画の理解を深める教育▶�ダイバーシティ推進を考える教育▶�女子中高生の医理系進路選択支援
コーディネーター(兼任教員)
教育開発センター
教育支援課
啓発・広報▶HP運用▶�ニュースレター・ポスター・パンフレット等の発行▶�女性の活躍・参画状況を数値・グラフで見える化▶啓発研修・講演会の実施 ・ハラスメント防止� ・�男女共同参画・ダイバーシティ推進
学長(=理事長):細井 裕司
センター長(副学長・医学部長):車谷 典男
マネージャー(専任教員):須﨑 康恵
事務局(研究推進課)
研究・企画▶医学教育研究▶調査研究 ・ワークライフバランス� ・就労・学習環境� ・ハラスメント� ・女性の活躍・参画状況
人事課
総務課
教育支援課
女性研究者・医師支援センター運営委員会
女性研究者・医師支援センター運営委員会委員車谷 典男 センター長西浦 嘉彦 総務・経営担当理事堀江 恭二 生理学第二�教授 本年度より就任川口 昌彦 麻酔科学�教授 前年度より継続鶴屋 和彦 腎臓内科学�教授 本年度より就任澤見 一枝 老年看護学�教授 本年度より就任
コーディネーター裏山 悟司 生物学�助教長井 美奈子 消化器・総合外科学�助教吉元 千陽 総合周産期母子医療センター�助教
本学教員・研究者・学生および医師の女性割合について
医学科女性教員および医学部女性研究者の割合は、当センター設立後、直実に増加しています(図1)。令和元年度の医学科女性教員割合は19.4%となり、講師や助教の女性割合は20%を超えています(図2)。しかしながら、教員の女性割合(19.4%)と医学科女子学生の割合(26.0%)には未だ開きがあり、医学教育における多様性構築の観点からも、さらなる女性教員の増加が望まれます。とりわけ医学科では、全国的にも教授・准教授の女性割合が低く、本学においても指導的立場に就く女性教授・准教授の増加が今後の目標と考えます。また、医学生、臨床研修医、医員の指導に携わる臨床系女性教員も直実に増加し、今年度は、第2期中期目標・中期計画(平成
25年度~平成30年度)の最終目標(35人)を大きく上回る47人となりました(図3)。しかし、医員(専攻医、医員、病院助教、診療助教)の女性割合と比べると、臨床系教員の女性割合は低い状況です(図4)。専門医取得後の診療助教の女性割合が40%を超え、学位(医学博士)取得者に占める女性の割合も直近3年間では30%を超えている(図5)ことから、本学には教員候補となる女性医員が多数在籍すると思われます。平成30年度の臨床系女性教員の採用割合は、24.0%と増加傾向にありますが(図6)、下記の第3期中期目標・中期計画を達成するためには、今後も積極的な女性教員の採用が必要と考えます。当センターでは、女性研究者・医師への研究支援を中心に、ワークライフバランス推進やハラスメントの防止、医学科学生へ
のキャリア教育などを通して、今後も女性の活躍を応援していきたいと思います。
●第3期中期目標・中期計画(平成31年度~令和6年度)
Report
①医学科女性教員割合の増加
現状 2019 2020 2021 2022 2023 202416.4% 17.5% 18.0% 18.5% 19.0% 19.5% 20.0%
②女性医師数(週 5日勤務)の増加
現状 2019 2020 2021 2022 2023 2024121 人 125 人 128 人 131 人 134 人 137 人 140 人
図1 女性研究者割合の推移
図2 医学科学生・教員の女性割合
11.2% 12.5% 13.2%
14.5% 14.3% 14.9% 16.1% 16.4%
16.9%
19.4%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1女性研究者・医師支援センター 設立前
34人 39人
48人 53人
41人 45人
55人 58人
67人
45人
18.0% 19.5% 20.2%
22.0% 21.3% 21.6% 23.3% 22.2% 23.0%
25.4% 23.1% 23.8% 23.6%
24.6% 24.5% 24.8% 27.7% 27.6% 27.8%
29.4%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1
医学部女性教員
女性研究者
女性研究者・医師支援センター 設立前
※研究者…教員+研究員(医員、寄附講座教員、特任教員、共同研究講座教員、 研究助教、特別研究員)
【医学科女性教員割合】 【医学部女性教員・研究者割合】
6.2% 6.4%8.1% 7.0% 7.5% 8.3%
18.2% 18.5%
18.0% 18.9%
21.8%23.2%
17.9% 18.3%
20.0% 20.8%20.9%
24.7%
14.3% 14.9% 16.1% 16.4% 16.9%19.4%
29.1%27.4% 27.1% 26.6% 25.4% 26.0%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
H26 H27 H28 H29 H30 R1
教授・准教授講師助教教員全体医学科学生
今後の目標
呼吸器内科学(1人)
循環器内科学(1人)
第三内科学(2人)
消化器・総合外科学(3人)
脳神経内科学(2人)口腔外科学(1人)
精神医学(2人)
産婦人科学(7人)
皮膚科学(5人)
放射線医学(4人)
放射線腫瘍医学(2人)
麻酔科学(3人)
その他(2人)
病理診断学(4人)
眼科学(3人)小児科学
(5人)
臨床系女性教員47人の所属内訳は図7の通りです。本学で最も多く臨床系女性教員が在籍するのは、産婦人科学講座(7人)で、次が小児科学講座(5人)と皮膚科学講座(5人)となっています。臨床医学講座の中で、講師以上の上位職に女性が在籍する講座は、現在10教室(循環器内科学、第三内科学、脳神経内科学、消化器・総合外科学、小児科学、皮膚科学、放射線腫瘍医学、眼科学、放射線医学、病理診断学)あり、このうち9教室では、複数の女性教員が在籍しています。上位職に女性が在籍する教室では、後進の女性医師の育成も進んでいると考えます。一方、女性教員が令和元年5月1日時点でゼロである臨床医
学講座は、9教室となっています。これら9教室の中には、女性教員は在籍しないものの、女性診療助教が在籍する教室が5教室(腎臓内科学、整形外科学、耳鼻咽喉・頭頸部外科学、総合医療学、感染症センター)あります。総合医療学講座では、本年6月に女性教員が採用されており、その他の女性教員ゼロの8教室にも、今後新たな女性教員が就任することを期待したいと思います。
図3 臨床系女性教員数の推移
図5 学位(医学博士)取得者の女性割合
図6 女性教員採用割合
図7 臨床系女性教員の所属内訳
図4 医師の職位別女性割合(令和元年度)
26 2428
3137
38
47
25 27 29 3133 35
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1
(人)
:実績 : 第2期中期目標・中期計画 (平成25年度~平成30年度)
29.4% 31.7% 29.2%39.0% 41.7%
17.5%0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
臨床研修医 専攻医 医員 病院
助教診療助教
臨床系教員
■男(人) 77 97 102 50 21 222■女(人) 32 45 42 32 15 47全体(人) 109 142 144 82 36 269
29 3222
45 27 30 27 22 24
35
4
6
68 14
10 119.4%
13.5%15.4%
11.8%
18.2%21.1%
34.1%31.3% 31.4%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
0
10
20
30
40
50
60
70
80
H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30男性合計 女性合計 女性割合
取得者人数(人)
女性割合
H26 H27 H28 H29 H30医学部女性教員採用割合 18.2% 26.7% 30.2% 23.1% 31.4%医学科女性教員採用割合 12.8% 23.3% 22.9% 22.2% 22.6%臨床系女性教員採用割合 16.1% 21.6% 22.7% 20.0% 24.0%注)女性教員採用割合(%)=女性教員採用数/男女教員採用総数 ×100
※�数値は全て令和元年 5�月 1 日時点のものです
●女性教員及び女性診療助教がゼロの4医局脳神経外科学、胸部・心臓血管外科学、泌尿器科学、救急医学
[編集後記]実りの秋が待たれる頃となりました。センターでは、事務職員の川村さんが9月末で
退職となり、変化の時を迎えています。別れは寂しいですが、新たな出会いを楽しみに、今後とも皆さまのお役に立てるよう運営を続けて参ります。
本号にも一部掲載しましたが、センターでは女性の活躍・参画状況の見える化に取り組んでいます。各種情報をHP 上にも公開していますので是非ご覧ください。講演会等で、女性研究者・医師に関するデータが必要な際には、どうぞお問い合わせください。
[編集・発行]奈良県立医科大学 女性研究者・医師支援センター「まほろば」〒634-8521 奈良県橿原市四条町840奈良県立医科大学 基礎医学棟5階TEL:0744-23-8011(直通) 0744-22-3051(代)内線:2525E-mail:[email protected]
にこにこ
教職員の保育環境整備について
法人は、学内保育園(なかよし保育園)を平成24年度に全面改築し、平成27年度には園舎の増築ならびに定員の増員を行いました(図1)。平成30年度の新館完成後は、0歳児から5歳児まで各年齢の定員が25人、総定員が150人に増加しています。なかよし保育園に通う園児の保護者の職種は多岐にわたっており(図2)、教職員の保育ニーズに広く対応した学内保育園となっています。医師や教員の園児も多数在籍しており、女性研究者・医師の就労継続にも大きな役割を果たしています。また、本学では平成27年1月から民間医療機関(医療法人吉川医院)と連携し、生後6ヶ月から小学校3年生を対象に病児・
病後児保育を実施しています。平成27年度以降に病児・病後児保育を利用した児童数および保護者の職員数と内訳は以下の通り(図3、図4)です。子どもが病気の時には、両親のいずれかが休みを取り、自宅で看護できるような職場環境を整えることが理想ではありますが、急な休みに対応できない場合には、職員の大切なセーフティネットになると思います。病児・病後児保育の詳細や利用を希望される方は、総務課にお問い合わせください。(内線:2206)
Report
図1 なかよし保育園の変遷
図3 本学連携医療機関で病児・病後児保育を 利用した児童数
図2 なかよし保育園に在籍する全園児の保護者の職種内訳
図4 本学連携医療機関での病児・病後児保育利用職員数
年 度 S41 ~ H23 H24 ~ H26 H27 ~ H30.10 ~入所定員 18 名 60 名 90 名 150 名施設面積 98.0㎡ 450.7㎡ 548.9㎡ 1068.4㎡
H28.4.1 H29.4.1 H30.4.1 H31.4.1H27.4.1
7179
17 21 26 26 322 22 1
63743 39
33
3568 5
6
89
8 75
7
1
1
0102030405060708090100
臨床部門以外の教員看護師・助産師 医療技術職員事務職員・看護補助 学生
88
医師・歯科医師(臨床研修医、医員、臨床部門の教員)
(8%) (9%)
(40%)
(7%)
(36%)
(人)
※父母ともに本学職員・学生の場合、母親の職種で集計
83
園
児
数
72
814
28
56
6 69
17
0
10
20
30
40
50
60
H27 H28 H29 H30
のべ児童数 実児童数
(人)
6
H27
6
H28
9
H29
16
H30
2
6
4
10
8
14
12
16 :医師・歯科医師(臨床研修医、医員、臨床部門の教員)
:その他
:臨床部門以外の教員:看護師・助産師:事務職員・看護補助:医療技術職員
利用職員数(人)