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プロダクト&サービス ビジネスイノベーション NEWテクノロジー 富士通ジャーナル 4

Topjax Solution

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Page 1: Topjax Solution

プロダクト&サービス

ビジネスイノベーション

NEWテクノロジー

富士通ジャーナル

4

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:29 PM ページ1

Page 2: Topjax Solution

■図1「Topjax Solution」誕生の背景

課題 課題クリア必須項目

・短期開発/低コスト化

・先進技術適用

・マルチプラットフォームでの開発

・エンドユーザーのグローバル化

・厳しい性能要件

・急激なアクセス増加対応

・高い信頼性/強固なセキュリティ

生産性向上 ・標準化と再利用素材の活用 ・ツールの適用

品質向上 ・プロジェクト管理ルールの徹底 ・効率的な開発環境の確保 ・開発/テスト方式の標準化

性能/ 信頼性向上

・拡張性のあるハード/ソフト構成 ・高度な認証技術の適用

開発技術

上流から下流まで検証された方式・技術による推進がポイント

実践で確立された方式と技術 Topjax Solution

・プラットフォームフリーの開発技術 ・グローバルに適用するツール選定

オープンシステムによる開発環境の変化

真の顧客満足のための技術ベクトルとは何か ~シンプル・一貫性・透明性

Webシステム構築やライフサイクル全体を革新する先進のソリューション

ビジネススピードは加速の一途をたどり、企業においては開発期間のさらなる短縮、変化に対応できる柔軟な業

務システムが求められています。技術変化の激しいオープン系システムを取り巻く開発環境はより複雑化し、お

客様からは見えない舞台裏技術へのウェイトは高まります。「フィールドSEのパワーを、バックヤードよりもお客

様の業務システムへ」と考える富士通が、業務システム開発の上流から下流までワンストップでサポートする「Topjax

Solution」で新しいSI開発環境を拓きます。

「Topjax Solution」で実現する シンプルで一貫した新SI開発環境

 これからのシステムインテグレーターは、単に「作る」という

ことの効率化ではなく、そのベクトルをお客様が真に求める業

務システム構築に合致させていかねばなりません。富士通は、

システム開発の上流から下流までをトータルにサポートする

「Topjax(Total Omni Platform architecture by Java

And Xml technology)Solution」によって、SIの世界を着

実に進化させようとしています。

 システム開発の開発期間は、日を追うごとに短くなっています。

数年前の状況を見ても平均システム開発期間が11.6ヵ月から

7.0ヵ月へと、大幅に短縮されていることがわかります(図2)。

また開発期間が3ヵ月以内という短期開発型のシステム開発

 Webシステムへの要求が、ますます高度化するなかで、そ

れらに対応するための多種・機能別による個別ツールの提供や、

様々なオープンソース導入の機運の高まりによって、その開

発環境は一層複雑化し、技術スキルの要求も高度化してきま

した。その結果、専門的IT技術の領域における作業は複雑化

をたどり、フィールドSEの多大な労力を必要としています。

 しかし、本来SEのパワーが向かうべきところは、舞台裏に求

められるIT技術そのものではなく、お客様の経営効率、生産効

率を向上させ、日々の業務を遂行するために求められる、わか

りやすく使いやすい、そして機能アップの要求にも柔軟に応え

られる業務システムの構築にあります。

ト ッ プ ジ ャ ッ ク ス ・ ソ リ ュ ー シ ョ ン

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:29 PM ページ2

Page 3: Topjax Solution

出典:ガートナージャパン、2004年度は富士通のデータ

■図3 進むオープンシステム(Webアプリケーションサーバ導入率推移)

2002年度 2001年度 2000年度 2003年度 2004年度

28%

25%

15%

30%

50%

0%

50%

40%

30%

20%

10%

■図2 短縮化するシステム開発期間

5年間で平均開発期間は「6割」に短縮

3ヵ月以内

1998年以前

14

13

11

10

9

8

7

6

100%

90%

80%

70%

60%

50%

40%

30%

20%

1999年 2000年 2001年 2002年 1~3月

2002年 4~6月

2002年 7~9月

2002年 10~12月

出典:日経オープンシステム2003年2月号「企業情報システム実態調査」のアンケート結果より

4~6ヵ月 7~9ヵ月 10~12ヵ月 13~18ヵ月 19~24ヵ月 25ヵ月以上 平均

12.017.4

12.320.0 19.2

23.115.8 34.5

38.621.7

20.0

2.4

4.4 15.4

18.141.3 33.8

42.734.6

38.5

39.5

29.1

8.019.2

11.5

13.2

9.1

13.39.6

9.4

11.0

7.8

8.48.3

7.0

8.2

11.6

8.79.2

8.0

15.4 13.513.1

16.3

7.75.6 15.8 5.5

13.3

0.0 3.1 0.0 0.0 3.8 2.6 0.06.0 6.5

6.28.0 3.9

3.80.0 5.5

11.6ヵ月 12

10%

7.0ヵ月 0%

工法によるセミオーダーメイドの住宅設計の関係に近いとも

いえるでしょう。注文住宅は熟練技術によって高い完成度を

期待できますが、短期間に一定水準以上の住宅を均質な技術

で造り上げるには後者の工法が有利です。工期短縮によって

得られる余裕を、デザイン・設計にあてることで顧客満足度は

かえって高まるかもしれません。また工場生産技術が洗練さ

れることにより、熟練技術に匹敵する完成度も期待できます。

同様に「Topjax Solution」を適用したシステム開発は、富

士通がこれまでに集積したSIのノウハウをベースに進化を始

めているのです。

事案について見ると、12.0%から34.5%へと大幅に増加し

ているというデータも見受けられます。こうした変化は、お客

様のビジネスのスピードが相当の勢いで加速していることを

意味しています。

 さらに業務システムを構成している技術は、オープンソース・

ソフトウェアの急速な普及、企業間、対所轄官公庁とのインター

フェースがXMLに統合化されるといった技術の流れを受けて

複雑化を深めています。

 こうした状況の中で、お客様の業務を分析・開発しながら技

術的な観点から精度の高い動作検証を実施したり、あるいは

制限事項を洗い出して対応するフィールドSEには、高い作業

負荷がかかっています。加えて、システム開発に関連するス

テークホルダーが多様化する中で、従来の記述式の要求仕様

書をベースとした要求分析では、充分な理解が得られにくく

なっています。

 これらの負荷を軽減し、フィールドSEが本来活躍すべき「お

客様のための業務システムづくり」「ブラッシュアップに持てる

力」を集約させ、同時に「システム開発期間短縮化」を図ろうと

いうのが「Topjax Solution」を適用した新しいシステムイン

テグレーションなのです。

 例えてみれば、従来のシステム開発と「Topjax Solution」

を適用したシステム開発とは、注文住宅と工場生産プレハブ

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:29 PM ページ3

Page 4: Topjax Solution

是正措置策定 事計画見直し

■図4「Topjax」ソリューションとしてのSOX法対応

SOX法の目的 常に透明な財務報告が実施されていることの証明

CEO/CFOが管理責任を持ち、報告が正確かつ完全で公正であることの証明

CEO/CFOによる情報開示管理制度の効果確認及び証明

管理体制の維持と内部統制の変化の報告

企業活動への フィードバック

業務コンサルティング等 でのプロセス改善 Topjax Solutionによる内部統制

企業 監督官庁 財務諸表

XBRL

報告

コンピュータシステム

各種指標値 評価

業務プロセスの明確化とサイクリックなチェックと改善による 企業経営の透明度向上

業務プロセス

プロセス改善

セミオーダーメイドSIモデルとしての 「Topjax Solution」

「日本版SOX法」に向けた明確・透明なシステム

「Topjax Solution」5つの特徴

 「Topjax Solution」とは、Webシステムをはじめとする

オープンシステム構築において、上流の業務モデリングから

下流のシステム構築までを体系的に、効率的にシステムイン

テグレーションするためのソリューションです。また「Topjax

Solution」は、プロダクト群を含む開発技術体系で、Javaや

XMLなどの先進技術を採用し、次にあげる5つの特徴を備え

ています。

 

①開発工程の短縮

「Topjax Solution」ではシステム開発のスピードアップを

図るために作業を5工程とし、これをものづくりに必要な最

小限のWBS(Work Breakdown Structure)と定義し、

「TAS(Topjax Application development Standard)」

と呼びます。

②業務仕様の早期確定

業務フローから画面・帳票・伝票を作成し、レビューを行うこと

による早期の仕様確定を実現します。

 2008年度からの施行が予定されている「日本版SOX法」に

向け、我が国の業務システムはわかりやすく透明性を備えたシ

ステムへと大きく変わろうとしています。

 「SOX(サーベンス・オクスリー)法」とは米国連邦法に定めら

れた法律で、投資家に対する企業経営者の責任として、企業会

計や財務報告の透明性・正確性を高めることを定めているもの

です。財務報告の透明性を確保するために、企業内の各データ

はもちろん、業務プロセスに至るまでの明確化、文書化が義務

付けられています。この義務はまたERPや会計システムなどの

情報システムそのもの、さらにはシステムの開発・保守までが公

正で明確な手続きによって遂行され、常にそれらを証明できる

ことにまで及んでいるのです。

 我が国においても「日本版SOX法」の策定が進められ、

2008年3月期から導入が見込まれています。会計、財務は透

明性を確保されなければなりません。それにあわせて、業務シ

ステム構築の透明性を確保する必要があります。よりシンプル

なシステムをベースにした「Topjax Solution」適用型のシス

テムインテグレーションは、グローバルビジネスの潮流にジャス

トミートしているといえます。

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Page 5: Topjax Solution

■図6 柔軟なシステム構成で動作する「Topjax Solution」

RDBMSJDBC

Topjax Solution

業務アプリケーション(コア)

Interstage

WebSphere

WebLogic

Windows

※オープンソース

Linux※ Solaris

VisiBroker

Tomcat(+Apache)※

JBoss※

IAサーバ(64/32bit) UNIXサーバ

Java C/C++ COBOL

Symfoware DB2 Oracle SQL Server Postgre SQL※ MySQL※

業務 アプリケーション

言語

アプリケーション 基盤

アプリケーション サーバ

OS

ハードウェア

JNI

■図5「Topjax Solution」の目標と施策

Topjax Solutionの目標

セミオーダーメイドSIにより従来開発期間の1/2でシステム構築

標準開発環境の提供とSIノウハウツールによるプロジェクト運営サポート IDC ビジネスモデル

サーバ間XMLインターフェース機能の提供によるBtoBシステムの構築 SOAサポート

既存システム(PC、オフコン、汎用機)からTopjax Solutionへの再構築支援 Topjax

Reformation

統一された開発スタイルと豊富なユーティリティを提供 バッチシステム

業務プロセスに直結したViewベースでのシステム構築をサポート Web システム

「Topjax Solution」体系

「ラーニングシステム提供」による短期間での開発技術習得、

ならびに開発要員の早期立ち上げをサポートします。

 「Topjax Solution」は、SI開発プロジェクトを支援するため

の次の6つの要素から成り立っています。

①「TAS」

「TAS」は、「Topjax Solution」によるオープンシステム開発

に最低限必要な作業、ドキュメントを体系化、標準化すること

で作業の無駄をなくし、開発作業を効率化するためのもので、

「作業体系」、「ドキュメント体系」をまとめた開発作業標準です。

「商談」、「分析/設計」、「実装/テスト」、「運用テスト」、「メ

ンテナンス」の5工程、および「業務」、「インフラ」、「運用」、「プ

ロジェクト管理」、「開発支援ツール」の5つのカテゴリーから

なっています。

②「DESIGN」

「DESIGN」は、画面や業務アプリケーションを設計・実装する

ためのガイドラインを提供するもので、アプリケーションの開

発作業手順、ユーザーインターフェース設計、DB方式、通信制

③品質・生産性・性能の確保と向上

「画面/帳票/伝票単位のひな形ソースプログラム生成機能」、

「ハードウェア/ソフトウェアのパターン化」、「標準開発技術の

提供」等による徹底したパターン化を行います。

④開発方式標準化

「画面/帳票/伝票単位のプログラム構造」、「アプリケーショ

ン制御の隠蔽」、「プログラム構造の固定化」等、標準化の徹底

を行います。

⑤開発技術の短期習得

「単純な開発方式/技術」、「グローバルツールでの開発技術」、

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Page 6: Topjax Solution

■図8「Topjax Solution」を適用したアプリケーション開発の流れ

統一されたアプリケーション開発アーキテクチャーにより 高生産性/高保守性を実現

雛形ソース Java

開発 ドキュメント

雛形HTML画面遷移図 (Visio)

Web システム

バッチ システム

アプリケーション開発 Topjaxでのアプリケーション開発の流れ

フロー図 (Visio)

Topjax TJDM

業務ロジック 実装

Topjax TJIM

タグ付け HTML編集

Topjax TJVM

■図7「Topjax Solution」の体系

Topjax Solutionの体系

EDUCATION Topjax Solution推進のための開発要員教育サービス

TOOL 各種ユーティリティの提供

ENGINE アプリケーション開発・実行のための基盤コンポーネント

TEMPLATE インフラ環境の設計・構築ガイドラインの提供

DESIGN 画面/業務アプリケーションの設計・実装ガイドラインの提供

TAS 作業標準、作業体系、ドキュメント体系に関する標準化

「Topjax Solution」開発手法の流れとポイント

 「Topjax Solution」による業務システム構築と従来手法と

の大きな違いは、既存システムのView(画面・帳票、伝票)を

活かしつつ、真に必要な機能を備えた極力シンプルな画面構

成を中心に据えたシステムをスピーディーに構築し、後々必要

に応じて必要なシステムを付加していくシンプルデザインにあ

ります。インターフェースはシンプルに、しかしJava、XMLと

いった高度な技術に支えられ、拡張性、安定性に富むシンプル

リッチな開発技術体系が「Topjax Solution」の提案するシス

テムスタイルです。

御方式等、幅広い作業項目についてのガイドを行います。提供

されたガイドをもとに設計・実装を行うことで、ソフトウェアの

パターン化が徹底され、アプリケーションの品質確保と生産性

の向上がもたらされます。

③「TEMPLATE」

「TEMPLATE」は、システム全体の性能、信頼性、拡張性、保守

性を考慮した構成についての指針、他社ミドルウェアを含めた

環境設計ガイド、そしてシステム構築のポイントを提供するも

のです。これらにそって作業を進めることで、作業効率の向上、

システム基盤の品質を確保することができます。

④「ENGINE」

「Topjax Solution」を適用したアプリケーション開発・実行の

ための基盤コンポーネントが「ENGINE」です。アプリケーショ

ンはその制御構造を独特のパターンによって処理することで

しっかり標準化されます。

⑤「TOOL」

「TOOL」は、各種ユーティリティを提供するものです。

⑥「EDUCATION」

「EDUCATION」は、「Topjax Solution」推進のための開発

要員教育サービスです。

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Page 7: Topjax Solution

アクセスオブジェクト/J

DBC

■図9「Topjax Solution」の適用事例 大手損害保険会社A社様

最大画面項目数:173 Solaris 8/Interstage

画面APL お客様機能 Topjax

・新規自動車試算サーバ(Linux)

・代理店EOPCH(Solaris)

・e計上DBサーバ(HP/UX、Oracle8i)

・メールサーバ(HP/UX)

・メールサーバ(HP/UX)

・車価DBサーバ(AIX)

・ホスト機

・職域用代理店webオンラインサーバ(Solaris) 画面APL その他

業務APL

お客様機能 新規 + 既存

PRIMEPOWER 450メモリ6GB × 2台

特徴  ・画面APLにTopjaxを適用     ・業務APLを介し、他システムと連携     ・1画面あたりの最大項目数 :173項目

その他

他システム

・ネット代理店 ・利用者ブラウザ

「Topjax Solution」によるアプリケーション開発の流れ 「Topjax Solution」によるシステム開発手法のポイント

システム:企業団体職員向け自動車保険更改計上システム

〈Webシステム構築ではシンプルだが骨太のつくり〉

 業務の本質とも言える画面、帳票、伝票をベースにシステム

を構築。実際の作業はHTMLによる「絵コンテ」を作成し、お

客様の確認を得つつ、仕様もれや作り過ぎを回避しながら業

務仕様を早期に確定できます。「絵コンテ」方式の裏ではJava、

XMLが動いています。

〈品質、生産性、性能向上を支える手法〉

 確定した画面、帳票、伝票の流れから自動的にひな形ソース

プログラムが生成されます。またハードウェア・ソフトウェアのパ

ターン化などでフィールドSEをバックヤード構築から解放。お客

様とのフェーストゥーフェースのやり取りに多くの時間を投入す

ることで手戻りをなくし、結果的に開発時間を大幅に短縮します。

〈バッチシステム構築〉

 バッチシステム構築では、統一された開発スタイルと豊富な

ユーティリティが提供されます。

●Webシステム構築の場合

①Microsoft社のVisioを使用して画面遷移図を作成

②「Topjax Solution」開発エンジンにVisioで作成した画面

 遷移図を登録

③「Topjax Solution」開発エンジンに画面概要を登録

④ひな形HTMLを編集して画面を作成。HTMLにID属性を指

 定しタグ付け作業実施

⑤作成したHTMLを「Topjax Solution」開発エンジンに登録

⑥「Topjax Solution」開発エンジンによって画面機能仕様を登録

⑦業務ロジックの実装、コンパイル、テスト実行

●バッチシステム構築の場合

①Microsoft社のVisioを使用してジョブフロー図を作成

②作成したジョブフロー図を「Topjax Solution」開発エンジ

 ンに登録

③「Topjax Solution」開発エンジンにバッチ機能仕様を登録

④業務ロジックの実装、コンパイル、テスト実行

設計。翌年度の自動車保険量を算出し、自動車保険の継続手

続きを行う。

●「Topjax Solution」適用の背景

①代理店ごとに分散している業務ロジックを画面単位で汎用

 化し、再利用性を高めたい。

●業務の概要

 自動車保険の満期を迎える契約者に対し、満期データの内

容及び画面の入力情報より「おすすめ」の自動車保険プランを

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Page 8: Topjax Solution

■図10「Topjax IDC」のSIノウハウツール概観

SIノウハウツール群

アクションアイテム管理 ライブラリ管理

品質管理

進捗管理

IDC利用プロジェクト

管理/統計情報

●ライブラリ管理/進捗管理/品質管理ツールで開発資産の一元管理/トレーサビリティの実現 ●アクションアイテム管理ツールによるプロジェクト活動の情報一元管理 ●プロジェクト運営支援ツールによるプロジェクト内行政の統一サポート

IDC開発環境

開発環境 試験環境

Topjax IDC

プロジェクト運営支援

開発資産

開発管理DB

Topjax公開HP

作業指示 備忘録

会議開催 周知連絡

障害管理 O/A管理

議事録管理 仕様変更管理

QPIT~情報公開

CLINIC~プロジェクト診断

e-learningシステム

プロジェクト運営に関する 情報を統合管理

プロジェクト毎に 開発/試験環境を提供

集中管理された セキュリティ

型決めされた 標準環境

ログ取得/解析を サポートするツール群

「Topjax Solution」の展開と今後

●「Topjax Solution」適用の効果

 それまでのお客様のシステムでは、代理店ごとの個別要件

対応に時間・コストがかかり、システム展開が思うようにできな

かったが、従来手法による開発にくらべ、開発期間の短縮化や

開発費用の可視化を高め、お客様へのシステム展開が容易に

なった。

②重複開発を防止。個別要件対応の局所化を可能にし、短期

 間で代理店展開・新商品の対応を可能にしたい。

●「Topjax Solution」適用のポイント

①画面アプリケーションに「Topjax Solution」を適用。

②業務アプリケーションを介して他のシステムと連携。

〈IDCをベースにした効率的開発環境〉

 「Topjax Solution」は、開発プロジェクトを早期に起ち上

げ、プロジェクト運営のワンストップサポートを実現するために

IDC(Internet Data Center)を提供、活用してまいります。

2006年2月末には、富士通東北システムズにより富士通青

森システムラボラトリ内に「Topjax Solution IDC」(以下、

Topjax IDC)を開設しました。同IDCではしっかり標準化され

た開発標準、テスト環境、ライブラリ管理システム、SIノウハウ

ツール、QA対応等各種の支援サービスが整備されています。

 「Topjax IDC」とお客様がネットワークを介して接続するこ

とで、例えばお客様先に設計部隊を配置し、IDCに製造部隊を

配置するなど、時間・物理的スペースに制約されることのない

オフショアのシステム開発が可能となります。

〈SIノウハウツール間連携でのIT全般統制(IDCでの提供)〉

 「日本版SOX法」対応の一貫として「Topjax IDC」ではSI

ノウハウツールを連携することでIT全般統制をサポートします。

 「Topjax IDC」を利用したシステム開発ではプログラム資

産の管理に留まらず、相対するドキュメントの版数までを管理

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:29 PM ページ8

Page 9: Topjax Solution

開発/試験環境

開発資産 開発管理DB

■図11 SIノウハウツール群によるIT全般統制

払出/登録履歴

品質実績情報収集

作業実績に基づいた管理資料 開発資産の状態管理と連動した

管理情報の作成

管理者 責任者 開発者

進捗管理※

品質指標値

品質管理※

開発スケジュール

スケジュール遅延 品質問題等

アラーム事象発生

検知したアラーム事象を 関係者に自動通知

開発実績情報収集

●ライブラリ管理ツールと連動した、作業実績に基づいた進捗管理機能と品質管理機能 ●作業の実態からアラーム事象を検知しアクションアイテムとして管理  同時にプロジェクト関係者に発生事象をメール自動発信

ライブラリ管理ツール

プロジェクト運営支援※

アクションアイテム管理※ 管理情報

※現在開発中。2006年度に順次公開予定

■図12「Topjax IDC」を活用したシステム開発

Topjax適用 プロジェクト ・ ・ ・ ・ ・

業種/業務毎での 資産分類

情報活用/収集

開発資産群 部品群※

サンプル画面群※ ドキュメント群※

開発システム群

Topjax適用 社内システム等

Topjax適用 パッケージ

開発資産群

パッケージ群

※部品群、サンプル画面群、ドキュメント群は準備中

情報活用/収集

Topjax適用 プロジェクト

Topjax適用 プロジェクト

SIノウハウツール/標準開発環境/情報提供サービス お問い合わせ先

富士通(株) 共通技術本部

SDAS-Topjax統括部

TEL 03-3730-3232

FAX 03-3730-3225

対象としたライブラリ管理ツールによる「開発資産状況」の管

理を基本とし、進捗管理ツールによる開発状況管理、品質指標

に基づいた品質管理ツールによる開発資産の品質管理を提

供します。

 また、QA管理、障害表管理、仕様変更管理等のプロジェクト

の運営をサポートするツール群や作業指示、備忘録、周知連絡

事項といったレポーティングライン機能を最大限に生かすアク

ションアイテム管理ツール郡を提供します。

 これらのツール群が有機的に連携することで、開発資産管

理だけではなく「日本版SOX法」の要求する業務システム構

築の透明性を実現します。

〈より満足度の高いシステムインテグレーションに近づく

 富士通のSI環境〉

 「Topjax Solution」は、オープンソース・ソフトウェアの台

頭、ビジネスモデルのスピードアップによる開発期間の短縮

等により、厳しい技術対応を求め始めたシステム開発現場に、

大きな技術的余力をもたらすものと期待されます。余力を手

にした富士通は、よりお客様と深く関わりながら、ビジネスソ

リューションを素早く確実にサポートすることで、お客様から

信頼される真のビジネスパートナーとしてあり続けるものと

確信しております。

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:29 PM ページ9

Page 10: Topjax Solution

「PLEMIA」 日本のものづくりの競争力向上へ 製品開発プロセスの改革を実現

一歩先行くPLMソリューション プ レ ミ ア

単なる業務効率化といった部分最適からものづくりに関する全体最適へ、いま新たな製造業のフレームワークが求

められています。こうした時代のニーズに応え、日本のものづくりの競争力強化を図るべく、同じ製造業である富士通

が永年のノウハウを結集し先進技術を駆使したPLMソリューションが「PLEMIA」です。

日本のものづくりのライフサイクルを 統合的に支援

いままでにないパフォーマンスと使い勝手

 日本の製造業においては、グローバル化が加速する一方で、

日本国内のものづくりに関する高い品質や付加価値を再認識

する動きが広がっています。日本のものづくりの特性を活かし、

競争力を強化するためには、商品の早期市場投入、リードタイ

ム短縮、コストダウンはもとより、魅力的な商品を継続的に生み

出せるプロセス、環境、仕掛け・仕組みづくりが重要です。その

ためには、これまでの単なる業務効率化といった部分最適から

全体最適へシフトしなければなりません。こうした様々な課題

に応え、製品開発プロセスの改革を実現する新たなフレーム

ワークが、富士通のPLMソリューション「PLEMIA」です。

 設計ポータルからエンジニアリングデータ管理、エレキ情報

管理、製品構成管理、生産・保守・管理、環境情報管理等、もの

づくりのライフサイクルを統合的に支援。常に徹底した顧客視

点からお客様のご要望をレスポンス良く提供してきた富士通

PLMの集大成として、また同じ製造業である富士通の永年の

ノウハウと先進技術を結集した日本発のPLMとして、日本の

製造業の可能性拡大に貢献します。

 「PLEMIA」の特筆すべき魅力の一つが高速レスポンスです。

他PDM製品に比べ5倍から30倍のレスポンスを実現。例え

ば設計部品表において約1万件の検索も9秒という驚きの数

値を達成しています。またマイクロソフト社が推奨するリッチ

クライアント方式「スマートクライアント」を世界で初めて

PDMに採用。これによりWebの運用性とクライアントサーバ

の優れた操作性、高いレスポンンスを両立させ、最大50%の

TCO削減も可能に。クライアントサーバ/Webを必要に応じて

簡単に切り替えて利用することもできます。

 メカ、エレキ両方のデータ管理に対応し、複数CADシステム

のモデル、図面、アセンブリ構成等を統一的に管理できるマル

チCADデータ管理(主要CAD10種に対応)や、2次元図面/

3次元モデルの統合管理も実現。またRoHS、ELV等の法規

制や各メーカー規制への対応のために、部品購入先とのやり

とりの記録等を部品表と連携することで環境情報の統合管理

も可能に。さらに豊富な拡張ソリューションもご用意。世界初

の類似図面検索ツール「VisualSearch」では、AutoCAD形

式の図面にも対応、画像・図面に含まれる個々の図形要素に対

する類似検索も行え、部品の再利用率の向上や設計の標準化、

スピード開発をサポート。カセットモジュールの活用により開発

期間やコストの大幅削減も可能です。

 富士通では、「PLEMIA」と、業界有数の実績を有する富士

通製3次元CADソフトウェア「SolidMX」、バーチャルものづく

りを実現する富士通開発「VPS(Virtual Product Simulator)」

の三位一体となった一歩先行くソリューションで製造業を総合

的に支援していきます。

お問い合わせ先 富士通(株) PLMインフォメーションセンター

TEL 043-299-3521

E-mail [email protected]

URL http://jp.fujitsu.com/solutions/plm/

■「PLEMIA」全体像 「PLEMIA」で提供するプロダクトと適用領域の関連

進捗管理、ナレッジ、ワークフロー Design Portal、 ePROCESS

エレキCAD データ管理 Engineering DataManager

設計部品表管理

Structure Manager Matrix Manager

ERP連携

メカCAD データ管理 Engineering DataManager

生産部品表 ・GLOVIA ・PRONES ・その他

環境情報管理 ECODUCE

2DCAD

3DCAD

エレキCAD

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:29 PM ページ10

Page 11: Topjax Solution

「PLEMIA」導入事例 株式会社 森精機製作所 様

日本の工作機械業界を代表するメーカー、(株)森精機製作所様。同社は、開発・

設計における部品表の的確な管理、部品データの素早い参照や再活用を図る

べく、富士通のPLMソリューション「PLEMIA」を導入。100万点を超える部品

数、図面数を統合管理し、それらを技術者が容易に活用できる仕組みを実現す

ることで、リードタイム短縮やトータルコスト削減に大きな成果をあげています。

ベンチマークテストによる比較検証で 「PLEMIA」を選択

部品表の管理、参照や再活用が スムーズかつスピーディーに

左/常務取締役 工学博士 開発・製造本部本部長(開発担当) 制御設計部兼DURA部兼 DTL部兼設計技術部

管理本部情報システム部

藤嶋 誠 氏 右/開発・製造本部 設計技術部

設計技術課設計技術 チーム リーダー

加藤 政紀 氏

100万点を超える部品数、図面数を管理 チーム設計やコンカレント開発の実現へ

 (株)森精機製作所様は、旋盤、マシニングセンター(MC)、

ホイール加工機、複合加工機等、世界の工業社会を支える高機

能な製品を開発・提供し国際的にも高い評価を得ています。な

かでも複合加工機「NTシリーズ」は、2005年日経優秀製品・

サービス賞の最優秀賞「日本経済新聞賞」を受賞した名機です。

従来、単独機に比べ加工能力が劣りやすかった複合加工機に

おいて、それぞれの切削力を高水準に保ちつつ複合化を実現。

さらなる高速化、高精度化を達成しました。

 同社は、国内では名古屋本社を中心に伊賀(三重県)・千葉・

奈良の3事業所を展開、事業所毎に開発・設計・製造の一貫し

たプロセスを確立。このため各部門間の情報交換や協調が密

に行われ、高品質な製品を生み出す体制が整っています。また

開発・設計の効率化のため、3次元化をはじめ、システム改革に

も積極的に取り組まれてきました。

 同社では3次元化の次のステップとして、独創的で精度がよく、

頑丈で故障しない機械を、最善のサービスとコストで顧客に提

供することを目的に、製品品質のさらなる向上と業務の効率化

を目指されました。「特に心がけたのは設計データの有効活用

です。3次元データの検索時間を短縮し、過去のアセンブリ構

成を素早く参照して開発・設計を効率的に行える体制を目指し

ました。これによりチーム設計の推進や、コンカレント開発の推

進に結びつけたかった。このためには3次元データ管理と部品

表(BOM)連携が不可欠と感じました。これを実現するツール

としてPDMが最適と考えました」と、加藤氏は語られます。

 同社では複数のPDMツールに対してベンチマークテストに

より比較検証を実施。処理速度や操作性、部品構成管理のしや

すさ、CADデータとの連携等のチェックポイントにおいて富士通

の「PLEMIA」が他を大きく凌ぎました。例えばファイル登録処

理における処理時間では、最終候補に残った他ツールの2倍以

上のスピードを示しました。また部品構成管理面でも、設計部

品表が素早く参照できることがテストで確認できました。こうし

た点を同社では高く評価し「PLEMIA」の導入を決定しました。

 2005年夏より本格稼働となり、すでに導入効果もでてきて

います。「工作機械は標準機の他に、ユーザー個々の仕様に基

づいて作る受注機があります。受注機では標準機をもとに様々

な部品を入れ替えて設計するため、過去の部品表の管理・参照

が極めて重要です。「PLEMIA」は製品バリエーションの違い

を容易に比較でき、設計データの効率的な編集が行えるので、

開発・設計は大幅にスピード化しました」と、藤嶋氏は語られます。

 技術者間のコラボレーションも的確・安全に行われるように

なりました。また、データアクセスコントロール機能により、設計

データの閲覧・修正がユーザー単位、グループ単位で設定でき、

製品のチーム設計もより容易に。開発・設計の効率化、スピード

化が図られ、リードタイム短縮やトータルコスト削減等で大きな

成果があがっています。

株式会社森精機製作所

設  立 1948年10月26日

資 本 金 281億円(2005年3月末現在)

従業員数 3021名(2005年3月末現在)

事業内容 工作機械の開発・製造・販売

U R L http://www.moriseiki.com/

■2005年日経優秀製品・サービス賞の最優秀賞「日本経済新聞賞」受賞  複合加工機「NTシリーズ」

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Page 12: Topjax Solution

「Platform Solution Center」は、富士通のIT基盤「TRIOLE」※で構成されるプラットフォーム製品(ISV様、IHV様

製品含む)の国内最大規模の総合検証施設です。同センターには、プラットフォームコンサルティング、システム検証、

デモンストレーション、セミナーやイベントによる最新情報の発信と4つの機能があります。約300人の技術者が常

駐し最新のプラットフォーム製品を核に、実際に体験していただきながらお客様の課題解決をサポート。見て、知って、

触れていただく体験型サービスをベースに、企画・設計、開発・導入、そして運用フェーズにおける最新技術を含んだ

新しい価値の模索まで、お客様の様々なご要望にきめ細かくお応えしています。

見る、知る、触れる、納得の「TRIOLE」体験

企画・設計、開発の効率化を支援

~プラットフォームコンサルティング~ 

 システムの企画段階では、システムに関して様々な疑問や

課題が生じてきます。その際、頭の中でイメージしているだけ

では、問題点の明確化や具体的な解決策に結びつく糸口が見

えてこないことが多々あります。

 「Platform Solution Center」では、実機に触れ、お客様の

システムに対する悩みや問題のご相談から、サーバ統合やスト

レージ統合等のプラットフォーム製品に対する高度なご相談、

システムのプロトタイピングによる検証まで専門技術者がワン

ストップでサポート。お客様の悩みをひもとき具体化し実際の

業務や運用体制に製品機能をマッチさせ、企画・設計の効率化

をきめ細かく支援します。

 企業をめぐる環境の変化がそのスピードを加速させる中、

企業の生命線を担うシステム構築においてもさらなる開発

期間の短縮が求められています。それには複雑化したシス

テムを従来のように個別に構築するのではなく、統合・標準

化されたプラットフォームを活用していくことが必要です。

「Platform Solution Center」では、開発フェーズにおいて

「TRIOLE」の統合・標準化された「TRIOLEテンプレート」

に基づくコンサルテーションを行うことにより、開発工期の短

縮、機敏なビジネス展開を支援し、お客様のビジネスチャンス

の拡大に寄与します。

無駄のない最適なシステム投資のために

~実機によるお客様システムの検証/評価~

 最適なシステム投資を行うためには、システムの経営的価値

を明確にすることが不可欠です。そのためにはターゲットと目

的を想定した上でプロトタイプや実験システムを使った仮説検

証が重要になります。

 「Platform Solution Center」では、お客様が富士通のプ

ラットフォーム製品をご検討いただくにあたり、専門技術者の

支援のもと、事前に導入予定のハードウェア、ソフトウェアを同

じ環境で検証/評価/サイジングすることができます。富士通製

品とパートナー様製品を組み合わせたシステムの動作検証も

パートナー様の協力を得てスピーディーに対応。経営的価値

の明確化、導入効果の検証が行えるとともに、実際に運用する

■図3 実機によるシステムの検証/評価

システムの成否の鍵を握る 企画・設計、開発・導入をきめ細かくサポート

これからは、体験してから構築・導入へ! プ ラ ッ ト フ ォ ー ム ソ リ ュ ー シ ョ ン セ ン タ ー

■図2「Platform Solution Center」の利用フェーズ

デモンストレーション/ イベント・セミナーによる 最新技術情報の提供

コンサルテーション 検証評価

TRIOLEテンプレートに関する コンサルテーション/検証

企画・設計

運 用 開発・導入

■図1「Platform Solution Center」

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Page 13: Topjax Solution

お問い合わせ先

富士通(株) プラットフォームソリューションセンター

東京都港区浜松町2-4-1

世界貿易センタービル29階・30階(受付)

TEL 03-5401-7050

URL http://triole.fujitsu.com/jp/psc/

上での問題点を事前にチェックすることでよりスムーズな導

入が可能に。また、手のひら静脈認証をはじめセキュリティ対

策も万全にし、お客様に安心して検証いただける環境を整え

ています。

実際に見て体験できる多彩なデモンストレーション

「Platform Solution Center」では、サーバ、ストレージ

からERP、BI、情報統合、帳票、セキュリティ、運用管理、RFID

等まで多彩なデモンストレーションをご用意しています。カタ

ログ等では実感できない、見て触れて初めてわかること、確

認できることがあります。疑問点等はその場で専門技術者に

ご質問いただけ、製品への理解をより具体的に深めることが

できます。

関心度の高い各種イベント、セミナーを開催

 「Platform Solution Center」では、富士通およびパートナー

様のプラットフォーム製品の最新情報や最先端テクノロジーは

もとより、お客様のビジネスや業務に役立つITソリューションに

ついて各種イベントやセミナーを開催しています。常に関心度

の高いテーマを取り上げ、現在と将来の課題解決のための情

報発信ステーションとして大変ご好評をいただいています。

 「Platform Solution Center」ならではの体験型サービス

は、お客様の間での認知も広まり利用者数も急増しています。

今後は“いつでもどこでも”をキーワードにサービスの拡充を

一層進めていきます。例えば、デモンストレーションの充実はも

とより遠方のお客様にもいつでも体験いただけるオンラインデ

モンストレーションや、グリッド技術といった最新技術の活用に

よるオンライン検証等、ユビキタス時代に応える新しいサービ

スの提供も視野に入れています。また、国内外のパートナー様

のプラットフォーム製品とのコラボレーションの加速や、お客様

のグローバルビジネスの発展を支援するべく海外展開、国際

連携にも積極的に取り組んでいきます。

■図4 セミナー風景

“いつでもどこでも”をキーワードに サービスの拡充へ

※「TRIOLE(トリオーレ)」とは社会・企業活動に要求される「ビジネスの成長・拡大」「スピー

 ディーな業務構築」「システムの安定運用とTCO削減」を実現する富士通のIT基盤です。

検証/評価を体験したお客様の声

「導入前に運用環境に合わせたシステムをセンターに構築

し、システム検証を実施できた。レスポンスを体感し運用

面でのトラブルもわかり、未然に防ぐことができた」(A情

報サービス会社様)

デモンストレーションを体験したお客様の声

「最新アプリケーションを実際に操作し見せてもらい、その

活用方法、使い方の感触が理解でき、次期システム検討の

参考になった」(B自動車会社様)

Platform Solution Centerの主な設備・施設

設 備

施 設

サーバ320台 (PRIMEPOWER、PRIMERGY、PRIMEQUEST、PRIMEFORCE、 IPCOM、S series)

ストレージ (ETERNUS)40台、各種ネットワーク機器

ミドルウェア (Interstage、Systemwalker)プロダクトパートナー製品等

検証ルーム セミナー・コンサルテーション・デモンストレーションルーム等

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Page 14: Topjax Solution

ビジネスイノベーション

利用者 の身近な所で活躍するユビキタスシステム。いまや

なくてはならない存在であるとともに、さらに適用分野が急

激に拡がっています。例えば、便利なコミュニケーション、強

固なセキュリティの確保、安心安全につながるトレーサビリティ

など、これらを実現するにはユビキタスシステムが必要です。ま

た、ユビキタスシステムを導入することにより、データ発生場所

やデータ発生件数が飛躍的に増えるため、ユビキタスシステム

を支えるプラットフォームの技術も重要になります。

携帯端末 ・無線ネットワークを中心としたユビキタスシス

テムが広まり、さらに適用分野が広いRFIDタグ、銀行の

ATMに採用されている手のひら静脈認証、省電力表示の電

子ペーパー等、多岐の分野にユビキタスシステムが拡がって

きました。

今月 号では買い物を便利で楽しくできるユビキタス技術を、

実証実験を通じて普及させることをねらった経済産業省の「日

本版フューチャーストア・プロジェクト(未来型店舗サービス実

現のための電子タグ実証実験)」の一つである、イオン様にお

ける「総合スーパー版 フューチャーストア」をご紹介します。

スマートカート(買い物カート)とICタグを利用した消費者への

販売促進情報の提供を中心に実験が行われました。

また、三越様における「百貨店版フューチャーストア」は来

月以降ご紹介する予定です。電子タグ適用型リアルタイム在

庫ソリューション、電子ペーパーを利用した電子棚札等、未来

の百貨店を実現する技術になります。

このように注目されているユビキタス技術は、より使いやすく、

よりリーズナブルな価格になり、ユビキタスシステム同士が連

携し、さらに拡がると思われます。そのような流れに富士通は

いままで培ったハード、ソフト、ネットワークの技術をベースに

お客様のニーズにあった商品をご提供してまいります。

時間や場所にとらわれず、「いつでも、どこでも、何でも」ネットワークにつながり、誰もが「安心・安全・便利」なサー

ビスを享受できる「ユビキタス社会」が実現されようとしています。このコーナーではビジネス環境の変化の中で、お

客様がどのようにビジネスを変革されようとしているか、ビジネスイノベーションの視点で事例や最新の動向等を交

えてご紹介していきます。

身近なユビキタス

流通業におけるユビキタス

今後のユビキタス 拡がるユビキタス

■図1 ユビキタス情報社会

ビジネスを変える 新たなる情報社会へ向けて

■図2 拡がるユビキタスの対象

個々の品物(1兆~)

パレット、ケース(1千億~)

家電製品(百億~)

機械装置(十億~)

自動車(億~)

携帯端末(千万~)

コンピュータ

10121011

1010 109 108 107

時間と場所の制約を超え、いつでも、どこでも、 誰とでも、何とでも情報を交換できる社会

IPネットワーク

行政

医療

教育

企業

家庭 交通

街中

何とでも

誰とでも いつでも

どこでも

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Page 15: Topjax Solution

“お客様第一”の理念を支える「イオン21」

■図3 情報端末を装備した「お買物ナビカート」

の具現化が進められています。「singingイオン」とは、お客様

が思わず歌いだしたくなるような楽しいショッピングを表現し

たもので、「昨日より、おもしろい、今日。」をお客様に約束する

ものです。また、安心・安全をベースに、お客様の声を生かした

プライベートブランド「トップバリュ」は日本を代表するプライ

ベートブランドとして支持を集めています。

 「イオン21」や「singingイオン」といった“お客様第一”の取

り組みの一環として、今回の「総合スーパー版フューチャースト

ア」実証実験もあります。今回の背景について縣氏は「商品の

場所がわからない、買物を支援する情報を提供してほしい、商

品の価格を買物途中で確認したい、といったお客様の声が「イ

オン21」をはじめ多数寄せられていました。我々もなんとかご

要望にお応えしたいと様々な検討を行っていたところへ、今回

の「日本版フューチャーストア・プロジェクト」のお話をいただき

ました」と、語られます。

 一方、富士通では大日本印刷(株)とともに、電子タグやワイ

ヤレスLANを活用した情報端末を搭載したショッピングカート

 いまでは暮らしに欠かせない存在となっているショッピング

センター時代の到来をいち早く予見し、ショッピングセンター

を軸としたビジネスモデルの構築に取り組まれてきたのが、日

本を代表する総合小売業大手のイオン(株)様です。同社は、

2001年8月21日、ジャスコ(株)様から社名変更し、現在、国

内外157(2005年2月現在)のグループ企業を有し、活躍の

場をグローバルに広げられています。

 規制緩和やグローバル化、少子・高齢化の進展、消費者ニー

ズの多用化等、変化の時代を勝ち抜くために、イオン(株)様で

は小売業の原点ともいえる“お客様第一”の基本理念のさらな

る徹底を図り、お客様一人ひとりの声に応えていく様々な取り

組みを行われています。

 そうしたイオン(株)様の企業姿勢の象徴が、開かれた経営

を目指す「イオン21キャンペーン」であり、「singingイオン」

という新しいブランド戦略です。「イオン21キャンペーン」とは、

お客様や従業員から「理想のイオン」を実現するためのご要望

やご提案を受け付け経営に活かすという取り組みで、2001年

スタート以来、数多くのご提案が寄せられ、お客様の視点から

お店の改善点をご指摘いただくお客様副店長制をはじめ、そ

未来型スーパーとはどのようなものなのか。その一端を垣間見られる電子タグ実証実験が、

総合小売業大手のイオン(株)様と富士通、大日本印刷(株)の3社により経済産業省の「日

本版フューチャーストア・プロジェクト」の一環として実施されました。本実証実験は、情報端

末を装備した「お買物ナビカート」により、お客様にタイムリーな買物支援情報を提供するこ

とで、ショッピングの楽しさや利便性の向上を図るものです。お客様一人ひとりの思いをかた

ちに。イオン(株)様の理念を実践していく道程に今回の実証実験がありました。

「お買物ナビカート」が拓く 未来のショッピング

総合スーパー版フューチャーストア実証実験 イオン株式会社 様

常務執行役 IT担当

縣 厚伸 氏

情報システム部 店舗システムGマネージャー

定岡 博規 氏

「イオン21」に寄せられた 課題解決の一環として

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Page 16: Topjax Solution

お客様はタイムリーに欲しい情報が得られる

■図4「お買物ナビカート」実証実験の全体イメージ

 「当初、富士通様からご提案いただいたコンテンツのメインは

商品情報でしたが、お客様の購買行動を支援する情報は何かと

いう観点からコンテンツの再検討を進めました。商品がどこに

あるのか、いくらなのか、これは基本的に必要なコンテンツです。

そこで情報端末を操作することで商品の陳列場所をフロア図

に表示する機能や、バーコードスキャナを使ってお客様ご自身

で商品の価格を確認できる機能もプラスしました。またお客様

には主婦層が多いことからレシピ情報を拡充しました。さらに

セルフ売場では伝わりきれないトップバリュの商品の特長につ

いてもサポートしています。イオンのファンを拡大していくため

に、ショッピングの楽しみをいかに盛り込めるかが、これからの大

切な要素になると思っています」と、定岡氏はコンテンツの重

要性に言及されます。

 本実証実験では、特定の位置に「お買物ナビカート」がくると、

お役立ち情報やプロモーション情報等を情報端末に自動送信

する実験も実施しています。今回は電子タグ実証実験の対象

外として赤外線発信機を使用しています。

 今回の実証実験の目的について縣氏は大きく3つの項目を

あげられました。

の開発を進めていました。「今回、当社では「日本版フューチャー

ストア・プロジェクト」のテーマに、ショッピングカートによる情報

提供を選択しました。このテーマは、先にお話ししたお客様の

声に応えるものであり、また、ショッピングセンターという広範

なエリアでの実験が適していること、当社には実験に必要なIT

インフラが導入されていることが、選択の大きな理由です。プ

ロジェクトへの応募にあたり、複数社からご提案をいただきま

したが、富士通様の取り組みが最も進んでいると判断しご協力

をお願いしました」と、縣氏は実証実験に至る経緯を語られます。

 イオン(株)様と富士通、大日本印刷(株)の3社による「お買

物ナビカート」を活用した電子タグ実証実験(プロジェクト名:総

合スーパー版フューチャーストア)は、ジャスコ八千代緑が丘店

の食品売場を対象に、2006年2月6日から3月12日までの期

間で実施。「お買物ナビカート」は、電子タグ読取機やバーコー

ドスキャナ等を接続した情報端末を備えるショッピングカートで、

本実証実験では25台を導入し、電子タグ付商品棚札を約500

アイテムの商品に対し添付しています。富士通は本実証実験に

おいて、電子タグ、電子タグ読取機、情報端末及びソフトウェア

開発と、実証実験システムの構築を行っています。

 お買い物中のお客様は電子タグ付き棚札に電子タグ読取機

をかざすことで、商品の特長や使用方法、商品を使ったレシピ

等を情報端末で見ることができます。そのメリットについて縣

氏は「お客様は電子タグに読取機をかざすことにより、その場

で欲しい商品の詳細情報が得られ、タイムリーに情報を利用で

きる点が大きなメリットになると思います。このことは購買の

拡大を左右する要素にもなります」と、説明されます。

・お客様がどういう情報をより求められているのか

・ITリソースとしてどのようなものが必要なのか

・コンテンツをいかに維持・管理しメンテナンスしていくか

コンテンツが大きなポイントの一つに

お客様の声ではレシピ情報が高い評価

お客様の自発的な商品情報取得の支援

電子タグを使った情報取得

商品カテゴリー情報

場所:ジャスコ八千代緑が丘店食品売場

対象商品:約500アイテム

お買物ナビカート:25台(プラス予備5台)

商品カテゴリーのお役立ち情報 旬の野菜・魚・肉を使ったレシピ提案

商品情報

レシピ情報

お客様の無意識状況下の商品情報

自動受信情報

端末等操作による情報取得

価格チェック

チラシ情報

フロアガイド

新商品情報やカテゴリ情報

※バーコードスキャナ使用

お役立ち情報

どこにあるの? これいくら?

商品の特長は? どう使うの?

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Page 17: Topjax Solution

ビジネスイノベーション

お問い合わせ先

富士通(株) コンサルティング事業本部

TEL 03-6424-6228

事例お問い合わせ先

富士通(株) 小売・サービスビジネス本部

小売・サービス第四営業部 TEL 03-6252-2406

いてITをもっと活用していきたい。例えば、お客様は食品では

なく食事を買いにこられているといった視点から、もう一歩踏

み込んだ提案型の情報提供や、それと連動した商品の販売等

を行っていきたい。そういった観点からも今回の実証実験は意

義があります。電子タグについても将来有用な技術であると認

識しており、今後も多方面から研究を進めていきたい」(縣氏)。

 「今回、食料品・消耗雑貨を取り扱っておられるお取引先様

にはコンテンツの提供等で積極的にご協力いただきました。

当社、富士通様をはじめとするITベンダー様、お取引先様が一

体となって、次のステップへ動き出せればと思います」と、定岡

氏はコラボレーションの重要性を述べられています。

 ところでイオン(株)様が描く未来のスーパーとはどのよう

なものなのか。縣氏は「お客様の思いに一つひとつ応えていく

ことで未来型のスーパーへ進化していくと考えています。今

回の実証実験においては、富士通様に全面的にご協力いただ

き非常に感謝しています。実証実験期間中には富士通様のロ

ボット「enon(エノン)」君に去年の11月に続いて来てもらい

ました。驚きと発見のある店舗へ、「singingイオン」をかたち

にしていく上で、今後は、技術的な課題解決はもとより、新しい

ビジネスモデルを一緒に創造していくといった視点からもご協

力いただければと思います」と、力強く語られます。

 富士通では、今回の実証実験の結果等を踏まえ、今後も、イ

オン(株)様の理念実践のためのお手伝いをさせていただくと

ともに、小売業界の「フューチャーストア」構築に向けて様々に

支援していきます。

 「まだ実証実験の期間中ですが、お客様の声としては、「レシ

ピを見て今晩の料理に役立てました」といったレシピ情報への

評価は非常に高いです。また商品の位置情報、価格の確認も

よく使われています」と、縣氏はお客様の声を紹介されます。

 操作面に関するお客様の反応にも再認識する点がありました。

「ご利用いただいたお客様の中には、50代、60代、なかには

70代の方もいらっしゃいましたが、電子タグの読み取りやタッ

チパネルの操作等「お買物ナビカート」を違和感なく利用され

ているということには安心もし、驚きもしました。お客様の方

が暮らしの様々なシーンでITを上手に活用されていて、むしろ

私たち企業の方が遅れていると感じました」と、定岡氏は率直

に述べられます。縣氏も「急速に進歩するお客様サイドのITイ

ンフラに対し、どうキャッチアップしていくかはここ数年、当社の

ITに関する大きなテーマとなっています」と、付け加えられます。

 今回の実証実験で課題も見えてきました。「技術的な課題

もさることながら、運用面でも、例えば今回の食品売場だけで

も約2万アイテムもあり、コンテンツや機器、棚札をどう管理、

メンテナンスしていくかは大きな課題です。また「お買物ナビ

カート」で精算処理まで行えるようにセルフレジとの連携や、

情報提供といった面では携帯電話の活用も検討する必要があ

るでしょう」と、定岡氏は指摘されます。しかしその一方で「3

社で打ち合わせをしていてもアイデアがどんどんふくらんでい

きます。その無限の可能性もまた実感しました」(定岡氏)。

 今後の展開について、縣氏は「どういう情報を、どのような手

段、方法、頻度でお客様に提供していくべきなのかを整理した

上で次に進むことになります」と、語られます。さらに「業務改

革や安心・安全面はもとより、これからはお客様との接点にお

イオン株式会社

設  立 1926年(大正15年)9月

資 本 金 1,017億98百万円

店 舗 数 379店舗

従業員数 69,816人

本  社 〒261-8515 千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1

事業内容 総合小売業

U R L http://www.aeon.info/

(2005年2月20日現在)

お客様との接点におけるITの活用

■図5 売場展開イメージ

②カテゴリ棚札コンテンツ

旬の野菜を使った レシピ提案

③商品棚札コンテンツ

単品ブランドの訴求

スープカレー ってなに?

①自動受信コンテンツ

新商品情報や カテゴリ情報でプッシュ

プッシュ型コンテンツ①自動受信コンテンツ プル型コンテンツ  ②カテゴリ棚札コンテンツ          ③商品棚札コンテンツ

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Page 18: Topjax Solution

ユビキタス社会を実現するIT機器は、これまでモバイル端末が主流でした。富士通研究所では、現場に設置される

環境埋め込み機器が今後重要性を増し、さらに、環境埋め込み機器とモバイル端末との相互作用が、世の中に変

化をもたらすと想定しています。ここでは、大画面による「気づき」、「インタラクション」、非接触ICカード使用

の「パーソナライズサービス」の特徴を持つ環境埋め込みシステム「UBWALL」をご紹介します。

開発の背景

「UBWALL」のコンセプトと基本構成

 「いつでも」「どこでも」「だれでも」ITを享受することがで

きるユビキタスの世界が広がりつつあります。これまで、ユビ

キタス社会を実現するためのIT機器は、携帯電話、PDA等の

モバイル端末が主流でした。富士通研究所では、現場に設置さ

れる環境埋め込み機器が今後重要性を増し、それらの機器が

普及するとともに、そうした機器とモバイル端末との相互作用

が、世の中に変化をもたらすと想定しています。

 近頃、空港や駅等での案内情報提供用、店頭でのプロモー

ション用、街頭での看板・広告用等に、大画面ディスプレイが使

用されています。しかし、これらは広告主からの一方通行な情

報の流れでの使用に限定されているのが現状です。

 一方、国内では消費者が所有するクレジットカード、お得意様

カード、定期券等のカードのICカード化は目覚ましく、最近では、

非接触型ICカード普及を目指した各社の活発な動きがありま

す。例えば、交通系では、定期券と電子マネー機能をあわせ持

つSuica、ICOCA、ICい~カード等がすでに普及し、2007年

には、首都圏の電車・バスに乗車できるPASMOも導入される

予定になっています。また、電子マネーのEdyや、電子マネー

とクレジットカード機能をあわせ持つQUICPayも、店舗での決

済に利用されています。

 これらの状況を踏まえて開発したのが、大画面によるインタ

ラクションで双方向情報サービスを提供する環境埋め込み機

器「UBWALL」です。

 「UBWALL」は、空港、駅、店舗、街頭等の消費者に密着した

現場で双方向サービスを行うことで、消費者の利便性の向上

及びそこで事業を展開されている企業の事業バリューの向上

を目指して開発しました。そのねらいを実現するために、

「UBWALL」は、今後の現場サービスで重要になる「気づき」、

「インタラクション」、「パーソナライズサービス」という3つの特

徴を備えています。これらの特徴を、大画面のタッチパネル付

PDP、モーションセンサー、複数の非接触型ICカードリーダ/

RFIDタグリーダ(以下、リーダ)、およびPCからなるハードウェ

アで実現しています(図1)。

 空港、駅、店舗、街頭等の現場においては、その場にいる人に

対して、情報提供のきっかけとなる「気づき」を与えることが重

要です。そのために、大画面で動画表示も可能なディスプレイ

としてPDP(試作機は63インチ)を用いました。さらに、遠く

からの視認性を考慮し、画面を90度回転し、縦型の形状に配

置しました。このディスプレイにより、一目で内容が理解でき、

その場にフィットしたコンテンツを動画や画面遷移も使用して

表示し、そこにいる人により効果的な「気づき」を与えることが

可能です。

 「気づき」によって表示された内容に興味を持った人は、さら

に情報を得ようと「UBWALL」に近づいてきます。ある程度

近づいたときに、モーションセンサーがそれを検知します。こ

の検知により、大画面に表示しているコンテンツが、気づき用

からインタラクション用に変更され、タッチパネルなどによる操

作が可能になります。近づいた人は、この時点で「UBWALL」

のユーザーとなります。ユーザーがその場を離れると、大画面

の表示は、もとの気づき用コンテンツに戻ります。

大画面インタラクションシステム 「UBWALL」

ユ ビ ウ ォ ー ル

■図1「UBWALL」の構成と概観

気づき

インタラクション

パーソナライズ サービス

2.5m

PC内蔵

複数の非接触型 ICカードリーダ

PDP タッチパネル

モーションセンサー

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Page 19: Topjax Solution

お問い合わせ先

(株)富士通研究所 ビジネスインキュベーション研究所

E-mail [email protected]

(株)富士通ゼネラル システム事業部 販売推進部

TEL 03-5733-8940

E-mail [email protected]

 「インタラクション」までは、その現場の誰でもが受けられる

サービスですが、「パーソナライズサービス」は会員やお得意

様向けのサービスです。サービスの内容としては、広告の内容

をその人の興味のありそうな内容に絞る、割引クーポンを提供

する、予約サービスを提供する等があります。ユーザーは、会員

カードや会員証が入った携帯電話を「UBWALL」のリーダにか

ざすだけで、これらのサービスを受けることができます。

 なお、ここで使用する会員カードや携帯電話は、本人を特定

する情報の入った非接触型ICカードやそれが搭載された携帯

電話などである必要があります。

 「UBWALL」は、様々な現場での適用が考えられています。

大別すると、空港、駅、店舗等での現場広告も兼ねた情報提供シ

ステムと、大学、病院や企業内等に閉じた情報提供システムです。

 現場広告も兼ねたシステムに関して、図2に示した旬の食材

を用いたレストラン案内を例にご説明します。「UBWALL」の

近くに人がいないときは、最左図に示すように画面中央に毛ガ

ニ、タラ、ホタテ等の旬の食材を数秒ごとに変更して表示します。

この広告に興味を抱いた人が「UBWALL」に近づくと、画面

下部に操作パネルが表示され、ユーザーがタッチパネルで旬の

食材を選択することが可能になります。中央左の図では、毛ガ

ニのサムネールがタッチされ毛ガニの詳細が画面中央に表示

されています。この中央下部に、毛ガニを食べることができる3

店舗名がタグ表示されており、中央右の図では、その一店舗

である「瓢たん」のタグがタッチされ画面中央に店舗の案内が

表示されています。さらに、画面下部の「クーポン」の下のリー

ダに非接触ICが内蔵された会員カード等をユーザーがかざす

と、この店舗の割引クーポンを得ることができます。また、会員

カードを画面下部の「おすすめ」の下のリーダにかざすことによ

り、その人の嗜好に沿った旬の食材を絞り込んで表示すること

も可能です。さらに、「UBWALL」をネットワークに接続するこ

とで、店舗の空状況などリアルタイムの情報の表示や、昼は昼

用、夜は夜用などの時間に応じたコンテンツの変更も容易です。

 「UBWALL」を空港に設置する場合は、ユーザーの搭乗情

報を使って、時間的余裕がある場合はレストランの広告を表示

し、あまり余裕がない場合はお土産店の広告のみを表示するこ

とが可能です。

 また、大学用には学生への掲示板や図書館案内として、病院

用には待合室の案内表示やナースセンターの情報共有ボード

としての利用等が考えられます。

 「UBWALL」は、すでに10以上の展示会等でデモ展示を行い、

多くの方から有効なサービスであるとの評価を受けています。

従来の現場の広告と異なる効果として、現場広告が定量化でき

ることがあげられます。タッチパネルに触れた回数の分析だけ

でも、ある程度の定量化が可能ですが、IDが入ったカード等によ

る「パーソナライズサービス」が使われると、使用した各個人に

対する広告効果がより厳密に定量化できます。さらに、「パーソ

ナライズサービス」のログが収集分析されると、お勧め表示

するコンテンツのパーソナライズの精度が向上します。これに

より、広告効果もより一層向上します。また、「パーソナライズ

サービス」はカード等を所有している人のみへのサービスとな

るので、カードによるお客様の購買意欲向上の効果も期待で

きます。しかし、現場でのインタラクティブな広告等が実際にど

の程度の効果があるかは、実際の現場での実証実験を行う必

要があり、2006年度に実証実験を行う予定です。

 なお、「UBWALL」は、2006年度上期に富士通ゼネラルか

ら、製品として提供される予定です。

適用場面

効果

■図2 「UBWALL」活用展開例

ICカード

EGD0472[1-20] 06.3.22 7:30 PM ページ19

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富士通グループはチーム・マイナス6%に参加しています。

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やすい誌面づくりを目指し本号よりリニューア

ルいたしました。これからも一層充実した情

報をご提供してまいりますので、変わらぬご愛

読のほど、よろしくお願いいたします。

2006年4月発行

環 境

富士通ジャーナルが リニューアルしました!

富士通グループは、製造事業者としての拡大生産者責任(EPR)を果たし、資源循環型社会づくりに貢献すべく、

国内外でリサイクルの仕組みの構築、そして円滑な運用を通して、

法人ならびに個人のお客様における使用済みIT製品の回収・再資源化に積極的に取り組んでいます。

製品リサイクルへの取り組み

国内における製品回収・リサイクルの仕組み

事業系IT製品リサイクルサービス

お問い合わせ先 富士通(株) 環境本部 SD企画統括部 TEL 044-754-3413 URL http://jp.fujitsu.com/about/eco/

 事業系の使用済みIT製品は、「富士通リサイクルセンター」にてリサ

イクル処理を行います。リユース/リサイクルできない部分については、

法令に則り適正に廃棄処理まで実施。作業結果を「完了報告書」とし

てまとめ、ご提示します。本サービスは「産業廃棄物広域再生利用者

指定制度(広域指定制度)」の指定を受けた富士通が、運搬/廃棄処

理などの契約手続きを一括して対応。マニュフェスト伝票をお客様が

管理する必要もありません。くわしくは、下記HPをご参照ください。

http://segroup.fujitsu.com/fs/services/recycle/

 富士通では、全国をカバーするリサイクルセンターと物流ネット

ワークを活用して、法人のお客様における使用済みIT製品を回収

し、再資源化。また、個人のお客様の使用済みPCは、日本郵政公社

と連携した業界共通の回収システムを利用して回収・再資源化して

います。

 こうして回収された事業系の使用済みIT製品の資源再利用率は、廃

プラスチックの分別強化と資源再利用先の開拓などにより向上してい

ます。富士通グループでは、2006年度末までに資源再利用率を

90%に向上することを目標に掲げ、取り組みを推進しています。

富士通は、国内外においてリサイクルの仕組みの 構築、そして円滑な運用を通して 資源循環型社会づくりに貢献しています。

5月18日(木)・19日(金)10:00~18:00 東京国際フォーラム

入場無料

http://forum.fujitsu.com/tokyo/イベント情報、事前申込みはこちらから

■図1 回収量と資源再利用率の推移

2001年度

85.1

2002年度 2003年度 2004年度

84.1 86.688.388.315,000

(トン) (%)

10,000

5,000

0

100

75

50

25

0

回収量 資源再利用率

10,996 12,380 12,17214,070

■図2 サービス実施体制図

お客様先 リサイクルセンター

お客様先

リサイクル

廃棄処理 リユース

全国7ヵ所

搬出/輸送 お客様先

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