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2 12 64 © 2 94 84 使[4]木の花ファミリー通信 Vol.64 2012 年 12 月号 2 12 10 6 5 講師の大塚洋一郎さん(右)。農業の6次産業化についてファミリー メンバーにレクチャーしてくださいました 講師の冨田貴史さん

木の花ファミリー通信 Vol.64 - 2012年12月

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木の花ファミリー通信 Vol.64 - 2012年12月

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Page 1: 木の花ファミリー通信 Vol.64 - 2012年12月

木の花ファミリー通信

2012年12月号・第64号

編集・制作/木の花ファミリー

©2012

木の花ファミリー

★木の花ファミリーとは

94年創立、富士山の麓で有機農業による

自給自足を生活の基盤に84人が血縁を超

えた家族として生活を営む共同体です。

 

このニューズレターはクリエイティ

ブ・コモンズにもとづき、原著作者の

クレジットを表示し、改変せず、非営

利目的で使用する限りにおいて、自由

に複製、頒布、展示することができます。

[4]木の花ファミリー通信 Vol.64 2012 年 12 月号

 

前号でもご紹介した、第2期エコ

ビレッジ・デザイン・エデュケーショ

ン(EDE)。今、準備を着々と進め

ています。12月10日には、経済の部

で講師を務めてくださる方々をお招

きして、「EDE経済ミーティング」

を開催しました。足を運んで下さっ

た講師の方々は、NPO法人農商工

連携サポートセンター代表理事の大

塚洋一郎さんと、お金や暦、エネル

ギーや草木染めなどのワークショッ

EDEだより

プを開催されている冨田貴史さんの

お二人です。NPO法人懐かしい未

来代表理事の鎌田陽司さんは、スカ

イプ(インターネット通話)にて自

宅から参加して下さいました。また、

僕も講師として参加させていただき

ました。

 

このミーティングは、講師の方々

にEDEについての理解を深めてい

ただくこと、また講師の方々の普段

の活動をシェアしていただくことで

相乗効果を生み出し、講義内容を磨

き上げることを目的として開催され

ました。そして、木の花ファミリー

はEDEのホストとして、メンバー

全員でこの過程を共有しました。

 

はじめに、講師の実践発表の時間

を持ちました。大塚さんは農業の6

次産業化を通して地方の活性化を支

援しています。農産物は加工品にす

ると5倍の付加価値を持つそうです。

それをマーケットで直売し、お客さ

んと直接触れ合った農家さんは、や

りがいを感じることができます。こ

うしたノウハウは、エコビレッジを

立ち上げる際の大きな力となること

でしょう。

 

冨田さんはEDEでみんなと心の

奥から語り合いたいと話してくださ

いました。TPPや増税、震災復興、

原発問題など、経済がからむ問題は、

私たちの暮らしにつながります。賛

成や反対に捕われず、それぞれの問

題に何を感じているか、どう向き合っ

ているか、そんなことを率直に語り

合うことは、受講生同士の深いつな

がりをもたらすでしょう。

 

鎌田さんは地域経済の大切さを語

ります。経済のグローバリゼーショ

ンが進んでいますが、ローカルな取

り組みは人々につながりをもたらし

ます。受講生は実例からその大切さ

を学んでいくことができるでしょう。

 

この世界の出来事は、すべて人々

の精神性の顕れで、経済も同様で

す。木の花で財務を担当している僕

は、このミーティングにそのような

講師の大塚洋一郎さん(右)。農業の 6 次産業化についてファミリーメンバーにレクチャーしてくださいました

視点を提供しました。どんな心が資

本主義経済を支えているのか。そし

て、木の花ファミリーの経済はどん

な心から生まれているのか。EDE

ではそれらを明らかにすることによ

り、未来の経済への展望を描きます。

 

講師による発表の後は、ファミリー

のメンバーも交えて語り合いました。

お金とは何か?仕事とは?経済と

は?農業とは?百姓とは?話題は多

岐に及び、とても刺激的な話し合い

となりました。この学びはそのまま

本番につながり、さらに受講生の個

性も加わって、実りの多い場が生ま

れることでしょう。

(文/なかのん)

講師の冨田貴史さん

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[3]木の花ファミリー通信 Vol.64 2012 年 12 月号

みんなのくらし

カリフラワー高きび詰めフライ

【材料】(4 人分)カリフラワー(小房に分けて)8 つ、高きび(炊いたもの)200g、玉ねぎ 150g、人参 75g、小麦粉 30cc、パン粉 40cc、塩 小さじ 2/3、しょうゆ 小さじ 1/2、こしょう・ナツメグ・セージ 適宜

【作り方】1. 高きびは洗う。圧力鍋に同量の水と共に入れて

中火にかけ、圧力がかかったら弱火にして 10 分煮る。

2. 玉ねぎ、人参はみじん切りにして炒める。3. ボールに 1、2、カリフラワー以外の材料を入れ

て混ぜ、カリフラワーの軸の部分に付ける。4. 固めの水溶き小麦粉、パン粉を付けて、中温の

油でこんがり揚げる。

今月の木の花菜食レシピ 花祭りのふるさと・

東栄町での学び

 

3月号で、ファミリーが愛知県・

東栄町の「花祭り」と深いご縁のあ

ることについてご紹介させていただ

きました。その後、ここ富士山の地

で私たちがこの祭りを継承してゆく

ことの大切さを皆で語り合いまし

た。七百数十年とも言われるこの祭

調理:のんちゃん

りの歴史と奥深い内容を学び、未来

につないでいくことは、大変意義深

いことだと思っています。そんな中

で、花祭りと深い関わりを持ち、ファ

ミリーの創立以前より親しくさせて

いただいている東栄町の大野冨士夫

先生のお声掛けによって、花祭りの

十一ヶ所ある地区の中の「小林地区」

の方々が、祭りの笛や太鼓、舞、そ

して「切り草」と呼ばれる紙の飾り

物の切り方などを教えてくださる運

びになりました。

 

12月9日、ファミリーで祭りに関

わるメンバーたちが小林地区を訪れ

ました。到着した花祭り会場の地に

は、樹齢三百年といわれる杉の大木

がそびえ立ち、古い神社が鎮座し、

脇を清らかな川が流れていました。

さっと吹いた風に落ち葉が舞い、思

わず古

いにしえの

花祭りに思いを馳せる、そ

んな場所でした。

 

私たちは神社の境内にある花祭り

の小屋の中に入れていただいて、そ

こで小林地区の方々からさまざまな

ご指導をいただきました。幼い頃か

ら笛や太鼓、舞を身につけてこられ

た方々の味わいはと

ても真似ができませ

んが、地区の方々は

私たちに惜しみのな

いご指導を下さいま

した。

 

大野先生は「花祭

りを東栄町から富士

山の地に持ち帰り、

木の花ファミリーの

手で育てて、あとは

自らが創造する文化

として取り組んで

いってください」と

おっしゃいました。来年2月3日の

節分の日が、ファミリーにとっての

花祭りの日になります。その翌日、

2月4日は農業の元旦とも呼ばれる

立春正月です。農業に携わる私たち

が、寒い冬から春に向かうこの時に、

農への祈願も込めた花祭りをさせて

いただけることにも、意味があると

思っています。これから舞の演目を

決め、農作業の合間に衣装を縫った

り、笛や太鼓、舞の練習をしたりす

る日々が始まります。東栄町に心を

向け、感謝しながら励んでいきたい

と思っています。

(文/れいこ) 愛知県東栄町の小林地区のみなさんと

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木の花ファミリー通信 Vol.64 2012 年 12 月号[2]

エコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE)受講生募集中!

EDE は、エコビレッジとして 18 年の実績を持つ木の花ファミリーに 1 ヶ月間滞在しながら、持続可能な暮らしを「環境」「経済」「社会」「世界観」の 4 つの側面から総合的に学ぶ体験型プログラムです。前年度受講生からも「持続可能な社会を目指すなら必ず受けるべき!」と絶賛されたこのプログラム、あなたもぜひ体験してみませんか?

* 期間:2013 年 2 月 17 日~ 3 月 19 日* 会場:木の花ファミリー* 参加費:年収 400 万円以上 22 万円      年収 200 万円以上 20 万円      年収 200 万円未満 18 万円 ※ 参加費には受講費・宿泊費・食費が含まれます。* お申込:木の花ファミリーへ直接ご連絡ください。 電話:0544-66-0250( 担当 : 池谷・中野 ) メール:[email protected]* 詳しくは、公式ホームページをご覧ください。http://ede.konohana-family.org/

【 お知らせ掲示板】

「やっしーツアー」が

やってきた!

 

11月28日、EDEの第一期受講生

であり、石川県にて「百笑の郷・い

ちの谷」を運営する「やっしー」こ

と林昌則さん率いる「いやさか一座」

まのディスカッションだけでなく、

早朝から野外に出かけて自然と触れ

合ったり、みんなで木を囲んで瞑想

したり、そこで得たビジョンを絵に

表したりと、右脳もフル活用してビ

ジョンを豊かなものにしていきまし

た。参加者はファミリーのおいしい

食事やおやつで身も心も満たされて、

夜は「木の花楽団」のコンサートで

心震わせ、互いのつながりを深めて

いきました。このつながりから、都

会での活動拠点づくりといった取り

組みも始まりそうです。

 「大人サミット」は、新たな自分や

自然、宇宙のあり方に気づき、つな

がり、ムーブメントが広がっていく

場です。新たな時代を迎えるにあたっ

て、このような場は、つながりを創

る一つのモデルになっていくでしょ

う。

(文/えりか)

の皆さんがファミリーを訪れました。

「いやさか一座」は詩吟や手品、ハン

ドベルに笑いヨガなど、多彩な芸能

で普段は老人ホームなどを慰問して

おり、この日は年に一度の「修学旅行」

としてファミリーを訪問、一座の楽

しい芸の数々を披露してくれました。

 

実はこの日は、現在いちの谷に滞

在しているニートの青年の一座入門

試験の日でもありました。ファミリー

みんなの前で一芸を披露した彼は拍

手喝さいを受け、めでたく入門試験

に合格!一座に新たなメンバーが加

わったのでした。

 

やっしーは現在いちの谷にて、ニー

トや引きこもりが元気になれる場づ

くりに取り組んでいます。「昔は悪い

事をして社会に迷惑をかけたので、

少しでも社会に貢献したい」と語る

やっしーは、その取り組みの一つと

して「クズプロジェクト」を始動さ

せました。きっかけは、ある有名な

シェフが葛粉を必要としていたこと。

葛を掘る「掘り子」の仕事は重労働

の割に収穫が少なく、なかなかなり

手がないことに着目したやっしーは、

日本中いたる所に生えている葛を、

時に「社会のクズ」と呼ばれるニー

トや引きこもりたちが掘ったら社会

も注目するのでは、と、クズプロジェ

クトを発足!この取り組みにはテレ

ビ局も着目し、行政とも連携した広

がりを見せています。当事者である

ニートや引きこもりたちもやる気を

見せ、来年にはニートシェアハウス

やNPO法人を立ち上げるのだとか。

いちの谷のこの取り組みを、皆さん

どうぞ応援してください! 

(文/ともこ)

「いやさか一座」の面々とファミリーメンバーでにぎやかに記念撮影!

Page 4: 木の花ファミリー通信 Vol.64 - 2012年12月

第5回「大人サミット」が

開催されました! 

 

11月23日から25日の3日間にわ

たって、木の花ファミリーを会場に

「大人サミット」が開催されました。

 

この集いは、社会的立場を超えた

人々が来たるべき社会のビジョンを

共に描き、行動を起こしていくこと

を目的としたもので、今回で5回目

を迎えます。「大人サミット」の「大人」

とは、一定の年齢に達した人のこと

ではなく、「自らの意識がこの世界

を創造しているという自覚と責任を

持っている人」を表しています。主

に企業の経営者や弁護士、大学教授

など、戦後の社会づくりを担ってき

た世代の方々が集ってきた「大人サ

ミット」ですが、前回の開催時には

中央大学の学生である池見優さんの

呼びかけで、20代を中心とした若い

世代が集う「ユース・ビジョン・サミッ

ト(YVS)」が同時開催されました。

「YVS」に参加した若者たちは、社

会の現状分析から宇宙の成り立ちに

まで及ぶ視野の広い話題で自在に語

り合い、ともすれば親や上司の世代

から「頼りない」と評価されがちな

自分たちの世代が、実は物質的な豊

かさを超えた高い精神性を追い求め

ていることを認識する場となったの

でした。

 

こうした成果を受けて、「大人サ

ミット」は今回から「YVS」と統

合し、あらゆる世代に開かれた集い

となりました。実際に中学生から70

代までの多彩な世代の参加者が集っ

たサミットの場は、「YVS」の発起

Vol.64

木の花ファミリー通信

トピックス

「結びの年」の 2012 年も、残すところあとわずかとなりました。今年は国内のみならず、世界各国の人々とたくさんの心のネットワークが培われました。心と心が結ばれて、さて、来年はどのような出来事が私たちを待っているのでしょうか?(ようこ)

2012 年 12月号

[1]木の花ファミリー通信 Vol.64 2012 年 12 月号

木の花ファミリー/特定非営利活動法人ぐりーんぐらす  電話 : 0544(66)0250 FAX : 0544(66)0810

〒 419-0302 静岡県富士宮市猫沢 238-1 おひさまハウスひまわり

ホームページ : http://www.konohana-family.org メールアドレス : [email protected]

人である池見さんが全体の進行を担

当したり、世代を超えたグループディ

スカッションでは高校生が堂々と発

表者をつとめたりと、若者たちが大

活躍しました。さらに文化人類学の

研究のためにファミリーに滞在して

いたデンマークの大学院生、カチャ・

ブラセスさんや、知的障がいを持つ

人も加わって、互いの個性を生かし

ながら対等に語り合い、触発しあう

創造的な時間となりました。

 

共に未来のビジョンを創りあげて

いくプロセスでは、室内で座ったま

ディスカッション会場で。長~いこたつで、和やかな雰囲気です。左端が全体の進行役を務めた「ぽうる」こと池見優さん

早朝に広場でいちょうの木を囲み、想いをひとつにしました