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ユニバーサルデザインイベントの実践にあたって

ユニバーサルデザイン(以下、UDと表記)の視点に立った行政神戸市では、年齢、性別、文化、身体の状況など、人々が持つ様々な個性や違いを越えて、互いに尊重しあい、すべての人が持てる力を発揮し支えあうユニバーサル社会の実現を目指しています。そのためには、市政に取り組むすべての職員がUD【※1】を積極的に意識して業務にあたることが必要であり、職員自らが意識を高め、あらゆる職場、さまざまな場面、また政策形成(plan)、実行(do)、評価(check)、反映(action)の段階で、UDの視点を念頭におき、業務を遂行しなければなりません。

マニュアルの趣旨

本来、イベントの開催にあたっては、開催目的を明確にし、コンセプトを設定することが必要です。さらに、よりよいものにしていくため、UDの視点を導入していこうとするものです。今回、「神戸市人権教育・啓発推進本部・UD部会」 【※2】が取り組んだこの冊子は、神戸市が主催する各種イベント(講演会・シンポジウム等)に、誰もが楽しく参加でき、よりコミュニケーションがとれるよう、UDの視点から留意すべき項目をチェックポイントとしてまとめています。イベントには、屋内の講演会から、屋外での大会など多様であり、また、様々な人が参加します。そこで、開催するイベントの参加者の立場に立って、様々な段階や場面を想定しながら、このマニュアル及びチェックリストにより、取り入れるべきまたは取り入れることのできる項目について判断し、計画・実践してください。また、本マニュアル等は関係職員の体験や意見を取り入れ、より改善していくことになります。

【※1】UDとは

ノースカロライナ州立大学デザイン学部UDセンターの創始者のロナルド・メイス氏によって提唱され、「年齢、性別、文化、身体の状況など、人々が持つ様々な個性や違いを越えて、一人ひとりが互いに多様性を認め合い、思いあう心を持ち、はじめから、だれもが利用しやすいように、まちや建物、製品、環境、サービスなどをつくろうとする考え方」のことです。

【※2】「神戸市人権教育・啓発推進本部・UD部会」

UDの基本は人権尊重であるという考え方に基づき、平成16年6月に設置した「神戸市人権教育・啓発推進本部」に、これまで運営してきたUD関係課長会のメンバーを中心に構成した「UD部会」を平成17年1月に設置。市のすべての事業にUDの視点を取り入れ、全庁的に取り組んでいます。

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対応編

企画・準備

(1) イベント内容の企画(2) 会場の確認(3) 宿泊の確認

広報などの事前情報の提供

(1) イベント情報(2) 参加者の把握(3) 会場内の各種サービス提供(4) アクセス情報

ー交通アクセス図例ー

会場までのアクセス

(1) 公共交通機関(2) 徒歩(3) 自家用車(4) イベント系案内サイン

標準案内図用記号(ピクトグラム)

会場内の設営など

(1) 出入り口(2) 受付・案内所(3) 当日配布パンフレット等(4) 会場内(配置・段差・通路・照明・音声情報・備品類・温度調節)

ー劇場形式の会議・講演会の配置例ー(5) トイレ(6) 必要スペースの確保

実施体制

(1) 緊急時の対応(2) スタッフ

455

67789

1112131415

17171819212324

2526

目 次

2

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42

49

記号凡例(※このマニュアルでの記号表示です)

車いす使用者 高齢者

聴覚障害者 乳幼児連れの親子

視覚障害者 オストメイト

終了後、次回開催に向けて 27

イベント関連依頼先 28

ボランティア・スタッフマニュアル編

チェックリスト編

(1) ボランティア・スタッフの皆さんが、来場する様々な方と本イベントを楽しむために

(2) 具体的な対処法について(3) 迷子について(4) 拾得物について

30314041

記載要領・記入例

チェックリスト様式

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まず、開催しようとするイベントの対象となる参加者を想定します。そして、多くの人が参加できるよう努めます。そのために、障害者や各々の障害の特性などに理解の深い人の参画を求め、参加者の立場に立って、イベントでのいろいろな場面を想定しながら計画を立てれば、すべての人にとって、快適なものになるはずです。

●だれもが参加しやすく、より充実したイベントを実現するためには、企画の段階から、様々な立場の人の意見を反映させることが大切です。こうした配慮により、誰もが楽しく参加しやすく楽しめるものになり、参加者層の幅も広がるものと考えられます。

●より多くの人が参加しやすい時期、曜日、時間帯にも留意します。

○時間帯については、一般的に次のような傾向があります。・広く一般を対象とする場合、週末の午後が参加しやすい。・主婦の方等は、平日の昼間が参加しやすい。・商業者・サービス関係者は平日の夕方6時以降が参加しやすい。

●過去に開催した同様のイベントの反省点について、検討・改善を行いましょう。

企画・準備

(1)イベント内容の企画

~段階ごとに、計画しているイベントでの内容をチェックします~

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●会場の選定にあたっては、参加するすべての人にとって利用しやすいか、バリアフリー設備を事前に確認しておきます。利用しにくいところがあれば改善に努めます。

●最寄りの公共交通機関なども事前に確認しておきます。(P8参照)

●主催者側(ボランティア、スタッフなど)にも利用しやすいことも確認しておきます。

●また、事前に高齢者、障害者、子ども等の参加が予定されているときは、事前に、障害者や介助者の意見を聴くことや、疑似体験を行うなど、利用しやすいかを検討します。

●宿泊を伴う場合は、宿泊施設(チェックインをする時のカウンターの高さ、浴室の仕様など)や食事をする時の食材の形態(きざみ食、ペースト状)やアレルギー、宗教や文化による食事の制約の有無などについて、配慮されているか確認します。

●部屋の状況等で確認することは、トイレ・浴室・段差・通路幅・非常時対応・食事等です。

○レセプションなどでの食事について確認しましょう。例えば、バイキング方式は手の不自由な人にとっては利用しにくいため、介助者による対応を検討します。

○宿泊施設、部屋の案内説明書等が、誰もがわかるように、点字対応等になっているか、対応の無い場合は、口頭による説明があるかなどに配慮します。

○屋外での宿泊(キャンプなど)の際、段差、夜間時の安全に配慮します。

(2)会場の確認

(3)宿泊の確認

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イベントへの関心を高め、多くの人の参加を促すためには、イベントの内容等を効果的に伝えることが必要です。イベント情報(イベントの目的、内容、主催者、開催期間、開催場所、連絡先等)が確実に提供されているかを確認します。

(1)イベント情報

ポスター不特定多数の人に周知する方法として効果的。駅貼りや公共交通機関の車内吊りにも有効。文字の大きさや配色(弱視や色覚障害、高齢者の方は同じ明度の赤と緑の区別がつきにくい)にも留意しましょう。チラシイベントの概要を多くの人に知ってもらえます。自治会などの協力を得て、地元住民 に配布することにより、住民への理解促進や協力を得ることができます。こちらも文字の大きさ(12ポイント以上)や配色に留意しましょう。インターネットインターネットは、視覚、聴覚、身体等の障害者にとって重要な情報源となっていますので、必ず取り入れましょう。※なお、ポスターなどの作成にあたっては、広報の受け手に男性も女性もいることを念頭におき、男女共同参画の視点から作成するよう、留意しましょう。(参考:内閣府男女共同参画局HP http://pamphlet-kihon/leaflet.pdf)

●イベントの内容等に関する質問や要望に応えるために、問い合わせ先、電話番号、ファックス番号、メールアドレス等を明確に周知します。●子ども向けのイベントのポスターやチラシにはふりがなをつけましょう。●多言語表記のポスター、チラシの作成で外国人の参加もしやすいものとなります。●車いす使用者用駐車スペースやバリアフリー情報及びベビーカー置場や託児コーナー、通訳の有無などの情報を入れた会場案内図についても,簡潔に記載することも検討します。≪屋外イベントでの留意点≫当日の天候によって開催が左右されます。荒天の場合の実施又は中止に関する連絡方法(当日の問い合わせ先、電話番号、FAX、メールアドレス等)を周知します。

広報などの事前情報の提供

●イベントに関する事前情報は、だれもが知ることができるよう、ポスターやチラシなどの視覚媒体だけでなく、ラジオなどの聴覚媒体、点字版、拡大文字版、多言語版等、できるだけ複数の情報伝達手段を使用します。※また、広報紙KOBEは、神戸市立点字図書館で点訳版、テープ版も作成しており、希望者へ配布や貸し出しを行っています。イベント開催情報は必ず掲載し、詳細な情報については問い合わせなどで対応します。広報紙KOBE点訳版・音訳版については神戸市立点字図書館へ

http://www.normanet.ne.jp/~kobeten/index.html

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●事前に参加申込みを受ける場合には、郵送だけでなく、FAX、電話、Eメールなど広報同様に複数の手段により受け付けるようにしましょう。また、手話通訳や託児サービス、車いす席など提供するサービスを記載し、希望するものについてチェックする欄を設けましょう。(下表参照)●また、あらかじめパンフレット等に「設備等準備は整っていますが、手話通訳者等の要望があれば事前に連絡願います。」と明記する方法もあります。

*.希望するサービス会議参加にあたり希望するサービスがある場合は、項目にチェックをいれてください。

□手話通訳 □要約筆記 □音声拡大装置(赤外線補聴システム、磁気

ループ等) □点字資料 □拡大文字資料 □車いす使用者席 □車いす

使用者駐車スペース □託児サービス( 歳児 人) □車いす貸出

□ベビーカー貸出 □その他 ご要望があれば具体的にご記入ください。

( )

申込書に希望のサービスを記載してもらう例

●会場内での参加者の不安を取り除くため、

・ 障害者対応トイレの有無、また、その設備の確認(P23参照)

・ 駐車場・駐輪場の有無(車いす使用者用駐車スペースの有無、有料・無料の別)

・ 手話通訳、要約筆記等の有無

・ 点字資料、拡大文字資料の有無

・ 車いす、ベビーカー貸出や託児サービスの有無

などについて周知しておきます。

(2)参加者の把握

(3)会場内の各種サービス情報

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参加者が安心してイベントに参加できるようにするために、会場までのアクセス情報として、

●公共交通機関の発着場所、運行表、バリアフリー設備等●自家用車の駐車場案内等を事前に提供して、不安を解消しておきます。

チェック項目は次ページ以降を参照。

提供する情報の内容(公共交通機関・徒歩)

・最寄りの公共交通機関の路線・最寄り駅のトイレ・エレベーターの状況・主要駅及び会場付近の発着場所・運行表(点字による運行表)・その路線での低床バス(ノンステップ・ワンステップバス)運行の有無・主要駅と会場間の運賃、所要時間

提供する情報の内容(自家用車)

・高速道路のインターチェンジや主要道路からの進行ルート、所要時間・実施期間における交通規制、渋滞、工事中の場所・駐車場周辺の道路案内・会場周辺の道路案内

(4)アクセス情報

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開催通知、講演会の案内に会場までの状況を明らかにすることが望ましいです。特に最寄りの鉄道駅、バス停等から会場の入口、受付までの状況をあらかじめ確認することが大切です。地図に最寄りの鉄道駅の情報(エレベーターの設置の有無等の対応)、駅から視覚障害者用誘導ブロックの敷設状況等を明らかにし、車いす使用者や視覚障害者等にとって、好ましいルートを記入しておきます。(鉄道駅のバリアフリー情報については、各鉄道事業者のホームページより確認できます。)

例:交通アクセス図(会場:須磨パティオ)

会場までのアクセス

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こうべだれでもトイレとは…都市計画総局民間活力創造室では、車いすの方、お年寄り、乳幼児連れの方、妊婦、子ども、オストメイトなど誰もが使いやすいトイレの整備を進めるため、「だれでもトイレタウン」計画を推進しています。

≪電車でお越しの場合≫○各線「三ノ宮駅」より神戸市営地下鉄西神・山手線にて「名谷駅」下車 徒歩1分(三宮~名谷間約20分)○JR神戸線「新長田駅」より神戸市営地下鉄西神・山手線にて「名谷駅」下車徒歩1分(新長田~名谷間約7分)

≪お車でお越しの場合≫○大阪・京都方面から 阪神高速神戸線「月見山」出口より約15分

阪神高速神戸山手線「白川南」出口より約5分○明石・姫路方面から 第2神明道路「名谷IC」出口より約15分≪駐車場のご案内≫○駐車場台数1500台○料金 最初の1時間まで210円、以後30分ごと50円≪会場周辺のユニバーサルデザイン情報≫全駅にエレベーター設備があります。会場周辺の「須磨パティオ」には「こうべだれでもトイレ」(オストメイト対応トイレ←P23)があります。名谷駅から会場に沿って、 視覚障害者用誘導ブロックが整備されています。

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だれでもトイレシンボルマーク

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(1)公共交通機関

●主要駅から会場までのバス、電車等の公共交通機関が運行されている場合は、予想参加者数、集中時間帯などを参考に対応が可能か確認します。

●既存の公共交通機関の運行数では予想参加者数や集中時間帯に対応できない場合は、バス、電車の増便又は送迎用のシャトルバス等の運行の2つの方法があります。≪バス、電車の増便≫路線を運行している交通事業者と協議し、その協力を得ます。ただし、事業者側の車両や要員確保の問題が生じるので、イベント主旨を十分説明し、理解を得ることが必要です。

≪送迎用のシャトルバス≫運行路線の始点、終点にバスの乗降場所、待機場所が必要となるので、よく確認し、バス会社との協議を進めます。

≪乗降時の配慮≫シャトルバスは、一般的に低床バスではないことが多いので、発着場所に係員を配置し、高齢者や障害者などの乗降に配慮します。また、バスの乗降場所に点字時刻表を設置する等の配慮も必要です。

≪リフト付きタクシー≫車いすのまま、乗車できるリフト付きタクシーを活用することも考えられます。最寄りのタクシー会社に問い合わせてください。

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(2)徒歩

●主要駅から会場までのルートを、事前に実際のイベント開催の時間帯を歩き、障害者や高齢者、ベビーカーを使用している家族連れなど様々な人の立場に立って、通行困難な場所(視覚障害者用誘導ブロックの上の放置自転車、段差、狭い道など)や不便な場所がないか確認します。

確認する項目・段差、階段の有無・急勾配の坂や片流れの斜面の有無・狭い道路、歩道のない道路の有無・ふたのない側溝や水路の有無・道路の凹凸の有無・グレーチングなどの網目の大きさ・交通量の多い交差点の有無・行き止まりの道路の有無・工事(予定)箇所の有無・視覚障害者誘導用ブロックの未整備箇所の有無

歩行ルートで、危険な場所や通行に不便な場所があった場合には、その場所に誘導員を配置するほか、危険を周知する注意看板を設置します。

また、主要駅から会場までの地図を用意します。目印となる建物や音響信号等を記載して、誰にでもわかる工夫をします。

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(3)自家用車

●イベント会場周辺の道路に混雑が発生しないよう、駐車場規模を確認し、事前に適切な対策を講じておくことが大切です。また、車いすを使用する人は、自家用車を移動手段とすることが多いため、必ず、車いす使用者用駐車場があるか確認します。

車いす使用者用駐車場の確保◎ある場合設置場所:会場入口に隣接した場所に設置されているか台 数:必要な台数分が確保できるかスペース :円滑に乗降できるか(スペース)表 示:車いす使用者専用駐車スペースである旨の表示があるか誘導表示:駐車場入口からの案内表示があるか◎ない場合会場入口近くに臨時駐車場の設置を検討します。特に駐車場から会場入口まで段差のないルートを確保することが大切です。段差がある場合は、合板パネルを敷くなどの応急処置や段差がある部分に係員を配置し、車いすを持ち上げるなど人的支援も検討します。

ー車いす使用者用駐車スペースの例ー

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(4)イベント案内サイン

●会場までスムーズに行くことができるわかりやすい案内サインや地図があるか確認します。ない場合は、施設管理者の了解を得る必要がありますが、臨時のサインを用意する等、サインを充実させることが大切です。(会場内も同様です)

●実際に会場を下見し、平面図等を基にサインの配置を検討しておきます。

●トイレ、エレベーター等のサインについては、標準案内用図記号ガイドライン(P14参照)が定められていますので、それらを使用することが望ましいです。

次のような場所へのサインの設置を検討しましょう(公共交通機関利用者への対応)・主要駅や会場付近の発着場所・会場付近の到着場所から会場入口までのアプローチ(主要駅から徒歩による参加者への対応)・ルート上のわかりにくい分岐点(主要駅から自家用車による参加者への対応)・インターや主要道路からの進入ルートの各ポイント・駐車場周辺、駐車場内・駐車場から会場入口までのアプローチ

サイン設置だけでは混乱が予想される場所には、案内誘導員を配置し、人的支援を併せて実施します。また、既設置の他のサインと重複して混乱しないように配慮する必要があります。

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標準案内図用記号(ピクトグラム)

標準案内用図記号125項目のうち110項目の国内標準化(JIS規格化=JISZ8210)が平成14年3月20日に定められました。また、平成19年1月20日に「案内用図記号追補1」として追加改正されました(洪水関連図記号) 。基本的には、下記の図号を利用します。

ピクトグラムがダウンロード可能なウェブサイト

(http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/pictogram/picto_top.html)

交通エコロジー・モビリティ財団 03-3221-6673

案内所Question

&answer

ファックスFax

お手洗いToilet

エスカレーターEscalator

エレベーターElevator

車いすスロープAccessible slope

乳幼児用設備Nursery

情報コーナーInformation

救護所First aid

身障者設備Accessible facility

飲料水Drinking water

喫煙所Smoking area

喫煙所Smoking area

忘れ物取扱所Lost and found

クロークCloakroom

水飲み場Water fountain

くず入れTrash box

鉄道/鉄道駅Railway/Railway station

バス/バス乗り場Bus/Bus stop

レストランRestaurant

静かにQuiet please

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ピクトグラムの設置高さ

吊り下げ型の場合 床からサインの下端までは2.4mを標準とします。掲示型の場合 サインの中心を1.3m~1.5mの高さにします。上端は2.0mを

標準とします。最高高さは2.6m以下とします。

ピクトグラムの大きさ

35㎜以上60㎜以上120㎜以上240㎜以上360㎜以上図記号の

基準枠寸法

1~2m(近距離)

5m(近距離)

10m(近距離)

20m(中距離)

30m(遠距離)

視認距離

パンフレットなどに用いる場合は、8㎜以上を目安とします。

盲人を表示する国際的標識

聴覚障害者を示す世界共通のシンボルマーク

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会場内の設営など

(1)出入り口

●誰もがスムーズに出入りできるよう、段差や出入口の幅などをチェックし、不都合がある場合は、人的支援や施設の応急的処置の両面から対応を確認します。

対応方法段差がある場合は、簡易なスロープを設置する等の応急処置や、係員を

配置し、車いすの持ち上げ、杖を使っている方を介助する等の人的支援を検討します。

車いす使用者やベビーカーを使用している親子に支障が出ない幅を確保します。

会場出入口が、自動ドア以外の場合、ドアを常に開放しておく等の工夫をします。

(2)受付・案内所

●受付や案内所は、参加者の目につきやすい場所(例:会場内の主要な出入り口付近)にあるか、また設備はあらゆる人が使いやすいものになっているかを確認します。

対応方法受付や案内所は、会場内の主要な出入口付近など参加者の目につきや

すい場所に設置します。また、会場フロアが複数にわたる場合や、予定参加者が多数見込まれる場合等は、複数の案内所を適所に設置することを検討します。

目立たせる工夫として、大きな文字や絵文字を使った看板を設置します。

受付設備は、車いす使用者や子どもなどが利用しやすいよう、カウンターの高さ、奥行き等に配慮します。

参加者が容易にスタッフを確認できるようにします。分かりやすい服装か、帽子、腕章、名札等をつけているか確認します。

◆イベント参加者の要望に対して、応えられるサービスを検討します◆・手話通訳者、要約筆記者、外国語通訳者の配置・介助スタッフ・イベントガイドの配置・会場案内図・イベントパンフレットの配布※会場案内図にはトイレ・エレベーターのほか、ユニバーサルデザ

インに配慮した施設、サービスをピクトグラムでわかりやすく表示します。(P14参照)

・ベビーカー、車いすの貸し出し・迷子の対応や落とし物の預かり※内部障害者は、外見では障害が分からないため、あらかじめ応え

られるサービスを表示する工夫も必要です。

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(3)当日配布パンフレット等

パンフレットなどの印刷物の文字はなるべく大きな文字のゴシック体を用います。(12ポイント以上を使用することが望ましい。)文章は短く、内容を簡潔にし、やさしい用語を使います。ピクトグラム(P15参照)などの図記号や写真、イラスト等も効果的に活用します。

関連する事業・イベントのパンフレットや会場周辺の駐車場案内図等、参加者が必要と思われる資料も用意しておきましょう。市外からの参加者が多い場合などは、市内の情報マップ等を用意することも望ましいでしょう。

●弱視の方、高齢者文字は大活字(18ポイント以上)により対応します。既資料などを拡大印刷して別に用意する方法もあります。展示イベントでは照明や採光にも配慮が必要です。

●全盲の方点字のほか、絵やグラフ等もわかりやすく点訳したパンフレットを準備します。※点訳及び印刷依頼先(P28参照)

●外国人パンフレットや展示には外国語と日本語を併記します。外国語には主に英語を使用しますが、必要に応じて、中国語(簡体字・繁体字)、ハングル語、ポルトガル語等を表記します。※外国語翻訳依頼先(P28参照)

●子ども難しい漢字にはふりがなを付けるようにします。

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(4)会場内(配置・段差・通路など)

●会場全体を楽しく、魅力的にするような配置を考えるとともに、参加者が会場内で自分の位置を容易に確認できるよう、わかりやすい会場内配置(レイアウト)となっているか確認します。●展示物は、子どもや車いすの方でも見ることが出来る高さに配置し、通路や誘導ブロックの上等に物を置かないようにしましょう。

配 置

対応方法展示ブース等を分かりやすい区割りとする。テーマごとにゾーン分けする場合は、テーマカラーを決め、会場案内図や

ゾーン表示の色分けをします。必要に応じ、車いす席には介助者席も併せて確保するようにします。

●会場内に誰もがスムーズに出入りできるよう、段差をチェックし、不都合がある場合は、人的支援や施設の応急的処置の両面から対応を確認します。●エレベーターがある場合は、車いす使用者も利用できるか確認します。

対応方法会場内の階段や段差がある場合は、簡易なスロープを設置するなどの応急

的処置や、係員を配置し、車いすの持ち上げ、杖を使っている方を介助するなどの人的支援を検討します。

電源コードの敷設などによる床面の凹凸がある場合は、テープなどで養生被覆し、注意等の貼紙・掲示や誘導員を配置します。

誰もが使いやすい仕様になっているか、寸法、乗り場のボタンの位置等をチェックします。奥行寸法135センチ以上、床面積1.83㎡以上11人乗り以上が基本となります。不足する項目は、人的支援により対応します。

参考 兵庫県福祉のまちづくり条例http://web.pref.hyogo.jp/wd20_000000109.html

段 差

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通 路

●混雑が予想される通路や場所に十分な幅やスペースがあるか確認します。

対応方法移動しやすい会場を実現するため、余裕のある通路幅(最低150㎝)を設

けます。混雑が予想される場所では、一方通行にする等の対策に併せて、交通整理

等の人的支援やサインにより周知を図ります。展示物等が視覚障害者用誘導ブロック、案内表示等の利用を妨げないよう

にします。

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照 明

●会場内の照明が運営面、防災面で問題がないか確認します。

対応方法スライド説明等による会議では、参加者の手元資料が読めるよう配慮します。通路の照明にも配慮します。手話通訳者の手元が見える明るさにも配慮します。

音声情報

様々な参加者(視覚、聴覚障害者、外国人)に会場内の音声情報が伝わるか確認します。視覚、聴覚障害者の方に対しては、次のような手段があります。会場の設備や開催形態に応じて、最もふさわしい手法を選択します。

●視覚障害者が参加しやすいよう、音声案内や誘導員を配置します。

点字版の資料を配布する場合については、点字版の資料についてはページが異なることがあります。「これは資料の○○ページ、点字版では○○ページに・・・」などと発言することが望ましいです。また、表等は、完全に点訳することが困難であるため、資料作成にあたって注意が必要です。スライド、図、地図などを利用する場合は簡単なコメントを言ってから説明をすることが大切です。視覚障害者だけでなく、後方に着席している人のためにも望ましいことです。

●聴覚障害者が参加しやすいよう、手話通訳者・要約筆記者を配置するとともに、見やすい場所に席を確保するようにします。

○手話通訳音声情報を手の動きで表現して伝達する方法です。講演の内容・長さにもよりますが、2人から3人が一組となり、交代で同時通訳を行います。

※手話通訳問い合わせ先(P28 参照)○要約筆記講演者の発言内容を逐次要約・筆記して参加者に提供する方法のもので、3人から4人が一組となって行います。OHPやノートを使用する手書き要約とパソコン要約があります。直前に聞いた内容を文字で確認できることから、聴覚障害者以外の方にも好評です。スライド、OHP等において見やすい字の大きさは会場の広さ、プロジェクターの能力にもよりますが、概ね1ページに8行程度が望ましいです。

※要約筆記問い合わせ先(P28 参照)

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備品類

●参加者やスタッフが使いやすい備品類(ハサミ、ホッチキス、のり等)でユニバーサルデザインに配慮した備品類が多く出ていますので、活用しましょう。(参考)共用品推進機構のホームページ (http://www.kyoyohin.org/)

温度調節

手話通訳、要約筆記、どちらのサービスを利用する場合にも、次第やシナリオ、原稿などを前もって提供することと、会場での立ち位置、機材のセッティング、作業スペースなどについて、事前に打ち合わせを行いましょう。

○筆談受付・案内所に手話通訳者がいない場合は、スタッフが筆談で対応します。このために、ボードやメモ用紙、筆記用具を用意します。筆談では、短い文で文意を伝えることが大切です。

●外国人に対しては、外国語通訳者を配置することにより対応します。文化や慣習の違いもあるため、イベント内容・プログラム等については通訳者との事前打合せが必要です。

※外国語通訳者派遣依頼先(P28参照)

●せきずいを損傷した人、妊産婦、乳幼児、高齢者等、体温調節ができにくい方もおられます。会場内の冷暖房の温度調節に配慮しましょう。

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劇場形式の会議・講演会での配置(いすの席の場合)※標準的な例

○聴覚障害者の席は手話通訳者の前とし、講演者と手話通訳者が共に視野に入る配置が望ましいです。

○通路の幅は、約150センチから210センチ程度を確保します。○最前列・最後列に車いすが入る場合は1つのいすを外します。○中央に1つの車いすが入る場合は前後2つのいすを外します。○最後列でも2つの車いすが入る場合は3つのいすを外します。

磁気ループ(※)の設置 ステージにおける階段昇降機設置

※磁気ループとは、ループアンテナから電波が補聴器へ飛び、クリアーな音声が耳に届きます。

車いすを使用している人のスペース(約120㎝×約90㎝)

←要約筆記者手話通訳者

講演者↑スロープ 要約筆記のスクリーン

聴覚障害者の座席

出入口

出入口

出入口

手話通訳者(待機)

←磁気ループ

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(5) トイレ

●イベント会場内に車いす使用者や高齢者、子ども連れなどが利用できるトイレが設置されているか確認し、設置されていない場合は、仮設トイレの設置を検討します。

対応方法会場のどこからでもトイレを探しやすいように、ルート(方向)表示や案内

表示を設置します。トイレの機能(ベビーシート、オストメイト対応等)がわかる表示をします。予想される参加者数に対して、トイレの数が不足する場合は、一時的に近く

の施設や店舗等のトイレを参加者が利用できるよう事前に交渉することや、会場近くに仮設トイレを設置する等して、必要数を確保します。

講演会等の場合は、休憩時間にトイレの利用が集中するので、十分な休憩時間を設けます。

オストメイトとは

ガン等が原因で直腸や膀胱に機能障害を負い、手術により人工的に腹部に「排泄口」 (ストーマ)を造設した人のことで全国に20万人以上いるとされています。便意や尿意を感じたり、我慢したりできないため、便や尿を溜めておく袋(パウチ)を腹部に装着しており、パウチに溜まった排泄物の処理や、パウチから排泄物が漏れ、衣服や身体が汚れるなどのトラブルが発生した場合に対応できるトイレの設置が求められています。

レンタル用仮設トイレにも車いす使用者用トイレがあります。料金は使用時期、期間等によって異なりますので、個別に見積もりをとる必要があります。

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(6) 必要スペースの確保

①休憩スペース●障害者、高齢者や妊産婦、乳幼児連れの親子等、会場内の移動で疲れやすい人が、休憩して疲れをとることができるスペースがあるか確認します。

対応方法休憩場所は、会場内の適当な位置にいくつか設け、ベンチや椅子、飲料の自動

販売機や給水施設を用意する等して休みやすい場所にします。休憩場所は、ルート表示や案内表示等により、わかりやすいようにします。喫煙場所は、休憩場所とは別に設けます。屋外イベントの場合、季節や天候に応じて、周囲の囲いや屋根等がある休憩場

所を設置します。

②託児・授乳スペース●講演会やシンポジウム等では、育児中の人が参加しやすいように、託児や授乳ができるスペースがあるか確認します。

対応方法託児室(スペース)を確保し、保育士や託児ボランティアなど、専門的知識

を有するスタッフを配置します。託児室内は、子どもたちが楽しく遊ぶことができるよう配慮し、授乳室を兼

ねる場合は、仕切りなどを設け、母親のプライバシー保護にも配慮します。必要な設備や備品

・託児室の床にカーペットまたはマットが敷かれているか確認します。・託児室に子どもが楽しく遊べることのできるおもちゃや絵本、ベビ-ベッ

ドがあるか確認します。・ミルク用の給湯ポット、水などがあるか確認します。

社団法人全国ベビーシッター協会のように、一定の基準を満たす会員ベビーシッター業者をインターネット上のホームページで紹介している団体などがあります。(http://www.netcircus.com/babysitter/)託児サービスを実施する場合、保育者自身(保育士や託児ボランティア)の保険、利用者の保険などの保険契約に加入します。各区の社会福祉協議会で取り扱っています。

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実施体制

(1)緊急時の対応

●イベントの特性に応じて、トラブルや事故の可能性を検討し、危険防止対策をします。発生してしまったときの対応策も検討しておきます。また、災害発生時に参加者が安全に避難できるか確認します。

対応方法

けがや体調不良の人等に対応できるよう、救護室又は救護スペースを確保し、医療スタッフの配置や医療機関への連絡体制を確保しておきます。

救護室又は救護スペースには、横になって休むことのできるベッド等を設置し、応急処置に必要な医薬品を用意しておきます。

自分の症状が伝えることが困難な人のために、手話通訳者等が必要な時にすぐかけつけられるよう連携を図ります。

【危険防止・事故予防】

イベント開催中の参加者の動きを想定し、危険な箇所や事態が想定される場合には、多くの警備員を配置し、注意を促します。

不足の事態が発生したとき、参加者が安全に避難できるか、また、事故発生時の報告先や伝達方法、避難経路をスタッフ間で周知徹底します。

【災害発生時】

事前に会場側、関係機関(警察、消防、建設事務所等)と、災害時の避難指定場所、避難ルート、誘導方法、警備員の配置場所、消火器の設置場所、AEDの設置場所を打ち合わせ、運営マニュアル等に記載します。

イベント運営スタッフの打ち合わせを行い、マニュアル内容を確認します。災害時には障害者、高齢者、病人、けが人、女性、子どもの安全確保を最優先させることをスタッフに周知徹底します。

災害時、障害者、外国人にも必要な情報伝達ができ、安全に避難出来るよう、館内放送、サインボードでの伝達等、スタッフの対応を事前に決決め、各スタッフへの周知徹底を図ります。

【救護施設・備品】

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(2)スタッフ

●様々な参加者が、どの場所で、どのような場合に不便を感じるか確認します。

対応方法公共交通機関の最寄り駅から会場までの道順や会場のバリアフリー施設の位

置、介助者、手話通訳者等の配置場所等をスタッフがあらかじめ確認し、問い合わせ等に即時に対応できるようにします。

会場の状況によって、障害者が自力で移動できない場合などの対応方法をあらかじめ研修しておきます。

(ボランティアマニュアル編 P30~参照)参加者からの問い合わせに対し、適切に対応するため、車いす使用者用駐車

場や多機能トイレ、休憩所、エレベーター、誘導通路等の位置やイベント内容について、スタッフ全員で情報の共有化を図ります。

参加者が容易にスタッフを確認できるよう、分かりやすい服装か、腕章、名札等をつけているか確認します。(再掲)

会場内のアナウンス等音声案内を行なう場合には、簡潔なわかりやすい表現を心がけ、重要な情報は繰り返すなど、確実にその情報が伝わるような配慮が必要です。

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終了後、次回開催に向けて

●今後の開催のために、イベント開催中に会場にアンケート、意見箱を設置することや、イベント終了後に反省会等を実施して多くの意見を収集します。

●アンケートには、多くの回答を得るために、わかりやすくシンプルなものとします。また、不必要な個人情報の項目を設けないようにすると共に、個人情報の取り扱いについては目的外に使用しない旨を明示することが必要です。

●アンケートには、スタッフの対応や会場の設営状況等の項目を入れます。

●アンケート調査で出された意見を広く公表し、他のイベントや次回の開催等に役立てるよう考慮します。

●開催記録、実施報告などを作成する場合は、P17の「当日配布パンフレット」にならい、より多くの方にわかりやすい資料を作成しましょう。また、冊子が手に入らない方や視覚障害者のために、ホームページにも掲載するようにしましょう。

●記録用の写真、ビデオを撮影する場合は参加者に事前に了解を得る等をすることが望ましいです。また、それらを公開する場合は個人が特定できないような写真等を選ぶことが必要です。

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イベント関連依頼先(一部)

■要約筆記者派遣依頼窓口神戸市難聴者協会 派遣担当

〒650-0016 神戸市中央区橘通3-4-1(神戸市立総合福祉センター内)TEL 078-341-8644 FAX 078-360-6369

■手話通訳者派遣依頼窓口神戸ろうあ協会 手話派遣センター

〒650-0016 神戸市中央区橘通3-4-1(神戸市立総合福祉センター内)TEL /FAX 078-371-3218

■点訳及び印刷依頼点灯虫グループ

〒650-0016 神戸市中央区橘通3-4-1(神戸市立点字図書館内)TEL 078-351-0942 FAX 078-351-4781

兵庫県視覚障害者福祉協会〒651-0062 神戸市中央区坂口通2-1-18(兵庫県福祉センター内)

TEL 078-222-5556 FAX 078-222-5564

■視覚障害者の歩行介助者派遣相談・点訳特定非営利活動法人神戸アイライト協会

〒651-0067 神戸市中央区神若通5-3-26(中山記念会館内)TEL 078-221-6019 (火曜~土曜 9:30~16:30)

■通訳・翻訳依頼財団法人神戸国際協力交流センター

〒651-0087 神戸市中央区御幸通8-1-6(神戸国際会館20F)TEL 078-291-0641 FAX 078-291-0691

■ユニバーサル観光(宿泊等)の相談NPO法人ウィズアス

〒653-0842 神戸市長田区水笠通4-1-12TEL/FAX 078-621-7707

■多言語による情報発信、翻訳について地域コミュニティ放送局 FMわぃわぃ

〒653-0052 神戸市長田区海運町3-3-8(たかとりコミュニティセンター内)TEL 078-737-3196 FAX 078-737-3187

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■道路の使用について(看板の設置等)○道路使用許可について :各所轄警察署○道路占用許可について :神戸市建設局道路部管理課

TEL 078-322-5385 FAX 078-322-6081

■その他○臨時営業開始届出(食品取り扱い):各区保健福祉部健康福祉課○催物開催届出(警察) :各所轄警察署○催物開催届出(消防) :各消防署○自主救急計画 :各消防署

■救護について日本赤十字社 兵庫県支部

〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-4-5TEL 078-241-9889 FAX 078-241-6990

■貸出し用車いすについて神戸市社会福祉協議会 ボランティア情報センター

〒651-0086 神戸市中央区磯上通3-1-32(こうべ市民福祉交流センター内)TEL 078-271-5306 FAX 078-271-5366

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(参考資料)ボランティア・スタッフ マニュアル編

(1)ボランティア・スタッフの皆さんが、来場する様々な方と本イベントを楽しむために

本イベントには、障害のある方や、外国人、子ども連れ、高齢者など様々な方の来場が予想されます。来場するすべての方々に、このイベントを楽しむだけではなく、様々な人との出会いや、より深いコミュニケーションを通して、このイベントに来て良かったと思っていただきたいものです。

1.ユニバーサルサービスの基本

①障害のある方をひとまとめに考えるのではなく、一人ひとりが豊かな個性を持っていることを認識してください。

②すべての人々が共に生きることのできる社会が、豊かな社会といえます。障害の有無に関わらず、お互いに助け合って生きるのは、当然のことです。

③介助をする時は、その人が何をして欲しいかをまず聞くことから始めます。先走った行動は、反対に迷惑になってしまいます。

2.本イベントでの対応ボランティア・スタッフの中に、特に次の専門スタッフを置き、対応します。

①通訳(外国人への配慮)○外国人の来場の際には、通訳スタッフにより対応します。

②介助○視覚障害のある方への対応は、スタッフによる会場誘導等の対応を実施し

ます。○聴覚・言語障害のある方への対応は、見かけ上、障害がわかりにくいため、

あらかじめ「手話通訳者を配置しております」などの貼紙を表示し、スタッフを配置します。

○肢体不自由者、ケガをしている方などへの車いすの貸出しを実施します。(例:車いす3台、電動車いす1台を入口案内所にて貸出し)

○座席指定エリアに車いす等利用の方の優先席を確保しています。○車いす専用トイレはメイン広場内に2ヶ所設置してあります。○イベント内容、会場の広さ等にもよりますが、託児スタッフ、医療スタッフの配置を検討します。

専門スタッフだけが対応すればよいと考えないで、ボランティアの皆さん一人ひとりが温かい心で来場者に接し、多くの方が円滑にイベントに参加できるようサポートします。

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(2)具体的な対処法について

1. 車いすを利用される方に対して

① 障害のある方は、周囲の人の援助を心苦しく思うこともあるので、見かけても、すぐに手を貸す必要はありません。さりげなく目配りをして、困っている様子に気づいたら、「何かお手伝いすることがありますか。必要な時はいつでも声をかけてください。」等と声をかけ、援助を求められた時に手を貸すという細やかな心遣いが必要です。

② 雨の日は松葉杖の人が一番困る日です。傘がさせない上に足元がすべる危険があります。松葉杖の人がいたら、声をかけてサポートします。

③ 車いすを押して同行する際は、「一緒に歩む、楽しむ」という気持ちを持ちます。本人から「もういい(充分)ですよ。」と言われない限り、介助するのが望ましいのですが、状況に応じて他のボランティアと交代してもいいでしょう。交代する時や別れる時には必ず挨拶をしてください。

④ 車いすを利用される方から援助を求められた場合、どうしてほしいのか、どうしたらよいのかをよく聞いて対応します。スロープを上がる、溝を越える等は一人で援助できますが、階段の上り下りを手伝う場合は、3人以上が必要です。

車いすの各部の名称お手伝いする際、車いすの構造を理解しておいた方がよいでしょう。

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介助用車いす

電動車いす

車いす豆知識○車いすとひと言で言っても、駆動方式の違いから自操式(搭乗者自身が操作)介助用、自操介助兼用型、電動車いすがあります。○道路交通法では身体障害者用の車いすは「人」と同じ扱い(軽車両でないもの)になっています。

-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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◆キャスター上げ前輪(キャスター)を浮かすことによって、

いろんな場面で役に立ちます。前輪を上げるには、片方のティッピングレ

バーを踏み、同時に体重をかけながらグリップを下に押し付けます。このとき必ず事前に「キャスターを上げますね」等と声をかけてください。

◆段差段差を上がるには、キャスター上げをして、キャスターを段の上に乗せます。

次にハンドグリップを持ち上げて後輪を押し上げます。段差を下りるには、まず車いすを後ろ向きにします。次に後輪を下ろし、キャスターを上げ、車いすを後ろに引いてキャスターを下ろします。

◆坂道上り坂では、少し体を前傾にして一歩

一歩しっかりと押します。ゆるやかな下り坂では前向きで、車いすを引くようにして下ります。急な下り坂では、後ろ向きでブレーキを軽くかけながら一歩一歩ゆっくりと下ります。下り坂を前向きで下りる場合、急ブレーキをかけると、乗っている人が車いすから転げ落ちてしまいますので、注意します。

介助用車いすの操作例

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2. 聴覚障害のある方に対して

① 聴覚障害のある方に対しては、まず心を開いて話しかけてください。その場合、後ろからでは話しかけていることがわかりませんので、必ず正面から、視線を合わせて話しかけます。

② 「口話法」は話し手の口の動きを読み取り、相手の言葉を理解する方法です。口話法ができる人にはジェスチャーを交えながら、口をやや大きく開けて、はっきり、ゆっくり話してください。

③ 手話は聴覚障害のある方の間で使われている会話方法で、聞こえない人の言語です。簡単な挨拶などは手話を覚えておくと便利です。

④ 手のひらや紙に文字を書いて読みあう方法が、筆記法(筆談)です。多少時間はかかりますが正確です。ボランティアの皆さんは、常にメモ用紙と筆記用具を携帯してください。

⑤ 通路を歩く時に背後の音が聞こえない、緊急の時に電話が使えない、緊急放送が聞こえない等が、聴覚障害のある方が特に困っている場面です。目配りをして、そのような場面に気づいたらサポートしてください。

※電話を頼まれた時は…電話は相手の顔の表情や口型を読み取ることができないので、聴覚障害のある方が電話をする必要が生じた場合は、身近にいる人にお願いすることとなります。頼まれたら快く引き受けます。

(2)具体的な対処法について

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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3. 視覚障害(全盲・弱視・色覚障害)のある方に対して

① 視覚障害のある方に対しては、まずボランティアの皆さんの方から先に声をかけてください。その後、軽く握手をして、「ボランティア・スタッフの○○です。」と名乗ります。

② 視覚障害のある方が何かを探している様子だったり、白い杖を持って立ち止まって考え込む様子の場合は、迷わず「何かお探しですか?」と声をかけてください。特に白い杖を正面頭上に上げている時は助けを求めるサインです。また、盲導犬を連れていても手伝いが必要な場合があります。

③ 視覚障害のある方の中には、全盲、弱視、色覚障害の方がいます。必要な介助の内容は人によって違うので、何が必要かを率直に聞きます。そして、質問にはその場で答えます。答えられない場合は、「少し待ってください。」と断ってから、近くのスタッフに確認し、回答します。

④ 方角や場所を教える場合は、「あちらです」とか「東西南北」で教えるよりも、立っているところを起点に、前・後・左・右、何歩、何メートルと正確に伝えてください。また、物の位置は、時計の文字盤(針)の位置で、「3時のところにペンがあります。」というように伝えます。(これをクロックポジションと言います。)

⑤ 会場で誘導する際には、白い杖の反対側に立ち、腕に軽くつかまってもらい、本人の半歩前を歩きます。杖を持つ手をつかんだり、押したりしてはいけません。歩く速さはごく自然にしてください。前に障害物がある箇所にさしかかったときには、「前に○○があります。」などと知らせ、安全を確保してからゆっくりと進みます。やむを得ず、本人から離れるときは、周囲の状況をよく説明して、何か安定したものにつかまってもらい、離れます。できるだけ早く戻ってください。

⑥ 休憩所などで腰掛ける時には、椅子の位置と方向がわかるように、まず椅子の背に触れてもらいます。本人が確認して座ります。

⑦ トイレを案内したら、便器の前まで連れて行き、方向と中央部をはっきり教えて外で待ちます。

⑧ 別れる時は、必ず声をかけて自分が立ち去ることを相手に伝えます。

⑨ 盲導犬は視覚障害のある方の「目」の代わりです。むやみに触れてはいけません。

(2)具体的な対処法について

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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◆道しるべは、あなたのひと声です。困っている視覚障害のある方を見かけたら、あなたがその人の“目”になってください。「誘導しましょうか。」のひと声で、その方は安全に、安心して歩くことができるのです。

◆手引きをする時は腕など抱きかかえるように手引きされると身体が自由にならず困ります。白い杖を右手に持っている場合、視覚障害のある方の左方に立ち、右腕を左手で軽くつかませて一緒に歩くように手引きします。このようにして歩くと本人が少し後ろになって歩くことになりますから安全です。

狭い道や混雑しているところでの手引きは手引きする腕を後ろにまわし、本人の真後ろに入ってもらい、一列になって進みます。

手引きの基本姿勢

身長が異なる人同士による手引き

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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階段の上り下りの手引き階段の前に行ったとき、「上がります」とか「下ります」とか、声をかけてください。

電車やバスの乗り降りの手引き電車に乗るときは、「10センチくらい電車とホームの間にすき間があります。」というように、電車とホームのすき間幅や段差について説明します。乗る際に、乗降口の手すりなどに手を導き、すき間幅や段差などを伝えてから、手引きをします。

エスカレーターの乗り降りの手引きベルトの上に手を軽くのせ、杖やつま先で最初の一歩の場所を確認してもらい、進みます。人によって、手引きの状態や横並びなど、方法が異なる場合があります。また、階段とエスカレーターのどちらを利用するかを含めて、あらかじめ相談します。

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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4.脳性麻痺による障害のある方に対して

① 脳性麻痺といっても、障害の現れる型や障害の現れる部位によって一律にとらえられないことを、まず理解してください。

② 脳性麻痺の人を見おろす形で話すと威圧的になるので、相手と同じ高さの目線で、相手と溶け込むような心で接します。

③ 話を聞く場合には、言葉のひとつひとつをかみしめるように聞き、言葉がわからない場合には、幾度も聞き返すことが大切です。

④ 話が理解できない時は、承諾を得てメモをとり、意味を理解します。言葉がわからないまま言葉の先取りをすると、相手を傷つけることもあるので避けます。

5.知的障害のある方に対して

① 知的障害のある方には、コツコツと真面目に物事を進めていく能力では、健常者と遜色ありません。良い面を最大限に引き出し、活かしてあげるようにしてください。

② 難しい言葉遣いや数字などの多用は避け、「ゆっくり」、「丁寧に」、「わかりやすく」を心がけてください。また、相手の言いたいと思うことをくみ取るつもりで聞きます。

③ 危険なことに対する判断力が弱いので、周囲の人たちが気づいたら、遠慮せずに、安全な方向へ導いてあげます。

(2)具体的な対処法について

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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6.精神障害のある方に対して

① 精神障害のある方に最も必要なものは、周囲の人たちの理解と思いやりです。

② 精神障害は必ず遺伝するとか、精神障害を持つ人はこわい、危険だ、という偏見を、まず改めます。

③ 精神病院に入院している患者さんも、多くの人が街へ出て買い物をすることや、レクリエーションを楽しむなど、社会復帰するための開放的な治療が進んでいます。いたずらにこわがって社会から排除するのではなく、あたたかい気持ちで根気よく接してください。

7. 高齢者や妊産婦に対して

① 高齢者や妊産婦の場合、介助が必要な状況でない場合は、すぐに手を貸す必要はありません。さりげなく目配りをして、困っている様子に気づいたら声をかけ、援助を求められた時に手を貸すという心遣いが必要です。また、会場内が混雑して、足元が見えにくくなっている時には、ちょっとしたカバーなどにもつまずきやすいので、危ないと思う場所の近くで「カバーがあります。足元に気をつけて進んでください。」などと声をかけます。

② 高齢者や妊産婦は疲れやすい場合が多いので、聞かれた時にすぐ答えられるよう、ベンチのある休憩場所やトイレの位置を必ず把握しておきます。

③ 高齢者や妊産婦は体温調節ができにくい場合が多いので、冷暖房の温度調節に気を配りましょう。

(2)具体的な対処法について

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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9.来場者(お客様)からの苦情に対して

会場内でお客様から苦情を受けたら、丁寧に深謝します。落ち度があるから謝るのではなく、相手に嫌な思いをさせたことについての謝罪です。反論すると口論になりがちですので注意してください。お客様がなかなか落ち着かない場合は、各業務責任者に必ず連絡を入れてください。

10.緊急時の対応

火災、事故、不審者、不審物などを発見したら、速やかに各業務責任者へ連絡し、指示を仰ぎます。

8.けが人、急病人に対して

(1)けが人、急病人の対応けが人、急病人ともに自分の判断では処置せず、救護テントで適切な処置をしてもらうよう心がけます。

(2)けが人を発見した場合①声をかけて、けがの具合を聞きます。②歩けるようなら、救護テントをご案内します。③歩けないようなら、各業務責任者に連絡し、引き継ぎします。

(3)急病人を発見した場合①声をかけて、様子をうかがいます。②各業務責任者に連絡し、救護テントへ連絡を入れてください。③必要があれば、救護テントへの移送を手伝います。

(2)具体的な対処法について

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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(3)迷子について

1.会場内で迷子を発見した場合(1)迷子の保護

迷子に声をかけて、迷子であることを確認します。

(2)迷子の初動捜査迷子と共に、周辺初動捜査を行ないます。初動捜査の際は、迷子と手をつなぎ離れないように注意します。

①迷子の名前 ②どの辺りで迷子になったか ③誰と来場したのかを確認し、保護者の発見に努めます。(約10分程度)

<コメント例>「○○ちゃんのお父さん、お母さんはいらっしゃいませんか?」

→保護者が見つかった場合①保護者の確認

迷子本人に、保護者かどうか確認を行なってください。②迷子引き渡し

迷子を引き渡し、通常業務に戻ります。

→保護者が見つからなかった場合

①迷子テントへ移送

初動捜査を実施しても保護者が見つからなかった場合、迷子テントへ移送します。迷子移送の際、持ち場を離れる場合には近くのスタッフに声をかけて行ないます。持ち場を離れることができない場合は、各業務責任者に連絡して、応援スタッフを要請する等して、必ずスタッフが移送してください。

②迷子テントへ引き継ぎ迷子の氏名等の情報を提供し、引き渡します。

2.保護者から迷子捜索依頼があった場合○迷子テントの案内

迷子が既に保護されているかもしれないため、迷子テントを案内します。

3.迷子情報を確認した場合(トランシーバーで伝達を受けた場合)①迷子の情報をメモする

迷子の氏名、服装、特徴をメモしてください。②迷子捜索を行なう

自分の分担の仕事をしながら、周辺に目を配り、捜索します。③発見できた場合、迷子を迷子テントへ移送する。

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-

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(4)拾得物について

1.会場内で落とし物を発見した場合○各業務責任者に、拾得した場所、時間の情報を伝えた後に、拾得物を手渡して

ください。

2.お客様から落とし物を手渡された場合○落とし物書類の手続きや、「拾得物に関する権利」の問題もあるため、拾い主

に直接届け出ていただくよう、会場内案内所へ案内します。

※拾得物に関する権利について①拾得物に関する権利は、物品を拾得してから24時間以内に届け出た者のみ

が有効となる。②報労金の請求権:遺失者が判明した場合、物品価格の5~20%の範囲内を

お礼(報労金)として受け取る権利がある。③拾得物の所有権:イベントの実行委員会から警察に引き継いだ日から3ヶ月

以内に落とし主が判明しない場合、拾得者にはその物品を所有する権利が生じる。

④会場関係者(業務用入場証の発行対象者)が職務または業務に関して拾得した場合は、官守者拾得扱いとなり、拾得物に関する権利は生じない。

⑤拾得者が未成年の場合、権利放棄には保護者の同意が必要となる。

3.お客様が届出を拒む場合○拾得物に関する権利を確認します。

※コメント例:「落とし物を拾った方は、拾得物に関する権利がありまして、落とし主が判明しなかった場合、この物品の2割までの報労金を請求する権利があります。また、警察に引き継いでから6ヶ月と14日が経過しても落とし主が判明しない場合は、この物品を受け取る権利がありますが、どうなさいますか?

⇒権利を主張した場合手続きを行なうため、会場案内所を案内してください。

⇒権利を放棄した場合お客様に拾った場所、時間、お客様の氏名、連絡先を確認し、代わりに届出を行なってください。

※お客様が氏名を教えることを拒む場合は、拾っていただいたことに対し、お礼を述べ、受け取ってください。

4.遺失物の届出があった場合○会場案内所を案内します。

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-ボランティア・スタッフマニュアル編-