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この資料はIIJmio meeting #4で発表されたものです。詳細は下記blogをご覧下さい。 http://techlog.iij.ad.jp/archives/1160
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IIJmio meeting#4
MVNOと事業法を巡る最新動向
株式会社インターネットイニシアティブ
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今年のスマートフォン業界のニュースの傾向
• 「スマホ割安利用促進、総務省方針、回線賃借料を半額に」
– 2014/1/25 日経新聞
• 「総務省ヒアリングでドコモ、KDDI、ソフトバンクが舌戦」
– 2014/4/15 日経BP
• 「スマホ契約にクーリングオフ、総務省、来年度にも導入方針」
– 2014/4/19 産経ニュース
• 「スマホ消えた現金還元、総務省、携帯3社にやんわり指導」
– 2014/5/13 日経新聞
• 「SIMロック解除義務化を決定、寡占状態解消を狙う、料金引き下げに期待」
– 2014/7/15 ITmedia
• 総務省多いですよね?
• なぜこんなに今年は総務省が頑張っているのか?何を頑張っているのか?
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光の道構想
• 平成22年12月、総務省が「『光の道』構想に関する基本方針」をまとめる
• 平成23年6月、基本方針で示された電気通信事業法およびNTT法の改正が行われる
• 条文抜粋
– 第2条 今回、合同部会の最終とりまとめに盛り込まれた措置については(中略)制度整備の実施後3年を目途に、その有効性、適正性について、包括的検証を行う• 『「光の道」構想に関する基本方針』より
– 第5条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする– 『電気通信事業法および日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(平23法律第58号)附則』より
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日本再興戦略と電気通信事業法
• 平成25年、政府より「日本再興戦略」が発表
• 抜粋
– NGN(Next Generation Network)のオープン化やモバイル市場の競争促進を含めた情報通信分野における競争政策についての検証プロセスを本年夏から開始し、今年度中に検討課題を洗い出す。この結果を踏まえ、電気通信事業法等の具体的な制度見直し等の方向性について、来年中に結論を得る。
• 『日本産業再興プラン~ 4. 世界最高水準のIT社会の実現料金低廉化・サービス多様化のための競争政策の見直し』より
5
今年は電気通信事業法の見直しの年
• 今年は電気通信事業法の見直しの年
– 固定網(光ファイバー、CATV、ADSL等)、移動体(MNO、MVNO等)を問わず、電気通信事業法を包括的に検証
• 2020-ICT基盤政策特別部会
– 情報通信審議会の中に設置された部会
– 情報通信審議会とは
• 総務省に置かれた審議会で、電気通信事業だけでなく、放送や郵便といった様々な課題について審議する有識者会議
• 2014/1/28に、総務大臣から、「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」について諮問を受ける
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電気通信事業法の見直し体制
総務省
電気通信事業部
事業政策課
料金サービス課
消費者行政課
…
電波部
総合通信基盤局
情報通信審議会
基本政策委員会
ICTサービス安心・安全研究会
消費者保護ルールWG
事業者団体
電気通信事業者協会(TCA)
日本インターネットプロバイダ協会(JAIPA)
日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)
テレコムサービス協会(テレサ協)
MVNO委員会
2020-ICT基盤政策特別部会
主要事業者
NTT
NTTドコモ
KDDI
ソフトバンク
ティーガイア
GREE
デジタルアーツ
…
7
電気通信事業法見直しの全体像
出典:情報通信審議会 2020-ICT特別部会基本政策委員会(第7回)配付資料「検討の全体像について」より抜粋
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包括検証と電気通信事業法改正スケジュール
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
MVNO
委員会
各事業者
2020-
ICT特別部会(基本政策委員会)
ICT
サービス安心・安全研究会
☆情報通信審議会への諮問
☆ 2020-ICT特別部会設置
☆ 3/6 政策提言を発表
事業者ヒアリング
☆基本政策委員会☆消費者保護ルールWG
☆青少年IS事業者ヒアリング
☆ICTサービス安心・安全研究会設置
アドホック会合
青少年インターネットセッション
消費者保護ルールWG
基本政策委員会
政策提言の実現に向けた活動
中間とりまとめ☆
報告書まとめ☆
答申☆ 法案化 国会
☆中間とりまとめ
☆報告書まとめ
NTT、光サービス卸方針発表☆
☆ドコモ新料金プラン発表
☆ソフトバンク新料金プラン発表
☆KDDI新料金プラン発表
☆KDDIら65社、総務省への要望書
☆KDDI、および222事業者連名の総務省への要望書
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MVNO委員会
• MVNOとして意見集約、議論を行うため、一般社団法人テレコムサービス協会内に、MVNOの業界団体「MVNO委員会」を設立
– 平成25年11月
– 現在の構成メンバーは26事業者・企業・団体
• 主なMVNO委員会参加メンバー(順不同)
– ニフティ、ビッグローブ、日本通信、ソネット、ケイ・オプティコム、近鉄ケーブルテレビ、富士通、IIJ
• MVNO委員会とIIJ
– IIJはMVNO委員会の主要メンバーのうちの一社として活動
• 副委員長ポスト
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MVNO委員会のこれまでの活動
• 「MVNOの事業環境の整備に関する政策提言」発表
– MVNO間の議論により、MVNOの事業環境整備のために必要かつ具体的な指摘を行った
– 政策提言の3つの視点
• 「公平性および透明性の確保」
• 「利用者本位」
• 「多様かつ高度な通信サービス」– http://www.telesa.or.jp/committee/mvno_new/pdf/20140305_MVNO20_forum_3.pdf
• MVNO2.0フォーラム
– ジャーナリスト・アナリストによる基調講演、 MVNOとMNOによるパネルディスカッション、MVNOのキャラクター投票など
– http://www.ustream.tv/channel/mvno20140306
MVNOキャラクター「しむし」MVNO委員会 CC BY-ND
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MVNO委員会の今後の活動
• 政策提言の各事項を実現するための活動
– 電気通信事業法その他の法律・規制の改正に向けた意見発信
– 提言の実現に向けたMNOとの話し合い
• 消費者問題への対応
– 消費者保護ルール強化に向けた業界側の対応
• クーリングオフや裁判外紛争解決機関(ADR)などに関する協議・検討
• 青少年保護ルール(フィルタリング)
• 契約時の本人確認強化
• MVNOの普及に向けた活動
– MVNOフォーラム等のイベント実施
– SAQ2 JAPAN Projectへの参加
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電気通信事業法改正とMVNO(1)
• SIMロック解除の義務化
– 既に多くのキャリア端末が市場に出回っており、SIMロック解除によりMVNOの普及に大きく寄与
– 端末のサポートが懸念
• 特に、KDDIの端末は3G側がドコモ・ソフトバンクと異なっており、MVNOのSIMに差し替えることで音声通話ができない、SMSが受信できないなどのクレームが考えられる
• (上の問題を含め)SIMロック解除を行うことのリスクの説明が足りない場合、周波数対応の違いにより利用者のQoEが低下→MVNOへの不信感
• 場合によっては技適問題が発生する可能性も
– 丁寧な利用者へのサポート、動作確認の充実など、MVNOに求められる課題は大きい
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電気通信事業法改正とMVNO(2)
• クーリングオフの導入
– クーリングオフにより、利用者がMVNOのサービスをこれまで以上に気軽に試せるようになり、利用者の増加に寄与するのでは?
– 反面、キャリアメールを提供できないなど、サービスのレベルにおいてMNOと差のあるMVNOにとっては、クーリングオフがマイナスに働く恐れもある
– 事業者としての努力がより問われるようになる中、クーリングオフの導入を前向きに捉え、新たなビジネスチャンスとしていきたい
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電気通信事業法改正とMVNO(3)
• 本人性確認と青少年保護
– 本人性確認の強化、有害情報フィルタリングのデフォルトONなど、現在「ICTサービス安心・安全研究会」で議論されているいくつかの事項は、MVNOの契約や利用をしづらいものにする可能性がある
– ただし、電気通信事業者として果たすべき社会的責任の向上は、MVNO
の発展のために避けて通れない
– IIJは今後も社会的責任を全うしていくが、その中で利用者の皆様にご不便をおかけする場合が考え得る
• 詳細については今後の議論となるが、IIJとしても積極的な議論への参加を行っていきたい
(参考)「MVNOの事業環境整備に関する政策提言」概要
改善策
•多様なサービスを提供しているMVNOに対する期待が高まる中、健全な競争環境の整備が求められる。
•公平性及び透明性の確保(MVNOに対して競争条件の公平性が確保されているか)、利用者本位のモバイルサービス提供(利用者の利便性が確保されているか)、MVNOによる多様かつ高度な通信サービスの実現、の3点が重要。
MVNO委員会 「MVNOの事業環境の整備に関する政策提言」
•MVNOは、多様なサービスを低廉な料金で提供しており、利用者数は1200万超に達している。
•MVNOのサービス内容は、MNOのデータ通信・音声通話・携帯端末を一体的に提供する、フルスペック・パッケージ型のサービスとは一線を画しており、多様な利用者のニーズに対応。
•ただし、MVNO利用者数のうち51%を「MNOであるMVNO」が占めており、これは同一グループ内のMNOのネットワーク共用に相当。したがって、独自のサービスを提供しているMVNOは未だに限定的。
① モバイルデータ接続料の算定基礎の見直し
② MNOの回線利用開始処理のオンライン化・SIMの機能開放
① 二種指定設備制度の見直し
② 卸電気通信役務に関する提言
③ 通信サービス・端末の分離および選択の自由化
④ MVNOによる提供サービスの高度化に向けた取り組み
⑤ 移動体通信市場の健全な発展に向けた、MNOによる
販売奨励金慣行の適正化
⑥ MNOのネットワーク性能、品質のMVNOへの円滑な開示
⑦ 電気通信番号のMVNOへの割当
現状
課題
速やかな対応が求められる政策課題
包括検証に向けた政策課題(中期的課題)
MVNO委員会 「MVNOの事業環境の整備に関する政策提言」
包括検証に向けた政策課題 提言骨子
① 二種指定設備制度の見直し• MVNOによる競争促進など移動体通信市場の環境変化に対応する制度見直しの必要性
• 二種指定設備制度の在り方についての再検討
② 卸電気通信役務に関する提言• MNOの提供するサービスのうち、卸役務によるMVNOへの提供がなされていないものが多数存在
• MNOから同一企業グループ内の「MNOでもあるMVNO」への提供条件が不透明
• MVNOが卸役務を利用しやすくなる仕組み作り• グループ内外の卸条件の透明性確保
③ 通信サービス・端末の分離および選択の自由化•自己の端末の他事業者での利用が制限されることは、利用者の利便性を著しく阻害
• SIMロック解除ガイドラインの適切な運用・見直し
④ MVNOによる提供サービスの高度化に向けた取り組み• 「レイヤ2接続機能」を提供していないMNOの存在•今後のMVNOのサービスの多様化、高度化に向けたアンバンドルの拡充
• MNOによるアンバンドルへの積極的取り組み• 二種指定ガイドラインの見直し
⑤ 移動体通信市場の健全な発展に向けた、MNOによる販売奨励金慣行の適正化• 高額な販売奨励金による利用者料金の高止まりの懸念• 行き過ぎた販売奨励金によるMVNOの市場参入と市場全体の発展の阻害
• MNOによる販売奨励金慣行の適正化
⑥ MNOのネットワーク性能、品質のMVNOへの円滑な開示• MNOのネットワーク性能および品質等に関するMVNOへの情報提供が十分ではない• MVNOの利用者サポートの質の低下
• MVNOへの円滑な情報開示スキーム構築
⑦ 電気通信番号のMVNOへの割当• MVNOは電気通信番号(MSISDN)の割当を受けられず、接続による音声通信サービスの提供など高度なサービスの実現が不可能
• MVNOへのMSISDNの割当を可能とする制度検討
速やかな対応が求められる政策課題 提言骨子
① モバイルデータ接続料の算定基礎の見直し• 接続料の低減が年平均29%にも及ぶ中、MVNOは1年前の原価で事業運営• 当年度の低い原価で事業運営が可能なMNOと比較しMVNOは競争上不利な状況
• モバイルデータ接続料算定の基礎となる実績値の測定年度の相違の是正
② MNOの回線利用開始処理のインターフェース開放・SIMの機能開放• MNOとMVNOのシステムの接続ができないためサービスオーダー(SIMを利用可能するための処理等を指す)に多大なコストが発生
• MNOによっては、SIMの機能の一部をMVNOに提供しておらず、MNOが利用者に提供する一部サービスをMVNOは利用者に提供できない
• MNOによるインターフェースの開放とMNOとMVNOのシステム連携の促進
• MVNOが要望するSIMの機能の開放