[1]木の花ファミリー通信 Vol.39 2010 年 11 月号 Vol.39 2010 年 11 月号 木の花ファミリー/特定非営利活動法人 青草の会 419-0302 静岡県富士宮市猫沢 238-1 おひさまハウスひまわり 電話:0544(66)0250 ファクシミリ:0544(66)0810 ホームページ:http://www.konohana-family.org メールアドレス:[email protected] T O P I C S 11 2 6 7 使15 使使14 10 1 5 使使使5 2 会場となったラフィング・フィッシュ・エコビレッジの様子 GENOA の各国大使とともに。国際色豊かです

木の花ファミリー通信 Vol.39

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木の花ファミリー通信 Vol.39

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Page 1: 木の花ファミリー通信 Vol.39

 「おひさまハウスひまわり」の

薪ストーブに火が灯るように

なった今日この頃。暖かい陽だ

まりのなかでお昼寝をしたり、

富士山の頂きに積もる真っ白い

雪を眺めながら、「今年もあとも

う少しだね」という会話も聞か

れるようになりました。お部屋

の大掃除をする前に、ファミリー

ではまず、ひとりひとりが心の

大掃除にとりかかり始めたよう

ですよ!

[1]木の花ファミリー通信 Vol.39 2010 年 11 月号

Vol.39 2010 年 11 月号木の花ファミリー/特定非営利活動法人 青草の会419-0302 静岡県富士宮市猫沢 238-1 おひさまハウスひまわり電話:0544(66)0250 ファクシミリ:0544(66)0810ホームページ:http://www.konohana-family.orgメールアドレス:[email protected]

トピックス

TO

PI

CS

GENOA総会に

出席しました!

 

こんにちは、みちよです。

11月2日から6日間、エコビ

レッジの世界的なネットワー

ク組織である「グローバル・

エコビレッジ・ネットワーク

(GEN)」のオセアニア・ア

ジア支部(GENOA)の年

次総会に出席するためにフィ

リピンに出張してきました。

 

今年の総会には、バングラ

デシュ、タイ、カンボジア、

スリランカ、フィリピン、オー

ストラリア、そして日本の

7ヶ国から大使(代表)が出

席、見学者も合わせて15人が

会議に参加しました。私は現

在、GENOAの日本大使と

副代表を務めています。

 

フィリピンでの総会の開催

は、今年で3回目。今回の会

場は、GENOAの代表とフィ

リピン大使を務めるペネロペ・

レイエスさんが立ち上げたば

かりのエコビレッジ「トゥワ・

ザ・ラフィング・フィッシュ(笑

う魚)」でした。ビレッジはマ

ニラから北に車で3時間ほど

の農村地帯にあって、敷地内

の電力はすべて14枚の太陽光

パネルと水タンクの塔の上に

付けられた風力発電機でまか

なわれています。昨年の10月

に訪れた際はまだ予定地だっ

たため、池と井戸しかありま

せんでしたが、たった1年で

5つの建物が立ち並んでいて、

ペネロペさんとパートナーの

ジョン・ファーミューランさ

んの行動力に感心しました。

建物はどれもフィリピンの伝

統的な工法で建てられ、地元

の竹や廃材を活用したもので

す。敷地にはバナナやココナ

ツ、パイナップル、パパイヤ

などの樹が植えられていて、

日本では見たこともない品種

のバナナを毎朝もいで食べる

のがバナナ好きな私にとって

大きな楽しみでした。

 

総会の1日目は、まず集

まった各国の大使がこの一年

の各国のエコビレッジの動向

をプレゼンテーションしまし

た。また、私と一緒に総会に

参加した日本のGENOAメ

ンバー2人も自分の関わる取

り組みについてプレゼンテー

ションしました。

 

2日目、3日目は、GEN

OAの運営に関する実務的な

会議となりました。わたしは

GENOAの副代表として、

各国の大使が運営に関する事

柄を「自分ごと」としてとら

え、積極的に参加できるよう

に配慮しながら、代表のペネ

ロペと交代で議長を務めまし

た。こうした心構えは、木の

花の「大人ミーティング」に

臨むときとまったく同じです。

人がある同じ目的を持って集

うときは、そこにいる人々の

意識がその場を作り上げてい

くものです。海外の人々と話

していても、それは変わらな

いことを改めて実感しました。

 

今回の年次総会を通して

もっとも印象に残ったのは、

バングラデシュ大使のゴメス

氏の発表でした。彼がこの5

年間、「持続可能な開発のため

のバングラデシュ協会(BA

SD)」の理事として開発に関

わっているある村は、2年前

から貧困や環境問題の改善、

災害の危機管理を目的として

エコビレッジへの転換をはじ

め、それが功を奏して住民の

会場となったラフィング・フィッシュ・エコビレッジの様子

GENOA の各国大使とともに。国際色豊かです

Page 2: 木の花ファミリー通信 Vol.39

木の花ファミリー通信 Vol.39 2010 年 11 月号 [2]

暮らしも豊かになりつつあっ

たそうです。しかし、村はこ

の夏の台風や大雨で浸水して

しまい、人々は未だに路上で

生活をしているといいます。

もともと国土全体の海抜が低

く、海面が1メートル上昇す

ると国土の17・5%が水没

してしまうバングラデシュで

のエコビレッジづくりは大変

なことです。日本ではどこか

他の世界のことのようにも思

われがちな地球温暖化ですが、

目の前にいる友人にとっては、

すでに抜き差しならない現実

なのです。

 

木の花ファミリーの暮らし

は、一人当たりの二酸化炭素

の排出量が日本の平均値の約

半分であることが確認されて

います。代替エネルギーの利

用や環境に配慮した建物と

いったハード面についてはま

だまだ未整備なファミリーで

すが、それでもこれほど環境

に優しい暮らしが実現してい

ます。それは、私たちが生活

に必要なものを皆で共有して

暮らしているからです。エコ

新たな出会いから

「開花の年」へ

 

昨年の終わり、いさどんか

ら「来年は『変革の年』にな

るね」という話がありました。

その言葉通り、今年はたくさ

んの出会いがあり、メンバー

も70名を超え、旅館業や地域

の便利屋といった新しい事業

もスタートしました。メンバー

ひとりひとりの内面もさらに

磨かれ、みんなの絆もより深

まって、メンバー間で「今年

はまさに変革の年だったね」

という会話があちこちで聞か

れるようになってきました。

 

そんな一年のラストスパー

トとなるこの11月、「変革の

年」のメインイベントとも呼

べるような出来事がありまし

た。それは世界最大の農的コ

ミューンとも呼ばれている「幸

福会ヤマギシ会」の方々が初

めてファミリーを訪れたこと

です。「ネットワーク地球村」

代表の高木善之さんがヤマギ

シ会での講演で「ぜひ、見学

してきたらいい」とファミリー

を紹介してくださったことが

きっかけとなり、11月15日に

三重県の「春日山実じ

っけんち

顕地」と

「豊里実顕地」にお住まいの8

名の方々が1泊2日でファミ

リーを体験しにいらっしゃい

ました。

 

どの方々も調和のとれた穏

やかな方ばかりで、終始和や

かな交流の場となり、互いに

城雄二さん。11 月 21日のパネル・ディスカッションにて

ビレッジというとハード面の

工夫ばかりが注目されがちで

すが、分かち合う暮らしこそ

がもっとも環境に優しいので

す。

 

そうした点も世の中にしっ

かりと伝えながら、アジア地

区でエコビレッジの暮らし方

を推進していくために、来年

は様々なツアーや勉強会を企

画していきます。ブログ等を

通じて皆様にもお知らせしま

すので、ご興味をお持ちの方

は、ぜひご参加ください。

 

アジアにおいても、エコビ

レッジの暮らしが次世代のモ

デルとなることを確信した年

次総会でした。

(みちよ)

とって大変有意義な時間とな

りました。「本当にここは居心

地が良くて、どちらが自分の

家だかわからないくらいです」

「これからはヤマギシでも木の

花でもない、地球家族ですね」

などなど、たくさんの心温ま

るご感想をいただいて、ファ

ミリーの皆も深く心を動かさ

れました。

 

実は、このご訪問に先立っ

て、21日にあるパネルディス

カッションが企画されていま

した。それは、20年間にわたっ

てヤマギシ会に関わり、4年

間の居住経験のある城雄二さ

んが2名のヤマギシ会住民の

方とともにファミリーを来訪

され、ファミリーとヤマギシ

会の取り組みを紹介しあう、

というものです。このことは

15日の8名のご訪問とはまっ

たく別の出会いから企画され

たもので、とても偶然とは思

えないタイミングに誰もが大

きな流れを感じたのでした。

 

そして25日には、ヤマギシ

会のリーダー的存在である北

大路順よ

りのぶ信さんと谷口寛ひ

ろしさんが

ファミリーを来訪されたので

す。出会ってすぐに、私たち

はお二人に同じ空気を感じ、

初めて出会ったような気がし

ませんでした。それはお二人

にとっても同じだったようで、

「今まで出会わなかったことの

方が不思議ですね。でも、今

がそのタイミングなのですよ

ね」とのことでした。

 

滞在1日目の午後は、まず

3時間半にわたっていさどん

との会談の場が持たれ、その

夜にファミリーの大人メン

バーたちとの交流の場が持た

れました。互いをニックネー

ムで呼び合うファミリーの習

慣にならってお二人にもさっ

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[3]木の花ファミリー通信 Vol.39 2010 年 11 月号

ファミリーでは古代米と呼ばれる黒米と赤米を栽培して販売しています。ふつうのお米に 2 割ほど混ぜて炊くとごはんが鮮やかな色に染まり、独特の香りが楽しめます。黄色とつぶつぶの食感が特徴のもちきびも、お米に混ぜて炊くとふんわりした味わいが楽しめ、こちらも人気商品です。今回、この黒米と赤米、もちきびを最適な割合で白米に混ぜたパックを発売しました。研いで炊くだけで色鮮やかで香り高いご飯が楽しめます。もちろん、すべて無農薬・無化学肥料栽培。3合パックで、手軽にお試しいただけます。可愛らしいパッケージで、おみやげやご贈答にもおすすめです!

赤米・黒米・きびごはん各 500 円(3 合パック)

といで炊くだけ!手軽に楽しめる

そくニックネームがつき、北

大路さんは「よりどん」、谷口

さんは「かんちゃん」という

ことで、交流会は和気あいあ

いとした雰囲気でスタートし

ました。

 「自分が18歳の時にヤマギシ

会に参画した時には、すでに

千人ものメンバーがいました」

というよりどんは、ご自身の

体験談や色々な想いを時折冗

談を交えながらざっくばらん

に語ってくださいました。メ

ンバーからもヤマギシ会の考

え方や暮らしについての質問

をさせていただき、互いの理

解を深めることができました。

 

規模や歴史、設立の経緯な

ど、まったく異なる背景を持

ちながらも、そのベースとな

る志は「より良い社会を創る」

よりどん、かんちゃん(後列左から 4、5 番目)と記念撮影!

デザイン作業中のみきちゃん

ということで共通しているヤ

マギシ会と木の花ファミリー。

いさどんは「今日は扉が開い

た。木の花やヤマギシ会にとっ

ての扉が開いたというよりも、

社会にとって扉が開いた記念

すべき日です」と話し、地球

共同体の大切な仲間として今

後もつながっていこう、と確

認しあって交流会の幕を閉じ

ました。

 

後日、ファミリーを訪問し

た方々から、「ヤマギシ会の中

で報告会を開催したところ、

大反響だった」とのご連絡を

いただきました。たくさんの

方々が「ぜひ、訪問したい」

とおっしゃっているとのこと

で、「私たちも必ず、そちらに

遊びに行きます!」とお伝え

して、まさに交換留学のよう

な交流が始まろうとしていま

す。

 

そんな中で、いさどんや数

名のメンバーが今回の出会い

を振り返りながら、今後の交

流について話していたときに、

「今年は『変革の年』だったけ

れど、来年は何の年になるだ

ろうね」という話題になりま

した。そうしたら、いさどん

に『開花の年』というイメー

ジが湧いてきました。長い間

かけて培ってきた多くのこと

が『変革の年』を経てつなが

り合い、それが花開く――。

来年はきっとそんな年になる、

と。

 

いったい、どんな出来事が

私たちを待っているのでしょ

う。そんなことに皆で想いを

馳せながら、今回の記念すべ

き出会いに感謝し、これから

つながっていくであろう沢山

の方々との出会いを楽しみに

しています。

(ようこ)

みきちゃんを

ご紹介します!

 

最近、「おひさまハウス・ひ

まわり」の事務所でパソコン

に向かい、次々とデザインの

仕事を手掛けているのは、9

月1日にメンバーになったみ

きちゃん。元パートナーとの

関係や子育てで行き詰まった

ことをきっかけに、5月の下

旬に友人に紹介されて、1歳

5ヶ月のゆりかちゃんと初め

てファミリーを訪れました。

 

ファミリーの第一印象は、

「とにかく厳しく思えた。今

まで子どもを叱ったことがな

Page 4: 木の花ファミリー通信 Vol.39

木の花ファミリー通信

2010年11月号

編集・制作/木の花ファミリー

©2010

木の花ファミリー

★木の花ファミリーとは?

94年創立、富士山の麓で有機農

業による自給自足を生活の基盤

に72人が血縁を超えた家族とし

て生活を営む共同体です。

★NPO法人青草の会とは?

01年に木の花ファミリーを母体

として有志で設立されたNPO

法人です。「いのちがつながる

社会」の実現に向けて、環境や

福祉への取り組み、有機農業の

普及・啓蒙、エコビレッジへの

取り組みなど、さまざまな活動

を行っています。

 

このニューズレターはク

リエイティブ・コモンズに

もとづき、原著作者のクレ

ジットを表示し、改変せず、

非営利目的で使用する限り

において、自由に複製、頒布、

展示することができます。

木の花ファミリー通信 Vol.39 2010 年 11 月号 [4]

konohana recipe>>>036

しょうがクッキー

[ 材料 ](約 30 個分)A 卵  …………………………… 1 個半(M サイズ) 砂糖  ………………………… 90g サラダ油  …………………… 65 ccB 小麦粉  ……………………… 250 g しょうがパウダー  ………… 小さじ 2.5 杯

1. A を混ぜ合わせる。2. B を合わせてさっくりと混ぜ合わせる。3. 30 個(15g)ほどに分け、好きな型に整形する。4. 170 ℃のオーブンで 20 ~ 25 分焼く。

今年のファミリーは、しょうがが大豊作!ここ何年か欠品していた人気商品の「しょうがクッキー」も復活となりました。今月は、皆様にそのレシピをご紹介します!

かったから、ここの子育ても

厳しく見えました」と話して

くれました。実は訪問する前

からここに移住したいという

想いもあり、いさどんに相談

してみたところ、「ここを駆

け込み寺だと思ったら違うよ。

ここは出家者の集まりみたい

なところだから、相当の覚悟

がないと辛くなるよ」と言わ

れ、いったん家に戻りじっく

りと考えてみることにしまし

た。一生の決断ということで

2ヶ月間迷った末、「心を磨く

ということを求めている自分

もいる」と思い、7月下旬再

びゆりかちゃんと一緒にファ

ミリーを訪れました。そして、

9月1日の自分のお誕生日の

日に、メンバー宣言をするに

至りました。

 

みきちゃんに、メンバーに

なってからの2ヶ月を振り

返ってもらいました。

 「いさどんが神様からいただ

いたメッセージをようこちゃ

んが教えてくれたの。

 『苦しみは、神が人間に与え

た唯一の救いである。

 

苦しみと対面し、苦しみを

乗り越えることが、その苦し

みから解放される唯一の方法。

 

今あなたが与えられている

苦しみは、今までのあなたの

生に対する答え。

 

他の誰にも与えられていな

い、神からの救いです』

 

今までの人生で辛いことも

たくさんあったけれど、他人

の辛さをわかるためには大切

なことだったし、こうやって

ここと出会えたことは本当に

ありがたいと思っています」

 

みきちゃんは20才から15年

間アトピーを患っていました

が、ここに来てからの3ヶ月

で7割方改善され、1年ほど

アトピーを患っていたゆりか

ちゃんはここに来てから1ヶ

月でほとんど良くなりました。

「その一番の要因は、自分の心

の変化だと思っています。今

までは自分勝手に考えて生き

てきましたが、ここに来てか

ら初めて感謝する心が芽生え

たのです。心の滞りがなくな

るにつれて、アトピーもどん

どん良くなっていって、新し

い仕事も色々と頼まれるよう

になってきました。」

 

もともとウェブ・デザイナー

だったスキルを活かし、商品

ラベル等のデザインを手掛け

るようになりました。みんな

からも「仕事が丁寧で、綺麗

な仕上がりだね」と評判は上々

です。デザインの仕事の合間

には、ミシンに向かってみん

なの洋服の直しから木の花庵

に置く小物づくりまでこなす

みきちゃんは、実は洋裁学校

出身だそうです。

 「実はお料理も得意だし、特

に煮物とか和食が得意なの。

高校の時にはバンドのボーカ

ルをやっていて全国大会に出

たこともあって(笑)、歌うこ

とも大好き!小学校の時はス

ピードスケートをやっていた

から体力にも自信があるし、

畑や田んぼ隊でもいけるか

も?!私って器用貧乏なの!」

と笑いながら話すみきちゃん

は、まさに木の花で重宝され

るオールマイティな人材です。

 「ファミリーを一言で言う

と、本物の救いがあるところ。

そして本当に成長出来るとこ

ろ」と語るみきちゃん。これ

からのみきちゃんの成長を皆

さんも期待して下さいね!

(ようこ)