Click here to load reader
View
25.678
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
1
株式会社インターネットイニシアティブ
大内 宗徳
IIJmio mtg #6
IIJmioの通信品質について
2
はじめに
• IIJmio meeting #3でも通信品質の話をしました • てくろぐ: スマホの通話サービス・IIJmioのこだわり・スピードテスト http://techlog.iij.ad.jp/archives/1059 • この時は、クーポンOFF時のバースト通信について
• 多くのユーザはクーポンON状態なので実はあまり関係ない…
• 今回は、IIJmioサービスの通信品質全般に関する話 • そもそも、通信品質とは? • IIJの通信品質を維持するための取り組み
• モバイルインフラの話 • 皆さん大好き、通信品質測定の話も!
• MNOとMVNOの品質の差がわかるはず!
3
そもそも通信品質とは?
• (通信品質がよい) = (speedtestでいい結果) なのか? => 必ずしもそうではない!
• 「通信サービスの品質」はおおまかに2通りに分類 1. 可用性
• サービスが利用可能な状態にあるか? • 障害発生時に迅速に復旧が可能か?
2. 通信品質 • インターネット接続状態での通信品質
• 通信速度/遅延/パケットロス => speedtest等でわかるもの
• 安定した通信品質が提供できているか
• 通信サービスの品質を維持するための取り組みを紹介
4
1. 可用性を維持するための取り組み
5
1-1 サービスが利用可能な状態を維持するため • MNOとの相互接続の冗長化 • インターネットへ接続の冗長化 • モバイル設備の冗長化
1-2 障害発生時に迅速に復旧するため
• 設備監視による障害および異常状態の早期検出 • IIJのネットワークインフラを支えるエンジニアが対応
1-3 その他可用性を維持するため
• 設備が安定動作するか事前確認 • 障害発生時の調査、再現試験、障害回避対応
1. 可用性を維持するための取り組み
6
MNOとの相互接続の冗長化
• MNOのネットワークと相互接続を冗長化しています • MNO<->IIJ間の専用線の片方で障害が発生大丈夫!
MNO (NTTドコモ)
IIJ インターネット ・ ・
7
MNOとの相互接続の冗長化
• MNOのネットワークと相互接続を冗長化しています • MNO<->IIJ間の専用線の片方で障害が発生大丈夫!
MNO (NTTドコモ)
IIJ インターネット ・ ・
8
インターネット接続の冗長化
MNO (NTTドコモ)
IIJ インターネット ・ ・
• 国内/海外へ張り巡らされた冗長化されたバックボーンネットワーク
• 主要なISP/コンテンツプロバイダーと広帯域で相互接続を行い冗長化
9
インターネット接続の冗長化
MNO (NTTドコモ)
IIJ インターネット ・ ・
• 国内/海外へ張り巡らされた冗長化されたバックボーンネットワーク
• 主要なISP/コンテンツプロバイダーと広帯域で相互接続を行い冗長化
10
インターネット接続の冗長化
• IIJ バックボーンネットワーク http://www.iij.ad.jp/company/network/backbone/
• IIJ 100G バックボーン http://www.iij.ad.jp/company/development/tech/techweek/pdf/141127_2.pdf
11
モバイル設備の冗長化
• モバイル設備を複数台で冗長化して、ユーザが接続できる環境を維持
インターネット ・ ・
PGW GGSN
認証サーバ
PCRF
OCS
・ ・
MNO
・・
・・
・・
12
モバイル設備の冗長化
• モバイル設備を複数台で冗長化して、ユーザが接続できる環境を維持
インターネット ・ ・
PGW GGSN
認証サーバ
PCRF
OCS
・ ・
MNO
・・
・・
・・
13
1-1 サービスが利用可能な状態を維持するため • MNOとの相互接続の冗長化 • インターネットへ接続の冗長化 • モバイル設備の冗長化
1-2 障害発生時に迅速に復旧するため
• 設備監視による障害および異常状態の早期検出 • IIJのネットワークインフラを支えるエンジニアが対応
1-3その他可用性を維持するため
• 設備が安定動作するか事前確認 • 障害発生時の調査、再現試験、障害回避対応
1. 可用性を維持するための取り組み
14
設備監視による障害および異常状態の早期検出
インターネット ・ ・
PGW GGSN
認証サーバ
PCRF
OCS
・ ・
MNO
・・
・・
・・
• 各機器に対する稼働確認や各種ログ監視を実施 • 早期に障害の発生を検出! • MNO側での問題など、IIJ側の監視では分からない、ユーザの生の声を拾うため、twitter/2chも参考に
15
IIJのネットワークインフラを支えるエンジニアが対応
• 異常検出時の障害対応 • IIJのモバイル設備の開発/設計/構築/テスト/運用を担当するエンジニアチームが直接対応
• 障害箇所の特定とサービス復旧を迅速に実施!
異常検出 復旧
エンジニアチームが対応
ハード故障の場合は 機器交換
16
1-1 サービスが利用可能な状態を維持するため • MNOとの相互接続の冗長化 • インターネットへ接続の冗長化 • モバイル設備の冗長化
1-2 障害発生時に迅速に復旧するため
• 設備監視による障害および異常状態の早期検出 • IIJのネットワークインフラを支えるエンジニアが対応
1-3 その他可用性を維持するため
• 設備が安定動作するか事前確認 • 障害発生時の調査、再現試験、障害回避対応
1. 可用性を維持するための取り組み
17
設備が安定動作するか事前確認
• 可用性を上げるためには事前確認は必須 • 新規設備の導入、新規サービス導入時の機器のfirmwareの更新が必要な場合等で
• IIJのエンジニアチーム自身で動作に問題がないかを確認 • 問題があれば、回避策やfirmwareの改修を検討
(例) PGW/GGSNのテストは、MNO(ユーザ)やインターネットをシミュレートするテスターを利用して実施
PGW/GGSN
MNO インターネット
IIJエンジニアチームがテスト
シミュレーター シミュレーター
18
障害発生時の調査、再現試験、障害回避対応
• 次の障害を防いだり、障害発生を早期に検出、断時間を極力短くし、可用性をあげるために重要 • IIJでは起きたことを分析して、必ず次へ生かしています!
• サービス復旧させた後に下記を実施 • 障害時の状況について調査
• 機器が生成するログ等を頼りに自社で実施
• 必要に応じて、テスト環境で再現試験の実施 • 設備側の問題なのか切り分けのため、自社で実施
• 原因判明したら対応を検討 • 設備firmwareの改修対応 • 運用、監視方法の変更 • 問題が発生しないように設備側の設定変更
19
2. 通信品質を維持するための取り組み
20
2-1 快適な通信品質維持するために
• モバイルに特化したネットワーク設計
• 適切な相互接続帯域の確保 • モバイル設備増強の計画立案、実施
2-2 安定した通信品質が提供できているかの確認
• 通信品質測定システムによる監視 • 通信品質測定システム実装 • 通信品質測定システムによる結果
2. 通信品質を維持するための取り組み
21
モバイルに特化したネットワーク設計
MNO (NTTドコモ)
IIJ インターネット ・ ・
相互接続
• MVNOサービスのキモは、適切な相互接続帯域にいかに多数のユーザを収容できるかが重要 • NTTドコモの場合: 10Mbps–約123万円/月(2015/01/13現在) • ベストエフォートで多数のユーザを詰め込むと?
-> 安かろう、悪かろうなサービスに! • 通信品質を維持するためには、適切なサービスプランとネットワーク設計が重要
22
モバイルに特化したネットワーク設計
• IIJでは下記の点を考慮してサービス設計 • クーポン制。制限なし通信の上限を設ける • クーポンOFF時はバースト通信の許容
(参考) IIJmio meeting for IIJ Technical WEEK 2014 http://www.iij.ad.jp/company/development/tech/techweek/pdf/141127_3.pdf
• 相互接続での輻輳時のユーザ通信の最適化 • 適切な相互接続帯域の確保
-> この内容に関して更に詳細に解説
23
適切な相互接続帯域の確保
• 社内のワーキンググループで検討 • 毎週、必要となる帯域予測と増速計画立案、実施を検討
• 帯域の増速は必要なタイミングで随時実施 • 2014年は毎月1回以上、接続帯域の増速を実施した • 帯域増速の頻度だけでなく、適切な帯域も確保することが重要
• IIJで必要な帯域確保は下記の点を考慮 • 短期的に必要な帯域予測
=> (平均ユーザトラフィック) x (獲得予定ユーザ数) • 昼、夜のピークトラフィックをどこまで救済するか • 会社としての設備投資への予算計画 • その他(新規サービス、サービススペック上げるとか)
24
適切な相互接続帯域の確保
25
モバイル設備増強の計画立案、実施
インターネット ・ ・
PGW GGSN
認証サーバ
PCRF
OCS
・ ・
MNO
・・
・・
・・
• 可用性や通信品質の低下を防ぐ • 設備の処理能力を超えてユーザを収容するとサービスが不安定になり問題が発生するため
• IIJのモバイルエンジニアチームが検討 • ユーザ増加での既存設備の処理能力の不足時期を予測 • 事業計画/ユーザ数の伸び/設備の処理能力を考慮
• 設備増強の対応 • 短期的な増強 -> 同等の設備追加 • 中長期的な観点での増強
• 数年間は耐えられる処理能力が高いものに置き換え
• 早めの検討が重要 • 設備の選定、調達、試験等を考えると最低でも1年ぐらい前に決めないと間に合わない
26
2-1 快適な通信品質維持するために
• モバイルに特化したネットワーク設計
• 必要となる帯域予測と増速計画立案、実施
• モバイル設備増強の計画立案、実施
2-2 安定した通信品質が提供できているかの確認
• 通信品質測定システムによる監視 • 通信品質測定システム実装 • 通信品質測定システムによる結果
2. 通信品質を維持するための取り組み
27
通信品質測定システムによる監視
MNO (NTTドコモ)
IIJ インターネット ・ ・
• 設計通りの安定した品質が提供できているか確認 • IIJネットワーク内の監視サーバとPC(3G/LTE モデム)間で、通信品質を常時測定
28
通信品質測定システム実装
•Smokeping + 測定用の独自開発プローブを利用
• Smokeping とは? • 監視対象からの’’応答時間’’を測定
• Smokepingサーバ側がターゲットに向かってパケット投げる
• Probe(モジュール)によって監視項目を変更可能(ping/ftp/http…)
•測定用の独自開発プローブ • HTTPでデータのdownload速度を計測(Mbps単位)
• 特徴
• NAT超えに対応
• 回線速度が動的に変化する環境に対応
• 測定帯域の上限を設定する機能あり
• 利用端末
• PC+USBモデム(いろいろ)
29
通信品質測定システム実装
• 測定項目
• HTTPデータdownloadによる速度を測定
• 10分毎に 1.5Mbps を上限に3回の帯域測定 • 対象によっては、30分、1時間毎の場合も
• 注意
• Speedtest等のような最大速度の計測はしてません
• 安定した通信品質が提供できているか確認するのが目的のため
30
通信品質測定システムによる結果
結果を見て頂く前の注意事項! • 本システムを利用しての測定時点での結果です
• 端末、測定手法(アプリ)、時間、場所、環境によって通信品質の測定結果は変動します
• あくまで参考までに!
最終的には、実際に各自利用してみて、自分の目で確認して下さい • 大内のだしている結果は自社に有利な結果のみだしているのだと、疑いの目で見るぐらいの慎重さで資料をみてください
31
通信品質測定システムによる結果
• 測定期間
– 2015/01/06 00:00 -> 2015/01/09 00:00 (72時間)
• 測定場所
– IIJ 飯田橋本社
32
通信品質測定システムによる結果
33
通信品質測定システムによる結果
34
通信品質測定システムによる結果
35
通信品質測定システムによる結果
36
通信品質測定システムによる結果
37
通信品質測定システムによる結果
• IIJmioの通信品質について説明しました
• では、他社を含めたMVNOの通信品質はどうなっているのか?
– IIJmioの通信品質は、良いのか?悪いのか?
– 様々なMVNOで調べてみました!
38
3. MVNOの通信品質について
39
MVNOの通信品質について
40
MVNOの通信品質について
41
MVNOの通信品質について
42
MVNOの通信品質について
43
MVNOの通信品質について
44
MVNOの通信品質について
45
MVNOの通信品質について
• 他社を含めたMVNOの通信品質まとめ
– お昼時間(12:00-13:00)と夜間帯(18:00-24:00)の品質が低下する傾向にある
• その程度は各社のサービスプラン、インフラ設備、相互接続帯域確保状況によって異なっているようにみえる
46
MVNOの通信品質について
(参考)なぜ急激な品質低下がおこるのか? – 通信に広く使われているTCPプロトコルはパケットロスに非常に敏感
– 数%のパケットロス(100パケット中数個)でスループットが急激に低下する(下図)
Port0:サーバ Port1:クライアント
47
MVNOの通信品質について
(再度注意)
• 各社とも設備および相互接続帯域の増強は常に検討、および、実施しているはずです
• 測定時点の結果より、改善している可能性はありますので、この結果をそのまま鵜呑みにしないでください
• 最終的には自分の目で確認して、MVNOのサービスの品質に納得して、ご利用をお願いします
48
まとめ
• IIJmioのサービスでサービスの品質を維持するための取り組みを紹介しました
• また、実際の測定結果を元にMVNOのサービスの通信品質とはどのようなものか解説しました
• 最後に、IIJmioサービスで快適なモバイルライフをご利用頂けるよう、モバイルインフラの強化、通信品質の維持にむけて継続して取り組んでいきます。