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カリキュラム

TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY DEPARTMENT OF CHEMISTRY

カリキュラム

自ら最先端の研究を実施し卒業研究としてまとめることを課しています。また、大学院に進学することで、修士・博士の取得も可能です。 ○ 基礎を重視した教育 化学科では無機・分析化学系、有機・生化学系、物理化学系の3系を体系的に偏りなく学びます。各系における基礎を修得した後に、専門性の高い卒業研究に進み、研究実践力を養います。 ○ 充実した実験・演習科目の配置 1年次に基礎的な実験を必修科目として履修します。3年次では週4日間8コマの専門実験を必修とし、1年間集中的に実験科目を履修します。より深い理解を促すため各系に演習科目を配置します。

化学が対象とする物質群は、従来の有機・無機・生体関連物質などから海洋・大気環境・宇宙に関連する物質などまでに広がってきています。このような状況を鑑みて、化学科では、幅広い教育を提供できるよう「無機・分析化学」「有機・生化学」「物理化学」の3つの主要分野を中心とする体系的なカリキュラムで、基礎から専門性の高い講義まで段階的に学修できるようにプログラムが組まれています。化学の基礎知識の習得と物質への探究心の育成のために、化学の基礎的な科目と実験を必修科目とし、学生の自主性と幅広い知的好奇心を育成するために、学部専門科目では選択必修制を採用しています。最終学年では、化学の多様な分野で質の高い研究を展開している各研究グループに属し、

学部 4年間(または3年間)

1年次 2年次 3年次 4年次

教養・基礎教育科目 専門科目・専門実験

卒業研究

研究室配属 早期卒業*

卒業 学士(理学)

大学院

2年次

進学

3年次 1年次 2年次 1年次

修士課程(2年間) 博士課程(3年間)

修了 修士(理学)

修了 博士(理学)

入試

入試

入試

*学部3年修了時の成績により、早期卒業が認められ大学院への進学ができることがあります。

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∎ 同位体化学 研究室 放射線を探針とした化学研究

放射線の一種であるガンマ線は原子核から放出される非常にエネルギーの大きな光です。このガンマ線は原子核に固有のエネルギーを持っており、検出感度も高く、さらには物質の透過性が高いという性質をもつため、この光を追跡することによる物質の動態挙動を分析するのに利用されています。私たちの研究室ではガンマ線をはじめとした放射線を分析に用いることによって次のような物質の性質を研究しています。

トピック

久冨木 志郎 ([email protected]), 042-677-2432

放射化学的手法を応用した家庭ごみリサイクル法の開発 東京都では年間、約450万トンの家庭ゴミが一般廃棄物として排出されています。この値は東京都民一日一人当たり、約950 gのゴミを捨てていることになります。廃棄物最終処分場の残余年数は20年程度とされており、廃棄物処分場の枯渇は深刻な問題となっています。廃棄物処分量削減のための取組みとして、同位体化学研究室では2017年10月より東京都高度研究によるサポートを受け、家庭ゴミ焼却スラグからの有価金属の回収技術、およびこれを原料とした環境浄化光触媒の開発を行っています。以下にこれまでの研究成果をまとめます。

放射性同位元素を用いた金属フラーレンの研究: サッカーボール型分子C60等に代表されるフラーレン分子に金属原子を取り込んだ様な構造をもつのが金属内包フラーレンと呼ばれる分子です。この分子は電子デバイスや医薬品としての応用が期待されていますが、生成量は非常に少なく、現在、応用研究はほとんど進んでいないのが現状です。私たちは極少量でも非常に感度良く測定できる放射線を用いて金属内包フラーレンの性質を調べ、また、医学的に有用な放射性同位元素を罹患部位まで運搬するドラッグデリバーとして金属フラーレンの核医学的な応用を目指しています。 1)放射化学的手法を用いた金属内包フラーレンの基礎研究 2)金属内包フラーレンの高効率分離法開発 3)核医学的応用を目指した金属内包フラーレン研究

図1 塩化チタン(TiCl4)を用いた金属フラーレンの高効率分離法の(左)概略図と(右)実際に分離した試料の質量スペクトル.分離前試料(a)に含まれているGd@C82フラーレンはろ液中(b)には全く検出されていないが、ろ紙上に残った成分(c)はGd@C82を含む金属フラーレンのみが検出されている。この手法の開発により分離時間を約1/50、金銭的コストを含むおよそ1/80にすることに成功した。

<メスバウアー分光法を用いた機能性材料のキャラクタリゼーション: メスバウアー分光法はコバルト-57などの放射性核種から発生するガンマ線を利用した分析方法です。この手法によって、鉄などのメスバウアー吸収核とよばれる特殊な核種を含む元素とその周辺にある原子との化学結合の強さや電子の分布の偏り、磁性の有無などを知ることが出来ます。この特徴を生かし、私たちは導電性ガラスや赤外線透過ガラスおよび磁性体の組成-機能-物性の相関解明を行っています。 最近取り組んでいる研究テーマ名を以下に示します。 1) 高い導電性を持つバナジン酸塩ガラスの開発とその高性能二次電池正極材への応用 2) 金属鉄および酸化ナノ粒子合成法の開発とその有機物分解機構の解明 3) 鉄イオン含有ケイ酸塩の構造と可視光応答型光触媒作用との相関解明

<有価金属回収技術の開発 -蛍光X線およびガンマ線分光法によるスラグの成分分析-> まず、家庭ゴミ焼却スラグの構造解析およびその成分の同定と定量のため、2018年1月から2020年の3月まで、毎月1度スラグをサンプリングし、蛍光エックス線分析およびガンマ線分光法により化学組成の定性と定量を行いました。その結果、主成分としては、Na2O, CaO, Al2O3, SiO2, FeOが、また微量成分としてはCu等の貴金属やMn, Co等のレアメタルが含まれていることが確認されました。主成分の組成はほぼ安定しており、サンプリングした月ごとで大きく変動することはありませんでしたが、12-3月の冬季にはSiO2が増え、FeOが減少することが分かりました。

<環境浄化光触媒の開発 -鉄メスバウアー分光法による光触媒中の鉄イオンの構造解析-> 私たちのこれまでの研究成果から、鉄を含むソーダライムアルミノシリケイトは可視光照射により、有機色素の一種であるメチレンブルーを分解することを確認していた(Iida et al., J. Alloys Compd., 645, 1 (2015))ため、この時の材料作成のノウハウを応用し、家庭ゴミ焼却スラグからガラスセラミックスを作製したところ、420-750 nmの可視光照射によって触媒活性を示すことが明らかになりました。 この試料中で鉄イオンはヘマタイトと呼ばれる酸化鉄の中に含まれ、さらにナノ粒子化していることが、液体窒素温度(80 K)で測定したメスバウアースペクトルから判明しました。

<おわりに> 同位体化学研究室で現在行われている研究を上に紹介しました。ガンマ線分光法は放射性核種を「見つける技術」、また、メスバウアー分光法は密封の放射線源を用いて鉄の電子状態等を「調べる技術」です。「放射性核種」や「放射線」と聞くと、「危険なもの」というイメージがありますが、東京都立大学理学部化学科では放射性核種の取扱いに限らず、化学に関するあらゆる知識や技術を身につけ、卒業・修了研究を行います。高校生の皆さん、私たちと一緒に研究してみませんか。

光照射下

MB水溶液

遮光下

6 時間

図2家庭ゴミ焼却スラグから作製した光触媒を用いたメチレンブルー(MB)分解試験

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∎ 生物化学 研究室 トピック1 染色体を維持する仕組みを研究

人間の遺伝情報はDNAという分子に書かれています。ゲノム全てで、およそ30億文字のACGTの文字情報となり、1つの細胞に合計で2メートルにもおよぶ長さの長大なDNA分子があることになります。DNAは、細胞の10ミクロンほどの小さな核の中に、染色体という形で高度に秩序だった構造をとって格納されています(図1が染色体像です)。

生物化学研究室では、染色体維持に関わる様々な因子をコードする遺伝子の変異や欠損をもつミュータント細胞をゲノム編集技術により作製し、染色体維持の仕組みを研究しています。ミュータント細胞を用いた研究例を図2に示します。この実験では染色体維持に関与する12種類の遺伝子のミュータント細胞と元となる野生型細胞を縦軸に示しています。4種の構造のよく似た化学物質(薬品)を横に並べています。横軸のバーは各細胞の化合物への感受性を示しています。変異体の示す感受性プロファイルをみると、薬品Ara-Cのみ他と少し違う傾向があることがわかります。このことから、この薬品は他の薬品とは違った作用をもつことが推測できます。染色体維持に関わる様々な遺伝子は、がん細胞において頻繁に変異しており、図2のような感受性プロファイル情報は、どのような変異をもつがん細胞にどの薬を提供すれば高い効果が期待できるか、論理的に予測するための重要な情報にもなります。 HP: http://accafe.jp/biochem_tmu/index.php?FrontPage

トピック2 リボヌクレオプロテオームの研究

図1

放射線照射なし 放射線照射あり

ヒトの染色体のギムザ染色像。放射線によってDNAが損傷すると、染色体の断裂・融合などの異常(赤矢頭)につながります。

12種の変異細胞と野生型細胞での、4種の薬品に対する細胞生存率を測定した。細胞生存率を50%まで低下させる薬品濃度を求め、変異体細胞と野生型細胞でのこの薬品濃度の比を計算し対数表示した(横軸)。野生型細胞より高感受性となる場合、低濃度の薬品で細胞生存率が50%まで低下するので、バーは左側に現れる。

廣田 耕志 ([email protected]), 042-677-2542

拡大 拡大

遺伝子解析の技術が進歩して、ヒトをはじめとする生物の設計図といえる「ゲノム」に暗号化された情報の全貌が次々に明らかにされています。この情報をもとにして、例えばヒトが一生を過ごす間に、21,000種類のタンパク質と多くのRNAが働いていることがわかりました(図3)。では、ヒトの生命活動のそれぞれの瞬間には、どのタンパク質やRNAが、どのように相互に作用しながら、いったいどうやって働いているのでしょう?この問いに対する答えを集積することで、生命の仕組みを明らかにするための挑戦が世界中で始まっています。

遺伝子の集合をゲノムと呼ぶように、脳や肝臓の細胞で実際に働いているタンパク質やRNAの集合を「リボヌクレオプロテオーム」と呼びます。私たちは、リボヌクレオプロテオームの全体像とその機能ネットワークについて、質量分析法とゲノム情報を組み合わせて解析できる最先端のLC-MS技術を開発しています(図4)。こうした技術を利用した生命科学研究によって、生命の仕組みとその異常を、タンパク質やRNAを中心とした「分子の言葉」で理解するとともに、これらの分子を標的とした新しい医療技術を提供することを目標としています。 http://www.comp.tmu.ac.jp/proteomicslab/project.html

図4

図3 Oncotarget33464www.impactjournals.com/oncotarget

displayed a similar overall sensitivity profile , including sensitivity to AZT and FTD but not to Ara-C.

γH2AX focus formation following a pulse of Ara-C is immediate and not delayed to the next round of replication

We examined the effect of Ara-C on the cell cycle progression by BrdU pulse-chase labeling (Figure 6A and 6B). We pulse labeled S-phase cells with BrdU, and monitored the progression of the labeled cells through the cell cycle over an eight hours chase period in the presence of 30 nM Ara-C, a concentration close to serum

concentration seen in treated patients [32]. In agreement with our biochemical data (Figure 3), POLE1exo-/- TK6 cells, but not wild-type cells, showed a significa nt delay in the progression from the S to G2/M phases during the chase period when Ara-C was present (Figure 6A, 6B). Thus, the Polε exonuclease activity significa nt ly contributes to the progression of the S phase when replicative DNA polymerases mis-incorpotate Ara-CTP.

An important question is what effects Ara-C has on DNA replication in proofreading-profic

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ent wild-type cells. To address this question, we exposed wild-type TK6 cells to Ara-C for 6 hours, and chased in drug-free medium for 15 hours (Figure 6C). While the single cell cycle time of

Figure 4: Sensitivity profile s of the indicated nucleoside analogs in the selected DNA repair defici ent DT40 cells. The colony survival was measured as in Figure 1. The relative sensitivity of each isogenic mutant DT40 cells compared to wild-type DT40 cells was scored as log2 (IC50 in indicated mutant cells)/(IC50 in wild-type cells). Negative (left) or positive (right) scores indicate that the cell line was either sensitive or resistant to the specified nucleoside-analog, respectively. Each bar is colored according to the category of DNA repair function: red, POLE1exo-/-; green, removal of Top1 cleavage complex; brown, checkpoint; blue, HR; orange, base excision repair; gray, nucleotide excision repair, and purple, postreplication repair. Error bars show the SD of the mean for three independent assays.

図2

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∎ 有機合成化学 研究室 高周期16族元素を含む大環状化合物のホスト・ゲスト化学

大環状化合物は分子内に空孔を有するため、その空孔に分子やイオンなどを取り込むことが可能です。この時、この大環状化合物をホスト分子といい、取り込まれる分子やイオンをゲスト分子およびゲストイオンといいます。ホスト分子としては、クラウンエーテル、カリックスアレーン、シクロデキストリンなどが知られており、 サイズも様々なものが合成されています (図1)。 ゲストの取り込み方は孤立電子対によるカチオンへの配位、水素結合などの非共有結合性相互作用を利用したものや疎水効果のような溶媒効果によるものなどゲストやホストの違いによって様々です。ホスト・ゲスト化学の応用としては、大環状化合物内に金

属イオンを取り込むことによって、有機溶媒に溶けにくい金属イオンを有機層に移動して有機化合物の反応に利用したり、混合物の中から選択的に特定の物質を取り込むことによって必要あるいは除外したい物質を分離したり、環の内部に反応場を作って選択的な反応を可能にするなどがあり、様々な研究にホスト・ゲスト化学が応用されています。 有機化学は炭素を含む第二周期の元素を中心に発展してきたため、高周期元素の特性はまだ十分には解明されていません。私たちの研究室では、高周期元素の特性を明らかにし、それを利用することを目的として、第三周期の硫黄原子を有するチアクラウンエーテル(酸素を硫黄で置き換えたクラウンエーテル)誘導体 (図2)、特に剛直な構造を持つ不飽和チアクラ

トピック

清水 敏夫 ([email protected]), 042-677-2557

分子内に複数のカチオン部を持つ化合物の合成 スルフィド (R-S-R) は、硫黄を持つ有機化合物の中で最も一般的な物質です。スルフィドに対してアルキル化反応を行うと、スルホニウム塩 (R3S+X-) と呼ばれる硫黄上に正電荷を持つ化合物へと変換できます。上記のチアクラウンエーテルは、スルフィド部位を複数個持つ化合物であり、この化合物に対してアルキル化反応を行えば,分子内に正電荷を持つスルホニウム部位を複数個持つ化合物へと変換が可能です。しかし、分子内に正電荷を持つスルホニウム部位が複数個あると、静電反発により化合物が不安定になるといった問題が予想されます。私たちは、スルホニウム塩の対アニオン (X-)を適切に選択できれば、この問題は克服できると考えました。

アルキル化剤にメチルトリフラート (MeOTf) を選び、チアクラウンエーテル (12S4) のアルキル化反応を行ったところ、用いるメチルトリフラートの量を変えることで、対アニオン (TfO-) を持ち、分子内にスルホニウム部位を一つ持つ化合物1から、チアクラウンエーテルの全ての硫黄にメチル基が結合した化合物3を合成単離することに成功しました (図3)。化合物3の構造をX線結晶構造解析により調べると、硫黄上のメチル基はチアクラウンエーテル環の外側に向いていることがわかりました (図4)。また、酸化還元挙動を調べたところ、スルホニウム部位をより多く持つ

ウンエーテルを合成し、取り込む金属イオンの種類や数など、選択的取り込みの現象を分子構造と元素の性質から明らかにすることを目指しています。また、トピックに記すように、硫黄上に正電荷を持つ化合物の合成や物性に関する研究も行っています。

化合物が還元されやすいことがわかりました。今後、物性や反応性を検討していく予定です。

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