DELIVERYREALITY

THE NEW

Achieving High Performance in the Post and Parcel Industry 2016

目次

はじめに

郵便・宅配便業界の現状

ハイパフォーマーの戦略

デジタル企業への変革

変革をもたらす新たな波

1

はじめに

はじめにアクセンチュアが郵便・宅配便業界に関する調査レポートを発行し始めてから10年が経ちました。郵便・宅配便業界は、単に生き残っているだけでなく、次第に力強さを増している、と自信を持って断言できます。

多くの郵政事業者が郵便事業で利益を上げています。さらに多くの事業者が宅配便事業で大きな成功を収めています。デジタル・テクノロジーの進展が業界をディスラプト（創造的破壊）する一方で、イノベーションによる成長の可能性も秘めており、新しい成功の形が生まれようとしています。

しかし、郵政事業者が成功するためには迅速な行動が必要です。テクノロジーやケイパビリティの進展によって消費者の行動や期待が激変すると同時に、デジタル・テクノロジーを活用したスタートアップ企業が既存の参入障壁を打ち砕いて、新たな競合として台頭しつつあります。

こうした変革の中心にあるのが宅配便市場です。EC市場の急成長に伴い、送料無料サービスは、即日無料配達という極限に達しました。これほどまでに即日配達が幅広く、しかも無料で消費者に提供されるようになるとは、ほんの５年前に誰が予測しえたでしょうか。しかし、これが現実であり、「この先はどうなるのか」という問題を考えざるを得ません。

こうした市場変化からも判るように、今後、デジタル・テクノロジーがより大きな役割を果たすようになり、配達サービスのあり方が大きく変わろうとしています。その配達サービスの変化に対応するためは、配達サービスの高速化・効率化が必要です。既存のオペレーションモデルを抜本的に変えることができるか否かは、データをいかに活用できるかにかかっています。さまざまな市場変化に対応しながら、時間をかけてオペレーションモデルの変革を推進することが必要となります。

私は郵便・宅配便業界に18年間携わってきましたが、率直に言って、今ほど郵政事業者にとってエキサイティングな時代はありません。この調査レポートが郵便・宅配便業界の「今」について、有益な情報を提供できると確信しています。

Brody BuhlerGlobal Managing DirectorAccenture Post and Parcel

2

はじめに

1. 郵便事業の収益性を堅持して投資原資を確保2. 宅配便事業のシェア拡大・収益性向上を追求3. 既存の物流網・店舗網を活かして新規事業を展開4. デジタルを積極活用して企業変革を推進

業界のディスラプション（創造的破壊）が進展する中、ハイパフォーマンスを実現している郵政事業者は、郵便事業の収益性向上と宅配便事業の成長を両立している。ただし、長期的にハイパフォーマンスを実現するためには、４つの戦略遂行に向けて、絶え間なく変革し続けていくことが必要となる。

DEFEND THE CORE BUSINESS

GROW THE PARCELS OPPORTUNITY

DIVERSIFY SELECTIVELY

BE A DIGITAL ORGANIZATION

LOGISTICS

DELIVERY

RETAIL

郵便・宅配便業界におけるハイパフォーマンス・モデル10年間に亘る郵便・宅配便業界の動向調査にもとづき、郵政事業者がハイパフォーマンスを実現するために必要となる４つの戦略を定義

3

01郵便・宅配便業界の現状

4

デジタルが業界構造を抜本的に変えるテクノロジーの進展により、郵便・宅配便業界の競争環境が変化し続けている。テクノロジーを活用した新しい商品・サービスの出現、消費者の行動・期待の変化、スタートアップ企業による業界参入。小売業界のデジタルシフトに伴って急拡大する宅配便ニーズに対応するため、郵政事業者は今までのビジネスのあり方を見直していくことが必要となる。

郵便・宅配便業界の現状

5

テクノロジー・トレンド

宅配便事業の成長 強みを活かした新規事業展開郵便事業の収益性堅持

自動運転ロボティックス

テレマティクスアナリティクス

クラウドセンサー・ビーコン

ウェアラブル 人工知能（AI）IoT

コスト効率化への強い圧力

新規参入による競争激化

デジタル・サービスへの期待

柔軟なオペレーションの必要性

顧客体験価値の向上

消費者からの期待の変化

データ管理・セキュリティ管理の重要性

郵便・宅配便業界の現状

ブロックチェーン

6

ここ数年でスタートアップ企業への投資が急増し、特にラストワンマイルの配送サービス市場に大きな影響を与えている。膨大な資産を自社で抱える固定費中心の既存企業とは対照的に、スタートアップ企業はテクノロジーを活用してクラウドソーシング等の新たなビジネスモデルを構築することで、バリューチェーンを大きく変革している。

シェアリング・エコノミー型のビジネスモデルを構築することで、スタートアップ企業は固定費に縛られない機動的な事業展開を可能としており、既存企業が効率化に苦心する中、顧客体験価値の向上に注力している。複雑な配送ネットワークもアナリティクス技術を活用してコントロールし、どこでもすぐに低コストでサービス提供を開始することが可能となっている。

スタートアップ企業とベンチャーキャピタルによって変わる物流業界

2013年 1年間で

2.66億ドル

2016 年 Q1 3ヶ月で 17.5億ドル

事業拡大に必要な投資額を低く抑えられるため、 Eコマース需要の変化に合わせた、柔軟な事業拡大・撤退も可能としている。郵政事業者は、こうした革新的なビジネスモデルをようやく認識し始めた段階であり、もう一刻の猶予も許されない状況にある。

ベンチャーキャピタルによる物流関連スタートアップ企業への投資額

郵便・宅配便業界の現状

7

ケーススタディ：ONIBAG宅配便市場に新規参入した Onibag は、車両や施設を１つも保有することなく、アメリカ70都市間を結ぶ翌日配送ネットワークを構築した。都市間の輸送は路線バスの余剰スペースを活用した貨客混載で、都市内の集荷・配達はクラウドソーシングで実現している。このビジネスモデルによって、競合と比べて半分以下の料金体系と、はるかに高い収益性の両方を達成している。

ベンチャーキャピタルによるスタートアップ企業への投資額（百万ドル）

312 266

20142013 2015 2016 Q1

441 388 424

1,2021,753

17

Eコマース関連物流関連

郵便・宅配便業界の現状

スタートアップ企業とベンチャーキャピタルによって変わる物流業界

8

既存の郵便・宅配便事業者も記録的なペースで投資を加速既存の郵便・宅配便事業者も、Eコマース市場の急拡大に伴う変化に対応するため、キャパシティ拡張やサービス拡充に向けた投資を加速させている。業界全体では2013～2015年の3年間で投資支出が40%以上増加している。

中には、売上の三分の一を投資に充てる事例も存在している。ほぼすべての投資は、Eコマース需要の急拡大への対応、特にピーク需要に対応するためのキャパシティ拡張に向けられている。

郵便・宅配便事業者によるM&Aも活発化している。過去15年間と比べて、規模よりも専門性を求めるM&Aが増加する傾向がみられる。

2013: 3.7% 2015: 5.1%

ロジスティクスや長距離輸送、郵便物や宅配便の配送サービス、金融関連サービスやテクノロジー関連などさまざまな領域でのM&Aが増えてきている。

郵便・宅配便事業者による対売上投資比率

郵便・宅配便業界の現状

9

* 2012年の為替レートで換算

20132012 2014 2015

15,665

13,04610,81210,937

-1%

+41%

郵便・宅配便業界の現状

既存の郵便・宅配便事業者も記録的なペースで投資を加速郵便・宅配便事業者による投資額合計*

（百万ユーロ）

10

Eコマースの拡大がもたらす配送サービスの二極化Eコマースの拡大に伴う小売業界と消費者の変化が郵便・宅配便事業者の物流ネットワークに大きな影響を与えている。国境を跨いで配送するグローバルダイレクトモデルと、近距離できめ細やかなサービスを提供するハイパーローカルモデルへの二極化が進んでいる。同時に、既存業者が持つ均質な国内配送ネットワークの重要性が脅かされつつある。

越境Eコマースは成長を続けており、国境を跨いだ配送サービスへの需要はさらに拡大している。消費者の関心は既に「どの国の商品を買うか」から、従来の国内Eコマースと同様、「送料はいくらか」「いつ届くか」に移っている。

この変化を受け、2015年には、郵便・宅配便事業者によるM&Aのうち、67%が「国外企業とのジョイントベンチャー設立や国外企業の買収」となった。

国外での在庫管理機能・フルフィルメント機能など、越境Eコマースに必要なケイパビリティをM&Aによって獲得している。

ラストワンマイル市場の競争もさらに激化している。通販事業者は消費者との関係構築に投資する一方で、配送サービスの無料化・高速化で競合との差別化を図ろうとしている。こうした圧力の影響で「エンド・トゥ・エンドの配送ネットワークの構築・整備コスト」という最大級の参入障壁が崩されつつある。

グローバルのEコマース市場成長率（2016～2020年）

25.5%3

20.2%2国内・越境合計

越境のみ

郵便・宅配便業界の現状

11

AMAZON PRIME NOW HUBS

Amazonは、2016年時点で米国内58か所にAmazon Prime Nowの物流ハブを設置し、「お急ぎ便」対象商品を保管することで、即日配達4

に対応。また、7760万人の消費者を対象に、1～2時間以内に商品を届けるサービスを提供5。ドイツ・スペイン・イタリアにも、Prime Now物流ハブをオープンする予定6。

小売業者による物流業界への進出

Alibaba、Amazon、Walmart等の小売事業者は、ラストワンマイルの配送だけでなく、商品の出荷～輸送分野にも進出している。WalmartやAlibabaは、中国から北米への商品輸送コンテナの余剰スペースのリースを開始した。Eコマースの急拡大に伴うキャパシティの確保と配送コストの削減を両立するため、大手小売業者はさまざまな策を講じている7。

郵便・宅配便業界の現状

Eコマースの拡大がもたらす配送サービスの二極化

12

宅配便：量が増える一方で弱まっていく価格交渉力成長市場であれば通常、価格是正の機会も多いはずだが、宅配便市場の場合、小包１個あたりの売上はグローバルでも2013年～2015年で0.5％下落と、ほぼ横ばい状態。さまざまな要素が絡み合うなか、キャパシティ確保のための投資と新規参入者の登場によって利益率は低下している。

本調査によって、中小小売業者の多くが大手マーケットプレイスへの出店を進めた結果、マーケットプレイス事業者が強い交渉力を持ち、宅配便事業の利益率に影響を与えていることが判明した。

三大マーケットプレイスにおける取引総額の年平均成長率（2010年～2015年9）

CAGR:

48%98%のオンライン小売業者が、１つ以上のマーケットプレイスに出店している

80%+のオンライン小売業者で、マーケットプレイスでの売上が総売上の40%以上を占めている

シェア拡大に伴い、マーケットプレイス事業者が「より高品質でより安い配送サービス」を求めることで、宅配便事業者の利益率が圧迫され続けている。

郵便・宅配便業界の現状

13

17,347 18,160 19,437 5.9%CAGR

8.0%

3.7%

8,696 9,189 10,134

8,652 8,971 9,303

CAGR

117,035 122,503 128,576

44,939

72,096

47,471

75,032

51,539

77,037

4.8%

7.1%

3.4%

5.178.33

5.178.36

5.098.28

CAGR

郵政事業者 郵政事業者以外

2013 2014 2015

取扱個数

2013 2014 2015

売上

2013 2014 2015

単価

-0.8%-0.3%

郵便・宅配便業界の現状

2013～2015年の宅配便事業の取扱個数・売上・単価の変化

宅配便：量が増える一方で弱まっていく価格交渉力

14

郵便：量が減少する一方で高まっていく利益率

2015年、グローバルの郵便物数の減少幅は2%となり、2007～2010年の年平均減少率6.3%から大幅に改善した。ただし、これは大手の郵政事業者数社が2015年に減少幅縮小に成功したためであり、郵便物数の減少傾向はいまだ変わりない。事実、2014～2015年の郵便物数の年平均減少率は4.5%だった。内訳を見ると、通常の郵便物は引き続き減少し続ける一方、ダイレクトメール等の広告郵便物は増加を続けており、通常郵便物の減少の一部を相殺している状況。

グローバルでは、直近10年間で郵便物が1000億通減少した

2010-2013:

5% 2013-2016:

11%

郵政事業者の多くが郵便事業での堅調な収益率を達成している。業務の効率化や郵便料金の値上げが奏功し、2015年の郵便事業における収益率はグローバル平均で6.8%となった。郵便サービスの価格弾力性を測るための試みとして、郵便料金を大幅に値上げした結果、利益率が改善したという事例も存在している。

ヨーロッパにおける郵便料金上昇率（年平均）

郵便・宅配便業界の現状

15

郵便物数

（十億通）

-0.4% -6.3% -3.5% -1.8% -2%（予測）

安定期 漸減期 微減期 横這い期

CAGR

20050

50

100

150

200

250

300

350

400

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

STAGE 1 STAGE 2 STAGE 3 STAGE 4 STAGE 5

郵便・宅配便業界の現状

グローバルの郵便物数推移（2016～2019年は予測）

郵便：量が減少する一方で高まっていく利益率

激減期

16

新規事業：増収に大きく貢献する一方利益率へのインパクトには注意が必要郵便・宅配便事業者にとって、事業多角化が増収に与える影響は非常に大きい。

ロジスティクス事業への拡大は、既存のラストワンマイルサービスとのシナジーが期待できる。ロジスティクス・サプライチェーン領域へ事業拡大することで売上を増やすとともに、既存の設備・要員の稼働率も改善させることが可能となる。

金融・決済サービス事業は、より収益性の高い新規収益源として期待できる。郵政事業者は、郵便局ネットワークという膨大なビジネス資産の活用方法を模索し続けており、金融・決済サービス事業への進出は、今後も最も収益性・成長性の高い戦略となり得る。

郵便事業

郵便事業以外

事業多角化については、すべての事業者に当てはまる解はない。郵便・宅配便事業者には全国津々浦々に広がる店舗網・配送網という強みもあるが、人件費の高さという弱みもある。自らの強みに合った事業・サービスを開発するとともに、柔軟・安価なコスト構造へ転換することで、新しいビジネスモデルを構築することが重要だ。

2013年～2015年の売上増減額

–20億ドル

140億ドル10

郵便・宅配便業界の現状

17

-20%

-15%

0%

5%

10%

15%

20%

30%

35%

郵便事業

中央値 7.7%

宅配便 ロジスティクス 金融

郵便宅配便ロジスティクス金融

中央値 4.8% 中央値 4.6%

中央値14.9%

郵便・宅配便業界の現状

各国郵政事業者の事業別営業利益率（2015年）

新規事業：増収に大きく貢献する一方利益率へのインパクトには注意が必要

18

02ハイパフォーマーの戦略

19

ハイパフォーマーに共通する５つの特長

1 2 3

お役所文化から脱却

郵便事業で利益を創出

5

財務的な成果創出を追求

4

新規事業で増収増益を実現

ハイパフォーマーの戦略

Eコマースの波に乗って成長

20

ハイパフォーマーは財務的な成果創出にこだわる

ハイパフォーマーは中位・下位の事業者に比べ、2.82倍の速度で売上を伸ばしている。既存事業の成長とM&Aを絶妙に組み合わせて、規模の拡大と企業価値の向上を同時に実現している。

USPSはクラウドベースの顧客情報アナリティクス技術13を活用した法人顧客の離反防止策を講じることで、2012年以降、年平均20%以上の売上成長を実現している。

ハイパフォーマーは平均11.8%のEBIT（利払前・税引前利益）を達成しており、下位事業者の0.3%に比べて非常に高い利益水準となっている。

Poste Italianeは2014～2015年に7.9%の売上成長、20.1%のEBIT成長を同時に達成した11。

ハイパフォーマーは絶えず企業価値向上を追求することで、高いROIC（投下資本利益率）を達成しており、中位の事業者と比べて、約３倍の水準となっている。

SingPostは大規模なM&Aによって継続的な増収増益を実現しており、2015年においては、25.6%の売上成長と17.3%のEBIT成長を達成した12。

1

ハイパフォーマーの戦略

21

パフォーマンスランク別の売上成長率（全事業）

*ROIC – WACC (Return On Invested Capital –Weighted Average Cost of Capital)

2015年の利回り (ROIC – WACC*)

上位10社

中位10社

下位11社

5.7%1.9%

-16.1%

1

上位10社

2012年の為替レートで換算

中位10社 下位11社

5.2

4

-0.5

-1

0

1

2

3

4

5

6

ハイパフォーマーの戦略

ハイパフォーマーは財務的な成果創出にこだわる

22

ハイパフォーマーは郵便事業で利益を創出する

ハイパフォーマーはオペレーションの効率性・稼働率向上を積極的に推進している。郵便物と宅配便の配送ネットワークを統合するケースや、郵便物の配達スピードを敢えて抑えて取扱物数を平準化するケースが見られる。Canada Postは数年間に亘る郵便事業変革プロジェクトを行い、集配ネットワーク再編やオペレーション自動化への投資を実施。目標としていた年間2.50億カナダドル（1.85億米ドル）を上回るコスト削減を達成した。

ハイパフォーマーは物数減少による減収を相殺する手段として、郵便料金の値上げを積極的に実施している。2013年～2016年において、年平均10.5%の郵便料金値上げに成功した。15

Australia Postは「通常便」の郵便料金を0.7豪ドルから1.0豪ドルに値上げするだけでなく、0.5豪ドルを追加すれば数日早く配達する「お急ぎ便」を開発した16。

Austrian Post Groupは高速・高額のAustrian Post / 低速・低額のFerbreとブランドを分けてプライシングを見直すことで、物数を維持しながら高い収益性（2015年EBIT 19%）を実現した17。

ハイパフォーマーは物数減少対策のみに腐心せず、むしろ郵便の付加価値を向上させるイノベーション開発に注力している。宛名・無宛名のDM開発や地理情報を活用したオンライン・マーケティングツールの開発、郵便に係るデジタルサービス開発を推進。Royal Mail Data Servicesはアナリティクス技術を活用したターゲットマーケティング・キャンペーンを実施し、郵便の付加価値向上とROI改善を達成した18。

2

ハイパフォーマーの戦略

23

郵便事業の物数・売上減少率（2014年～2015年）

各国郵政事業者の平均物数・平均売上から算出

郵便事業のEBIT（2015円）

社員１人あたりの平均郵便物数

上位10社

中位10社

下位11社

15.9% 8.7%

-9.4%

101,21881,265

82,250

2

-5.2-4.2

-5.4

物数の減少率（%）

売上の減少率（%）

-6

-5

-4

-3

-2

2

-1

1

0上位10社 中位10社 下位11社

-1.9 -1.7

-3.7

ハイパフォーマーの戦略

ハイパフォーマーは郵便事業で利益を創出する

24

ハイパフォーマーはEコマースの波に乗って宅配便事業を成長させる

UPSのMy Choiceは既に16ヶ国2900万人の会員を獲得21。

ハイパフォーマーのうち、受取人の体験価値向上に向けたプラットフォーム構築を予定している割合（下位事業者は11社のうち、３社のみ）

上位10社 12.0%中位10社 5.2%下位11社 4.4%

ハイパフォーマーは競争環境の状況に関わらず、Eコマース需要増加に合わせ、宅配便事業のシェアを伸ばしている。

直近5年間の宅配便事業売上のCAGR

ハイパフォーマーは越境配送サービスの拡大に注力しており、中位・下位の事業者と比べて、海外・越境地域の売上比率が約２倍に及んでいる。

Japan PostはToll Groupを49億ドルで買収し、越境ロジスティクス市場におけるプレゼンスを構築。アジア地域における成長戦略の足場を築いた20。

ハイパフォーマーは受取人の顧客体験価値の向上にフォーカスしている。柔軟な受取・返品サービスを提供し、それぞれの受取人が便利な配送サービスを選べる環境を作り上げている。

7/10

Australia PostとCanada Postは、Eコマース対応に必要な配送網等の構築に積極的に投資し、B2C宅配便市場でそれぞれ75%、66%のシェアを達成19。

3

ハイパフォーマーの戦略

25

国外市場での売上割合（%）（2015円）

3

0246

パフォーマンスランク別の売上成長率（宅配便事業）

1210 8

直近１年間の売上成長率 （CAGR）

過去３年間の売上成長率（CAGR）

過去５年間の売上成長率（CAGR）

9.2 9.712.0

上位10社 中位10社

5.9 4.9 5.2

下位11社

0.9 2.44.4

郵政事業者と宅配便事業者の合計

郵政事業者のみ

上位10社 下位11社

20.9 19.9

中位10社

19.6

9.615.5

7.5

0

5

10

15

20

25

ハイパフォーマーの戦略

ハイパフォーマーはEコマースの波に乗って宅配便事業を成長させる

26

ハイパフォーマーは新規事業で増収も増益も実現する

ハイパフォーマーは迅速に事業多角化を進めるために積極的にM&Aを活用している。事業多角化に必要なケイパビリティ・キャパシティを、時間をかけて社内で構築せず、買収という手段で迅速に実現してしまう。郵便・宅配便業界におけるM&Aの50%をハイパフォーマー10社が占め、下位11社の3倍以上の件数となっている。

La Posteは積極的にM&Aを推進しており、 2011年からの5年間で35件のM&Aを実施している24。

ハイパフォーマーは郵便局ネットワークを活用した金融サービスへ進出を推進している。2013～2015年で7%の売上成長を達成するとともに、2015年には14.9%の利益率も実現し、郵便局ネットワークにかかるコストの下支えとしても貢献している。

New Zealand Postは銀行事業Kiwibankを創設後15年足らずでグループ全体の純利益の88%を稼ぎ出す事業にまで成長させることに成功している23。

ハイパフォーマーはロジスティクス領域への拡大によるシナジー創出を推進している。M&Aでキャパシティを拡張するとともに、スケールメリットによる限界費用の低減と、Eコマース起因のロジスティクス市場におけるシェア拡大を目指している。

FedExは直近2年間でBongo International、GENCO、TNT Expressを買収し、Eコマースに対応するキャパシティ拡張を実現22。

4

ハイパフォーマーの戦略

27

郵便事業以外の事業における売上成長率（2014年～2015年）

7/10のハイパフォーマーが、ロジスティクス事業に進出し、かつ4.8%以上の営業利益率を達成

4郵政事業者・宅配便事業者によるM&A/JV設立件数（2011年～2015年）

国内 国外

上位10社 下位11社0

10

20

30

40

50

60

70

32%

63%

6%

50% 44%

6%45% 55%

15 18

0

4136

5

34

67

6

0%

上位10社 9.5%中位10社 4.9%下位11社 -0.1%

ハイパフォーマーの戦略

ハイパフォーマーは新規事業で増収も増益も実現する

不明

中位10社

28

ハイパフォーマーはお役所文化から脱却して利益を追求する5

ハイパフォーマーは消費者や顧客にフォーカスしている。「どれだったら監督官庁の認可がが得られるか」ではなく「顧客は何を求めているか」という視点で意思決定を行っている。

USPSはアナリティクスを活用して顧客離反リスクを予測し、各顧客に合わせた対策をとることで、昨年5.5億ドルの成果創出に成功25。

ハイパフォーマーは株主価値の最大化に注力している。キャッシュの創出や株価の向上にどれだけ貢献するかという視点で意思決定を行っている。

DPDHLは株主価値主導の企業文化を長年かけて構築し、業界トップレベルの株主価値提供を実現している26。 民営化前

2年間民営化後2年間27

6.05%

EBIT平均 5.19% 9.74%

ハイパフォーマーは民営化や上場を契機に利益主導型の企業文化への転換を進めている。民営化を機に、従来の業績管理・投資管理のあり方を見直し、利益創出を重視する姿勢を打ち出している。

民営化が業績に与える影響

8/10ハイパフォーマーのうち、民営化している事業者の割合

ハイパフォーマーの戦略

0.36%年間売上成長率

29

2011年～2016年の株価推移（2011年5月の株価を1.0として換算） 2016年5月時点における株価の増減度合い

5

May11

Nov11

May12

Nov12

May13

Nov13

May14

Nov14

May15

Nov15

May16

3.83.63.43.23.02.82.62.42.22.01.81.61.41.21.00.80.60.40.20.0

Amazon 3.7DPDHL 2.4Aramex 2.2bpost 2.0Yamato 1.9Austria Post 1.9FedEx 1.8SingPost 1.8S&P 500 1.7CTT 1.7UPS 1.6S&P Transportation 1.6Poste Italiane 1.1Royal Mail Group 1.1TNT 0.8Japan Post 0.8PostNL 0.6

Japan Post

PosteItaliane

CTTRoyalMail

Group

bpost

ハイパフォーマーの戦略

ハイパフォーマーはお役所文化から脱却して利益を追求する

2011年5月以降に上場した事業者

2011年5月以降に上場した事業者は、上場時点の株価を1.0として換算

30

03デジタル企業への変革郵政事業者においても、今日のデジタル・エコノミーにおいて成功するためには、テクノロジーを活用したオペレーションやサービスの変革が欠かせないものとなる

31

デジタル企業への変革

宅配便事業の成長

強みを活かした新規事業展開

郵便事業の収益性堅持

オペレーションのデジタル化

デジタル化でコスト構造を変革して

事業運営を効率化

サービスのデジタル化

既存商品・サービスをデジタル化して

デジタルネイティブ世代のニーズに対応

新しい収益源の創出

デジタル化で新たな収益基盤を構築して収益拡大のポテンシャルを引き出す

デジタル企業への変革

32

アクセンチュアはAccenture digitalperformance index28 という指標を開発し、デジタル投資と企業成長の関係性やデジタル企業への変革に何が必要かを業界横断的に調査した。その上で、各事業者を以下の4つのカテゴリーに分類している。1. Digital high performers

（財務面・デジタル活用面どちらも好調）

2. Digital leaders（デジタル活用は進んでいるが、財務面での成果創出　には至っていない）

3. Traditional leaders（財務面は好調だが、デジタル活用が進んでいない)

4. Digital contenders（財務面・デジタル活用面ともに改善の余地が大きい）

デジタル企業への変革がハイパフォーマンス実現に不可欠なものに

郵便・宅配便業界全体として、いまだデジタル企業への変革が道半ばの状況にあり、財務面での成果を享受するまでには時間を要する。しかし、今後数年間で状況は一変すると考えられる。消費者の期待は今後も進化し、データを活用して、よりパーソナライズ化されたサービスへの需要が拡大することが想定される。また、オペレーション効率化・コスト削減といった生産性向上についても、デジタル技術の活用が必要になると予想される。郵便・宅配便業界は、デジタル活用が与える財務面での成果をようやく認識し始めた段階にあり、デジタルへの投資が将来の成長の足掛かりとなると考えられる。

デジタル企業への変革

33

Accenture digital performance index

財務面のパフォーマンス(High Perfomance Business score)

デジ

タル

活用

のパ

フォ

ーマ

ンス

(Dig

ital P

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dex

sco

re)

デジタル・エコノミーにおけるハイパフォーマー財務面・デジタル活用面いずれにおいても、ハイパフォーマンスを達成

財務面は好調だがデジタル活用はいまだレガシー財務面でのパフォーマンスは好調だが、デジタル投資は後回し

Digital leaders全業界平均： 18%*

郵便業界： 10%

Digital contenders全業界平均： 60%*

郵便業界： 61%

Traditional leaders全業界平均： 16%*

郵便業界： 23%

Digital high performers全業界平均： 6%*

郵便業界： 6%

積極的にデジタル化今は結果待ちデジタル・ケイパビリティを大幅に強化しており、財務面での成果につなげる取組みを進行中

デジタル活用なしで何とか存続ここまで存続してきたもののデジタル・ケイパビリティ構築の実績はない

*注：8業界343社を対象としたAccenture Digital PerformanceIndex調査から引用

デジタル企業への変革

34

デジタル活用が進んでいる領域

改善が必要な領域

27%の事業者しか、デジタル活用を成長戦略として位置づけてデジタル活用のための予算を割り当てていない

13%の事業者しか、デジタルを活用した顧客ターゲティングに成功していない（スコアが3以上）

35%の事業者しか、オープンイノベーションに向けた取組みを行っていない

DIGITAL INDEX調査における示唆郵便・宅配便事業者は、デジタル活用を企業戦略に取り込むことは進んでいるものの、実際の投資活動や組織全体への落とし込みに改善の余地が大きい。ハイパフォーマンス実現に向けて、デジタル・ケイパビリティの実装面に注力していくことが必要。29

90%の事業者がデジタル活用を企業戦略の1つとして位置づけている

48%の事業者がデジタル・フィジカルを統合したお買い物体験の提供を目指している

51%の事業者が商品・サービスの開発にデジタル技術を活用している

デジタル企業への変革

35

04郵便・宅配便業界における新たな波

36

単純作業を自動化

AIの活用で反復的な単純作業を自動化し、人間を顧客サービスや例外処理等のより付加価値の高い業務に専念できるようにする。その結果として、コスト削減を実現。

配送ネットワークを最適化

道路交通情報や気象現象、ツイッターフィードなど、膨大なデータを迅速にアルゴリズム解析し、人間では見つけにくいパターンを検出。さらにAIは自ら学習し、継続的にプロセス改善していく。

人工知能(AI) : A NEW FACTOR OF PRODUCTION

2020年までのAI市場規模予測

50.5億ドル31

消費者行動を予測

今後、消費者のニーズを先読みする形で配送サービス・オペレーションが変化する時代が来るかもしれない。

消費者の好みやニーズ、行動を「Consumer Genomes」としてデータ蓄積・分析することで、消費者に受取り方を選択してもらうのではなく、消費者の選択の理由・背景まで先読みしてお届けする形になり、顧客満足向上とコスト削減を両立できるようになるかもしれない。

2020年には顧客とのコミュニケーションの85%がAIを使ったボットが行うようになると予想される30。

変革をもたらす新たな波

37

自動運転技術は郵便・宅配便業界に2つの大きな変革をもたらす

配送の稼働率の改善自動運転による陸路・空路での配送が実現すると、24時間365日の配送サービスが可能となり、配送リソース活用を抜本的に改善することができる。

抜本的な配送コスト削減郵便・宅配便事業におけるコストの多くを占める人件費の削減が可能となる。自動運転技術の活用はまず幹線輸送から始まることが予想される。UberもOttoを買収し、2016年10月に自動運転トラックによる配送実験を開始32 した。

自動運転技術 : THE NEW DELIVERY ENGINE

2020年には世界中で1000万台を超える自動運転車が走行するようになると予想されている33。

1000 万台

一方、自動運転技術の実用化に向けては、いかに安全・確実にトラックからお客さまの玄関口まで荷物を運ぶか（ラストワンメーター）、暴力・妨害行為にどう対応するか等、解決すべき安全面の課題も多い。

2020年までに

変革をもたらす新たな波

38

配達サービスの便利さが固定客創出のカギに

Eコマース事業者にとって、商品配達における顧客体験の良否が顧客を繋ぎとめるための重要な手段となっており、いかに受取人に便利な配達サービスを提供できるかが配送業者が選ばれる際の基準となる。

EC商品の返品サービスの便利さが差別化要因に

Eコマースの普及に伴い、消費者はより便利な返品サービスを求めている。返品を「必要悪」から「価値提供の手段」としてケイパビリティを磨くことで、Eコマース配送業者として差別化することが可能となる。

小売事業者－配送業者をつなぐエコシステム構築がカギに

小売業界の争点が、いかに安く早く便利に商品をお届けできるかになっており、小売事業者と配送業者の境界線が曖昧になっている。小売事業者のニーズと配送業者のケイパビリティを結びつけて、最適な配送サービスを提供するソリューション開発が重要になると考えられる。

宅配便配達サービスの進化 : AS A PLATFORM

65% 79%68%

の消費者が、配達オプションサービスを提供しているかが配送業者選択の重要な基準であると考えている34。

のEコマース事業者が、配送業者選択の際、返品処理能力を最も重要な基準であると考えている35。

の小売事業者が、消費者と配送業者の関係構築が三大優先事項の1つと考えている36。

変革をもたらす新たな波

39

パーソナライズ化の威力

モバイル広告が急激に成長し、ダイレクトメール市場にディスラプション（創造的破壊）をもたらす可能性が高まっている。既存のダイレクトメールと比べ、はるかにパーソナライズ化された顧客体験を低コストで提供することができ、広告効果の考え方を抜本的に変えつつある。

いまやスマートフォンは、消費者にとって生活のすべてを管理するデバイスであり、このチャネルを媒体として「郵便」を消費者の心をつかむ商品に発展させることが重要となる。郵政事業者にとっては、デジタルなモバイルコンテンツとフィジカルの郵便物やサービスを結びつけ、新しい消費者とのチャネルを創出するチャンスにもなり得る。

印刷物による広告はデジタル広告にシェアを奪われている

モバイルマーケティング :THE SECOND WAVE OF MAIL DISRUPTION

モバイル広告は、2017年にはデスクトップ向け広告を上回り、2018年にはデジタル広告支出の60%を占めると予想される37。

2012 2014 2016 2018グローバルの媒体別広告支出の割合(%)

*印刷媒体には新聞広告や雑誌広告を含む

23%

1%

23%

39%

7%7%

28%

1% 1% 0%19%

39%

7%7%

33%

16%

38%

6%7%

37%

14%

36%

5%7%

デジタルテレビラジオ映画館屋外広告印刷媒体*

60%

変革をもたらす新たな波

40

顧客との信頼関係構築が急務に

デジタル化の進展は、ビジネスチャンスだけでなく、新たなリスクももたらした。データが高付加価値なビジネスアセットとなる一方、サイバー攻撃への脆弱性といったリスクにも直面している。

郵便・宅配便事業者が持つデータは膨大なものとなり、高い機密性が求められるため、セキュリティに関するケイパビリティの成熟化が重要となる。

セキュリティ重視の企業文化を醸成し、デジタルサービスにおける顧客との信頼関係を構築することが急務となる。その信頼関係は、企業と従業員・パートナー企業、そして顧客との間に安全かつ透明性の高い関係が築かれることによって成立する。

セキュリティ : THE NEXT CRITICAL CHALLENGE

50%の消費者が、自国の郵政事業者が個人情報を適切に管理していると信頼している38。

48%の大企業に属するサイバーセキュリティ専門家が自社の経営層がサイバーセキュリティ関連の費用を不要なものと考えていると感じている。

76%のセキュリティ専門家が、自社のセキュリティ上の脅威・脆弱性のアセスメント能力を改善する必要があると考えている。

変革をもたらす新たな波

41

アクセンチュアでは、本調査レポートの作成にあたって、郵政事業者・宅配便事業者が公開した情報やその他公知情報、アクセンチュアの郵便・宅配便業界における知見・経験をもとに分析を実施した。

前回までと同様、定量的モデルを使用して財務パフォーマンスの評価、定性的モデルを使用してハイパフォーマンスをもたらす要因の特定を実施した。本調査では、DCF（discounted cash flows）法による企業価値、または経済的付加価値（EVA®）および株主総利回り（TSR）をベースとした。

調査方法パフォーマンスの測定は６つの財務指標による比較分析によって実施。各事業者の評価スコアカードを作成し、国営の郵政事業者についても同様に比較分析を行った。

同時に、経常外損益や年金負担を踏まえたスコアリングの調整、投下資本利益率（ROIC）の算出、新規事業についての深掘り調査も実施している。

42

事業者 国

An Post アイルランド

Aramex UAE

Australia Post (AusPost)

オーストラリア

Austrian Post Group オーストリア

bpost ベルギー

Canada Post Corporation (CPC)

カナダ

Ceska Posta チェコ

Correios Brasileiros (ECT)

ブラジル

Correios de Portugal (CTT)

ポルトガル

Correos y Telégrafos (Correos)

スペイン

事業者 国

Deutsche Post DHL (DPDHL)

ドイツ

FedEx アメリカ

Groupe La Poste (La Poste)

フランス

Gruppo Poste Italiane (Poste Italiane)

イタリア

India Post インド

Japan Post 日本

Magyar Posta ハンガリー

New Zealand Post (NZ Post)

ニュージーランド

Posti Group フィンランド

Post Office Limited (POL)

イギリス

事業者 国

PostNord スウェーデン・デンマーク

Posten Norge (Posten) ノルウェー

PostNL オランダ

Royal Mail Group (RMG)

イギリス

Singapore Post (SingPost)

シンガポール

South African Post Office (SAPO)

南アフリカ

Swiss Post スイス

TNT Express オランダ

United States Postal Service (USPS)

アメリカ

UPS アメリカ

Yamato 日本

調査対象31の郵政事業者・宅配便事業者を対象に調査

43

参考文献1 Bloomberg, Company financial statements, Accenture analysis2 Accenture analysis and eMarketer3 Global Cross Border B2C e-Commerce Market 2020: Report highlights & methodology, April

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8 Differentiating delivery: How to win the eCommerce battle, Accenture eTailers research report 20169 eMarketer, Annual Reports, Accenture analysis10 Accenture analysis11 Poste Italiane Annual Reports12 SingPost Annual Report13 Same-day delivery startup Deliv gets funding boost from UPS, Wall Street Journal, February

2016. http://www.wsj.com/articles/same-day-delivery-startup-deliv-to-get-funding-boost-from-ups-1456290060

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21 UPS press release. https://pressroom.ups.com/pressroom/ContentDetailsViewer.page?ConceptType=PressReleases&id=1477943968941-160

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Digital Performance Index29 Accenture Digital Performance Index 201630 http://www.forbes.com/sites/ciocentral/2011/09/27/customers-dont-want-to-talk-to-you-

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http://fortune.com/2016/10/25/uber-anheuser-busch-first-autonomous-truck-beer-delivery33 10 million self-driving cars will be on the road by 2020, Business Insider, June 2016.

http://uk.businessinsider.com/report-10-million-self-driving-cars-will-be-on-the-road-by-2020-2015-5-6?r=US&IR=T

34 Accenture Citizens Pulse Survey 201635 Accenture eTailers research. https://www.accenture.com/us-en/insight-post-parcel-etailer-research36 Ibid37 Zenith Optimedia, BI Intelligence 201638 The State of Cybersecurity and Digital Trust 2016, Accenture.

https://www.accenture.com/us-en/insight-cybersecurity-digital-trust-2016

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お問い合わせ先Brody Buhler Global managing director Accenture post and parcel industry grouprobert.b.buhler@accenture.com

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