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天体物理学 I : 授業の内容. 天文学は天体からの光を研究する学問です。 そこでこの授業では、「光」をどう扱うかの基礎を学びます。 授業計画は、 A.水素原子 B.エネルギー準位 C.熱平衡 D.線吸収 E.連続吸収 F.光のインテンシティ G.黒体輻射 H.等級 I.色等級図 J.光の伝達式 I K.光の伝達式 II L.星のスペクトル という順で進めます。 最後まで行くと、星のスペクトルがどんな仕組みで決まっているかが判る、 というのが目標です。 AからEまでは光の吸収に関係する物理の話です。Fでは光の強さをきちん - PowerPoint PPT Presentation
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天体物理学 I : 授業の内容天文学は天体からの光を研究する学問です。
そこでこの授業では、「光」をどう扱うかの基礎を学びます。
授業計画は、
A.水素原子 B.エネルギー準位 C.熱平衡 D.線吸収 E.連続吸収
F.光のインテンシティ G.黒体輻射 H.等級 I.色等級図
J.光の伝達式 I K.光の伝達式 II L.星のスペクトル
という順で進めます。
最後まで行くと、星のスペクトルがどんな仕組みで決まっているかが判る、
というのが目標です。
AからEまでは光の吸収に関係する物理の話です。Fでは光の強さをきちん
と定義します。GからIは光の強さを天文学でどう使うかを示します。JからLは
光がガス中を伝わる様子を式に表わし、その式を解いて星のスペクトルを導き
ます。それでは、始めましょう。
L 星のスペクトル今回の内容(L.1) 恒星大気の復習: エディントン大気 ソースファンクション S( τ )が S( τ ) = aτ+b の時の大気を調べます。(L.2) 黒体輻射スペクトルからのずれ 吸収係数が波長によって変化することの影響を調べます。 (L.3) 恒星スペクトルのモデル 以前に求めた吸収係数を使い、星のスペクトルを計算します。 (L.4) 線形大気での吸収線形成 吸収線が形成されるメカニズムを調べます。(L.5) 等値巾 W ( Equivalent Width ) 吸収線の強度を表現する量をどう作るかを調べます。(L.6) 成長曲線 (Curve of Growth) スペクトル解析で重要な手法の基礎です。(L.7) スペクトル分類 標準的なスペクトル分類の解説です。(L.8) 連続吸収とバルマージャンプ バルマージャンプの大きさとスペクトル型の関係です。(L.9) 連続吸収とバルマージャンプ バルマージャンプの大きさとスペクトル型の関係です。
2
J ( x,λ )= (1/4π)∫I (μ, x, λ) dΩ
= (1/2)∫I (μ, x, λ) dμ
=平均輻射強度
n
Ω
θX
星の大気の表面からの深さを x とし、真上方向からの角度を θ とします。
輻射強度 I(x,θ, λ ) が軸対称の時、 μ = cosθ とおいて3つの量 J,H,K を次のように定義します。
H ( x,λ )= (1/4π)∫cosθI(θ,x,λ) dΩ
= (1/2)∫μI(μ, x,λ) dμ
=∫ cosθ I (θ,x,λ) dΩ = 4πH ( x, λ)
フラックス F ( n, x ,λ)
L.1. 恒星大気の復習: エディントン大気
K( x,λ ) =(1/4π)∫ (cosθ)2 I ( cosθ, x,λ) dΩ
= (1/2)∫μ2 I (μ, x,λ) dμ
× ∫μdΩ/4π :
,,
Hd
dK
という仮定を導入します。これをエディントン近似と呼びます。この近似は等方的な輻射 I(x、 θ )=I(x)の時には厳密に成立します。ですから、大気の深い所での(星の内部では輻射はほぼ等方的ですから)性質を浅い所でも成り立つと考えていることになります。
上の式は未知数が J, H, K の3つあるのに式の数が2つなのでもう一つ式がないと解けません。そのため
),(3
1),( JK
恒星大気中を角度 θ で進む光線に対する輻射の方程式は、
,,,,,
cos SId
dI
と書かれます。
,,,
SJd
dH× ∫μdΩ/4π :
この方程式に以下のような立体角の重み付き平均操作を施すと前ページで定義した J(x,λ) , H(x,λ) , K(x,λ) に対する式が二つ出来ます。
kR ( x,λ ) = Rosseland mean opacity
,,,
SJd
dH
,,
Hd
dK
),(3
1),( JK
こうして下の3つの式まで来ましたが、まだ波長 λ が邪魔です。
そのためには、上式を下のように波長積分した J(x), H(x), K(x) に対する式に変える必要があります。
J(x)=∫J(x、 λ )d λ 、H(x)=∫H(x、 λ )d λ 、 K(x)=∫K(x、 λ )d λ
ただ、一つ注意する点があります。それは上の積分は同じxの点で行われていることです。 τλ =一定で積分してはいけないのです。そのため、くどいのですが一度 τ からxに戻ります。
(1)(2)(3)
x に戻ると、
,,
,xxJk
dx
xdH
,
,xHk
dx
xdK
(4)(5)
),(3
1),( xJxK (
6)
次に(5)をそのまま波長で積分すると、右辺が∫ kλH(x, λ) dλ となるのですが、この先の変形の展望がありません。そこで、(5)式を
(4)を波長で積分すると、
dxxJkdx
dxHd ,,
,
)(),( xAdxA
dx
xdH
),(),(),( xxJkxA は λ での光の吸収と放射の差、A(x)は点xでの光全体の吸収と放射の差です。
(7)
,,1
xHdx
xdK
k (
8)として、積分するのですが、ここで幾つかの仮定を導入します。
仮定 (A) K(x, λ) = (1/3) ・ J(x, λ) エディントン近似
(B) J(x, λ) = B [T(x), λ] LTE(局所熱平衡 )
すると、(8)式の左辺は次のように変形されていきます。
dx
dT
dT
TdB
kdx
xTdB
kdx
xdK
k
,
3
1),(
3
1,1
ここまで下処理をしてから(8)式を λ で積分します。左辺は
(9)
ddT
TdB
kdx
dTd
dx
xdK
k ,1
3
1,1
ロスランド平均吸収係数 kR は次の式で定義されます。
ddTTdB
ddTTdB
k
kR
,
,1
1 (10)
(14)
)(3
1)( xJxK
こうして得られた(7)、(13)、(14)が波長で積分した J(x), H(x), K(x) に対する式です。ここでもう一度まとめて書くと、
)(3
1)( xJxK )(
)(xH
d
xdK
R
)(xA
dx
xdH
(11)
RRR
R
d
xKd
dx
dxTBd
kd
dT
TdB
dx
dT
k
dxHddT
TdB
dx
dT
k
)(,1
3
1,1
3
1
,,1
3
1
(12)
すると(8)式は
ここでロスランド平均光学的深さ τ R は d τ R= k Rdx で定義されます。
左辺を変形し
これで(4)、(5)式は片付きました。最後の(6)式は λ で積分すると、
)()(
xHd
xdK
R
(13)
結局
(15)
(16)
ロスランド平均線形大気前ページの最後にまとめた3式を星の大気に応用しましょう。
核融合反応は起きていないので、ネットの吸収は起きません。従ってA(x)=0です。 したがって、(7)式から、
HoxH
xAdx
xdH
)(
0)(
CHoK
HoHd
dK
RR
RR
R
)(
)()(
(13)式は、
(17)Cは積分定数で大気表面 τ R=0での条件から値を決めます。
CHoKBJS RRRRR 33)(3)()()(
この式は良く見ると、源泉関数S( τ R)が τ Rの一次関数の形をしています。ですから、以前にやった線形大気の結果が使えます。もう忘れているでしょうから簡単にその結果をまとめておきましょう。
(18)ここで、前にも使ったLTE(局所熱平衡)の仮定に再登場してもらうと、
I(τ=0 , μ>0) = (1/μ)∫∞0 S(t) exp( - t/μ) dt = a+ bμ = S (τ=μ)
I(τ=0 , μ<0) = 0
線形大気 S(τ)= a + bτ の表面輻射強度 I( τ=0 , θ )とフラックスF( τ=0)
θ
τ =1
τ = μ =cos θ
τ =0
F=∫ μI (μ,τ=0) dΩ = 2π∫ 10μ ・ ( a+ bμ) dμ= 2
π(a/2 + b/3)
もう少し変形して、 F= π[a + b・ (2/3) ] =π・ S
(τ=2/3 )
有効温度Teは σ ・Te4=F で定義されます。
B(T)=( σ/π )T4 を使うと、B(Te)=F /π =S( τ=2/3 ) です。
I
(μ,τ=0)
2頁前に戻り、定数 C を決定しましょう。ここまでで判ったのは、
H=Ho
S( τ R)=3Ho τ R+3C
の二つです。この二つはCが何でも、(15)の3式を満たす事は明らかです。Cを決めるには星の表面、 τ =0 を見る必要があります。
ところが、星の表面近くでは上の層つまり宇宙空間からの輻射はゼロなので、表面近くの輻射強度そのもの、勾配でなく、が表面フラックスを決めるのです。したがって、Cが大き過ぎると、S( τ R)が与えるFが大きくなりすぎるし、Cが小さ過ぎるとFより小さくなってしまいます。ちょうどFになるCを決める必要があるのです。
星の表面からは、内部から運ばれてきたフラックス F = 4 πHo が外に放射されなければなりません。星の内部ではそれは大気の温度勾配を表わす
3Ho・ τ R
で保証されていました。これは、内部では内側の層が上を照らす輻射と、外側の層が下を照らす輻射の差し引き、つまり黒体輻射強度の勾配がフラックスをきめているからです。
Δτ R=1
上の と下の
との差が
を産む。F
F 星の内部では
τ R=0F
星の表面では
表面の が を産む。
では、S( τ R)=3Ho τ R+3C から決まる F が Hoから決まる F=4 πHoになるように、定数 C を決定しましょう。
F= π・S( τ R= 2/3 ) = π ・ [ 3・Ho・(2 / 3)+3・C ] でしたから、
π ・ [ 3・Ho・(2 / 3)+3・C ] = 4 πHo
C=(2 /3)・Ho
です。これが、 Fを正しく与える C なのです。この C を元の(17)式に代入すると、
B( τ R)=S( τ R)= 3Ho・ τ R+2Ho
大気内の温度T
星の有効温度Teは F= σ T e 4 で定義されます。Teと τ Rを使って大気内部の温度 T を表わしてみましょう。
まず上の関係から、 ( σ/π )Te4 =4Ho です。
Tは、 B( τ R)=S( τ R)=( σ/π )T( τ R) 4 = 3Ho・ τ
R+2Hoから決まります。 両式から、 ( σ/π )T( τ R) 4 = 4Ho・ [ (3 /4)・ τ R+(1 / 2) ]
T( τ R) 4 = Te4 ・[ (3 / 4)・ τ R+(1 / 2) ]
こうして、エディントン大気内部の温度変化を有効温度Teとロスランド平均光学的深さ τ Rの関数として表わす事ができました。
下のグラフは (T/Te) を τR の関数として表わしたものです。大気の表面温度はTeではないことに注意して下さい。
0 1/3 2/3 1 2 3
τR
To1
1 .5
表面
T/Te
L.2 . 黒体輻射スペクトルからのずれ
エディントン大気からの総フラックスFは、F= σTe4 でした。ここに Te は、ロスランド平均光学的深さ τ R= 2/3 のところでの大気温度です。
もし、全波長で κλ = κ0 = 一定(グレイ)であったら、全波長で τλ= τ Rです。したがって τλ = 2/3 になる深さは τ Rと共通で、温度はTe です。
このようなグレイ大気からのフラックスは
F λ = π B (Te 、 λ) つまり温度 Te の黒体輻射スペクトルです。通常は波長毎に κλ が異なるので、 τλ = κλ ・L λ = 2/3 とな
る深さL λ が、したがって波長毎に覗き込む温度T(L λ )が異なります。このために波長毎に異なる温度の黒体フラックスが出ます。これが、星からのスペクトルが黒体輻射スペクトルと異なる原因です。
グレイ大気
ノングレイな大気
λ
κ
τλ =0
τλ = 2/3
λ
τR = 2/3
τλ = 2/3 λ
τλ =0T1
T0
T2
λ
F λ
π B λ (Te)
λ
F λ
κλ が一定
λ
κκλ が波長で変化
(1) 上の式を見ると、T( τλ=2/3 ) を求める必要のあることが判ります。
エディントン大気で、温度分布は τ Rで以下のように与えられます。
T( τ R) 4 = Te4 ・ [ (3 / 4)・ τ R+(1 / 2) ]
kλ と kR が判っている時に、 τλ=2/3 となる深さは τ Rではいくつでしょう?
波長 λ での星表面からのフラックス F λ は、その波長での光学的深さ τλ が 2 /3の
温度 T( τλ=2/3 ) に相当する黒体輻射 のフラックスです。ですから、
F λ = π ・B λ[ T( τλ=2/3 ) ]
です。回りくどい式ですからよく眺めて意味を理解して下さい。
(2) T( τλ=2/3 ) を kλ 、 kR 、Te, を使って表わして下さい。
(3) F λ を kλ 、 kR 、Te, B λ (T) 、を使って表わして下さい。
結局、F λ = π B λ ( T )
ただし、
λ
k λ
kR
λ
Fλ
B λ (Te)
41
12
1
k
kTT Re
上の式を見ると、
k λ =kR の時に、 T=Te となります。
k λ>kR の時は、 T < Te
k λ<kR の時は、 T > Te
になる理由は何度も書いたように、吸収が強いと表面に近く低温の部分までしか見えず、吸収が弱いと深い所まで見えて温度の高い輻射を受けるからです。
その様子は右の図を見て下さい。
L.3.恒星スペクトルのモデルこうして、恒星のスペクトルを求める準備が整いました。
星の大気表面でのフラックスは TBF ,
4
1
3
2
1
4m
4388.1
15
m
810191.1,
kRk
kRk
RT
T
TB
12
1TeT
m/2W/m
exp
で表されます。ここに、
第5回目の講義 E=C ont. で k λ の計算をしました。その時にはまだロスランド平均吸収係数 k R の話はなかったのですが、その計算を行い上式で求めたスペクトルを次に示します。
下のグラフは、Te=10,000KのA型星の吸収係数 kλ です。 点線はロスランド平均吸収係数 kR = 1.89 10-8 cm-1 を示しています。
次ページにはB λ (T=10,000K)のグラフがスケール不定で描かれています。
kλ = になる波長に注意して、A型星のスペクトルを描いて下さい。
H-の b-f と f-f 吸収のへこみこのへこみは近赤外Hバンド帯でのスペクトルのコブを産み出します。
H- b-f 吸収のピークでは k λ が kRの2倍になるので、その付近でF λ が落ちるのです。
バルマー吸収
H-b-f
H-f-f
kR
バルマー不連続(バルマージャンプ)が現れてきました。
太陽はTe=5780Kなので、このスペクトルに近いのです。
H α線
太陽大気の吸収は主にH-が担って、Hのb-f吸収がそれを次いでいます。H-の吸収は変化が穏やかなため、生じるスペクトルは黒体輻射に近いのです。
F型星の吸収はH-とHのb-f吸収が拮抗しています。とHのb-f吸収は変化が激しく、黒体輻射からのズレが目立ってきます。
A型星の吸収はHのb-f 吸収が支配的で、変化が激しく、黒体輻射からのズレが大変大きいのです。
これが測光標準星として良く出てきたベガのスペクトルです。問題に出た星でもあります。合いましたか?
高温の星ではバルマー不連続は見えません。
L.4. 線形大気での吸収線形成吸収線形成を簡単なモデルで考えるために、次のような沢山の仮定をします。
(1) 局所平衡(LTE)
S λ ( τ R)=B λ[T( τ R) ] ( τ R=ロスランド光学深さ)
(2) エディントンモデル
T( τ R)4=(3 / 4)Te4 ( τ R+2 / 3)
(3) 線形大気
S λ ( τ R)= Aλ+ B λ・ τλ
生憎、(1)と(3)は厳密には両立しません。そこで、(1)を τ R=0 のまわりで一次式で展開して、近似的に(3)と考えます。
R
ToTR
ToT
RToT
RRToT
RR
Td
dBToB
Td
dBToB
To
Te
dT
dBToB
d
dT
dT
dBTBTB
R
ln8
3
ln8
3
16
3
0
3
4
0
したがって、(3)において、
RToTTd
dBBToBA
ln8
3,
と見なせば、(3)を(1)と両立させ得るわけです。
線形大気S( τ )=A+B τ の大気表面からのフラックスは
F= π[A+B・(2 / 3) ] = π S( τ =2 / 3)です。したがって、
RRTBTBF
3
2
3
2
または、
3
2
ln8
3
3
2
R
ToTTd
dBToBbaF
この式から分かるように、F λ = α+( β/τλ )の形をしていて、 τλ が大きい所では
F λ が小さくなる。これが、吸収係数が大きい波長で吸収線が現れる原因である。
τ R = 0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
τλ=2/3
κλ
大気表面
λ
λ L
もう少し物理的に考えると。
吸収係数が次の図のように、 λ = λ Lで盛り上がっているとします。 λ Lでは吸収が強いので、浅いところで τ L=2 / 3に達します。浅いためにそこの温度は低いのです。
浅いので温度が低く、フラックスが小さい。
深いので温度が高く、フラックスが大きい。
吸収係数と吸収スペクトルの関係をもう少し調べてみましょう。
λ = λ Lの付近で、 κ = κ C+ κ Lとします。
1ln4
1
1ln4
1
ln4
1
ln4
1
C
L
L
R
ToT
C
L
C
L
C
R
ToTC
R
ToT
R
ToT
Td
dBToB
Td
dB
Td
dBToBF
Td
dBToBF
λ Lλ
κ( λ )
κ C
1
11
1
1
C
L
L
R
C
L
C
L
C
RR
C
LC
R
LC
RR
に注意して、前々頁のFの式を書き直すと、
前頁の式を検討すると、まず、下から2行目に出てくる
C
R
ToTTd
dBToBFc
ln4
1
は λ L付近での連続スペクトルとなっていることがわかります。
連続スペクトルの強さは、 κ Cと κ Rの強さの比で決まります。
κ R< κ C Fo<Fe= π B(Te)
κ R> κ C Fo>Fe= π B(Te)
次に下から2行目の最後の項
は、吸収線を表しています。吸収が弱い( κ L< κ C)場合、吸収の深さが κ L
に比例することがわかります。
最後の行の
C
L
C
R
ToTA Td
dBF
ln4
L
R
ToTL
R
ToT Td
dBFo
Td
dBToBF
ln4ln4
1
は吸収が強い場合には、大気の表面(T=To)しか見通せないことを示しています。
図示すると以下のようです。弱いライン
3
2R
C
RR
3
2
C
L
C
RR
1
3
2
0R 大気表面T=To
ライン波長で見通せる深さ
連続光波長で見通せる深さ
有効温度T=Teの深さ
強いライン
3
2R
C
RR
3
2
L
RR
3
2
0R 大気表面(T=To)
≒ ライン波長で見通せる深さ
連続光波長で見通せる深さ
有効温度T=Teの深さ
ピュアな吸収の場合、強い吸収の極限はT=Toの大気表面からの輻射がスペクトルの底になるわけです。
λ
Fc( λ )
F( λ
)
Fo( λ )
κ Lと共に深くなる
κ Lが非常に強いと吸収線の底が飽和する
吸収線の強度につれての形の変化
))
L.5.等値巾 W ( Equivalent Width )
吸収線の近くのみを考え、連続吸収の強度 κ C=一定、吸収線では
κλ = κ C+ κ Lとします。 F λ = π B λ[T( τλ = 2/3)] ですが、
τλ =(2 / 3)の深さは連続光では τ C=( 2/3)(κC/κλ) < 2/3 に対応します。
C
3
2
3
2CTBTBF
展開して、
C
L
CC
Cd
dBTBF
3
2
3
2
3/2
C
L
LCC
13
2
3
2
3
2 CC
弱い吸収では κL<<κC なので、
線輪郭( line profile )
F λ
CC
L
C
L
CC
C
d
Bd
d
dB
BF
FFR
ln
3
2
3
21
λ
R λ
1
0
等値巾 Wλ=∫Rλdλ
Wλ
λ
R λ
1
0
F λ
FC
弱いライン:
d
d
Bdd
d
BddRW L
CCCC
L ln1
3
2ln
3
2
= 光球( τ C= 2/3 )までの原子数
f222
mc
q
cnd
cndnd LLLLLL
LLCC
L NnLn
3
2
3
2
fln 22
mc
q
cd
BdNW
CL
1
ln
3
2 00
CC
L
d
BdR
ドップラーコア:
10 Rマクスウェル速度分布: dN= (N / Vo π1/ 2 )・ exp[- (V/Vo)2]・dV
ここに、 Vo = (2kT /μmH) 1/2
V ーー> λ = λo (1+ V/c) = λo +D
ドップラーシフト分布: dN= (N /λ D π1/ 2 )・exp [- (λ- λo)2/ λ D
2 ]・dD ここに、 λ D
= λo・ Vo /c
F λ /FC1
0λλo λ1
Bλ(τC= 0 ) ――――― Bλ(τC=2/3)
D
R (λ1) =Dとなる λ1 より内側ではR=Dで飽和します。
2
020
2
exp1
fDD
L ccm
q
Dccm
q
d
BdN
Dccm
q
d
BdN
ccm
q
d
BdND
DCLD
DCL
D
DDCL
20
2
01
20
22
01
2
0120
2
1lnfln
1f
lnexp
exp1
fln
Dccm
q
d
BdNDW
DCLD
20
2 1lnfln2
この時期はドプラーコアの吸収のみ
で、吸収量Wの増加は小さいのです。
ローレンツウィング (Ro>>1)
F λ /FC
1
0λ
Bλ(τC= 0 ) ――――― Bλ(τC=2/3)
D
λ1λo
非常に強いラインでは、ドップラーコアは完全につぶれてしまい、ウイング
部分が飽和するようになります。ウィングの形はローレンツ型。
1
fc
1
11f
c
20
2
02
0
20
2
cm
q
cm
qLL
Dccm
q
d
BdN
Dccm
q
d
BdN
ccm
q
d
BdND
CL
CL
CL
1f
1ln
1f
ln
1f
ln
2
001
20
22
01
201
20
2
Dccm
q
d
BdNDW
CL
1
f1ln
22
0
弱いライン
L.6.成長曲線 (Curve of Growth)
D
LC
LL
CLL
DCL
D
CL
mc
q
cd
BdNX
D
X
Dd
BdN
Dmc
q
cd
BdN
D
W
mc
q
cd
BdNW
1f
ln
ln
1f
ln
fln
22
000
0
0
22
22
ドップラーコア
ローレンツウィング
D
X
D
W
D
XD
Dccm
q
d
BdNDW
DD
DCLD
00
20
2
ln2ln2
1lnfln2
1f
22
11f
ln2
1f
ln2
220
0
00
220
20
2
cm
q
c
D
X
D
W
D
XD
Dcm
q
cd
BdND
Dccm
q
d
BdNDW
L
DDDD
CL
CL
log ( X 0 / D ) log(π1/2 X 0 / D ) log{ 2 [ ln ( X 0 /D)] 1 /
2 }
log{ 2 (Λ/λ D ) ( X 0 /D )1/2 }
-2 .0 -1.75
-1 .0 -0.75 δ/λ D
-0 .5 -1.25 0.1 0.01
0 .0 0.25 -0.70
0 .5 0.75 0.33 -0.45
1 .0 1.25 0.48 -0.20
1 .5 0.57 0.05
2 .0 0.63 0.30
3 .0 0.72 0.80
-0.20
3 .5 0.75 1.05
0.05
4 .0 0.78 1.30
0.30
5 .0 0.83 1.80
0.80
弱ライン、ドップラーコア飽和、ウィング飽和に対するlog(W /Dλ D )の近似値
( δ/λ D =0.1 、 0.01 )
-2 -1 0 1 2 3 4 5
log X0/D
0
-1
-2
1
2
Log(W/Dλ
D)
成長曲線( Λ/λ D =0.1 )
L.7.スペクトル分類
Harvard System Pickering/Cannon
分類法 1901 Annals Harvard Obs.28,10
1912 Annals Harvard Obs.56,225
HD(Henry Draper) カタログ 1918 Annals Harvard Obs.91
低分散対物プリズム写真乾板の眼視分類
1)ライン強度比
2)ラインの有無
3)ライン強度
O(a-e)-B(1,2,3,5,8,9)-A(0,2,3,5)-F(0,2,5,8)-G(0,5)
-K(0,2,5)-M(a,b,c,d)
Yerkes System Morgan/Keenan
スリット分光 λλ 3930-4860 A 115 A/mm
スペクトルの大部分は同じタイプを示すが、あるライン
の比が異なる。絶対等級に依存。
d: 矮星 (dwarfs) g: 巨星 (giants) c:特に明るい星
Harvard System
+ 光度クラス I ( a,ab,b) ← c Supergiant
II Bright Giant
III ( a,ab,b) ← g Giant
IV Subgiant
V ← d Dwarf
Yerkes System でのスペクトル分類
O 4ー9、 9.5
B 0, 0.5, 1-3, 5, 7,8, 9.5
A 0, 2,3, 5, 7
F 0, 2,3, 5, 7, 8,9
G 0, 2, 5, 8
K 0, 2,3,4,5
M 0, 1, 2, 3, 3, 4, 7, 8
O 型星特徴
中性及び電離ヘリウム線。電離ヘリウム線がなければB 型である。早期程電離ヘリウム線が強くなる。
MK 分類は
He II 4541/He I 4471 を細分類に使用。
晩期 O 型では Si IV (4089)
と CIII(4068, 4647, 4651)
4541 HeII4471 HeI
4101Hδ
4340Hγ
4686 HeII
4861Hβ
B 型星特徴
中性ヘリウム線有り。 B2型で最強。
電離ヘリウム線無し。
水素線は晩期程強い。
4340Hγ
4861Hβ
4471 HeI4367 HeI
3970Hε
4101Hδ
A 型星特徴
水素バルマー線が強く、 A2 で最強。
Ca II のH(3968) 、 K(3933) 線はA0 型で現れ、晩期に向かい強まる。
多数の金属線( FeI, FeII, CrI, CrII, TiI, TiII) が有り。
4861Hβ
4340Hγ
4101Hδ
3970Hε+
3968CaII H
3933 CaII K
F 型星特徴
Ca II の KH 線が強い。
バルマー線は弱くなる。
CH の G バンドが F3 以降強くなる。
4861Hβ
4340Hγ
4101Hδ
3933 CaII K
3970Hε+3968CaII H
4300CH G
G 型星特徴
バルマー線は金属線と同じくらいまで弱くなる。
CH ( G バンド)とCN ( 42163883) は強い。
4861Hβ
3933 CaII K 3970Hε+3968CaII H
4383FeI d
4300CH G
4340Hγ
4326 FeI
4226 CaI g
4101Hδ
K 型星特徴
弱いバルマー線
強くて多数の金属線
非常に強い HK 線
分子バンド( G バンド)強い
TiO は K7 で見え始める
3968CaII H3933 CaII K
4300CH G4226 CaI g
4761 TiO
M 型星特徴
λ< 4000A多数金属線
TiO 吸収帯
4422, 4584, 4626,
4761, 4954, 5167,
5448, 5497, 5759,
5810, 5847, 5862,
6158, 7054, 7589,
7672, 8433,
3933 CaII K 3968CaII H
4226 CaI TiO
4584 4761 4954
Hα
Hβ
HγHδ
CaII K
4471 He I
4686 He II
バルマージャンプ
3970Hε+
3968CaII H
NaI D
Hα
HβHγ
Hδ3970Hε+
3968CaII H
CaII K
NaI D
Mg b
FeI E
以下の 5 種の大気について、連続吸収の大きさを計算してみましょう。
以下の表とグラフに示すように、 T=25,000K から 10,000K では、バルマー端 λ =0.3648 μ で起きるkの変化が大きくなっていく。これは、温度が下がるため( n 2 /n 3 ) が大きくなったからです。さらに温度が下がると、 ( n 2 /n 3 ) がより大きくなりますが、低温になるとグラフに示される通りH-のb-f吸収が効いてくるので、バルマー端でのkのジャンプは目立たなくなってきます。
L . 8.連続吸収とバルマージャンプ
スペクトル型 T Pg( erg/cm3 ) Pe( erg/cm3 )
K7 4 ,000 100,000 0.18
G0 6 ,000 62,000 14.0
A9 7 , 500 17,000 130
A0 10 ,000 1,300 420
B0.5 25000 1,900 904.7
吸収係数 k(cm-1)=k(Hb-f)+k(H -b-f)+k(H -
f-f)
= n1σ1+ n 2 σ 2 + n 3 σ 3 +n 4 σ 4 +N - σ bfー
+NeN - α -ff
可視域では A0 型星のカラーを0とし、他の星のカラーはそれを基準にして決めています。先に求めた Te=10000K のスペクトルを A0 型と考えて、 U-B,B-V という2つのカラーを求めてみましょう。有効波長は U,B,V で λ =0.36, 0.44, 0.55 μmとします。
T Fλ ( U ) Fλ ( B ) Fλ ( V ) U-B B-V
K7 4000 2.69E+06 4.82E+06 7.30E+06 -0.05 1.22
G0 6000 7.02E+07 9.69E+07 8.51E+07 -0.33 0.63
F 0 7500 1.50E+08 3.14E +08 2.17E+08 0.12 0.37
A0 10000 6.10E+08 1.14E+09 5.61E+08 0.0 0.0
B 1 25000 1.21E+10 8.52E+09 3.65E+09 -1.06 -0.15
68.0log5.2
4.11
10.6log5.2log5.2
log5.2log5.2
BF
UF
BF
UF
BF
UF
BF
UFBU
A
A
77.0log5.2log5.2log5.2
VF
BF
VF
BF
VF
BFVB
A
A
0
-0.5
-1.0
0
B1
F0A0
K7
G0
0.5 1.0B-V
U-B
モデルスペクトルの2色図
(1) 上の式を見ると、T( τλ=2/3 ) を求める必要のあることが判ります。
エディントン大気で、温度分布は τ Rで以下のように与えられます。
T( τ R) 4 = Te4 ・ [ (3 / 4)・ τ R+(1 / 2) ]
kλ と kR が判っている時に、 τλ=2/3 となる深さは τ Rではいくつでしょう?表面から幾何学的な深さ(100mとか10kmという意味です) L までの、
τλ = kλ ・L
τ R= k R ・L
なので、
τ R= ( k R / kλ )・ τλ
τλ =2 /3 を代入して、
τ R= ( k R / kλ )・(2 /3)
(2) T( τλ=2/3 ) を kλ 、 kR 、Te, を使って表わして下さい。 T( τ R) 4 = Te4 ・ [ (3 / 4)・ τ R+(1 / 2) ] に τ R
= ( k R / kλ )・(2 /3) を
代入して、 T( τλ=2/3 ) 4 = Te4 ・ [ (3 / 4)・( k R / k
λ )・(2 /3) +(1 / 2) ]
= (1 / 2)Te4 ・ [ ( k R / kλ ) + 1 ]
(3) F λ を kλ 、 kR 、Te, B λ (T) 、を使って表わして下さい。
F λ = π ・B λ[ T( τλ=2/3 ) ] に上のTの表式を代入して
4
1
12
13/2
k
kTT Re
41
12
1
k
kTeBF R